特許第6021906号(P6021906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6021906電気接続部材を有するウィンドウガラスの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021906
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】電気接続部材を有するウィンドウガラスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 1/00 20060101AFI20161027BHJP
   C22C 38/00 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 38/58 20060101ALI20161027BHJP
   B23K 35/26 20060101ALI20161027BHJP
   B23K 35/30 20060101ALI20161027BHJP
   B23K 35/28 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 13/00 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 13/02 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 12/00 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 28/00 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 5/06 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 18/00 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 18/02 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 9/00 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 9/02 20060101ALI20161027BHJP
   C22C 9/04 20060101ALI20161027BHJP
   B23K 35/363 20060101ALI20161027BHJP
   B23K 1/19 20060101ALI20161027BHJP
   B23K 3/06 20060101ALI20161027BHJP
   C03C 17/36 20060101ALI20161027BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20161027BHJP
   B23K 101/38 20060101ALN20161027BHJP
【FI】
   B23K1/00 330D
   C22C38/00 302Z
   C22C38/58
   B23K35/26 310A
   B23K35/26 310C
   B23K35/26 310D
   B23K35/30 310B
   B23K35/30 310C
   B23K35/28 310D
   C22C13/00
   C22C13/02
   C22C12/00
   C22C28/00 B
   C22C5/06 Z
   C22C18/00
   C22C18/02
   C22C9/00
   C22C9/02
   C22C9/04
   B23K35/363 E
   B23K1/19 Z
   B23K3/06 E
   C03C17/36
   B60J1/00 B
   B23K101:38
【請求項の数】13
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-517548(P2014-517548)
(86)(22)【出願日】2012年5月29日
(65)【公表番号】特表2014-525836(P2014-525836A)
(43)【公表日】2014年10月2日
(86)【国際出願番号】EP2012059950
(87)【国際公開番号】WO2013004434
(87)【国際公開日】20130110
【審査請求日】2014年3月27日
(31)【優先権主張番号】11172484.5
(32)【優先日】2011年7月4日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512212885
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
【氏名又は名称原語表記】Saint−Gobain Glass France
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス シュラープ
(72)【発明者】
【氏名】ベアンハート ロイル
(72)【発明者】
【氏名】ミーチャ ラタイチャク
(72)【発明者】
【氏名】ローター レスマイスター
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−521609(JP,A)
【文献】 特開2009−105293(JP,A)
【文献】 特開2008−110365(JP,A)
【文献】 特開2008−218399(JP,A)
【文献】 特開2001−203020(JP,A)
【文献】 特開平01−225005(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/026835(WO,A1)
【文献】 特表平06−503039(JP,A)
【文献】 国際公開第03/026835(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/00
B23K 1/19
B23K 3/06
B23K 35/26
B23K 35/28
B23K 35/30
B23K 35/363
B60J 1/00
C03C 17/36
C22C 5/06
C22C 9/00
C22C 9/02
C22C 9/04
C22C 12/00
C22C 13/00
C22C 13/02
C22C 18/00
C22C 18/02
C22C 28/00
C22C 38/00
C22C 38/58
B23K 101/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気接続部材(3)を有するウィンドウガラスを製造する方法において、
a)前記接続部材(3)の少なくとも1つの接続面(8)に、フラックス(7)を有する少なくとも1つの凹部(6)を備えたはんだペースト(4)を被着し、
b)基板(1)上の導電構造体(2)の領域において前記はんだペースト(4)上に前記接続部材(3)を配置し、
c)前記はんだペースト(4)を用い、入熱して前記接続部材(3)と、前記接続部材(3)に平行な前記導電構造体(2)と、を接続し、
前記ステップ(a)では、まず少なくとも1つの凹部(6)を有するはんだペースト(4)を成形し、つぎに前記フラックス(7)を少なくとも前記凹部(6)に配置し、つぎに前記はんだペースト(4)を、前記凹部(6)が形成された側で、前記接続部材(3)の前記接続面(8)に接続する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記凹部(6)が前記はんだペースト(4)に入れられているコンタクト面(11)の部分領域(12)は、矩形、卵形、楕円、円またはこれらの組み合わせとして成形される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フラックス(7)は、溶液として前記はんだペースト(4)に塗布されており、
前記フラックス(7)の前記溶液には、少なくとも50重量%から95重量%の溶剤と、0重量%から30重量%のコロフォニウムと、0重量%から5重量%のジカルボン酸と、0重量%から8重量%のテルペンと、0重量%から7重量%の溶剤ナフサと、が含まれる、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの接続面(8)を有する電気接続部材(3)において、
はんだペースト(4)が前記接続面(8)に配置されており、
前記はんだペースト(4)を用い、前記接続部材(3)と、前記接続部材(3)に平行な前記導電構造体(2)と、が接続されており、
前記はんだペースト(4)に少なくとも1つの凹部(6)が配置されており、
少なくとも前記凹部(6)にフラックス(7)が配置されており、
前記はんだペースト(4)は、前記凹部(6)が形成された側で、前記電気接続部材(3)の前記接続面(8)に接続されている、
ことを特徴とする電気接続部材(3)。
【請求項5】
前記接続部材(3)は、少なくとも1つの鉄・ニッケル合金、鉄・ニッケル・コバルト合金または鉄・クロム合金を含む、
請求項4に記載の接続部材(3)。
【請求項6】
前記接続部材(3)は、少なくとも50重量%から75重量%の鉄、25重量%から50重量%のニッケル、0重量%から20重量%のコバルト、0重量%から1.5重量%のマグネシウム、0重量%から1重量%のケイ素、0重量%から1重量%の炭素、または0重量%から1重量%のマンガンを含む、
請求項5に記載の接続部材。
【請求項7】
前記接続部材(3)は、少なくとも50重量%から89.5重量%の鉄、10.5重量%から20重量%のクロム、0重量%から1重量%の炭素、0重量%から5重量%のニッケル、0重量%から2重量%のマンガン、0重量%から2.5重量%のモリブデン、または0重量%から1重量%のチタンを含む、
請求項5に記載の接続部材。
【請求項8】
前記はんだペースト(4)は、すず、ビスマス、インジウム、亜鉛、銅、銀またはこれらの混合物を含んでおり、前記はんだ混合物(4)におけるすずの割合は、3重量%から99.5重量%であり、ビスマス、インジウム、亜鉛、銅、銀またはこれらの混合物の割合は、0.5重量%から97重量%である、
請求項4から7までのいずれか1項に記載の接続部材。
【請求項9】
前記接続部材(3)は、ニッケル、すず、銅および/または銀によってコーティングされている、
請求項4から8までのいずれか1項に記載の接続部材。
【請求項10】
はんだペーストおよびフラックスからなる全体におけるフラックスの割合は、0.1重量%から5重量%である、
請求項4から9までのいずれか1項に記載の接続部材。
【請求項11】
前記凹部(6)は、一部分または全体が前記フラックス(7)によって充填されている、
請求項4から10までのいずれか1項に記載の接続部材。
【請求項12】
前記接続部材(3)の前記接続面(8)の領域において少なくとも1つの凹み(16,20)にフラックス(7)が配置されている、
請求項4から11までのいずれか1項に記載の接続部材。
【請求項13】
自動車のような陸路、空路または水路における交通用の輸送手段における、建築物における、機能的および/または装飾的な個別部材におけるウィンドウガラス上に、加熱導体および/またはアンテナ導体のような導電構造体を接続するために、請求項4から12までのいずれか1項に記載の接続部材(3)を使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続部材を有するウィンドウガラスを製造するための経済的かつ環境親和型の方法と、電気接続部材と、上記のウィンドウガラスの使用方法とに関する。
【0002】
さらに本発明は、例えば加熱導体またはアンテナ導体などの導電構造体を有する車両用の電気接続部材を有するウィンドウガラスを製造する方法に関する。上記の導電構造体は一般的に、はんだ付けされた電気接続部材を介して電装品に接続される。使用される複数の材料の熱膨張率が異なることにより、製造時および動作時に、上記のウィンドウガラスに負荷にかけまたこのウィンドウガラスを破損をさせ得る機械的な応力が発生する。
【0003】
含鉛はんだは、電気接続部材とウィンドウガラスとの間に発生する機械的な応力を可塑変形によって補償することができる高い展延性を有する。またこの高い展延性により、はんだ付けプロセスの前にフラックスコアの周りに含鉛はんだペーストを形成することができる。しかしながら使用済み車両に関する指令2000/53/EGにより、欧州共同体内では含鉛はんだは、鉛フリーのはんだに置き換えなければならない。この指令は、端出されて略語ELV(End of life vehicles)と称される。その目標は、廃棄される電子機器が大量に増加する趨勢の中で、極めて問題となる成分を製品からなくすことである。該当する物質は、鉛、水銀およびカドミウムである。これは、殊に、ガラスに電気を応用する際に鉛フリーのはんだ剤を徹底させること、および、これに対する相応する代用製品を導入することに関連している。
【0004】
EP 1 942 703 A2には、車両のウィンドウガラスに接続するための電気接続部材が開示されており、ウィンドウガラスと電子接続部材との熱膨張率の差分は、5×10-6/℃未満であり、またこの接続部材は主にチタンを含有している。十分な機械的安定性および加工処理可能性を可能にするために提案されるのは、余剰はんだペーストを使用することである。余剰のはんだペーストは、接続部材と導電性構造体との間の中間空間から出てくるものであり、この余剰のはんだペーストは、ガラス板における高い機械的応力を発生させる。この機械的な応力により、最終的に上記のガラスが破壊される。
【0005】
はんだ付けのため、はんだペーストにはフラックスが添加される。このフラックスは、化学反応により、接続すべき表面に載置されている酸化物を除去し、はんだ付けプロセス中に新たな酸化物が形成されることを阻止する。さらにフラックスは、液状のはんだの表面張力を低減させる。含鉛はんだは、その高い展延性により、フラックスからなるストランドの周りに配置することができる。はんだペーストおよびフラックスは一緒に一定量に切り分けることができる。フラックスコアは、空気中の酸素による酸化から保護される。さらにこのフラックスは、はんだペーストの搬送時に失われることもないのである。
【0006】
多くの鉛フリーはんだは、フラックスコアの周りに配置することはできない。例えば、ビスマス含有はんだの多くは、弾力がなくもろすぎであり、インジウム含有はんだの多くは、軟らかすぎであり、したがってフラックスコアの周りに形成することができない。従来技術によれば、フラックスはこの場合、はんだ付けプロセスの前にはんだペーストの表面に塗布される。したがってフラックスは、周囲雰囲気の影響から保護されず、はんだペーストを搬送する際には、例えばこすれて無くなってしまうことがあり得る。さらにはんだペーストに被着できるフラックスの量が限られるのである。
【0007】
DE 29722028 U1からは、事前に一定量に取り分けられたはんだペーストを有する電気接続部材が公知である。このように取り分けられたはんだペースト部分の内部にはフラックスが配置されている。内部にフラックス貯蔵部を有するこのようなはんだペースト部分には、煩雑な製造方法が必要である。さらに、多くの鉛フリーはんだペースト部分では、そのもろさまたは軟らかさに起因して、従来のフラックスコアの周りにはんだペーストを形成する際と同じ問題が発生する。EP 1508941 A2からは、スリーブ状に形成されたはんだペーストが公知であり、ここではスリーブ套面の内部にフラックスが配置されている。DE 102004057630 B3には、フラックスが組み込まれた鉛フリーはんだ貯蔵部が記載されている。しかしながら、どのようにしてこのフラックスを有利に組み込むことができるかについては記載されていない。
【0008】
本発明の課題は、経済的かつ環境親和型の電気接続部材を有するウィンドウガラスを製造する方法に提供することであり、ここではウィンドウガラスにおいてクリティカルである機械的応力が回避され、はんだペーストを搬送する際のフラックスの損失が阻止される。
【0009】
本発明の別の課題は、ウィンドウガラスと接続可能な電気接続部材を提供することであり、この電気接続部材は、ウィンドウガラスに接続することができ、ここではウィンドウガラスにおけるクリティカルな機械的応力が回避される。
【0010】
本発明の上記の課題は、本発明により、独立請求項1に記載した方法によって解決される。有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0011】
少なくとも1つの電気接続部材を有するウィンドウガラスを製造する本発明の方法には以下のステップ、すなわち、
a) 接続部材の少なくとも1つの接続面に、フラックスを有する少なくとも1つの凹部を備えたはんだペーストを被着ステップと、
b) 基板上の導電構造体の領域においてはんだペースト上に接続部材を配置するステップと、
c) はんだペーストを用い、入熱して接続部材と導電構造体とを接続するステップとが含まれている。
【0012】
上記のはんだペーストは有利には小プレートとして形成される。このはんだペーストは、互いに反対側を向いた2つのコンタクト面を有しており、はんだペーストは、これらの2つのコンタクト面のうちの一方のコンタクト面を介して接続素子の接続面に接続されている。このはんだペーストは他方のコンタクト面を介して上記の基板上の導電構造体に接している。第1のコンタクト面は有利には平坦に成形されているかまたは平坦に成形された少なくとも1つの部分領域を有する。第2のコンタクト面の部分領域でははんだペーストに凹部が入れらている。すなわち、上記の凹部ははんだペーストの表面に入れられて、はんだペーストの第2のコンタクト面における凹みとして実施されているのである。はんだペーストに凹部が入れられていない、第2のコンタクト面の部分領域は、有利には平坦に成形される。はんだペーストは、第1のコンタクト面または第2のコンタクト面を介して、接続部材の接続面に接続することが可能である。
【0013】
第2のコンタクト面の複数の部分領域では上記のはんだペーストに複数の凹部を入れることも可能である。これにより、フラックスを有利にもはんだペーストにおいて分散させることができる。はんだペーストは、例えば、2個から10個の凹部を有することが可能である。
【0014】
はんだペーストの上記のコンタクト面は、例えば矩形、卵形、楕円、円、コーナを丸めた矩形または反対側の辺に配置した2つの半円を有する矩形として成形することができる。これらのコンタクト面は有利には、上記の接続部材の接続面と同じ形状を有する。はんだペーストの各コンタクト面の長さおよび幅は有利には、接続部材の接続面の長さおよび幅以下である。はんだペーストのコンタクト面の長さおよび幅は殊に有利には、接続部材の接続面の長さおよび幅よりも0.1mmから3mmだけ、さらに極めて有利には0.5mmから1mmだけ小さい。2つのコンタクト面の間のはんだペーストの層厚は、有利には0.1mmから0.5mmであり、殊に有利に0.2mmから0.4mmであり、極めて有利には0.3mmから0.4mmである。
【0015】
はんだペーストに凹部が入れられている、はんだペーストの第2のコンタクト面の部分領域は、このコンタクト面の面において、このコンタクト面の平坦な部分領域によって完全に包囲することができる。この部分領域の長さおよび幅は有利には0.1mmから23mmであり、殊に有利には0.2mmから7mmである。
【0016】
本発明の択一的な実施形態において、凹部がはんだペーストに入れられている第2のコンタクト面の部分領域は、このコンタクト面の一方のエッジからこのコンタクト面の反対側のエッジまで延在している。凹部がはんだペーストに入れられているはんだペーストの第2のコンタクト面の部分領域は、例えば、矩形、卵形、楕円、円またはこれらの組み合わせとして成形することができる。
【0017】
各凹部は、はんだペーストの2つのコンタクト面に垂直な断面において、少なくとも1つの矩形の形状を有し得る。本発明の有利な実施例において、各凹部は、はんだペーストの2つのコンタクト面に垂直な断面において、少なくとも1つの台形、三角形、卵形のセグメント、楕円セグメントまたは弓形を有する。上記の凹部が入れられているはんだペーストの、コンタクト面に平行な各凹部の断面積は、このコンタクト面との距離が大きくなるに伴って小さくなる。このことは、上記の小プレートの縁部領域におけるはんだペーストの安定性に関して殊に有利である。
【0018】
択一的には上記の凹部が入れられているはんだペーストの、コンタクト面に平行な各凹部の断面積は、このコンタクト面との距離が大きくなるのに伴って大きくなるようにする。このことは、この凹部におけるフラックスの安定性について殊に有利である。フラックスは、この凹部から脱落しにくくなり得る。
【0019】
上記の凹部の深さは有利には0.02mmから0.3mmであり、殊に有利には0.05mmから0.25mmである。本発明の有利な実施形態では、複数の凹部がはんだペーストに入れられる。ここでこれらの凹部は少なくとも一部分が異なる深さを有する。凹部のこの深さは、はんだペーストのコンタクト面のエッジからのこの凹部の距離が大きくなれば、それだけ大きくなる。このことは殊に、上記の小プレートの縁部領域におけるはんだペーストの安定性について有利である。
【0020】
上記の凹部は有利には、圧延によってはんだペーストに入れられる。択一的にこの凹部は有利には、押圧して凹ませることにより、殊に有利には刻み込みにより、または切削によってはんだペーストに入れられる。
【0021】
本発明による方法では、少なくとも1つの接続面を有する電気接続部材が提供される。ここでは、はんだペーストが上記の接続面に配置されており、このはんだペーストに少なくとも1つの凹部が配置されており、少なくともこの凹部にフラックスが配置されている。
【0022】
本発明による方法の有利な実施形態では、このためにはんだペーストをまず、2つのコンタクト面と、少なくとも1つの凹部と、あらかじめ設定した層厚および体積を有する小プレートとして成形する。このはんだペーストは殊に有利には2つのローラの間で1つの帯に圧延される。ここで一方のローラの表面を構造化して構成し、これによってローラ側を向いたはんだペーストの表面に少なくとも1つの凹部が入れられるようにする。はんだペーストの小プレートは、凹部を有する上記の帯から、例えば切断するか打ち抜くことによって得られる。
【0023】
択一的にはローラ側を向いた表面が平坦に成形されている1つの帯に上記のはんだペーストを圧延し、はんだペーストの上記の小プレートをこの帯から切断するか打ち抜くことも可能である。上記の凹部はその後、有利には押圧して凹ませることにより、殊に有利には刻み込みにより、はんだペーストに入れられる。フラックスは、凹部が入れられているはんだペーストのコンタクト面上に塗布され、このフラックスは少なくとも上記の凹部内に配置される。ここでこの凹部には完全にまたは部分的にフラックスが充填される。はんだペーストは、つぎに2つのコンタクト面のうちの1つを介して上記の接続部材の接続面に配置される。
【0024】
本発明による方法の択一的な実施形態ではまず、2つのコンタクト面と、少なくとも1つの凹部と、あらかじめ設定した層厚および体積を有する複数の小プレートとして上記のはんだペーストを成形する。このはんだペーストは、つぎにはんだペーストに凹部が入れられていないコンタクト面を介して上記の接続素子の接続面に配置される。フラックスは、つぎに凹部が入れられているはんだペーストのコンタクト面に塗布され、このフラックスが少なくとも上記の凹部内に配置される。
【0025】
本発明による方法の有利な択一的な実施形態ではまず、2つのコンタクト面と、少なくとも1つの凹部と、あらかじめ設定した層厚および体積を有する小プレートとして上記のはんだペーストを成形する。この際にフラックスは少なくとも上記の凹部に配置される。殊に有利には上記のはんだペーストは、2つのローラの間で1つの帯に圧延され、一方のローラの表面は構造化されて形成されているため、ローラ側を向いたはんだペーストの表面に少なくとも1つの凹部が入れられる。フラックスは、上記の凹部が入れられているはんだペーストの表面に塗布され、このフラックスは少なくとも凹部に配置される。つぎにはんだペーストの小プレートは、凹部を有する帯から、例えば切断または打ち抜くことによって得られる。フラックスを有するはんだペーストは、つぎに接続部材の接続面に配置される。
【0026】
本発明による方法の有利な択一的な実施形態ではまず、2つのコンタクト面と、あらかじめ設定した層厚および体積とを有する小プレートとして上記のはんだペーストを成形する。殊に有利にははんだペーストを2つのローラの間で1つの帯に圧延し、この際にローラ側を向いたはんだペーストの表面を平坦に成形する。はんだペーストの小プレートは、上記の帯から、例えば切断または打ち抜きによって得られる。はんだペーストは、つぎに接続部材の接続面に配置され、つぎに少なくとも1つの凹部が、接続面とは反対側を向いたはんだペーストのコンタクト面に入れられ、有利には刻み込まれる。つぎに凹部が入れられているはんだペーストのコンタクト面にフラックスが塗布されて、フラックスが少なくとも上記の凹部に配置される。
【0027】
本発明による方法の有利な択一的な実施例ではまず、2つのコンタクト面と、あらかじめ設定した層厚および体積を有する複数の小プレートとして上記のはんだペーストを成形する。このはんだペーストは、つぎに接続部材の接続面に配置され、同時にこの接続面とは反対側を向いたはんだペーストのコンタクト面に少なくとも1つの凹部が入れられる。殊に有利には、このはんだペーストに刻印スタンプが上記の接続面に押し付けられる。つぎに凹部が入れられているはんだペーストのコンタクト面にフラックスが塗布され、このフラックスが少なくとも上記の凹部に配置される。
【0028】
上記のはんだペーストを載置する際には複数の接続部材をチェーン状に互いに接続することができる。個々の接続部材は、はんだペーストを載置した後、上記のチェーンから外される。上記の凹部は、互いに接続される接続部材にはんだペーストを載置する前にはんだペーストに入れることができる。択一的には、互いに接続される接続部材にはんだペーストを載置した後、または個々の接続部材を上記のチェーンから外した後、上記の凹部をはんだペーストに入れることができる。
【0029】
本発明の利点は、フラックスを少なくともはんだペーストの凹部に配置することによって得られる。したがってこの凹部は、フラックス貯蔵部として使用されるのである。この貯蔵部では、接続部材の搬送中に例えばこすれによって失われてしまうことからフラックスを保護する。さらに上記の凹部により、はんだペーストの表面積が拡大される。これにより、一層多くの量のフラックスをはんだペーストに配置することができるのである。
【0030】
はんだペーストは、押し付けによって接続部材の接続面に載置するか、または点状のはんだ付けによって接続部材の接続面に載置することができる。
【0031】
本発明の択一的に実施例において上記の接続面の領域には、少なくとも1つの凹みが接続部材に入れられる。接続面に平行な方向のこの凹みの断面積は、少なくとも上記の凹みの1つの部分領域において接続面からの距離が大きくなるのに伴って大きくなる。この凹みの深さは有利には0.05mmから0.5mm、殊に有利には0.1から0.3mmである。はんだペーストの第1のコンタクト面には少なくとも1つの突出部が配置される。断面形状および断面積は、この突出部が、接続部材の凹みの最小断面積を通して完全にこの凹みに挿入できるように選択される。突出部の高さは、凹みの深さよりも大きい。有利には突出部の高さは、0.1mmから0.7mmであり、殊に有利には0.15mmから0.5mmである。突出部の体積は、凹みの容積以下である。この突出部は例えば、直方体、立方体、円筒形、角錐、回転楕円体のセグメントまたは球欠部として成形可能である。接続のため、はんだペーストは、第1のコンタクト面を介して接続部材の接続面に押し付けられ、この際にはんだペーストの突出部が、接続部材の接続面に位置決めされる。はんだペーストを押し付ける際に上記の凹みにおいて突出部が変形するため、突出部の最大断面積は、凹みの最小断面積よりも大きい。これにより、はんだペーストと接続部材との接続が持続的に安定化する。接続部材とはんだペーストとを接続する前に、接続部材の凹みにフラックスを配置することができる。
【0032】
本発明の択一的な実施形態において、接続部材の接続面の少なくとも1つの部分領域は、鋸歯プロフィールを有する。接続面のこの部分領域は有利には、鋸歯プロフィールを有する2つまたはそれ以上の列の形態で構成され、隣接する2つの列では鋸歯プロフィールが逆向きになっている。はんだペーストを接続面に押し付けることにより、このはんだペーストは、コンタクト面を介して、接続面の鋸歯プロフィールに傾けられる。これによってはんだペーストと接続部材との接続が持続的に安定化される。接続部材とはんだペーストとを接続する前には、接続部材の鋸歯プロフィールにフラックスを配置することができる。
【0033】
本発明の有利な実施形態では、接続部材は、接続面を介して上記の導電構造体の1つの部分領域に完全に接続される。この際にこの接続面の形状は有利にはコーナを有しない。このことは、ウィンドウガラスにおけるクリティカルな引っ張り応力を最小化するという点で殊に有利である。この接続面は、例えば、卵形の、有利には楕円形の、また殊に円形の構造を有する。択一的には接続面は、コーナを丸めた凸多角形、有利に四角形の形状を有することができ、この丸めたコーナは、r>0.5mmの、有利にはr>1mmの曲率半径を有する。択一的に上記の接続面を、反対側の辺に配置された2つの半円を有する矩形として成形することが可能である。
【0034】
本発明の別の有利な実施形態では、上記の接続部材は、ブリッジによって互いに接続されている2つの接続面を介して、導電構造体の部分領域に接続される。各接続面は、例えば、矩形に成形することができる。択一的には2つの接続面の各接続面の形状は、90°から360°、有利には140°から360°、例えば180°から330°または200°から330°の中心角を有する弓形または卵形、楕円の少なくとも1つのセグメントを有し得る。各接続面は、卵形の、有利には楕円形の構造を有し得る。殊に有利には各接続面を円として成形する。択一的には各接続面を、少なくとも180°の、有利には少なくとも200°の、殊に有利には少なくとも220°、さらに殊に有利には230°の中心角を有する弓形として成形する。この弓形は、例えば180°から350°の、有利には200°から330°の、殊に有利には210°から310°の中心角を有する。
【0035】
本発明による接続部材の別の有利な実施形態では、反対側の辺に配置された2つの半卵形、有利には半楕円、殊に有利には半円を有する矩形として各接続面を構成する。
【0036】
上記の接続部材は平面図において、例えば、有利に1mmから50mmの長さおよび幅を、殊に有利には2mmから30mmの長さおよび幅、さらに極めて有利には2mmから8mmの幅および10mmから24mmの長さを有する。
【0037】
ブリッジによって互いに接続される2つの接続面は、例えば有利には1mmから15mmの長さおよび幅を、殊に有利には2mmから8mmの長さおよび幅を有する。
【0038】
上記の接続面間のブリッジは一部分が平坦に成形されている。平坦とは、接続部材の下側面が平面を形成していることを意味する。基板の上側面と、接続面に直接接している上記のブリッジの平坦部分との間の角は90°以下であり、有利には1°と85°との間にあり、殊に有利には3°と60°の間にある。ここではこのブリッジを成形して、接続面に隣接する各平坦部分が、上記の直接接する接続面とは反対方向に傾くようにする。ブリッジは、湾曲させることも可能である。この際にこのブリッジはただ1つの湾曲方向を有することができ、卵形の弧のプロフィール、有利には楕円弧のプロフィール、殊に有利には円弧のプロフィールを有することが可能である。この円弧の曲率半径は、例えば、接続部材の長さが24mmの場合、有利には5mmから15mmである。ブリッジの湾曲方向は、変化させることも可能である。ブリッジは一定の幅を有する必要はない。
【0039】
上記のはんだペーストは有利には鉛フリーであり、したがって鉛を含有しない。このことは、電気接続部材を有する本発明のウィンドウガラスの環境親和性の点から殊に有利である。鉛フリーのはんだペーストは、含鉛はんだの場合には一般的であるようにフラックスコアの周りに成形できないこと多い。したがってフラックスを収容するはんだペーストにおける本発明の凹部は、鉛フリーはんだペーストにおいて殊に有利である。本発明によるはんだペーストは有利には、すずおよびビスマス、インジウム、亜鉛、銅、銀またはこれらの混合物が含まれる。本発明によるはんだ混合物におけるすずの割合は、3重量%から99.5重量%,有利には10重量%から95.5重量%,殊に有利には15重量%から60重量%である。ビスマス、インジウム、亜鉛、銅、銀またはこれらの混合物の割合は、本発明によるはんだ混合物において、0.5重量%から97重量%、有利には10重量%から67重量%であり、ここでビスマス、インジウム、亜鉛、銅または銅のそれぞれの割合は、0重量%とすることが可能である。本発明によるはんだ混合物は、0重量%から5重量%のニッケル、ゲルマニウム、アルミニウムまたはリンを含み得る。本発明によるはんだ混合物には極めて有利にはBi40Sn57Ag3,Sn40Bi57Ag3,Bi59Sn40Ag1,Bi57Sn42Ag1,In97Ag3,Sn95.5Ag3.8Cu0.7,Bi67In33,Bi33In50Sn17,Sn77.2In20Ag2.8,Sn95Ag4Cu1,Sn99Cu1,Sn96.5Ag3.5またはこれらの混合物を含み得る。
【0040】
本発明によるフラックスは、はんだペースト上に塗布する際に有利には溶剤に溶かされる。フラックスの溶液には有利には少なくとも50重量%から95重量%の溶剤、有利にはアルコール、殊に有利には2−プロパノールまたはエタノール、0重量%から30重量%のコロフォニウム、0重量%から5重量%のジカルボン酸、有利にはオレンジテルペンである0重量%から8重量%のテルペンと、0重量%から7重量%の溶剤ナフサが含まれる。上記のフラックスの溶液には、別の添加物、例えばアルコール、樹脂および/またはハロゲン化物が含まれ得る。はんだペーストを塗布した後、上記の溶剤は有利に蒸発によって除去される。はんだペーストおよびフラックスの全体におけるフラックスの割合は、0.1重量%から5重量%,有利には0.3重量%から4重量%,殊に有利には0.5重量%から3重量%である。
【0041】
本発明によるはんだの層厚は、はんだ付けプロセスの後、有利には<3.0×10-4である。このはんだペーストは、はんだ付けプロセスの後、上記の接続部材と導電構造体との間の中間空間から<1mmの流出幅で流出する。有利な実施形態において、最大流出幅は、有利には0.5mmであり、殊に約0mmである。このことは、ウィンドウガラスにおける機械的応力の低減、接続部材の接着およびはんだの節約の点から殊に有利である。
【0042】
上記の最大流出幅は、接続部材の外側エッジと、はんだペーストが50μmの層厚を下回るはんだペースト溢れ個所との間隔として定められる。この最大流出幅は、はんだ付けプロセスの後、凝固したはんだペーストにおいて測定される。
【0043】
所望の最大流出幅は、はんだペースト体積、および、接続部材と導電構造体との間の垂直方向間隔によって得られ、これは簡単なテストによって求めることができる。接続素子と導電構造体との間の垂直方向の間隔は、相応のプロセスツール、例えば一体化されたスペーサを有するツールによってあらかじめ設定することができる。
【0044】
上記の最大流出幅は、負の値をとることもあり得る。すなわち、電気接続部材と導電構造体とによって形成される中間空間に引き戻されるのである。
【0045】
本発明の有利な実施形態においてこの最大流出幅は、電気接続部材および導電構造体によって形成される中間空間における凹のメニスカスに引き戻される。この凹のメニスカスは、はんだがまだ液状であるはんだ付けプロセスにおいてスペーサと導電構造体との垂直方向の間隔を増大させることによって生じる。
【0046】
上記の基板には有利にはガラス、殊に有利には板ガラス、フロートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、酸化カルシウム・ナトロンガラスが含まれる。有利な択一的な実施形態において上記の基板には、ポリマ、殊に有利にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートおよび/またはこれらの混合物が含まれている。
【0047】
この基板は、第1の熱膨張率を有する。この第1の熱膨張率は有利には8×10-6/℃から9×10-6/℃である。この基板には有利には、0℃から300℃の温度領域において8.3×10-6/℃から9×10-6/℃の熱膨張率を有するガラスが含まれている。
【0048】
本発明の上記の課題はさらに、少なくとも1つの接続面を有する電気接続素子によって解決され、ここでは、
− はんだペーストが上記の接続面に配置されており、
− 上記のはんだペーストに少なくとも1つの凹部が配置されており、
− 少なくとも上記の凹部にはフラックスが配置されている。
【0049】
ここで上記の凹部には完全にまたは部分的にフラックスが充填されている。
【0050】
上記の接続面の領域では、接続部材に1つまたは複数の凹部を入れることができる。この凹部には完全にまたは部分的にフラックスを充填することができる。
【0051】
本発明による接続部材には有利には、少なくとも1つの鉄・ニッケル合金、鉄・ニッケル・コバルト合金または鉄・クロム合金が含まれている。
【0052】
本発明による接続部材には有利には、少なくとも50重量%から89.5重量%の鉄、0重量%から50重量パーセントのニッケル、0重量%から20重量%のクロム、0重量%から20重量%のコバルト、0重量%から1.5重量%のマグネシウム、0重量%から1重量%のケイ素、0重量%から1重量%の炭素、0重量%から2重量%のマンガン、0重量%から5重量%のモリブデン、0重量%から1重量%のチタン、0重量%から1重量%のニオブ、0重量%から1重量%のバナジウム、0重量%から1重量%のアルミニウムおよび/または0重量%から1重量%のタングステンが含まれている。
【0053】
上記の接続部材は第2の熱膨張率を有する。本発明の有利な実施形態において第1の熱膨張率と第2の熱膨張率との差分は、≧5×10-6/℃である。第2の熱膨張率は有利には0℃から300℃の温度領域において0.1×10-6/℃から4×10-6/℃であり、殊に有利には0.3×10-6/℃から3×10-6/℃である。
【0054】
本発明による接続部材には有利には、少なくとも50重量%から75重量%の鉄、25重量%から50重量%のニッケル、0重量%から20重量%のコバルト、0重量%から1.5重量%のマグネシウム、0重量%から1重量%のケイ素、0重量%から1重量%の炭素および/または0重量%から1重量%のマンガンが含まれている。本発明による接続部材には有利には、クロム、ニオブ、アルミニウム、バナジウム、タングステンおよび0重量%から1重量%の割合のチタン、0重量%から5重量%の割合のモリブデンならびに製造に起因する複数の添加物が含まれている。本発明の殊に大きな利点は、基板におけるクリティカルな引っ張り応力が回避されることである。さらに導電率およびはんだ付け性が有利である。
【0055】
本発明による接続部材には有利には、少なくとも55重量%から70重量%の鉄、30重量%から45重量%のニッケル、0重量%から5重量%のコバルト、0重量%から1重量%のマグネシウム、0重量%から1重量%のケイ素および/または0重量%から1重量%の炭素が含まれている。このことは、はんだ付け性、導電率および基板における引っ張り応力の低減の点から殊に有利である。
【0056】
本発明による接続部材には有利にはインバー(FeNi)が含まれている。インバーは、例えば36重量%のニッケルを含有する鉄・ニッケル合金(FeNi36)である。これは、所定の温度領域において変則的に小さいまたは部分的に負の熱膨張率を有する合金および化合物のグループである。Fe65Ni35インバーには、65重量%の鉄と35重量%のニッケルが含まれている。1重量%までのマグネシウム、ケイ素および炭素が一般に合金にされ、これによって機械的な特性を変化させる。5重量%のコバルトを合金にすることにより、熱膨張率をさらに低減することができる。上記の合金の1つの名称は、Inovcoであり、これは0.55×10-6/℃の熱膨張率(20℃から100℃)を有するFeNi33Co4.5である。
【0057】
4×10-6/℃未満の極めて小さい絶対的な熱膨張率を有するインバーを使用する場合、ガラスにおけるクリティカルでない圧縮応力により、または合金におけるクリティカルでない引っ張り応力により、上記の機械的応力が過剰に補償される。
【0058】
本発明の別の有利な実施形態において、第1の熱膨張率と第2の熱膨張率との間の差分は<5×10-6/℃である。第1の熱膨張率と第2の熱膨張率との間のこの小さい差分により、ウィンドウガラスにおけるクリティカルな機械的応力が回避され、良好な接着が得られる。ここで第2の熱膨張率は、0℃から300℃の温度領域において4×10-6/℃から8×10-6/℃,殊に有利には4×10-6/℃から6×10-6/℃である。
【0059】
本発明による接続部材には有利には、少なくとも50重量%から60重量%の鉄、25重量%から35重量%のニッケル、15重量%から20重量%のコバルト、0重量%から0.5重量%のケイ素、0重量%から0.1重量%の炭素および/または0重量%から0.5重量%のマンガンが含まれている。その優れた利点は、基板における機械的応力の回避、良好な導電率および良好なはんだ付け性である。
【0060】
本発明による接続部材には有利にはコバール(FeCoNi)が含まれている。コバールは、一般的に約5×10-6/℃の熱膨張率を有する鉄・ニッケル・コバルト合金である。したがって熱膨張率は、一般的な金属の熱膨張率より小さい。上記の混合物には、例えば、54重量%の鉄、29重量%のニッケルおよび17重量%のコバルトが含まれている。
【0061】
本発明による接続部材には有利には、アニールによって熱後処理され鉄・ニッケル合金および/または鉄・ニッケル・コバルト合金が含まれる。
【0062】
本発明の別の有利な実施形態において、第1の熱膨張率と第2の熱膨張率との間の差分も<5×10-6/℃である。第2の熱膨張率は有利には、0℃から300℃の温度領域において9×10-6/℃から13×10-6/℃であり、殊に有利には10×10-6/℃から11.5×10-6/℃である。
【0063】
本発明による接続部材には有利には、少なくとも50重量%から89.5重量%の鉄、10.5重量%から20重量%のクロム、0重量%から1重量%の炭素、0重量%から5重量%のニッケル、0重量%から2重量%のマンガン、0重量%から2.5重量%のモリブデンおよび/または0重量%から1重量%のチタンが含まれている。この接続部材は付加的に、別の元素の混合物を含むことができ、これらの元素としてバナジウム、アルミニウム、ニオブおよび窒素が挙げられる。
【0064】
本発明による接続部材はまた、少なくとも66.5重量%から89.5重量%の鉄、10.5重量%から20重量%のクロム、0重量%から1重量%の炭素、0重量%から5重量%のニッケル、0重量%から2重量%のマンガン、0重量%から2.5重量%のモリブデン、0重量%から2重量%のニオブ、および/または0重量%から1重量%のチタンを含み得る。
【0065】
本発明による接続部材には有利には、少なくとも65重量%から89.5重量%までの鉄、10.5重量%から20重量%までのクロム、0重量%から0.5重量%までの炭素、0重量%から2.5重量%までのニッケル、0重量%から1重量%までのマンガン、0重量%から1重量%までのモリブデン、および/または0重量%から1重量%までのチタンが含まれる。
【0066】
本発明による接続部材には有利にはまた、少なくとも73重量%から89.5重量%までの鉄、10.5重量%から20重量%までのクロム、0重量%から0.5重量%までの炭素、0重量%から2.5重量%までのニッケル、0重量%から1重量%までのマンガン、0重量%から1重量%までのモリブデン、0重量%から1重量%までのニオブ、および/または0重量%から1重量%までのチタンが含まれ得る。
【0067】
本発明による接続部材には有利には、少なくとも75重量%から84重量%までの鉄、16重量%から18.5重量%までのクロム、0重量%から0.1重量%までの炭素、0重量%から1重量%までのマンガン、および/または0重量%から1重量%までのチタンが含まれる。
【0068】
本発明による接続部材にはまた、少なくとも78.5重量%から84重量%までの鉄、16重量%から18.5重量%までのクロム、0重量%から0.1重量%までの炭素、0重量%から1重量%までのマンガン、0重量%から1重量%までのニオブ、および/または0重量%から1重量%までのチタンを含み得る。
【0069】
本発明による接続部材には有利には、クロムの割合が10.5重量%以上でありかつ9×10-6/℃から13×10-6/℃の熱膨張率を有するクロム含有綱が含まれる。モリブデン、マンガンまたはニオブなどの別の合金構成成分により、耐食性が改善されるかまたは引っ張り強さまたは冷間加工性などの機械的特性が変化する。
【0070】
チタンからなる従来技術の接続部材に比べた場合のクロム含有綱からなる接続部材の利点は、このクロム含有綱の熱伝導率が高いことにより、はんだ付け性が一層良好になることである。これにより、はんだ付けプロセス中に接続部材が一層均一に加熱される。ここでは接続部材がウィンドウガラスに一層良好に接着される。さらにクロム含有綱は、良好に溶接可能であり、また一層良好な冷間加工性を有する。これにより、溶接またはかしめによって、例えば銅のような導電性材料を介して、接続部材と電装品とを一層良好に接続することができる。さらにクロム含有綱は入手が容易である。
【0071】
上記の基板には、例えばスクリーン印刷法によって導電構造体が被着される。本発明による導電構造体は、5μmから40μm,有利には8μmから15μmの、殊に有利には10μmから12μmの層厚を有する。本発明による導電構造体には有利には、銀、殊に有利には銀粒子およびガラスフリットが含まれている。
【0072】
本発明による接続部材は有利には、ニッケル、すず、銅および/また銀によってコーティングされる。本発明による接続部材には殊に有利には、接着を促進する層、有利にニッケルおよび/または銅からなる層と、付加的にははんだ付け可能な濡れ層、有利には銀からなる層とが被着される。本発明による接続部材には極めて有利には0.1μmから0.3μmのニッケルおよび/または3μmから20μmの銀によってコーティングされる。この接続部材はニッケルメッキ、すずメッキ、銅メッキおよび/または銀メッキすることができる。ニッケルおよび銀は、接続部材の電流容量および耐食性およびはんだペーストとの濡れ性を改善する。
【0073】
鉄・ニッケル合金、鉄・ニッケル・コバルト合金または鉄・クロム合金は、補償プレートとして、例えば鉄含有合金、アルミニウム、チタンまたは銅製の接続部材上に溶接、圧着または接着することができる。ガラス膨張率を基準にした有利な接続部材の膨張特性をバイメタルとして得ることができる。上記の補償プレートは有利には帽子形状をしている。
【0074】
接続部材には、はんだペースト側を向いた面にコーティングを含んでおり、このコーティングには、銅、すず、亜鉛、銀、金またはこれらの合金または層、有利には銀が含まれている。これにより、このコーティングを越えてはんだペーストが拡がるのが阻止され、上記の流出幅が制限される。
【0075】
電気接続部材の形状は、接続部材と導電構造体との間の中間空間におけるはんだ貯蔵部を構成することができる。このはんだ貯蔵部および接続部材のはんだの濡れ性により、この中間空間からのはんだペーストの流れ出しが阻止される。はんだ貯蔵部は、矩形状、丸形状または多角形状に形成可能である。
【0076】
はんだプロセスにおけるはんだ熱の分散、ひいてははんだペーストの分散は、接続部材の形状によって設定することができる。はんだペーストは、最も熱い点に向かって流れる。例えば、接続部材は、接続部材においてはんだプロセス中の熱を有利に分散させるため、1重または2重の帽子形状を有し得る。
【0077】
電気接続部材と導電構造体とを電気接続する際のエネルギの供給は有利には、スタンプ、サーモード、こてはんだ付け、有利にはレーザはんだ付け、熱風はんだ付け、誘導はんだ付け、抵抗はんだ付けによって、および/または超音波によって行われる。
【0078】
接続部材は、例えば銅製の図示しない金属薄板、撚り線、網に溶接されるかまたは圧着されて、同様に図示しない電装品に接続される。
【0079】
接続部材は有利には、建物、殊に自動車、鉄道、飛行機または船舶におけるヒータ付きウィンドウガラスまたはアンテナ付きウィンドウガラスにおいて機能的および/または装飾的な個別部品に利用される。上記の接続部材は、ウィンドウガラスの導電構造体と、このウィンドウガラスの外部に配置される電気的なシステムとを接続するために使用される。この電気的なシステムは、アンプ、制御ユニットまたは電源である。
【0080】
本発明によって製造されるウィンドウガラスは有利には、建物、殊に自動車、鉄道、飛行機または船舶における機能的および/または装飾的な個別部品においてヒータ付きウィンドウガラスまたはアンテナ付きウィンドウガラスとして、または家具および装置における組み込み部材として利用される。
【0081】
図面および実施例に基づき、本発明を詳しく説明する。図面が略図であり、縮尺通りではない。この図面によって本発明が制限されることはまったくない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】接続部材を有する本発明のウィンドウガラスの第1実施形態の斜視図である。
図2】はんだ付けの前の、したがってウィンドウガラスのない、はんだペーストおよびフラックスを有する本発明の接続部材の断面A−A’を示す図である。
図3】はんだ付けの前の、したがってウィンドウガラスのない、はんだペーストおよびフラックスを有する接続部材の択一的な実施形態の断面A−A’を示す図である。
図4】はんだ付けの前の、したがってウィンドウガラスのない、はんだペーストおよびフラックスを有する接続部材の別の択一的な実施形態の断面A−A’を示す図である。
図4a】はんだ付けの前の、したがってウィンドウガラスのない、はんだペーストおよびフラックスを有する接続部材のさらに別の択一的な実施形態の断面A−A’を示す図である。
図5】はんだ付けの前の、したがってウィンドウガラスのない、はんだペーストおよびフラックスを有する接続部材のさらに別の択一的な実施形態の断面A−A’を示す図である。
図6】はんだ付けの前の、したがってウィンドウガラスのない、はんだペーストおよびフラックスを有する接続部材のさらに別の択一的な実施形態の断面A−A’を示す図である。
図7】はんだ付けの前の、したがってウィンドウガラスのない、はんだペーストおよびフラックスを有する接続部材のさらに別の択一的な実施形態の断面A−A’を示す図である。
図8】はんだ付け前の、図7のはんだペーストおよびフラックスを有する接続部材の断面B−B’を示す図である。
図9図2に示した接続部材の下側面の平面図である。
図10】はんだ付け前の、はんだペーストおよびフラックスを有する接続部材の択一的な実施形態の下側面の平面図である。
図11】はんだ付け前の、はんだペーストおよびフラックスを有する接続部材のさらに別の択一的な実施形態の下側面の平面図である。
図12】はんだ付け前の、はんだペーストおよびフラックスを有する接続部材のさらに別の択一的な実施形態の下側面の平面図である。
図13】はんだ付け前の、はんだペーストおよびフラックスを有する接続部材のさらに別の択一的な実施形態の下側面の平面図である。
図14】ウィンドウガラスのない、はんだペーストと接続する前の本発明による接続部材の1つの実施形態の断面A−A’を示す図である。
図14a】ウィンドウガラスのない、はんだペーストと接続する前の本発明による接続部材の別の1つの実施形態の断面A−A’を示す図である。
図15】ウィンドウガラスのない、はんだペーストと接続した後の図14の断面A−A’を示す図である。
図16】はんだペーストを有するが、ウィンドウガラスのない本発明の接続部材の択一的な実施形態の断面B−B’を示す図である。
図17図1に示したウィンドウガラスの断面A−A’を示す図である。
図18】接続部材を有する、本発明による択一的なウィンドウガラスの断面A−A’を示す図である。
図19】接続部材を有する、本発明による別の択一的なウィンドウガラスの断面A−A’を示す図である。
図20】接続部材を有する、本発明によるさらに別の択一的なウィンドウガラスの断面A−A’を示す図である。
図21】接続部材を有する、本発明によるさらに別の択一的なウィンドウガラスの断面A−A’を示す図である。
図22】接続部材を有する本発明によるウィンドウガラスの択一的な実施形態の平面図を示す図である。
図23図22に示したウィンドウガラスの断面C−C’を示す図である。
図24】接続部材を有する本発明によるウィンドウガラスの択一的な実施形態の平面図を示す図である。
図25】接続部材を有する本発明によるウィンドウガラスの別の択一的な実施形態の平面図を示す図である。
図26】本発明による方法の実施形態の詳細な流れ図である。
図27】本発明による方法の択一的な実施形態の詳細な流れ図である。
【実施例】
【0083】
図1および17には本発明による加熱可能なウィンドウガラス1の詳細が、電気接続部材3の領域において1つずつ示されている。ウィンドウガラス1は、ナトロン・酸化カルシウム・ガラス製の3mm厚の熱強化安全ガラスである。ウィンドウガラス1は、150cmの幅と80cmの高さを有する。ウィンドウガラス1には加熱導体構造体2の形態の導電構造体2がプリントされている。導電構造体2には、銀粒子およびガラスフリットが含まれている。ウィンドウガラス1の縁部領域には、導電構造体2が10mmの幅で拡がっており、電気接続部材3用の接続面を構成している。ウィンドウガラス1の縁部領域にはさらに、図示しないカバースクリーン印刷部が設けられている。
【0084】
電気接続部材3は、ブリッジ状に構成されており、また4mmの厚さおよび24mmの長さを有する。電気接続部材3は、10.0×10-6/℃の熱膨張率を有するEN10 088-2に記載された材料番号1.4509の綱(TyssenKrupp Nirosta(商標登録)4509)からなる。2つの接続面8は、矩形に成形されており、4mmの幅および6mmの長さを有しており、ブリッジ9を介して互いに接続されている。ブリッジ9は、3つの平坦セクションから構成されている。接続面8に直接隣接する、ブリッジ9の2つのセクションのうちの各セクションの基板1側を向いた面と、基板1の表面とは、40°の角度をなしている。その利点は、導電構造体2と、接続面8に隣接する、ブリッジ9の2つのセクションと間の毛細管効果にある。この毛細管効果は、導電構造体2と、接続面8に隣接する、ブリッジ9の2つのセクションとの間の間隔が狭いことに起因する。この狭い間隔は、基板1の表面と、接続面8に直接隣接する、ブリッジ9の各平坦セクションの下側との間の上記の角度によって得られる。接続部材と導電構造体との間の所望の間隔は、はんだペーストの熔解後に調整される。余剰のはんだペーストは、上記の毛細管効果によって制御されて、ブリッジ9および導電構造体2によって区切られる容積内に吸引される。これによって、上記の接続部材の外側エッジへのはんだペーストのオーバーフローが小さくなり、ひいては最大流出幅が低減される。したがってウィンドウガラスにおける機械的応力が低減されるのである。
【0085】
電気接続部材3と導電構造体2との間の接続面8の領域にははんだペースト4が被着されており、このはんだペーストは、電気接続部材3と導電構造体2との間で持続的な電気的および機械的な接続を行う。はんだペースト4には57重量%のビスマスと、42重量%のすずと、1重量%の銀とが含まれている。はんだペースト4は、あらかじめ設定された体積および形状で完全に電気接続部材3と導電構造体2との間に配置されている。はんだペースト4の厚さは250μmである。
【0086】
図2には、はんだ付けプロセス前の、図1に示した本発明による接続部材3の詳細が示されている。はんだペースト4は、幅3mm、長さ5.5mmおよび厚さ0.38mmの小プレートとして各接続面8に配置されている。はんだペースト4は、第1コンタクト面10を介して接続面8に接続されている。第2コンタクト面11の複数の部分領域12には幅0.4mmの幅を有する4つの凹部6が、はんだペースト4内に入れられている。これらの部分領域12は、コンタクト面11の一方のエッジから反対側のエッジに向かって互いに平行に延在している。コンタクト面11の複数の部分領域13は平坦に成形されており、これらの部分領域13にははんだペースト4には凹部6が入れられていない。コンタクト面10および11に垂直な断面において凹部6は矩形である。凹部6は、0.2mmの深さを有する。フラックス7は、凹部6に配置されている。フラックス7には有利には、コロフォニウムおよび別の添加物が含まれている。
【0087】
図3には、はんだ付けプロセス前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する本発明の接続部材3の択一的な実施形態が示されている。はんだペースト4および凹部6は、図2のように成形されている。はんだペースト4は、第2のコンタクト面11を介して接続面8上に配置されており、この第2のコンタクト面には複数の凹部6がはんだペースト4内に入れられている。このようにすることは、空気中の酸素による酸化からフラックス7を保護するという観点から殊に有利である。
【0088】
図4には、はんだ付けプロセスの前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する本発明による接続部材3の別の択一的な実施形態が示されている。はんだペースト4は、第1のコンタクト面10を介して接続面8に接続されている。第2のコンタクト面11の部分領域12には、深さ0.2mmの3つの凹部6がはんだペースト4に入れられている。これらの部分領域12は、コンタクト面11の一方のエッジから反対側のエッジに向かって互いに平行に延在している。コンタクト面10および11に垂直な断面において、凹部6は、対称な台形になっている。この台形の長い方の底辺は、コンタクト面11に配置されており、長さは0.45mmである。この台形の短い上辺の長さは0.3mmである。コンタクト面11に平行な方向の凹部6の断面積は、コンタクト面11との距離が大きくなるのに伴って小さくなる。このようにすることの利点は、縁部領域におけるはんだペースト4の安定性が一層高くなることである。フラックス7は、凹部6内に配置される。
【0089】
図4aには、はんだ付けプロセス前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する本発明による接続部材3の別の択一的な実施形態が示されている。はんだペースト4は、第1のコンタクト面10を介して接続面8に接続されている。第2のコンタクト面11の部分領域12には、深さ0.2mmの3つの凹部6がはんだペースト4内に入れられている。これらの部分領域12は、コンタクト面11の一方のエッジから反対側のエッジに向かって互いに平行に延在している。コンタクト面10および11に対して垂直な断面において、凹部6は対称な台形をしている。この台形の短い方の底辺は、コンタクト面11に配置されており、長さ0.3mmである。この台形の長い方の上辺の長さ0.45mmである。コンタクト面11に平行な方向の凹部6の断面積は、コンタクト面11との距離が大きくなるのに伴って大きくなっている。これにより有利にも、凹部6からフラックス7が脱落してしまうことを阻止することができる。
【0090】
図5には、はんだ付けプロセスの前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する本発明の接続部材3の別の択一的な実施形態が示されている。はんだペースト4は、第1のコンタクト面10を介して接続面8に接続されている。第2のコンタクト面11の複数の部分領域12では、0.25mmの深さおよび0.2mmの幅を有する5つの凹部6がはんだペースト4に入れられている。複数の部分領域12は、コンタクト面11の一方のエッジから反対側のエッジに向かって互いに平行に延在している。コンタクト面10および11に垂直な断面において、各凹部6は、楕円セグメントの形状を有する。フラックス7はこれらの凹部6に配置される。
【0091】
図6には、はんだ付けプロセスの前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する本発明の接続部材3のさらに別の択一的な実施形態が示されている。はんだペースト4は、第1のコンタクト面10を介して接続面8に接続されている。第2のコンタクト面11の複数の部分領域12でははんだペースト4に5つの凹部6が入れられている。これらの部分領域12は、コンタクト面11の一方のエッジから反対側のエッジに向かって互いに平行に延在している。コンタクト面10および11に垂直な断面において各凹部6は、楕円セグメントの形状を有する。はんだペースト4の外側のエッジに対して最も距離が短い2つの凹部6の深さは0.05mmであり、中央の凹部の深さは0.25mmであり、これらの間にある凹部の深さは0.15mmである。凹部6の深さが異なることの利点は、上記の縁部領域においてはんだペースト4の安定性が一層高くなっていることである。フラックス7は凹部6に配置されている。
【0092】
図7および図8には、はんだ付けプロセス前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する本発明による接続部材3の択一的な実施形態の詳細が1つずつ示されている。第2のコンタクト面11の1つ部分領域12でははんだペースト4内に深さ0.2mmの凹部6が入れられている。この部分領域12は、長さ4.5mmおよび幅2mmで矩形に成形されている。はんだペースト4は、コンタクト面11にわたり、接続部材3の接続面8に接続されている。
【0093】
図9には、はんだ付けプロセス前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する、図2に示した本発明による接続部材3の詳細が示されている。第2のコンタクト11の複数の部分領域12は、コンタクト面11の一方のエッジから反対側のエッジに向かって互いに平行に延在しており、このコンタクト面11でははんだペースト4に複数の凹部が入れられている。各凹部6の幅は0.4mmである。
【0094】
図10には、はんだ付けプロセス前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する本発明の接続部材3の択一的な実施形態が示されている。はんだペースト4は、第1のコンタクト面10を介して接続面8に接続されている。第2のコンタクト面11の複数の部分領域12でははんだペースト4内に深さ0.2mmの9つの凹部6が入れられている。これらの部分領域12は、コンタクト面11の面において部分領域13によって完全に包囲されており、この部分領域13には凹部は入れられていない。各部分領域12は、半径0.25mmの円として成形されている。フラックス7は凹部6に配置される。
【0095】
図11には、はんだ付けプロセス前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する本発明の接続部材3の別の択一的な実施形態が示されている。はんだペースト4は、第1のコンタクト面10を介して接続面8に接続されている。第2のコンタクト面11の複数の部分領域12でははんだペースト4に深さ0.2mmの9個の凹部6が入れられている。これらの部分領域12は、コンタクト面11の面において部分領域13によって完全に包囲されており、この部分領域13には凹部は入れられていない。各部分領域12は、矩形に成形されており、0.5mmの長さおよび幅を有する。フラックス7は、凹部6に配置される。
【0096】
図12には、はんだ付けプロセス前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する本発明の接続部材3の別の択一的な実施形態が示されている。第2のコンタクト面11の部分領域12でははんだペースト4に凹部6が入れられている。部分領域12は、コンタクト面11の面において部分領域13によって完全に包囲されており、この部分領域13には凹部は入れられていない。部分領域12は、直径1mmの円として成形されており、この円には長さ2mmの楕円セグメントの形状した4つの突出部が配置されており、これらの楕円セグメントは、コンタクト面11のコーナを向いている。凹部6およびフラックス7の形状により、はんだペースト4におけるはんだ熱を有利に分散させることができる。
【0097】
図13には、はんだ付けプロセス前の、はんだペースト4およびフラックス7を有する本発明の接続部材3の別の択一的な実施形態が示されている。接続面11のエッジを向いている部分領域12の突出部により、はんだ付けプロセス中のはんだペースト4におけるはんだの熱を有利に分散させることができる。
【0098】
図14には、本発明による方法の1つの実施例における、接続の前の接続部材3およびはんだペースト4を通る断面A−A’が示されている。接続面8の領域では接続部材3に深さ0.3mmの凹み16が入れられている。接続面に平行方向の、凹み16の矩形の断面積は、この凹みの部分領域において接続面8からの距離が増大するのに伴って0.8mm2から1mm2に増大している。はんだペースト4の第1のコンタクト面10には、突起部17が配置されている。突起部17は、長さ0.8mmおよび高さ0.45mmの平行6面体として成形されている。はんだペースト4を接続部材3に押し込む前に突起部17は凹部16に位置決めされる。
【0099】
図14aには、本発明による方法の択一的な実施例における、接続の前の接続部材3およびはんだペースト4を通る断面A−A’が示されている。接続部材3の凹み16およびはんだペースト4の突起部17は、図14のように成形されている。凹み16にはフラックス7が配置されている。接続面8の領域では接続部材3に深さ0.3mmの別の2つの凹み20が入れられている。これらの凹み20にもフラックス7が配置されている。このようにすることの利点は、はんだペースト4と接続部材3との間のコンタクト領域にフラックス7が位置決めされることであり、ここではこのフラックス7が空気中の酸素による酸化および脱落から保護される。
【0100】
図15には、押し込みによって接続した後の、図14の接続部材3およびはんだペースト4を通る断面が示されている。突起部17は、図14に比べて変形している。接続面8に平行な方向の、突起部17の最大断面積は、凹み16の最小断面積よりも大きい。これにより、はんだペースト4と接続部材3とのこの接続は持続的に安定化する。
【0101】
図16には、本発明による方法の択一的な実施例において、押し込みによって接続した後の、接続部材3およびはんだペースト4を通る断面B−B’が示されている。接続面8の部分領域は、鋸歯プロフィールを有する。この断面が示しているのは、鋸歯プロフィールの1つの列である。図示した断面の前後にはそれぞれ、鋸歯プロフィールが逆になった別の1つの列が配置されている。はんだペースト4を接続面8に押し付けることにより、はんだペースト4は、コンタクト面10によって上記の鋸歯プロフィール状に傾斜が付けられる。これにより、はんだペーストと接続部材との接続が持続的に安定化する。
【0102】
図17には、図1に示した本発明によるウィンドウガラスを通る断面A−A’が示されている。
【0103】
図18には、図1および17の実施例の続きで本発明によるウィンドウガラスの択一的な実施形態が示されている。電気接続部材3には、はんだペースト4を向いている面に銀含有コーティング部5が設けられている。これにより、コーティング部5を越えてはんだペーストが拡がることが阻止され、流出幅bが制限される。別の実施形態では、接続部材3と銀含有コーティング部5との間に、例えばニッケルおよび/または銅製の接着促進層を設けることができる。はんだペースト4の流出幅bは1mm未満である。
【0104】
図19には、図1および17の実施例の続きで本発明によるウィンドウガラスの別の択一的な実施形態が示されている。電気接続部材3は、はんだペースト4側を向いた面に、はんだペースト4用のはんだ貯蔵部を構成する深さ250μmの凹部を有する。中間空間からのはんだペースト4の流出を完全に阻止することができる。
【0105】
図20には、図1および17の実施例の続きで本発明によるウィンドウガラスの択一的な実施形態が示されている。電気接続部材3は、縁部領域において折り曲げられている。ガラス板1からこれらの縁部領域が折り曲げられる高さは、最大400μmである。これにより、はんだペースト4用の空間が形成される。所定のはんだペースト4は、電気接続部材3と導電性構造体2との間に凹のメニスカスを形成する。上記の中間空間からのはんだペースト4の流出は完全に阻止することができる。流出幅bはほぼ0であり、メニスカスが形成されることによって、大抵の場合は0未満である。
【0106】
図21には、ブリッジ形の接続部材3を有する本発明のウィンドウガラスの別の択一的に実施形態が示されている。接続部材3には、8×10-6/℃の熱膨張率を有する鉄含有合金が含まれている。この材料の厚さは2mmである。接続部材3の接続面8の領域には、EN 10 088-2に記載された材料番号1.4509のクロム含有綱(ThyssenKrupp Nirosta(登録商標)4509)を有する帽子形調整体15が載置されている。帽子形調整体15の最大層厚は4mmである。この調整体により、ウィンドウガラス1およびはんだペースト4の要求に接続部材3の熱膨張率を適合させることができる。帽子形調整体15により、はんだ接続部4の作製中の熱流が改善される。加熱は殊に接続面8の中心において行われる。はんだペースト4の流出幅bをさらに低減することができる。1mm未満の短い流出幅bにより、また膨張係数を適合化することにより、ウィンドウガラス1における熱応力をさらに低減することができる。
【0107】
図22および図23には、EN 10 088-2に記載された材料番号1.4509の綱(ThyssenKrupp Nirosta(登録商標)4509)からなるブリッジ形の接続部材3を有する本発明のウィンドウガラスの別の択一的な実施形態の詳細がそれぞれ示されている。各接続面8は、半径3mmおよび276°の中心角を有する弓形の形状を有する。
【0108】
はんだ付けプロセス中には、上記の接続面に対向する接続部材の面に配置されているはんだ付け個所から出発して熱分布が拡がる。2つの点熱源の場合に等温線は簡略化すると、これらのはんだ付け個所の周りの同心円として示すことができる。接続面8の形状は、はんだ付けプロセス中のこれらのはんだ付け個所周りの熱分布の形状に近似させることができる。したがってこのはんだ付けプロセス中にこれらの接続面の縁部に沿って温度差は生じないかまたは生じたとしてもわずかである。これにより、接続部材と導電性構造体との間の接続面全体領域において、はんだペーストが均一に溶融することになる。このことは、接続部材の接着、はんだ付けプロセスの持続時間の短縮およびウィンドウガラスにおける機械的応力の回避の点から殊に有利である。
【0109】
基板1とは反対側を向いた接続部材3の面には2つのコンタクト隆起部14が配置されている。これらのコンタクト隆起部14には、接続部材3と同じ合金が含まれている。これらのコンタクト隆起部14の中心点は、2つの接続面8の円中心点の上に、基板の表面に対して垂直に配置されている。コンタクト隆起部14は、半球として成形されており、2.5×10-4mの高さと、5×10-4mの幅を有する。本発明の択一的な実施形態において各コンタクト隆起部は、例えば、基板とは反対側を向いておりかつ凸に湾曲して成形された面を有する平行六面体としてまたは回転楕円体のセグメントとして成形することができる。これらのコンタクト隆起部は有利には0.1mmないし2mmの高さを有し得る。コンタクト隆起部の長さおよび幅は有利には0.1から5mmの間、殊に有利には0.4mmから3mmの間の値をとり得る。これらのコンタクト隆起部は、エンボッシング部として形成することができる。はんだ付けプロセス中、はんだ電極は、コンタクト隆起部14に接触接続される。有利にはコンタクト面が平坦に成形されたはんだ電極が使用される。電極面とコンタクト隆起部14のコンタクト領域がはんだ付け個所を構成する。ここではんだ付け個所の位置は有利には、コンタクト隆起部の凸の表面上の点によって定められ、この点は、基板の表面に対して垂直方向の距離が最大である。はんだ個所の位置は、接続部材上のはんだ電極の位置には依存しない。このことは、はんだ付けプロセス中の再現可能かつ均一な熱分布の観点から殊に有利である。
【0110】
各接続面8には3つのスペーサ19が配置されている。スペーサ19は、半球として成形されており、2.5×10-4mの高さおよび5×10-4mの幅を有する。スペーサ19には、接続部材3と同じ合金が含まれている。本発明の択一的に実施形態においてこれらのスペーサは、例えば立方体として、角錐としてまたは回転楕円体のセグメントとして成形することができる。スペーサは有利には、0.5×10-4mから10×10-4mの幅および0.5×10-4mから5×10-4mの、殊に有利には1×10-4mから3×10-4mの高さを有し得る。スペーサは、エンボッシング部として形成することができる。スペーサにより、均一なはんだペースト層が有利に形成される。このことは、上記の接続部材の接着という観点から殊に有利である。
【0111】
コンタクト隆起部14およびスペーサ19は有利な実施形態において接続部材3と一体に形成することができる。コンタクト隆起部14およびスペーサ19は、例えば、出発状態において平坦表面を有する接続部材3を変形することにより、例えばエンボッシングまたは深絞りにより、この表面上に形成することができる。ここではコンタクト隆起部14ないしはスペーサ19に対向する接続部材3の表面に相応の凹みを形成することができる。
【0112】
コンタクト隆起部14およびスペーサ19により、均一均等な厚さの、および均等に熔解するはんだペースト4の層が得られる。これにより、接続部材3と基板1との間の機械的応力が低減される。これは、例えば、含鉛はんだに比べてしばしば展延性が低いことに起因して、良好には補償することができないはんだフリーのはんだペーストを使用する際に殊に有利である。
【0113】
図24には、電気接続部材3の領域における、本発明によるウィンドウガラス1の別の択一的な実施形態の平面図が示されている。電気接続部材3は、楕円形状の底面によって形成されている。長軸の長さは12mmであり、短軸の長さ5mmである。接続部材3の材料の厚さは0.8mmである。接続部材3は、接続面8を介して導電構造体2の部分領域に完全に接続される。
【0114】
図25には、電気接続部材3の領域における、本発明によるウィンドウガラス1の別の択一的な実施形態の平面図が示されている。この接続部材3は、矩形に形成されており、この矩形の短い方の2つの辺は半円形に形成されている。接続部材3は、5mmの幅および14mmの長さを有する。
【0115】
図26には電気接続部材3を有するウィンドウガラス1を製造する本発明の方法の実施例が詳細に示されている。第1のステップでは、はんだペースト4が形状および体積にしたがって一定量に取り分けられる。ここでははんだペースト4は、3mmの幅および0.38mmの厚さおよび平坦に成形された表面を有する帯に圧延される。この帯から長さ5.5mmを有する、はんだペースト4の複数の小プレートが切り出される。つぎに一定量に取り分けられたはんだペースト4は、第1のコンタクト面10において電気接続部材3の接続面8に配置される。その後、接続部材3とは反対側を向いた、はんだペースト4のコンタクト面11に複数の凹部6が刻み込まれる。フラックス7は、コンタクト面11に塗布されて少なくとも上記の凹部6に配置される。電気接続部材3は、はんだペースト4およびフラックス7と共に導電構造体2に配置される。ここでエネルギ入力下で電気接続部材3が導電構造体2に接続され、ひいてはウィンドウガラス1に接続されるのである。
【0116】
図27には、電気接続部材3を有するガラスウィンドウ1を製造する本発明の方法の択一的な実施例が詳しく示されている。第1のステップでははんだペースト4が、複数の凹部6を伴い、体積および形状にしたがって一定量に取り分けられる。はんだペースト4は、3mmの幅および0.38mmの厚さを有する帯に圧延され、ローラの表面は構造化されて成形されているため、はんだペースト4におけるこの帯の表面に複数の凹部が入れられる。この帯から長さ5.5mmのはんだペースト4の小プレートが切り出される。つぎにはんだペースト4に複数の凹部6が入れられているコンタクト面11にフラックス7が塗布される。フラックス7を有しかつ一定量に取り分けられたはんだペースト4は、その後、電気接続部材3の接続面8上のコンタクト面10に配置される。択一的には接続面8上のコンタクト面11にはんだペースト4を配置することが可能である。電気接続部材3は、はんだペースト4およびフラックス7と共に導電構造体2上に配置される。ここでエネルギ入力下で電気接続部材3と導電構造体2との持続的な接続が行われ、またこれによってウィンドウガラス1との接続が行われる。
【0117】
択一的な実施例では、はんだペースト4は、平坦に成形された表面を有する帯に圧延され、複数の小プレートに切り分けられ、引き続いて複数の凹部6がこれらの小プレートのコンタクト面11に刻み込まれる。
【0118】
別の実施例において、はんだペースト4は、表面に凹部を有する帯に圧延される。フラックス7は少なくともこれらの凹部に配置され、その後、フラックス7を有するはんだペースト4の小プレートが切り分けられる。
【0119】

図26に記載した本発明による方法にしたがって複数のテスト試料を作製した。これらのテスト試料は、加熱導体構造の形態の導電構造体2を備えた(厚さ3mm,幅150cmおよび高さ80cmの)ウィンドウガラス1と、電気接続部材3と、この接続部材3の接続面8上の銀層5と、凹部6およびフラックス7を有するはんだペースト4とを有する。接続部材3の材料の厚さは0.8mmである。接続部材3には、EN 10 088-2に記載された材料番号1.4509の綱(ThyssenKrupp Nirosta(登録商標)4509)が含まれている。電気接続部材3,はんだ付けプロセス前のはんだペースト4および凹部6は、図2および9にしたがって成形した。フラックスはStannol(登録商標)400-25である。フラックス7には、コロフォニウムおよび別の添加物が含まれている。接続部材3は、はんだペースト4およびフラックス7と共に導電構造体2に取り付けられている。200℃の温度および2秒の処理持続時間で導電構造体2上に接続部材3をはんだ付けした。50μmの層厚tを上回る導電構造体2と電気接続部材3との間の中間空間からのはんだペースト4の流れ出しは、b=0.4mmの最大流れ出し幅で観察されただけである。電気接続部材3、接続部材3の接続面8上の銀層5、および、凹部6およびフラックス7を有するはんだペースト4の量および組成は表1に記載されている。接続部材3および導電構造体2によって設定されるはんだペースト4の配置構成により、ウィンドウガラス1におけるクリティカルな機械的応力は観察されなかった。ウィンドウガラス1と電気接続部材3との上記の接続は、すべての試料において、はんだペースト4とフラックス7とによるはんだ付けの後、導電構造体2にわたって持続的に安定していた。
【0120】
すべての試料において+80℃から−30℃までの温度差において、ガラス基板1が割れることはなくまた損傷を有していないことを観察することができた。ここで示すことができたのは、はんだ付けの直後、接続部材3がはんだ付けされたこのウィンドウガラス1が急峻な温度低下に対して安定であったことである。
【0121】
【表1】
【0122】
比較のための例
以下の比較のための例は、上記の例と同様に実施した。違いは、はんだ付けプロセスの前のはんだペースト4の構成である。はんだペースト4には、凹部6を入れなかった。これにより、フラックスは、接続部材の搬送時のこすれによる損失から保護されていないのである。
【0123】
上記の例の試料と、比較のための試料とを比較することによって示されたのは、上記の試料の80%において、接続部材3と導電構造体2との間の安定な接続が改善されたことである。
【0124】
本発明による方法によって製造したウィンドウガラスは、電気接続部材3と導電構造体2との間の接続の安定性が一層改善されている。
【0125】
この結果は、当業者が予想し得なかったものであり、驚愕に値するものである。
【符号の説明】
【0126】
1 ウィンドウガラス、 2 導電構造体、 3 電気接続部材、 4 はんだペースト、 5 濡れ層、 6 はんだペースト内の凹部、 7 フラックス、 8 接続部材3の接続面、 9 2つの接続面8間のブリッジ、 10 はんだペースト4の第1のコンタクト面、 11 はんだペースト4の第2のコンタクト面、 12 コンタクト面11の部分領域、 13 コンタクト面11の部分領域、 14 コンタクト隆起部、 15 調整体、 16 接続部材3の凹み、 17 はんだペースト4の突出部、 19 スペーサ、 20 接続部材3の凹み、 b はんだペーストの最大流出幅、 t はんだペーストの境界厚さ、 A−A’ 断面識別記線、 B−B’ 断面識別記線、 C−C’ 断面識別記線
図1
図2
図3
図4
図4a
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図14a
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27