特許第6021771号(P6021771)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6021771発光ダイオードジャンクション温度測定装置、発光ダイオードジャンクション温度測定方法、発光ダイオードジャンクション温度測定プログラム及び光照射装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021771
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】発光ダイオードジャンクション温度測定装置、発光ダイオードジャンクション温度測定方法、発光ダイオードジャンクション温度測定プログラム及び光照射装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20161027BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20161027BHJP
   G01M 11/00 20060101ALI20161027BHJP
   G01K 7/00 20060101ALI20161027BHJP
   G01N 21/33 20060101ALN20161027BHJP
【FI】
   H01L33/00 K
   G01N21/27 Z
   G01M11/00 T
   G01K7/00 381L
   !G01N21/33
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-194588(P2013-194588)
(22)【出願日】2013年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-96573(P2014-96573A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年7月3日
(31)【優先権主張番号】特願2012-224460(P2012-224460)
(32)【優先日】2012年10月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592032430
【氏名又は名称】HOYA CANDEO OPTRONICS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 信徳
(72)【発明者】
【氏名】木暮 靖男
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0118224(US,A1)
【文献】 特表2013−543651(JP,A)
【文献】 特開2005−115350(JP,A)
【文献】 特開2012−177550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
G01K 7/00
G01M 11/00
G01N 21/27
G01N 21/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光スペクトルの変化に応じて検出光量が変化する第一の光センサと、
発光スペクトルの変化に対して前記第一の光センサと異なる検出光量特性を備える第二の光センサと、
前記第一の光センサが出力する第一出力信号と、前記第二の光センサが出力する第二出力信号に基づいて、発光ダイオードのジャンクション温度を算出するジャンクション温度算出部と
を具備する発光ダイオードジャンクション温度測定装置。
【請求項2】
前記第一の光センサは、
発光ダイオードの光を受光して光の強度に応じた信号を出力する第一受光素子と、
前記発光ダイオードの光の波長に応じて透過率が変化する第一光学フィルタと
よりなり、
前記第二の光センサは、
前記発光ダイオードの光を受光して、光の強度に応じた信号を出力する第二受光素子と
よりなり、
前記ジャンクション温度算出部は、
所定時間を計測するタイマと、
前記発光ダイオードを点灯すると同時に前記タイマを起動して、前記タイマの起動時点における、前記第一受光素子から得られる第一発光強度初期値と、前記第二受光素子から得られる第二発光強度初期値とを取得した後、前記タイマが前記所定時間を計測した後に再び前記第一受光素子から得られる第一発光強度終期値と、前記第二受光素子から得られる第二発光強度終期値とを取得して、前記発光ダイオードのジャンクション温度を算出する演算制御部と
よりなる、請求項1記載の発光ダイオードジャンクション温度測定装置。
【請求項3】
更に、
前記発光ダイオードの周囲の雰囲気温度を測定するための温度センサと
を具備する、請求項2記載の発光ダイオードジャンクション温度測定装置。
【請求項4】
前記演算制御部は、前記第一発光強度初期値及び前記第二発光強度初期値並びに前記第一発光強度終期値及び前記第二発光強度終期値を用いて、前記発光ダイオードが発光する光の波長シフト量を求め、前記波長シフト量に基づいて発光強度減衰率を算出する、請求項3記載の発光ダイオードジャンクション温度測定装置。
【請求項5】
更に、
前記発光ダイオードの光の波長によらず一定の透過率を備える第二光学フィルタと
を具備し、
前記第一受光素子は、前記発光ダイオードの光を、前記第二光学フィルタを介して受光して、光の強度に応じた信号を出力する、請求項4記載の発光ダイオードジャンクション温度測定装置。
【請求項6】
発光ダイオードを点灯すると同時にタイマを起動するタイマ起動ステップと、
前記タイマの起動時に前記発光ダイオードの光を第一受光素子で受光して第一発光強度初期値を得ると共に、前記発光ダイオードの光を、前記発光ダイオードの光の波長に応じて透過率が変化する第一光学フィルタを通じて第二受光素子で受光して第二発光強度初期値を得る初期値計測ステップと、
前記タイマが所定時間を計測した後に、前記発光ダイオードの光を第一受光素子で受光して第一発光強度終期値を得ると共に、前記発光ダイオードの光を、前記第一光学フィルタを通じて第二受光素子で受光して、第二発光強度終期値を得る終値計測ステップと、
前記第一発光強度初期値、前記第二発光強度初期値、前記第一発光強度終期値及び前記第二発光強度終期値を用いて、前記発光ダイオードのジャンクション温度を算出するジャンクション温度演算ステップと
を有する、発光ダイオードジャンクション温度測定方法。
【請求項7】
計算機に、
発光ダイオードを点灯すると同時にタイマを起動するタイマ起動ステップと、
前記タイマの起動時に前記発光ダイオードの光を第一受光素子で受光して第一発光強度初期値を得ると共に、前記発光ダイオードの光を、前記発光ダイオードの光の波長に応じて透過率が変化する第一光学フィルタを通じて第二受光素子で受光して第二発光強度初期値を得る初期値計測ステップと、
前記タイマが所定時間を計測した後に、前記発光ダイオードの光を第一受光素子で受光して第一発光強度終期値を得ると共に、前記発光ダイオードの光を、前記第一光学フィルタを通じて第二受光素子で受光して、第二発光強度終期値を得る終値計測ステップと、
前記第一発光強度初期値、前記第二発光強度初期値、前記第一発光強度終期値及び前記第二発光強度終期値を用いて、前記発光ダイオードのジャンクション温度を算出するジャンクション温度演算ステップと
を実行させる、発光ダイオードジャンクション温度測定プログラム。
【請求項8】
発光ダイオードと、
前記発光ダイオードを駆動する電流源と、
発光ダイオードの光を受光して光の強度に応じた信号を出力する第一受光素子と、
前記発光ダイオードの光の波長に応じて透過率が変化する第一光学フィルタと、
前記発光ダイオードの光を、前記第一光学フィルタを介して受光して、光の強度に応じた信号を出力する第二受光素子と、
所定時間を計測するタイマと、
前記発光ダイオードを点灯すると同時に前記タイマを起動して、前記タイマの起動時点における、前記第一受光素子から得られる第一発光強度初期値と、前記第二受光素子から得られる第二発光強度初期値とを取得した後、前記タイマが前記所定時間を計測した後に再び前記第一受光素子から得られる第一発光強度終期値と、前記第二受光素子から得られる第二発光強度終期値とを取得して、前記発光ダイオードのジャンクション温度を算出し、前記ジャンクション温度に基づいて前記電流源を制御する演算制御部と
を具備する光照射装置。
【請求項9】
前記第一の光センサは、
発光ダイオードの光を受光して光の強度に応じた信号を出力する第一受光素子と、
前記発光ダイオードの光の波長に応じて透過率が変化する第一光学フィルタと
よりなり、
前記第二の光センサは、
前記発光ダイオードの光を受光して、光の強度に応じた信号を出力する第二受光素子と
よりなり、
前記ジャンクション温度算出部は、
前記発光ダイオードを点灯した後に前記第一受光素子から得られる第一発光強度値と、前記第二受光素子から得られる第二発光強度値とを取得して、前記発光ダイオードのジャンクション温度を算出する演算制御部と
よりなる、請求項1記載の発光ダイオードジャンクション温度測定装置。
【請求項10】
前記演算制御部は、
前記第一発光強度値と前記第二発光強度値の比が格納される発光強度比フィールドと、前記発光ダイオードのジャンクション温度が格納されるジャンクション温度フィールドを有する特性テーブルを参照して、測定した前記第一発光強度値と前記第二発光強度値から前記発光ダイオードのジャンクション温度を導出する、請求項9記載の発光ダイオードジャンクション温度測定装置。
【請求項11】
更に、
前記発光ダイオードの光の波長によらず一定の透過率を備える第二光学フィルタと
を具備し、
前記第一受光素子は、前記発光ダイオードの光を、前記第二光学フィルタを介して受光して、光の強度に応じた信号を出力する、請求項10記載の発光ダイオードジャンクション温度測定装置。
【請求項12】
発光ダイオードを点灯した後に、前記発光ダイオードの光を、発光スペクトルの変化に応じて検出光量が変化する第一の光センサで受光して第一発光強度値を得ると共に、前記発光ダイオードの光を、発光スペクトルの変化に対して前記第一の光センサと異なる検出光量特性を備える第二の光センサで受光して第二発光強度値を得る発光強度値計測ステップと、
前記第一発光強度値と前記第二発光強度値の比が格納される発光強度比フィールドと、前記発光ダイオードのジャンクション温度が格納されるジャンクション温度フィールドを有する特性テーブルを参照して、測定した前記第一発光強度値と前記第二発光強度値から前記発光ダイオードのジャンクション温度を導出するジャンクション温度導出ステップと
を有する、発光ダイオードジャンクション温度測定方法。
【請求項13】
計算機に、
発光ダイオードを点灯した後に、前記発光ダイオードの光を、発光スペクトルの変化に応じて検出光量が変化する第一の光センサで受光して第一発光強度値を得ると共に、前記発光ダイオードの光を、発光スペクトルの変化に対して前記第一の光センサと異なる検出光量特性を備える第二の光センサで受光して第二発光強度値を得る発光強度値計測ステップと、
前記第一発光強度値と前記第二発光強度値の比が格納される発光強度比フィールドと、前記発光ダイオードのジャンクション温度が格納されるジャンクション温度フィールドを有する特性テーブルを参照して、測定した前記第一発光強度値と前記第二発光強度値から前記発光ダイオードのジャンクション温度を導出するジャンクション温度導出ステップと
を実行させる、発光ダイオードジャンクション温度測定プログラム。
【請求項14】
発光ダイオードと、
前記発光ダイオードを駆動する電流源と、
発光ダイオードの光を受光して光の強度に応じた信号を出力する第一受光素子と、
前記発光ダイオードの光の波長に応じて透過率が変化する第一光学フィルタと、
前記発光ダイオードの光を受光して、光の強度に応じた信号を出力する第二受光素子と、
前記発光ダイオードを点灯した後に前記第一受光素子から得られる第一発光強度値と、前記第二受光素子から得られる第二発光強度値とを取得して、前記発光ダイオードのジャンクション温度を算出し、前記ジャンクション温度に基づいて前記電流源を制御する演算制御部と
を具備する光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードジャンクション温度測定装置、発光ダイオードジャンクション温度測定方法、発光ダイオードジャンクション温度測定プログラム及び光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高性能な印刷装置を実現するために、ライン状の強力な紫外線発光源の需要が高まりつつある。出願人はこの需要に応えるべく、既存の紫外線発光ダイオード(以下「UV−LED」と略す。また発光ダイオード全般を示す場合、「LED」と略す。)をライン状に高密度実装した製品を開発・製造し、顧客に供給している。
【0003】
強力な光を得るためには、LEDに大電流を流す必要があるが、LEDに大電流を流すと発光部分であるPN接合部分が発熱する。このPN接合部分における温度を、ジャンクション温度と呼ぶ。ジャンクション温度が上昇すると、LEDの発光効率は低下する。更に、温度が10℃上昇すると寿命が半分になる、というアレニウスの法則により、ジャンクション温度の上昇はLEDの寿命を短くする。また、ジャンクション温度の上限値を超えてしまうと、半導体素子は破壊してしまう。
特に、波長の短い光を発光する青色LED、UV−LED、また青色LEDやUV−LEDを基に作られる白色LEDは、赤色LED等と比べて大電流を必要とするため、LEDにおけるジャンクション温度の管理は重要である。
【0004】
LEDを種々のパッケージに収納する際、パッケージの放熱対策が十分であるか、また電流をどの程度まで流せるかを知るために、ジャンクション温度を測定する必要がある。
なお、本願発明に関連すると思われる先行技術文献を特許文献1に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−66498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、半導体素子のジャンクション温度を測定する方法としては、ΔVf法、熱抵抗法等が挙げられる。
ΔVf法は、測定対象となる半導体素子を恒温槽に保持して、基準順電流(例えば1mA)を極短時間だけ流して、半導体素子の電位差、つまりVfを測定する。この作業を、恒温槽の温度を徐々に上昇させて多数回測定し、温度(ジャンクション温度)と電位差のグラフを作成する。この方法の欠点は、恒温槽に半導体素子を保持する時間がかかることと、多数回Vfを測定する手間がかかることである。
熱抵抗法は、半導体素子供給元が提供する半導体特性の資料に、ジャンクションから半導体素子パッケージの外部端子との間の熱抵抗及びジャンクション温度の算出式が明示されている場合に、半導体素子パッケージの外部端子の温度を測定することで、計算でジャンクション温度を推測する方法である。この方法は先のΔVf法と比べて極めて簡単に測定できる反面、誤差が多いという欠点がある。熱源から熱を計測する手段との間に存在する物体を熱抵抗と考えた場合、熱源が発熱を開始した時点では、熱源の発熱の一部が冷えた熱抵抗を熱する為に、熱抵抗が大きくなる。そして、熱源が発熱を開始して所定時間を経過した時点では、熱源の発熱の一部が冷えた熱抵抗が熱源の温度と均衡する為に、熱抵抗が小さくなる。このように、熱抵抗は過渡熱抵抗と定常熱抵抗が存在する。そして熱抵抗は熱抵抗を構成する物質の体積によってばらつくので、必然的に誤差が大きくなる。また、算出式が半導体素子供給元によってまちまちであり、多種多様な半導体素子を扱う場合に手間がかかる。
【0007】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、発光ダイオードのジャンクション温度を短時間且つ少ない手間で高精度に測定する、発光ダイオードジャンクション温度測定装置、発光ダイオードジャンクション温度測定方法、発光ダイオードジャンクション温度測定プログラム及び光照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の発光ダイオードジャンクション温度測定装置は、発光スペクトルの変化に応じて検出光量が変化する第一の光センサと、発光スペクトルの変化に対して第一の光センサと異なる検出光量特性を備える第二の光センサとを具備する。そしてジャンクション温度算出部は、第一の光センサが出力する第一出力信号と、第二の光センサが出力する第二出力信号に基づいて、発光ダイオードのジャンクション温度を算出する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、発光ダイオードのジャンクション温度を短時間且つ少ない手間で高精度に測定する、発光ダイオードジャンクション温度測定装置、発光ダイオードジャンクション温度測定方法、発光ダイオードジャンクション温度測定プログラム及び光照射装置を提供できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第一の実施形態に関わる、LEDジャンクション温度測定装置の全体構成図である。
図2】LEDジャンクション温度測定装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図3】演算制御部の機能を示すブロック図である。
図4】LEDジャンクション温度測定装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図5】演算制御部によるジャンクション温度演算処理の動作の流れを示すフローチャートである。
図6】UV−LEDの点灯時間と、第一フォトダイオードと第二フォトダイオードの出力電圧の変化を示すグラフである。
図7】UV−LEDが発光する紫外線の、波長と発光強度の関係と、色ガラスフィルタの透過特性を示すグラフである。
図8】UV−LEDが発光する紫外線の波長λとエネルギーギャップ値Egの関係を示すグラフである。
図9】UV−LEDのジャンクション温度Tjとエネルギーギャップ値Egの関係を示すグラフである。
図10】本発明の第二の実施形態に関わる、LEDジャンクション温度測定装置の全体構成図である。
図11】LEDジャンクション温度測定装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図12】本発明の第二の実施形態に関わる、LEDジャンクション温度測定装置の、演算制御部の機能を示すブロック図である。
図13】特性テーブルの一例を示す図と、特性テーブルに基づくグラフである。
図14】LEDジャンクション温度測定装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態に係る発光ダイオードジャンクション温度測定装置(以下「LEDジャンクション温度測定装置」と略す)は、LED特有の「発光する」現象を利用する。
LEDのジャンクション温度が上昇すると、LEDが発光する光の波長が長波長側にシフトする。光の波長をそのまま計測することは高価な装置を必要とするが、波長に応じて透過率が変化するフィルタを用いれば、発光強度を計測するだけで容易にジャンクション温度を算出することが可能になる。
【0012】
[第一の実施形態:LEDジャンクション温度測定装置の全体構成]
図1は、本発明の第一の実施形態に関わる、LEDジャンクション温度測定装置の全体構成図である。
定電流源102を通じて発光される、ジャンクション温度の測定対象であるUV−LED103は、スイッチ104によって発光が制御される。
UV−LED103の発光は第一受光素子ともいえる第一フォトダイオード105と、第二受光素子ともいえる第二フォトダイオード106に照射される。なお、受光素子はフォトダイオードに限らず、フォトトランジスタでもよい。
第一フォトダイオード105と第二フォトダイオード106はUV−LED103が発光する紫外線を受光して、受光強度に応じて生じる光電流が変化する。A/D変換器107は第一フォトダイオード105と第二フォトダイオード106が発生する光電流をデジタル情報に変換する。
第一フォトダイオード105はUV−LED103が発光する紫外線をそのまま受光する。
第二フォトダイオード106の受光面近傍には第一光学フィルタ108が設けられており、第二フォトダイオード106はUV−LED103が発光する紫外線を、第一光学フィルタ108を通じて受光する。
また、UV−LED103近くには温度センサともいえる、周囲の雰囲気温度を測定するためのサーミスタ109が設けられており、このサーミスタ109の抵抗値もA/D変換器107によってデジタル情報に変換される。
【0013】
第一光学フィルタ108は、入射する紫外線の波長に応じて透過率が変化する特性を持つフィルタである。一例としては、HOYA CANDEO OPTRONICS社製のU340という色ガラスフィルタである。この他にも、同社製U350、B440、B460、B480、L37、L38、L39などが使用可能である。
第一光学フィルタ108の、入射光の波長に対する透過特性は、後述する図7に示す。
これらの第一光学フィルタ108は、UV−LED103の発光波長が365nm付近にある場合に適用可能である。UV−LED103の発光波長が異なる場合、第一光学フィルタ108の透過率が上昇するあるいは下降する領域とその発光波長とが重なるよう、使用する色ガラスフィルタを別途選択する必要がある。UV−LED103の温度上昇に伴う発光波長の変化を正確に求めるためには、第一光学フィルタ108の透過率曲線の傾きは急峻な方が好ましい。
【0014】
A/D変換器107が出力する第一フォトダイオード105の第一発光強度情報、第二フォトダイオード106の第二発光強度情報、サーミスタ109の温度情報は、演算制御部110に供給される。マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略す)或はパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と略す)で構成される演算制御部110は、第一発光強度情報、第二発光強度情報及び温度情報を受けて、後述する演算処理を行い、UV−LED103のジャンクション温度を算出して、表示部111に表示する。
また、演算制御部110はタイマ112を内蔵しており、操作部113の操作指示に応じてスイッチ104をオン制御すると共にタイマ112を起動して、タイマ112の起動と同時に第一発光強度情報、第二発光強度情報及び温度情報を取得し、その後所定時間(一例として5分)経過後に再度、第一発光強度情報及び第二発光強度情報を取得する。
【0015】
[第一の実施形態:LEDジャンクション温度測定装置のハードウェアの構成]
図2は、LEDジャンクション温度測定装置101のハードウェアの構成を示すブロック図である。
パソコンよりなるLEDジャンクション温度測定装置101は、CPU201、ROM202、RAM203、ハードディスク装置等の不揮発性ストレージ204、表示部111、操作部113、A/D変換器107が、バス205に接続されている。
不揮発性ストレージ204には、パソコンをLEDジャンクション温度測定装置101として機能させるためのプログラムと、LEDジャンクション温度測定装置101がジャンクション温度の測定対象であるUV−LED103のジャンクション温度を算出するために必要なデータ等が格納されている。
これらの他に、バス205にはシリアルインターフェース206が接続されている。シリアルインターフェース206はスイッチ104のオン・オフを制御する。
また、バス205にはリアルタイムクロック(以下「RTC」と略)207が接続されている。RTC207は現在時刻情報を出力する。プログラムはRTC207から現在時刻を取得することで、所定時間の経過を判断する。つまり、タイマ112の作動はRTC207とプログラムによって実現される。
なお、本発明の第一の実施形態に係るLEDジャンクション温度測定装置101は、最終的に算出したUV−LED103のジャンクション温度を表示部111に表示するが、NIC208を通じてネットワーク上の他のホスト装置にジャンクション温度を送信してもよい。
【0016】
[第一の実施形態:LEDジャンクション温度測定装置のソフトウェアの機能]
図3は、演算制御部110の機能を示すブロック図である。言い換えれば、図3はLEDジャンクション温度測定装置101のソフトウェアの機能を示すブロック図を兼ねるものである。
データ記憶制御部301は、タイマ112の起動及び停止を制御しつつ、タイマ112の起動時における第一発光強度情報を第一発光強度初期値として第一発光強度情報初期値メモリ302へ、第二発光強度情報を第二発光強度初期値として第二発光強度情報初期値メモリ303へ、温度情報を温度情報メモリ304へ、それぞれ格納する。そしてタイマ112の計時終了時における第一発光強度情報を第一発光強度終期値として第一発光強度情報終期値メモリ305へ、第二発光強度情報を第二発光強度終期値として第二発光強度情報終期値メモリ306へ、それぞれ格納する。
【0017】
発光強度分布補正部307は、不揮発性ストレージ204に格納されている標準発光強度分布関数308を、温度情報メモリ304に格納されている雰囲気温度情報に基づいて補正する。標準発光強度分布関数308は、UV−LED103の標準的な温度環境(一例として25℃)における光の波長と発光強度の分布に関する情報を、ガウス関数で近似した係数が格納されている。
発光強度分布情報は、ガウス関数に類似する形状であるので、ガウス関数の変数を調整することで近似が可能である。
【0018】
初期発光強度演算部309は、発光強度分布補正部307が出力する温度補正済み発光強度分布関数に、不揮発性ストレージ204に格納されている色ガラスフィルタ透過率関数310を適用して、第一光学フィルタ108を透過したUV−LED103の初期発光強度を算出する。初期発光強度は、前述の発光強度分布情報を近似したガウス関数に対して、第一光学フィルタ108の近似関数を適用した値を積分することで求める。
【0019】
第一除算器311は、第一発光強度情報終期値メモリ305に格納されている第一発光強度終期値を、第一発光強度情報初期値メモリ302に格納されている第一発光強度初期値で除算して、第一光学フィルタ108のない状態におけるUV−LED103の発光強度減衰率を算出する。なお、図3中、「実」は除算の被除数を示し、「法」は除算の除数を示す。
第二除算器312は、第二発光強度情報終期値メモリ306に格納されている第二発光強度終期値を、第二発光強度情報初期値メモリ303に格納されている第二発光強度初期値で除算して、第一光学フィルタ108を透過した状態におけるUV−LED103の発光強度減衰率を算出する。
第三除算器313は、第二除算器312から出力される第一光学フィルタ108を透過した状態におけるUV−LED103の発光強度減衰率を、第一除算器311から出力される第一光学フィルタ108のない状態におけるUV−LED103の発光強度減衰率で除算して、紫外線の波長が長くなったことに基づいて、第一光学フィルタ108に基づく発光強度減衰率を算出する。
【0020】
変数フィッティング演算部314は、初期発光強度演算部309が出力する、第一光学フィルタ108を透過したUV−LED103の初期発光強度に、第三除算器313が出力する第一光学フィルタ108に基づく発光強度減衰率を適用した発光強度に基づいて、発光強度分布補正部307が出力する温度補正済み発光強度分布関数の各変数を補正する。具体的には、発光強度分布関数の各変数を最小二乗法等によって求める。求めた変数の中にはUV−LED103のピーク波長が含まれているので、所定時間経過後のUV−LED103のジャンクション温度の場合のピーク波長λTが求まる。
【0021】
第四除算器315は、エネルギーギャップの式に基づき、第一定数316に格納されている数値「1240」を変数フィッティング演算部314が出力するピーク波長λTで除算し、ジャンクション温度Tjにおけるエネルギーギャップ値Eg(T)を得る。
【0022】
ジャンクション温度演算部317は、Varshniの経験式に基づき、第二定数318に格納されているα、第三定数319に格納されているβ、第四定数320に格納されているEg(0)を用いて、第四除算器315が出力するジャンクション温度Tjにおけるエネルギーギャップ値Eg(T)から、ジャンクション温度Tjを算出し、ジャンクション温度メモリ321に格納する。
Varshniの経験式は、以下の式(1)で表される。
【0023】
【数1】
【0024】
Eg(0)、α及びβは半導体素子の材質に依存する定数であるので、上記式(1)を解いてTを求める。
【0025】
[第一の実施形態:LEDジャンクション温度測定装置101の動作]
図4は、LEDジャンクション温度測定装置101の動作の流れを示すフローチャートである。
処理を開始すると(S401)、先ず、データ記憶制御部301はA/D変換器107を通じてサーミスタ109から温度情報を取得して、温度情報メモリ304に格納する(S402)。
次に、データ記憶制御部301は表示部111にジャンクション温度の測定準備が整った旨のメッセージを表示して(S403)、操作部113から操作情報を待つ(S404)。
【0026】
操作部113から計測開始を指示する操作情報が生じると、データ記憶制御部301はこれを受けてタイマ112を起動し(S405)、A/D変換器107を通じて第一フォトダイオード105から第一発光強度情報を取得して、第一発光強度初期値として第一発光強度情報初期値メモリ302に格納し、第二フォトダイオード106から第二発光強度情報を取得して、第二発光強度初期値として第二発光強度情報初期値メモリ303に格納する(S406)。
次に、データ記憶制御部301はタイマ112が5分を計時し終えるまで待つ(S407)。
タイマ112が5分を計時し終えたら(S407のYES)、データ記憶制御部301はA/D変換器107を通じて第一フォトダイオード105から第一発光強度情報を取得して、第一発光強度終期値として第一発光強度情報終期値メモリ305に格納し、第二フォトダイオード106から第二発光強度情報を取得して、第二発光強度終期値として第二発光強度情報終期値メモリ306に格納する(S408)。
この時点で全ての測定変数が揃ったので、演算制御部110はジャンクション温度演算処理を実行して(S409)、算出したジャンクション温度を表示部111に表示して(S410)、一連の処理を終了する(S411)。
【0027】
図5は、演算制御部110によるジャンクション温度演算処理の動作の流れを示すフローチャートである。図4のステップS409の詳細である。
処理を開始すると(S501)、第一除算器311は、第一発光強度情報終期値メモリ305に格納されている第一発光強度終期値を、第一発光強度情報初期値メモリ302に格納されている第一発光強度初期値で除算して、第一光学フィルタ108のない状態におけるUV−LED103の発光強度減衰率を算出する(S502)。
次に、第二除算器312は、第二発光強度情報終期値メモリ306に格納されている第二発光強度終期値を、第二発光強度情報初期値メモリ303に格納されている第二発光強度初期値で除算して、第一光学フィルタ108を透過した状態におけるUV−LED103の発光強度減衰率を算出する(S503)。
次に、第三除算器313は、第二除算器312から出力される第一光学フィルタ108を透過した状態におけるUV−LED103の発光強度減衰率を、第一除算器311から出力される第一光学フィルタ108のない状態におけるUV−LED103の発光強度減衰率で除算して、紫外線の波長が長くなったことに基づいて、第一光学フィルタ108に基づく発光強度減衰率を算出する(S504)。
【0028】
次に、発光強度分布補正部307は、標準発光強度分布関数308を、温度情報メモリ304に格納されている雰囲気温度情報に基づいて補正する(S505)。
次に、初期発光強度演算部309は、発光強度分布補正部307が出力する温度補正済み発光強度分布関数に、色ガラスフィルタ透過率関数310を適用して、第一光学フィルタ108を透過したUV−LED103の初期発光強度を算出する(S506)。
次に、変数フィッティング演算部314は、初期発光強度演算部309が出力する、第一光学フィルタ108を透過したUV−LED103の初期発光強度に、第三除算器313が出力する第一光学フィルタ108に基づく発光強度減衰率を適用した発光強度に基づいて、発光強度分布補正部307が出力する温度補正済み発光強度分布関数の各変数を補正する。求めた変数の中にはUV−LED103のピーク波長が含まれているので、所定時間経過後のUV−LED103のジャンクション温度の場合のピーク波長λTが求まる(S507)。
次に、第四除算器315は、エネルギーギャップの式に基づき、数値「1240」を変数フィッティング演算部314が出力するピーク波長λTで除算し、ジャンクション温度Tjにおけるエネルギーギャップ値Eg(T)を得る(S508)。
次に、ジャンクション温度演算部317は、Varshniの経験式に基づき、第四除算器315が出力するジャンクション温度Tjにおけるエネルギーギャップ値Eg(T)から、ジャンクション温度Tjを算出し、ジャンクション温度メモリ321に格納して(S509)、一連の処理を終了する(S510)。
【0029】
なお、図3を見て判るように、図5のステップS502〜S504の流れと、S505〜S506の流れは、各々独立している。したがって、実行の順番が逆になっても、また同時に行ってもよい。
【0030】
図6は、UV−LED103の点灯時間と、第一フォトダイオード105と第二フォトダイオード106の出力電圧の変化を示すグラフである。
図7は、UV−LED103が発光する紫外線の、波長と発光強度の関係と、第一光学フィルタ108の減衰特性を示すグラフである。なお図7には、標準発光強度分布関数308に相当する25℃の発光強度の曲線と、ジャンクション温度Tjが上昇した場合の発光強度の曲線を示している。
【0031】
第一フォトダイオード105とUV−LED103との間には第一光学フィルタ108がないので、UV−LED103点灯開始直後から5分を経過すると、UV−LED103のジャンクション温度が上昇したことに起因する発光強度の低下が、第一フォトダイオード105の検出電圧に現れる。
【0032】
一方、第二フォトダイオード106とUV−LED103との間には第一光学フィルタ108があるので、UV−LED103点灯開始直後から5分を経過すると、UV−LED103のジャンクション温度が上昇したことに起因する発光強度の低下に加え、図7に示すように、ジャンクション温度が上昇したことに伴って紫外線の波長が長くなり、第一光学フィルタ108による減衰率が大きくなる。この発光強度の低下と、第一光学フィルタ108による減衰率の増加が、第二フォトダイオード106の検出電圧に現れる。
【0033】
第一発光強度情報初期値メモリ302、第二発光強度情報初期値メモリ303、第一発光強度情報終期値メモリ305、第二発光強度情報終期値メモリ306、第一除算器311、第二除算器312及び第三除算器313は、第一フォトダイオード105と、第二フォトダイオード106で、UV−LED103の発光開始時点と、5分経過後の検出電圧を測定した情報に基づき、第一光学フィルタ108による減衰率の増加を算出する。第一光学フィルタ108による減衰率の増加とは、紫外線の波長の変化に起因する現象である。
【0034】
UV−LED103が発熱してジャンクション温度が上昇すると、UV−LED103の周囲に存在する物品も熱せされる。それら物品は放熱板等も含まれる。安定したジャンクション温度の測定のためには、UV−LED103自体の発熱のみならず、これらの物品が熱せされて平衡状態になった状態で、ジャンクション温度を計測する必要がある。このためUV−LED103の点灯は、UV−LED103が熱的な平衡状態至るまで点灯し続ける必要があり、ここでは例として5分とした。
【0035】
図7に描かれているUV−LED103の25℃における発光強度の曲線は、ガウス関数の曲線に類似する。そこで、ガウス関数の係数を調整して、これを標準発光強度分布関数308とする。
UV−LED103の発光強度の曲線を標準発光強度分布関数308に近似することで、発光強度のピーク波長を関数の変数にすることができる。
【0036】
図8は、UV−LED103が発光する紫外線の波長λとエネルギーギャップ値Egの関係を示すグラフである。
波長λとエネルギーギャップ値Egとの間には、以下の式(2)に示す関係が知られている。
【0037】
Eg=1240/λ (2)
【0038】
したがって、ピーク波長λが判明すれば、エネルギーギャップ値Egが求められる。
【0039】
図9は、UV−LED103のジャンクション温度Tjとエネルギーギャップ値Egの関係を示すグラフである。
ジャンクション温度Tjとエネルギーギャップ値Egとの間には、前述のVarshniの経験式に示した関係が知られている。
したがって、エネルギーギャップ値Egが判明すれば、ジャンクション温度Tjが求められる。
【0040】
一般的に、発光ダイオードの発光強度は、図6に示すように発光時間、すなわち通電時間が長くなると共に減少し、ある発光強度で平衡に達する。これは通電に伴ってジャンクション温度が高くなり、発光効率が低下することに起因している。
また、発光ダイオードが発光する光は図7に示すように様々な波長の光を含むが、その中でも最も発光強度が強い光であるピーク波長は、ジャンクション温度の上昇と共に、長波長側にシフトする。
【0041】
第一フォトダイオード105は、UV−LED103の発光する光を、第一光学フィルタ108を介さず直接受光しており、第一フォトダイオード105の第一発光強度情報は、UV−LED103のみに由来する情報である。
一方、第二フォトダイオード106は、UV−LED103の発光する光を、第一光学フィルタ108を介して受光しており、第二フォトダイオード106の第二発光強度情報は、UV−LED103と第一光学フィルタ108の両方の情報を含んでいる。
【0042】
UV−LED103の点灯と同時にタイマ112を起動して、タイマ112の起動時点における第一フォトダイオード105から第一発光強度情報初期値を得て、タイマ112が所定時間の経過を計測した後に第一フォトダイオード105から第一発光強度情報終期値を得る。第一発光強度情報終期値を第一発光強度情報初期値で除算した値は、点灯したUV−LED103のジャンクション温度の上昇に起因する発光強度の減衰率を表している。
同様に、第二フォトダイオード106から第二発光強度情報初期値と第二発光強度情報終期値を得る。第二発光強度情報終期値を第二発光強度情報初期値で除算した値は、点灯したUV−LED103のジャンクション温度の上昇に起因する発光強度の減衰率に加えて、UV−LED103の発光した光の波長が長波長側にシフトした情報を含んでいる。
【0043】
この長波長側にシフトした情報とは、図7に示すように、UV−LED103のジャンクション温度の上昇(25℃からT℃へ)によってUV−LED103の発光する光の波長が長波長側にシフトし、第一光学フィルタ108を透過する光量の減少、つまり第二フォトダイオード106が受光する光量の減少に基づく減衰率のことである。
【0044】
第二発光強度情報から得た減衰率を第一発光強度情報から得た減衰率で除算することにより、UV−LED103のジャンクション温度が上昇し、発光する光の波長が長波長側にシフトしたことにのみ由来する減衰率が得られる。
UV−LED103の波長に対する発光強度分布に対して、発光強度分布を良く近似するガウス関数などの関数を当てはめ、第一光学フィルタ108透過後の強度比が、この減衰率と一致するように、UV−LED103が点灯した直後の時点と熱的に平衡状態に達した時点の関数の変数を算出する。
算出した関数の変数の中にはUV−LED103の発光ピーク波長が含まれており、UV−LED103が点灯した直後の時点と熱的に平衡状態に達した時点の発光ピーク波長が得られる。
【0045】
UV−LED103の発光ピーク波長は、UV−LED103のエネルギーギャップ値と等価であるので、nm単位の発光ピーク波長をeV単位のエネルギーギャップ値Egに換算する。
UV−LED103のエネルギーギャップ値EgとUV−LED103のジャンクション温度Tjとの間には、Varshiniの経験式が成立することが知られており、UV−LED103のエネルギーギャップ値EgからUV−LED103のジャンクション温度を計算することができる。
【0046】
[第二の実施形態:LEDジャンクション温度測定装置のソフトウェアの全体構成]
前述の第一の実施形態では、UV−LEDのジャンクション温度Tjを演算処理で算出する構成であった。
これに対し、予めジャンクション温度Tjに対する、第一フォトダイオード105及び第二フォトダイオード106の両端電圧の比をテーブルで保持しておき、実際の測定は第一フォトダイオード105及び第二フォトダイオード106の両端電圧の比を求めて、テーブルからジャンクション温度Tjを近似値演算する方法もある。
図10は、本発明の第二の実施形態に関わる、LEDジャンクション温度測定装置1001の全体構成図である。
図10に示すLEDジャンクション温度測定装置1001の、図1に示すLEDジャンクション温度測定装置101との相違点は、サーミスタ109と、演算制御部1002の中のタイマ112が省略されている点と、演算制御部1002がスイッチ104を制御していない点である。
【0047】
図11は、LEDジャンクション温度測定装置1001のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図11に示すLEDジャンクション温度測定装置1001の、図2に示すLEDジャンクション温度測定装置101との相違点は、サーミスタ109、RTC207及びシリアルインターフェース206が省略されている点である。つまり、UV−LED103がLEDジャンクション温度測定装置1001の測定動作に連動して、LEDジャンクション温度測定装置1001によって点灯制御される必要がない。
【0048】
[第二の実施形態:LEDジャンクション温度測定装置のソフトウェアの機能]
図12は、本発明の第二の実施形態に関わる、LEDジャンクション温度測定装置1001の、演算制御部1002の機能を示すブロック図である。言い換えれば、図12はLEDジャンクション温度測定装置1001のソフトウェアの機能を示すブロック図を兼ねるものである。
【0049】
データ記憶制御部301は、第一発光強度情報を第一発光強度値として第一発光強度情報値メモリ1203へ、第二発光強度情報を第二発光強度値として第二発光強度情報値メモリ1204へ、それぞれ格納する。
近似値演算部1201は、第一発光強度情報値メモリ1203から第一発光強度値を読み取り、第二発光強度情報値メモリ1204から第二発光強度値を読み取り、特性テーブル1202を参照して、ジャンクション温度Tjを近似値演算にて算出し、ジャンクション温度メモリ321に格納する。
【0050】
図13Aは、特性テーブル1202の一例を示す図である。図13Bは、特性テーブル1202に基づくグラフである。
先ず、図13Aを参照して、特性テーブル1202の構成を説明する。
特性テーブル1202は、発光強度比フィールドと、ジャンクション温度フィールドよりなる。
発光強度比フィールドには、第一発光強度値と第二発光強度値の比が格納される。
ジャンクション温度フィールドには、その名の通り、ジャンクション温度Tjが格納される。
【0051】
特性テーブル1202は、予め所定の測定処理を実施することで作成する。以下、特性テーブル1202を作成するための測定処理を説明する。
(1)先ず、LEDジャンクション温度測定装置1001と同一の構成を有する特性テーブル作成装置と熱抵抗測定器を用意する。
(2)次に、UV−LED103に通電を行って発光させ、ジャンクション温度Tjが平衡状態に達する迄、例えば5分程度、放置する。
(3)温度平衡状態に達したUV−LED103が発光する光を、第一フォトダイオード105及び第二フォトダイオード106で受光する。そして、第一フォトダイオード105の第一発光強度情報、すなわち第一発光強度値と、第二フォトダイオード106の第二発光強度情報、すなわち第二発光強度値を取得する。
(4)熱抵抗測定器を用いて、UV−LED103のジャンクション温度Tjを測定する。
(5)特性テーブル1202に新たなレコードを作成し、ジャンクション温度フィールドには熱抵抗測定器で測定したジャンクション温度Tjを、発光強度比フィールドには発光強度比、すなわち第一発光強度値÷第二発光強度値の値を格納する。
(6)近似値演算が十分小さい誤差で実現できる程度迄、恒温槽の温度Tを変えて、上記(1)から(5)迄を複数回繰り返して、特性テーブル1202にレコードを追記録する。
【0052】
なお、発光強度比フィールドに格納する発光強度比の算出根拠となる、第一発光強度値と第二発光強度値の代わりに、第一フォトダイオード105の両端電圧と、第二フォトダイオード106の両端電圧を電圧計で計測し、両端電圧の比を格納してもよい。
【0053】
次に、図13Bを参照して、発光強度比と、ジャンクション温度との関係を示すグラフを説明する。
特性テーブル1202の作成には時間と手間がかかるので、発光強度比が特性テーブル1202のレコードの値と一致しない場合は、近似値演算を用いてジャンクション温度Tjを算出する必要がある。
発明者らが試したところ、理論的な裏付けはないものの、二次式を当て嵌めると測定値とよく合致することが判明した。
【0054】
[第二の実施形態:LEDジャンクション温度測定装置1001の動作]
図14は、LEDジャンクション温度測定装置1001の動作の流れを示すフローチャートである。
処理を開始すると(S1201)、先ず、データ記憶制御部301はA/D変換器107を通じて第一フォトダイオード105から第一発光強度情報を取得して、第一発光強度値として第一発光強度情報値メモリ1203に格納し、第二フォトダイオード106から第二発光強度情報を取得して、第二発光強度値として第二発光強度情報値メモリ1204に格納する(S1202)。
この時点で全ての測定変数が揃ったので、近似値演算部1201はジャンクション温度Tjの近似値演算処理を実行して(S1203)、算出したジャンクション温度を表示部111に表示して(S1204)、一連の処理を終了する(S1205)。
【0055】
なお、近似値演算部1201による近似値演算処理は、必ずしも関数当て嵌めや補間演算を用いる近似値演算を行わなくてはならないものではない。特性テーブル1202のレコード数が十分多い場合は、補間演算を行わずとも、最も近い発光強度比のレコードの値のジャンクション温度Tjを導出してもよい。
【0056】
以上説明した実施形態には、以下に記す応用例が可能である。
(1)本実施形態では、UV−LED103のジャンクション温度を測定するためのLEDジャンクション温度測定装置101及び1001を開示したが、測定対象はUV−LED103に限られない。可視光領域のLEDや赤外線LEDであっても、LEDが発光する光の波長の変化に対して所定の減衰特性を備える第一光学フィルタ108があれば、本実施形態と同様にジャンクション温度を測定することが可能である。
【0057】
(2)また、第一光学フィルタ108の特性は波長が長くなるに連れて透過率が小さくなる特性に限らず、逆に透過率が大きくなる特性であってもよい。
【0058】
(3)また、フォトダイオードを一つにして(第一フォトダイオード105及び第二フォトダイオード106を共通化)、フォトダイオードの直前に置かれる第一光学フィルタ108を挿抜可能な機構を追加して、一つのフォトダイオードで第一光学フィルタ108のある時とない時の発光強度を測定してもよい。但し、この場合、測定誤差を避けるため、A/D変換器107の量子化速度はなるべく早い方が望ましいと共に、第一光学フィルタ108を挿抜可能な機構の挿抜速度も速い方が好ましい。
【0059】
(4)本実施形態のLEDジャンクション温度測定装置101及び1001は、単一のUV−LED103のジャンクション温度を測定するに限らず、UV−LED103が多数密接して配置されるLEDアレイのジャンクション温度を測定する際にも利用可能である。
【0060】
(5)UV−LED103の発光強度が強すぎて、第一フォトダイオード105の出力電流が飽和する場合、第一フォトダイオード105の前に、紫外線の波長とは無関係に一定の透過率を実現する光学フィルタを設けることが望ましい。
図1の第二光学フィルタ114は、入射される光の波長とは無関係に一定の透過率を実現する色ガラスフィルタである。この第二光学フィルタ114を第一フォトダイオード105の前に設けることで、第一フォトダイオード105の出力電流の飽和を防ぐ。
また、第二フォトダイオード106も同様に出力電流が飽和する場合は、第一光学フィルタ108の前に、更に第二光学フィルタ114を設けてもよい。
【0061】
(6)本発明の第一の実施形態のLEDジャンクション温度測定装置101を、例えば25℃の恒温環境下に保持すると、サーミスタ109、温度情報メモリ304、発光強度分布補正部307を省略することができる。
【0062】
(7)UV−LED103の発光する光によっては、第一光学フィルタ108が蛍光を発する場合がある。使用する受光素子が蛍光に対して感度を持つ場合、不必要な光の情報も拾ってしまうことになるので、その場合にはUV−LED103の発光する光は透過し、蛍光は遮断する蛍光カットフィルタを併用する必要が生じる場合もある。蛍光カットフィルタを挿入する位置は、第一光学フィルタ108と受光素子の間が好ましい。
なお、先に列挙した種々の第一光学フィルタ108は、ガラスそのものを着色した色ガラスフィルタであるが、上記の条件を満たせば、金属酸化物薄膜を多層蒸着した蒸着フィルタを使用することも可能である。
【0063】
(8)標準発光強度分布関数308は、UV−LED103の発光スペクトルに当てはめる関数としてガウス関数で近似したが、ローレンツ関数やフォークト関数でも使用可能である。
また、標準発光強度分布関数308に対して1つの前述したガウス関数などを当てはめた場合、その関数はピーク波長を中心として短波長側と長波長側で対象と成るが、より精緻に関数を当てはめるために、ピーク波長を中心にして短波長側と長波長側で関数の定数を変える、あるいは異なった関数を当てはめてもよい。更にまた、UV−LED103が生じる発光スペクトルに複数の関数を当てはめて近似してもよい。
更にまた、UV−LED103の発光スペクトルを正確に表すために、予め発光スペクトルを実測した後それに良く合う関数を求めて、その関数を使用することも有効である。
【0064】
(9)本発明の第一の実施形態のLEDジャンクション温度測定装置101では、標準発光強度分布関数308に格納するパラメータを最小二乗法で算出したが、ソルバー解析や回帰分析で算出してもよい。
【0065】
(10)本実施形態のLEDジャンクション温度測定装置101及び1001では、第二フォトダイオード106の前に第一光学フィルタ108を設けたが、第一フォトダイオード105の前に第一光学フィルタ108と異なる透過特性を有する色ガラスフィルタを設けてもよい。
【0066】
(11)本実施形態のLEDジャンクション温度測定装置101又は1001を光照射装置内に設け、LEDジャンクション温度測定装置101から得られるLEDジャンクション温度の情報を元に光照射装置の動作を制御する構成としてもよい。つまり、図1の演算制御部110が、算出したLEDジャンクション温度の情報に基づいて、測定したジャンクション温度が規定値を上回らないように、定電流源102を制御する。
【0067】
(12)第一及び第二の実施形態では、発光ダイオード(UV−LED103)が発する光の波長がジャンクション温度によってシフトする際、二つの受光素子(第一フォトダイオード105及び第二フォトダイオード106)のうちの片方(第二フォトダイオード106)に、波長に対して透過光量が変化する色ガラスフィルタ(第一光学フィルタ108)を適用した。何故ならば、二つの受光素子の、波長に対する受光光量の特性がほぼ一定であり、波長がシフトしても受光光量に大きな変化が生じない。このため、波長のシフトを検出するためには、波長のシフトに対して受光光量を大きく変化させるための色ガラスフィルタを適用する必要があった。
もし、受光素子自身が波長に対して受光感度が変化する特性を持っていれば、当該受光素子だけで、第一及び第二の実施形態に係る第二フォトダイオード106と第一光学フィルタ108を置換できる。多くの受光素子は、受光感度が一定を示す波長の領域と、波長に応じて受光感度が変化する領域を有している。波長に対する受光感度の特性は、巨視的に見ると概ねガウス関数に近似する。そこで、受光素子が本来苦手とする、受光感度が低く、波長に応じて受光感度が変化する波長領域を積極的に利用することで、第一及び第二の実施形態に係るジャンクション温度測定装置101及び1001を実現できる。例えば、赤外領域から可視光領域のみ受光する受光素子を用いて、UV−LED103の発光光量を検出する。当該受光素子は受光感度が低いものの、当該受光素子にとって、紫外線は波長に応じて受光感度が変化する波長領域であるので、色ガラスフィルタを用いずとも、波長のシフトを信号レベルとして検出できる。
【0068】
(13)波長のシフトはジャンクション温度と密接な関連性を有する。第一及び第二の実施形態に係るジャンクション温度測定装置101及び1001は、ジャンクション温度に起因する発光スペクトルの変化を、発光スペクトルの変化に応じて検出光量が変化する第一の光センサ(第二フォトダイオード106と第一光学フィルタ108)と、発光スペクトルの変化に対して前記第一の光センサと異なる検出光量特性を備える第二の光センサ(第一フォトダイオード105)と、前記第一の光センサが出力する第一出力信号と、前記第二の光センサが出力する第二出力信号に基づいて、発光ダイオードのジャンクション温度を算出するジャンクション温度算出部(演算制御部110及び1002)とを用いて、ジャンクション温度を測定する。
ここで、発光スペクトルの変化に応じて検出光量が変化する第一の光センサと、発光スペクトルの変化に対して前記第一の光センサと異なる検出光量特性を備える第二の光センサは、検出しようとするジャンクション温度の検出範囲において、ジャンクション温度に対応する検出光量が一意であることが条件である。逆に、例えば二次関数のような、ある検出光量に対応するジャンクション温度が二つ以上存在し得る検出光量特性を備えるような光センサは、本発明には適していない。
【0069】
本実施形態では、LEDジャンクション温度測定装置101及び1001を開示した。
UV−LED103の発光開始直後の輝度と、発光開始から所定時間を経過して安定状態に至った時点の輝度とを、光の波長に対して所定の透過特性を有する第一光学フィルタ108を介する第二受光素子と、第一光学フィルタ108を介さない第一受光素子で検出する。これらのデータに基づいて、ジャンクション温度が高くなったことによって光の波長が長波長側にシフトする現象を捉え、ジャンクション温度を算出する。
【0070】
本発明の第一の実施形態のLEDジャンクション温度測定装置101は、発光強度と第一光学フィルタ108の透過率、そして測定開始時における光源周囲の雰囲気温度の情報を元にLEDのジャンクション温度を算出する。この算出方法は、熱抵抗が介在する余地がない。したがって、熱抵抗法と比べて高精度にジャンクション温度を算出できる。
また、ΔVf法と比べて遥かに簡便な測定手順であり、且つ短時間で測定が完遂する。
【0071】
本発明の第二の実施形態のLEDジャンクション温度測定装置1001は、発光強度を元に特性テーブル1202を参照してLEDのジャンクション温度を算出する。この算出方法は、第一の実施形態のLEDジャンクション温度測定装置101よりも更に簡便な測定手順で、且つ短時間で、ジャンクション温度を算出できる。
【0072】
このように、本実施形態のLEDジャンクション温度測定装置101又は1001を用いると、極めて簡易な測定手順で、且つ短時間でLEDのジャンクション温度を測定できるので、LED製品の実装設計を迅速に最適化することができる。例えば、規定の温度よりも測定したジャンクション温度が高い場合、LEDに装着している放熱板の設計を見直す必要があるが、こういった設計の最適化を、従来よりも精緻に且つ迅速に遂行できる。
【0073】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
例えば、上記した実施形態例は本発明をわかりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するためのソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の揮発性或は不揮発性のストレージ、または、ICカード、光ディスク等の記録媒体に保持することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0074】
101…LEDジャンクション温度測定装置、102…定電流源、103…UV−LED、104…スイッチ、105…第一フォトダイオード、106…第二フォトダイオード、107…A/D変換器、108…第一光学フィルタ、109…サーミスタ、110…演算制御部、111…表示部、112…タイマ、113…操作部、114…第二光学フィルタ、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…不揮発性ストレージ、205…バス、206…シリアルインターフェース、207…RTC、208…NIC、301…データ記憶制御部、302…第一発光強度情報初期値メモリ、303…第二発光強度情報初期値メモリ、304…温度情報メモリ、305…第一発光強度情報終期値メモリ、306…第二発光強度情報終期値メモリ、307…発光強度分布補正部、308…標準発光強度分布関数、309…初期発光強度演算部、310…色ガラスフィルタ透過率関数、311…第一除算器、312…第二除算器、313…第三除算器、314…変数フィッティング演算部、315…第四除算器、316…第一定数、317…ジャンクション温度演算部、318…第二定数、319…第三定数、320…第四定数、321…ジャンクション温度メモリ、1001…LEDジャンクション温度測定装置、1002…演算制御部、1201…近似値演算部、1202…特性テーブル、1203…第一発光強度情報値メモリ、1204…第二発光強度情報値メモリ
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