【実施例】
【0012】
図1は、本実施例の空気調和装置1の斜視図を示す図である。
図2は、本実施例の空気調和装置1を横方向(
図1の右側方向)から見た断面図を示す。本実施例の空気調和装置1は、天井に近接した状態で取り付けられる。空気調和装置1は送風ファン4が駆動することにより、吸込口21から空気を吸込み、熱交換器3により熱交換が行われ、吹出口22から熱交換が行われた空気が吹出されることにより、冷暖房運転が行われる。ここで、本実施例では、熱交換器3を収容する空間を熱交換室Aと呼び、また送風ファン4を収容する空間を送風室Bと呼ぶ。これらの熱交換室A、送風室Bは仕切板部2によって仕切られ、仕切板部2と上面側板部5(天板)とで形成されている。
【0013】
図3は、空気調和装置の内部構造図を示す図であり、方向としては
図1を下側から見た図を示す。送風室Bは上面側板部5と仕切板部2とで仕切られて構成され、送風ファン4を駆動するファンモータ6を上面側板部5に固定するモータ固定部7(モータ固定台)と、ファンモータ6の回転軸を軸支する軸受部8(軸受固定台)と、この軸受部8を上面側板部5に固定する軸受固定部9とを備えている。なお、
図3において上面側板部5は反対側に配置されている。以上に説明したように本実施例の空気調和装置1は、内部を仕切板部2によって、熱交換器3を収容する熱交換室Aと送風ファン4を収容する送風室Bとに仕切り、送風ファン4を駆動するファンモータ6と、該ファンモータ6の回転軸を支持する軸受部8と、送風室B内に備え、ファンモータ6はモータ固定部7により上面側板部5及び仕切板部2に固定される。
【0014】
ここでモータ固定部7や軸受固定部9の前方(
図3において下方向)や後方(
図3において上方向)への位置ずれや、あるいは、これらの回転軸方向(
図3において左右方向)への位置ずれが生じると、回転軸の撓み変形や位置ずれに起因した振動や騒音の原因ともなり得るため、この位置ずれを起こさないことが重要な課題となる。以下においては、この課題を解決するための本実施例の構成について説明する。
【0015】
図4は、本実施例のモータ固定部7を上面側板部5に取り付けた状態を回転軸方向から見た図である。
【0016】
図5は、本実施例のモータ固定部7の斜視図を示す。本実施例では
図4、
図5に示すように上面側板部5は、ファンモータ6側に形成されたモータ固定部用切起こし部10が形成され、モータ固定部用切起こし部10は、モータ固定部7の仕切板部2の側の熱交換器室側移動防止面15で接触する。なお、
図5においては図示していないが、仕切板部2が手前側に配置され、上面側板部5が下側に配置される。このようにモータ固定部用切起こし部10を上面側板部5に形成することにより、モータ固定部7が仕切板部2側(
図4の上側、
図5の手前側)に動かないようにすることができ、ファンモータ6のユニット前方方向(
図3の上側)へ位置ずれを防止することができ、さらにこれを用いて位置決めを行うことが可能である。
【0017】
より具体的に説明すると、
図5に示すようにモータ固定部7は、ファンモータ6の回転軸方向の両側においてそれぞれ上面側板部5(図示していないが、
図5の下側に配置)と固定するように構成されている。モータ固定部用切起こし部10は、回転軸方向の両側においてそれぞれ形成された二つの切起こし部により構成され、これらの切起こし部が回転軸方向の両側において、それぞれ仕切板部2(図示していないが、
図5の手前側に配置)の側の面(熱交換器室側移動防止面15)で接触することにより、モータ固定部7が仕切板部2側に動かないようにしたものである。ここでは上面側板部5にモータ固定部用切起こし部10を形成することで別部材を不要としコストの低減を図ったものであるが、モータ固定部用切起こし部10の代わりに溶接等によりファンモータ6側にモータ固定部用凸部を形成し、これによりモータ固定部用切起こし部10と同様の作用を奏することも可能である。
【0018】
ここで、上面側板部5は仕切板部2側に凸となるように凸部11(リブ形状)が形成され、仕切板部2は上面側板部5と接触する箇所をこの凸部11の形状に合わせるように曲げられている。このように仕切板部2がファンモータ6と反対側面で接触するように構成されることにより、仕切板部2がモータ固定部7側(
図4の下側)に動かないようにしている。
【0019】
次に軸受固定部9の位置ずれ防止方法において
図6、
図7を用いて説明する。モータ固定部の位置ずれ防止も大事であるが、この軸受固定部9の位置ずれが生じると、やはり芯出し精度が低下し、騒音や振動発生の原因となり得る。そこで本実施例においては、
図6、
図7に示す構成により、この問題解決を図り騒音、振動発生を抑制するものである。
【0020】
図6は、本実施例の軸受固定部9を上面側板部5に取り付けた状態を回転軸方向から見た図である。
【0021】
図7は、本実施例の軸受固定部9の斜視図である。軸受部8は軸受固定部9により固定されるとともに、軸受固定部9は上面側板部5及び仕切板部2に固定される。なお、
図7では図示していないが、上面側板部5は下側に配置され、仕切板部2が手前側に配置される。上面側板部5は、軸受部8側に形成された軸受固定部用切起こし部12が形成され、軸受固定部用切起こし部12は、軸受固定部9の仕切板部2(図示していないが
図7の手前側に配置)の側の熱交換器室側移動防止面13で接触する。この反対側面とは
図7の軸受固定部9の熱交換器室側移動防止面13と軸受固定部用切起こし部12の熱交換器室側移動防止部位17が接触する面である。これにより、軸受固定部9が仕切板部2側に動かないようにする。
【0022】
また、軸受固定部用切起こし部12は、軸受固定部9と回転軸方向の面で接触することにより、軸受固定部9が回転軸方向に動かないようにする。すなわち、
図7の軸受固定部9の回転軸方向移動防止面14と軸受固定部用切起こし部12の回転軸方向移動防止部位18が接触するにより、軸受固定部9が回転軸方向に動かないようにするものである。これは軸受固定部9はねじ23により上面側天板5に固定するものであるが、この作業の際に軸受固定部9がねじ23の回転方向、つまり、回転軸方向に移動してしまうことを防止するものである。これにより作業性が向上するとともに位置ずれ防止を図ることが可能となる。
【0023】
以上に説明した本実施例の構成によれば、軸受部8の中心をファンモータ6の回転軸と一致させるように位置決めを行うことができると共に、位置ずれ防止が図ることができるため、高い芯出し精度となり、位置ずれに起因する振動・騒音低減を図ることができる。またモータ固定部7用と軸受固定部9用の切起こしは、同じ部品である上面側板部5によって切起こしが形成されるため、製造時の寸法管理も行いやすい。