(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の関節を備えたリンク機構からなる2本以上の脚が胴部に設けられて構成され、前記脚の動作により移動する遠隔作業自動機を搭載して移動する遠隔作業自動機支援装置であって、
前記遠隔作業自動機を搭載可能に設けられると共に、車輪または無限軌道を備えた運搬機構部と、
この運搬機構部に取り付けられ、前記遠隔作業自動機の前記脚の前記関節を挟持することで前記リンク機構の可動範囲を制限するように保持する保持機構部と、を有して構成されたことを特徴とする遠隔作業自動機支援装置。
複数の関節を備えたリンク機構からなる2本以上の脚が胴部に設けられて構成され、前記脚の動作により移動する遠隔作業自動機を搭載して移動する遠隔作業自動機支援方法であって、
前記遠隔作業自動機を、車輪または無限軌道を備えた運搬機構部に搭載して運搬し、この運搬中に、前記遠隔作業自動機の前記脚の前記関節を挟持することで前記リンク機構を固定状態に保持することを特徴とする遠隔作業自動機支援方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(
図1〜
図7)
図1は、本発明に係る遠隔作業自動機支援装置の第1実施である多脚ロボット支援装置を示す側面図である。また、
図3は、
図1の多脚ロボットを示す側面図である。
図1に示す遠隔作業自動機支援装置としての多脚ロボット支援装置10は、遠隔作業自動機としての多脚ロボット15を搭載してその移動を支援するものであり、運搬機構部11及び支持機構部12を有して構成される。
【0012】
ここで、多脚ロボット15は、2本以上(例えば4本)の脚16が胴部17に設けられて構成され、各脚16は、後述の如く複数の関節18、19、20(
図4)を備えたリンク機構14により構成される。多脚ロボット15は、操作ユニット13(
図3)により脚16の動作が操作されることで移動(歩行)する。
【0013】
つまり、多脚ロボット15は、
図3及び
図4に示すように、胴部17の下部のコーナー部分に4本のそれぞれの脚16が設置される。各脚16は、第1関節18、第2関節19及び第3関節20がリンク21によって下方に向かって順次連結されたリンク機構14により構成されたものであり、第1関節18が胴部17の下部に取り付けられる。この第1関節18の回転軸は、第2関節19及び第3関節20の両回転軸と直交して配置される。
【0014】
第2関節19及び第3関節20の回転により、多脚ロボット15は矢印X(
図4)方向に前進または後進歩行する。また、第1関節18の回転により、多脚ロボット15は矢印Y(
図4)方向に左移動または右移動歩行(横歩き)する。更に、第1関節18、第2関節19及び第3関節20の回転を組み合わせることにより、多脚ロボット15は矢印Z(
図4)方向に旋回する。各関節18、19、20は、例えば電動モータ、ギア及びエンコーダ等の組み合わせにより構成される。
【0015】
このように構成された脚16を備える本実施形態の多脚ロボット15は、前進歩行、後進歩行、左移動歩行、右移動歩行、左旋回歩行、または右旋回歩行を連続して実行する通常歩行モードと、脚16の脚先位置が一脚毎にオペレータによるマニュアル操作により動作されて歩行するマニュアル操作歩行モードとが、択一に実行されて歩行する。
【0016】
上述のような多脚ロボット15の脚16による歩行は、脚操作制御装置により操作され制御される。この脚操作制御装置は、操作ユニット13と、多脚ロボット15に設置された各種センサ類(画像取得部22、接地反力センサ23、姿勢センサ24、距離センサ25)と、センサ処理部26と、歩容パターン生成部27と、制御手段としての制御部28と、信号送受信部29とを有して構成される。
【0017】
操作ユニット13は、オペレータの操作によって多脚ロボット15を歩行させるために、この多脚ロボット15の制御部28へ動作指令等を出力する。例えば、操作ユニット13は、通常歩行モードでは、多脚ロボット15を矢印X(
図4)方向に前進歩行または後進歩行させるための動作指令を出力し、マニュアル操作歩行モードでは、操作対象の脚16の脚先を移動させるための動作指令を出力する。
【0018】
画像取得部22は、多脚ロボット15の胴部17における前部に設置された例えばカメラなどであり、多脚ロボット15の周囲の動画や静止画を画像データとして取得する。この画像取得部22は、多脚ロボット15における胴部17の前部及び後部に設置されてもよい。また、接地反力センサ23は、多脚ロボット15における4本の脚16の脚先に設置され、脚16の接地時にこの脚16に作用する接地反力を計測する。
【0019】
姿勢センサ24は、多脚ロボット15における胴部17の底面に設置され、加速度、角速度、傾斜角度などのような多脚ロボット15の姿勢を検知するための複数のセンサで構成されている。また、距離センサ25は、多脚ロボット15の胴部17における前部及び後部に設置され、胴部17と接地面間の距離、及び脚16(特に操作対象の脚16)の脚先と接地面間の距離などを計測する。
【0020】
多脚ロボット15におけるセンサ処理部26は例えばパーソナルコンピュータにて構成され、画像取得部22からの画像データ、接地反力センサ23による接地反力データ、姿勢センサ25による姿勢データ、距離センサ25による距離データなどのアナログデータをデジタルデータに処理する。
【0021】
多脚ロボット15における歩容パターン生成部27は例えばパーソナルコンピュータにて構成され、4本の脚16を動作させる順序や、多脚ロボット15の重心を移動させる動作と組み合わせた通常歩行モードにおける歩容パターンを生成する。この歩容パターンには、多脚ロボット15の脚16を一脚ずつ動作させるクロール歩容、対角の2本の脚16を同時に動作させるトロット歩容、前後2本の脚16を同時に左右交互に動作させるペース歩容、これらの歩容のそれぞれに重心移動の動作の組み合わせた歩容などがある。
【0022】
多脚ロボット15における制御部28は例えばパーソナルコンピュータにて構成され、歩容パターン生成部27にて生成された歩容等から、4本の脚16の各関節18〜20の回転角度を決定して脚16の動作を制御する。つまり、制御部28は、操作ユニット13からの動作指令に基づいて、前進歩行、後進歩行、左移動歩行、右移動歩行、左旋回歩行、または右旋回歩行を連続して実行する通常歩行モードを多脚ロボット15に実行させる。また、制御部28は、操作ユニット13からの動作指令に基づいて、脚16の脚先位置が一脚毎にオペレータによるマニュアル操作により動作されて歩行するマニュアル操作歩行モードを多脚ロボット15に実行させる。
なお、多脚ロボット15の各リンク機構14は、電力供給が停止すると姿勢を保持できない構成とする場合と、電力供給を停止してもリンク機構14の回転に一定のトルクを要し、その姿勢を保持できる構成とする場合(例えばリンク機構14にブレーキモータを用いる)のそれぞれが考えられる。ただし、電力供給が停止されても姿勢を保持できる構成であっても、電力供給の停止によってリンク機構14が姿勢を維持するための力は小さくなり、安定性が低下する場合が多い。
【0023】
さて、上述のように構成された多脚ロボット15の移動(歩行)を、車輪または無限軌道により移動可能な領域まで支援するものが前記多脚ロボット支援装置10(
図1)である。この多脚ロボット支援装置10は、前述のように運搬機構部11及び支持機構部12を有すると共に、電源30、ケーブル巻取機構31、無線通信機構32及び監視装置33を有して構成される。
【0024】
運搬機構部11は、多脚ロボット15を搭載可能に設けられると共に、車輪34または無限軌道(例えばクローラなど)を有し、車輪34等の駆動により、搭載した多脚ロボット15を作業現場までの車輪34で移動可能な領域まで運搬する。この運搬機構部11に電源30、ケーブル巻取機構31及び無線通信機構32が設置される。
【0025】
ケーブル巻取機構31は、電源30に接続される電源ケーブル35Aと、車輪34の駆動を制御する図示しない制御部や監視装置33などに接続される通信ケーブル35Bとを巻き取りまたは繰り出す機構である。尚、無線通信機構32は、通信ケーブル35Bが設けられてない場合に設置される。また、電源30は一次電池、二次電池、コンデンサまたは発電機などである。この電源30が一次電池や発電機などの場合には、電源ケーブル35Aを設ける必要がない。
【0026】
監視装置33は、運搬機構部11に立設された支持フレーム36の先端に設置された例えばカメラである。この監視装置33はズーム機能、パン機能、チルト機能を備え、多脚ロボット支援装置10の進行方向前方を含む周囲の画像を取得する。この監視装置33は、多脚ロボット支援装置10から離脱して移動(歩行)する多脚ロボット15を追跡して監視する機能も有する。
【0027】
上述のように電源30、ケーブル巻取機構31、無線通信機構32、監視装置33が設置された運搬機構部11は、監視装置33が撮影した画像情報に基づいて、多脚ロボット支援装置10の前記制御部が車輪34を駆動制御することで移動(自走)し、または監視装置33の画像情報を通信ケーブル35Bまたは無線通信機構32を用いてオペレータ側へ送信することでオペレータにより遠隔操作されて移動し、または作業者により手動で押されて移動する。この際、運搬機構部11は、多脚ロボット支援装置10から離脱して移動(歩行)する多脚ロボット15の後を追従して移動するようにしてもよい。
【0028】
支持機構部12は、運搬機構部11に複数本立設され、多脚ロボット15の胴部17を載置することで、多脚ロボット15の特に胴部17の荷重を支持して、脚16に胴部17の荷重が作用しないようにする。そして、この支持機構部12には、多脚ロボット15の胴部17が載置される部分に、胴部17の位置がずれている場合にも、この胴部17を所望位置に導いて載置させる胴部保持機構37が設置されている。この胴部保持機構37は、例えば
図2に示すように、側面視L字形状の基台38に回転部39を介してガイド板40が配置されて構成される。ガイド板40が回転部39回りに矢印A方向に回転しつつ、ガイド板47の面方向Bにスライドすることで、接触した胴部17を所望の載置位置に導く。
【0029】
図5は、第1変形形態の胴部保持機構37Aであり、基台38とガイド板40との間にスプリング41が配置されたものである。このスプリング41の付勢力Fがガイド板40を介して胴部17に作用することで、胴部17が支持機構部12上で水平方向に保持される。
【0030】
図6は、第2変形形態の胴部保持機構37Bである。この胴部保持機構37Bは、スイングプレート42が回転軸43を介して基台38に支持され、スイングプレート42の先端にガイドプレート44が回転軸45介して支持され、このガイドプレート44と基台38との間にスプリング41が配置されたものである。スイングプレート42が回転軸43回りに矢印C方向に回転し、且つガイドプレート44が回転軸45回りに矢印D方向に回転することで、これらのスイングプレート42及びガイドプレート44に接触した胴部17が所望位置に導かれる。そして、スプリング41の付勢力Fによって、胴部17が支持機構部12上で水平方向に保持される。
【0031】
図7は、第3変形形態の胴部保持機構37Cであり、支持機構部12の載置部に設置された第1磁石46と、多脚ロボット15の胴部17に設置された第2磁石47とを有して構成される。これらの第1磁石46及び第2磁石47の磁力により、胴部17が支持機構部12の所望位置に載置される。ここで、第1磁石46及び第2磁石47は、永久磁石または電磁石である。電磁石の場合には、両第1磁石46及び第2磁石47の磁着と離反を電気的に制御することが可能になる。
上述のような胴部保持機構37により、胴部17を載置する際の位置決めに高い精度を要求することなく、胴部17に作用するスプリング41による付勢力や電磁石の磁力によって多脚ロボット15をガタ付きが無いように保持することができる。換言すると、上述のような胴部保持機構37とすることにより、胴部17を支持機構部12に載置する際の位置決め精度の裕度を高めることができる。
【0032】
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)多脚ロボット15を、車輪34または無限軌道を備えた運搬機構部11に搭載して運搬し、この運搬中に、多脚ロボット15の特に胴部17の荷重を、運搬機構部11に設置された支持機構部12にて支持している。このため、多脚ロボット15の移動(歩行)を、運搬機構部11の車輪34または無限軌道により移動可能な領域まで支援することができるので、この多脚ロボット15自身による歩行量を低減でき、その分、多脚ロボット15の発進から撤退までの多脚ロボット15による現場作業を迅速且つ低コスト(低消費電力)に実現できる。
【0033】
(2)運搬機構部11による多脚ロボット15の運搬中に、多脚ロボット15の特に胴部17の荷重を、運搬機構部11に設置された支持機構部12にて支持しているので、多脚ロボット15が不安定になることを防止できる。このため、多脚ロボット15の安全な運搬が可能になり、運搬速度を増大できるので、多脚ロボット15の発進から撤退までの作業時間をより一層短縮できる。しかも、多脚ロボット支援装置10による多脚ロボット15の運搬中に、この多脚ロボット15の脚16に電力を供給しなくとも、安定した状態を維持することができる。
【0034】
[B]第2実施形態(
図8〜
図11)
図8は、本発明に係る遠隔作業自動機支援装置の第2実施形態である多脚ロボット支援装置を示す概略側面図である。また、
図9は
図8の保持機構部を示し、(A)は脚のリンク機構の保持前、(B)は脚のリンク機構の保持後のそれぞれの状態を示す平面図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0035】
本第2実施形態の遠隔作業自動機支援装置としての多脚ロボット支援装置50が前記第1実施形態と異なる点は、第1実施形態の支持機構部12に代えて、多脚ロボット15の脚16のリンク機構14の可動範囲を制限するように保持する保持機構部51、及び脚先保持部66が設けられた点である。
【0036】
この保持機構部51は、各脚16の第1関節18、第2関節19、第3関節20(特に第2関節19、第3関節20)及び脚16先端部を両側から挟持することによって、脚16のリンク機構14を固定状態に保持するものであり、基板52と保持部53とを有して構成される。基板52は、多脚ロボット15の脚16の本数に対応して設けられ、枢支軸54を介して運搬機構部11に矢印E方向に揺動可能に枢支される。
また、脚先保持部66は、運搬機構部11の上面に固定された筒体(円筒でも多角筒でもよいが、本実施形態では四角筒として説明する)であり、脚16の本数に対応して設けられる。
【0037】
保持部53は、挟持すべき関節(例えば第2関節19、第3関節20)及び脚16の先端部に対応する数だけそれぞれの基板52に設置される。この保持部53は、
図9に示すように、基板52に固着された平面視コ字形状の基台55に、一対のガイド板56が、それぞれ回転部57を介し互いに対向して配置され、更に、これらのガイド板56と基台55との間にスプリング65が配置されて構成される。
【0038】
多脚ロボット15が運搬機構部11に搭載された後に、対向配置された基板52が枢支軸54を中心に互いに接近する方向に揺動すると、各基板52に設置された保持部53の一対のガイド板56が、スプリング65の付勢力に抗して回転部57回りに矢印G方向に回転する(
図9(A))。これにより、多脚ロボット15の脚16における例えば第2関節19、第3関節20及び脚16の先端部が、多少の位置ずれが存在していても、ガイド板56を介してスプリング65の付勢力により両側から挟持されて(
図9(B))、脚16のリンク機構14が固定状態に保持される。
【0039】
図10は、第1変形形態の保持機構部58であり、脚16の一つの関節を挟持する部分のみを示す。この保持機構部58では、基板59は運搬機構部11に揺動不能に立設される。そして、この基板59の両側に一対の保持プレート60のそれぞれが回転軸61を介して、例えば90度の範囲で回転可能に軸支される。多脚ロボット15が運搬機構部11に搭載されて、その脚16が基板59付近に位置づけられたときに、一対の保持プレート60が矢印H方向に回転して、脚16の例えば第2関節19、第3関節20及び脚16の先端部を挟持することで、この脚16のリンク機構14を固定状態に保持する。
【0040】
図11は、第2変形形態の保持機構部62であり、脚16の一つの関節を挟持する部分のみを示す。この保持機構部62は、断面コ字形状の保持部63が多脚ロボット15の脚16における関節(例えば第2関節19、第3関節20)付近に回転軸64を介して配置されたものである。この保持部63は、多脚ロボット15が運搬機構部11に搭載された後に、回転軸64回りに矢印I方向に回転して、脚16の関節を両側から挟持し、脚16のリンク機構14を固定状態に保持する。
【0041】
尚、上述の保持機構部51、58及び62の他に、エアシリンダや電磁石を用いて、多脚ロボット15の脚16を両側から挟持する保持機構部であってもよい。また、この保持機構部を含め、保持機構部51、58及び62の動作は、遠隔操作によって、もしくは多脚ロボット支援装置50が備える制御部の制御によってそれぞれ実行され、または作業者の手動により実行される。
また、脚先保持部66は、各脚16の先端が挿入されて、その内側で保持機構部58と同様のスプリングと保持プレートでもって脚16の先端近傍を保持する。
【0042】
以上のように構成されたことから、本第2実施形態によれば、次の効果(3)及び(4)を奏する。
(3)多脚ロボット支援装置50では、多脚ロボット15を、車輪34または無限軌道を備えた運搬機構部11に搭載して運搬し、この運搬中に、運搬機構部11に設置された保持機構部51、58、62等によって、搭載された多脚ロボット15の脚16のリンク機構14を固定状態に保持している。このため、多脚ロボット15の移動(歩行)を、運搬機構部11の車輪34または無限軌道により移動可能な領域まで支援することができるので、この多脚ロボット15自身による歩行量を低減でき、その分、多脚ロボットの発進から撤退までの多脚ロボット19による現場作業を迅速かつ低コスト(低消費電力)に実現できる。
【0043】
(4)運搬機構部11による多脚ロボット15の運搬中には、多脚ロボット15における脚16のリンク機構14が保持機構部51、58、62等によって固定状態に保持されるとともに、脚16の先端が脚先保持部66によって保持される。このため、多脚ロボット15の運搬中にこの多脚ロボット15の脚16への電力供給を停止しても、多脚ロボット15を安定して保持することができる。
【0044】
[C]第3実施形態(
図12〜
図15)
図12は、本発明に係る遠隔作業自動機支援装置の第3実施形態である多脚ロボット支援装置におけるロボット運搬時の状態を示し、(A)は側面図、(B)は平面図である。この第3実施形態において、前記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0045】
本第3実施形態の遠隔作業自動機支援装置としての多脚ロボット支援装置70が第1実施形態と異なる点は、運搬機構部11に、多脚ロボット15が運搬機構部11に対して移動する際に、脚16が歩行して進入退避可能な切欠部71が形成された点である。
【0046】
つまり、切欠部71は、
図12(B)に示すように、運搬機構部11の上面から下面まで貫通して2箇所形成され、多脚ロボット15は、胴部17が多脚ロボット支援装置70の支持機構部12に支持される設置時(
図13)、または多脚ロボット支援装置70から離脱して移動(歩行)する離脱時(
図14)に、その脚16を切欠部71内で歩行動作させる。
【0047】
即ち、多脚ロボット15は、
図13に示す上記設置時には、脚16を自立させた状態で歩行させて多脚ロボット支援装置70に接近させ、この多脚ロボット支援装置70の運搬機構部11における切欠部71内で脚16を歩行動作させ、所定位置で脚16の自立状態を解除する。これにより、
図12に示すように、多脚ロボット15は、胴部17が胴部保持機構37を介して多脚ロボット支援装置70の支持機構部12に支持され、多脚ロボット支援装置70による運搬可能状態になる。また、多脚ロボット15は、
図14に示す上記離脱時には、胴部17が多脚ロボット支援装置70の支持機構部12に支持された状態で脚16を自立状態とし、この脚16を運搬機構部11の切欠部71を通過させて接地させ、胴部17を支持機構部12から離反させて自立させる。そして、多脚ロボット15は、切欠部71内で脚16を歩行動作して多脚ロボット支援装置70から離脱する。
【0048】
従って、本第3実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
【0049】
(5)多脚ロボット支援装置70の運搬機構部11には、多脚ロボット15の脚16が歩行して進入退避可能な切欠部71が形成されたので、運搬機構部11に多脚ロボット15を搭載する際に、この多脚ロボット15を運搬機構部11の上面に乗せる動作が不要になる。この結果、多脚ロボット支援装置70による多脚ロボット15の運搬作業を容易且つ迅速化ができる。
なお、脚16が電力供給の停止により姿勢を保てない場合は、支持機構部12の上面に胴部17を載置した後に、脚16の先端を持ち上げて外側に広げ、切欠部71の外側に位置する運搬機構部11の上面に載せる動作を加えてもよい。この場合、胴部17が支持機構部12上に固定されているので複数の脚16を同時に駆動でき、また多脚ロボット15の歩行により運搬機構部11の上面に乗せる動作よりも制御が容易となる。
また、脚16が電力供給の停止によってもその姿勢を保てる場合は、支持機構部12の上面に胴部17を載置した後に、脚16をある程度曲げてから電力供給を停止すればよい。この場合、
図12(A)に示す状態で停止するが、脚16には荷重がかからないため、姿勢が崩れる可能性が低くなる。
【0050】
尚、本第3実施形態の多脚ロボット支援装置70では、
図15に示すように、支持機構部12が回転軸72を介して運搬機構部11に軸支されて、多脚ロボット15の離脱方向側である矢印J方向に回転可能に構成されてもよい。この場合には、多脚ロボット15の離脱時に、この多脚ロボット15は胴部17が多脚ロボット支援装置70の支持機構部12に支持された状態で、脚16を自立状態とし、脚16の先端部を切欠部71を通過させて接地させる。そして、多脚ロボット15の胴部17が多脚ロボット支援装置70の支持機構部12に接触している状態で、多脚ロボット支援装置70を多脚ロボット15の離脱方向と反対方向Kに移動させることで支持機構部12が矢印J方向に回転し、多脚ロボット15の脚16に歩行動作を実行させることなく、この多脚ロボット15を多脚ロボット支援装置70から離脱させることができる。
【0051】
ここで、前記回転軸72は、支持機構部12の下端面の矢印J方向側端部に設けられる。これにより、支持機構部12の下端面において回転軸72が設けられていない端部が運搬機構部11の上面に接することになるので、支持機構部12は、矢印J方向と反対側に回動することが規制されて、多脚ロボット15の胴部17を安定して支持することが可能になる。
また、本実施形態の多脚ロボット支援装置70の変形例として、運搬機後部11の下部にスライド板を設置し、多脚ロボット15を支持機構部12に設置し、多脚ロボット15の脚16の先端を運搬機後部11の上面以上の高さまで持ち上げ、切欠部71を塞ぐようにスライド板をスライド移動させることで、多脚ロボット15の脚部が運搬機構部11に設置できる構成としてもよい。この場合、スライド板の移動は手動でも遠隔でも構わないが、最初は作業員が接近できる環境で多脚ロボット15を多脚ロボット支援装置70に搭載し、作業領域に近いところまで移動させてからは遠隔で操作するので、手動でも遠隔でもスライド板を操作可能にすることが望ましい。遠隔でスライド移動させるには、例えばスライド板に設けたシャフトと運搬機構部11に設けたモータを噛合せて駆動するか、エアピストン等の直動アクチュエータを用いてスライド可能に構成することが考えられる。このような構成でも、多脚ロボット支援装置70の移動中に脚16の先端が床面に触れることがない。
また、別の変形例として、支持機構部12に昇降機能を備える構成としてもよい。この場合、多脚ロボット15を支持機構部12に設置したのち、支持機構部12を上昇させることで、多脚ロボット支援装置70の移動中に脚16の先端が床に触れることない。こちらの場合も、上記スライド板と同様に、手動でも遠隔でも操作できるようにすることが望ましい。遠隔での昇降は、モータやエアピストン等を用いて構成する。
また、さらに別の変形例として、切欠部71に代えてスロープ(傾斜)状の溝を形成してもよい。この場合、スロープは多脚ロボット15の進入・離脱する側が低くなるように形成する。溝の底が低くなっている位置から多脚ロボット15を進入させることで、多脚ロボット15が運搬機構部11の上面へ乗るために越えなければならない段差を小さくすることができる。
【0052】
[D]第4実施形態(
図16)
図16は、本発明に係る遠隔作業自動機支援装置の第4実施形態における多脚ロボット支援装置を示す側面図である。この第4実施形態において第1及び第2実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0053】
本第4実施形態の遠隔作業自動機支援装置としての多脚ロボット支援装置75が第1及び第2実施形態と異なる点は、運搬機構部11または支持機構部12(例えば支持機構部12)に、多脚ロボット15へ給電を実行可能な給電機構76が設けられた点である。
【0054】
つまり、給電機構76は、例えば複数本の支持機構部12の少なくとも一つに設けられ、電源30からの電力、または電源ケーブル35Aを介して供給される電力を多脚ロボット15へ給電する。この給電機構76は、接触型給電または非接触型給電のいずれでもよく、多脚ロボット15が給電機構76に設置された時点で給電が自動的に開始される構成であってもよい。また、給電機構76は、支持機構部12に代えて保持機構部51(
図8)が設けられた場合には、運搬機構部11に設置されてもよい。
【0055】
以上のように構成されたことから、本第4実施形態によれば、第1及び第2実施形態の効果(1)〜(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(6)を奏する。
【0056】
(6)多脚ロボット支援装置75の例えば支持機構部12に給電機構76が設置され、この給電機構76により多脚ロボット15へ給電がなされることで、多脚ロボット支援装置75による多脚ロボット15の運搬中、または作業現場で適宜多脚ロボット15に給電を実施できる。この結果、多脚ロボット15の稼動時間を延長することができる。
【0057】
[E]第5実施形態(
図17〜
図19)
図17は、本発明に係る遠隔作業自動機支援装置の第5実施形態における多脚ロボット支援装置を示す側面図である。この第5実施形態において、第1及び第2実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0058】
本第5実施形態の遠隔作業自動機支援装置としての多脚ロボット支援装置80が第1及び第2実施形態と異なる点は、運搬機構部11から歩行板としてのスロープ板82を展開して、搭載された多脚ロボット15が歩行可能な歩行床を形成し、多脚ロボット15を作業現場へ、または作業現場から多脚ロボット支援装置80の運搬機構部11へ案内する歩行床展開機構としてのスロープ機構81が、運搬機構部11に設けられた点である。
【0059】
つまり、スロープ機構81は、多脚ロボット15が安全に歩行可能なスロープ板82が、運搬機構部11の一端部に枢支軸83を介して配置される。このスロープ板82は、多脚ロボット支援装置80による多脚ロボット15の運搬時には、
図17および
図18に示すように運搬機構部11に対して立設される。そして、スロープ板82は、多脚ロボット15を多脚ロボット支援装置80に設置、または多脚ロボット支援装置80から離脱させる際には、多脚ロボット支援装置80における図示しない制御部による制御、オペレータによる遠隔操作または作業者による手動操作によって回転され、先端部が接地する。これにより、多脚ロボット15は、スロープ板82上を歩行して作業現場へ移動でき、または作業現場から多脚ロボット支援装置80のスロープ板82上を歩行して運搬機構部11まで移動する。尚、多脚ロボット支援装置80が作業者により手動で押されて移動する場合には、立設状態のスロープ板82は、作業者が使用可能な取っ手としても機能する。
【0060】
また、
図19に示すように、多脚ロボット支援装置80の移動経路に段差84がある場合には、この段差84の全てまたは一部を覆うようにスロープ板82を配置し、多脚ロボット15がスロープ板82上を歩行することで、この多脚ロボット15が上記段差84の全てまたは一部を歩行する必要がないようにすることも可能である。
【0061】
以上のように構成されたことから、本第5実施形態によれば、第1及び第2実施形態の効果(1)〜(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(7)を奏する。
【0062】
(7)多脚ロボット支援装置80の運搬機構部11に、多脚ロボット15を歩行させて作業現場、またはこの多脚ロボット支援装置80の運搬機構部11へ案内するスロープ機構81が設置されたので、このスロープ機構81のスロープ板82上を多脚ロボット15が歩行することで、多脚ロボット15を安全に作業現場または運搬機構部11へ移動させることができる。
なお、便宜上スロープ機構81という名称で説明しているが、当然ながらスロープ板を展開させる場所によってはスロープとならずに運搬機構部11の上面と連続して平坦となることもある。例えば、小型の障害物が散乱している床の上にスロープ板82を展開した場合等である。特に段差を越えるような展開ではなくとも、局所的に床の状態が悪くなっていて直接接地させたくない箇所(小型の障害物が散乱している場合、小さい穴や溝が形成されている場合、油等で滑りやすくなっている場合等)を通行させる場合に有効である。
【0063】
また、多脚ロボット15の歩行不可能な段差84が存在する場合にも、この段差84をスロープ板が覆うことで多脚ロボット15が段差84を乗り越えることができる。更に、段差84が多脚ロボット15の歩行可能な段差である場合にも、この段差84の全てまたは一部を覆うスロープ板82上を多脚ロボットが歩行することで、この段差84を歩行するに必要な時間を削減しまたは短縮することができる。
【0064】
[F]第6実施形態(
図20〜
図22)
図20は、本発明に係る遠隔作業自動機支援装置の第6実施形態における多脚ロボット支援装置を示す側面図である。この第6実施形態において、第1及び第2実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0065】
本第6実施形態の遠隔作業自動機支援装置としての多脚ロボット支援装置90が第1及び第2実施形態と異なる点は、多脚ロボット15を直接または間接的に支持し、運搬機構部11が傾斜する際に、搭載された多脚ロボット15が運搬機構部11よりも水平に近い状態になるよう保持して多脚ロボット15の姿勢を安定化させる姿勢安定化機構91が、運搬機構部11に設けられた点である。
【0066】
この姿勢安定化機構91は、例えば運搬機構部11と、支持機構部12(または保持機構部51)が立設された基板92との間に、油圧シリンダ装置などの昇降装置93が配置されて構成される。この昇降装置93は、多脚ロボット支援装置90の進行方向Lの前後に配置されて構成され、更に、水平面内で前記進行方向Lに直交する方向の前後に配置されて構成されることが好ましい。これらの昇降装置93は、多脚ロボット支援装置90が多脚ロボット15を搭載して傾斜した路面94を移動する際に、路面94の下り側に位置する昇降装置93が伸長することで基板92を水平状態に保持し、この基板92上の多脚ロボット15の姿勢を安定化させる。
【0067】
また、この姿勢安定化機構91は、
図22に示すように、運搬機構部11と支持機構部12(または保持機構部51)との間に配置されて、自重により湾曲移動するゴニオステージ95によって構成されてもよい。このゴニオステージ95は、運搬機構部11に設置されたゴニオステージ静止部96と、このゴニオステージ静止部96に対し多脚ロボット支援装置90の進行方向Lに湾曲移動可能なゴニオステージ可動部97とを有して構成され、ゴニオステージ可動部97に支持機構部12(または保持機構部51)が立設される。
【0068】
姿勢安定化機構91がゴニオステージ95により構成される場合にも、多脚ロボット支援装置90が多脚ロボット15を搭載して傾斜した路面94を移動する際に、ゴニオステージ可動部97はゴニオステージ静止部96に対して路面94の下り側へ自重で湾曲移動することで水平状態に保持され、このゴニオステージ可動部97上の多脚ロボット15の姿勢を安定化させる。
【0069】
尚、ゴニオステージ95は、ゴニオステージ静止部96が、
図22の2点鎖線で示すように、更にゴニオステージで構成されることが好ましい。この場合には、運搬機構部11に設置される側のエレメント96Aに対し、ゴニオステージ可動部97に接する側のエレメント96Bが、水平面内で前記進行方向Lと直交する方向Mに湾曲移動可能に構成される。
【0070】
以上のように構成されたことから、本第6実施形態においても、第1及び第2実施形態の効果(1)〜(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(8)を奏する。
【0071】
(8)多脚ロボット支援装置90は、搭載した多脚ロボット15の姿勢を安定化させる姿勢安定化機構91が運搬機構部11に設けられたので、多脚ロボット支援装置90が傾斜した路面94を移動する場合にも、多脚ロボット15を水平状態に保持して安定化させることができる。
【0072】
[G]第7実施形態(
図23、
図24)
図23は、本発明に係る遠隔作業自動機支援装置の第7実施形態における多脚ロボット支援装置を示し、(A)は側面図、(B)は平面図である。この第7実施形態において、第1及び第2実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0073】
本第7実施形態における遠隔作業自動機支援装置としての多脚ロボット支援装置100が第1及び第2実施形態と異なる点は、搭載した多脚ロボット15の脚16の位置を検出する脚位置検出機構101が、運搬機構部11に設けられた点である。
【0074】
脚位置検出機構101は、例えばラインレーザセンサなどの位置センサ102を有して構成され、更に表示装置103を備えることが好ましい。位置センサ102は、多脚ロボット15の脚16のそれぞれについて、例えば互いに直交する方向からレーザ光を出力し得るように、1本の脚16に対して2個設置される。位置センサ102にて検出された脚位置情報は、多脚ロボット支援装置100に搭載された多脚ロボット15の制御部28(
図3)へ出力され、この制御部28により、脚16が多脚ロボット支援装置100に対して最適な位置になるようにフィードバック制御される。
【0075】
または、位置センサ102にて検出された多脚ロボット15の脚16の脚位置情報は、多脚ロボット支援装置100の支持フレーム36に設置された表示装置103や、多脚ロボット15及び多脚ロボット支援装置100のオペレータが滞在するサイトなどに設置された表示装置103に、
図24に示すように表示される。多脚ロボット支援装置100近傍にいる作業者やサイト内のオペレータは、表示装置103上の脚位置情報に基づいて、例えば操作ユニット13(
図3)を用いて多脚ロボット15を操作し、この多脚ロボット15の脚16を多脚ロボット支援装置100に対して最適な位置に移動させる。この際に、表示装置103には、脚位置許容範囲105が表示されて、位置センサ102にて検出された脚位置が脚位置許容範囲105内に存在するか否かがリアルタイムで表示されることが好ましい。
【0076】
以上のように構成されたことから、本実施形態においても、第1及び第2実施形態の効果(1)〜(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(9)を奏する。
【0077】
(9)多脚ロボット支援装置100では、搭載した多数ロボット15の脚16の位置を検出する脚位置検出機構101が運搬機構部11に設けられたので、この脚位置検出機構101にて得られた脚位置情報に基づき多脚ロボット15の脚16の位置を修正することで、多脚ロボット支援装置100の運搬機構部11上で多脚ロボット15を安定して搭載できる。
【0078】
[H]第8実施形態(
図25、
図26)
図25は、本発明に係る遠隔作業自動機支援装置の第8実施形態における多脚ロボット支援装置を示す側面図である。この第8実施形態において、第1及び第2実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0079】
本第8実施形態における遠隔作業自動機支援装置としての多脚ロボット支援装置110が第1及び第2実施形態と異なる点は、搭載した多脚ロボット15の脚16が運搬機構部11に作用する面圧を、脚16の位置と共に検出する面圧検出機構111が、運搬機構部11に設けられた点である。
【0080】
面圧検出機構111にて検出された多脚ロボット15の脚16の面圧及び位置の情報113は、多脚ロボット支援装置110の支持フレーム36に設置された表示装置112や、多脚ロボット15及び多脚ロボット支援装置110を操作するオペレータが滞在するサイトなどに設置された表示装置112に、
図26に示すように表示される。多脚ロボット支援装置110近傍に居る作業者やサイト内のオペレータは、表示装置112上の脚16の面圧及び位置の情報113が
図26(B)に示すように良好でない場合には、例えば操作ユニット13(
図3)を用いて多脚ロボット15を操作し、表示装置112上の脚16の面圧及び位置の情報113が
図26(A)のように良好になるように、多脚ロボット15の姿勢や脚16の位置を制御する。
【0081】
また、面圧検出機構111にて検出された多脚ロボット15の脚16の面圧及び位置の情報113は、多脚ロボット支援装置110に搭載された多脚ロボット15の制御部28(
図3)へ出力され、この制御部28により、脚16の多脚ロボット支援装置110に対する面圧及び位置の情報113が良好になるように、多脚ロボット15の姿勢や脚16の位置がフィードバック制御される。
【0082】
以上のように構成されたことから、本第8実施形態においても、第1及び第2実施形態の効果(1)〜(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(10)を奏する。
【0083】
(10)多脚ロボット支援装置110は、搭載した多脚ロボット15の脚16が作用する面圧を、脚16の位置と共に検出する面圧検出機構111を備え、この面圧検出機構111が運搬機構部11に設けられたので、この面圧検出機構111により得られた多脚ロボット15の脚16の面圧及び位置の情報113に基づき、多脚ロボット15の姿勢や脚16の位置を修正することで、多脚ロボット支援装置110上で多脚ロボット15を安定して搭載できる。
【0084】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、各実施形態に開示された構成を任意に組み合わせることが可能である。それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、胴部保持機構37や保持機構部51は、スプリング等を用いた構造により、多脚ロボット15を保持する際の安定性や位置決め裕度を高めるものであるが、これらの構造を採用せずに、単純なL字、コの字、筒状等とした構成であっても構わない。
また、胴部17に切り欠き等の凹部を設けるとともに、胴部保持機構37に胴部17の凹部と嵌合する凸部を設けて、簡易な構成で位置決め裕度と保持の安定性を向上させた構造等としてもよい。
また、脚先保持部66や保持機構部51は、全ての脚16ないしリンク機構14に対応して設ける必要はなく、任意の数を設けることでよい。
また、いくつかの実施形態では、脚16への電力供給を停止しても安定して運搬できるものとして説明したが、必ずしも電力供給を停止する必要はない。その場合でも、脚16への荷重がかからないように、あるいは荷重を軽減する効果は発揮される。