【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成24年10月2日 公益社団法人日本包装技術協会主催の−TOKYO PACK 2012−2012東京国際包装展に展示
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の第1実施形態の粉粒体供給装置を
図1乃至
図9に基づいて説明をし、第2実施形態の粉粒体装置を
図10乃至
図16に基づいて説明をする。
【0011】
(第1実施形態の粉粒体供給装置)
第1実施形態の粉粒体供給装置の構成を説明する。
【0012】
図1に示すように、粉粒体供給装置11は、収納袋Sに粉粒体を供給或いは充填する装置である。粉粒体には、小麦粉、脱脂粉乳等の穀物粉、コピー機用の磁性体を含んだ画像形成用トナー等がある。
【0013】
粉粒体供給装置11は、固定部材12に立設されている。固定部材12に立設された支柱13には、昇降軸14が昇降自在に設けられている。昇降軸14は、ハンドル15を回転させると不図示の昇降機構によって支柱13を昇降するようになっている。
【0014】
昇降軸14には、ブラケット16を介してホッパ17と円筒状の案内筒18等が設けられている。ホッパ17は、粉粒体が収納されている。昇降軸14の上端部分には、オーガ(別名、スクリュー)19を回転させる不図示のモータと、モータを収納したカバー20とが設けられている。
【0015】
図4に示すように、オーガ19は、案内筒18内に位置して回転する回転軸21と、回転軸21に設けられて回転軸21の回転によって案内筒18内で回転して粉粒体を搬送する羽根22とで形成されている。羽根22は、
図2に示すように回転軸21の端部から見ると円形に形成されている。回転軸21は、ホッパ17やカバー20に回転自在に支持されている。回転軸21は、カバー20と、ホッパ17とを貫通して、案内筒18の粉粒体排出口18aの近くまで延びている。
【0016】
回転軸21の軸心には、回転軸21の上端から略下端まで、窒素ガス供給装置(ガス供給部)27によって供給された窒素ガス(不活性ガス)N
2を案内する窒素供給路(ガス案内路)23が形成されている。窒素供給路23には、窒素噴出口(ガス供給口)26が、
図3に示すように窒素供給路23を中心にして放射状に形成され、かつ
図4に示すように回転軸21の軸方向に沿って、複数形成されている。窒素噴出口26は、窒素供給路23によって案内された窒素ガスが噴出されて粉粒体に窒素ガスを含ませるようになっている。
図1に示すように回転軸21の頭部は、回転自在なエルボ25と、窒素供給パイプ24とを介して、窒素ガスを供給する窒素ガス供給装置27に接続されている。
【0017】
図4において、案内筒18は、円筒状に形成されて、オーガ19が搬送する粉粒体をホッパ17から、収納袋Sに案内するようになっている。案内筒18には、内部の気体を外部に案内する複数のエアー・ガス抜き孔(貫通孔)28が形成されている。エアー・ガス抜き孔28は、案内筒18のホッパ17より下方の部分から先端(
図4の下端)の粉粒体排出口18aの近くまで複数形成されている。なお、気体には、粉粒体に含まれているエアー、窒素噴出口26から噴出した窒素ガス等がある。
【0018】
案内筒18のエアー・ガス抜き孔28が形成された部分の外周には、円筒状に形成されたフィルタ29が設けられている。フィルタ29は、案内筒18内の気体がエアー・ガス抜き孔28を介して外部に流れるのを許容し、かつ案内筒18内の粉粒体がエアー・ガス抜き孔28から外部に漏れるのを阻止するようになっている。
【0019】
案内筒18のエアー・ガス抜き孔28が形成された部分は、強度的に弱くなっている。また、円筒状のフィルタ29の外周の部分を保護する必要がある。このため、案内筒18を補強し、かつフィルタ29の外周を保護する補強筒71が、案内筒18とでフィルタ29を挟んでフィルタ29の外側に設けられている。補強筒71は、フィルタ29を覆う長さを有している。また、補強筒71にも、案内筒18に形成されたエアー・ガス抜き孔28に対向して複数のエアー・ガス抜き孔72が形成されている。このエアー・ガス抜き孔72も、案内筒18の内部の気体を外部に案内するようになっている。
【0020】
補強筒71の外周には、負圧室73が設けられている。負圧室73は、外周筒74と、上蓋75と、下蓋76とで形成されている。外周筒74は、補強筒71から離間して、上部をリング状の上蓋75によって案内筒18に取り付けられ、下部をリング状の下蓋76によって案内筒18の粉粒体排出口18aに設けられている。負圧室73は、エアー・ガス抜き孔28,72が形成されている領域より広い領域に形成されている。
図4(B)は、案内筒18、フィルタ29、補強筒71、外周筒74の位置関係を示した図である。なお、案内筒18が外周筒74によって補強されるのであれば、補強筒71は、必ずしも必要としない。
【0021】
負圧室73の上蓋75に形成された気体通過孔77には、負圧室73とエアー・ガス吸引装置(吸引装置)79とを接続する負圧エルボ78が設けられている。負圧エルボ78は、
図2、
図3に示すように、4つ、90度間隔で設けられている。
【0022】
図5、
図6において、案内筒18の外周の負圧室73には、収納袋Sの底に窒素ガスを供給するときに使用する窒素下部供給パイプ51と、収納袋Sの上部に窒素ガスを供給するときに使用する窒素上部供給パイプ61とが貫通している。
【0023】
窒素下部供給パイプ51は、真っ直ぐに形成されて、上蓋75と下蓋76とに支持されている。
【0024】
窒素上部供給パイプ61は、先端部分が外側に向いてL字状に形成され、上蓋75と外周筒74とに支持されている。窒素下部供給パイプ51は、窒素下部供給パイプ51の上部に設けられたエルボ52によって、窒素ガス供給装置27に接続されている。窒素上部供給パイプ61も、窒素上部供給パイプ61の上部に設けられたエルボ62と、不図示の窒素供給パイプとを介して窒素ガス供給装置27に接続されている。
図3に示すように、窒素下部供給パイプ51と、窒素上部供給パイプ61は、2本ずつ、交互に90度間隔で配置されている。したがって、
図2において、負圧室73の上蓋75には、円方向に8つのエルボ52,78,62,78,52,78,62,78が等間隔に設けられている。
【0025】
第1実施形態の粉粒体供給装置11の動作を説明する。
【0026】
図7において、粉粒体供給装置11と収納袋Sとは相対的に昇降可能であり、少なくとも一方が昇降すると、案内筒18の粉粒体排出口18aが粉粒体を収納する収納袋Sに進入する。そして、窒素ガス供給装置27、エアー・ガス吸引装置79、オーガ19を回転させる不図示のモータが始動する。
【0027】
窒素ガス供給装置27は、窒素ガスを、窒素供給パイプ24、エルボ25、窒素供給路23を通じて窒素噴出口26から、案内筒18内に噴出する。また、エアー・ガス吸引装置79は、負圧エルボ78を通じて、負圧室73内を大気圧より低圧(負圧)にして、案内筒内のエアーを吸引する。
【0028】
そして、不図示のモータによってオーガ19が回転して、羽根22によって、粉粒体をホッパ17から粉粒体排出口18aまで案内筒18内を搬送する。この間、窒素ガス供給装置27は、窒素噴出口26から窒素ガスを噴出して、粉粒体内に含ませる。この場合、窒素噴出口26は、オーガ19の回転軸21に形成されているため、案内筒18内を搬送される粉粒体の中央から外方に向かって窒素ガスを噴出する。
【0029】
また、負圧室73は、負圧になっているので、粉粒体を吸引する。しかし、粉粒体は、フィルタ29によって吸引されるのを阻止される。このため、負圧室73は、粉粒体に含まれているエアーをエアー・ガス抜き孔28、フィルタ29、エアー・ガス抜き孔72を介して吸引する。このとき、エアー・ガス吸引装置79は、案内筒18の周囲から粉粒体を吸引するため、窒素噴出口26から粉粒体の中央に噴出した窒素ガスを案内筒18の内周近くに吸引することができて、粉粒体に窒素ガスを行き渡らせることができる。このとき、エアーとともに窒素ガスが、多少抜き取られる。窒素噴出口26から噴出される窒素ガスの量は、粉粒体に含まれているエアーの量よりも多い。このため、窒素ガスは、エアーを粉粒体から押し出すようにして、粉粒体に行き渡る。
【0030】
なお、エアー・ガス吸引装置79が粉粒体に含まれているエアーと共に窒素ガスを多少吸引するのは、窒素ガスが粉粒体全体に行き渡るのを助けるためであって、窒素ガスを全部吸引して抜き取るためではない。なお、フィルタ29は、粉粒体によって目詰まりしにくいものが使用されている。
【0031】
以上のようにして、粉粒体供給装置11は、案内筒内をオーガ19によって粉粒体を搬送しながら、ガス案内路23の窒素噴出口26から粉粒体の中から外側に向けて粉粒体に不活性ガスを含ませ、エアー・ガス吸引装置79によって案内筒内の気体をエアー・ガス抜き孔28とフィルタ29とを介して外部に吸引するので、粉粒体内に窒素ガスを充満させることができて、粉粒体の酸化、固化等を防止して、粉粒体の品質を長期間一定に保持することができる。
【0032】
しかも、オーガ19の回転軸21が、回転軸21の軸方向に沿って複数の窒素噴出口26を有し、案内筒18が、複数のエアー・ガス抜き孔28を複数の窒素噴出口26に対向して軸方向に沿って有している。このため、粉粒体供給装置11は、粉粒体のエアー抜きと窒素ガスの充填とを、同時に、効率良く行うことができる。
【0033】
さらに、オーガ19の回転軸21が、回転軸21の軸方向の全長に渡って複数の窒素噴出口26を有し、案内筒18が、複数のエアー・ガス抜き孔28を案内筒18の全長に渡って有している。このため、粉粒体供給装置11は、粉粒体の搬送速度を速くしても、粉粒体のエアー抜きと窒素ガスの充填とを、同時に、効率良く行うことができる。
【0034】
図7において、粉粒体供給装置11と収納袋Sとの少なくとも一方が昇降して、案内筒18の粉粒体排出口18aが粉粒体を収納する収納袋Sに進入する。すると、窒素ガスが、窒素下部供給パイプ51のガス噴出口51aから収納袋S内に噴出する。案内筒18の粉粒体排出口18aから窒素ガスが充満している収納袋Sに、窒素ガスが行き渡った粉粒体が供給される。
【0035】
そして、
図8に示すように、粉粒体Pが収納袋Sに供給されるのにしたがって、粉粒体供給装置11と収納袋Sとの少なくとも一方が昇降して、案内筒18の粉粒体排出口18aが収納袋Sから抜け出る方向に移動する。この間に、ガス噴出口51aからの窒素ガスN
2の噴出が停止されるが、噴出を継続されていてもよい。
【0036】
図9に示すように、粉粒体Pが収納袋に略充填されると、案内筒18の粉粒体排出口18aが形成された部分に位置しているガス噴出口61aから窒素ガスN
2が噴出する。ガス噴出口61aは、窒素上部供給パイプ61の下端部分であり、案内筒18から離れる方向にL字状に屈曲している。ガス噴出口61aがL字状に屈曲しているのは、窒素ガス供給装置27から窒素上部供給エルボ62、窒素上部供給パイプ61を通じて供給される窒素ガスが粉粒体に当たって粉粒体が舞い上がらないようにするためである。
【0037】
最後、収納袋Sの上部が不図示の密閉装置によって閉じられて、収納袋Sが密閉される。
【0038】
このように、収納袋内は、エアーを少なくし、その代りに、不活性ガスを収納袋に充填した状態になっている。このため、粉粒体供給装置11は、エアー抜きをしながら、窒素ガスを行き渡らせた粉粒体を、窒素ガスが充満している収納袋に供給し、収納袋の上部に窒素ガスを充満させて収納袋を閉じるようになっている。
【0039】
このため、粉粒体供給装置11は、収納袋内のエアーを少なくし、その代りに、不活性ガスを収納袋に充填するようになっているので、粉粒体内に窒素ガスを充満させることができて、袋詰めされた粉粒体の変質、固化、酸化等を防止して、粉粒体の品質を長期間一定に保つことができる。
【0040】
なお、以上の説明では、2本の窒素下部供給パイプ51から窒素ガスを収納袋Sに噴出するようになっている。しかし、一方の窒素下部供給パイプ51をエアー・ガス吸引装置79に接続し、その窒素下部供給パイプ51で収納袋内のエアーを吸引してから、あるいは吸引しながら、他方の窒素下部供給パイプ51から窒素ガスを収納袋に供給してもよい。
【0041】
また、少なくとも一方の窒素下部供給パイプ51を窒素ガス供給装置とエアー・ガス吸引装置79とに選択的に接続できるようにして、最初、エアー・ガス吸引装置で、収納袋内のエアーを吸引し、途中から窒素ガス供給装置で収納袋に窒素ガスを供給してもよい。この場合、一方の窒素下部供給パイプ51だけを窒素ガス供給装置27とエアー・ガス吸引装置79とに選択的に接続できるようにした場合、他方の窒素下部供給パイプは、窒素ガス供給装置27によって窒素を供給するようになっている。
【0042】
(第2実施形態の粉粒体供給装置)
図10乃至
図16において、第2実施形態の粉粒体供給装置111も、収納袋Kに粉粒体を供給或いは充填する装置である。第2実施形態の粉粒体供給装置111は、第1実施形態の粉粒体供給装置11と一部分、構造が同一である。このため、第1実施形態の粉粒体供給装置11と異なる部分の説明を主に行い、同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
図10に示すように、案内筒118は、円筒状に形成されて、オーガ119が搬送する粉粒体をホッパ17から、収納袋Sに案内するようになっている。オーガ119は、案内筒118内に位置して回転する回転軸121と、回転軸121に設けられて回転軸121の回転によって案内筒118内で回転して粉粒体を搬送する羽根122とで形成されている。回転軸121は、ホッパ17やカバー20に回転自在に支持されている。回転軸121は、カバー20と、ホッパ17とを貫通して、案内筒118の粉粒体排出口118aの近くまで延びている。
【0044】
回転軸121の軸心には、回転軸121の上端から下端近くまで、窒素ガス供給装置(ガス供給部)27によって供給された窒素ガス(不活性ガス)を案内する窒素供給路(ガス案内路)123が形成されている。窒素供給路123には、窒素噴出口(ガス供給口)126が、
図12に示すように窒素供給路123を中心にして放射状に形成されている。窒素噴出口126は、窒素供給路123によって案内された窒素ガスが噴出して粉粒体に窒素ガスを含ませるようになっている。
図10に示すように回転軸121の頭部は、回転自在なエルボ25と窒素供給パイプ24とを介して、窒素ガスを供給する窒素ガス供給装置(供給部)27に接続されている。
【0045】
図13において、案内筒118の軸方向の中間部分には、窒素供給路123の窒素噴出口126に対向して、案内筒118に貫通孔が形成されていない無孔部分118bがある。この無孔部分118bは、円筒状の非漏洩筒状部(ガス非漏洩部)131である。この非漏洩筒状部131は、窒素ガスが外部に漏れないようにするため、隙間が無いように形成されている。非漏洩筒状部131の外周には、非漏洩筒状部131の外周に沿って配設された後述する各パイプを保護する保護筒139が設けられている。なお、窒素噴出口126は、非漏洩筒状部131の領域内に、回転軸121の軸方向に沿っても、複数形成されていてもよい。
【0046】
図13において、案内筒118は、非漏洩筒状部131より軸方向(粉粒体搬送方向)の上流側に、オーガ119によって搬送される粉粒体のエアー抜きをするため、エアー抜き部(上側吸引部)132を有している。エアー抜き部132は、多数のエアー抜き孔(貫通孔)135が形成された案内筒118の上側多孔部分118cと、上側多孔部分118cの外周に設けられた円筒状のフィルタ133と、フィルタから離れてフィルタ133を覆って案内筒118に設けられた円筒状の上部外周筒134等で形成されている。上部外周筒134は、リング状の上蓋175と底蓋180とによって、案内筒118に設けられている。エアー抜き孔135は、案内筒118内の粉粒体に含まれているエアーを外部に案内するようになっている。フィルタ133は、案内筒内の粉粒体に含まれているエアーがエアー抜き孔135を介して外部に流れるのを許容し、かつ案内筒内の粉粒体がエアー抜き孔135から外部に漏れるのを阻止するようになっている。
【0047】
上部外周筒134は、上端に設けられたリング状の上蓋175と、下端に設けられたリング状の底蓋180とで、案内筒118内のエアーを抜くための上部負圧室136を形成している。なお、案内筒118のエアー抜き孔135が形成された上側多孔部分118cは強度的に弱くなっている。このため、上部外周筒134は、案内筒118を補強する役目もしている。
図13(B)は、案内筒118、フィルタ133、上部外周筒134の位置関係を示した図である。なお、案内筒118が上部外周筒134によって補強されにくい場合には、第1実施形態の
図4に示す補強筒71と同様な、孔が複数形成された補強筒をフィルタ133の外周に設けてもよい。
【0048】
上部負圧室136の上蓋175に形成されたエアー通過孔138には、上部負圧室136とエアー・ガス吸引装置79とを接続するエアー抜きエルボ137が設けられている。エアー抜きエルボ137は、
図11、
図12に示すように、2つ、180度間隔で設けられている。
【0049】
図14において、案内筒118は、非漏洩筒状部131より粉粒体搬送方向の下流側に、エアー抜き部132で吸引されないで粉粒体に残っている残留エアーと、非漏洩筒状部131で粉粒体に充填された窒素ガスとを吸引する窒素吸引部(下側吸引部)140を有している。窒素吸引部140は、多数の窒素吸引孔(貫通孔)145が形成された案内筒118の下側多孔部分118dと、この下側多孔部分118dの外周に設けられた円筒状のフィルタ143と、フィルタから離れてフィルタ143を覆って案内筒118に設けられた円筒状の下部外周筒144等で形成されている。下部外周筒144は、リング状の頭部蓋185と下蓋176とによって、案内筒118に設けられている。窒素吸引孔145は、案内筒118内の粉粒体に含まれている残留エアーと窒素ガスとを外部に案内するようになっている。フィルタ143は、残留エアーと窒素ガスとが窒素吸引孔145を介して外部に流れるのを許容し、かつ案内筒内の粉粒体が窒素吸引孔145から外部に漏れるのを阻止するようになっている。
【0050】
下部外周筒144は、上端に設けられたリング状の頭部蓋185と、下端に設けられたリング状の下蓋176とで、案内筒118内の残留エアーと窒素ガスを抜くための下部負圧室146を形成している。なお、案内筒118の窒素吸引孔145が形成された下側多孔部分118dは強度的に弱くなっている。このため、下部外周筒144は、案内筒118を補強する役目もしている。
図14(B)は、案内筒118、フィルタ143、下部外周筒144の位置関係を示した図である。なお、案内筒118が下部外周筒144によって補強されにくい場合には、第1実施形態の
図4に示す補強筒71と同様な、孔が複数形成された補強筒をフィルタ133の外周に設けてもよい。
【0051】
下部負圧室146の頭部蓋185に形成されたエアー通過孔148には、下部負圧室146とエアー・ガス吸引装置79とを接続する窒素吸引パイプ141の下端が設けられている。窒素吸引パイプ141の上端は、上蓋175を貫通して、窒素吸引エルボ142によってエアー・ガス吸引装置79に接続されている。エアー抜きエルボ137も、
図11、
図12に示すように、2つ、180度間隔で設けられている。
【0052】
第2実施形態の粉粒体供給装置111も、第1実施形態の粉粒体供給装置11と同様に、
図15、
図16に示すように、窒素下部供給パイプ51と、窒素上部供給パイプ61とが2本ずつ設けられている。この部分の説明は、省略する。
【0053】
図11において、上蓋175には、円方向に8つのエルボ52,137,62,142,52,137,62,142が等間隔に設けられている。
【0054】
なお、以上説明した上部外周筒134、保護筒139、下部外周筒144は、一体化された1つの筒状の部材であってもよい。
【0055】
第2粉粒体供給装置111の動作を説明する。
【0056】
図7と同様に、粉粒体供給装置111と収納袋Kとは相対的に移動可能であり、少なくとも一方が昇降すると、案内筒118の粉粒体排出口118aが粉粒体を収納する収納袋Kに進入する。そして、窒素ガス供給装置27、エアー・ガス吸引装置79、オーガを回転させる不図示のモータが始動する。
【0057】
すると、案内筒118の粉粒体排出口118aが形成された部分に位置しているガス噴出口51aから、窒素ガスN
2が噴出する。ガス噴出口51aは、窒素下部供給パイプ51の下端であり、窒素ガス供給装置から窒素下部供給エルボ52、窒素下部供給パイプ51を通じて供給される窒素ガスが噴出される。
【0058】
ガス噴出口51aから窒素ガスが噴出されると、収納袋K内に溜まっているエアーが窒素ガスに置き換えられる。不図示のモータが回転してオーガ119が回転すると、粉粒体がオーガ119の羽根122によって案内筒118内を搬送される。
【0059】
エアー抜き部132の上部負圧室136内は、エアー・ガス吸引装置79の始動によって、大気圧より低圧(負圧)になっている。この状態で、
図13において、エアー抜き部132に到達した粉粒体に含まれているエアーは、エアー抜き孔135とフィルタ133とを通過して負圧室136内に吸引され、さらに、エアー通過孔138とエアー抜きエルボ137とを通過してエアー・ガス吸引装置79に吸引される。この結果、エアー抜き部132を通過する粉粒体は、粉粒体に含まれているエアーのエアー抜き(脱気)がされる。なお、フィルタ133は、粉粒体によって目詰まりしにくいものが使用されている。
【0060】
非漏洩筒状部131内には、窒素ガス供給装置27によって供給される窒素ガスが、窒素供給パイプ24(
図10)、エルボ25及び窒素供給路123(
図14)を経て、窒素噴出口126から噴出されている。このため、非漏洩筒状部131内に到達した粉粒体には、窒素ガスが行き渡るようになっている。しかも、粉粒体は、非漏洩筒状部131において、エアー抜きをされてやや負圧状態になっている。このため、窒素ガスが粉粒体に行き渡り易くなっている。また、窒素ガスが、粉粒体の中央にある回転軸121の窒素噴出口126から放射状に噴出しているので、粉粒体に行き渡るようになっている。さらに、非漏洩筒状部131は、隙間が無いように形成されているため、窒素ガスは粉粒体に押し込まれるようにして充満(充填)される。
【0061】
なお、窒素噴出口126は、非漏洩筒状部131の軸方向(粉粒体搬送方向)の中央に位置しているが、回転軸121のスラスト方向に複数形成されていてもよい。しかし、窒素噴出口126を、エアー抜き部132と窒素吸引部140とに近過ぎて形成すると、エアー抜き部132と窒素吸引部140とから、窒素ガスが吸引されて排出されるため、窒素ガスを有効に使用することができない。そこで、窒素ガスが、エアー抜き部132と窒素吸引部140に吸引されるのを利用して、非漏洩筒状部131内に位置する粉粒体に窒素ガスが行き渡る位置に窒素噴出口126を形成するのが好ましい。
【0062】
図14において、非漏洩筒状部131で窒素ガスを充填された粉粒体は、窒素吸引部140に送られる。窒素吸引部140に送られた粉粒体は、エアー・ガス吸引装置79によって非漏洩筒状部131で充填された窒素ガスが粉粒体に確実に行き渡るようにするため、窒素ガスを吸引される。窒素ガスは、窒素吸引孔145とフィルタ143とを通過して負圧室146内に吸引され、さらに、窒素吸引パイプ141と窒素吸引エルボ142とを通過してエアー・ガス吸引装置79に吸引される。このとき、粉粒体に残留しているエアーも吸引される。
【0063】
なお、窒素吸引部140は、粉粒体に含まれた窒素ガスを抜き取るのではなく、非漏洩筒状部131で粉粒体の中央から充填された窒素ガスを粉粒体の外周(案内筒118の内周)から吸引して、粉粒体に窒素ガスが行き渡るようにするために設けられている。このため、窒素吸引部140を通過する粉粒体は、窒素ガスが行き渡っていることになる。なお、フィルタ143は、粉粒体によって目詰まりしにくいものが使用されている。
【0064】
窒素ガスが行き渡った粉粒体は、案内筒118の粉粒体排出口118aから窒素ガスが充満している収納袋Kに供給される。
【0065】
そして、第1実施形態の
図8に示すのと同様に、粉粒体Pが収納袋に供給されるのにしたがって、粉粒体供給装置111と収納袋Kとの少なくとも一方が昇降して、案内筒118の粉粒体排出口118aが収納袋Kから抜け出る方向に移動する。この間に、ガス噴出口51aからの窒素ガスN
2の噴出が停止される。
【0066】
その後、第1実施形態の
図9に示すのと同様に、粉粒体Pが収納袋に略充填されると、案内筒118の粉粒体排出口118aが形成された部分に位置しているガス噴出口61aから窒素ガスN
2が噴出する。ガス噴出口61aは、L字状に屈曲している。このため、窒素ガスが粉粒体に当たって粉粒体が舞い上がることが少ない。
【0067】
最後、収納袋Kの上部が不図示の密閉装置によって閉じられて、収納袋Kが密閉される。
【0068】
このように、粉粒体供給装置111は、粉粒体に含まれたエアーを抜き、粉粒体内に窒素ガスを充填し、窒素ガスを粉粒体内に行き渡らせてから、窒素ガスが充満している収納袋に粉粒体を、供給し、収納袋の上部に窒素ガスを充満させて収納袋を閉じるようになっている。
【0069】
このため、粉粒体供給装置111は、粉粒体内に不活性ガスを充満させることができて、粉粒体の変質、固化を防止して、袋詰めされた粉粒体の品質を長期間一定に保つことができる。
【0070】
なお、第2実施形態の粉粒体供給装置111も、第1実施形態の粉粒体供給装置11と同様に、2本の窒素下部供給パイプ51の内、少なくとも一方の窒素下部供給パイプ51で収納袋内のエアーを吸引できるようにしてもよい。
【0071】
以上、説明した第2実施形態の粉粒体供給装置111は、案内筒内をオーガ119によって粉粒体を搬送しながら、エアー抜き部132で粉粒体のエアーを抜き、非漏洩筒状部131で窒素噴出口126から粉粒体に窒素ガスを含ませ、エアー抜き部132で粉粒体に含まれている残留エアーと窒素ガスとを吸引するので、粉粒体に不活性ガスを充満させることができて、粉粒体の品質保証期間を長くすることができる。