【実施例】
【0015】
図5及び
図6に示すとおり、本発明の好ましい実施例は、軸41、軸41の一端に設ける頭部42、軸41のもう一端に設ける穴あけ進入部43、及び螺旋形態で軸41に繞設しさらに穴あけ進入部33にまで至るねじ山44を含む。
そのうち、ねじ山44の外周形状は長さの異なる相互に非対称の少なくとも三つの切削面441によって構成され、尚且つ任意二つの隣接する切削面441には切削刃442を連接する。
各切削面441上には複数の鋸歯443を設ける。切削面441を実際に製作する場合は、ニーズに応じて四つ或いは五つ以上の非対称設置に設計することが可能である。
本実施例は三つの非対称の切削面を例として説明し、同時に任意一つの同じ位置の切削刃442は相互に連結して仮想線Aを形成する。
該仮想線Aは軸の中心Bと平行に設置するか、仮想線Aと軸の中心Bを傾斜角度をもたせて設置する(未図示)。本実施例は仮想線Aと軸の中心Bを平行設置したものを例として説明する。
また穴あけ進入部43は軸41から外側に延伸し尚且つ穴あけ先431を形成する。
さらに軸41にはカット溝45を設け、カット溝45は穴あけ先431前まで延伸するが、カット溝45は穴あけ先431には繋がらず、穴あけ先431とカット溝45間には少なくとも一つのねじ山44を配置する。
カット溝45は、軸41の穴あけ先431とカット溝45間に配置されたねじ山44へつながる部分まで延び、穴あけ先431とカット溝45間に配置された少なくとも一つのねじ山44が、カット溝45で分断されることなく軸41を完全に取り巻く。
穴あけ先431とカット溝45との間に二つのねじ山44を配置するか、三つのねじ山44を配置してもよい(
図7の第二実施例及び
図8の第三実施例に示す通り)。
次に
図5及び
図6を例として説明する。前記カット溝45は切削壁451と、切削壁451に隣接する押圧壁452とを備え、該切削壁451と押圧壁452とで囲まれた箇所に収納空間453を形成する。
【0016】
図5及び
図6に示すとおり、締付け時には穴あけ進入部33で物品5上を圧し、工具を用いて頭部42に回転ねじり力を加える。
これにより穴あけ進入部43は穴あけ先431とカット溝45間に設けたねじ山44を従動して回転切削しながら物品5内に進入する。
この時、ねじ山44の各切削刃442に物品5が接触する。
さらに適時、非対称設計の各切削面441上に備えた複数の鋸歯443によって、スクリュー締結具4が最初に物品5を切削した時の相互摩擦力を減少させる。
同時に切削面441に絡まった切屑を迅速にカットすることができ、ねじ山44が最初に穴あけをする際に発生させる締付けねじり力を大幅に減少できる。
この時、軸41に設けたカット溝45が係合し、カット溝45は穴あけ先431の箇所と隣接しない設置であるため、カット溝45は穴あけ先431に従った後、徐々に物品5内に進入し切削する。
これにより省力効果と迅速に回転して物品5に進入し締付ける効果を達成する。
また切削壁451と押圧壁452で囲み形成する収納空間453の設計を利用して、穴をあけながら進入する過程での切屑を収めることができ、溜まった切屑に押されてクラックが発生する欠点を防止できる。
それと同時に、後続する各ねじ山44には非対称の切削面441を設計して、カット溝45に連接した後、引き続き物品5内に穴をあけて進入させる。
スクリュー締結具4を締付けた後は、充分な物品5との締付け緊密固定力を発生させることができる。
これによりスクリュー締結具4が外的要因の影響により自身が逆回転し後退する欠点を防ぐことができ、締付け抵抗力とねじり力の発生を効果的に抑えることができ、締付け速度を大幅に向上させる効果を実現する。
【0017】
図9及び
図10に示す本発明の第四実施例は、前記実施例と同じ点は、軸41、頭部42、穴あけ進入部43、ねじ山44、及びカット溝45等の構成要素を含む点である。
特に取り上げるべき点は、本実施例での各切削面441の鋸歯443間にはねじ山44の底部に至る少なくとも一つ以上の切欠歯444を設ける点にある。
前記切欠歯444は実際のニーズに応じることができ、各切削面441上には二つ或いは三つ以上の設置が可能であるが(未図示)、下記では各切削面441に一つの切欠歯444を設けたものを例として説明する。
これによりスクリュー締結具4で穴をあけながら進入する際に切屑を排出する空間を増やすことができる。
【0018】
スクリュー締結具4を用いて物品5に穴をあけながら進入させる際、各切削面441が鋸歯443を従動して、切削面441に巻き付いている切屑を先行してカットし、スクリュー締結具4を迅速に物品5内に回転進入させる。
それと同時に各切削面441に設けた切欠歯444をカット溝45に係合させて、穴をあけながら進入する過程で発生する切屑の収納と外側への排出を行なわせる。
そのためスクリュー締結具4には好ましい切屑排出効果が生まれ、同様に締付けねじり力、抵抗力を効果的に低下させ、穴をあけながら進入する締付け効果等を高める。
【0019】
図11に示した本発明の第五実施例は、第一実施例と同様に、軸41、頭部42、穴あけ進入部43、複数のねじ山44、及びカット溝45等の構成要素を含む。
特に、本実施例において穴あけ先431とカット溝45間に少なくとも一つの
鋸歯443を有しない完全なねじ山44を設ける。
これにより締付け時に穴あけ先431がねじ山44を従動して先行して穴をあけて締付けた後、係合するカット溝45が切削と切屑の収納を助け、効果的にクラックを防止する。
それとともに締付けねじり力を大幅に低下させ、締付け速度を向上する効果を達成する。
【0020】
前述をまとめると、本発明のスクリュー締結具は、軸上にカット溝を設け、該カット溝は穴あけ先431の前まで延伸する。
該カット溝は穴あけ先431に連結しないため、締付け過程において、非対称の切削面がスクリュー締結具と物品の摩擦を効果的に減少させ、切削過程での物品との接触面積及び締付けねじり力を低下させる。
さらに穴をあけながら進入する過程での回転速度を高め、カット溝を係合させて切削を助け、切屑を収納して効果的にクラックが入る欠点を防止する。
同時に締付けねじり力を大幅に低下させ、締付け速度を向上させるため、確実に本発明の目的を達成する。
【0021】
但し、以上は単に本発明の好ましい実施例を説明したにすぎず、これによって本発明の実施範囲に制約を加えることは不可能である。即ち、本発明の特許請求の範囲及び説明書の内容に基づいて為した同等効果を有する簡単な変化や修飾は全て、本発明の包含する範囲内に属するものとする。