特許第6021704号(P6021704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021704
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】情報検出装置及び情報検出システム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20161027BHJP
【FI】
   G07B15/00 W
   G07B15/00 501
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-58910(P2013-58910)
(22)【出願日】2013年3月21日
(65)【公開番号】特開2014-186365(P2014-186365A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2015年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】前田 唯
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−048424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記憶媒体に割り当てられた媒体識別情報に基づく改札処理を実行する改札機からの情報を処理する情報処理装置であって、
前記情報記憶媒体に割り当てられた前記媒体識別情報に基づく処理により得られる、前記媒体識別情報と処理日時情報とを含む処理情報を複数受信する受信手段と、
前記複数の処理情報から、指定媒体識別情報を含む指定処理情報を検出する第1の検出手段と、
前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に基づき、前記複数の処理情報から、条件に合致する1又は複数の条件合致処理情報を検出する第2の検出手段と、
を備え、
前記処理情報は、前記改札処理を実行する改札機に割り当てられた機器識別情報を含み、前記指定処理情報が、第1の改札機に割り当てられた第1の機器識別情報を含み、前記第1の改札機に割り当てられた前記第1の機器識別情報と第2の改札機に対して割り当てられた第2の機器識別情報の夫々に対して同じ設置エリア情報が割り当てられている場合、前記第2の検出手段は、前記第1の機器識別情報を含む処理情報の中で、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個の処理日時情報の何れか1つと前記第1の機器識別情報とを含むn個の条件合致処理情報を検出し、前記第2の機器識別情報を含む処理情報の中で、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個の処理日時情報の何れか1つと前記第2の機器識別情報とを含むn個の条件合致処理情報を検出し、検出された条件合致処理情報に含まれた最も出現頻度の高い媒体識別情報を検出する情報処理装置。
【請求項2】
情報記憶媒体に割り当てられた媒体識別情報に基づく改札処理を実行する改札機と、
前記改札機からの情報を処理する情報処理装置とを備え、
前記情報処理装置は、
前記情報記憶媒体に割り当てられた前記媒体識別情報に基づく処理により得られる、前記媒体識別情報と処理日時情報とを含む処理情報を複数受信する受信手段と、
前記複数の処理情報から、指定媒体識別情報を含む指定処理情報を検出する第1の検出手段と、
前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に基づき、前記複数の処理情報から、条件に合致する1又は複数の条件合致処理情報を検出する第2の検出手段と、
を備え、
前記処理情報は、前記改札処理を実行する改札機に割り当てられた機器識別情報を含み、前記指定処理情報が、第1の改札機に割り当てられた第1の機器識別情報を含み、前記第1の改札機に割り当てられた前記第1の機器識別情報と第2の改札機に対して割り当てられた第2の機器識別情報の夫々に対して同じ設置エリア情報が割り当てられている場合、前記第2の検出手段は、前記第1の機器識別情報を含む処理情報の中で、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個の処理日時情報の何れか1つと前記第1の機器識別情報とを含むn個の条件合致処理情報を検出し、前記第2の機器識別情報を含む処理情報の中で、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個の処理日時情報の何れか1つと前記第2の機器識別情報とを含むn個の条件合致処理情報を検出し、検出された条件合致処理情報に含まれた最も出現頻度の高い媒体識別情報を検出する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報検出装置及び情報検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道などの交通機関の駅には改札機などの駅務機器が設置されている。例えば、改札機は、無線ICカード等の情報記憶媒体と通信し、情報記憶媒体に割り当てられた媒体識別情報に基づき改札処理を実行し、媒体識別情報を含む改札処理データを上位機器へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3816460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上位機器は、各改札機からの改札処理データを受信し管理する。例えば、情報記憶媒体の発行時に、媒体情報管理サーバが、情報記憶媒体に割り当てられた媒体識別情報とユーザ情報とを対応付けた媒体管理情報を管理している。
【0005】
従って、改札処理データと媒体管理情報から、どの媒体(誰に購入された媒体)がどのように利用されているかを調べることができる。
【0006】
しかしながら、例えば、目の前で、改札機を利用したユーザの所持している情報記憶媒体の媒体識別情報を調べることは難しい。従って、目の前で、改札機を利用したユーザの所持している情報記憶媒体の使用履歴を調べることは難しい。
【0007】
例えば、特定の人物を追跡中に、その人物が情報記憶媒体を使って改札機を通過した場合(改札処理を受けた場合)、その人物の使った情報記憶媒体の使用履歴を調べたいという要望がある。しかしながら、現在のシステムでは、このような使用履歴を調べることは難しい。
【0008】
本発明の目的は、複数の情報の中から条件に合致する情報を検出することができる情報処理装置及び情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る情報処理装置は、受信手段と、第1の検出手段と、第2の検出手段とを備える。前記受信手段は、情報記憶媒体に割り当てられた媒体識別情報に基づく処理により得られる、前記媒体識別情報と処理日時情報とを含む処理情報を複数受信する。前記第1の検出手段は、前記複数の処理情報から、指定媒体識別情報を含む指定処理情報を検出する。前記第2の検出手段は、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に基づき、前記複数の処理情報から、条件に合致する1又は複数の条件合致処理情報を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図3】本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図4】本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1及び図2は、実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、情報処理システムは、自動改札機100−1、監視盤10−1、IDi情報収集DB端末20、中央サーバ30、特殊ICカード200、一般ICカード300等により構成される。
【0013】
例えば、情報処理システムは、一つの駅に設置される複数の自動改札機100−1、100−2、…100−xを備え、さらに、他の各駅に設置される複数の自動改札機を備える。さらに、情報処理システムは、他の各駅に設置される設置される監視盤10−2、10−3、…、10−xを備える。
【0014】
特殊ICカード200(指定情報記憶媒体)は、例えば、追跡者が使用するカードである。例えば、特殊ICカード200は、無線カード又は磁気カードであって、情報記憶部、情報処理部、通信部等により構成される。情報記憶部は、IDi−200(カード識別情報)を記憶する。中央サーバ30は、IDi−200と個人情報(氏名、住所、年齢等)とを対応付けて管理する。
【0015】
一般ICカード300は、一般ユーザに広く使用されるカードである。例えば、一般ICカード300は、無線カード又は磁気カードであって、情報記憶部、情報処理部、通信部等により構成される。情報記憶部は、IDi−300(カード識別情報)を記憶する。中央サーバ30は、IDi−300とユーザ情報(氏名、住所、年齢等)とを対応付けて管理する。
【0016】
なお、本実施形態では、特殊ICカード200がIDi−200を記憶し、一般ICカード300がIDi−300を記憶するケースについて説明するが、例えば、特殊ICカード200がカード番号Aを記憶し、中央サーバ30がカード番号AとIDi−200とを対応付けて記憶し、特殊ICカード200がカード番号Bを記憶し、中央サーバ30がカード番号BとIDi−300とを対応付けて記憶してもよい。
【0017】
自動改札機100は、CPU101、メモリ部102、人間検知部103、通信制御部104、IDi通信部105を備える。例えば、メモリ部102は、自動改札機100に固有の機器識別情報を記憶する。例えば、説明を分かり易くする為、自動改札機100−1のメモリ部102には、機器識別情報100−1が記憶され、自動改札機100−2のメモリ部102には、機器識別情報100−2が記憶されるとする。
【0018】
IDi通信部105は、ユーザにより翳される特殊ICカード200又は一般ICカード300の情報(IDi−200又はIDi−300等)を読み取る。CPU101は、特殊ICカード200又は一般ICカード300から読み取った情報に基づき改札処理を実行する。人間検知部103は、進入するユーザ、通過中のユーザ、退出するユーザ等を検知する。
【0019】
通信制御部104は、監視盤と通信し、特殊ICカード200に割り当てられたIDi−200に基づく処理により得られる処理情報等を送信する。処理情報は、例えば、IDi−200、機器識別情報100−1、処理日時情報、及び処理結果情報(入場OK/出場OK/入場NG/出場NG)などを含む。同様に、通信制御部104は、特殊ICカード200に割り当てられたIDi−200に基づく処理により得られる処理情報等を送信する。処理情報は、例えば、IDi−300、機器識別情報100−1、処理日時情報、及び処理結果情報(入場OK/出場OK/入場NG/出場NG)などを含む。
【0020】
監視盤10は、CPU11、メモリ部12、表示部13、入力部14、通信制御部15を備える。通信制御部15は、自動改札機100から送信される複数の処理情報を受信する。メモリ部12は、受信した複数の処理情報を記憶する。CPU11は、受信した複数の処理情報を解析し、目的の処理情報を検出する。また、通信制御部15は、IDi情報収集DB端末20と通信し、例えば、検出した目的の処理情報等を送信する。
【0021】
IDi情報収集DB端末20は、CPU21、メモリ部22、表示部23、入力部24、通信制御部25を備える。通信制御部25は、監視盤10と通信し、検出された目的の処理情報等を受信する。また、通信制御部25は、中央サーバ30、他駅に設置される監視盤10−2、10−x等と通信し、各種情報を送受信する。例えば、通信制御部25は、監視盤10と通信し、IDi−200、IDi−300を含む処理情報を受信し、IDi−200毎にデータを管理する。また、通信制御部25は、各駅の監視盤10−xと中央サーバ30に受信したIDi−300の情報を問い合わせして、個人情報や経路情報を収集する。IDi−200の利用者から閲覧要求が来た場合は、IDi−200に対応するIDi−300の経路情報等の閲覧を許可する。
【0022】
次に、特殊ICカード200を利用した追跡処理の一例について説明する。特殊ICカード200の構成は実質的に一般ICカード300の構成と同じである。容疑者が一般ICカード300を所持し、自動改札機100等を利用している場合に、警察官等が特殊ICカード200を所持し、自動改札機100等を利用しながら、容疑者を追跡する。
【0023】
例えば、容疑者が一般ICカード300を使って自動改札機100−1で改札処理を受け、その後、警察官が特殊ICカード200を使って自動改札機100−1で改札処理を受けるケースが考えられる。この場合、自動改札機100−1は、一般ICカード300に割り当てられたIDi−300を読み取り、IDi−300に基づく処理により得られる処理情報を監視盤10へ送信し、その後、自動改札機100−1は、特殊ICカード200に割り当てられたIDi−200を読み取り、IDi−200に基づく処理により得られる処理情報を監視盤10へ送信する。
【0024】
例えば、一般ICカード300に基づく処理により得られる処理情報は、IDi−300、機器識別情報100−1、処理日時情報(2013/3/1/09/00/00)、及び処理結果情報を含む。また、特殊ICカード200に基づく処理により得られる処理情報は、IDi−200、機器識別情報100−1、処理日時情報(2013/3/1/09/00/05)、及び処理結果情報を含む。例えば、一般ICカード300に基づく処理により得られる処理情報の処理日時は、特殊ICカード200に基づく処理により得られる処理情報の処理日時より、5秒早い。
【0025】
さらに、他の駅で、容疑者が一般ICカード300を使って自動改札機で改札処理を受け、その後、警察官が特殊ICカード200を使って自動改札機で改札処理を受けると、一般ICカード300に基づく処理により得られる処理情報、及び特殊ICカード200に基づく処理により得られる処理情報処理情報が、次々に、監視盤10へ送信される。
【0026】
例えば、入力部14を介して、特殊ICカード200に割り当てられたIDi−200を入力する。メモリ部12は、特殊ICカード200に割り当てられたIDi−200を記憶する。
【0027】
例えば、CPU11は、受信した複数の処理情報から、IDi−200(指定媒体識別情報)を含む処理情報(以下、指定処理情報)を検出する。CPU11は、指定処理情報に含まれた処理日時情報に基づき、受信した複数の処理情報から、条件に合致する1又は複数の条件合致処理情報を検出する。例えば、CPU11は、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い処理日時情報を含む条件合致処理情報を検出する。なお、CPU11は、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近く、且つ指定処理情報に含まれた処理日時情報より前の処理日時情報を含む条件合致処理情報を検出するようにしてもよい。
【0028】
或いは、CPU11は、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個(n≧2、n:整数)の処理日時情報の何れか1つを含むn個の条件合致処理情報を検出する。例えば、nを3に設定すれば、CPU11は、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位3個の処理日時情報の何れか1つを含む3個の条件合致処理情報を検出することができる。なお、CPU11は、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個で、且つ指定処理情報に含まれた処理日時情報より前の処理日時情報を含むn個の条件合致処理情報を検出するようにしてもよい。
【0029】
或いは、CPU11は、指定処理情報に機器識別情報100−1が含まれていることを利用し、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い処理日時情報と機器識別情報100−1とを含む条件合致処理情報を検出するようにしてもよい。或いは、CPU11は、指定処理情報に機器識別情報100−1が含まれていることを利用し、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個の処理日時情報の何れか1つを含み、且つ機器識別情報100−1を含むn個の条件合致処理情報を検出するようにしてもよい。
【0030】
上記説明したように、容疑者が一般ICカード300を使って複数の自動改札機100−1で改札処理を受け、その後、警察官が特殊ICカード200を使って自動改札機100−1で改札処理を受けているため、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い処理日時情報を含む条件合致処理情報を検出すると、条件合致処理情報は、一般ICカード300による処理情報である可能性が高い。また、上記したように、n個の条件合致処理情報を検出する場合、n個の条件合致処理情報に、一般ICカード300による処理情報が含まれている可能性が高い。なお、監視盤10の入力部14から、nの値を設定することができる。つまり、IDi−200を検出した何人前分の処理情報を検出するかを設定することができる。これにより、警察官と容疑者との距離が離れている場合の追跡も容易となる。
【0031】
また、容疑者と警察官が複数の駅で、一般ICカード300と特殊ICカード200を使うと、多くの条件合致処理情報を検出することができる。CPU11は、これら多くの条件合致処理情報に共通するIDi(最も出現頻度の高いIDi)を検索すれば、検索されたIDiが容疑者の所持する一般ICカード300である可能性が極めて高い。例えば、IDi情報収集DB端末20のCPU21は、監視盤10のCPU11により検索されたIDiの個人情報及び使用履歴(利用経路)を収集することができる。つまり、IDi情報収集DB端末20の通信制御部25が、検索されたIDiを中央サーバ30へ送信し、中央サーバ30から、検索されたIDiに対応する個人情報を取得することができる。また、通信制御部25が、検索されたIDiを各駅の監視盤10−2、10−3、…、10−xへ送信し、各駅の監視盤10−2、10−3、…、10−xから、検索されたIDiを含む処理情報を取得することができる。CPU21は、通信制御部25が取得した情報を解析し、検索されたIDiに対応する、個人情報、利用経路、利用日時を検出することができる。
【0032】
また、容疑者と警察官が同じエリア(同じ改札口)に設置された異なる自動改札機100−1、100−2を利用するケースも考えられる。例えば、容疑者が一般ICカード300を使って自動改札機100−1で改札処理を受け、その前後又は同じタイミングで、警察官が特殊ICカード200を使って自動改札機100−2で改札処理を受けるケースが考えられる。この場合、自動改札機100−1は、一般ICカード300に割り当てられたIDi−300を読み取り、IDi−300に基づく処理により得られる処理情報を監視盤10へ送信し、自動改札機100−2は、特殊ICカード200に割り当てられたIDi−200を読み取り、IDi−200に基づく処理により得られる処理情報を監視盤10へ送信する。
【0033】
例えば、一般ICカード300に基づく処理により得られる処理情報は、IDi−300、機器識別情報100−1、処理日時情報(2013/3/1/09/00/00)、及び処理結果情報を含む。また、特殊ICカード200に基づく処理により得られる処理情報は、IDi−200、機器識別情報100−2、処理日時情報(2013/3/1/09/00/05)、及び処理結果情報を含む。例えば、一般ICカード300に基づく処理により得られる処理情報の処理日時は、特殊ICカード200に基づく処理により得られる処理情報の処理日時より、5秒早い。なお、容疑者と警察官が異なる自動改札機を使用する場合、一般ICカード300に基づく処理により得られる処理情報の処理日時が、特殊ICカード200に基づく処理により得られる処理情報の処理日時より遅くてもよいし、同時でもよい。
【0034】
さらに、他の駅で、容疑者が一般ICカード300を使って自動改札機で改札処理を受け、その後、警察官が特殊ICカード200を使って同じエリアの異なる自動改札機で改札処理を受けると、一般ICカード300に基づく処理により得られる処理情報、及び特殊ICカード200に基づく処理により得られる処理情報処理情報が、次々に、監視盤10へ送信される。
【0035】
例えば、入力部14を介して、特殊ICカード200に割り当てられたIDi−200を入力する。メモリ部12は、特殊ICカード200に割り当てられたIDi−200を記憶する。また、メモリ部12は、機器識別情報100−1と100−2の夫々に対して同じエリアに設置されていることを示す設置情報を記憶しているものとする。
【0036】
例えば、CPU11は、指定処理情報に機器識別情報100−1が含まれていることを利用し、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い処理日時情報と機器識別情報100−1とを含む条件合致処理情報と、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い処理日時情報と機器識別情報100−2とを含む条件合致処理情報とを検出する。或いは、CPU11は、指定処理情報に機器識別情報100−1が含まれていることを利用し、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個の処理日時情報の何れか1つを含み、且つ機器識別情報100−1を含むn個の条件合致処理情報と、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個の処理日時情報の何れか1つを含み、且つ機器識別情報100−2を含むn個の条件合致処理情報を検出するようにしてもよい。
【0037】
上記説明したように、容疑者が一般ICカード300を使って自動改札機100−1で改札処理を受け、その後、警察官が特殊ICカード200を使って自動改札機100−1と同じエリアに設置された自動改札機100−2で改札処理を受けているため、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い処理日時情報と機器識別情報100−1を含む条件合致処理情報と、指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い処理日時情報と機器識別情報100−2を含む条件合致処理情報とを検出すると、これら条件合致処理情報は、一般ICカード300による処理情報である可能性が高い。また、上記したように、n個の条件合致処理情報を検出する場合、n個の条件合致処理情報に、一般ICカード300による処理情報が含まれている可能性が高い。
【0038】
例えば、容疑者と警察官が複数の駅の同じエリアで、一般ICカード300と特殊ICカード200を使うと、多くの条件合致処理情報を検出することができる。CPU11は、これら多くの条件合致処理情報に共通するIDi(最も出現頻度の高いIDi)を検索すれば、検索されたIDiが容疑者の所持する一般ICカード300である可能性が極めて高い。例えば、IDi情報収集DB端末20のCPU21は、監視盤10のCPU11により検索されたIDiの個人情報及び使用履歴(利用経路)を収集することができる。つまり、IDi情報収集DB端末20の通信制御部25が、検索されたIDiを中央サーバ30へ送信し、中央サーバ30から、検索されたIDiに対応する個人情報を取得することができる。また、通信制御部25が、検索されたIDiを各駅の監視盤10−2、10−3、…、10−xへ送信し、各駅の監視盤10−2、10−3、…、10−xから、検索されたIDiを含む処理情報を取得することができる。CPU21は、通信制御部25が取得した情報を解析し、検索されたIDiに対応する、個人情報、利用経路、利用日時を検出することができる。
【0039】
図3図4のフローチャートを参照し、本実施形態の情報処理システムの実施形態について説明する。
【0040】
図3に示すように、例えば、監視盤10は、複数のIDi情報(複数の処理情報)を取得し(ST1)、特殊ICカード200のIDi−200であれば(ST2、NO)、その前のn個のIDi情報(n個の条件に合致した処理情報)を検出し、IDi情報収集DB端末20へ送信する(ST4)。これにより、例えば、特殊ICカード200で自動改札機100−1を通過すると、この通過前のn人分(例えば3人分)の一般ICカード300のIDi情報が検出され、IDi情報収集DB端末20へ送信される。
【0041】
また、図4に示すように、IDi情報収集DB端末20は、監視盤10により検出されたIDi情報を取得する(ST11)。IDi情報収集DB端末20は、中央サーバ30に対して、監視盤10から取得したIDi情報に対応する個人情報を問い合わせる(ST12)。中央サーバ30は、IDi情報に対応する個人情報を検索して、IDi情報収集DB端末20へ送信する。これに対応して、IDi情報収集DB端末20は、IDi情報に対応する個人情報を取得する(ST13)。
【0042】
さらに、IDi情報収集DB端末20は、監視盤10から取得したIDi情報の通過情報を、他の駅の監視盤10−1、10−2へ問い合わせる(ST14)。他の駅の監視盤10−1、10−2は、問い合わせに応じて、IDi情報の通過情報を送信する。これに対応して、IDi情報収集DB端末20は、IDi情報の通過情報を取得し(ST15)、IDi情報に対応する個人情報と通過情報をDBへ書き込む(ST16)。
【0043】
以下、本実施形態についてまとめる。
【0044】
(上位概念)
特殊ICカード200(IDi−200)の利用者は、追跡対象者の一般ICカード300(IDi−300)の情報を収集することができる。
【0045】
(中位概念)
複数回、一般ICカード300(IDi−300)の利用者の後を追跡して自動改札機100−1、100−2を通過することで一般ICカード300(IDi−300)の個人情報及び使用経路(入場・出場・乗り換えなど)を特定することができる。
【0046】
(下位概念)
特殊ICカード200(IDi−200)、一般ICカード300(IDi−300)が通過した自動改札機100−1とは異なる自動改札機100−2を通過した場合でも一般ICカード300(IDi−300)の情報を収集することができる。
【0047】
上記により、目の前で自動改札機を通過した利用者が所持しているICカードのIDiを特定でき、特定されたIDiの各駅の利用(通過)状況を自動で収集することができる。
【0048】
なお、本実施形態では、自動改札機により特殊ICカード200、一般ICカード300が使用されるケースを想定し、ターゲットとなる一般ICカード300の使用履歴及び個人情報の割り出しについて説明した。その他に、店舗等に設置されたカードリーダで特殊ICカード200、一般ICカード300が使用されるケースを想定することもできる。このようなケースでも、ターゲットとなる一般ICカード300の使用履歴及び個人情報を割り出すことができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
情報記憶媒体に割り当てられた媒体識別情報に基づく処理により得られる、前記媒体識別情報と処理日時情報とを含む処理情報を複数受信する受信手段と、
前記複数の処理情報から、指定媒体識別情報を含む指定処理情報を検出する第1の検出手段と、
前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に基づき、前記複数の処理情報から、条件に合致する1又は複数の条件合致処理情報を検出する第2の検出手段と、
を備える情報処理装置。
[C2]
前記第2の検出手段は、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い処理日時情報を含む条件合致処理情報を検出する[C1]の情報処理装置。
[C3]
前記第2の検出手段は、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個(n≧2、n:整数)の処理日時情報の何れか1つを含むn個の条件合致処理情報を検出する[C1]又は[C2]の情報処理装置。
[C4]
前記第2の検出手段は、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報より前の処理日時情報を含む1又はn個の条件合致処理情報を検出する[C2]又は[C3]の情報処理装置。
[C5]
前記処理情報は、前記処理を実行する機器に割り当てられた機器識別情報を含み、前記指定処理情報が、第1の機器に割り当てられた第1の機器識別情報を含む場合、前記第2の検出手段は、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い処理日時情報と前記第1の機器識別情報とを含む条件合致処理情報を検出する[C1]乃至[C4]の何れか1つの情報処理装置。
[C6]
前記第2の検出手段は、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個の処理日時情報の何れか1つと前記第1の機器識別情報とを含むn個の条件合致処理情報を検出する[C5]の情報処理装置。
[C7]
前記第1の機器に割り当てられた前記第1の機器識別情報と第2の機器に対して割り当てられた第2の機器識別情報の夫々に対して同じ設置エリア情報が割り当てられている場合、前記第2の検出手段は、前記第1の機器識別情報を含む処理情報の中で、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個の処理日時情報の何れか1つと前記第1の機器識別情報とを含むn個の条件合致処理情報を検出し、前記第2の機器識別情報を含む処理情報の中で、前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に最も近い上位n個の処理日時情報の何れか1つと前記第2の機器識別情報とを含むn個の条件合致処理情報を検出する[C6]の情報処理装置。
[C8]
前記第1の検出手段は、前記複数の処理情報から、前記指定媒体識別情報を含む複数の指定処理情報を検出し、
前記第2の検出手段は、前記複数の指定処理情報に含まれた各処理日時情報に最も近い処理日時情報を含む複数の条件合致処理情報を検出する[C1]乃至[C7]の何れか1つの情報処理装置。
[C9]
前記第1の検出手段は、前記複数の処理情報から、前記指定媒体識別情報を含む複数の指定処理情報を検出し、
前記第2の検出手段は、前記複数の指定処理情報に含まれた各処理日時情報に最も近い上位n個(n≧2、n:整数)の処理日時情報の何れか1つを含む複数の条件合致処理情報を検出する[C1]乃至[C7]の何れか1つの情報処理装置。
[C10]
前記第2の検出手段は、前記複数の条件合致処理情報に含まれた最も出現頻度の高い媒体識別情報を検出する[C1]乃至[C9]の何れか1つの情報処理装置。
[C11]
情報記憶媒体に割り当てられた媒体識別情報に基づく改札処理を実行する改札機と、
前記改札機からの情報を処理する情報処理装置とを備え、
前記情報処理装置は、
前記情報記憶媒体に割り当てられた前記媒体識別情報に基づく処理により得られる、前記媒体識別情報と処理日時情報とを含む処理情報を複数受信する受信手段と、
前記複数の処理情報から、指定媒体識別情報を含む指定処理情報を検出する第1の検出手段と、
前記指定処理情報に含まれた処理日時情報に基づき、前記複数の処理情報から、条件に合致する1又は複数の条件合致処理情報を検出する第2の検出手段と、
を備える情報処理システム。
【符号の説明】
【0050】
10…監視盤、20…IDi情報収集DB端末、30…中央サーバ、100…自動改札機、200…特殊ICカード200、300…一般ICカード
図1
図2
図3
図4