【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明の要旨は、
[1]非ヒト起源の抗原結合性領域およびヒト起源の抗体の少なくとも一部を含有する、α4 β7 インテグリンに対する結合特異性を有するヒト化免疫グロブリンまたはその抗原結合性断片の有効量を、粘膜組織の白血球浸潤に関連する疾患を有するヒトに投与することを含み、ここで該免疫グロブリンまたは断片は、初回投与の後、1回以上引き続き投与され、2つの投薬の最小の間隔はいずれも少なくとも約1日間であり、体重1kg当たり約8mg以下の免疫グロブリンまたは断片が約1ヶ月間に投与される、粘膜組織の白血球浸潤に関連する疾患を有するヒトの治療方法、
[2]前記免疫グロブリンまたは断片がα4 β7 インテグリンのα4 鎖に結合する、[1]記載の方法、
[3]前記免疫グロブリンまたは断片がα4 β7 インテグリンのβ7 鎖に結合する、[1]記載の方法、
[4]前記免疫グロブリンまたは断片がα4 β7 複合体に対する結合特異性を有する、[1]記載の方法、
[5]前記ヒト起源の免疫グロブリンの一部がヒト定常領域に由来する、[1]記載の方法、
[6]前記抗原結合性領域が齧歯類起源である、[5]記載の方法、
[7]前記抗原結合性領域が齧歯類起源の相補性決定領域を含有し、前記ヒト起源の抗体の一部がヒトフレームワーク領域に由来する、[1]記載の方法、
[8]前記抗原結合性領域が、以下のアミノ酸配列:
軽鎖:CDR1 配列番号:9
CDR2 配列番号:10
CDR3 配列番号:11
重鎖:CDR1 配列番号:12
CDR2 配列番号:13
CDR3 配列番号:14
の軽鎖可変領域の3つの相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)の内の少なくとも1つおよび重鎖可変領域の3つの相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)の内の少なくとも1つを含有する、[1]記載の方法、
[9]前記抗原結合性領域が、以下のアミノ酸配列:
軽鎖:CDR1 配列番号:9
CDR2 配列番号:10
CDR3 配列番号:11
重鎖:CDR1 配列番号:12
CDR2 配列番号:13
CDR3 配列番号:14
の軽鎖可変領域の3つの相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)および重鎖可変領域の3つの相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)を含有する、[8]記載の方法、
[10]前記ヒト化免疫グロブリンまたはその抗原結合性断片が重鎖および軽鎖を含有する、[1]記載の方法であって、
該軽鎖は、α4 β7 に結合する非ヒト起源の抗体に由来する相補性決定領域およびヒト起源の軽鎖に由来するフレームワーク領域を含有し、ここで各々の該相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)は以下のアミノ酸配列:
軽鎖:CDR1 配列番号:9
CDR2 配列番号:10
CDR3 配列番号:11
を含有する;かつ
該重鎖は、α4 β7 に結合する非ヒト起源の抗体に由来する相補性決定領域およびヒト起源の重鎖に由来するフレームワーク領域を含有し、ここで各々の該相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)は以下のアミノ酸配列:
重鎖:CDR1 配列番号:12
CDR2 配列番号:13
CDR3 配列番号:14
を含有する、方法、
[11]前記ヒト化免疫グロブリンまたはその抗原結合性断片が配列番号:6の重鎖可変領域を含有する、[10]記載の方法、
[12]前記ヒト化免疫グロブリンまたはその抗原結合性断片が配列番号:8の軽鎖可変領域を含有する、[10]記載の方法、
[13]前記投薬の各々が独立して体重1kg当たり約0.1 〜約8mgの免疫グロブリンまたは断片を含有する、[1]記載の方法、
[14]前記投薬の各々が独立して体重1kg当たり約0.1 〜約5mgの免疫グロブリンまたは断片を含有する、[1]記載の方法、
[15]前記投薬の各々が独立して体重1kg当たり約0.1 〜約2.5mg の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[1]記載の方法、
[16]前記投薬の各々が独立して体重1kg当たり約0.15、約0.5 、約1.0 、約1.5 または約2.0mg の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[1]記載の方法、
[17]投薬の間隔が少なくとも約7日間である、[1]記載の方法、
[18]投薬の間隔が少なくとも約14日間である、[1]記載の方法、
[19]投薬の間隔が少なくとも約21日間である、[1]記載の方法、
[20]投薬の間隔が少なくとも約28日間である、[1]記載の方法、
[21]投薬の間隔が少なくとも約30日間である、[1]記載の方法、
[22]前記投薬の各々が、独立してa )循環リンパ球上のα4 β7 インテグリン結合部位の約50%以上の飽和および/またはb )循環リンパ球の細胞表面上のα4 β7 インテグリン発現の約50%以上の阻害を達成するのに充分な量の免疫グロブリンまたは断片を含有し、ここで該飽和および/または阻害は該投薬の投与の後少なくとも約10日間維持される、[1]記載の方法、
[23]前記投薬の各々が、独立してa )循環リンパ球上のα4 β7 インテグリン結合部位の約60%以上の飽和および/またはb )循環リンパ球の細胞表面上のα4 β7 インテグリン発現の約60%以上の阻害を達成するのに充分な量の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[24]前記投薬の各々が、独立してa )循環リンパ球上のα4 β7 インテグリン結合部位の約70%以上の飽和および/またはb )循環リンパ球の細胞表面上のα4 β7 インテグリン発現の約70%以上の阻害を達成するのに充分な量の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[25]前記投薬の各々が、独立してa )循環リンパ球上のα4 β7 インテグリン結合部位の約80%以上の飽和および/またはb )循環リンパ球の細胞表面上のα4 β7 インテグリン発現の約80%以上の阻害を達成するのに充分な量の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[26]前記投薬の各々が、独立して該飽和および/または阻害が該投薬の投与の後少なくとも約14日間達成および維持されるのに充分な量の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[27]前記投薬の各々が、独立して該飽和および/または阻害が該投薬の投与の後少なくとも約20日間達成および維持されるのに充分な量の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[28]前記投薬の各々が、独立して該飽和および/または阻害が該投薬の投与の後少なくとも約25日間達成および維持されるのに充分な量の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[29]前記投薬の各々が、独立して該飽和および/または阻害が該投薬の投与の後少なくとも約30日間達成および維持されるのに充分な量の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[30]前記投薬の各々が、独立して該飽和および/または阻害が該投薬の投与の後少なくとも約60日間達成および維持されるのに充分な量の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[31]前記投薬の各々が、独立して体重1kg当たり約0.1 〜約8mgの免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[32]前記投薬の各々が、独立して体重1kg当たり約0.1 〜約5mgの免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[33]前記投薬の各々が、独立して体重1kg当たり約0.1 〜約2.5mg の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[34]前記投薬の各々が、独立して、体重1kg当たり約0.15、約0.5 、約1.0 、約1.5 または約2.0mg の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[22]記載の方法、
[35]投薬の間隔が少なくとも約7日間である、[22]記載の方法、
[36]投薬の間隔が少なくとも約14日間である、[22]記載の方法、
[37]投薬の間隔が少なくとも約21日間である、[22]記載の方法、
[38]投薬の間隔が少なくとも約28日間である、[22]記載の方法、
[39]投薬の間隔が少なくとも約30日間である、[22]記載の方法、
[40]ヒト化免疫グロブリンが投与され、前記投薬の各々が、該投薬の投与の後少なくとも約10日間、少なくとも約1μg/mLの免疫グロブリンの血清濃度を達成し、維持するのに充分な量の免疫グロブリンを含有する、[1]記載の方法、
[41]前記投薬の各々が、独立して該投薬の投与の後少なくとも約14日間、前記血清濃度を達成し、維持するのに充分な量の免疫グロブリンを含有する、[40]記載の方法、
[42]前記投薬の各々が、独立して該投薬の投与の後少なくとも約20日間、前記血清濃度を達成し、維持するのに充分な量の免疫グロブリンを含有する、[40]記載の方法、
[43]前記投薬の各々が、独立して該投薬の投与の後少なくとも約25日間、前記血清濃度を達成し、維持するのに充分な量の免疫グロブリンを含有する、[40]記載の方法、
[44]前記投薬の各々が、独立して該投薬の投与の後少なくとも約30日間、前記血清濃度を達成し、維持するのに充分な量の免疫グロブリンを含有する、[40]記載の方法、
[45]前記投薬の各々が、独立して該投薬の投与の後少なくとも約60日間、前記血清濃度を達成し、維持するのに充分な量の免疫グロブリンを含有する、[40]記載の方法、
[46]前記投薬の各々が、独立して体重1kg当たり約0.1 〜約8mgの免疫グロブリンを含有する、[40]記載の方法、
[47]前記投薬の各々が、独立して体重1kg当たり約0.1 〜約5mgの免疫グロブリンを含有する、[40]記載の方法、
[48]前記投薬の各々が、独立して体重1kg当たり約0.1 〜約2.5mg の免疫グロブリンを含有する、[40]記載の方法、
[49]前記投薬の各々が、独立して体重1kg当たり約0.15、約0.5 、約1.0 、約1.5 または約2.0mg の免疫グロブリンまたは断片を含有する、[40]記載の方法、
[50]投薬の間隔が少なくとも約7日間である、[40]記載の方法、
[51]投薬の間隔が少なくとも約14日間である、[40]記載の方法、
[52]投薬の間隔が少なくとも約21日間である、[40]記載の方法、
[53]投薬の間隔が少なくとも約28日間である、[40]記載の方法、
[54]投薬の間隔が少なくとも約30日間である、[40]記載の方法、
[55]1以上のさらなる治療剤の有効量を投与することをさらに含む、[1]記載の方法、
[56]前記治療剤が、ステロイド、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症剤および免疫調節剤からなる群より選ばれる、[55]記載の方法、
[57]前記治療剤が、アザチオプリン、6- メルカプトプリン、スルファサラジン、5- アミノサリチル酸、プレドニゾンおよびプレドニゾロンからなる群より選ばれる、[55]記載の方法、
[58]粘膜組織の白血球浸潤に関連する前記疾患が、炎症性腸疾患、膵炎、インスリン依存性糖尿病、乳腺炎、胆嚢炎、胆管炎、胆管周囲炎、慢性気管支炎、慢性静脈洞炎、喘息および対宿主性移植片病からなる群より選ばれる、[1]記載の方法、
[59]前記粘膜組織の白血球湿潤に関連する疾患が炎症性腸疾患である、[1]記載の方法、
[60]前記炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、[59]記載の方法、
[61]前記炎症性腸疾患がクローン病である、[59]記載の方法、
[62]非ヒト起源の抗原結合性領域およびヒト起源の抗体の少なくとも一部を含有する、α4 β7 インテグリンに対する結合特異性を有するヒト化免疫グロブリンまたはその抗原結合性断片の有効量を、炎症性腸疾患を有するヒトに投与することを含み、ここで該免疫グロブリンまたは断片は、初回投与の後、1回以上引き続き投与され、2つの投薬の最小の間隔はいずれも少なくとも約1日間であり、体重1kg当たり約8mg以下の免疫グロブリンまたは断片が約1ヶ月間に投与される、炎症性腸疾患を有するヒトの治療方法、
[63]前記ヒト化免疫グロブリンまたはその抗原結合性断片が重鎖および軽鎖を含有する、[62]記載の方法であって、
該軽鎖は、α4 β7 に結合する非ヒト起源の抗体に由来する相補性決定領域およびヒト起源の軽鎖に由来するフレームワーク領域を含有し、ここで各々の該相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)は以下のアミノ酸配列:
軽鎖:CDR1 配列番号:9
CDR2 配列番号:10
CDR3 配列番号:11
を含有する;かつ
該重鎖は、α4 β7 に結合する非ヒト起源の抗体に由来する相補性決定領域およびヒト起源の重鎖に由来するフレームワーク領域を含有し、ここで各々の該相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)は以下のアミノ酸配列:
重鎖:CDR1 配列番号:12
CDR2 配列番号:13
CDR3 配列番号:14
を含有する、方法、
[64]炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、[63]記載の方法、
[65]炎症性腸疾患がクローン病である、[63]記載の方法、
[66]非ヒト起源の抗原結合性領域およびヒト起源の免疫グロブリンの少なくとも一部を含有する、α4 β7 インテグリンに対する結合特異性を有するヒト化免疫グロブリンまたはその抗原結合性断片の有効量をヒトに投与することを含み、ここで該免疫グロブリンまたは断片は投薬で投与され、投薬の最小の間隔は少なくとも約7日間であり、体重1kg当たり約8mg以下の免疫グロブリンまたは断片が約30日間に投与される、ヒトにおける静止状態の炎症性腸疾患の再発および/または回帰を阻害する方法、
[67]静止状態が内科的療法または外科的療法によって誘導されている、[66]に記載の方法、
[68]前記炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、[66]記載の方法、
[69]前記炎症性腸疾患がクローン病である、[66]記載の方法
に関する。