(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外部の相手側コネクタに対して電気的に接続を行うためのコネクタ用開口部を仕切壁を介して一体的に有する筐体内に電子部品が実装された回路基板を搭載していると共に、当該回路基板が当該コネクタ用開口部内で当該仕切壁に設けられた挿入穴に挿入されて一部露出される構造の電子制御装置であって、
前記筐体内には、前記回路基板の所定箇所と結合されて当該回路基板を保持する弾性力を持つ金属部材が備えられており、前記筐体は、側面方向の壁面が部分的に開口されて放熱用の凸状の外部金属部材の装着に供され、前記外部金属部材は、前記開口への装着状態で頂部が前記金属部材に接触されると共に、段差部と前記開口周辺の壁部との間に封止用充填部材が介在されることを特徴とする電子制御装置。
請求項1記載の電子制御装置において、前記金属部材と前記回路基板とを結合用に係止させる箇所が当該金属部材又は当該回路基板の何れか一方に設けられていることを特徴とする電子制御装置。
請求項1記載の電子制御装置において、前記金属部材は、前記回路基板の片側面で当該回路基板を2箇所以上で保持すると共に、前記筐体側から1箇所以上で保持されたことを特徴とする電子制御装置。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例1に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【
図2】
図1に示す電子制御装置の端面方向における断面図である。
【
図3】
図1に示す電子制御装置の筐体内に配備される回路基板及び金属部材を示した平面図である。
【
図4】
図1に示す電子制御装置の組み立てを説明するために示した細部構成の組み付けに至る様子を示した展開図である。
【
図5】
図1に示す電子制御装置の筐体内に配備される回路基板及び金属部材の結合固定を締結部材を用いて行う様子を示した側面方向からの図である。
【
図6】本発明の実施例2に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【
図7】
図6に示す電子制御装置の端面方向における断面図である。
【
図8】
図6に示す電子制御装置の組み立てを説明するために示した細部構成の組み付けに至る様子を示した展開図である。
【
図9】
図6に示す電子制御装置の筐体内に配備される回路基板及び金属部材の結合固定を締結部材を用いて行う様子を示した側面方向からの図である。
【
図10】本発明の実施例3に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【
図11】
図10に示す電子制御装置の組み立てを説明するために示した細部構成の組み付けに至る様子を示した展開図である。
【
図12】
図10に示す電子制御装置の筐体内に配備される回路基板及び金属部材を示した平面図である。
【
図13】
図10に示す電子制御装置の筐体内に配備される金属部材を変形して回路基板に結合固定した様子を示した側面方向からの図である。
【
図14】
図13に示した筐体内に配備される回路基板及び金属部材を示した平面図である。
【
図15】本発明の実施例4に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【
図16】本発明の実施例5に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【
図17】
図16に示す電子制御装置の端面方向における断面図である。
【
図18】
図16に示す電子制御装置の組み立てを説明するために示した細部構成の組み付けに至る様子を示した展開図である。
【
図19】
図16に示した筐体内に配備される回路基板及び金属部材を示した平面図である。
【
図20】本発明の実施例6に係る電子制御装置の端面方向における断面図である。
【
図21】本発明の実施例7に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【
図22】本発明の実施例8に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【
図23】本発明の実施例9に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【
図24】本発明の実施例10に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【
図25】本発明の実施例11に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【
図26】本発明の実施例12に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の電子制御装置について、幾つかの実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。また、
図2は、係る電子制御装置の端面方向における断面図である。更に、
図3は、係る電子制御装置の筐体内に配備される回路基板14及び金属部材15を示した平面図である。
【0013】
この電子制御装置は、図示されない外部の相手側コネクタ(雌型コネクタ)との間で電気的に接続を行うためのコネクタ(雄型コネクタ)用開口部
16を仕切壁11aを介して一体的に有する筐体ベース11に対して筐体カバー12が組み付けられる構成の非金属製(ここでは樹脂とする)の筐体内に電子部品13を実装した回路基板14が搭載される基本構造を持つ。その他、放熱構造として、筐体内に回路基板14における仕切壁11a側の表裏面の所定箇所と半田や接着材等の結合部材17により結合されて回路基板14を表面方向及び裏面方向から保持する弾性力を持つ一対の金属部材15が備えられ、筐体内で一対の金属部材15によって回路基板14の表裏面を保持して電子部品13から発生した熱を筐体へと伝達して外部へ放熱する機能を持つ。また、コネクタ用開口部16内では仕切壁11aに設けられた挿入穴に回路基板14の端部が挿入されてその電気的な接続パターンが配設された一部が露出されるようになっている。
【0014】
このうち、筐体ベース11は、コネクタ用開口部16及び仕切壁11aを一体的に有する他、仕切壁11aと対向する端部側が開口されている。筐体カバー12は、筐体ベース11の端部側の開口に対して装着される。ここでの筐体カバー12については、樹脂製であることを基本とするが、金属製のものを用いても良い。コネクタ用開口部16に用いられる相手側コネクタは、回路基板14の端部を端子とするカードエッジタイプの雌型コネクタである。回路基板14の表裏面(上下位置)に配備された一対の金属部材15は、筐体ベース11の側面方向における断面が弓状で弾性力を持っており、コネクタ用開口部16側の一端部が回路基板14の表面及び裏面における所定箇所と半田や接着材等の接合部材17により接合固定され、弓状の頂部が筐体ベース11の内壁面と接触すると共に、他端側が回路基板14の表面及び裏面における所定箇所と隔たった電子部品13の実装箇所を跨いだ位置に撓んで接触されることにより、回路基板14を保持する。この状態で金属部材15は、回路基板14の片側面で回路基板14を2箇所で保持すると共に、筐体ベース11側から1箇所で保持される。また、金属部材15は、
図2及び
図3に示されるように、回路基板14側と接触する部分に近い箇所に切り欠きが設けられると共に、回路基板14上の電子部品13の端子に対応する箇所に窓が設けられている。
【0015】
図4は、実施例1に係る電子制御装置の組み立てを説明するために示した細部構成の組み付けに至る様子を示した展開図である。
図4では、電子部品13を実装させた回路基板14を筐体内に組み込む際、電子部品13を実装させると共に、一対の金属部材15を表面、裏面の所定箇所に結合した状態の回路基板14を筐体ベース11内でスライドさせて仕切壁11aの挿入穴11bに回路基板14の端部を挿入してコネクタ用開口部16内で回路基板14の一部を露出させた後、筐体ベース11に対して筐体カバー12を装着固定して組み立てを行う様子を示している。但し、筐体ベース11内壁には、回路基板14のスライド挿入時にその両端部を支持して案内するためのガイド溝11cが設けられている。また、ここでは一対の金属部材15の凸状の頂部の高さを回路基板14の挿入面である筐体ベース11の開口の寸法(筐体ベース11の内壁面の寸法)よりも高く設定している。これにより、筐体ベース11の内壁面に設けた回路基板14に対する挿入用のガイド溝11cに沿って回路基板14をスライドさせてコネクタ用開口部16内で回路基板14の端部が露出される位置まで挿入する際、一対の金属部材15は一端側の回路基板14と接合された箇所から延在する凸状部分が筐体ベース11の上方、下方の内壁面と接触してそれぞれ他端側が内方へ撓んで回路基板14の表面、裏面と接触することで回路基板14が保持される状態となる。そこで、筐体カバー12で筐体ベース11の開口に蓋をすることで、金属部材15は回路基板14の挿入方向へのガタツキを生じることなく、安定して回路基板14を保持することができ、筐体自体の封止性(防水性)も確保される。
【0016】
図5は、実施例1に係る電子制御装置の筐体内に配備される回路基板14及び金属部材15の結合固定を締結部材を用いて行う様子を示した側面方向からの図である。
図5を参照すれば、ここでは回路基板14の表面及び裏面における所定箇所に一端側が結合固定される一対の金属部材15の結合部分を半田や接着材の結合部材17を用いて結合固定する代わりに、ねじやボルト等の締結部材18を用いて締結して固定する様子を示している。こうした場合には、予め穿孔された一対の金属部材15の一端側を回路基板14の表面及び裏面の所定箇所の穿孔部分に回路基板14を挟み込むように当接させて位置決めした後、締結部材18で締結して固定すれば良い。即ち、実施例1に係る電子制御装置では、回路基板14及び金属部材15の結合固定を結合部材17や締結部材18の何れを用いても良いものとする。
【0017】
実施例1に係る電子制御装置の放熱構造では、筐体内に回路基板14の表面、裏面と結合されて回路基板14を表面、裏面で保持する一対の金属部材15を配備し、筐体内で金属部材15によって回路基板14を表面、裏面でそれぞれ保持して電子部品13からの発熱を筐体へと伝達して効率良く外部へ放熱する機能が得られる。これにより、製造時に厳密な管理を要することなく、適用される電子部品13が制約されずに簡単で生産性(歩留まり)良く廉価に作製でき、十分な封止性(防水性)を有する高性能な放熱構造が得られる。因みに、実施例1に係る放熱構造は、回路基板14を電子部品13が上向きから下向きとなるように取り付け方向を表裏反対にして筐体内で保持した構造にも適用することができる。
【実施例2】
【0018】
図6は、本発明の実施例2に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。また、
図7は、係る電子制御装置の端面方向における断面図である。この電子制御装置は、実施例1の
図1に示した構造のものと比べ、放熱構造として、筐体内に回路基板14における仕切壁11a側の裏面の所定箇所と半田や接着材等の結合部材17により結合されて回路基板14を裏面方向から保持する弾性力を持つ一つの金属部材15が備えられ、筐体内で一つの金属部材15によって回路基板14の裏面を保持して電子部品13から発生した熱を筐体へと伝達して外部へ放熱する機能を持つ点が相違している。
【0019】
図8は、実施例2に係る電子制御装置の組み立てを説明するために示した細部構成の組み付けに至る様子を示した展開図である。
図8では、電子部品13を実装させた回路基板14を筐体内に組み込む際、電子部品13を実装させると共に、金属部材15を裏面の所定箇所に結合した状態の回路基板14を筐体ベース11内でガイド溝11cに沿ってスライドさせて仕切壁11aの挿入穴11bに回路基板14の端部を挿入してコネクタ用開口部16内で回路基板14の一部を露出させた後、筐体ベース11に対して筐体カバー12を装着固定して組み立てを行う様子を示している。但し、ここでも金属部材15の凸状の頂部の高さを回路基板14の挿入面である筐体ベース11の開口の下部寸法(筐体ベース11の内壁面の下部寸法)よりも高く設定している。これにより、回路基板14をガイド溝11cに沿ってスライドさせてコネクタ用開口部16内で回路基板14の端部が露出される位置まで挿入する際、金属部材15は一端側の回路基板14の裏面の接合箇所から延在する凸状部分が筐体ベース11の下側内壁面と接触して他端側が内方へ撓んで回路基板14の裏面と接触することで回路基板14が保持される状態となる。そこで、筐体カバー12で筐体ベース11の開口に蓋をすることで、金属部材15は回路基板14の挿入方向へのガタツキを生じることなく、安定して回路基板14を保持することができ、筐体自体の封止性(防水性)も確保される。
【0020】
図9は、実施例2に係る電子制御装置の筐体内に配備される回路基板14及び金属部材15の結合固定を締結部材を用いて行う様子を示した側面方向からの図である。
図5を参照すれば、ここでは回路基板14の裏面における所定箇所に一端側が結合固定される一つの金属部材15の結合部分を半田や接着材の結合部材17を用いて結合固定する代わりに、ねじやボルト等の締結部材18を用いて締結して固定する様子を示している。こうした場合には、予め穿孔された一つの金属部材15の一端側を回路基板14の裏面の所定箇所の穿孔部分に当接させるようにして位置決めした後、締結部材18で締結して固定すれば良い。即ち、実施例2に係る電子制御装置についても、回路基板14及び金属部材15の結合固定を結合部材17や締結部材18の何れを用いても良いものとする。
【0021】
実施例2に係る電子制御装置の放熱構造では、筐体内に回路基板14の裏面と結合されて回路基板14を裏面で保持する一つの金属部材15を配備し、筐体内で金属部材15によって回路基板14を裏面で保持して電子部品13からの発熱を筐体へと伝達して効率良く外部へ放熱する機能が得られる。これにより、実施例1の場合と比べて幾分放熱性能は低くなるが、回路基板14の表面側に金属部材15が配備されていない分、適用される電子部品13が実施例1の場合よりも制約されなくなるという利点がある。また、実施例1の場合と同様に、製造時に厳密な管理を要することなく、簡単で生産性(歩留まり)良く廉価に作製でき、十分な封止性(防水性)が得られる。因みに、実施例2に係る放熱構造は、回路基板14の表面側のみに金属部材15を配備した構造として変更できる他、回路基板14を電子部品13が上向きから下向きとなるように取り付け方向を表裏反対にして筐体内で保持した構造にも適用することができる。
【実施例3】
【0022】
図10は、本発明の実施例3に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。この電子制御装置は、実施例1の
図1に示した構造のものと比べ、放熱構造として、筐体内に回路基板14における仕切壁11a側(挿入側)の端部の所定箇所で引っ掛かるように折り返されるU字状の折り返し曲げ部15aを持つと共に、回路基板14を表面方向、裏面方向から保持する弾性力を持つ一つの金属部材15が備えられ、筐体内で一つの金属部材15によって回路基板14の表面、裏面を保持して電子部品13からの発熱を筐体へと伝達して外部へ放熱する機能を持つ点が相違している。
【0023】
図11は、実施例3に係る電子制御装置の組み立てを説明するために示した細部構成の組み付けに至る様子を示した展開図である。
図11では、電子部品13を実装させた回路基板14を筐体内に組み込む際、電子部品13を実装した回路基板14における挿入側の端部の所定箇所を金属部材15の折り返し曲げ部15aに対して当接させて係止した結合状態とした後、回路基板14及び金属部材15を筐体ベース11内でガイド溝11cに沿ってスライドさせて仕切壁11aの金属部材15における折り返し曲げ部15aの分だけ大きく設けられた部分を含む挿入穴11b′に対して折り返し曲げ部15a及び回路基板14の端部を挿入してコネクタ用開口部16内で回路基板14の一部を露出させるようにしてから筐体ベース11に対して筐体カバー12を装着固定して組み立てを行う様子を示している。但し、ここでも金属部材15の凸状の頂部の高さを回路基板14の挿入面である筐体ベース11の開口の寸法(筐体ベース11の内壁面の寸法)よりも高く設定している点は同じである。これにより、筐体ベース11の内壁面に設けた回路基板14に対する挿入用のガイド溝11cに沿って回路基板14をスライドさせてコネクタ用開口部16内で回路基板14の端部が露出される位置まで挿入する際、金属部材15は一端側の回路基板14と接合された箇所から延在する凸状部分が筐体ベース11の上方、下方の内壁面とそれぞれ接触して他端側が内方へ撓んで回路基板14の表面、裏面と接触することで回路基板14が保持される状態となる。そこで、筐体カバー12で筐体ベース11の開口に蓋をすることで、金属部材15は回路基板14の挿入方向へのガタツキを生じることなく、安定して回路基板14を保持することができ、筐体自体の封止性(防水性)も確保される。
【0024】
図12は、実施例3に係る電子制御装置の筐体内に配備される回路基板14及び金属部材15を示した平面図である。
図12を参照すれば、ここでの金属部材15は、
図3に示した実施例1に係る一対の金属部材15と比べ、回路基板14側と接触する部分に近い箇所に切り欠きが設けられている点は同じであるが、回路基板14上の電子部品13の端子に対応する箇所に窓が設けられておらず、回路基板14の挿入側の端部における隔たった2箇所の折り返し曲げ部15aで結合される構造となっている点が相違している。
【0025】
実施例3に係る電子制御装置の放熱構造では、筐体内に回路基板14の表面、裏面に跨るように折り返し曲げ部15aで折り返されて回路基板14の端部に係止結合されると共に、回路基板14を表面、裏面で保持する一つの金属部材15を配備し、筐体内で金属部材15によって回路基板14を表面、裏面で同時に保持して電子部品13からの発熱を筐体へと伝達して効率良く外部へ放熱する機能が得られる。これにより、実施例1や実施例2の場合のように結合部材17や締結部材18を用いることなく組み立てることができ、製造時に厳密な管理を要することなく、より簡単で生産性(歩留まり)良く廉価に作製することができる。また、実施例1の場合と同様に十分な封止性(防水性)を有する高性能な放熱構造が得られる。因みに、実施例3に係る放熱構造は、回路基板14を電子部品13が上向きから下向きとなるように取り付け方向を表裏反対にして筐体内で保持した構造にも適用することができる。
【0026】
ところで、実施例3に係る放熱構造で用いた金属部材15は、スライドによる組み込み時に位置ずれを防止する目的で変形させることが有効である。例えば
図13の金属部材15を変形して回路基板14に結合固定した様子を示した側面方向からの図、並びに
図14のそうした場合の回路基板14及び金属部材15を示した平面図を参照すれば、上述した回路基板14の挿入側の端部における隔たった2箇所の折り返し曲げ部15a以外に、回路基板14における両方の側面とそれぞれ異なる位置で接触するように、金属部材15の挿入方向に延在する異なる位置にそれぞれ位置ずれ防止用曲げ部15bを折り返し曲げ部15a近傍の箇所で上方から下方側へ折り曲げて設けると共に、折り返し曲げ部15aから隔たった箇所で下方から上方側へと折り曲げて設けた様子(この折り曲げ方向は反対であっても良い)を示している。係る位置ずれ防止用曲げ部15bを金属部材15に持たせれば、スライドによる組み込み時に金属部材15の横ずれ及び挿入方向での移動を抑制することができ、精度良く組み立てを行うことができる。従って、このような位置ずれ防止用曲げ部15bは、上述した実施例1及び実施例2の他、後述する実施例5及び実施例6を除く各実施例に係る金属部材15に持たせても良い。
【実施例4】
【0027】
図15は、本発明の実施例4に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。この電子制御装置は、実施例3の
図10に示した構造のものと比べ、放熱構造として、筐体内に回路基板14における仕切壁11a側(挿入側)の端部の所定箇所で引っ掛かるように折り返されるU字状の折り返し曲げ部15aを持つと共に、回路基板14を裏面方向から保持する弾性力を持つ一つの金属部材15が備えられ、筐体内で一つの金属部材15によって回路基板14の裏面を保持して電子部品13から発生した熱を筐体へと伝達して外部へ放熱する機能を持つ点が相違している。
【0028】
実施例4に係る電子制御装置の放熱構造では、筐体内に回路基板14の裏面に跨るように折り返し曲げ部15aで結合されて回路基板14を裏面で保持する一つの金属部材15を配備し、筐体内で金属部材15によって回路基板14を裏面で保持して電子部品13からの発熱を筐体へと伝達して効率良く外部へ放熱する機能が得られる。これにより、実施例3の場合と比べて幾分放熱性能は低くなるが、回路基板14の表面側に金属部材15が配備されていない分、適用される電子部品13が実施例3の場合よりも制約されなくなるという利点がある。また、実施例1や実施例2の場合のように結合部材17や締結部材18を用いることなく組み立てることができるため、製造時に厳密な管理を要することなく、より簡単で生産性(歩留まり)良く廉価に作製することができると共に、十分な封止性(防水性)が得られる。因みに、実施例4に係る放熱構造は、回路基板14の表面側のみに金属部材15を配備した構造として変更できる他、回路基板14を電子部品13が上向きから下向きとなるように取り付け方向を表裏反対にして筐体内で保持した構造にも適用することができる。
【実施例5】
【0029】
図16は、本発明の実施例5に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。また、
図17は、係る電子制御装置の端面方向における断面図である。この電子制御装置は、実施例1の
図1に示した構造のものと比べ、放熱構造として、回路基板14の側面方向での表面、裏面における周縁箇所を挟み込んだ状態で筐体ベース11内にスライド挿入される金属部材15を用いており、この金属部材15は筐体ベース11における端面方向の断面が弓状で弾性力を持つと共に、筐体ベース11における側面方向にも延在して回路基板14の挿入側の端部における隔たった2箇所で折り返し曲げ部15aを有する構成である点が相違している。
【0030】
図18は、実施例5に係る電子制御装置の組み立てを説明するために示した細部構成の組み付けに至る様子を示した展開図である。
図18では、電子部品13を実装した回路基板14を筐体内に組み込む際、電子部品13を実装した回路基板14を金属部材15の隙間部分に差し込むと共に、金属部材15の折り返し曲げ部15aに対して回路基板14における挿入側の端部の所定箇所を当接させて係止した結合状態とした後、回路基板14及び金属部材15を筐体ベース11内でガイド溝11cに沿ってスライドさせて仕切壁11aの金属部材15における折り返し曲げ部15aの分だけ大きく設けられた部分を含む挿入穴11b′に折り返し曲げ部15a及び回路基板14の端部を挿入してコネクタ用開口部16内で回路基板14の一部を露出させるようにしてから筐体ベース11に対して筐体カバー12を装着固定して組み立てを行う様子を示している。但し、ここでも金属部材15の凸状の頂部の高さを回路基板14の挿入面である筐体ベース11の開口の寸法(筐体ベース11の内壁面の寸法)よりも幾分高く設定している点は同じである。これにより、筐体ベース11の内壁面に設けた回路基板14に対する挿入用のガイド溝11cに沿って回路基板14及び金属部材15をスライドさせてコネクタ用開口部16内で回路基板14の端部が露出される位置まで挿入する際、金属部材15は凸状部分が筐体ベース11の上方、下方の内壁面とそれぞれ接触して内方へ若干撓んで接触することで筐体ベース11の内壁面で保持される状態となる。そこで、筐体カバー12で筐体ベース11の開口に蓋をすることで、金属部材15は回路基板14の挿入方向へのガタツキを生じることなく、安定して回路基板14を保持することができ、筐体自体の封止性(防水性)も確保される。
【0031】
図19は、実施例5に係る電子制御装置の筐体内に配備される回路基板14及び金属部材15を示した平面図である。
図19を参照すれば、ここでの金属部材15は、
図3に示した実施例1に係る一対の金属部材15と比べ、仕切壁11aに近い箇所に切り欠きが設けられている点は同じであるが、回路基板14上の電子部品13の端子に対応する箇所に窓が設けられておらず、回路基板14の挿入側の端部が当接される隔たった2箇所の折り返し曲げ部15aで折り返された隙間に回路基板14が差し込まれる構造となっている点が相違している。
【0032】
実施例5に係る電子制御装置の放熱構造では、筐体内に回路基板14の表面、裏面の周縁部分を回路基板14の側面方向で挟み、且つ回路基板14の表面、裏面に跨るように折り返し曲げ部15aで折り返されて回路基板14の端部に係止結合され、回路基板14を表面、裏面で保持する一つの金属部材15を配備し、筐体内で金属部材15によって回路基板14を表面、裏面で同時に保持して電子部品13からの発熱を筐体へと伝達して効率良く外部へ放熱する機能が得られる。これにより、実施例3の場合と同様に結合部材17や締結部材18を用いることなく組み立てることができ、製造時に厳密な管理を要することなく、より簡単で生産性(歩留まり)良く廉価に作製することができる。また、実施例1の場合と同様に十分な封止性(防水性)を有する高性能な放熱構造が得られる。因みに、実施例5に係る放熱構造は、回路基板14を電子部品13が上向きから下向きとなるように取り付け方向を表裏反対にして筐体内で保持した構造にも適用することができる。
【実施例6】
【0033】
図20は、本発明の実施例6に係る電子制御装置の端面方向における断面図である。この電子制御装置は、実施例5の
図16〜
図19で説明した構造のものと比べ、放熱構造として、回路基板14をスライド挿入するための筐体ベース11内のガイド溝11cに対して折り返し曲げ部15aを持たずに両端部を凹凸状に変形させて弾性力を持たせた金属部材15を回路基板14の裏面側に配備した点が相違している。
【0034】
実施例6に係る電子制御装置の放熱構造では、筐体内に回路基板14の側面方向で裏面の周縁部分とガイド溝11c内で圧着結合されて回路基板14を裏面で保持する一つの金属部材15を配備し、筐体内で金属部材15によって回路基板14を裏面で保持して電子部品13からの発熱を筐体へと伝達して効率良く外部へ放熱する機能が得られる。これにより、実施例5の場合と比べて幾分放熱性能は低くなるが、回路基板14の表面側に金属部材15が配備されていない分、適用される電子部品13が実施例5の場合よりも制約されなくなるという利点がある。また、実施例5の場合と同様に、製造時に厳密な管理を要することなく、簡単で生産性(歩留まり)良く廉価に作製できると共に、十分な封止性(防水性)が得られる。因みに、実施例5に係る放熱構造は、回路基板14の表面側のみに金属部材15を配備した構造として変更できる他、回路基板14を電子部品13が上向きから下向きとなるように取り付け方向を表裏反対にして筐体内で保持した構造にも適用することができる。
【実施例7】
【0035】
図21は、本発明の実施例7に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。この電子制御装置は、実施例2の
図6に示した構造のものと比べ、放熱構造として、筐体内の回路基板14の裏面側に配備された一つの金属部材15における局所的な切り込みにより設けられると共に、回路基板14の裏面における電子部品13の実装部分(
図6の場合よりも仕切壁11a側寄りに配置されている)に対応する箇所に接触される放熱用片15cを有し、筐体内で一つの金属部材15によって回路基板14の裏面を保持して電子部品13から発生した熱を放熱用片15cにより回路基板14の裏面の対応箇所から金属部材15本体を経由して筐体へと伝達して外部へ放熱する機能を持つ点が相違している。因みに、ここでの放熱用片15cは、回路基板14の挿入部分に近い位置に形成されているため、回路基板14への結合後の筐体ベース11内へのスライド挿入時に金属部材15の撓み量に応じた変形量のバラツキの影響が小さいものとなっている。
【0036】
実施例7に係る電子制御装置の放熱構造では、筐体内に配備され、回路基板14の裏面と結合されて回路基板14を裏面で保持する一つの金属部材15に対して回路基板14の裏面における電子部品13の実装された対応箇所に接触する放熱用片15cを持たせ、筐体内で金属部材15によって回路基板14を裏面で保持して電子部品13からの発熱を回路基板14の裏面の対応箇所の放熱用片15cから金属部材15本体を経由して筐体へと伝達して効率良く外部へ放熱する機能が得られる。これにより、
図6に示した実施例2の場合と比べてより放熱性能が高くなる他、回路基板14の表面側に金属部材15が配備されていない分、適用される電子部品13が制約されなくなるという利点がある。また、上述した他の各実施例の場合と同様に、製造時に厳密な管理を要することなく、簡単で生産性(歩留まり)良く廉価に作製できると共に、十分な封止性(防水性)を有する高性能な放熱構造が得られる。
【実施例8】
【0037】
図22は、本発明の実施例8に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。この電子制御装置は、実施例7の
図21に示した構造のものと比べ、回路基板14を電子部品13が上向きから下向きとなるように取り付け方向を表裏反対にして筐体内で保持した構造とし、放熱用片15cが回路基板14の表面側の電子部品13に直接的に接触し、電子部品13からの発熱を直接的に放熱用片15c自体から金属部材15本体を経由して筐体へと伝達して外部へ放熱する機能を持つ点が相違している。
【0038】
実施例8に係る電子制御装置の放熱構造では、筐体内に配備され、回路基板14の表面と結合されて回路基板14を表面で保持する一つの金属部材15に対して回路基板14の表面における電子部品13自体に接触する放熱用片15cを持たせ、筐体内で金属部材15によって回路基板14を表面で保持して電子部品13からの発熱を放熱用片15c自体から金属部材15本体を経由して筐体へと伝達して効率良く外部へ放熱する機能が得られる。これにより、実施例7の場合と比べてより放熱性能が高くなる他、回路基板14の裏面側に金属部材15が配備されていない分、適用される電子部品13が制約されなくなるという利点がある。また、上述した他の各実施例の場合と同様に、製造時に厳密な管理を要することなく、簡単で生産性(歩留まり)良く廉価に作製できると共に、十分な封止性(防水性)を有する高性能な放熱構造が得られる。
【実施例9】
【0039】
図23は、本発明の実施例9に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。この電子制御装置は、実施例2の
図6に示した構造のものと比べ、回路基板14の表面の側面方向における両端側に2個の電子部品13が実装されると共に、回路基板15の裏面側における各電子部品13の実装箇所に対応する箇所のうち、仕切壁11a側寄りの箇所に一つの金属部材15の一端側が半田や接着材等の結合部材17により結合され、他端側が筐体ベース11に対するスライド挿入時に撓んで筐体カバー12寄りの箇所に接触される点が相違している。
【0040】
実施例9に係る電子制御装置の放熱構造では、筐体内に回路基板14の裏面と結合されて回路基板14を裏面で保持する一つの金属部材15を配備し、筐体内で金属部材15によって回路基板14を裏面で保持して各電子部品13からの発熱をその実装箇所に対応する箇所に接触する金属部材15の両端側から金属部材15本体を経由して筐体へと伝達して効率良く外部へ放熱する機能が得られる。これにより、実施例2の場合と同様な放熱性能が得られる他、回路基板14の表面側に金属部材15が配備されていない分、適用される電子部品13が制約されなくなるという利点がある。また、その他の上述した各実施例の場合と同様に、製造時に厳密な管理を要することなく、簡単で生産性(歩留まり)良く廉価に作製できると共に、十分な封止性(防水性)を有する高性能な放熱構造が得られる。
【実施例10】
【0041】
図24は、本発明の実施例10に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。この電子制御装置は、実施例9の
図23に示した構造のものと比べ、回路基板14の表面の側面方向における筐体カバー12側寄りに1個の電子部品13が実装されると共に、回路基板15の裏面側における仕切壁11a側寄りの箇所に一つの金属部材15の一端側が半田や接着材等の結合部材17により結合され、金属部材15の他端側が筐体ベース11に対するスライド挿入時に撓んで電子部品13の実装箇所に対応する筐体カバー12側寄りの箇所に接触される点と、筐体ベース11の側面方向における壁面が部分的に開口されて放熱用の凸状の外部金属部材20の装着に供される点と、外部金属部材20について、開口への装着状態での頂部が金属部材15に接触されると共に、段差部と開口周辺の壁部との間に封止用充填部材19が介在される点とが相違している。
【0042】
実施例10に係る電子制御装置の放熱構造では、筐体内に回路基板14の裏面と結合されて回路基板14を裏面で保持する一つの金属部材15を配備すると共に、筐体の側面の開口に外部金属部材20を装着し、筐体内で金属部材15によって回路基板14を裏面で保持すると共に、外部金属部材20の頂部が金属部材15の頂部を保持して電子部品13からの発熱をその実装箇所に対応する箇所に接触する金属部材15の他端側から金属部材15本体を経由して外部金属部材20へと伝達して効率良く外部へ放熱する機能が得られる。これにより、上述した各実施例の場合よりも優れた放熱性能が得られる他、回路基板14の表面側に金属部材15が配備されていない分、適用される電子部品13が制約されなくなるという利点がある。また、その他の上述した各実施例の場合と同様に、製造時に厳密な管理を要することなく、簡単で生産性(歩留まり)良く廉価に作製できると共に、外部金属部材20を封止用充填部材19を介在させて筐体ベース11に装着するため、十分な封止性(防水性)を有する高性能な放熱構造が得られる。因みに、実施例10に係る放熱構造は、
図1〜
図5を参照して説明した実施例1の場合のように、回路基板14の表面側にも金属部材15を配備してその他端側が直接電子部品13に接触する構造として変更できる他、回路基板14を電子部品13が上向きから下向きとなるように取り付け方向を表裏反対にして筐体内で保持した構造にも適用することができる。
【実施例11】
【0043】
図25は、本発明の実施例11に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。この電子制御装置は、実施例10の
図24に示した構造のものと比べ、凸状の外部金属部材20′が筐体ベース11及び自身を締結部材により固定させる部位を備えた点が相違している。
【0044】
実施例11に係る電子制御装置の放熱構造では、外部金属部材20′における筐体ベース11に当接する開口からやや隔った段差部(底部側の階段状の鍔部のうちの頂部側に存在する平坦部を示す)の所定位置が穿孔されており、その穿孔位置に対応する筐体ベース11の箇所にはねじ穴が設けられており、外部金属部材20′及び筐体ベース11を固定するための締結部材であるかしめねじ21により穿孔及びねじ穴を用いて締結することにより、筐体カバー12及び筐体ベース11に対して外部金属部材20′が一体化固定される。これにより、金属部材20′付きの筐体製品として、他の装置内へ搭載しての放熱伝達が容易化される。
【実施例12】
【0045】
図26は、本発明の実施例12に係る電子制御装置の基本構造を示した側面方向からの断面図である。この電子制御装置は、実施例10の
図24に示した構造のものと比べ、回路基板14の表面の側面方向における両端側に2個の電子部品13が実装されると共に、筐体ベース11の開口に対する凸状の外部金属部材20″の装着後に外部金属部材20″が外部部材へ締結部材により固定させる部位を備えた点が相違している。
【0046】
実施例12に係る電子制御装置の放熱構造では、外部金属部材20″における筐体ベース11に当接されない隔たった所定の位置が穿孔されており、その穿孔位置に対応する外部部材の箇所にはねじ穴が設けられており、外部金属部材20″及び外部部材を固定するための締結部材であるねじ22により穿孔及びねじ穴を用いて締結することにより、筐体カバー12及び筐体ベース11に一体的に装着された外部金属部材20″を外部部材に固定することができる。これにより、外部金属部材20″付きの筐体製品として、他の装置の外部部材へ取り付け固定しての放熱伝達が容易化される。