特許第6021598号(P6021598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021598
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】ハイブリッド電動作業車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 10/08 20060101AFI20161027BHJP
   B60W 20/10 20160101ALI20161027BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20161027BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20161027BHJP
   B60L 11/14 20060101ALI20161027BHJP
   B65F 3/00 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   B60W10/08 900
   B60W20/10
   B60K6/48ZHV
   B60L1/00 L
   B60L11/14
   B65F3/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-251516(P2012-251516)
(22)【出願日】2012年11月15日
(65)【公開番号】特開2014-97766(P2014-97766A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大久保 優介
(72)【発明者】
【氏名】間橋 利行
【審査官】 神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−131340(JP,A)
【文献】 特開2005−080330(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/107948(WO,A1)
【文献】 特開2008−279803(JP,A)
【文献】 特開2005−207385(JP,A)
【文献】 米国特許第05959420(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/00 − 6/547
B60W 10/00 − 50/16
B60K 17/00 − 17/36
B60L 1/00 − 15/42
F02D 29/00 − 29/06
B65F 3/00 − 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと走行用電動機とを駆動源としたハイブリッド電動作業車両において、
電動アクチュエータを有する作業装置と、
上記電動アクチュエータ及び上記走行用電動機に供給する電力を蓄えるバッテリと、
上記バッテリの電力を上記電動アクチュエータ及び上記走行用電動機に配分する制御装置とを備え、
上記制御装置は、
上記バッテリの電力を走行用電動機に供給して走行を補助する走行アシストを行うか否かを判定するための、バッテリの残容量を満充電容量で割った値であるSOCの下限であるアシストリミッタ閾値を初期設定すると共に、上記作業装置の駆動時における上記SOCの下限である架装リミッタ閾値を初期設定し、
上記作業装置の駆動時に上記SOCが上記架装リミッタ閾値よりも小さくなった回数である電力不足発生カウンタ変数をカウントし、該電力不足発生カウンタ変数が所定回数を超える度に上記アシストリミッタ閾値を増加させ、上記電動アクチュエータ優位に移行させるように構成されると共に、
上記バッテリのみの電力で上記作業装置を駆動した回数である電動駆動実施カウンタ変数をカウントし、該電動駆動実施カウンタ変数が所定回数を超える度に上記アシストリミッタ閾値を減少させ、上記走行用電動機優位に移行させるように構成されている
ことを特徴とするハイブリッド電動作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド電動作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、量産化が進むハイブリッド車両は、高電圧バッテリによって駆動する電動モータによって、エンジンをアシストすることで、走行時の車両の燃費を向上させている。その一方、特装車両についても、塵芥積込装置などの作業装置側がシャシ側とは独立して高電圧バッテリを保持し、そのバッテリによって特装部分の電動化を行っている。
【0003】
そして、エンジンアシストのためのバッテリと、作業装置のためのバッテリとを共有化したハイブリッド電動作業車両が知られている。例えば、特許文献1のハイブリッドシステムを適用した特装車においては、電力の供給源の状態と車両に必要な電力量とに基づいて走行駆動源としての走行用電動機への電力の供給よりも作業装置への電力の供給を優先させて上記供給源からの電力の供給先を決定することで、特装車に搭載された作業装置における作業性能を維持するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−135376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両全体として最もよい燃費を出すためには、単に作業装置を優先して電力を配分するのではなく、最適なエンジンアシストと作業装置側との電力配分を決定する必要がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動で簡単に車両総合燃費のよいエンジンアシストと作業装置側との電力配分を決定できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明では、所定の条件で電動アクチュエータ(作業装置)優位に移行させるようにした。
【0008】
具体的には、第1の発明では、
エンジンと走行用電動機とを駆動源としたハイブリッド電動作業車両において、
電動アクチュエータを有する作業装置と、
上記電動アクチュエータ及び上記走行用電動機に供給する電力を蓄えるバッテリと、
上記バッテリの電力を上記電動アクチュエータ及び上記走行用電動機に配分する制御装置とを備え、
上記制御装置は、
上記バッテリの電力を走行用電動機に供給して走行を補助する走行アシストを行うか否かを判定するための、バッテリの残容量を満充電容量で割った値であるSOCの下限であるアシストリミッタ閾値を初期設定すると共に、上記作業装置の駆動時における上記SOCの下限である架装リミッタ閾値を初期設定し、
上記作業装置の駆動時に上記SOCが上記架装リミッタ閾値よりも小さくなった回数である電力不足発生カウンタ変数をカウントし、該電力不足発生カウンタ変数が所定回数を超える度に上記アシストリミッタ閾値を増加させ、上記電動アクチュエータ優位に移行させるように構成されている。
【0009】
上記の構成によると、作業装置の駆動時にSOCが架装リミッタ閾値よりも小さくなる回数が多いと、常時バッテリの残量が少なめであると判断し、走行アシスト優位から作業装置優位へ移行させることにより走行時にバッテリ容量を減らしすぎないようにすることができる。架装リミッタ閾値を制御装置が適切な値に近付けることにより、最適な制御が行える。
【0010】
特に
上記制御装置は、上記バッテリのみの電力で上記作業装置を駆動した回数である電動駆動実施カウンタ変数をカウントし、該電動駆動実施カウンタ変数が所定回数を超える度に上記アシストリミッタ閾値を減少させ、上記走行用電動機優位に移行させるように構成されている。
【0011】
上記の構成によると、バッテリ容量が多いと、バッテリのみで作業装置を駆動できる回数が増えるので、電動駆動実施カウンタ変数が所定回数を超えると、アシストリミッタ閾値を減少させて走行時のバッテリの残量の閾値を少し減らすことにより、エンジンアシスト優位に移行させて走行時の燃費を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、作業装置の駆動時にSOCが架装リミッタ閾値よりも小さくなった回数である電力不足発生カウンタ変数をカウントし、この電力不足発生カウンタ変数が所定回数を超える度にアシストリミッタ閾値を増加させ、電動アクチュエータ優位に移行させるようにしたことにより、走行用電動機と電動アクチュエータとの間で電力配分を変化させながら最も総合燃費が高い電力配分を自動で計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る電動塵芥収集車を示す側面図である。
図2】本発明に係る電動塵芥収集車の概略平面図である。
図3】本発明に係る電動塵芥収集車の一部ブロック図である。
図4】本実施形態に係る電力配分の自動計算方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る電動塵芥収集車の側面図である。本発明のハイブリッド電動作業車両としての電動塵芥収集車1は、走行するための車両10と、架装物である、塵芥を収集する作業を行うための、作業装置としての塵芥収集装置20とを備えている。
【0016】
車両10は、シャシ11と、シャシ11の前部に設けられたキャブ12とを備えている。シャシ11には、前部に左右一対の車輪11aと後部に左右一対の車輪11bが設けられている。キャブ12の内部には運転席及び助手席が設けられ、キャブ12の左右両側には搭乗者が乗降するためのドア12aが設けられている。
【0017】
塵芥収集装置20は、塵芥を収容するための塵芥収容箱21と、塵芥収容箱21の後方に設けられ、塵芥を塵芥収容箱21に積み込むための塵芥積込装置22とを備えている。塵芥積込装置22の後面の下部には矩形状の塵芥投入口22aが設けられる。塵芥投入口22aは扉22bによって開閉される。
【0018】
塵芥積込装置22の内部には、塵芥投入口22aから投入された塵芥を圧縮して塵芥収容箱21に向かって押し込むための圧縮押込機構23が設けられている。塵芥積込装置22には、圧縮押込機構23を作動させるための操作部としての操作スイッチ22cが塵芥投入口22aに隣接して設けられている。
【0019】
圧縮押込機構23は、塵芥投入口22aから投入された塵芥を塵芥収容箱21側に掻き揚げるための回転板23aと、回転板23aが掻き揚げた塵芥を塵芥収容箱21に押し込む押込板23bとを有している。回転板23aは油圧モータ23cによって駆動され、押込板23bは油圧シリンダ23dによって駆動されるようになっている。
【0020】
図2は、本発明に係る電動塵芥収集車の概略平面図である。電動塵芥収集車1は、主に車両10を走行させるためのエンジンE及び走行用電動機としてのモータジェネレータ(MG)24を有するハイブリッドシステムを備えている。エンジンE又はモータジェネレータ24の動力がトランスミッションTを介してデフ(ディファレンシャルギア)40に伝達されるようになっている。
【0021】
図3は、本発明に係る電動塵芥収集車の一部ブロック図である。電動塵芥収集車1は、モータジェネレータ24及び電動アクチュエータとしての電動モータ25を駆動させるためのバッテリとしてのリチウムイオンバッテリBと、架装側インバータ27と、車両側インバータ29とを備えている。架装側インバータ27と、車両側インバータ29とは、それぞれリチウムイオンバッテリBと電力供給用直流配線(太線で示す)で接続されている。車両側インバータ29とモータジェネレータ24及び架装側インバータ27と電動モータ25は、電力供給用交流配線(実線で示す)でそれぞれ接続されている。架装側インバータ27からの電力が電動モータ25に供給されてポンプ26を駆動する。ポンプ26の油圧は、アキュムレータ41及び制御バルブ42を介して圧縮押込機構23の油圧モータ23c、油圧シリンダ23d等に供給され、これらの油圧アクチュエータが駆動される。作動油は、作動油タンク43に戻される。そして、サンクションフィルタ44を通った作動油が再びポンプ26に供給されるようになっている。
【0022】
ECU(Electronic Control Unit又はEngine Control Unit)30は、ほぼすべての電気系統を制御する、車両を管理しているコントローラであり、エンジンEの点火時期や燃料噴射、アイドルアップ、リミッタといった基本的な制御だけでなく、トランスミッションTの制御をはじめ、駆動系(ACD等)、制動系(ABS等)、操舵系(AWD等)など、車両全体の制御系を統括コントロールしている。このため、ECU30は、エンジンE、架装側インバータ27と、車両側インバータ29等と通信配線(破線で示す)によって接続され、車両総合燃費の計算も行う。ECU30は、後述するBCU31の制御も行っているため、エンジンEの出力状態やBCU31からのバッテリ残量も把握している。ECU30のメモリに、走行・作業装置駆動でどれほどの燃料を消費したのか、また、それぞれでどれほどのバッテリ電力を使用したのか、作業装置駆動時にどれだけバッテリ電力量不足が発生したのか等を記録可能となっている。
【0023】
ECU30は、通信配線を介して架装側インバータ27及び車両側インバータ29に駆動するための命令信号を送り、架装側インバータ27及び車両側インバータ29は、ECU30の命令を基に出力のオン・オフを切り替えるようになっている。また、その出力量等もECU30の命令により出力するようになっている。車両側インバータ29は、モータジェネレータ24の電力を交流から直流へ変換してリチウムイオンバッテリBへ供給し、又は、その逆を行う。一方、架装側インバータ27は、リチウムイオンバッテリBの電力を直流から交流へ変換し、電動モータ25へ供給するようになっている。
【0024】
リチウムイオンバッテリBには、BCU31(Battery Control Unit:バッテリコントロールユニット)が設けられ、このBCU31により、リチウムイオンバッテリBの残量のチェック等が可能となっている。具体的には、BCU31は、リチウムイオンバッテリBが安全に電力を充放電できるように、リチウムイオンバッテリBの電力量や温度管理を行っている。
【0025】
電動塵芥収集車1は、ハイブリッド車両であるので、走行時に適宜モータジェネレータ24を駆動して充電可能となっている。
【0026】
次に、本実施形態に係る電力配分の自動計算方法について詳しく説明する。図4は、電力配分の自動計算方法を示すフローチャートである。
【0027】
まず、車両10の初期設定について説明する。走行時のエンジンアシストバッテリ電力リミッタaをa=0%と初期設定して出荷する。ここで、aは、走行アシスト時のバッテリ電力供給リミッタを格納する変数であり、アシストリミッタ閾値に対応する。また、塵芥収集装置20(作業装置)のバッテリ駆動時における架装リミッタ閾値としての電力不足発生カウンタ変数bをb=0として初期設定する。ここで、bは、作業装置のバッテリ電力不足が発生した回数を格納する変数である。また、作業装置のバッテリ電力により作業装置を駆動した回数を格納する電動駆動実施カウンタ変数cをc=0として初期設定する。
【0028】
まず、ステップS10において、ECU30が、車両10が走行中であるかを判定する。走行中である場合、ステップS11に進み、走行中でない場合には、ステップS14に進む。
【0029】
ステップS11では、SOC(ステート・オブ・チャージ:残容量/満充電容量)がa%以上あるか判定する。a%以上のときは、ステップS12に進み、走行時にリチウムイオンバッテリBの電力を車両側インバータ29を介してモータジェネレータ24に供給してモータアシストを行い燃費を向上させ、ステップS19に進む。
【0030】
逆に、a%よりも小さいときには、走行時における電力量のリミッタを下回っているため、リチウムイオンバッテリBの電力によるモータアシストを停止し、電力回生に特化し、ステップS19に進む。
【0031】
一方、走行中でない場合には、作業装置が駆動されている可能性があり、ステップS14に進む。ここで、SOCが0%よりも大きいか判定される。0%のときには、ステップS15に進み、エンジンEの動力でモータジェネレータ24により発電させながら、架装側インバータ27を介して電動モータ25を駆動させる。
【0032】
次いで、作業装置駆動時にステップS16において、リチウムイオンバッテリBの電力不足が発生したため、バッテリ電力不足カウンタ変数bについて、b=b+1とし、ステップS19に進む。
【0033】
一方、SOCが0%よりも大きいときには、ステップS17に進み、架装側インバータ27を介して電動モータ25を駆動する。また、エンジンEによる発電は必要でないので、エンジンEは、停止する。
【0034】
作業装置駆動時にステップS18において、リチウムイオンバッテリBの電力のみを使用して作業装置を駆動したことから、電動駆動実施カウンタ変数cについてc=c+1とし、ステップS19に進む。
【0035】
ステップS19では、バッテリ電力不足カウンタ変数bが5よりも大きいか判定する。5よりも大きい場合には、ステップS20に進み、走行時モータアシストリミッタ閾値aを上げて(a=a+1)、バッテリ電力不足カウンタ変数bを0にリセットする(b=0)。これにより、走行アシストへの電力供給をセーブして、作業装置への電力を優位にすることができる。
【0036】
次いで、ステップS21において、電動駆動実施カウンタ変数cが2000よりも大きいか判定する。2000よりも大きいときには、ステップS22に進み、走行時モータアシストリミッタ閾値aが1よりも大きいとき、aのカウントを下げて(a=a−1)、電動駆動実施カウンタ変数cを0にリセットする。これにより、走行アシストへの供給のリミットを緩和することができる。
【0037】
なお、塵芥収集装置20の駆動に電力を優先的に供給したい場合には、例えば、aの初期値を60%とし、走行時に電力残量が60%を切った段階で電力供給を停止するようにし、塵芥収集装置20側では電力残量が0%になるまで供給し続けるように設定するとよい。
【0038】
また、1日あたり塵芥収集装置20で例えばPkWh消費することがデータ蓄積によりえられるので、バッテリ残電力がPkWhを切った段階で、走行への電力供給を停止すること等の方策をとることができる。
【0039】
したがって、本実施形態によれば、モータジェネレータ24と電動モータ25との間で電力配分を変化させながら最も総合燃費が高い電力配分を自動で計算することができる。
【0040】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0041】
すなわち、上記実施形態では、バッテリとしてリチウムイオンバッテリBの例を示したが、これは、ニッケル水素バッテリでもよい。リチウムイオンバッテリは、軽量且つコンパクトで、大電流を充電且つ放出可能であり、効率がよく、ニッケル水素バッテリは、リチウムイオンバッテリに比べて効率は落ちるが、比較的安価で信頼性が高い。さらに、バッテリは、鉛バッテリとしてもよい。鉛バッテリは、メンテナンスが容易で、充電時の過電圧の制御がし易くて信頼性が極めて高く、安価で入手しやすい。
【0042】
上記実施形態では、自動制御を行っているが、別途専用操作盤を設け、ユーザーが任意に優先電力配分を変更できるスイッチを設けてもよい。これは、必ずしも自動制御の値が正確であるという確証がもてない場合や、どうしても一定区間内においてエンジンを停止して電動モータ25を駆動しなければならない状況が発生しうる場合、より多くの電力を確保していたいという意思があった場合等に有効的なスイッチとなる。
【0043】
また、上記実施形態では、電動塵芥収集車1は、回転式の圧縮押込機構23を有しているが、摺動板と圧縮板とが反転、下降、圧縮及び上昇を1サイクルとして作動する圧縮押込機構を有していてもよく、さらに遊星歯車式の駆動方式による圧縮板を備えた圧縮押込機構を有していてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、電動作業車両は、電動塵芥収集車1としたがこれに限定されず、電動タンクローリ、電動吸引車等電動アクチュエータを有する作業装置を備えた他の作業車両でもよい。
【0045】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、各実施形態に記載された技術的特徴は、互いに組合せ可能であり、組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上説明したように、本発明は、ハイブリッド電動作業車両について有用である。
【符号の説明】
【0047】
1 電動塵芥収集車(電動作業車両)
10 車両
11 シャシ
11a 車輪
11b 車輪
12 キャブ
12a ドア
20 塵芥収集装置(作業装置、架装物)
21 塵芥収容箱
22 塵芥積込装置
22a 塵芥投入口
22b 扉
22c 操作スイッチ
23 圧縮押込機構
23a 回転板
23b 押込板
23c 油圧モータ
23d 油圧シリンダ
24 モータジェネレータ(走行用電動機)
25 電動モータ(電動アクチュエータ)
26 ポンプ
27 架装側インバータ
29 車両側インバータ
30 ECU
31 BCU
41 アキュムレータ
42 制御バルブ
43 作動油タンク
44 サンクションフィルタ
a エンジンアシストバッテリ電力リミッタ(アシストリミッタ閾値)
b 電力不足発生カウンタ変数(架装リミッタ閾値)
c 電動駆動実施カウンタ変数
図1
図2
図3
図4