特許第6022346号(P6022346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6022346自動車用サスペンションメンバの補強構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6022346
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】自動車用サスペンションメンバの補強構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/00 20060101AFI20161027BHJP
【FI】
   B62D21/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-282580(P2012-282580)
(22)【出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-125073(P2014-125073A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087619
【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
(72)【発明者】
【氏名】百中 淳志
(72)【発明者】
【氏名】新開 有里
【審査官】 川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−203240(JP,A)
【文献】 特開2011−152911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00 − 25/08
B62D 25/14 − 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上壁部,下壁部,前壁部及び後壁部からなる中空状をなすと共に、車幅方向両側部にロアアームのブッシュを差し込んで締結するための開口部を有し、サスペンションメンバを車体骨格部材に支持させるための取付け脚部を前記ロアアームの前側のブッシュの取付け部近傍に設けた自動車用サスペンションメンバの補強構造において、
該サスペンションメンバの前記開口部の近傍内に、上横辺部,下横辺部及び縦辺部からなる断面略凹形状のバルク部材を、前記上壁部,下壁部,前壁部及び後壁部を橋渡しするように配設し、
前記バルク部材の上横辺部,下横辺部を前記上壁部,下壁部の前記ブッシュ取付け部内面に固定し、
前記取付け脚部の車幅方向外側部分の下端部を、前記上壁部の前記上横辺部が固定された部分の上面に固定し、
前記取付け脚部の車幅方向内側部分の下端部を、前記上壁部,下壁部を貫通させると共に前記バルク部材の縦辺部に固定した
ことを特徴とする自動車用サスペンションメンバの補強構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車幅方向両側部にロアアーム取付け用開口部を有する自動車用サスペンションメンバに関し、より詳細には、前記開口部及び取付け用脚部の剛性を向上できるようにした補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車用サスペンションメンバとして、車幅方向両側部にロアアーム取付け用開口部を備え、該開口部内にロアアームの上下方向に向けた前,後一対のブッシュを差し込んで前記側部に締結したものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−208678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来のサスペンションメンバは、構造が簡易で低コストという利点があるものの、前記車幅方向両側部の開口部周辺の剛性が低く、該開口部近傍に固定されたサスペンションメンバ取付け用脚部の剛性も低いという問題がある。またサスペンションメンバがロアアームからの大荷重を受け止めることができずに変形・変位してしまい、操縦安定性が悪化したり、ロードノイズが発生したりするといった問題がある。
【0005】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、ロアアーム取付け用開口部周辺や取付け用脚部の剛性を向上でき、またロアアームからの大荷重を受け止めることができ、サスペンションメンバの変形・変位を防止でき、操縦安定性やロードノイズの問題を改善できる自動車用サスペンションメンバの補強構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上壁部,下壁部,前壁部及び後壁部からなる中空状をなすと共に、車幅方向両側部にロアアームのブッシュを差し込んで締結するための開口部を有し、サスペンションメンバを車体骨格部材に支持させるための取付け脚部を前記ロアアームの前側のブッシュの取付け部近傍に設けた自動車用サスペンションメンバの補強構造において、該サスペンションメンバの前記開口部の近傍内に、上横辺部,下横辺部及び縦辺部からなる断面略凹形状のバルク部材を、前記上壁部,下壁部,前壁部及び後壁部を橋渡しするように配設し、
前記バルク部材の上横辺部,下横辺部を前記上壁部,下壁部の前記ブッシュ取付け部内面に固定し、
前記取付け脚部の車幅方向外側部分の下端部を、前記上壁部の前記上横辺部が固定された部分の上面に固定し、
前記取付け脚部の車幅方向内側部分の下端部を、前記上壁部,下壁部を貫通させると共に前記バルク部材の縦辺部に固定した
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サスペンションメンバの前記開口部の近傍内にバルク部材を配設し、該バルク部材によりサスペンションメンバの前壁部,下壁部,前壁部及び後壁部を橋渡ししたので、前記開口部周辺の剛性を高めることができる。
【0008】
また、前記取付け脚部を車幅方向外側部分と内側部分とからなるものとし、外側部分の下端部を、前記上壁部の前記バルク部材の上横辺部が固定された部分の上面に固定し、内側部分の下端部を前記上壁部を貫通させると共に前記バルク部材の縦辺部に固定したので、取付け脚部の剛性を向上でき、サスペンションメンバの支持状態を安定化できる。
【0009】
さらにまた、前記バルク部材の上横辺部,下横辺部を、上壁部,下壁部のブッシュ取付け部を構成する部分の内面に固定してブッシュ取付け部を補強し、さらに取付け脚部の外側部分の下端部を前記上横辺部の上側に固定し、内側部分の下端部をバルク部材の縦壁部に固定したので、ブッシュ取付け部の剛性を大幅に向上でき、操向輪からブッシュに伝達される大荷重をバルク部材だけでなく取付け脚部でも受け止めることとなり、サスペンションメンバの変形・変位を防止でき、操縦安定性やロードノイズ改善に効果がある。
【0010】
また上述の効果を、最小限のバルク部材の追加と、取付け脚部の固定構造の改善だけで実現できるので、コストや重量の増加や生産性の低下の問題が生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例1による補強構造を備えたサスペンションメンバの車両斜め前方から見た分解斜視図である。
図2】前記サスペンションメンバの平面図である。
図3】前記サスペンションメンバの一部断面背面図である。
図4】前記サスペンションメンバの断面側面図(図2のIV-IV線断面図)である。
図5】前記サスペンションメンバ内に配置されるバルク部材の斜視図である。
図6】前記サスペンションメンバの取付け脚部の断面側面図(図2のVI-VI線断面図)である。
図7】前記取付け脚部の分解斜視図である。
図8】前記取付け脚部の断面平面図(図6のVIII-VIII線断面図)である。
図9】前記サスペンションメンバの車体フレームへの取付け状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1ないし図9は本発明の実施例1に係るサスペンションメンバの補強構造を説明するための図であり、図中、前,後,左,右とは、車両前方に見た状態での前,後,左,右を意味している。
【0014】
図において、12は車体骨格部材を構成する左,右のサイドメンバであり、該サイドメンバ12は車両前後方向に延びる本体部12aと、該本体部12aから車幅方向外側に拡開しつつ斜め上方に延び、そこから水平に前方に延びる前部12bとを有する。
【0015】
前記サイドメンバ12の本体部12aの前端部から前記前部12bの下面に渡るようにサスペンションメンバ1が配置されており、該サスペンションメンバ1は、前,後ボルト12c,12dによりサイドメンバ12に固定されている。このサスペンションメンバ1は、車両前後方向視で、車幅方向中央に位置する中央部1aと、車幅方向左,右側部で、かつ前記中央部1aより低所に段違い状を成すように配置された左,右のサイド部1b,1bと、該左,右のサイド部1b,1bと前記中央部1aとを接続するように配設された左,右の立ち上がり部1c,1cとを有する。
【0016】
また前記サスペンションメンバ1の前部には、エンジンユニット等の配置スペースを確保するための凹部1eが車両後方に凹むように形成されている。
【0017】
前記左,右のサイド部1b,1bは、車両前方ほど低くなる傾斜をなしており(図4参照)、かつ後述するロアアーム4を差し込むための開口部1d を有する。また前記左,右の立ち上がり部1c,1cは車幅方向中央側ほど高くなる傾斜をなしている(図3参照)。
【0018】
前記サスペンションメンバ1は、板金製で、横断面略ハット形状のアッパメンバ2と、同じく板金製で横断面略ハット形状のロアメンバ3とを中空状をなすように、かつ前記開口部1d が形成されるように結合したものである。
【0019】
前記アッパメンバ2は、前記中央部1a,左,右のサイド部1b及び左,右の立ち上がり部1cの上側部分を構成する中央上壁部2a,サイド上壁部2b及び立ち上がり上壁部2cと、前,後壁部2b′,2c′と、前,後フランジ部2dとを有し、前記横断面略ハット形状をなしている。
【0020】
また、前記ロアメンバ3は、前記中央部1a,左,右のサイド部1b及び左,右の立ち上がり部1cの下側部分を構成する中央下壁部3a,サイド下壁部3b及び立ち上がり下壁部3cと、前,後壁部3b′,3c′と、前,後フランジ部3dとを有し、前記横断面略ハット形状をなしている。前記ロアメンバ3の前,後のフランジ部3d,3dと前記アッパメンバ2の前,後のフランジ部2d,2dとがスポット溶接により結合されている。
【0021】
前記アッパメンバ2の左,右のサイド上壁部2b,2bには、凹状ビード2eが前記開口部1d内側に突出するように形成されている。この凹状ビード2eは、サイド上壁部2bの前後方向略全長に渡るように、かつ横断面で見たとき路面Gと平行になるように形成されている。上述のようにサイド上壁部2bは前下がりに傾斜しているので、前記凹状ビード2eは後部から前部に行くほど浅くなっている。そして前記凹状ビード2eには、ロアアーム4の前ブッシュ4a,後ブッシュ4bを取り付けるための前,後取付け孔2f,2gが上下に貫通するように形成れており、該取付け孔2f,2gの上面にはナット部材5aが固定されている。
【0022】
前記ロアメンバ3の左,右のサイド下壁部3b,3bには、凹状ビード3eが前記開口部1d内側に突出するように形成されている。この凹状ビード3eは、サイド下壁部3bの前後方向略全長に渡るように、かつ横断面で見たとき路面Gと平行になるように形成されている。上述のようにサイド下壁部3bは前下がりに傾斜しているので、前記凹状ビード3eは後部から前部にいくほど深くなっている。そして前記凹状ビード3eには、前記ロアアーム4の前ブッシュ4a,後ブッシュ4bを取り付けるための前,後取付け孔3f,3gが上下に貫通するように形成れている。
【0023】
前記凹状ビーム2e,3eの、前記前取付け孔2f,3fが形成された部分が前記前ブッシュ4aの取付け部4a′となっており、また前記後取付け孔2g,3gが形成された部分が前記後ブッシュ4bの取付け部4b′となっている。
そして前記ロアメンバ3の前記左,右のサイド下壁部3bの前記前下がり傾斜の下端部、即ち前端部で、かつ前記立ち上がり下壁部3cの下端近傍には、ドレン孔3hが下方に貫通するように形成されている。このドレン孔3hは、前記開口部1dから内部に進入した雨水等を排水するためのものである。
【0024】
前記ロアアーム4は、二股状をなすアーム本体4eと、該アーム本体4eの基端部にその軸線を上下方向に向けて固定された前記前ブッシュ4a,後ブッシュ4bとを有する。前記前ブッシュ4a,後ブッシュ4bは、内筒4cと外筒4dとの間にゴム部材4fを焼付け固定したものである。
【0025】
前記ロアアーム4は、前ブッシュ4aを、これの軸線を上下に向けて前記取付け孔2f,3fに一致させ、かつ後述するバルク部材6の上,下横辺部6a,6b間に配置し、また後ブッシュ4bをこれの軸線を上下に向けて前記取付け孔2g,3gに一致させ、この状態で前記内筒4cに下方からボルト5を挿入し、前記ナット部材5aに締め付けることでサスペンションメンバ1に支持されている。
【0026】
ここで前記前側のボルト5の頭部5bは、前記ロアメンバ3の凹状ビード3e内に位置しているため、路面側の障害物が当たり難く、障害物からの衝撃によりボルト5の頭部5bが損傷したり、ボルト5が緩んだりするのを防止できる。
【0027】
前記サスペンションメンバ1の左,右側部内には板金製のバルク部材6が配設されている。このバルク部材6は、上横辺部6aと、下横辺部6bと、縦辺部6cとを有する横断面凹形状のものであり、サスペンションメンバ1の前後方向長さと略同じ長さを有し、該サスペンションメンバ1の前記サイド部1bから立ち上がり部1cに渡るように少し斜めに配置されている。
【0028】
前記バルク部材6の前端部に形成された前フランジ部6dは、前記サイド上壁部2bの前壁部2b′及びサイド下壁部3bの前壁部3b′に溶接固定され、後端部に形成された後フランジ6eは前記立ち上がり下壁部3cの後壁部3c′及び立ち上がり上壁部2cの後壁部2c′に溶接固定され、また、前記下横辺部6bの後部6b′は前記立ち上がり下壁部3cに、上横辺部6aの後部6a′は立ち上がり上壁部2cにそれぞれ溶接固定されている。さらに後述するように、バルク部材6の上横辺部6a,下横辺部6bの前部6hは、前記凹状ビード2e,3eの内面に溶接固定されている。
【0029】
このようにして前記バルク部材6は、サスペンションメンバ1の、前記サイド上壁部2b,サイド下壁部3b、立ち上がり上壁部2c,立ち上がり下壁部3c、前壁部2b′,3b′及び後壁部2c′,3c′を橋渡ししており、かつ前記開口部1dを略塞いでいる。
【0030】
また前記バルク部材6の上横辺部6a,下横辺部6bの長手方向前部6hには、前記前ブッシュ4aを取り付けるための取付け孔6f,6gが上下に貫通するように形成されている。前記前部6hは、前記サイド上壁部2bの凹状ビーム2e,サイド下壁部3bの凹状ビーム3eの前記前ブッシュ4aの取付け部4a′内に、前記取付け孔6f,6gが取付け孔2f,3fと一致するように挿入配置され、前記上,下横辺部6a,6bが前記上,下の凹状ビード2e,3eの内面に溶接固定されている。また、前記取付け孔2g,6g,6f,2f内を前記ボルト5が挿通している。
【0031】
また、前記サスペンションメンバ1の、前記左,右の前ブッシュ4aの取付け部4a′近傍には、左,右の取付け脚部9が上方に突出するように形成されている。該取付け脚部9は、車幅方向内側に位置する本体部10と、車幅方向外側に位置する補強部11とを溶接結合した筒状体である。該取付け脚部9の上端部は、前記サイドメンバ12の前部12bにボルト12cにより締め付け固定されている。
【0032】
前記本体部10は、板金製で、前,後側壁10a,10aと底壁10bとを有する横断面コ字形状をなしており、上方に直線状に延びる起立部10cと、該起立部10cの上端から車幅方向外方に屈曲して延びる支持部10dとで構成されている。
【0033】
また前記補強部11は、板金製で、前記起立部10aと同じ幅寸法の基部11aと、該基部11aの一部を車幅方向外方に突出させ、かつ上下方向に延長させた突出部11bとを有し、前記本体部10に沿って上方に延び、その上端部は車幅方向外方に屈曲している。
【0034】
ここで、前記取付け脚部9は、図8に示すように、車幅方向に延びる直線Aに対してθだけ前記前ブッシュ4aの取付け孔2fに向かうように斜めに配置されている。従って、前記取付け脚部9の、特に突出部11b部分は、前記取付け脚部9を前記車幅方向直線Aと平行に配設した場合よりも前記取付け孔2fに近接している。
【0035】
前記本体部10と補強部11の先端部は外方に向かう開口を有し、該開口内にはカラー13aが配設されている。該カラー13a内を、取付け脚部9を前記サイドメンバ12の前部12bに固定するボルト12cが挿通している。また前記サイド上壁部2b,サイド下壁部3bの後端コーナ部間にはカラー13bが介在されており、該カラー13b内を、サスペンションメンバ1の後端部を前記サイドメンバ12の本体部12aに固定するボルト12dが挿通している。
【0036】
このように取付け脚部9の上端部が上下方向寸法の大きい形状となっており、しかも開口の内部にカラハー13aが介在されているので、前記上端部を上下方向寸法の薄い板状に形成した場合に比較して、該取付け脚部9による支持剛性を大幅に向上できる。
【0037】
前記補強部11の基部11a,突出部11bの下端にはフランジ部11c,11dが外方に折り曲げ形成されている。前記フランジ部11c,11dは、前記サイド上壁部2bの前記バルク部材6の上横辺部6aが固定された部分の上面に溶接固定されている。前記突出部11bのフランジ部11dは前記凹状ビード2eの上面に固定されている。
【0038】
また前記本体部10の下端部10eは前記サイド上壁部2b,サイド下壁部3bを下方に貫通しており、下端部10eは前記サイド上壁部2b及びサイド下壁部3bに溶接固定され、さらに前記前,後壁部10aの外端部は前記バルク部材6の縦壁部6cに溶接固定されている。
【0039】
本実施例によれば、サスペンションメンバ1の開口部1dの近傍内にバルク部材6を配設し、前記バルク部材6の前フランジ部6dをサイド上壁部2bの前壁部2b′,サイド下壁部3bの前壁部3b′に溶接固定し、後フランジ6eを立ち上がり下壁部3cの後壁部3c′,立ち上がり上壁部2cの後壁部2c′に溶接固定し、また下横辺部6bの後部6b′を立ち上がり下壁部3cに、上横辺部6aの後部6a′を立ち上がり上壁部2cにそれぞれ溶接固定し、さらに上横辺部6a,下横辺部6bの前部6hを前記凹状ビード2e,3eの内面に溶接固定したので、サスペンションメンバ1の、サイド上壁部2b,サイド下壁部3b、立ち上がり上壁部2c,立ち上がり下壁部3c、前壁部2b′,3b′及び後壁部2c′,3c′を橋渡しでき、前記開口部1d周辺の剛性を高めることができる。
【0040】
また、前記バルク部材6の下横辺部6bの後部6b′を立ち上がり下壁部3cに、上横辺部6aの後部6a′を立ち上がり上壁部2cにそれぞれ溶接固定したので、剛性断点となり易い立ち上がり部を効果的に補強できる。
【0041】
また、前記取付け脚部9を車幅方向外側の補強部11と内側の本体部10とからなるものとし、補強部11の下端のフランジ部11c,11dを、サイド上壁部2bの、前記バルク部材6の上横辺部6aが固定された部分の上面に固定し、また、本体部10の下端部10eを前記サイド上壁部2b,サイド下壁部3bを貫通させると共に該上,下壁部2b,3bに溶接固定し、さらに前記バルク部材6の縦辺部6cに溶接固定したので、取付け脚9部の剛性を向上でき、サスペンションメンバ1の支持状態を安定化できる。
【0042】
さらにまた、前記バルク部材6の上横辺部6a,下横辺部6bを、サイド上壁部2b,サイド下壁部3bの前ブッシュ4aの取付け部4a′を構成する部分の内面に溶接固定して該取付け部4a′を補強した。さらに取付け脚部9の車幅方向外側に位置する補強部11の下端部を、前記サイド上壁部2bの前記上横辺部6aが固定された部分の上面に溶接固定し、内側に位置する本体部10の下端部10eをバルク部材6の縦壁部6cに溶接固定したので、前ブッシュ4aの取付け部4a′の剛性を大幅に向上でき、操向輪から前ブッシュ4aに伝達される大荷重をバルク部材6だけでなく取付け脚部9でも受け止めることができ、サスペンションメンバ1の変形・変位を防止でき、操縦安定性やロードノイズ改善に効果がある。
【0043】
また上述の効果を、最小限のバルク部材6の追加と、取付け脚部9の固定構造の改善だけで実現できるので、コストや重量の増加や生産性の低下の問題が生じることもない。
【0044】
なお、前記実施例では、前ブッシュ4aの取付け部4a′のみをバルク部材6で補強したが、後ブッシュ4bの取付け部4b′もバルク部材で補強しても良い。
【0045】
また前記実施例では、前,後ブッシュが何れも軸線を上下方向に向けるタイプのロアアームの場合を説明したが、本発明のロアアームは、何れか一方のブッシュの軸線を上下方向に向け、他方の軸線は前後方向に向けるものであっても良い。
【符号の説明】
【0046】
1 サスペンションメンバ
1d 開口部
2b サイド上壁部(上壁部)
2b′ 前壁部
3b サイド下壁部(下壁部)
3c′ 後壁部
4 ロアアーム
4a 前ブッシュ
4a′ 取付け部
6 バルク部材
6a 上横辺部
6b 下横辺部
6c 縦辺部
9 取付け脚部
10 本体部(車幅方向内側部分)
10e 下端部
11 補強部(車幅方向外側部分)
11c,11d フランジ部(下端部)
12 サイドメンバ(車体骨格部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9