(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ショットの間隔、前記下流側マーク検出部でマークを検出してから前記ショットの位置までのシートの搬送距離、及び、前記ショット毎に前記下流側マーク検出部でマークが検出されるか否かを判断する範囲の入力を受け付ける入力手段を備えた、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の成形装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した熱成形装置は、シート交換時の作業が軽減される。しかし、初回のシート供給時には、シート搬送装置の自動運転をしていない状態でシートの先端部分を手動で熱成形装置の成形位置に合わせる作業が必要であり、初期ショットの成形ばらつきが大きくなる。また、次シートの最初のマークが本来の検出タイミングとは異なるタイミングで検出されるため、検出のばらつきが大きく、次シートの初期ショットの成形ばらつきが大きくなる。
以上のことから、熱成形の精度を向上させるためには、供給シートの初期ショットの熱成形品を廃棄したり、初期ショットに熱成形を行わなかったりする必要がある。このことは、熱成形品の歩留まり低下に繋がる。
【0008】
本発明は、供給シートを初期ショットから精度良く位置合わせ可能な技術を提供する目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、成形のショットに合わせたマークを有する連続したシートの前記ショットに合わせた搬送成形処理を行う成形装置であって、
前記ショット毎にシートを成形する成形部と、
該成形部を通る所定の搬送方向へシートを搬送する搬送手段と、
前記成形部から前記搬送方向の下流位置でマークを検出する下流側マーク検出部と、
前記成形部から前記搬送方向の上流位置でマークを検出する上流側マーク検出部とを備え、
前記上流側マーク検出部と前記下流側マーク検出部との距離をL1、前記下流側マーク検出部でマークを検出してから前記ショットの位置までのシートの搬送距離をL2、前記ショットの間隔をL3として、
前記搬送手段の上流側にシートが供給されたとき
に前記上流側マーク検出部で該供給シートの先頭のマークを検出し、
前記上流側マーク検出部で前記供給シートの先頭のマークが検出されると前記搬送手段で距離(L1+L2−L3)の搬送を前記供給シートに対して行い、
前記距離(L1+L2−L3)の搬送が前記供給シートに対して行われると前記下流側マーク検出部でのマークの検出に基づいて前記供給シートの前記
ショットに合わせた搬送成形処理を行う、態様を有する。
【0010】
すなわち、作業者が搬送手段の上流側にシートを供給したとき
に上流側マーク検出部で該供給シートの先頭のマークが検出される。上流側マーク検出部で供給シートの先頭のマークが検出されると搬送手段で距離(L1+L2−L3)の搬送が供給シートに対して行われる。距離(L1+L2−L3)の搬送が供給シートに対して行われると下流側マーク検出部でのマークの検出に基づいて供給シートの
ショットに合わせた搬送成形処理が行われる。このため、供給シートの初回のマークを下流側マーク検出部により本来の検出タイミングで検出することが可能となり、初期ショットから位置合わせ精度が向上し、ひいては初期ショットから成形精度が向上する。
また、本発明は、成形のショットに合わせたマークを有する連続したシートの前記ショットに合わせた搬送成形処理を行う成形装置であって、
前記ショット毎にシートを成形する成形部と、
該成形部を通る所定の搬送方向へシートを搬送する搬送手段と、
前記成形部から前記搬送方向の下流位置でマークを検出する下流側マーク検出部と、
前記成形部から前記搬送方向の上流位置でマークを検出する上流側マーク検出部と、
前記成形部から前記搬送方向の上流位置でシートを検出するシート検出部とを備え、
前記上流側マーク検出部と前記下流側マーク検出部との距離をL1、前記下流側マーク検出部でマークを検出してから前記ショットの位置までのシートの搬送距離をL2、前記ショットの間隔をL3、(L1+L2)をL3で除した商をLqとして、
前記商Lqの回数連続して前記シート検出部でシートが検出されなかった後に前記上流側マーク検出部で次の供給シートの先頭のマークを検出し、
前記上流側マーク検出部で前記供給シートの先頭のマークが検出されると前記搬送手段で距離(L1+L2−L3)の搬送を前記供給シートに対して行い、
前記距離(L1+L2−L3)の搬送が前記供給シートに対して行われると前記下流側マーク検出部でのマークの検出に基づいて前記供給シートの前記ショットに合わせた搬送成形処理を行う、態様を有する。
【0011】
さらに、本発明は、型のショットに合わせたマークを有する連続したシートの前記ショットに合わせた搬送処理を行うシート搬送装置であって、
型をシートに作用させる処理部を通る所定の搬送方向へシートを搬送する搬送手段と、
前記処理部から前記搬送方向の下流位置でマークを検出する下流側マーク検出部と、
前記処理部から前記搬送方向の上流位置でマークを検出する上流側マーク検出部とを備え、
前記上流側マーク検出部と前記下流側マーク検出部との距離をL1、前記下流側マーク検出部でマークを検出してから前記ショットの位置までのシートの搬送距離をL2、前記ショットの間隔をL3として、
前記搬送手段の上流側にシートが供給されたとき
に前記上流側マーク検出部で該供給シートの先頭のマークを検出し、
前記上流側マーク検出部で前記供給シートの先頭のマークが検出されると前記搬送手段で距離(L1+L2−L3)の搬送を前記供給シートに対して行い、
前記距離(L1+L2−L3)の搬送が前記供給シートに対して行われると前記下流側マーク検出部でのマークの検出に基づいて前記供給シートの前記
ショットに合わせた搬送処理を行う、態様を有する。
【0012】
さらに、本発明は、型のショットに合わせたマークを有する連続したシートの前記ショットに合わせた搬送処理を行うシート搬送方法であって、
型をシートに作用させる処理部を通る所定の搬送方向へシートを搬送する搬送手段と、
前記処理部から前記搬送方向の下流位置でマークを検出する下流側マーク検出部と、
前記処理部から前記搬送方向の上流位置でマークを検出する上流側マーク検出部とを用い、
前記上流側マーク検出部と前記下流側マーク検出部との距離をL1、前記下流側マーク検出部でマークを検出してから前記ショットの位置までのシートの搬送距離をL2、前記ショットの間隔をL3として、
前記搬送手段の上流側にシートが供給されたとき
に前記上流側マーク検出部で該供給シートの先頭のマークを検出し、
前記上流側マーク検出部で前記供給シートの先頭のマークが検出されると前記搬送手段で距離(L1+L2−L3)の搬送を前記供給シートに対して行い、
前記距離(L1+L2−L3)の搬送が前記供給シートに対して行われると前記下流側マーク検出部でのマークの検出に基づいて前記供給シートの前記
ショットに合わせた搬送処理を行う、態様を有する。
【0013】
すなわち、作業者が搬送手段の上流側にシートを供給したとき
に上流側マーク検出部で該供給シートの先頭のマークが検出される。上流側マーク検出部で供給シートの先頭のマークが検出されると搬送手段で距離(L1+L2−L3)の搬送が供給シートに対して行われる。距離(L1+L2−L3)の搬送が供給シートに対して行われると上流側マーク検出部でのマークの検出に基づいて該供給シートが搬送される。その後、下流側マーク検出部でのマークの検出に基づいて供給シートの
ショットに合わせた搬送処理が行われる。このため、供給シートの初回のマークを下流側マーク検出部により本来の検出タイミングで検出することが可能となり、初期ショットから位置合わせ精度が向上する。
【0014】
ここで、本発明を適用可能なシートは、成形可能なシートであればよく、例えば、樹脂シート、可塑性シート、等を用いることができる。
シートのマークには、印刷によるマーク、穴、凸部、凹凸、等が含まれる。
上記成形には、差圧成形のような熱成形等を用いることができる。成形装置には、トリミングを同時に行う成形トリミング装置が含まれる。
上記型には、成形型、トリミング型、成形とトリミングを同時に行う型、等が含まれる。トリミング型には、抜き型、刃物、受け部材、等が含まれる。
【0015】
さらに、本発明は、成形装置及びトリミング装置を備えた成形品製造システム、成形方法、成形プログラム、成形品製造プログラム、シート搬送プログラム、これらのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等の態様も有する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1
〜請求項2に係る発明によれば、供給シートを初期ショットから精度良く成形可能な成形装置を提供することができる。
請求項3〜請求項5に係る発明では、供給シートを初期ショットから精度良く成形可能な好適な成形装置を提供することができる。
請求項6に係る発明では、供給シートを初期ショットから精度良く位置合わせ可能なシート搬送装置を提供することができる。
請求項7に係る発明では、供給シートを初期ショットから精度良く位置合わせ可能なシート搬送方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下に説明する実施形態は、本発明を例示するものに過ぎない。
【0019】
(1)成形装置を含む成形品製造システムの概要:
まず、
図1〜5を適宜参照して、成形装置1を含む成形品製造システム例の概要を説明する。成形装置1は、シート搬送装置2を含む。なお、
図1〜3において、左から右へ向かう方向が所定の搬送方向D1であり、左側がシートSH1の上流側、右側がシートSH1の下流側である。分かり易く示すため、各図は整合していないことがある。
図1に例示する熱成形品製造システムSY1は、各部を制御盤100が制御し、シートSH1から成形品PR1を形成する。熱成形品製造システムSY1の構造物の主要部は、例えば金属で形成することができる。
【0020】
シート供給部21は、成形のショットST1に合わせたマークM1を有する連続したシートSH1をロールSH0から繰り出す。
図2,3に示すシートSH1は、印刷模様PRT1とマークM1の組合せが搬送方向D1へ等間隔に印刷された連続状の樹脂シートとされている。印刷間隔は、成形のショットST1の間隔L3である。図柄といった模様PRT1は、シートSH1の幅方向D2内側の大部分に設けられ、成形品PR1に合わせられる。マークM1は、模様PRT1の位置を成形品PR1に合わせるための基準とされ、模様PRT1に対応してシートSH1の一方の縁部SH11近傍に設けられている。なお、マークの位置は、シート縁部が好ましいものの、シートの幅方向内側でもよい。マークは、穴、凸部、凹凸、等、印刷によらないマークでもよい。シートにも、印刷模様の代わりに、凸部、凹凸、等、が設けられてもよい。
【0021】
シートSH1は、熱可塑性樹脂シートのような樹脂シート、熱可塑性を示す樹脂以外の熱可塑性シート、紙、等の成形可能なシートを用いることができる。前記樹脂シートは、熱可塑性樹脂等の樹脂のみからなる樹脂シートでも、樹脂に充てん材等の添加剤が添加された材質からなるシートでもよく、単層シートでも、異なる材質をラミネートした積層シートでもよい。シートSH1の素材には、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリプロピレン(Polypropylene)、等を利用可能である。また、シートSH1は、シート状ないしフィルム状になっていればよく、1〜2mm程度、0.25〜1mm程度、等、様々な厚みとすることが可能であり、3mm程度以上の厚物シートでもよいし、0.25mm程度以下のフィルムでもよい。シートSH1から形成される成形品PR1には、食品容器といった容器、家電製品の内箱や操作パネルといった構成品、等がある。
【0022】
シート供給部21と加熱部U11の間、すなわち、成形部U1から搬送方向D1の上流位置P2には、センサーSN2,SN3が設置されている。これらのセンサーについては、後述する。
【0023】
加熱部U11は、ヒーター30を有し、搬送手段U2で搬送されるシートSH1を加熱する。ヒーター30の搬送方向D1の長さは、加熱むらを少なくするため、成形のショットST1の長さ以上とされる。熱可塑性シートを加熱する場合、例えば、シートを溶融しない範囲で軟化する温度以上に輻射加熱する。むろん、加熱部は、シートを接触加熱してもよいし、熱風等により加熱してもよい。
図1に示す加熱部U11はシートSH1の上側と下側とにヒーター30が配置されているが、どちらか一方を省略することも可能である。加熱部U11は、成形部U1に含まれる要素と考えてもよい。
【0024】
成形部U1は、例えば、
図4(a)に示す成形機構70及び
図5に示す制御盤100で構成することができる。テーブル71,72は、成形用テーブル駆動機構により、設定された離間位置と近接位置との間で近接及び離間する。これにより、上テーブル71の下に設けられた成形型73が離間位置P11と近接位置P13との間で昇降し、下テーブル72上に設けられたクランプ74が離間位置P12と近接位置P14との間で昇降する。各型73は、上方へ凹んだ雌型とされているが、下方へ凸とされた雄型や凹凸のある型でもよい。また、型を下側に配置しクランプを上側に配置してもよい。差圧供給機構75は、差圧供給孔73bから成形面73aに差圧を供給する。成形機構70は、型73とクランプ74とが離間した状態で1ショット分の加熱軟化状態のシートSH1が搬入されると、型73とクランプ74とを近接させ、差圧供給機構75により負圧を差圧供給孔73bに作用させてシートSH1を成形面73aに密接させる。成形機構70が型73とクランプ74とを離間させると、成形シートSH2がシートSH1に繋がった状態で成形機構70から搬出され、トリミング部U8に搬入される。このとき、次ショットのシートSH1が成形機構70に搬入される。
なお、シートの成形は、上述した真空成形以外にも、圧空成形や圧空真空成形といった差圧成形、プレス成形、熱成形以外の成形、等でもよい。圧空真空成形は、圧空と真空とを併用する差圧成形である。熱成形には、差圧成形やプレス成形が含まれる。
【0025】
成形部U1とトリミング部U8との間、すなわち、成形部U1から搬送方向D1の下流位置P1には、出口マークセンサーSN1が設置されている。このセンサーについては、後述する。
【0026】
トリミング部U8は、例えば、
図4(b)に示すトリミング機構80及び
図5に示す制御盤100でインステーショントリミングの機能を発揮する。テーブル81,82は、トリミング用テーブル駆動機構により、設定された離間位置と近接位置との間で近接及び離間する。これにより、下テーブル82上に設けられた型83及び切刃84が離間位置P22と近接位置P24との間で昇降し、上テーブル81の下に設けられた受け部材85が離間位置P21と近接位置P23との間で昇降する。各型83は、上方へ凸とされているが、下方へ凹んだ形状や凹凸のある形状でもよい。また、切刃を上側に配置し受け部材を下側に配置してもよいし、型を上側に配置してもよい。各切刃84は、例えばトムソン刃とすることができ、各型83の周囲において受け部材85に対向した刃先を有している。トリミング機構80は、型83と受け部材85とが離間した状態で1ショット分の成形シートSH2が搬入されると、型83と受け部材85とを近接させて各型83に成形シートSH2を配置させ、所定数の成形品PR1の周囲で受け部材85に接触した成形シートSH2を切刃84により切断する。トリミング機構80が型83と受け部材85とを離間させると、スクラップシートSH3が成形シートSH2に繋がった状態でトリミング機構80から搬出されてスクラップ回収部22に搬入され、1ショット分の成形品PR1が吸着ボックス41により各型83上から搬出されて製品取出部40に搬入される。このとき、次ショットの成形シートSH2がトリミング機構80に搬入される。
なお、トリミング機構は、切刃を受け部材に押し当てて成形シートを切断する装置、型の周囲の切刃により成形シートを打ち抜く装置、上刃と下刃とを摺接させる等して成形シートを打ち抜く装置、等が含まれる。
【0027】
図2に示す搬送手段U2は、シートSH1〜SH3を挟んで面対称に配置された一対の保持搬送装置10,10を備えている。各保持搬送装置10は、チェーン11、スプロケット12,13、サーボモーター14、無端材15、を備えている。
チェーン11は、複数のリンクを連結した金属製の無端チェーン(エンドレスチェーン)とされ、スプロケット12,13に架けられて、水平面内で周回動作するように配置されている。下流側のスプロケット13は、無端材15を介してサーボモーター14の駆動力が伝達される。チェーン11には、シートSH1〜SH3の幅方向D2の縁部SH11を解放可能に保持する保持機構が設けられている。
図2に示すチェーン11は、いわゆるグリップチェーン、クランプチェーンであり、周回動作しながらシート縁部SH11を解放可能に把持する。チェーン11は、シートSH1〜SH3側が搬送方向D1へ移動し、シートSH1〜SH3の幅方向外側となる部分が搬送方向とは反対の戻り方向へ移動する。従って、搬送手段U2は、加熱部U11の手前となる上流側D1Uからトリミング部U8の後となる下流側D1Lまでシート縁部SH11,SH11を把持してシートSH1〜SH3を搬送方向D2へ搬送する。
【0028】
なお、搬送手段は、
図13(a)で示した要素902〜907,910,930で構成されてもよいし、ローラー等でもよい。
【0029】
(2)シート搬送装置を含む成形装置の概要:
図1〜5に例示されるシート搬送装置は、U2〜U4の基本要素を備え、シートSH1のショットST1に合わせた搬送処理を行う。
図1〜5に例示される成形装置は、U1〜U4の基本要素を備え、シートSH1のショットST1に合わせた搬送成形処理を行う。なお、成形シートSH2とスクラップシートSH3も、シートSH1に含まれる概念とする。
【0030】
成形部U1は、型73のショットST1に合わせたマークM1を有する連続したシートSH1に型73を作用させる処理部であり、ショットST1毎にシートSH1を成形する。搬送手段U2は、成形部U1を通る所定の搬送方向D1へシートSH1を搬送する。出口マークセンサーSN1(下流側マーク検出部U3)は、成形部U1から搬送方向D1の下流位置P1でマークM1を検出する。入口マークセンサーSN2(上流側マーク検出部U4)は、成形部U1から前記搬送方向D1の上流位置P2でマークM1を検出する。
【0031】
シート搬送装置は、搬送手段U2の上流側D1UにシートSH1が供給されたとき、下流側マーク検出部U3で該供給シートSH1のマークM1の検出に基づいた該供給シートSH1の搬送処理が可能となるまで上流側マーク検出部U4でのマークM1の検出に基づいて該供給シートSH1を搬送した後、下流側マーク検出部U3でのマークM1の検出に基づいて前記供給シートSH1の搬送処理を行う。成形装置は、搬送手段U2の上流側D1UにシートSH1が供給されたとき、下流側マーク検出部U3で該供給シートSH1のマークM1の検出に基づいた該供給シートSH1の搬送成形処理が可能となるまで上流側マーク検出部U4でのマークM1の検出に基づいて該供給シートSH1を搬送した後、下流側マーク検出部U3でのマークM1の検出に基づいて前記供給シートSH1の搬送成形処理を行う。
【0032】
(3)シート搬送装置を含む成形装置の具体例:
図1〜5に示す成形装置1は、U11を含むU1〜U8の要素を備え、搬送中のシートSH1を出口マークセンサーSN1(U3)でのマークM1の検出に基づいてショットST1の位置に一旦停止させて印刷模様PRT1に合わせた熱成形を行う。成形装置1の構造物の主要部は、例えば金属で形成することができる。
【0033】
出口マークセンサーSN1(下流側マーク検出部U3)は、シート供給時を除いた主たる連続成形時に位置合わせ用のマークM1を検出するために用いられる。位置合わせ精度向上の観点からはなるべく成形位置(型73)に近い方がよいが、成形部U1には往復動作する型73があるためマークセンサーを設置することができない。また、成形部U1の上流側に設けられた加熱部U11は、高温になるため、マークセンサーを設置することができない。加熱部U11の直ぐ近くの上流側にマークセンサーを設けるよりも、成形部U1の直ぐ近くの下流側にマークセンサーを設けた方が、マークセンサーは成形位置に近くなる。そこで、主たる連続成形時のマーク検出を成形部U1の直後で行うことにして、出口マークセンサーSN1を成形部U1から搬送方向D1に例えばショット間隔L3以内の下流位置P1においてシート縁部SH11の近傍となる位置に設けている。
【0034】
シート供給時のシート搬送例を示す
図9のSTEP4〜6のように、マーク検出時のシートの位置と成形時のシートの位置とは距離L2の差がある。そこで、マーク検出後に距離L2の搬送をシートに対して行っている。また、STEP4〜6及び
図3において、符号U1で示される成形位置(
図3ではショットST2)は、検出されたマークM2に対応したショット(STEP5ではST11)よりも上流側にずれている。
図3,9の例のずれは、1ショット分である。
【0035】
成形部U1の上流側に加熱部U11があると、搬送方向D1の長さは加熱部U11の上流側から成形部U1の下流側まで数ショットになる。このため、搬送手段U2の上流側D1UからシートSH1を供給したときに数ショット分のマークM1は出口マークセンサーSN1で検出されない。供給シートを初期ショットから精度良く熱成形するため、加熱部U11から搬送方向D1に例えばショット間隔L3以内の上流側においてシート縁部SH11の近傍となる位置に入口マークセンサーSN2(上流側マーク検出部U4)を設けている。
【0036】
マークセンサーSN1,SN2は、例えば、可視光といった光をシートSH1に照射して地色とマーク色による反射光量の差を非接触で検出することにより、マークM1を検出したか否かを表すマーク有無検出信号を生成する。マークセンサーは、このような反射形光電形近接スイッチの他、透過形光電形近接スイッチ、色彩計、デジタルカメラ、といった非接触センサーでもよい。マークが穴、凸部、凹凸、といった形状である場合、接触センサーでもよい。
【0037】
シート有無センサーSN3(シート検出部U5)は、成形部U1から搬送方向D1の上流位置P2でシートSH1を検出する。
図3には、加熱部U11から搬送方向D1に例えばショット間隔L3以内の上流位置P2においてシートの両縁部SH11,SH11の近傍となる位置に一対のシート有無センサーSN3,SN3が設けられていることが示されている。シート有無センサーSN3は、入口マークセンサーSN2から搬送方向D1にショット間隔L3以内の近傍に設置されている。シート有無センサーSN3は、入口マークセンサーSN2よりも下流側に設けられてもよいし、入口マークセンサーSN2よりも上流側に設けられてもよいし、入口マークセンサーSN2と搬送方向D1に同じ位置に設けられてもよい。シート有無センサーSN3は、例えば、可視光といった光をシートSH1に照射して背景色とシート色による反射光量の差を非接触で検出することにより
、シートSH1を検出したか否かを表すシート有無検出信号を生成する。シート有無センサーも、このような反射形光電形近接スイッチの他、透過形光電形近接スイッチ、色彩計、デジタルカメラ、といった非接触センサーでもよい。
【0038】
図6(a)に例示する設定入力画面SC1のように、入力手段U6は、入力欄SC2,SC3,SC4でL2,L3,L4の設定入力を受け付ける。
図3,8及び
図6(b)に例示するように、検出後送りL2は、出口マークセンサーSN1でマークM1を検出してからショットST1の位置までのシートSH1の搬送距離Lcである。L3は、ショットST1の間隔である。
図6(b)に例示するように、マーク検出範囲L4は、ショットST1毎に出口マークセンサーSN1でマークM1が検出されるか否かを判断する範囲である。ショットST1の位置を基準としたマークM1の検出位置は、計算上、L2である。この検出位置に対する誤差を考慮して、{L2−(L4/2)}〜{L2+(L4/2)}の範囲でマークM1の検出処理を行うことにしている。
また、入力手段U6は、入口マークセンサーSN2と出口マークセンサーSN1との間隔L1の設定入力を受け付けてもよい。
【0039】
例えば、マークセンサーSN1,SN2の間隔L1を1500mm、検出後送りL2を150mm、ショットの間隔L3を400mm、マーク検出範囲L4を100mmとする。この場合、{L2−(L4/2)}=100mm、{L2+(L4/2)}=200mmであるので、ショットST1の位置を基準として100〜200mmの範囲でマークM1の検出処理が行われる。マークセンサーの間隔L1と検出後送りL2との和L5は、1500+150=1650mmである。L5/L3=4.125であるので、和L5をショット間隔L3で除した商Lqは、4ショットである。和L5をショット間隔L3で除した余りは、1650−(400×4)=50mmである。シート搬送装置2は、シート供給時、余りLrの距離の端数送りを供給シートSH1に対して行った後、ショット間隔L3の定寸送りを繰り返し供給シートSH1に対して行い、その後、入口マークセンサーSN2でのマークM1の検出に基づいて供給シートSH1の搬送処理を行う。これにより、供給シートの初回のマークを出口マークセンサーSN1により本来の検出タイミングで検出することが可能となり、初期ショットから位置合わせ精度が向上する。
【0040】
図5は、制御盤100を中心とした熱成形品製造システムSY1の電気回路構成例を示している。制御盤100は、制御盤全体の動作を制御する中央制御回路101、搬送手段U2の動作を制御する搬送制御部111、ヒーター30の動作を制御するヒーター制御部112、成形機構70の動作を制御する成形制御部113、トリミング機構80の動作を制御するトリミング制御部114、吸着ボックス41の動作を制御する吸着ボックス制御部115、出口マークセンサーSN1からマーク有無検出信号を入力する出口信号入力部116、入口マークセンサーSN2からマーク有無検出信号を入力する入口信号入力部117、シート有無センサーSN3からシート有無検出信号を入力するシート有無信号入力部118、情報出力部131、操作部132、等を備えている。制御盤100は、制御部U7を構成する。また、搬送手段U2は、制御盤100とともにシート搬送装置2を構成する。ヒーター30は、制御盤100とともに加熱部U11を構成する。成形機構70は、制御盤100とともに成形部U1を構成する。トリミング機構80は、制御盤100とともにトリミング部U8を構成する。情報出力部131及び操作部132は、入力手段U6を構成する。
【0041】
中央制御回路101は、内部のバスに、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104、タイマー回路105、不揮発性メモリ106、等が接続された回路とされている。CPU102は、ROM103や不揮発性メモリ106に記録された制御プログラムに基づいてRAM104をワークエリアとして利用しながら熱成形品製造システムSY1の各部を制御する。
情報出力部131は、例えばディスプレイや音声出力器やプリンタで構成され、利用者から操作入力を受け付けた各種設定の内容や成形品製造システムSY1の運転状況を表す各種情報を表示等により出力する。
図6(a)に示す設定入力画面SC1は、情報出力部131の表示例である。操作部132は、例えば複数のボタンで構成され、利用者から操作入力を受け付ける。設定入力画面SC1を表示しているとき、操作部132は、入力欄SC2で検出後送りL2の操作入力を受け付け、入力欄SC3でショット間隔L3の操作入力を受け付け、入力欄SC4でマーク検出範囲L4の操作入力を受け付ける。
【0042】
(4)シート搬送装置を含む成形装置の動作、作用、及び、効果:
図7は、熱成形品製造システムSY1が行う成形トリミング処理をフローチャートにより示している。この処理は、制御盤100の中央制御回路101が主体となって行い、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。
制御盤100の電源をオンにする等して成形トリミング処理を開始させると、システムSY1は、ヒーター30に通電する(ステップS102。以下、「ステップ」の記載を省略)。S104では、搬送手段U2を駆動してシートSH1の搬送方向D1への搬送を開始する。シートSH1の先端部を搬送手段U2の上流側D1Uに供給するのは、S104の前でも良いし、S104の後でもよい。シートSH1が供給されると、搬送方向D1へシートSH1が送られる。
【0043】
S106では、上流位置P2にある入口マークセンサーSN2で供給シートのマークM1、すなわち、先頭のマークM11が検出されたか否かを判断する。マークM1が検出されていない場合にはS106の処理を繰り返し、マークM1が検出された場合には処理をS108に進める。
図9のSTEP1には、先頭マークM11が入口マークセンサーSN2で検出された状態を示している。
【0044】
S108では、搬送手段U2の駆動を継続して{(L1+L2)/L3}の余りLrの距離の端数送りを供給シートSH1に対して行う。
図9のSTEP2には、マーク検出後から距離Lrの搬送を供給シートに対して行った状態を示している
。端数送り後には、シートSH1がショットST1の位置にあるので、システムSY1は搬送手段U2の駆動を一旦止めてシートSH1を一旦停止させる。
【0045】
その後、S110では、搬送手段U2を駆動してショット間隔L3の距離の定寸送りを行う。定寸送り後には、シートSH1がショットST1の位置にあるので、システムSY1は搬送手段U2の駆動を一旦止めてシートSH1を一旦停止させる。S112では、{(L1+L2)/L3}の商Lqから1を引いた(Lq−1)回連続の定寸送りを実施したか否かを判断する。条件不成立時にはS110の定寸送りを繰り返し、条件成立時には処理をS114に進める。
図9のSTEP3には、ショット間隔L3の搬送を繰り返し供給シートSH1に対して行った様子を示している。Lq=4の場合、3回の定寸送りが行われる。距離(L1+L2−L3)の搬送が供給シートSH1に対して行われると、シート供給時を除いた主たる連続成形時にシートSH1のショットST1に合わせた搬送成形処理を行うことができる。
図7では、S114〜S126が搬送成形処理に対応している。
以上説明したようにして、シート搬送装置2は、シート供給時、出口マークセンサーSN1で供給シートSH1のマークM1の検出に基づいた該供給シートSH1の搬送成形処理が可能となるまで入口マークセンサーSN2でのマークM1の検出に基づいて該供給シートSH1を搬送する。
【0046】
S114では、成形部U1でシートSH1を成形する動作を行い、トリミング部U8で成形シートSH2をトリミングする動作を行う。これにより、成形前のシートSH1からは模様PRT1に合わせた所定数の成形品PR1がショット毎に形成され、成形シートSH2からは模様PRT1に合わせた所定数の成形品PR1がショット毎に分離される。ただし、初回ショットST11については、出口マークセンサーSN1のマーク検出による位置合わせが行われていないため、成形やトリミングを行わなくてもよい。この場合、
図8に示す変形例の成形トリミング処理のように、S114の処理をS122,S124とS126との間に変更してもよい。むろん、初回ショット及び次回ショットを含む初期ショットの成形やトリミングを行わないようにしてもよい。また、トリミングについては、トリミング部U8に成形シートSH2が供給されるまで行わなくてもよい。
【0047】
S116では、搬送手段U2を駆動してシートSH1の搬送方向D1への搬送を再開する。S118では、搬送中のシートSH1が
図6(b)で示したようなマーク検出範囲L4の中にあるか否かを判断する。検出後送りL2が150mm、ショット間隔L3が400mm、マーク検出範囲L4が100mmである場合、ショットST1の位置を基準として100〜200mmの範囲でマークM1の検出処理が行われる。ショットST1の位置を基準としたシートSH1の搬送距離Lcが100mm未満である場合、シートSH1はマーク検出範囲の手前にあることになり、制御盤100はS116の処理を繰り返す。シート搬送距離Lcが100mm以上200mm以下である場合、シートSH1がマーク検出範囲内にあることになり、制御盤100は処理をS120に進める。搬送距離Lcが200mmよりも大きく400mmよりも小さい場合、シートSH1がマーク検出範囲の後にあることになり、制御盤100は処理をS124に進める。
なお、シートの搬送速度は、マーク検出範囲の内外で同じ高速度V2(V2>0)mm/秒でもよいが、マーク検出範囲内で低速度V1(V1>0)mm/秒にし、マーク検出範囲外で高速度V2(V2>V1)mm/秒にしてもよい。
【0048】
シートSH1がマーク検出範囲内にあるS120では、下流位置P1にある出口マークセンサーSN1で供給シートのマークM1が検出されたか否かを判断する。マークM1が検出されていない場合には処理をS116に戻し、マークM1が検出された場合には処理をS120に進める。
図9のSTEP4には、先頭マークM11が出口マークセンサーSN1で検出された状態を示している。S122では、搬送手段U2の駆動を継続して距離L2の検出後送りを供給シートSH1に対して行う。
図9のSTEP5には、マーク検出から距離L2の搬送を供給シートに対して行った状態を示している。検出後送りの後には、シートSH1がショットST1の位置にあるので、システムSY1は搬送手段U2の駆動を一旦止めてシートSH1を一旦停止させる。
【0049】
シートSH1がマーク検出範囲の後にあるS124では、ショット間隔L3の距離の定寸送りを行う。定寸送り後には、シートSH1がショットST1の位置にあるべきなので、システムSY1は搬送手段U2の駆動を一旦止めてシートSH1を一旦停止させる。むろん、
図9のSTEP5に示す状態になるべきである。
【0050】
S126では、シート有無センサーSN3でシートSH1の有無を検出し、{(L1+L2)/L3}の商Lqの回数連続してシート有無センサーSN3でシートSH1が検出されなかったか否かを判断する。条件不成立時にはS114〜S126の搬送成形処理を繰り返し、条件成立時には処理をS104に戻す。
【0051】
シート有無センサーSN3でシートSH1が検出されるか、連続して検出されなかった回数がLq未満の場合、S114で成形動作及びトリミング動作が行われる。
図9のSTEP6には、ショットST1の位置に一旦停止したシートSH1を成形した状態を示している。
図9の例では、出口マークセンサーSN1で先頭マークM11が検出されたとき、初期ショットに含まれる次回ショットST12の位置に成形品PR1が形成される。その後、S116〜S124で出口マークセンサーSN1がマークM1を検出する位置までシートSH1が搬送される。
図9のSTEP7には、次回ショットST12の位置にあるマークM11が出口マークセンサーSN1で検出された状態を示している。
以上説明したようにして、成形装置1は、出口マークセンサーSN1でのマークM1の検出に基づいて供給シートSH1の搬送成形処理を行う。
【0052】
図10は、シート有無センサーSN3で商Lqの回数連続してシートSH1が検出されない場合のシート搬送例を示している。この例は、シート交換時に好適である。STEP11には、シートSH1の終端部からLq番目のショットST1の位置に一旦停止したシートSH1を成形した状態を示している。このとき、シート有無センサーSN3でシートSH1が検出されている。STEP12には、シート終端部の末尾マークM19からLq番目のマークM1が出口マークセンサーSN1で検出された状態を示している。STEP13には、マーク検出から距離L2の検出後送りを供給シートに対して行った状態を示している。
【0053】
上述した成形、出口マークセンサーSN1によるマーク検出、及び、検出後送りの組合せをLq回連続して行うと、STEP14に示す状態になる。このとき、シート終端部の末尾ショットST19が既に成形され、成形部U1からシートSH1が無くなっているので、ショット毎の成形動作に意味が無くなる。そこで、
図7で示した処理に従って、成形装置1は、Lqの回数連続して出口マークセンサーSN1でシートSH1が検出されなかった後、入口マークセンサーSN2でマークM1が検出されたとき、まず、出口マークセンサーSN1でのマーク検出に基づいた供給シートSH1の搬送成形処理が可能となるまで入口マークセンサーSN2でのマーク検出に基づいて供給シートSH1を搬送する。その後、出口マークセンサーSN1でのマーク検出に基づいて供給シートSH1の搬送成形処理を行う。従って、シート搬送装置2は供給シートを初期ショットから精度良く位置合わせ可能な好適な装置であり、成形装置1は供給シートを初期ショットから精度良く成形可能な好適な装置である。
【0054】
なお、一対のシート有無センサーSN3,SN3のうち一方のシート有無センサーでシートが検出されて他方のシート有無センサーでシートが検出されない場合には、搬送成形処理を停止してもよい。この場合、搬送手段U2からシートSH1が外れた可能性があるためである。むろん、一方のシート有無センサーでシートが検出されて他方のシート有無センサーでシートが検出されないことがNa回(Naは1以上の整数、好ましくは2以上の整数)連続した場合に搬送成形処理を停止してもよい。
【0055】
ここで、
図13(a)に示した比較例のように、入口マークセンサーを設けていない比較例の成形装置の動作を説明する。
図14は、成形部から下流側に出口マークセンサーSN9があるが、成形部から上流側に入口マークセンサーの無い比較例の成形装置のシート搬送を模式的に示している。この成形装置は、初回のシート供給時、STEP91に示すように、自動運転していない状態でシートSH1の先端部分を手動で成形位置に合わせる作業が必要である。これに対し、本技術は、このような手動の合わせ作業が不要であり、自動的に供給シートが位置合わせされるので便利である。
【0056】
出口マークセンサーSN9で先頭マークM11が検出されるとき、STEP92に示すように、初回ショットST11は既に成形部を通り過ぎている。このため、比較例では、初回ショットST11を成形することができない。これに対し、本技術は、
図9で示したように、初回ショットを成形することができる。
【0057】
また、比較例では、先頭マークM11は出口マークセンサーSN9で初めて検出されるため、本来の検出タイミングとは異なるタイミングで検出されることが多い。このため、マーク検出のばらつきが大きい。STEP92には、検出タイミングが遅れたことが示されている。この状態で距離L2の検出後送りが供給シートに対して行われると、STEP93に示すように、検出後送りの終了位置(間欠搬送時には停止位置)のばらつきが大きくなる。STEP93には、検出後送りの終了位置が上流側にずれたことが示されている。この状態で次回ショットST12のシートが成形されると、STEP94に示すように、成形品PR9の印刷模様PRT1がずれてしまう。
従って、成形の精度を向上させるためには、供給シートの初期ショットの成形品を廃棄したり、初期ショットに成形を行わなかったりする必要がある。このことは、製品の歩留まり低下に繋がる。
【0058】
以上に対し、本技術は、先頭マークが入口マークセンサーで検出されてシートが位置合わせされた後に出口マークセンサーで検出されるので、マーク検出の精度が高い。この状態で距離L2の検出後送りが供給シートに対して行われるので、
図9で示したように、検出後送りの終了位置のばらつきが小さい。この状態で次回ショットのシートが成形されるので、印刷模様が成形品に合う。
【0059】
以上説明したように、本技術のシート搬送装置及びシート搬送方法は、供給シートを初期ショットから精度良く位置合わせ可能である。本技術の成形装置及び成形方法は、供給シートを初期ショットから精度良く成形可能である。
【0060】
なお、シート搬送装置2の処理例としては、
図11に示すように、
図7,8で示した成形トリミング処理からS102,S114の処理を除いた処理とすることができる。
【0061】
(5)変形例:
本技術は、種々の変形例が考えられる。
例えば、成形品製造システムは、製品取出部が無くてもよく、スクラップ回収部が無くてもよく、アフタートリミングに対応したシステムのようにトリミング部が無くてもよい。
成形部は、成形位置に加熱部が設けられてもよい。また、成形部は、上流側に加熱部が無くてもよい。この場合、成形位置から搬送方向にショット間隔以内の上流位置に上流側マーク検出部やシート検出部を設けてもよい。
型をシートに作用させる処理部は、型73を有する成形部以外にも、トリミング用の型83を有するトリミング部U8等でもよい。
シート交換時、シートが検出されない連続回数が{(L1+L2)/L3}の商Lq未満であっても、上述した搬送処理を行ってもよい。この場合、搬送方向に分割された複数の搬送機構で搬送手段を構成してもよい。
上述した搬送処理を有効にするか否かを選択入力可能にしてもよい。
【0062】
上述した処理の各ステップの順番は、適宜、変更可能である。例えば、
図7,8,11の処理において、S108の端数送り処理の前にS110〜S112の(Lq−1)回連続の定寸送り処理を行ってもよい。
【0063】
また、シート搬送装置の変形例として、
図12に示す簡易的な搬送処理が行われてもよい。このシート搬送装置は、まず、シートSH1の搬送方向D1への搬送を開始し(S104)、入口マークセンサーSN2で先頭マークM11が検出されると(S106)、距離(L1+L2−L3)の搬送を一気に供給シートSH1に対して行ってシートSH1を一旦停止させる(S202)。その後、シート搬送装置は、シートSH1の搬送方向D1への搬送を再開すると(S116)、出口マークセンサーSN1で供給シートのマークM1を検出したら(S120)、距離L2の検出後送りを供給シートSH1に対して行う(S122)。そして、シート搬送装置は、操作入力等によりシートを交換するか否かを判断し(S204)、条件不成立時には処理をS116に戻し、条件成立時には処理をS104に戻す。
【0064】
上述した簡易的な搬送処理でも、シート供給時、出口マークセンサーSN1でのマーク検出に基づいた供給シートSH1の搬送処理が可能となるまで入口マークセンサーSN2でのマーク検出に基づいて供給シートSH1を搬送した後、出口マークセンサーSN1でのマーク検出に基づいて供給シートSH1の搬送処理を行うことになる。
【0065】
なお、入力手段U6の無いシート搬送装置、シート検出部U5の無いシート搬送装置、間欠動作せず一定速度でシートを送るシート搬送装置、といった、シート搬送装置の基本部分U2〜U4のみでも、供給シートを初期ショットから精度良く位置合わせ可能になるという効果が得られる。
むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
【0066】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、供給シートを初期ショットから精度良く位置合わせ可能な技術等を提供することができる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。