特許第6021569号(P6021569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6021569-検出装置およびコンクリートホッパ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021569
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】検出装置およびコンクリートホッパ
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/16 20060101AFI20161027BHJP
【FI】
   B28C7/16
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-221000(P2012-221000)
(22)【出願日】2012年10月3日
(65)【公開番号】特開2014-73597(P2014-73597A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000195971
【氏名又は名称】西松建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】特許業務法人エム・アイ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】森山 忍
【審査官】 末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−108650(JP,A)
【文献】 特開昭55−009811(JP,A)
【文献】 実開昭59−183899(JP,U)
【文献】 実開昭63−175629(JP,U)
【文献】 特開平11−129239(JP,A)
【文献】 特開2012−171742(JP,A)
【文献】 実開平02−064009(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C 1/00−9/04
E04G 21/00−21/10
B65G 65/30−65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートホッパ内のコンクリートの残留の有無を検出するための検出装置であって、
前記コンクリートホッパ内に設けられる板状物と、
前記コンクリートホッパの外部に設けられる標識部材と、
前記コンクリートホッパに形成された開口を通して前記板状物と前記標識部材とを連結する連結部材と、
前記コンクリートホッパの外部に設けられ、前記標識部材を遮蔽するための遮蔽部材とを含み、
前記板状物上に前記コンクリートが存在する場合、前記コンクリートが錘として機能して、前記板状物を押し下げるとともに、前記標識部材が持ち上げられて前記遮蔽部材により遮蔽され、前記板状物上から前記コンクリートが取り除かれた場合は、前記標識部材が下方へ移動して前記遮蔽部材から露出する、検出装置。
【請求項2】
前記板状物は、前記コンクリートホッパの底部に設けられる前記コンクリートを排出するための排出扉に近隣した該コンクリートホッパの傾斜部に設けられる、請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記開口を通して前記コンクリートがこぼれ落ちないようにするために、前記板状物と前記開口の周囲にある前記コンクリートホッパの開口辺縁部との間をつなぎ、前記板状物が押し下げられたときに折り畳まれ、前記板状物が持ち上げられたときに伸びて広がる開口閉鎖部材をさらに備える、請求項1または2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記板状物が押し下げられた状態となるときに弾性変形する弾性部材をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記標識部材に取り付けられる錘をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の検出装置を備えるコンクリートホッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートホッパ内にコンクリートが残留しているかどうかを検出するための検出装置およびその検出装置を備えるコンクリートホッパに関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートダム工事で使用されるダムの堤体を構成するコンクリートは、その堤体から離れた場所に設けられるコンクリートプラントで製造され、そこからコンクリートの打設現場まで、索道やダンプトラック等を組み合わせることにより輸送されている。索道は、空中に架設した鋼索に運搬器であるコンクリートバケットを取り付け、コンクリートを運搬する装置である。
【0003】
その輸送の際、少なくとも1回は、索道からダンプトラックへといった積み替えを必要とし、その積み替えの際、コンクリートの分離等の材料損耗を防止することができる漏斗状のコンクリートホッパに一時的に溜置きされる。
【0004】
コンクリートバケットからコンクリートホッパへ、また、コンクリートホッパからダンプトラックへ積め替える際、そのコンクリートバケットやコンクリートホッパ内にコンクリートが残留する場合がある。コンクリートの残留が発生すると、コンクリートの打設場所において必要とするコンクリート量を確保することができず、また、製造したコンクリートの一部が無駄となる。さらに、本来空になっているはずのコンクリートバケットやコンクリートホッパにコンクリートが残留することで、コンクリートバケットやコンクリートホッパの汚染や、コンクリートのこぼれによる作業員への不安全状態を発生することがあった。
【0005】
このことに鑑み、コンクリートバケットやコンクリートホッパに設けた重量計等を用いた計量により、コンクリート残量を確認し、コンクリートの残留が発生しないようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−108650号公報
【特許文献2】特開2003−306230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1および特許文献2に記載の技術のように、重量計等の電気的検出装置を用いることによりコンクリートの残留量を正確に検出することができるが、電気的検出装置はメンテナンスや設置が面倒で、コストがかかるものである。特にメンテナンスにおいては、コンクリートが飛散付着して汚染源となりやすく、電気的検出装置を著しく劣化や損傷させることが多い。
【0008】
また、電気的検出装置は、その検出結果をディスプレイ表示し、そのディスプレイは、管理室内に設置されることが多いため、バケットやコンクリートホッパの周辺にいる作業員は、ディスプレイを見ている監視員からの放送や無線連絡等により、その検出結果を取得しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、コンクリートホッパ内のコンクリートの残留の有無を検出するための検出装置であって、コンクリートホッパ内に設けられる板状物と、コンクリートホッパの外部に設けられる標識部材と、コンクリートホッパに形成された開口を通して板状物と標識部材とを連結する連結部材と、コンクリートホッパの外部に設けられ、標識部材を遮蔽するための遮蔽部材とを含み、板状物上にコンクリートが存在する場合、コンクリートが錘として機能して、板状物を押し下げるとともに、標識部材が持ち上げられて遮蔽部材により遮蔽され、板状物上からコンクリートが取り除かれた場合は、標識部材が下方へ移動して遮蔽部材から露出する、検出装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、標識を見通せる位置にいる作業員であれば誰でも、コンクリートが残存しているかどうかを確認することができる。また、電気的に検出を行わないので、簡易で、耐久性に富む装置として提供することができる。さらに、コンクリートの残存の有無を検出することができるので、残存する場合はコンクリートの追加投入を防止することができ、異なる配合のコンクリートが混合するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の検出装置を備えるコンクリートホッパの平面図。
図2】本実施形態の検出装置を備えるコンクリートホッパの正面図。
図3】本実施形態の検出装置を拡大して示した図。
図4】コンクリートホッパに取り付けられた検出装置によりコンクリートの残留の有無を検出しているところを例示した図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ダム建設工事において、大量のコンクリートが使用されるが、このコンクリートは、コンクリートプラントから索道やダンプトラック等を利用して打設現場まで搬送される。索道は、コンクリートが収容されたコンクリートバケットを、ダム天端(ダムの一番高い部分)からコンクリートホッパが設置されている打設現場付近へ運搬する。ここで、コンクリートホッパを介してダンプトラックへ積み替え、実際の打設現場へ搬送する。
【0013】
コンクリートバケットからコンクリートホッパへコンクリートを投入する場合、コンクリートホッパ付近にいる合図者と、索道としてのケーブルクレーンの操作室とで無線連絡を取りながら、コンクリートバケットがコンクリートホッパ上にくるように調整する。そして、コンクリートバケットがコンクリートホッパの上部1.5m以内に入ったところで、合図者がコンクリートバケットの開閉スイッチを操作し、コンクリートバケットの底を開き、コンクリートホッパ内へコンクリートを投入する。
【0014】
図1および図2を参照して、コンクリートホッパについて詳細に説明する。本発明のコンクリートホッパは、従来から使用されるコンクリートホッパに、コンクリートの残留の有無を検出するための検出装置を備えるものである。コンクリートホッパ10は、例えば、0.5、mや0.7m等の所定量のコンクリートを収容できる容器で、底部にコンクリートを排出するための排出扉11を備えている。その形状は、漏斗状で、詳細には上側が円筒状とされ、下側が円錐状とされ、上部が開放されている。材質は、主にステンレス鋼が採用される。排出扉11は、これに限られるものではないが、左右に扉が設けられ、それらが両側へ開くように作られた開き戸(観音開き)である。
【0015】
コンクリートホッパ10は、コンクリートホッパ10の底部に設けられた排出扉11を開き、排出扉11を開くことにより落下するコンクリートを下側のダンプトラック12で受け止めるために、架台13上に設置される。架台13は、断面形状がI形、山形、H形等の形鋼を複数用い、溶接やボルトおよびナットにより互いを連結して枠状に組み立てられる。
【0016】
架台13は、例えば、4本の柱と、2本の柱間に斜めに入れて柱を補強する筋交いとから構成される支持体14上に設けられる。筋交いが設けられた2本の柱と、それに対向する同じく筋交いが設けられた2本の柱との間の距離は、ダンプトラック12が通行することができる幅とされる。
【0017】
コンクリートホッパ10は、底部に設けられた排出扉11に近隣した傾斜部15の任意の位置に開口が形成される。開口は、例えば、円形、矩形、三角形等のいかなる形状であってもよく、その大きさは、任意に決定することができる。傾斜部15は、コンクリートホッパ10の下側の底部へ行くにつれて縮小した円錐状の部分である。
【0018】
コンクリートホッパ10には、その傾斜部15に設けられた開口を開閉する板状物を含む機械的にコンクリートの残留の有無を検出するための検出装置16が設けられる。検出装置16の構造、機能、配置位置等については後述する。
【0019】
図3を参照して、検出装置について詳細に説明する。コンクリートホッパ10の傾斜部15に設けられた開口の上部には、検出装置16を構成する板状物20の一端が、例えばヒンジ21を用いて取り付けられる。ヒンジは、蝶番とも呼ばれ、戸や蓋等を開閉できるようにするための部品である。このため、開口は、板状物20の他端を上方へ持ち上げることにより開くことができ、その他端を下方へ移動させ、傾斜部15と当接させることにより閉じることができる。板状物20は、開口を閉鎖することができる形状および大きさとされる。図3では、略台形の開口が形成されており、これに対応して板状物20も、一周り大きくされた略台形とされている。
【0020】
板状物20は、アルミニウム等の金属製であってもよいが、コンクリートホッパ10の内壁と接触することから、キズ等が発生しにくく、軽量で変形しないものが好ましく、例えば、木製や硬質プラスチック製のものが望ましい。硬質プラスチックとしては、これに限られるものではないが、硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル樹脂等を用いることができる。
【0021】
板状物20は、コンクリートホッパ10内の傾斜部15上に取り付けられており、コンクリートホッパ10内にコンクリートが投入された場合、板状物20の上面にコンクリートが乗り、そのコンクリートが錘として機能して、板状物20の上記他端が下方へ移動し、開口周囲の傾斜部15と板状物20の裏面の縁部とが当接して、開口を閉鎖した状態にする。このため、投入されたコンクリートが外部へこぼれ落ちることはない。また、図3に示すように、開口および板状物20の形状を略台形とし、下方へ向けてその幅を狭くしていくことで、コンクリートをこぼれ落ちにくくしている。
【0022】
しかしながら、コンクリートホッパ10内へコンクリートが投入され、板状物20の上記他端が下方へ移動し、開口を閉鎖した状態になるまでは、その開口からコンクリートがこぼれ落ちる可能性がある。そこで、板状物20の上記他端が持ち上がっている状態であっても、開口からコンクリートがこぼれ落ちないように、板状物20と開口の周囲にあるコンクリートホッパ10の開口辺縁部とをつなぎ、開口を常時閉鎖した状態にすることができる開口閉鎖部材を設けることができる。この開口閉鎖部材は、例えば、ヒンジ21が設けられた板状物20の1つの端部を除く3つの端部と、開口辺縁部とをつないで開口を常時閉鎖した状態にし、板状物20の上記他端が下方へ移動するとき(押し下げられるとき)、折り畳まれ、持ち上げられるとき、伸びて広がるような板状物20の運動を阻害しない、厚さの薄いポリ塩化ビニルやゴム等のシートからなるホロとすることができる。これは一例であり、こぼれ落ちないようにすることができれば、その他の部材や手段を採用することも可能である。
【0023】
検出装置16は、そのほか、標識部材22と、連結部材23と、遮蔽部材24とを含んで構成される。標識部材22は、作業員が、コンクリートホッパ10内にコンクリートが残留していないことを知るための目印である標識を有し、コンクリートホッパ10の外部に設けられる。標識部材22は、例えば、表示板とすることができる。表示板は、単なる円形や矩形等の板であってもよいし、「空」等の文字、記号や絵等を含んでいてもよい。また、表示板は、目立つように様々な色で表示することも可能である。標識部材22は、作業員に見えるように一定の大きさとされ、文字等を含む場合は、表裏の両面に同じ文字等を表示したものが望ましい。この標識部材22も、板状物20と同様、木製や硬質プラスチック製のものとすることができ、アルミニウム等の金属製であってもよい。
【0024】
連結部材23は、板状物20と標識部材22とを連結するための棒状部材とされる。図3では、連結部材23は、棒状の腕木とされている。連結部材23は、腕木のように木製のものに限らず、上記の硬質プラスチック製や金属製であってもよい。また、連結部材23は、直線状に延びる棒状部材に限らず、折れ曲がり部を有する棒状部材や一定の曲率を有する棒状部材等であってもよい。
【0025】
連結部材23は、一端が標識部材22に、他端が板状物20の裏面に取り付けられる。ここで、裏面とは、上記のコンクリートが乗る上面の裏側にある面である。なお、連結部材23は、板状物20と標識部材22とを、コンクリートホッパ10に形成された開口を通して連結する。
【0026】
遮蔽部材24は、コンクリートホッパ10の外壁に設けられ、標識部材22を遮蔽するための部材で、例えば、不透明の2枚の板から構成することができる。これらの板は、標識部材22を遮蔽することができる大きさとされ、標識部材22に連結部材23を介して連結される板状物20が、コンクリートホッパ10の傾斜部15に当接し、開口を閉鎖した状態にする場合に、その標識部材22を遮蔽することができる位置に取り付けられる。この板も、板状物20や連結部材22と同様、木製や硬質プラスチック製のものとすることができ、金属製であってもよい。
【0027】
図4を参照して、コンクリートホッパ10に取り付けられた検出装置によりコンクリートの残留の有無を検出する方法について説明する。図4は、コンクリートホッパ10を横から見たところを示した断面図である。図4(a)は、コンクリートが投入された後の様子を示した図で、図4(b)は、コンクリートホッパ10の排出扉11を開いてコンクリートを排出した後の様子を示した図である。
【0028】
図4(a)に示すように、コンクリートホッパ10内にコンクリート30が投入された場合、コンクリート30によって板状物20の上面は傾斜部15へ向けて押され、板状物20は傾斜部15に押し付けられる。実際には、開口が存在するため、板状物20の裏面の縁部のみが傾斜部15と当接する。板状物20には、開口閉鎖部材25が設けられており、板状物20が傾斜部15へ押し付けられるのに伴い、開口閉鎖部材25は折り畳まれる。
【0029】
板状物20の裏面、すなわちコンクリート30と接触していない側の面には、略L字形をした1つの折れ曲がり部を有する連結部材23の一端が接続され、その他端には標識部材22が接続されており、このとき、標識部材22は、コンクリートホッパ10の外壁に設けられた2枚の板から構成される遮蔽部材24によって遮蔽される。すなわち、標識が見えないように遮蔽部材24に隠される。
【0030】
一方、コンクリートホッパ10の底部に設けられた排出扉11を開き、コンクリートホッパ10内に収容されたコンクリート30を排出すると、図4(b)に示すように、それまで板状物20上に乗っていたコンクリート30が取り除かれるため、一端がヒンジ21により支持された板状物20の他端は、上方へ持ち上がり可能とされる。
【0031】
板状物20は、コンクリートホッパ10内にあり、一端がヒンジ21により固定され、一定の質量を有することから、そのヒンジ21を中心として、傾斜部15の内壁へ向いた一定方向に回転するような力が作用する。板状物20には、連結部材23を介して標識部材22が連結されることから、これら標識部材22や連結部材23にも、そのヒンジ21を中心として回転する力が作用する。しかしながら、これら標識部材22や連結部材23は、コンクリートホッパ10の外部に配置されることから、傾斜部15の外壁へ向いた、上記一定方向とは反対の方向に回転するような力が作用する。
【0032】
図4(b)に示す実施形態では、板状物20の質量に比較して、標識部材22および連結部材23の質量の方が大きいことから、上記の反対方向へ回転する力の方が大きく、このため、板状物20の他端が上方へ持ち上げられる。このとき、板状物20の他端が持ち上げられることに伴い、折り畳まれた開口閉鎖部材25は、伸びて広がり、開口を閉鎖したままの状態とし、コンクリート30がこぼれ落ちないようにする。
【0033】
板状物20の他端が持ち上げられた結果、標識部材22は、それまで遮蔽部材24で遮蔽されていたものが、上記の反対方向への回転により、下方へ移動し、その移動によって遮蔽部材24から露出する。このようにして、作業員は、標識部材22を確認することができたときに、コンクリートホッパ10内にはコンクリート30が残留せず、すべて排出されたことを検出することができる。
【0034】
実際には、板状物20の他端より低い位置に、コンクリート30が少量残る場合もあるが、わずかな量であり、誤差範囲のものとすることができる。なお、板状物20の他端を、出来るだけ底部に設けられた排出扉11に近づけることにより、コンクリートホッパ10内に残るコンクリート量を減少させることができる。
【0035】
また、ヒンジ21とともに、ゴムやバネといった弾性部材を用い、弾性部材が弾性変形しない状態のとき、板状物20が持ち上がった状態、すなわち板状物20の他端が傾斜部15から上方へ離間した状態とし、コンクリート30が板状物20上に乗ったときに弾性変形し、板状物20が傾斜部15と当接して、開口を閉鎖した状態にすることも可能である。これにより、標識部材22が軽量のものであっても、確実に標識としての機能を発揮させることができる。
【0036】
一例としては、コイルバネを用い、そのコイルバネの一端を傾斜部15の内壁と連結し、他端を板状物20の上面と連結することにより、これを実現することができる。コイルバネは、その一端と他端が、例えば、略120°の角度で延びているものを用いることができ、ヒンジ21の両側に取り付けることができる。この場合、コンクリート30が板状物20上に乗せられると、略180°の角度で延びるように弾性変形し、板状物20上にコンクリート30がなくなると、略120°の角度で延びる元の形に戻る。これはあくまで一例であり、これに限定されるものではない。
【0037】
また、軽量の標識部材22を使用する場合は、標識部材22に一定の質量をもつ錘を取り付けることも可能である。板状物20上のコンクリートが取り除かれた場合に、ヒンジ21を中心として、確実に板状物20が持ち上がる方向へ回転させることができるからである。
【0038】
このように、本発明の検出装置は、コンクリートホッパ10内にコンクリート30の残留の有無を、電気的に行わず、機械的に行うので、回路等の精密機器が不要で、電源を供給する必要もなく、電源ケーブル等の取り回しも不要であるため、簡易で耐久性に富む装置を提供することができる。また、コンクリートホッパ10内にコンクリート30の残留がある場合に、追加投入を防止する効果を得ることができ、異なる製品をコンクリートホッパ10内で混合することを防止することができる。
【0039】
これまで本発明の検出装置およびその検出装置を備えたコンクリートホッパを上述した実施形態をもって詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
10…コンクリートホッパ、11…排出扉、12…ダンプトラック、13…架台、14…支持体、15…傾斜部、16…検出装置、20…板状物、21…ヒンジ、22…標識部材、23…連結部材、24…遮蔽部材、25…開口閉鎖部材、30…コンクリート
図1
図2
図3
図4