【実施例】
【0053】
実施例1
癌患者におけるアポトーシス阻害タンパク質スルビビンに対する細胞毒性Tリンパ球応答の同定
概要
スルビビンから誘導されるCTLエピトープを使用して、ELISPOT分析により、慢性リンパ性白血病(CLL)患者からの末梢血および黒色腫患者からの腫瘍浸潤リンパ節におけるかかる抗原に対する特異的T細胞反応性を検討した。スルビビン誘導ペプチドエピトープに対するCTL応答は、6人の黒色腫患者のうちの3人、および4人のCLL患者のうちの3人において検出された。6人の健常対照からのPBLにおいてT細胞反応性は検出されなかった。従って、スルビビン誘導ペプチドは、抗ガン免疫療法の重要かつ広範囲に適用可能な標的としての働きをする。
はじめに
スルビビンタンパク質を、HLA−A*0201(HLA−A2)結合ペプチドモチーフの存在に関してスキャンし、首尾良く同定した後、ELISPOTアッセイにより白血病および黒色腫患者において特異的T細胞反応性について試験するためにペプチドを使用した。両患者において、2つのスルビビン誘導ペプチドエピトープに対するコホートCTL応答が検出され、一方、健常対照においてT細胞反応性は検出できなかった。これらのデータは、スルビビンが自己T細胞により認識される広範囲に発現された腫瘍抗原を代表することを示唆する。
【0054】
物質および方法
患者および健常対照
CLLと診断された4人の患者(CLL1−4と表示)からの末梢静脈血サンプルおよび6人の健常者からの血液サンプルをヘパリン化試験管中に集めた。Lymphoprep分離を用いてPBLを単離し、10%ジメチルスルホキシドを含むウシ胎仔血清(FCS)中凍結させた。さらに、腫瘍浸潤リンパ節からのリンパ球を6人の黒色腫患者(mel1−6と表示)から得た。新たに切除されたリンパ節を細かく刻んで小片にし、粉砕して細胞を培養物中に放出させ、低温保存した。PBLは黒色腫患者のうち4人から得られた。包含される全ての個体は、HLA−A2特異的抗体BB7.2を用いたFACS分析により決定されるようにHLA−A2陽性であった。抗体をハイブリドーマ上清から精製した。州立大学病院(Herlev、デンマーク)から患者サンプルを入手した。これらの測定の前に患者からインフォームドコンセントを得た。
【0055】
スルビビン誘導ペプチド
全てのペプチドは、Research Genetics(ハンツビル、AL、USA)から入手し、HPLCおよびMC分析により実証されるように>90%の純度で提供された。使用したペプチドを表1に記載する。
【表3】
a 下付き文字で示した値の範囲は、米国特許第6245523号に開示されるようなスルビビン配列におけるペプチドの位置を示す。
b C
50値は、以下に記載するようにして決定されるHLA−A2との最大結合の半分に必要なペプチドの濃度である。
【0056】
クラスI MHC分子とのペプチド結合についてのアセンブリーアッセイ
合成ペプチドの[35S]―メチオニンで代謝的に標識されたクラスI MHC分子に対する結合についてのアセンブリーアッセイを記載されているようにして行った(12、13)。アセンブリーアッセイは、ペプチドをペプチドトランスポーター欠損細胞系T2にロードした後のクラスI分子の安定化に基づく。その後、構造依存性抗体を用いて適切に折り畳まれた安定HMC重鎖を免疫沈降させた。IEF電気泳動後、ゲルをホスホルイメージャースクリーンに暴露し、Imagequantホスホルイメージャープログラム(Molecular Dynamics、サニーベール、CA)を用いてペプチド結合を定量化した。
【0057】
PBLの抗原刺激
ELISPOTアッセイの感度を拡大するために、分析前にPBLを一度インビトロで刺激した(14、15)。新しい、あらかじめ凍結させたPBLによりELISPOTアッセイにおいて同様の結果が得られた。0日に、PBLまたは粉砕されたリンパ節を解凍し、AIM V培地(Life Technologiew、ロスキレ、デンマーク)、5%熱不活化ヒト血清および2mMのL−グルタミン中、10μMのペプチドの存在下で24穴プレート(Nunc、デンマーク)中、2×106細胞の濃度で2ml/ウェルでプレートした。各実験において、ペプチドを含まないウェルを含めた。2日後、300IU/mlの組み換えインターロイキン−2(IL−2)(Chiron、ラーティンゲン、ドイツ)を培養物に添加した。培養された細胞を12日にELISPOTアッセイにおいて反応性について試験した。
【0058】
ELISPOTアッセイ
ペプチドエピトープ特異性インターフェロン−γ−放出エフェクター細胞を定量化するために用いられるELISPOTアッセイを(16)におけるのと同様に行った。簡単に説明すると、ニトロセルロース底の96穴プレート(MultiScreen MAIP N45、Millipore、Hedehusene、デンマーク)を抗INF−γ抗体(1−D1K、Mabtech、Nacka、スウェーデン)でコートした。ウェルをAIM V培地により洗浄し、ブロックし、細胞を異なる細胞濃度で重複試験において添加した。ペプチドを次いで各ウェルに添加し、プレートを一夜インキュベートした。翌日、培地を捨て、ビオチニル化二次抗体(7−B6−1−Biotin、Mabtech)の添加の前にウェルを洗浄した。プレートを2時間インキュベートし、洗浄し、アビジン−酵素接合体(AP−Avidin、Calbiochem、Life Technologies)を各ウェルに添加した。プレートを室温で1時間インキュベートし、酵素基質NBT/BCIP(Gibco、Life Technologies)を各ウェルに添加し、室温で5〜10分間インキュベートした。暗紫色スポットが出現したら水道水で洗浄することにより反応を停止させた。AlphaImager System(Alpha Innotech、サンリアンドロ、CA.USA)を用いてスポットをカウントし、ペプチド特異性CTL頻度をスポット形成細胞の数から計算することができた。アッセイはすべて各ペプチド抗原について重複試験で行った。
【0059】
結果
HLA−A2に対するスルビビン誘導ペプチドの結合
主HLA−A2特異性アンカー残基(17)を用いて、スルビビンタンパク質のアミノ酸配列を最もありそうなHLA−A2ノナマーおよびデカマーペプチドエピトープについてスクリーンした。10のスルビビン誘導ペプチドを合成し、HLA−A2に対する結合について調べた。HIV−1pol476−484(ILKEPVHGV、配列番号11)(表1)からのエピトープを正の対照として使用した。クラスI MHCの最大回復の半分に必要なペプチド濃度(C
50値)は正の対照について0.7μMであった。対照的に、Sur9と表されるペプチド(ELTLGEFLKL、配列番号3)はC
50=10μMの親和力で結合した。Sur6(FLKLDRERA、配列番号1)およびSur8(TLPPAWQPFL、配列番号2)と表されるペプチドはそれぞれHLA−A2とC
50=30μMで結合するが、Sur1(LTLGEFLKL、配列番号10)およびSur3(KVRRAIEQL、配列番号13)はさらに弱く結合した(C
50>100μM)。試験した10のペプチドのうち5つ(Sur2、Sur4、Sur5、Sur7、およびSur10)はHLA−A2と結合しなかった。
Sur1は弱いHLA−A2バインダーであるので、より良好なアンカー残基(ロイシンまたはメチオニン)が2位で天然のスレオニンと置換されているSur1L2およびSur1M2でそれぞれ表される2種のペプチド類似体を合成した。これらのペプチドはどちらも正の対照とほとんど同様の高さの親和力でHLA−A2と結合する(C
50=1μM)。
【0060】
CLL患者におけるスルビビンに対するCTL応答
5人のHLA−A2陽性CLL患者からのPBLをELISPOTアッセイにおける実験の前に一度インビトロで刺激した。この手続きは、ELISPOTの感度を拡大するために選択された。前記10種のスルビビン誘導ペプチドの全てを実験の第一ラインに含めた。Sur1およびSur9に対する応答が検出され、これらのペプチドのデータのみを図に示す。
図1は、患者CLL1において決定されるSur1およびSur9に対するCTL反応性を示す。各スポットは、ペプチド反応性INF−γ産生細胞を表す。ペプチドあたりのスポットの平均数を、CDDスキャニング装置およびコンピューターシステムを用いて計算した。6×10
5あたり52のSur9ペプチド特異性スポット(ペプチドが添加されていないスポットを差し引いた後)がCLL1患者において検出された(
図1)。弱HLA−A2結合ペプチドSur1に対して反応は検出されなかったが、患者は強HLA−A2結合ペプチド類似体Sur1M2に対して強力に反応した(10
4細胞あたり35のペプチド特異性スポット)(
図2)。この患者において他の強HLA−A2結合ペプチド類似体Sur1L2に対して反応は検出されなかった。患者CLL2はSur9に対して強力に反応し(10
5細胞あたり128のペプチド特異性スポット)、Sur1に対しては弱く反応した(10
5細胞あたり22のペプチド特異性スポット)(
図3)。Sur1L2類似体に対する応答は、天然のエピトープと比較して若干増大しただけであったが、患者はデカマーペプチドSur9に関してはSur1M2ペプチドに対して同様に強力に応答した。患者CLL3において、Sur9に対する弱い応答が観察された(
図3)。Sur1または修飾Sur1ペプチドに対して該患者においてはスルビビン応答は観察されなかった(データは省略)。スルビビンに対する応答が健康な個人において検出できるかどうかを調べるために、6人の健康なHLA−A2陽性対照からのPBLを分析した。どの対照においても任意のスルビビン誘導ペプチドに対する応答は観察されなかった。
【0061】
黒色腫患者におけるスルビビンに対するCTL応答
HLA−A2陽性黒色腫患者からの腫瘍浸潤リンパ節から単離されたTリンパ球を試験した。新たに切除されたリンパ節を細かく刻んで小フラグメントにし、粉砕して、細胞を培養物中に放出させた。細胞をELISPOTアッセイにおける試験前に一度インビトロでペプチドで刺激した。スルビビン特異性T細胞は分析した6人の患者のうち3人において検出された。患者Mel2およびMel3において強力なSur9応答が検出された。Sur1ペプチドに対するより弱い応答もこれらの患者において検出された(
図4)。Mel1において、弱く結合したペプチドSur1に対する応答は、より強力なHLA−A2バインダーSur9に対する応答よりも強力であった(
図4)。先の3人の黒色腫患者(Mel4〜6)からの腫瘍浸潤リンパ節において応答は検出されなかった。スルビビン反応性患者の2人(Mel1およびMel2)から、および非反応患者の2人(Mel4およびMel5)からのPBLを試験した。これらの患者のいずれかからのPBLにおいてSur9またはSur1のいずれかに対する応答は検出できなかった(データは省略)。
【0062】
実施例2
癌患者におけるインビボおよびエクスビボのスルビビン誘導MHCクラスI限定T細胞エピトープに対する自発性細胞毒性T細胞応答
概要
スルビビン誘導MHCクラスI限定T細胞エピトープに対する自発性細胞毒性T細胞応答は、乳ガン、白血病、および黒色腫患者においてインサイチュならびにエクスビボで示された。さらに、MHC/ペプチド複合体でコートされた磁気ビーズにより単離されたスルビビン反応性T細胞は、異なる組織タイプのHLA適合腫瘍に対して細胞毒性であった。普遍的腫瘍抗原であるので、スルビビンは抗ガン免疫療法の広範囲に適用可能な標的としての働きをすることができる。
【0063】
材料および方法
T細胞染色およびT細胞選別のためのHLAペプチド複合体の構築
HLA A*0201の細胞外ドメイン(残基1〜275)の5’末端との融合物においてビオチンタンパク質リガーゼ(BirA)を用いた酵素ビオチニル化の認識部位は、イー・コリBL21(DE3)において発現された。組み換えタンパク質を、8M尿素中可溶化させた封入体から、サイズ(Sephadex G25、Pharmacia)およびイオン交換(mono−Q、Pharmacia)クロマトグラフィーにより精製した。修飾スルビビンペプチドSur1M2(LMLGEFLKL、配列番号5)またはMAAペプチドgp100154−163の存在下で希釈によりHLA A*0201をインビトロで折り畳み、その後、既に記載されているようにしてビオチニル化した(35、36)。Pharmacia Sephadex G25カラム上でゲル濾過して未結合ビオチンを除去した後、タンパク質をストレプトアビジン−FITC接合デキストラン分子(L.Winther(DAKO、デンマーク)の好意により提供された)でマルチマー化して、免疫組織化学用多価HLA−デキストラン化合物を生成させた。HLA A
*0201構築物はMark M.Davis博士(スタンフォード大学微生物学および免疫学科(パロ・アルト、CA)の好意により贈呈された。細胞分離は、既に記載されているようにして行った(37)。簡単に説明すると、5×10
6ストレプトアビジン接合磁気ビーズ(Dynal、オスロ、ノルウェー)を2回200μlの冷PBS中で洗浄し、0.5μgのペプチド/A*0201モノマーを添加し、混合物を15分間室温でインキュベートした。2回洗浄した後、これらのビーズをPBLと1:10の割合で混合し、その後、1時間インキュベートし、続いて磁場中ビーズ結合細胞を沈降させた。沈降工程を1回繰り返した。
【0064】
免疫組織化学的染色
FITC接合マルチマーペプチド/MHC複合体で染色するために、組織片を一夜乾燥し、その後冷アセトン中5分間固定した。全てのインキュベーション工程は室温、暗所で:(i)一次抗体(1:100希釈)を45分、(ii)Cys3−接合ヤギ抗マウス(1:500希釈;コード115−165−100、Jackson ImmunoResearch、Dianova(ハンブルグ、ドイツ)から入手)を45分間、および(iii)最後にマルチマーを75分間で行った。各工程間にスライドを10分間PBS/BSA0.1%中で2回洗浄した。スライドをベクタシールド中でマウントし、共焦点顕微鏡下で観察するまで冷蔵庫中で保存した。
【0065】
細胞毒性アッセイ
CTLによる細胞毒性の慣用の[51Cr]アッセイを(13)に記載されているようにして行った。標的細胞は自己EBV−形質転換B細胞系、HLA−A2陽性乳ガン細胞系MCF−7(ATCCで入手可能)、HLA−A2陽性黒色腫細胞系FM3(38)、HLA−A2陰性乳ガン細胞系BT−20(ATCCで入手可能)およびHLA−A2陰性黒色腫細胞系FM45(38)であった。全てのガン細胞系はRT−PCRにより調べるとスルビビンを発現した(データは省略)。
【0066】
ELISPOTアッセイ
ペプチドエピトープ特異性IFN−γ放出エフェクター細胞を定量化するためにELISPOTアッセイを使用し、これはすでに記載されている(39)。簡単に説明すると、ニトロセルロース底の96穴プレート(MultiScreen MAIP N45、Millipore)を抗IFN−γ抗体(1−D1K、Mabtech、スウェーデン)でコートし、AIM V(GibcoBRL、Life Technologies Inc.、ガイサーズバーグ、MD、USA)を用いて非特異性結合をブロックした。リンパ球を異なる細胞濃度で、特異性ペプチドおよびT2細胞と共に添加し、一夜37℃でインキュベートした。2回洗浄後、ビオチニル化検出抗体(7−B6−1−ビオチン、Mabtech)を添加した。アルカリホスファターゼ−アビジンをそれぞれの基質(GibcoBRL)と共に用いて特異性結合を可視化した。暗紫色スポットが出現したら反応を停止させ、AlphaImager System(Alpha Innotech、サンリアンドロ、CA、USA)を用いてこれを定量化した。ELISPOTに使用したペプチドは、実施例1に記載されるようなSur1、Sur9およびSur1類似ペプチドSur1M2であった。
【0067】
結果
HLA−A2/スルビビン反応性T細胞のインサイチュ染色
実施例1において、白血病および黒色腫におけるT細胞により認識される2種のスルビビン誘導ペプチドエピトープ、すなわちSur1が同定された。HLA−A2に対するSur1の弱い結合親和力は、2位のスレオニンをさらに良好なアンカー残基(メチオニン;Sur1M2)で置換することにより実質的に向上された。この測定は、安定なHLA−A2/ペプチド複合体の構築を可能にする。これらの複合体は、デキストラン分子を用いてマルチマー化され、これをストレプトアビジンおよびFITCと接合させた。マルチマー化されたMHC−複合体を、アセトン固定された凍結物質を染色するために使用した。共焦点レーザー顕微鏡を用いて、Sur1M2/HLA−A
*0201反応性CTLは腫瘍微小環境においてインサイチュで容易に検出することができた。本発明者らは、一次腫瘍およびIII期の黒色腫患者の症徴リンパ節ならびに一次乳ガン病巣においてかかる細胞を表した。染色の特異性を確実にするために、一連の負の対照を行った。ペプチド/HLA−デキストランマルチマーと同じ腫瘍上の黒色腫分化抗原gp100から誘導されるペプチドの使用も、Sur1M2/HLA−デキストランマルチマーの使用も、HLA−A2陰性ドナーから得られる腫瘍サンプルの場合、陽性染色をもたらさなかった。
【0068】
単離されたスルビビン反応性CTLは異なる起源の腫瘍細胞系を溶解する
スルビビン反応性CTLの機能的容量を特徴づけるために、HLA−A2/Sur1M2−複合体(36)でコートされた磁気ビーズによりこれらの細胞を単離した。新たに切除された黒色腫浸潤リンパ節を細かく刻んで小フラグメントにし、粉砕して、細胞を培養物中に放出させた。細胞を単離前にインビトロでペプチドで一度刺激した。単離後1日で、IL−2を添加し、5日でこれらの細胞が腫瘍細胞を殺す能力をELISPOTまたは標準的51Cr放出アッセイのいずれかにより試験した。まず、ELISPOT分析により、修飾Sur1M2/HLA−A2複合体を用いて単離されたCTLが天然のSur1ペプチドに対しても応答することを立証することができた(データは省略)。第二に、HLA−A2陽性黒色腫細胞系FM3(
図5A)およびHLA−A2陽性乳ガン細胞系MCF−7(
図5B)に対するスルビビン反応性の細胞毒性を試験した。単離されたT細胞は、両HLA−A*0201細胞系を有効に溶解させた。対照的に、HLA−A2陰性黒色腫細胞系FM45(
図5A)またはHLA−A2陰性乳ガン細胞系BT−20(
図5B)に対して細胞毒性は観察されなかった。
【0069】
ELISPOTによりPBLにおいて測定されるスルビビン反応性
10人のHLA−A2陽性乳ガン患者からのスルビビン反応性T細胞の存在をELISPOTにより試験した。分析前に、PBLを一度インビトロで刺激して、アッセイの感度を拡大した。次のスルビビンペプチド:Sur1、Sur9およびSur1M2に対する反応性を試験した。スルビビン特異性T細胞は10人のHLA−A2陽性乳ガン患者のうちの6人において検出された。代表例を
図6に示す。2人の患者からのPBLにおいて、Sur1および修飾された類似体Sur1M2に対してであるが、Sur9(
図6、上、中)に対してはない応答が検出され、3人の患者において、Sur9に対する応答が検出されたが、Sur1またはSur1M2に対しては検出されず(
図6、下)、1人の患者がSur1M2にのみ反応した。対照的に、20人の健康なHLA−A2陽性ドナーからのPBLにおいてはスルビビン応答は検出されなかった。同様に、14人のHLA−A2陽性黒色腫患者からのPBLを試験した。スルビビン応答はこれらの患者のうちの7人において存在した(表2)。2人の患者がSur9ペプチドに対して応答し、2人がSur1M2ペプチドに対して応答し、1人がSur1とSurM2の両方に対して応答し、1人が3つのペプチド全てに対して応答した。実施例1において、3人の慢性リンパ性白血病(CLL)患者におけるスルビビンに対するT細胞応答を試験した(表2:CLL1、CLL2、CLL3)。3人のさらに別のCLL患者からのPBLを使用してこれらの実験をさらに拡大した。明らかに、全ての患者は少なくとも1つのスルビビンエピトープに対してT細胞応答をもたらした(表2;CLL5、CLL6、CLL7)。加えて、慢性骨髄性白血病(CML)にかかっている1人の患者からのPBLを試験した。この患者において、3つのペプチド全てに対する応答が同定された(データは省略)。データを表2にまとめる。
【0070】
【表4】
a)10
4あたりの反応性細胞の出現率;14人の患者を試験した。
b)10
4あたりの反応性細胞の出現率;10人の患者を試験した。
c)10
5あたりの反応性細胞の出現率;7人の患者を試験した。
【0071】
実施例3
癌患者におけるスルビビン誘導ペプチドに対するHLA−B35限定免疫応答
概要
この実験において、HLA−B35に限定される2種のスルビビン誘導エピトープを同定し、特徴づけた。これらのエピトープの両方に対する特異性T細胞反応性は、異なる造血性悪性腫瘍および黒色腫を有する患者からの末梢血において存在した。C末端アンカー残基の置換は、黒色腫患者からの腫瘍浸潤リンパ球による認識を向上させた。さらに、一次黒色腫病巣におけるインサイチュのスルビビンに対する自発性細胞毒性T細胞応答が示された。これらのエピトープは関連する患者の悪性腫瘍ならびにHLA特性に関連してスルビビンペプチドに基づく将来のワクチン法の適用可能性を拡大する。
実施例1および2において、HLA−A2限定スルビビン誘導T細胞エピトープを試験した。HLA−A2は白色人種集団の約30%においてのみ発現され(63)、治療できる患者の割合を拡大するために他のHLAクラスI分子に限定されるペプチドエピトープを同定する必要がある。この研究において、白色人種集団の9%において発現される(63)HLA−B35に限定されるスルビビンからの2種の新規T細胞エピトープを同定し、これらのスルビビンペプチドに対する自発的免疫応答は、異なる造血性悪性腫瘍および黒色腫を有する患者において検出された。
【0072】
材料および方法
患者
癌患者からの末梢静脈血を集め、Lymphoprep分離を用いてPBLを単離し、HLA分類し(大学病院臨床免疫学科、コペンハーゲン)、10%DMSOを含むFCS中で凍結させた。さらに分析するために10人のHLA−B35陽性患者を選択した。これらの患者はそれぞれ、黒色腫、CLL、濾胞性リンパ腫(FL)、肥満性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)および多発性骨髄腫(MM)にかかっていた。血液サンプルを集めた時点で、患者はそれ以前の4ヶ月以内に医学的治療を受けていなかった。さらに、リンパ節から単離された腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を3人の黒色腫患者から集め、10%DMSOを含むFCS中で凍結させた。
【0073】
ペプチド
7種の合成スルビビン誘導ペプチド:Sur6−14、Sur11−19、Sur34−43、Sur46−54、Sur51−59、Sur46Y9、Sur51Y9、およびEBV誘導ペプチドの一つであるEBNA3A457−466(63)をこの研究において使用した。全てのペプチドはResearch Genetics(ハンツビル、AL)から入手し、HPLCおよびMC分析により確認されるように>90%の純度で提供された。ペプチドを次の表3に示す。
【表5】
【0074】
MHCクラスI分子に対するペプチド結合のアセンブリーアッセイ
合成ペプチドの[35S]メチオニンで代謝的に標識されたHLA−B35分子に対する結合親和力を測定するために実施例1および2に記載されるアセンブリーアッセイを使用した。簡単に説明すると、アッセイは、HLA−B35(J.Haurum博士の好意により提供されたもの、Symphogen ApS、Lyngby、デンマーク)で安定にトランスフェクトされたTAP欠損細胞系T2から細胞溶解により放出される空HLA分子のペプチドによる安定化に基づく。安定に折り畳まれたHLA分子を、構造依存性mAb W6/32を用いて免疫沈降させた。HLA分子をIEF電気泳動により分離し、ゲルをホスホルイメージャースクリーン(Imaging plate、富士写真フィルム株式会社、日本)に暴露し、分析し、適切に折り畳まれたHLA分子の量を、ImageGaugeホスホルイメージャーソフトウェア(富士写真フィルム株式会社、日本)を用いて定量化した。
【0075】
PBLの抗原刺激
ELISPOTアッセイの感度を拡張するために、リンパ球を分析前にペプチドでインビトロで一度刺激した(14、15)。PBLまたはTILを解凍し、96穴プレート中50μMの個々のペプチドエピトープで2時間26℃で刺激し(ペプチドあたり5×10
5〜10
6細胞)、さらに10日間37℃で5%ヒト血清(HS)を含むx−vivo中24穴プレート(Nunc、ロスキレ、デンマーク)中、2×10
6細胞/ウェルで培養するためにプールした。インキュベーションの第2日に、40μg/mlのIL−2(Apodan A/S、デンマーク)を添加した。10日に、培養された細胞をELISPOTアッセイにおける反応性について試験した。
【0076】
ELISPOTアッセイ
癌患者から集められたPBLまたはTILにおけるペプチド特異性IFN−γ放出エフェクター細胞を定量化するために使用されたELISPOTアッセイは、実施例1に記載されるようにして行った。簡単に説明すると、ニトロセルロース底の96穴プレート(MultiScreen MAIP N45;Millipore、Hedehusene、デンマーク)をヒトIFN−γに対するmAb、7.5μg/ml(1−D1K;Mabtech、Nacka、スウェーデン)でコートした。ウェルを洗浄し、x−vivo(x−vivo 15TM BioWhittacker、Molecular Applicatios APS、デンマーク)中でブロックし、細胞を重複試験において異なる濃度で添加した。抗原提示のために、10
4T2−B35細胞(10μMペプチドを含むか含まない)を各ウェルに添加した。プレートを一夜インキュベートし、細胞を捨て、ビオチニル化二次抗体(7−B6−1−ビオチン;Mabtech)を添加する前にウェルを洗浄した。プレートを2時間室温でインキュベートし、洗浄し、アビジン−アルカリホスファターゼ接合体を添加した(AP−Avidin;Calbiochem、Life Technologies,Inc.)。1時間室温でインキュベーションした後、酵素基質ニトロブルーテトラゾリウム/5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート(コード番号K0598、DakoCytomation Norden A/S)を添加し、暗紫色スポットが3〜7分で出現した。水道水で洗浄することにより反応を停止させた。Alpha Imager System(Alpha Innotech、サンリアンドロ、CA)を用いてスポットをカウントし、ペプチド特異性T細胞の出現率をスポット形成細胞の数から計算した。
全てのアッセイは、各ペプチド抗原について重複試験において行い、同じウェルにおいて培養されたリンパ球を同じ細胞数で、ペプチドと共にまたはペプチド無しで試験して、培養物中のペプチド特異性細胞の数を測定した。
【0077】
樹状細胞(DC)の成熟化
接着細胞を培養の2時間後にPBLから単離した。これらをさらに10日間、10%FCSを含むRPMI1640(GibcoTM Invitrogen corporation、UK)において培養した。800ng/mlのGM−CFS(PreproTech、ロンドン、UK)および40ng/mlのIL−4(PreproTech)を3日おきに添加した。10日に、50ng/mlのTNF−α(PreproTech)を添加することによりDCを24時間成熟化させた。成熟化後、DCを放出させ、3μg/mlのβ2−ミクログロブリンの存在下、20μMペプチドで2時間、26℃でパルスした。
【0078】
ペプチド特異性T細胞の単離
実施例2において記載されたsur51Y9/HLA−B35コートされた磁気ビーズを用いて抗体特異性細胞を単離した。2.5μgのモノマーを5×10
6ビーズと共に40μlのPBS中20分間室温でインキュベートすることにより、HLA−B35とsur51Y9のビオチニル化モノマー(ProImmune、オックスフォード、UKから入手)をストレプトアビジンコートされた磁気ビーズ(Dynabeads M−280、Dynal A/S、オスロ、ノルウェー)とカップリングさせた。磁気装置(Dynal A/S、オスロ、ノルウェー)を用いて磁気複合体を3回PBS中で洗浄し、その後、5%BSAを含むPBS中1:10の割合でPBLと混合し、非常に穏やかに1時間回転させた。磁気複合体と結合する抗原特異性CD8
+細胞を2または3回穏やかに洗浄した。単離された細胞を、5%ヒト血清で補足されたx−vivo中に数回再懸濁させ、2時間インキュベートした後、磁気ビーズを放出させ、細胞懸濁液から除去した。天然のペプチドと修飾されたペプチド間の交差反応性を分析するために、ELISPOTアッセイにおいて単離された抗原特異性CD8
+T細胞を使用した。
【0079】
変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)によるTCRクローン型マッピング
ヒトTCR BV領域1〜24のDGGEクローン型マッピングは、(66)に詳細に記載されている。簡単に説明すると、Purescript単離キット(Gentra Systems Inc.MN)を用いてRNAを単離し、共通の定常領域プライマーとともにTCRベータ鎖の可変領域のプライマーを用いたPCRにより転写されたcDNAを増幅した。コンピュータープログラムMELT87を使用して、50bpのGCリッチな配列(GC−clamp)が定常領域プライマーの5’末端に結合すると仮定すると、増幅されたDNA分子がDGGE分析に適することが確認された。DGGE分析を、20%から80%の尿素とホルムアミドの勾配を含有する6%ポリアクリルアミドゲル中で行った。電気泳動を160Vで4.5時間、1×TAE緩衝液中、54℃の一定温度で行った。
【0080】
免疫組織化学的染色
実施例2に記載された手順を用いて、癌患者の腫瘍病巣において抗原特異性T細胞をインサイチュで同定するためにマルチマー化ペプチド/HLA複合体を使用した。ビオチニル化sur51Y9/HLA−B35モノマーはProimmune limited、オックスフォード、UKから供給された。sur51Y9/HLA−B35のビオチニル化されたモノマーは、ストレプトアビジン−FITC接合デキストラン分子(L.Winter博士(DAKO、Glostrup、デンマーク)の好意により提供されたもの)でマルチマー化し、免疫組織化学のために多価HLA−デキストラン化合物を生成させた。組織片を一夜乾燥し、続いて冷アセトン中5分間固定した。全てのインキュベーション工程は、暗所、室温で行った:(a)45分の一次抗体(1:100希釈)(b)Cy3−接合ヤギ抗マウス抗体(1:500希釈;コード155−165−100;Jackson ImmunoResearch、Dianova、ハンブルグ、ドイツから入手)を45分間;最後に(c)マルチマーを75分間。各工程間で、スライドをPBS/BSA0.1%中10分間2回洗浄した。スライドをベクタシールド中でマウントし、共焦点顕微鏡(Leica)下で観察するまで冷蔵庫中に入れた。
【0081】
結果
HLA−B35結合スルビビン誘導ペプチドの同定
スルビビンのアミノ酸配列を、アンカー残基を有するノナマーおよびデカマーペプチドについて、HLA−B35のペプチド結合モチーフにしたがってスクリーニングした(67)。2位にN末端アンカーとしてプロリンを、C末端アンカー残基としてフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンまたはチロシンを含有する5種のペプチドを選択した(表3)アセンブリーアッセイにより、HLA−B35を有効に安定化させることができる2種のペプチド、sur51−59(EPDLAQCFF、配列番号7)およびsur46−54(CPTENEPDL、配列番号6)が明らかになった。さらに、2種のペプチド、sur34−43(TPERMAEAGF、配列番号20)およびsur6−14(LPPAWQPFL、配列番号18)は弱い安定化を示すが、残りのペプチドはHLA−B35を全く安定化しなかった。HLA−B35の最大回復の半分に必要なペプチド濃度(C50)は、sur51−59について13μM、sur46−54について20μMと推定される。比較として、EBNA3A458−466(YPLHEQHQM、配列番号21)からの陽性対照−エピトープC24は0.8μMの推定C
50値を有していた。
sur46−54およびsur51−59の結合親和力を向上させるために、C末端アミノ酸を、さらに良好なアンカー残基であるチロシンと置換した(67)。修飾ペプチドによるHLA−B35の回復をアセンブリーアッセイにおいて分析し、C
50値はsur51Y9について1.5μM、sur46Y9について4μMと推定された(
図7)。
【0082】
天然のペプチドエピトープに対する自発性免疫応答
最初に、5人の患者を4種の天然のHLA−B35結合ペプチドsur51−59、sur46−54、sur34−43およびsur6−14に対する自発性免疫応答について分析した。これらの5人の患者は異なる造血性悪性腫瘍を有していた:HEM8およびHEM18はMMにかかり、HEM12はFL、HEM9はDLBCL、CLL5はCLLにかかっていた。
ペプチド前駆体CTLを検出するために10日のインビトロ刺激後、PBLに関してINF−γELISPOTアッセイを行った。自発性免疫応答が天然のHLA−B35結合ペプチドのうちの2つ、sur51−59およびsur46−54に対して検出された。2人の患者、HEM12およびCLL5は、sur51−59およびsur46−54の両方に対して応答を示したが、HEM8はsur51−59に対してのみ応答を示した(
図8AおよびB)。2人の残りの患者、HEM9およびHEM18において応答は検出できず、任意の患者において弱く結合したペプチドsur34−46およびsur6−14に対する応答は検出できなかった。
インビトロ刺激に対する別の方法を患者HEM12において使用した。すなわち、PBLを、sur51−59でパルスされた成熟自己樹状細胞と同時培養して、インビトロのCTL応答を刺激した。この培養物から得られるPBLはELISPOTにおいてsur51−59に対して強い反応性を示した(
図8B)。
【0083】
修飾ペプチドの増大した認識
前記のように、HLA−B35親和力を増大するためのペプチド修飾の結果、天然のペプチドと比較してHLA−B35について5〜10倍の高い親和力が得られた。5人の黒色腫患者のグループを、ELISPOTアッセイにより天然および修飾ペプチドの両方に対する自発性免疫応答について分析した。PBLサンプルはインビトロ刺激後に分析し、TILサンプルは直接分析した。自発性免疫応答は、5人の患者のうち3人からのPBLまたはTILのいずれかにおいて観察された。FM25はPBLおよびTILサンプルの両方においてsur51−59およびsur−51Y9に対して反応性を示した(
図9A)。FM45は修飾ペプチドsur51Y9に対してのみ応答し、強力な応答がTILにおいて検出可能であった。PBLはこの患者からは得られなかった(
図9A)。FM74はTILにおいてsur46Y9に対して強い応答を示したが、天然のペプチドに対する応答は検出できなかった(
図9B)。sur46Y9に対する弱い応答がFM74からのPBLにおいても観察された(データは省略)。
【0084】
天然および修飾ペプチド間の交差反応性
sur51Y9のHLA−B35に対する高い親和力は、sur51Y9を有するHLA−B35の安定なモノマーの産生を可能にする。異なる癌患者から得られる腫瘍浸潤リンパ節およびPBLにおけるスルビビン反応性Tリンパ球の存在を確認して、磁気ビーズをかかるHLA−B35/Sur51Y9複合体でコートし、スルビビンペプチド反応性Tリンパ球を患者CLL5から得られるPBLから単離するためにこれらを使用した。この患者は、sur51−59に対して強力な応答を示した。顕微鏡で可視化されるようにビーズは特定的細胞の細胞表面上にしっかりと結合し(データは省略)、磁場による抗原特異性細胞の沈降を可能にする。単離されたsur51Y9特異性細胞はsur51−59に対して強力に応答することができ(
図9)、残りのPBLにおいては応答は検出できなかった(データは省略)。単離は、RT−PCR/DGGEに基づくTCRクローン型マッピングにより分析した。この技術により、ごく少数の細胞しか利用可能でない場合でも、複合細胞集団におけるT細胞クローン分析が可能になる。これらの分析は、8の異なるクローンが単離されたことを示した(データは省略)。
【0085】
黒色腫病巣においてインサイチュで存在する抗原特異性T細胞
ストレプトアビジンおよびFITCと接合したデキストラン分子を用いてsur51Y9/HLA−B35モノマーをマルチマー化した。マルチマー化されたMHC複合体を使用して、実施例2に記載された手順を用いてアセトン固定された凍結物質を染色した。共焦点レーザー顕微鏡を用いて抗原特異性細胞を可視化した。3人の患者から得られる一次黒色腫の断片を分析し、Sur51Y9/HLA−35反応性CTLは患者の一人における腫瘍微小環境においてインサイチュで容易に検出できた。グランザイムBに対するmAbでの同時染色により、これらのスルビビン特異性CTLはグランザイムBを放出し、細胞毒性活性を発揮することが示され、HLA−B35陰性黒色腫患者を対照として使用した(データは省略)。
【0086】
実施例4
異なるHLA−A限定特性を有する新規スルビビン誘導CTLエピトープの同定
概要
新規HLA−A1−、HLA−A2−、HLA−A3−およびHLA−A11−限定スルビビンエピトープを癌患者におけるCTL応答に基づいて特徴づけた。これらのエピトープは明らかにスルビビン誘導ペプチドに基づく免疫療法に適した患者の数を増大させた。さらに、いくつかの限定エレメントの全体的ターゲティングはHLA−対立遺伝子損失による免疫回避の危険性を減少させる。
【0087】
材料および方法
患者
患者サンプルはWurzburg大学(ドイツ)およびHerlev(デンマーク)の大学病院から受け取った。これらの測定の前に患者からインフォームドコンセントを得た。組織タイピングは大学病院の臨床免疫学科(コペンハーゲン、デンマーク)で行った。Lymphoprep分離を用いて黒色腫、乳ガン、および慢性リンパ性白血病(CLL)の癌患者から得られる末梢血リンパ球(PBL)を単離し、10%ジメチルスルホキシドを含むウシ胎仔血清(FCS)中で凍結させた。さらに、黒色腫患者からの一次病巣および組織浸潤リンパ節からのTリンパ球を得た。新たに切除された腫瘍組織を細か刻んで小フラグメントにし、粉砕して低温保存するために腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を放出させた。
ペプチド
全てのペプチドはInvitrogen(カールズバッド、CA,USA)から購入し、HPLCおよびMS分析により確かめられるように>80%の純度で提供された。使用した全てのペプチドを以下の表4および実施例5に記載する。
【0088】
細胞系
ヒトT細胞系はB−LCL.174およびLCL CEM細胞のTAP1およびTAP2欠損ハイブリッドであり、従って低レベルのHLAクラスI分子(HLA−A*0201およびHLA−B*5101)を細胞表面で発現するだけである。HLA−A*0301でトランスフェクトされたT2細胞はA McMicheael博士(IMM、ジョン・ラドクリフ病院、オックスフォード)の好意により提供された。HLA−A*1101でトランスフェクトされたT2細胞はM Masucci博士(MTC、カロリンスカ協会、ストックホルム、スウェーデン)の好意により提供された。BM36.1細胞系もTAP機能が欠損し、表面でHLAクラスI(HLA−A*0101、HLA−B*3501)の低発現を有するT2と同様の表現型を有する。BM36.1細胞はA Ziegler博士(フンボルト大学、ベルリン、ドイツ)の好意により提供された。
【0089】
MHCクラスI分子に対するペプチド結合についてのアセンブリーアッセイ
[
35S]−メチオニンで代謝的に標識された合成ペプチド(Invitrogen、カールズバッド、CA、USA)のHLA−A1、−A2、−A3、または−A11に対する結合親和力を既に記載されているようにして(12)アセンブリーアッセイにおいて測定した。アッセイは、TAP欠損細胞系から細胞溶解により放出された空HLA分子のペプチドによる安定化に基づく。HLAクラスI特異性構造依存性mAbW6/32を用いて安定に折り畳まれたHLA分子を免疫沈降させ、等電点(IEF)ゲル電気泳動法により分離した。ImageGaugeホスホルイメージャープログラム(フジ写真フイルム株式会社、カロルトン、Tx、USA)を用いてMHC重鎖バンドを定量化した。バンドの強度はアッセイ中に回収されるペプチド結合クラスI MHC複合体の量に比例する。次に、HLA分子の安定化の程度は添加されたペプチドの結合親和力と直接関連する。HLA分子の回収を分析するために使用されるペプチド濃度は、HLA−A1およびHLA−A11については40、4、0.4、0.04μM、HLA−A2およびHLA−A3については100、10、1、0.1、0.01μMであった。C
50値を次に各ペプチドについて最大安定化の半分に必要なペプチド濃度として計算した。
【0090】
PBLの抗原刺激
ELISPOTアッセイの感度を拡大するために、PBLを分析前に一度インビトロで刺激した。0日に、PBLまたは粉砕されたリンパ節を解凍し、x−vivo培地(Bio Whittaker、Walkersville、メリーランド)、5%熱不活化ヒト血清、および2mMのL−グルタミン中、10μMのペプチドの存在下で、24穴プレート(Nunc、ロスキレ、デンマーク)中、2ml/ウェルで2×10
6細胞としてプレートした。2日後、20IU/mlの組み換えインターロイキン−2(IL−2)(Chiron、ラーティンゲン、ドイツ)を培養物に添加した。培養された細胞を10日にELISPOTにおいて反応性について試験した。
【0091】
ELISPOTアッセイ
既に記載されているようにして(16)、ペプチドエピトープ特異性インターフェロン−γ放出エフェクター細胞を定量化するためにELISPOTアッセイを使用した。簡単に説明すると、ニトロセルロース底の96穴プレート(MultiScreen MAIP N45、Millipore、Hedehusene、デンマーク)を抗IFN−γ抗体(1−D1K、Mabtech、Nacka、スウェーデン)でコートした。ウェルを洗浄し、x−vivo培地によりブロックし、細胞を重複試験において異なる細胞濃度で添加した。ペプチドをついで各ウェルに添加し、プレートを一夜インキュベートした。翌日、培地を捨て、ビオチニル化二次抗体(7−B6−1―ビオチン、Mabtech)の添加前にウェルを洗浄した。プレートを2時間インキュベートし、洗浄し、アビジン−アルカリホスファターゼ接合体(Calbiochem、Life Technologies,Inc.サンディエゴ、CA、USA)を各ウェルに添加した。プレートを室温で1時間インキュベートし、洗浄し、酵素基質NBT/BCIP(DakoCytomation、Norden A/S、Glostrup、デンマーク)を各ウェルに添加し、室温で5〜10分間インキュベートした。暗紫色スポットが出現したら、水道水で洗浄することにより反応を停止させた。ImmunoSpotシリーズ2.0アナライザー(CTL Analyzers、LLC、クリーブランド、US)を用いてスポットをカウントし、スポット形成細胞の数からペプチド特異性CTL出現率を計算できた。全てのアッセイは各ペプチド抗原について重複試験において行った。
【0092】
結果
HLA−A1限定スルビビンエピトープの同定
HLA−A1に対するスルビビン誘導ペプチドの結合
主HLA−A1特異性アンカー残基、3位のアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)およびC末端のチロシン(Y)、フェニルアラニン(F)を用いて、スルビビンタンパク質のアミノ酸配列を最もありそうなHLA−A1ノナマーおよびデカマーペプチドエピトープについてスクリーンした。その結果、6のスルビビン誘導ペプチドが合成され、HLA−A1に対する結合について調べた(表4)。さらに、2つのペプチドSur38−46(MAEAGFIHC)(配列番号23)およびSur47−56(PTENEPDLAQ)(配列番号25)は両方ともRammenseeら(http://syfpeithi.bmi−heidelberg.com/で入手可能)による予想アルゴリズムにより可能な良好なバインダーとして同定されたので、主なアンカーの一つを含有するのみであるにもかかわらず、含まれていた。C
50値は各ペプチドについて、HLA−A1の最大回復の半分に必要なペプチド濃度として推定された(表4)。しかしながら、これらのペプチドの一つSur92−101(QFEELTLGEF)(配列番号27)のみがインフルエンザAタンパク質からの公知の正の対照エピトープ、
図10に例示されるような塩基性ポリメラーゼ1(PB1)(VSDGGPNLY)とほとんど同様の高い親和力で結合する。Sur93−101(FEELTLGEF)(配列番号24)はHLA−A1に対して低い結合親和力を有し、一方、分析された他のペプチドはどれもHLA−A1と結合しなかった(表4)。従って、本発明者らは、良好なアンカー残基が天然のペプチドと置換された多くの類似ペプチドを合成した。本発明者らは、C末端でそれぞれシステイン(C)またはグルタミン(Q)の代わりにチロシン(Y)を導入して2種のペプチド、Sur38−46(MAEAGFIHC)(配列番号23)およびSur47−56(PTENEPDLAQ)(配列番号25)を修飾した。修飾されたペプチドはいずれもHLA−A1と強力に結合した(表4)。さらに、本発明者らは、2つのペプチドSur92−101およびSur93−101において2位のアミノ酸を補助アンカースレオニン(T)またはセリン(S)で置換した。これらの修飾はSur92−101のHLA−A1に対する結合の正の影響を有していなかった。対照的にSur93T2(FTELTLGEF)(配列番号36)はHLA−A1と高い親和力で結合した(表4)。
図10は、天然の低親和力ペプチドSur93−101、高親和力修飾ペプチドSur93T2および非結合ペプチドSur49−58の、インフルエンザから得られる正の対照エピトープと比較しての結合を示す。最後に、本発明者らは、Sur14−22、Sur34−43、Sur49−58、Sur51−59、Sur92−101、およびSur93−101をC末端でチロシン(Y)で修飾したが、これはこれらのペプチドのいずれについてもHLA−A1に対する結合親和力を向上させなかった(データは省略)。
【0093】
癌患者におけるスルビビン誘導ペプチドに対するHLA−A1限定CTL応答
6人の黒色腫患者から得られるPBLおよび3人の黒色腫患者から得られるTILを、ELISPOTにより、4種の高親和力スルビビン推定ペプチドSur38Y9、Sur47Y10、Sur92−101、およびSur93T2のいずれかに対するCTL特異性の存在について分析した。スルビビン誘導ペプチドの少なくとも一つに対するT細胞反応性は、分析された9人の患者の全部からの3種のPBLサンプルおよび1種のTILサンプルにおいて観察された。
図11において見られるように、1人の患者Mel.A1−3からのPBLは4種のペプチド、Sur38Y9、Sur47Y10、Sur92−101、およびSur93T2に対するT細胞応答を有していた。Mel.A1−2は、Sur47Y10、Sur92−101およびSur93T2に対して応答を示したが、Mel.A1−1/TILおよびMel.A1−4/PBL応答はそれぞれSur47Y10およびSur93T2に対して観察された(
図11)。
加えて、10人の黒色腫患者をELISPOTにより天然のペプチドSur93−101、Sur38−46およびSur47−56に対する免疫反応性について試験したが、これらの患者のいずれにおいてもペプチド特異性応答は検出されなかった(データは省略)。
【0094】
HLA−A11限定スルビビンエピトープの同定
スルビビン誘導ペプチドのHLA−A11に対する結合
スルビビンタンパク質のアミノ酸配列を、HLA−A3およびHLA−A11を包含するHLA−A3超科のものに対応する結合モチーフを有するノナマーまたはデカマーペプチドについてスクリーンした。主要アンカー残基、2位にロイシン(L)およびC末端にリシン(K)を有するペプチド配列を、Rammenseeらによる予想アルゴリズムにしたがってこれらの位置に関連するアミノ酸を有するペプチド配列と共に選択した(表4)。
13種のペプチドをスルビビンのタンパク質配列から予想し、HLA−A11およびHLA−A3との結合にいて分析した。これらのペプチドのうちの3つ、Sur53−62(DLAQCFFCFK)(配列番号47)、Sur54−62(LAQCFFCFK)(配列番号42)およびSur112−120(KIAKETNNK)(配列番号44)は、EBV核抗原4からのウイルスエピトープ(AVFDRKSDAK)(配列番号63)に匹敵する高い親和力でHLA−A11と結合した。加えて、1つのペプチド、Sur112−121(KIAKETNNKK)(配列番号51)はHLA−A11と弱く結合した(表4)。
【0095】
癌患者におけるスルビビン誘導ペプチドに対するHLA−A11限定CTL応答
5人の黒色腫患者および2人のCLL患者からのPBLを、4種のHLA−A11結合ペプチド、Sur53−62;Sur54−62、Sur112−120、およびSur112−121に対するT細胞反応性について試験した。本発明者らは、2人の黒色腫患者Mel.A11−1、Mel.A11−2からのPBLにおいてELISPOTによりスルビビン誘導ペプチドSur53−62に対する応答を検出することができた(
図12)。さらに、本発明者らは、患者Mel.A11−2において腫瘍浸潤リンパ節からの腫瘍浸潤リンパ球(TIL)中Sur53−62特異性T細胞を検出した(
図12)。患者Mel.A11−1において、スルビビンペプチドSur53−62に対する強力な免疫応答が2年の期間にわたって採取された5種の異なるサンプルにおいて観察された(データは省略)。
【0096】
HLA−A3限定スルビビンエピトープの同定
HLA−A3に対するスルビビン誘導ペプチドの結合
HLA−A3超科に対する結合について予想されるスルビビン誘導ペプチドをHLA−A3に対する結合についてさらに分析した。2つのペプチドSur112−120(KIAKETNNK)(配列番号44)およびSur112−121(KIAKETNNKK)(配列番号57)のみが、ウイルスエピトープ、インフルエンザA核タンパク質265−273(ILRGSVAHK)(配列番号74)と同様に、HLA−A3と高い親和力で結合した(表4)。さらに、2つのペプチドSur53−62(DLAQCFFCFK)(配列番号47)およびSur95−103(ELTLGEFLK)(配列番号43)はHLA−A3と弱く結合した。
【0097】
HLA−A3についての結合親和力を増大させるために検出可能な結合を有さないペプチドのいくつかを修飾した。かくして、本発明者らは、さらに良好なアンカー残基ロイシン(L)が2位の天然のアラニン(A)と置換されているSur54−62およびSur113−122の2つの類似ペプチドを合成した。Sur54L2(LLQCFFCFK)(配列番号56)はHLA−A3と高い親和力で結合するが、Sur113L2(ILKETNNKKK)(配列番号59)は弱くしか結合しなかった(表4)。加えて、本発明者らは、C末端の天然のフェニルアラニン(F)がさらに良好なアンカー残基リシン(K)で置換されたSur5−13、Sur13−22、Sur18−27、およびSur53−61の4つの類似ペプチドを合成した。Sur5K9(TLPPAWQPK)(配列番号54)およびSur18K10(RISTFKNWPK)(配列番号58)はHLA−A3と高い親和力で結合するが、置換は天然の類似体と比較して、Sur13K9(FLKDHRISTK)(配列番号57)およびSur53K9(DLAQCFFCK)(配列番号55)に対する結合に関して検出可能な影響を及ぼさなかった。
【0098】
癌患者におけるスルビビン誘導ペプチドに対するHLA−A3限定CTL応答
黒色腫患者からの9サンプル(5PBlおよび4TIL)を、2つの天然の高親和力HLA−A3結合ペプチドSur112−120およびSur112−121、ならびに2つの天然の弱結合ペプチドSur53−62およびSur95−103に対する免疫反応性について分析した。しかしながら、これらのペプチドに対する免疫応答はどの患者においてもELISPOTにおいて検出できなかった。したがって、同じ患者を3つの高親和性修飾スルビビン誘導ペプチドSur5K9、Sur18K10、およびSur54L2に対する自発性免疫反応性について分析した。CTL反応性は、3人の患者、Mel.A3−1、Mel.A3−2、Mel.A3−3からのTILサンプルにおけるSur18Kに対して検出された(
図13)。2つの他のペプチド、Sur5K9およびSur54L2に対する応答は検出されなかった。これらの応答をさらに確認するために、さらに18人の黒色腫患者からのPBLをSur18K10に対するCTL反応性について分析した。3人の応答する患者、Mel.A3−4、Mel.A3−5、およびMel.A3−6がこれらのなかから見いだされ、その結果、27人の分析された患者のうち合計6人の患者が応答した(
図13)。
【0099】
新規HLA−A2限定スルビビンエピトープの同定
HLA−A2に対する11−merスルビビン誘導ペプチドの結合
スルビビンタンパク質のアミノ酸配列を、主要HLA−A2特異性アンカー残基を用いて最も可能性の高いHLA−A2 11−merペプチドエピトープについてスクリーンした。6種のスルビビン推定ペプチドを合成し、HLA−A2に対する結合について調べた。調べたペプチドはどれも、Eptein−BarrウイルスBMLF
280−288ペプチド(GLCTLVAML)(配列番号72)からの公知の正対照エピトープと同様の高い親和力では結合しなかった(表4)。HLA−A2の最大回復の半分に必要なペプチド濃度(C
50値)は正の対照について0.9μMであった。比較として、ペプチドSur18−28(RISTFKNWPFL)(配列番号67)およびSur86−96(FLSVKKQFEEL)(配列番号69)はHLA−A2と弱く結合した(C
50はそれぞれ69μMおよび72μM)。しかしながら、公知のHLA−A2限定スルビビンエピトープはHLA−A2と同様に弱く結合し;Sur95−104(ELTLGEFLKL)(配列番号43)は中くらいの親和力で結合し(C
50=10μM)、Sur96−104(LTLGEFLKL)(配列番号10)は弱くしか結合しなかった(C
50>100μM)。試験した残りの4つの11−merペプチド、(Sur4−14(PTLPPAWQPFL)(配列番号66)、Sur54−64(LAQCFFCFKEL)(配列番号68)、Sur88−98(SVKKQFEELTL)(配列番号70)、およびSur103−113(KLDRERAKNKI)(配列番号74)はHLA−A2と結合しなかった。
【0100】
癌患者におけるスルビビン誘導ペプチドに対するHLA−A2限定CTL応答
2種の弱結合11merペプチド、Sur18−28およびSur86−96がHLA−A2により提示され、癌患者の免疫系により認識されるかどうかを調べるために、10人の癌患者(2人の黒色腫(Mel)、6人のCLL(CLL)、および2人の乳ガン(MC)患者)をまず分析した。Sur18−28に対するCTL応答が、分析された10人の患者のうちの2人(CLL−1、CLL−2、
図14)からのPBLにおいて見いだされ、一方、Sur86−96に対して応答は検出されなかった(データは省略)。これらのSur18−28特異性応答を確認するために、さらに12人の患者(7人の黒色腫、1人のCLL、および4人の乳ガン患者)からのPBLをこのペプチドに対するCTL反応性に関して分析した。これらのうち、4人の患者(CLL−3、MC−1、MC−2、Mel.A2−1)がELISPOTにより検出可能なSur18−28特異性免疫活性を有していた(
図14)。従って、分析された22人の患者のうち6人のPBLはSur18−28に対するCTL応答を有していた。
【0101】
HLA−B7限定スルビビンエピトープの同定
HLA−B7に対するスルビビン誘導ペプチドの結合
スルビビンタンパク質のアミノ酸配列を、HLA−B7のペプチド結合モチーフのアンカー残基を有する9〜10のアミノ酸のペプチドについてスクリーンした。5つのペプチドを選択し、アセンブリーアッセイにおいてHLA−B7を安定化させるその能力について分析した。C
50値を各ペプチドについてHLA−B7の最大安定化の半分に必要なペプチド濃度として推定した(表4)。2つのスルビビン誘導ペプチドsur6−14(LPPAWQPFL)(配列番号18)およびsur11−19(QPFLKDHRI)(配列番号19)はHLA−B7を若干安定化させ、C
50値は100μM以上であり;sur46−54(CPTENEPDL)(配列番号6)、sur51−59(EPDLAQCFF)(配列番号7)、およびsur34−43(TPERMAEAGF)(配列番号20)はHLA−B7と結合しなかった(表4)。
【0102】
癌患者におけるスルビビン誘導ペプチドに対するHLA−B7限定CTL応答
5人の黒色腫患者(mel25、mel26、mel3、mel6、mel39)、2人のCLL患者(CLL1、CLL54)および2人の乳ガン患者(breast11、breast15)から得られるHLA−B7陽性PBLを弱HLA−B7結合ペプチドsur6−14(LPPAWQPFL)(配列番号18)およびsur11−19(QPFLKDHRI)(配列番号19)に対するT細胞反応性について試験した。本発明者らは、CLL患者および乳ガン患者におけるスルビビン誘導ペプチドsur6−14に対して強力な自発的CTL応答を検出ることができた(
図15)。さらに、本発明者らは、黒色腫患者mel3においてこのペプチドに対する弱い応答を検出することができた(
図15)。
【0103】
癌患者におけるスルビビン誘導ペプチドに対するHLA対立遺伝子限定免疫応答の概要
前記実施例において記載されたMHCクラスI分子に対するペプチド結合についてのアセンブリーアッセイを用いて、9〜11のアミノ酸残基を含む一連のスルビビン誘導ペプチドを次のHLA対立遺伝子との結合について試験した:HLA−A1、HLA−A3、HLA−A11およびHLA−B7。加えて、ペプチドのいくつかを、これも前記のELISPOTを用いてCTL免疫応答を惹起するその能力について試験した。
前記実施例において得た結果を含む結果のまとめを以下の表4に示す。
【0104】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【0105】
iELISPOTにより1人のリンパ腫患者(HEM34)においてペプチドSur112−120に対する応答が観察された。
iiELISPOTにより3人のリンパ腫患者(HEM9、11、34)においてペプチドSur53−62に対して応答が検出された。
ivELISPOTにより黒色腫患者(FM−TIL95)において弱い応答が観察された。
vii黒色腫患者(PM6)においてSur112−121に対する応答が観察され、転移性リンパ節懸濁液において最も顕著であり、ELISPOTにより一次腫瘍からのTILおよびPBLにおいてはさらに弱かった。
viiiCLL患者(CLL9)においてペプチドSur6−14に対する応答が観察され、elispotによりリンパ腫患者(HEM21)においてさらに弱い応答が観察された(データは省略)。
【0106】
実施例5
免疫原としてスルビビン誘導体を用いた治療試験法
概要
5人のよく前治療されたIV期の黒色腫患者に、修飾されたHLA−A2限定スルビビンエピトープ、すなわち、例外的使用設定において自己樹状細胞により提示されたsur1M2ペプチドをワクチン接種した。患者のうち4人はこのエピトープに対してELISPOTアッセイにより測定すると強力なT細胞応答を示した。さらに、インサイチュペプチド/HLA−A2マルチマー染色により、スルビビン反応性細胞の内臓組織および軟組織転移中への浸潤が明らかになった。明らかに、毒性を伴うワクチン接種は観察されなかった。データから、後期黒色腫患者においてもスルビビンに対するT細胞応答を惹起でき、これらのワクチン接種は良好な耐用性を有することが示された。
【0107】
材料および方法
患者の適格基準および治療計画
全ての臨床手順は、ヘルシンキ宣言に従い、すべての患者は治療前にインフォームドコンセントを受けた。IV期の皮膚またはぶどう膜黒色腫患者は、少なくとも2種の異なる化学、免疫、または化学免疫療法にもかかわらず疾患が進行している場合に適格であった。加えて、患者は18歳以上であり、HLAA*0201を発現し、頭蓋、胸郭および腹部コンピューター断層撮影法により確認される測定可能な疾患にかかっていなければならなかった。患者のクラノフスキー指数は60%以上でなければならなかった。全身的化学および/または免疫療法を、ワクチン接種前4週間以内に行わなかった。重要な除外基準は、CNS転移、活性自己免疫または感染性疾患、妊娠および授乳、ならびに重大な精神異常の徴候であった。ペプチドパルス化樹状細胞は既に記載されているように生成された(82)。簡単に説明すると、白血球除去輸血から得られるPBMCをLymphoprepTM(Nycomed Pharma)で単離し、アリコートに分けて凍結し、液体窒素中で貯蔵した。ワクチン接種の1週間前に、PBMCを解凍し、洗浄し、ゲンタマイシン、グルタミンおよび熱不活化自己血漿を含有する培地中で培養した。1日および5日に、IL−4およびGM−CSFを添加した。成熟DCを分化させるために、TNF−γおよびプロスタグランジンE2を6日に添加した。7日に、成熟DCの表現型および形態的特徴、すなわち不明瞭な外観および=75%CD83発現を示す細胞を修飾スルビビン誘導HLA−A2限定スルビビン
96−104エピトープ、LMLGEFLKL(配列番号10)(Clinalfa、スイス)14でパルス化した。1日および5日に培養物から採取されたサンプルの微生物試験が無菌であると証明される場合にのみ細胞をワクチン接種に使用した。
【0108】
最初の2回のワクチン接種については7日間隔、続いてさらなるワクチン接種について28日間隔で患者にワクチン接種した。合計10〜20×106の成熟スルビビン
96−104パルス化DCを、1%ヒト血清アルブミンを含有するPBS中に再懸濁させ、局所リンパ節に近い大腿部の腹側正中領域において、注射部位ごとに1.5×106DCのアリコートで皮内注射した。排液リンパ節が除去および/または照射された肢節を排除した。患者の健康状態の重大な悪化またはCNS転移の発生の不在下で、5回のワクチン接種後に白血球除去輸血を繰り返した。
【0109】
臨床および免疫学的応答の測定
ワクチン接種前、およびその後3ヶ月ごとまたは疾患の進行の重大な臨床的徴候が見られた場合に、CTスキャンを行った。3ヶ月ごとに得られるPBMCを用いて免疫学的応答をELISPOTアッセイによりモニターして、スルビビン
96−104特異性IFN−γ放出を検出した。ELISPOTアッセイの感度を拡大するために、PBMCを、5%熱不活化ヒト血清および2mMのL−グルタミンで補足されたx−vivo培地(Bio Whittaker、Walkersville、メリーランド)中、10μMのペプチドの存在下で、24穴プレート(Nunc、デンマーク)中1×10
6細胞/mlの濃度でインビトロで1回刺激した。2日後、40IU/mlの組み換えインターロイキン−2(Il−2)(Chiron、ラーティンゲン、ドイツ)を添加した。10日後、細胞を反応性について試験した。この目的のために、ニトロセルロース底の96穴プレート(MultiScreen MAIP N45、Millipore、Glostrup、デンマーク)を抗INF−γ抗体(1−D1K、Mabtech、スウェーデン)でコートした。リンパ球を、ウェルごとに200μlのx−vivo培地中10
4〜10
5細胞で10
4T2細胞および当該ペプチドと共に最終濃度2μMで添加した。37℃で一夜インキュベーションし、2回洗浄した後、ビオチニル化検出抗体(7−B6−1−ビオチン、Mabtech、スウェーデン)を添加し;アルカリホスファターゼ−アビジンをそれぞれの基質(GibcoBRL)と共に使用して、その特異的結合を可視化した。暗紫色(AlphaImager System(Alpha Innotech、サンリアンドロ、CA、USA)を用いて定量化した)が出現したら反応を停止させた。
【0110】
スルビビン
96−104/HLA−A*0201反応性CD8+Tリンパ球を、マルチマースルビビン
96−104/HLA−A*0201複合体により、ワクチン接種部位ならびに内臓、軟組織、または皮膚転移の両方でインサイチュで追跡した。ワクチン接種部位を全ての患者において皮内注射後24時間で切除し、一方、転移病巣は、容易にアクセス可能である選択された患者(患者KNおよびGB)においてのみ除去するか、または治癒目的で除去した(患者WW)。マルチマーペプチド/MHC複合体の染色法は既に記載されている(68)。HLA−A*0201の細胞外領域(残基1−275)の5’末端で酵素ビオチニル化の認識部位を導入することにより、マルチマースルビビン
96−104/HLA−A*0201複合体を生成させた。組み換えタンパク質をサイズ排除(Sephadex G25、Pharmacia、エルランゲン、ドイツ)およびイオン交換(mono−Q、Pharmacia)クロマトグラフィーにより精製し、それぞれのペプチドおよびβ2−ミクログロブリンの存在下での希釈によりインビトロで折り畳んだ。Sephadex G25カラム上でのゲル濾過後、タンパク質をデキストラン分子と接合させたストレプトアビジン−FITC(L.Winter博士(DAKO、コペンハーゲン、デンマーク)の好意により提供されたもの)でマルチマー化して、多価HLA−デキストラン複合体を生成させた。それぞれのサンプルの低温保存断片を一夜乾燥し、続いて冷アセトン中で5分間固定した。全てのインキュベーション工程を暗所、室温で次のように行った:(i)抗体−CD8抗体(1:100、クローンHIT8a、Pharmingen、サンディエゴ、CA)を45分間、(ii)Cy3−接合ヤギ抗マウス(1:500希釈;コード115−165−100、Dianova、ハンブルグ、ドイツ)を45分間、最後に(iii)マルチマーを75分間。各工程間で、スライドをPBS/BSA0.1%中10分間2回洗浄した。最後に、スライドをベクタシールド中でマウントし、Leica共焦点顕微鏡(TCS 4D、Leica、マンハイム、ドイツ)下で観察した。
【0111】
結果
患者の特徴、毒性および臨床経過
5人のかなり進行したIV期黒色腫患者を登録させた。2人はぶどう膜黒色腫にかかっており、1人は軟組織黒色腫にかかっており、残りの1人は皮膚黒色腫にかかっていた。症候性脳転移の徴候のために、1人の患者は2回だけワクチン接種した後治療をやめた。他の4人の患者は15回までのワクチン接種を受けた。1人の患者は残存する転移を外科的に切除した後、腫瘍のない状態で心不全により死亡した。もう一人の患者は内臓転移(RW)の出現のために10回のワクチン接種後に治療をやめた。1人の患者は15回のワクチン接種後も実験を続けた。詳細な患者の特徴、薬歴、ワクチン接種回数および生存状況を表5にまとめる。
【0112】
重大な毒性は起こらなかった。従って、ヘモグロビン、白血球および血小板、ならびに乳酸脱水酵素、クレアチニンおよびコリンエステラーゼはワクチン接種療法により影響を受けなかった(
図16)。全身性または局所毒性の徴候は注射部位で観察されなかった。さらに、傷の治癒の低下、出血性障害、心不全、脈管炎または炎症性腸管疾患は検出されなかった。1人の患者(WW)において、既存の肝臓転移はワクチン接種療法下で安定化されたが、新しい副腎転移が起こった。残念なことに、この患者は治療的手術後に腫瘍がなかったが心不全のために死亡した。脳転移が患者PBにおいてワクチン接種開始後わずか4週間で検出された。従って、この患者は2回のみDC注射した後さらなるワクチン接種から排除しなければならなかった。他の3人の患者はその全般的な健康状態が実質的に損なわれることなく転移性疾患のゆっくりした進行を示した。際だって、患者KNに関して、ワクチン開始時での重度の転移および疾患の進行が速かったにもかかわらず、13ヶ月(ワクチン開始から死亡まで)の全体的な生存が達成された。患者GBはスルビビン−ペプチドパルス化DCでのワクチン接種の開始後14ヶ月でプロトコルを続けていた。しかしながら、両患者(RWおよびGB)は腫瘍抑制のために、皮下腫瘍の照射(RW)または局所化学療法(GB)のいずれかの追加の局所治療を受けていたことに注目すべきである。
【0113】
スルビビン特異性CD8+T細胞応答
細胞毒性T細胞応答の反応速度をモニターするために、ワクチン接種前および3ヶ月後に得られたPBMCを、IFN−γについてのELISPOTにより修飾スルビビン
96−104エピトープに対する反応性について試験した。分析前に、このアッセイの感度を拡大するためにPBMCを一度インビトロで刺激した。試験した4人の患者全てにおいて、スルビビン
96−104反応性T細胞の誘発が顕著であった(
図17)。他のHLA−A*0201限定スルビビンペプチド、すなわち非修飾スルビビン
96−104および隣接するSur9エピトープに対する反応性についての分析は、患者のうちの2人(KNおよびRW)においてこれらのペプチドに対してT細胞応答を示した(データは省略)。
【0114】
末梢血における腫瘍特異性T細胞応答の測定の予後および臨床値は繰り返し問題として取り上げられてきた;従って、本発明者らはペプチド/MHCマルチマー染色によるインサイチュ腫瘍浸潤リンパ球中、スルビビン
96−104/HLA−A*0201反応性CD8+Tリンパ球の存在についても試験した。この方法を有効にするために、本発明者らはまず24時間以内にワクチン接種部位で発生する遅延型過敏性反応からの組織サンプルを分析した。この分析により、ペプチドパルス化DCの皮内注射は強力なペプチド特異性炎症性T細胞浸潤を誘発するという先の観察が確認された。次に、ペプチド/MHCマルチマー染色法を軟組織および内臓転移に適用し、これによりCD8+浸潤物中スルビビン
96−104/HLA−A*0201反応性細胞の存在が明らかになった。この観察により、ワクチン接種は所望の特異性を有するT細胞を誘発するだけでなく、これらに必要なホーミング能力を付与することが示唆される。
【0115】
【表7】
【0116】
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