特許第6022221号(P6022221)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6022221-ゲル状食品用容器 図000002
  • 特許6022221-ゲル状食品用容器 図000003
  • 特許6022221-ゲル状食品用容器 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6022221
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】ゲル状食品用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/72 20060101AFI20161027BHJP
   B65D 77/00 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   B65D85/72 Z
   B65D77/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-132090(P2012-132090)
(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公開番号】特開2013-256303(P2013-256303A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】508274828
【氏名又は名称】株式会社ヤヨイサンフーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100119301
【弁理士】
【氏名又は名称】蟹田 昌之
(72)【発明者】
【氏名】米屋 雅之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 晋一郎
【審査官】 秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−053082(JP,U)
【文献】 特開2005−067632(JP,A)
【文献】 実開平01−176047(JP,U)
【文献】 特開平10−295316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/72
B65D 77/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル状食品が収容される凹部と、
前記凹部の開口の上縁部に形成された窪みと、
を備えたゲル状食品用容器であって、
前記窪みを2つ備え、この2つの窪みの一方と他方とが前記凹部の開口を挟んで対向していることを特徴とするゲル状食品用容器。
【請求項2】
前記凹部は、野菜を模した形状に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のゲル状食品用容器。
【請求項3】
前記ゲル状食品は、ペースト状の野菜に凝固剤を添加して凝固させたものである、ことを特徴とする請求項1または2に記載のゲル状食品用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル状食品用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
さつまいも、人参、かぼちゃ等の野菜を蒸煮およびニーディングしてペーストをつくるか、あるいはさつまいも、人参、かぼちゃ等の野菜をあらかじめ粉砕してから蒸煮およびミキシングしてペーストをつくり、これに熱不可逆性(一度加熱して溶解し、冷却すると再度加熱しても溶けない)の凝固剤と、必要に応じて調味料、着色料、香料等を添加し、これを成形型に充填して凝固せしめた野菜の成形品が知られている(特許文献1参照)。この野菜の成形品は、成形型内で凝固された後、成形型から離型され、加熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−295316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、凝固されたゲル状食品は、成形型と密着しているため、成形型から離型する際に型崩れしやすい。このため、上記従来の成形型では、喫食する際におけるゲル状食品の見た目の美しさが損なわれてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、ゲル状食品を型崩れさせることなく離型させることが可能なゲル状食品用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記課題は、次の手段により解決される。
【0007】
本発明は、ゲル状食品が収容される凹部と、前記凹部の開口の上縁部に形成された窪みと、を備えたゲル状食品用容器であって、前記窪みを2つ備え、この2つの窪みの一方と他方とが前記凹部の開口を挟んで対向していることを特徴とするゲル状食品用容器である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲル状食品を型崩れさせることなく離型させることが可能なゲル状食品用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器の概略構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器の概略構成を示す平面図(a)、側面図(b)、及び断面図(c)である。
図3】本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器からゲル状食品を離型させる方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器の概略構成を示す斜視図であり、図2は、本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器の概略構成を示す平面図(a)、側面図(b)、及び断面図(c)である。なお、図2(c)の断面図は、図2(a)中のA−A断面を示したものである。
【0012】
図1図2に示すように、本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器1は、ゲル状食品が収容される凹部10を備えている。ここで、凹部10の開口縁には窪み20が形成されている。このため、本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器1においては、窪み20が形成された部位において凹部10の剛性が弱められる。したがって、本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器1によれば、例えば窪み20に指を当てて窪み20を開口の外側に向けて押し広げることにより、ゲル状食品と凹部10との間に隙間を生じさせ、ゲル状食品を型崩れさせることなく凹部10から離型させることができる。
【0013】
以下、各部材について詳細に説明する。
【0014】
(ゲル状食品)
ゲル状食品は、凝固剤で凝固された食品である。本発明の実施形態では、ゲル状食品の一例として、ペースト状の野菜(より具体的にはレンコン)に凝固剤を添加して凝固させたものをとりあげる。野菜のほか、肉や魚などの様々な食材をペースト状にして用いることもできる。凝固剤としては、例えば、ゼラチン、寒天、カラギーナン、ペクチン、マンナン、ジュランガム、またはカードランなどを用いることができる。また、凝固させるペースト状の食材には、凝固剤のほか、必要に応じて、調味料、着色料、香料などを添加することもできる。
【0015】
(凹部)
凹部10の形状は特に限定されないが、本発明の実施形態では、野菜(より具体的にはレンコン)もしくはカットされた野菜を模した形状に形成された凹部10を一例としてとりあげる。野菜のほか、肉や魚などの様々な食材を模した形状に凹部10を形成することもできる。
【0016】
(窪み)
窪み20は2つ備えられており、2つの窪み20の一方と他方とは、凹部10の開口を挟んで対向している。このようにすれば、両手の指を窪み20に当てやすく、また、凹部10の剛性をバランスよく弱めることができるため、凹部10の開口をよりいっそう簡単に広げることが可能となる。
【0017】
窪み20の数は、2つであることが好ましいが、1つまたは3つ以上とすることも可能である。窪み20を2つ以上設ける場合、窪み20の位置は、上記したように凹部10の開口を挟んで対向していることが好ましいが、凹部10の開口縁における様々な位置に形成することも可能である。
【0018】
(材料)
本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器1は、変形可能な合成樹脂、例えば、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ナイロン、またはこれらを組み合わせた混合物などを材料として作製されたものであることが好ましい。
【0019】
図3は、本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器からゲル状食品を離型させる方法の一例を示す図である。
【0020】
図3(a)に示すように、本発明の実施形態に係るゲル状食品用容器1からゲル状食品30を離型させるには、例えば、ゲル状食品用容器1を両手で持ち、凹部10の開口がある面を下に向ける。
【0021】
そして、図3(b)に示すように、両手の人差し指を2つの窪み20にそれぞれ当て、これを開口の外側に向けて押す。
【0022】
すると、図3(c)に示すように、開口が左右に押し広げられ、ゲル状食品30と凹部10との間に隙間40が生じ、ここに空気が混入する。このため、ゲル状食品30と凹部10との密着が弱められ、ゲル状食品30を型崩れさせることなく凹部10から離型させることが可能となる。
【0023】
以上、本発明の実施形態について説明したが、かかる説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【符号の説明】
【0024】
1 ゲル状食品用容器
10 凹部
20 窪み
30 ゲル状食品
40 隙間
図1
図2
図3