特許第6021785号(P6021785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021785
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】燃料噴射弁
(51)【国際特許分類】
   F02M 61/16 20060101AFI20161027BHJP
   F02M 51/06 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   F02M61/16 K
   F02M61/16 S
   F02M51/06 T
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-221517(P2013-221517)
(22)【出願日】2013年10月24日
(62)【分割の表示】特願2007-289452(P2007-289452)の分割
【原出願日】2007年11月7日
(65)【公開番号】特開2014-15940(P2014-15940A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2013年10月24日
【審判番号】不服2015-15145(P2015-15145/J1)
【審判請求日】2015年8月12日
(31)【優先権主張番号】102006052817.4
(32)【優先日】2006年11月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ミュラー
【合議体】
【審判長】 中村 達之
【審判官】 梶本 直樹
【審判官】 金澤 俊郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−519756(JP,A)
【文献】 特開平10−231755(JP,A)
【文献】 特表平9−503267(JP,A)
【文献】 特開2003−65189(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/075812(WO,A1)
【文献】 特表2006−513364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 61/16
F02M 51/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料噴射弁(1)であって、
弁ニードル(3)を操作するためのアクチュエータ(28)が設けられており、前記弁ニードル(3)が噴射側端部に球形の弁閉鎖体(4)を有しており、該弁閉鎖体(4)が、弁座体(5)に形成された弁座面(6)と共働して、座接触箇所(23)にシール座を形成している形式のものにおいて、
前記弁閉鎖体(4)が、少なくとも1つの剛性を減じるエレメントを備え、
前記弁閉鎖体(4)における剛性を減じるエレメントが、前記座接触箇所(23)側の球半部に設けられた、該弁閉鎖体の外周を少なくとも部分的に取り囲んで延在する環状溝の第1の切欠き(20)として形成されており、
前記第1の切欠き(20)が、燃料の流れ方向において前記座接触箇所(23)の上流側に設けられており、
前記弁閉鎖体(4)の、前記第1の切欠き(20)から燃料の流れ方向の下流側に残っている球形部分は、前記弁座体(5)の前記弁座面(6)と共働してシール座を形成し、前記弁閉鎖体(4)の球形部分が、円錐形に傾斜した又は球形に凹面状に湾曲した前記弁座面(6)に、弁の閉鎖時に接触し、
前記弁閉鎖体(4)が中実に形成され、前記弁ニードル(3)が中空に形成されており、
前記第1の切欠き(20)が、軟質材料によって満たされていることを特徴とする燃料噴射弁。
【請求項2】
前記第1の切欠き(20)が、前記弁座体(5)との前記座接触箇所(23)にまで達している、請求項1記載の燃料噴射弁。
【請求項3】
前記弁座面(6)が少なくとも部分的に、軟質材料から成る、請求項1又は2記載の燃料噴射弁。
【請求項4】
前記弁座面(6)が少なくとも部分的に、軟質のプラスチックから成る、請求項3記載の燃料噴射弁。
【請求項5】
前記弁座体(5)が、少なくとも1つの剛性を減じるエレメントを備え、
前記弁座体(5)における剛性を減じるエレメントが、燃料の流れ方向において前記座接触箇所(23)の上流側に、前記弁閉鎖体(4)に向かい合っている表面に少なくとも部分的に環状に延びる第2の切欠き(22)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
【請求項6】
前記第2の切欠き(22)は、少なくとも部分的に環状に延びる溝である、請求項5記載の燃料噴射弁。
【請求項7】
前記第1の切欠き(20)と前記第2の切欠き(22)とが互いに向かい合って位置していて、一緒に中空室(27)を形成している、請求項5又は6記載の燃料噴射弁。
【請求項8】
前記第1の切欠き(20)が、プラスチックによって満たされている、請求項1から7までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
【請求項9】
前記弁座体(5)が1つの区分(26)において中空円錐台形状に形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
【請求項10】
前記弁座体(5)が、少なくとも1つの剛性を減じるエレメントを備え、
前記弁座体(5)における剛性を減じるエレメントが、少なくとも前記座接触箇所(23)の領域において薄壁に形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
【請求項11】
前記弁閉鎖体(4)がその流出側の端部に第の切欠き(21)を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
【請求項12】
前記燃料噴射弁(1)は、内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射するための燃料噴射弁(1)である、請求項1から11までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料噴射弁、特に内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射するための燃料噴射弁であって、弁ニードルを操作するためのアクチュエータが設けられており、弁ニードルが噴射側端部に弁閉鎖体を有しており、該弁閉鎖体が、弁座体に形成された弁座面と共働して、座接触箇所にシール座を形成している形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
高圧範囲における直接噴射のための内方に向かって開放する噴射弁及び低圧範囲における吸気管噴射のための内方に向かって開放する噴射弁は、多くの場合、球・円錐構成の弁座を有している。すなわち弁ニードルは、弁座によって形成されたシール箇所に、球を備えて形成されているか又は球形の構成を有しており、弁座は円錐形もしくは中空円錐台形状に形成されている。
【0003】
しかしながらこのような形式の燃料噴射弁においては、弁ニードル及び弁座における座接触箇所の、製造に基づいて生じる非真円形によって、弁の運転時に燃料の漏れがしばしば生じる。
【0004】
例えばDE19859484A1に基づいて公知の、球形の閉鎖体を備えた燃料噴射弁では、内燃機関の燃焼室に中央の高圧管路から燃料を高圧噴射するための燃料噴射弁は、弁座と弁球と、該弁球を案内するガイド部材とを有しており、このガイド部材はその閉鎖のために弁球を弁座に押し付け、開放のためには弁球にばねのばねプレロードもしくは予負荷を加え、この場合弁球は開放された状態において高圧噴流を用いて、つまり中央の高圧管路に接続された制御室に流出絞り孔を介して供給される高圧噴流を用いて、弁座から持ち上げられる。弁座はほぼ、直角から鋭角の円錐角を備えた急傾斜の壁状のホッパ形状を有している。弁座が急傾斜の壁状のホッパ形状に形成されていることによって、噴射制御弁の閉鎖時に弁円錐のセンタリングが助成され、ディフューザ及び流出絞り孔に対する弁円錐の半径方向におけるずれが阻止される。
【0005】
DE10338081A1には、冒頭に述べた形式の別の燃料噴射弁が開示されている。そこに開示された燃料噴射弁では、可動子が弁ニードルと一体的に形成されている。弁ニードルには貫流開口が設けられており、これらの貫流開口は、燃料噴射弁を貫流する燃料をシール座に導く。弁ニードルは溶接によって、球形の弁閉鎖体と作用結合しており、この球形の弁閉鎖体は弁座体と共にシール座を形成していて、このシール座の下流には噴射孔円板に、少なくとも1つの噴射開口が形成されており、この噴射開口から燃料が吸気管に噴射される。吸気管に対する燃料噴射弁の内側のシールは、燃料噴射弁の製造時における加工プロセスによって生ぜしめられる。弁閉鎖体と該弁閉鎖体に形成されたシールの製造時に、研削及びホーニング仕上げによって、高い表面品質、及びこれに関連した良好なシール性が得られ、しかしながらこれは、弁スリーブへの弁座体の押込みや溶接シールを用いた部材の結合のような後続の加工プロセスによって限定される。
【0006】
球形の弁座体と中空錐台形状の弁座体とを備えた上述の燃料噴射弁には、次のような欠点、すなわち製造に基づいて生じる、弁ニードルと弁座とにおける座接触箇所の非真円性によって、運転中に燃料が漏れてしまう、という欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】DE19859484A1
【特許文献2】DE10338081A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ゆえに本発明の課題は、上に述べた従来技術における欠点を排除すべく冒頭に述べた形式の燃料噴射弁を改良して、弁ニードルと弁座との座接触箇所におけるシール性を申し分なく高め、運転中に燃料の漏れが生じないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために本発明の構成では、弁座体及び/又は弁閉鎖体が、少なくとも1つの剛性を減じるエレメントを備えているようにした。
【発明の効果】
【0010】
このように構成された本発明による燃料噴射弁には、公知のものに比べて次のような利点を有している。すなわち本発明による燃料噴射弁では、弁座体及び/又は弁閉鎖体に剛性を減じるエレメントが設けられていることに基づいて、燃料噴射弁の座領域が弾性的に軟らかく構成され、ひいては座接触箇所における非真円性が接触力による押圧によって弾性的に解消される。これにより運転中における燃料漏れは僅かになる。燃料噴射弁の摩耗もこれによって同様に僅かになる。なぜならば、接触力は両方の座エレメントの弾性的な適合調整によって大きな座領域へと分配されるからである。そして接触力を小さく選択することができる。これによって弁の摩耗及び切換え速度にポジティブな影響が与えられる。
【0011】
弁座領域と弁閉鎖体との両方に剛性を減じるエレメントが設けられていると、両方の部材が最適に適合調整されるので、特にポジティブな効果が得られる。
【0012】
製造技術的に特に簡単な形式で構成された剛性を減じるエレメントでは、弁閉鎖エレメントの外周面を取り囲んで延在する環状の切欠きが、環状溝として設けられている。弁座体において剛性を減じるエレメントを簡単な形式で得るためには、溝が弁座体の内周面に設けられていて、この溝が、座接触箇所の近傍まで達していると、有利である。座接触箇所の後ろにおける支持材料が存在しないことによって、座接触箇所は軟らかくなる。
【0013】
同様に弁座体の剛性を減じるための有利な構成では、弁座体が薄壁に形成されており、このように構成されていると、弁座体はこの薄壁の領域において可撓性にもしくは軟質になる。剛性を減じるさらに別の構成では、弁閉鎖体が環状溝の形をした環状の外側の切欠きを有していて、さらに内側領域に、剛性を減じる第2の切欠きを有している。
【0014】
また、弁座領域を、適宜な軟質材料の使用によって軟質にもしくは可撓性にすることができる。
【0015】
さらにまた、流れ技術的な理由から有利な構成では、切欠きが、例えばプラスチックのような軟質材料によって満たされていると有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】燃料噴射弁を示す断面図である。
図2a】弁閉鎖体に設けられた剛性を減じるエレメントの1実施形態を示す図である。
図2b】弁閉鎖体に設けられた剛性を減じるエレメントの1実施形態を示す図である。
図2c】弁閉鎖体に設けられた剛性を減じるエレメントの1実施形態を示す図である。
図2d】弁閉鎖体に設けられた剛性を減じるエレメントの1実施形態を示す図である。
図2e】弁閉鎖体に設けられた剛性を減じるエレメントの1実施形態を示す図である。
図3】剛性を減じるエレメントの別の実施形態を示す図である。
図4】弁座体に設けられた剛性を減じるエレメントの1実施形態を示す図である。
図5】剛性を減じるエレメントが弁閉鎖体と弁座体との両方に設けられた1実施形態を示す図である。
図6】剛性を減じるエレメントが弁閉鎖体と弁座体との両方に設けられた別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1には、燃料噴射弁1が断面図で示されている。この燃料噴射弁1は、混合機圧縮型火花点火式の内燃機関の燃料噴射装置用の燃料噴射弁として形成されている。この燃料噴射弁1は特に、図示されていない内燃機関の燃焼室に、燃料を直接噴射するために適している。
【0019】
燃料噴射弁1は、内部に弁ニードル3が配置されているノズル体2から成っている。弁ニードル3は球形の弁閉鎖体4と作用結合しており、この弁閉鎖体4は、弁座体5に配置された弁座面6と共働してシール座を形成している。図示の燃料噴射弁1は、内方に向かって開放する電磁式の燃料噴射弁1であって、噴射開口7を有している。
【0020】
マグネットコイル9はコイル保持体に巻き付けられていて、このコイル保持体はマグネットコイル9の内極10に接触している。内極10と外極8とは間隙によって互いに切り離されている。マグネットコイル9は導体を介して、電気的な差込みコンタクト12を介して供給可能な電流によって励起される。差込みコンタクト12は、内極10に射出成形されたプラスチック被覆13によって取り囲まれている。
【0021】
可動子19は第1のフランジ14を介して弁ニードル3と摩擦力結合式に結合されており、この弁ニードル3は例えば溶接シームによって第1のフランジ14と結合されている。第1のフランジ14には戻しばね15が支持されており、この戻しばね15は燃料噴射弁1の図示の構造形態では、スリーブ16によって予負荷もしくはプレロード(Vorspannung)される。
【0022】
可動子19及び弁座体5内には、燃料通路18a,18bが延びており、これらの燃料通路18a,18bは、中央の燃料供給部11を介して供給される燃料を、弁座体5における噴射開口7に導く。燃料噴射弁1はシール部材17によって、図示されていない分配管路に対してシールされている。
【0023】
燃料噴射弁1の休止状態において可動子19は、弁ニードル3における第1のフランジ14を介して、戻しばね15によって、上昇行程方向とは逆向きに負荷され、これにより弁閉鎖体4は弁座面6にシール作用をもって接触する状態に保たれる。マグネットコイル9の励起時に、マグネットコイル9は磁界を形成し、この磁界は可動子19を戻しばね15のばね力に抗して上昇行程方向に移動させ、この場合上昇行程は、休止位置において内極10と可動子19との間に位置している作業間隙によって所定されている。
【0024】
可動子19は、弁ニードル3に溶接された第1のフランジ14を、ひいては弁ニードル3を上昇行程方向に連行する。弁ニードル3と作用結合されている弁閉鎖体4は、弁座面6から持ち上がり、燃料通路18a,18bを介して噴射開口7に達した燃料が噴射される。
【0025】
コイル電流が遮断されると、可動子19は磁界の十分な消滅の後で、第1のフランジ14に対する戻しばね15の圧力によって内極10から落下し、これによって弁ニードル3は上昇行程方向とは逆向きに移動する。これによって弁閉鎖体4は弁座面6に接触し、燃料噴射弁1は閉鎖される。電磁的な磁気回路はアクチュエータ28を形成する。
【0026】
図2a〜図2cには、弁閉鎖体に設けられた剛性を減じるエレメントの実施形態がそれぞれ示されている。
【0027】
図2aに示された実施形態では、弁ニードル3は、該弁ニードル3に一体に形成されていて流出側の端部において丸く形成された弁閉鎖体4を有している。この弁閉鎖体4は、剛性を減じるエレメントとして、その外周部に設けられた環状の切欠き20(第1の剛性を減じるエレメント)と、第2の切欠き21(第2の剛性を減じるエレメント)とを有しており、この第2の切欠き21は、丸く形成された弁閉鎖体4の流出側の端部に設けられている。
【0028】
図2bに示された実施形態では、弁ニードル3は同様のその流出側の端部に、弁ニードル3と一体にかつ丸く形成された弁閉鎖体4を有している。図2aに示された実施例とは異なり、この弁閉鎖体4は、環状の切欠き20の形をしたただ1つの剛性を減じるエレメントだけを有しており、この環状の切欠き20は環状溝として形成されている。
【0029】
図2cに示された別の実施例においても、弁閉鎖体はただ1つの剛性を減じるエレメントだけを有しているが、この実施例では弁閉鎖体は、弁閉鎖体の流出側の端部に設けられた切欠き21として形成されている。それぞれ図示の弁閉鎖体に設けられている切欠きの形をした剛性を減じるエレメントは、座接触領域を軟化させ、その結果座接触箇所における非真円形もしくは不完全な真円度は、接触力によって圧縮され、ひいては運転時における燃料漏れが減じられる。
【0030】
図2dに示された実施例は、図2aに示された実施例に似た構成を有しており、この場合弁閉鎖体4は剛性を減じるエレメントとして、その外周部における環状の切欠き20(第1の剛性を減じるエレメント)と、第2の切欠き21(第2の剛性を減じるエレメント)とを有しており、環状の切欠き20の形状は、図2aにおける環状の切欠き20の形状とは異なっており、また第2の切欠き21は、丸く形成された弁閉鎖体4の流出側の端部に設けられている。
【0031】
さらに図2eに示された別の実施例においても、第1の切欠き20と第2の切欠き21とから成る2つの剛性を減じるエレメントが設けられているが、この両方の切欠き20,21の形状及び寸法は、図2a及び図2bに示された形状とは異なっている。
【0032】
図3には、剛性を減じる弁閉鎖体4の別の実施形態が示されている。この実施形態でも弁閉鎖体4は弁ニードル3の流出側の端部に設けられていて、該弁ニードル3と一体に形成されている。弁ニードル3及び丸く形成された弁閉鎖体4は、中空にかつ薄壁に形成されている。これによって弁ニードル3及び弁閉鎖体4は、座接触箇所において特に軟質かつ可撓性である。弁座体5は座接触箇所23の領域に切欠き22を有している。座接触箇所の後ろにおける支持材料の欠如によって、座接触箇所もまた同様に軟らかくなり、このことはエレメントの弾性的な調整もしくは補償を可能にする。
【0033】
図4に示された別の実施形態では、剛性を減じるエレメントは弁座体5に設けられており、この場合弁座体5は接触領域24において、つまり図示の実施例では弁ニードル3の流出側端部に設けられていて球として形成された弁閉鎖体4が、弁の閉鎖状態において弁座体5と接触している接触領域24において、薄壁に形成されている。
【0034】
図5に示された更に別の実施形態では、剛性を減じるエレメントは弁閉鎖体4と弁座体5とに設けられている。弁閉鎖体4は、図4に示された実施例におけるように、球として形成されていて、弁ニードル3の流出側端部に例えば溶接によって固定されている。この弁閉鎖体4は、球の外周を取り囲むように延在する環状の溝の形をした切欠き20を有している。この溝もしくは切欠き20は、座接触箇所23にまで達している。
【0035】
弁座体5は、中空円筒形に形成された区分25と、該区分25に接続している中空円錐台形状に形成された区分26とを有しており、この区分26は座接触箇所23を有していて、かつ薄壁に形成されている。両方の部材、つまり弁閉鎖体4と弁座体5とはこれによって軟質であり、かつ調整もしくは補償能力を有することになる。
【0036】
さらに図6に示された別の実施形態では、剛性を減じるエレメントは、弁閉鎖体4と弁座体5とに設けられている。この場合弁閉鎖体4は、図5に示された弁閉鎖体4に相当しており、ゆえにこれについては説明を省く。弁座体5は、図5に示された弁座体5に似た構成を有しているが、この実施例ではさらに、弁座面6における環状溝の形をした環状の切欠き22を有しており、この環状溝もしくは切欠き22は、座接触箇所23の前に設けられており、さらに薄壁の円錐台形状の区分26から中空円筒形の区分25内にまで延びていて、弁閉鎖体4の環状溝と一緒に中空室を形成している。一点鎖線で囲まれた区分は、座接触箇所23における切欠き22を詳細に示すために、図6の右に拡大して示されている。
【0037】
弁閉鎖体4及び弁座体5に設けられた溝は、図示されていないが、流れ技術的な理由から、例えばプラスチックのような軟質材料によって満たされていてもよい。本発明は液圧駆動式のディーゼルノズルにおいても利用可能である。
【0038】
1.本発明に係る燃料噴射弁は、燃料噴射弁(1)、特に内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射するための燃料噴射弁(1)であって、弁ニードル(3)を操作するためのアクチュエータ(28)が設けられており、弁ニードル(3)が噴射側端部に弁閉鎖体(4)を有しており、該弁閉鎖体(4)が、弁座体(5)に形成された弁座面(6)と共働して、座接触箇所(23)にシール座を形成している形式のものにおいて、弁座体(5)及び/又は弁閉鎖体(4)が、少なくとも1つの剛性を減じるエレメントを備えていることを特徴とする。
【0039】
2.弁閉鎖体(4)における剛性を減じるエレメントが、該弁閉鎖体の外周を少なくとも部分的に取り囲んで延在する環状の切欠き(20)として、特に環状溝として、形成されている、1の燃料噴射弁であってもよい。
【0040】
3.弁閉鎖体(4)が球形に形成されている、1又は2の燃料噴射弁であってもよい。
【0041】
4.弁閉鎖体(4)における少なくとも部分的に環状の切欠き(20)が、座接触箇所(23)の上に設けられている、2又は3の燃料噴射弁であってもよい。
【0042】
5.弁閉鎖体(4)における少なくとも部分的に環状の切欠き(20)が、弁座体(5)との座接触箇所(23)にまで達している、4の燃料噴射弁であってもよい。
【0043】
6.弁座領域(6)が少なくとも部分的に、軟質材料、特に軟質のプラスチックから製造されている、1から5までのいずれかの燃料噴射弁であってもよい。
【0044】
7.弁閉鎖体(4)が弁ニードル(3)と一体的に形成されている、1から6までのいずれかの燃料噴射弁であってもよい。
【0045】
8.弁閉鎖体(4)及び弁ニードル(3)が中空に形成されている、7の燃料噴射弁であってもよい。
【0046】
9.弁閉鎖体(4)及び弁ニードル(3)が深絞りによって製造されている、7又は8の燃料噴射弁であってもよい。
【0047】
10.弁座体(5)が燃料の流れ方向において座接触箇所(23)の上に、弁閉鎖体(4)に向かい合っている表面に少なくとも部分的に環状に延びる切欠き(22)、特に少なくとも部分的に環状に延びる溝を有している、1から9までのいずれかの燃料噴射弁であってもよい。
【0048】
11.弁閉鎖体(4)に設けられた少なくとも部分的に環状に延びる切欠き(20)と、弁座体(5)に設けられた少なくとも部分的に環状に延びる切欠き(22)とが互いに向かい合って位置していて、一緒に中空室(27)を形成している、1から10までのいずれかの燃料噴射弁であってもよい。
【0049】
12.弁閉鎖体(4)に設けられた切欠き(20)及び/又は弁座体(5)に設けられた切欠き(22)が、軟質材料、特にプラスチックによって満たされている、11の燃料噴射弁であってもよい。
【0050】
13.弁座体(5)が1つの区分(26)において中空円錐台形状に形成されている、1から12までのいずれかの燃料噴射弁であってもよい。
【0051】
14.弁座体(5)が少なくとも座接触箇所(23)の領域において薄壁に形成されている、1から13までのいずれかの燃料噴射弁であってもよい。
【0052】
15.弁閉鎖体(4)がその流出側の端部に第2の切欠き(21)を有している、1から14までのいずれかの燃料噴射弁であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 燃料噴射弁、 2 ノズル体、 3 弁ニードル、 4 弁閉鎖体、 5 弁座体、 6 弁座面、 7 噴射開口、 8 外極、 9 マグネットコイル、 10 内極、 11 燃料供給部、 12 差込みコンタクト、 13 プラスチック被覆、 14 フランジ、 15 戻しばね、 16 スリーブ、 17 シール部材、 18a,18b 燃料通路、 19 可動子、 20,21 切欠き、 22 切欠き、 23 座接触箇所、 24 接触領域、 25,26 区分、 28 アクチュエータ
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3
図4
図5
図6