(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光を検出する光検出素子が実装された基板を、保持部材に取り付けた後、筐体に前記保持部材を収納し、前記筐体に設けられた光通過部と前記光検出素子の間に導光部材を配置する光検出装置の製造方法において、
前記保持部材を、前記基板を保持する第1保持部材と、この第1保持部材に嵌合する第2保持部材とから構成し、
前記第1保持部材と前記第2保持部材に、前記導光部材を係合するための係合部と、互いを固定するための嵌合部と、をそれぞれ設け、
前記第1保持部材の係合部に前記導光部材の一部を係合して、前記第1保持部材に前記導光部材を仮止めした後、
前記導光部材の他部に前記第2保持部材の係合部を係合し、かつ、前記第1保持部材の嵌合部に前記第2保持部材の嵌合部を嵌合して、前記第1保持部材と前記第2保持部材とを固定することにより、前記両保持部材間に前記導光部材を挟持する、ことを特徴とする光検出装置の製造方法。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の灯火やエアコンを自動的に制御するために、車両に設けられた光検出装置が知られている。この光検出装置は、たとえば特許文献1〜3に開示されているように、車内に入射する光の照度や日射量を光検出素子により検出し、該検出結果に基づいて灯火やエアコンを制御する。
【0003】
光検出装置の具体的な構造として、光検出素子の光源側には、光を通過させる光通過部が設けられている。光通過部は、たとえば、特許文献1では、レンズなどの光学素子から成り、特許文献2および3では、筐体の開口部などから成る。
【0004】
光検出素子は基板に実装されている。たとえば特許文献1では、基板を保持部材により保持した後、保持部材を筐体に収納する。これにより、光通過部の直下に光検出素子が配置され、光通過部を通過した光が光検出素子により検出可能となる。
【0005】
たとえば、エアコンを制御して、車室内の温度を適切に設定するためには、単に車両周囲の明るさを検出するだけではなく、乗車しているユーザに直接当たる光を検出しなければならない。そのため、所定の斜め方向から車室内に向かう光の量(赤外線量など)を検出する必要がある。また、車両の灯火を制御するために、車両周囲の明るさを検出する場合にも、運転者が感じる明るさに、より合致した制御を行うには、所定の斜め方向から車両に向かう光を検出する必要がある。
【0006】
そこで、特許文献2では、光通過部(切欠部や切抜部)と光検出素子の間に、透明なまたは着色した樹脂またはガラスから成る導光体を設けている。そして、光通過部を通過した前方光を、第1導光体を透過させて、第1光検出素子へ導いている。また、光通過部を通過した上方光を、第1導光体の入射面から入射させた後、境界面で全反射させて、光路を変更し、第1光検出素子へ導いている。さらに、光通過部を通過した周辺光を、第2導光体に設けた集光レンズ部で集光して、第2光検出素子へ導いている。
【0007】
特許文献3では、光通過部(開口部)と3つの光検出素子の間に、入射面が3つの傾斜面に分割されたプリズムを設けている。そして、光通過部を通過した光のうち、前方光を第1傾斜面により第1光検出素子に導き、左上方光を第2傾斜面により第2光検出素子に導き、右上方光を第3傾斜面により第3光検出素子に導いている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
【0018】
まず、本実施形態の光検出装置100の構造を、
図1〜
図7を参照しながら説明する。
【0019】
光検出装置100は、自動四輪車の前照灯と尾灯の点消灯を自動的に制御するための、オートライトセンサである。
図1では、光検出装置100を上方から見た斜視図を(a)に示し、光検出装置100を下方から見た斜視図を(b)に示している。
【0020】
図2および
図3に示すように、光検出装置100には、筐体1、基板2、第1保持部材3、第2保持部材4、および導光部材5が備わっている。
図2は、
図1の光検出装置100のA−A断面図である。
図3は、光検出装置100の分解図である。
【0021】
筐体1は、合成樹脂の成型品から成る。筐体1は、下方側に開口した箱状に形成されている。筐体1の上部には、鍔部1tが形成されている。
図2に示すように、筐体1の短手方向の両側面1v、1wには、爪部1nが形成されている。
図3に示すように、筐体1の長手方向の一方の側面1xには、ロック孔1rが形成されている。同様に、筐体1の反対側の側面1yにも、ロック孔が形成されている(図示省略)。
【0022】
筐体1の上面には、上向きで凸形のレンズ1aが設けられている。レンズ1aは、たとえば入射光の赤外線成分や可視光成分を透過する。光検出装置100の周辺光は、レンズ1aを通過して、筐体1内に入射する。レンズ1aは、本発明の「光通過部」の一例である。
【0023】
筐体1内には、
図2に示すように、基板2、第1保持部材3、第2保持部材4、および導光部材5が収納される。
【0024】
基板2は、プリント配線基板から成る。基板2には、
図3に示すように、光検出素子6やマイコン(マイクロコンピュータ)7などの電子部品が実装され、通信回路8などの電気回路が形成されている。また、基板2には、複数の接続孔2aと、ボス孔2bとキー溝2cが形成されている。
【0025】
図4は、第1保持部材3の斜視図であって、
図3で左側から見た状態を(a)に示し、右側から見た状態を(b)に示している。第1保持部材3は、合成樹脂の成型品から成る。第1保持部材3の長手方向の両側面3x、3yには、ロック突起3rが形成されている。
【0026】
第1保持部材3の短手方向の一方側には、
図4(a)に示すように、第1取付部3aとコネクタ部3cが形成され、他方側には、
図4(b)に示すように、第2取付部3bが形成されている。
【0027】
図4(a)に示すように、コネクタ部3cの上方には、複数の貫通孔3dが形成されている。各貫通孔3dにL字形の複数のピン端子9が圧入されることで、
図3に示すように、各ピン端子9がコネクタ3cに取り付けられている。各ピン端子9の一方の端部9aは、コネクタ部3cで下方に向かって突出している。
【0028】
各ピン端子9の他方の端部9bは、
図4(b)に示すように、第2取付部3bへ突出している。第2取付部3bには、ボス3e、キー突起3f、および導光孔3gが形成されている。
【0029】
図3および
図4(a)に示すように、第1取付部3aの奥壁3jには、導光部材5を係合するための溝状の係合部3kが形成されている。係合部3kの上部には、該係合部3kを幅方向に広げた幅広部3tが設けられている。係合部3kの下部は、導光孔3gと連通している。
【0030】
第1取付部3aの対向する両側壁3p、3qには、第2保持部材4を固定するための溝状の一対の嵌合部3mが横向きに形成されている。各嵌合部3mには、
図7に示すように、段差3nが形成されている。
【0031】
図7は、保持部材3、4の嵌合状態と導光部材5の係合状態を示した図であって、
図3のB平面により部材3〜5を切断して上方から見た断面を示している。
【0032】
図5は、第2保持部材4の斜視図であって、
図3で左側から見た状態を(a)に示し、右側から見た状態を(b)に示している。第2保持部材4は、合成樹脂の成型品から成る。第2保持部材4には、第1保持部材3を固定するための1対の嵌合部4mが設けられている。各嵌合部4mは、アーム状に形成されていて、先端部に、
図5および
図7に示すように、外側へ向かって台形状に膨らんだロック部4nが設けられている。
【0033】
図5(b)に示すように、第2保持部材4の側面4jには、導光部材5を係合するための溝状の係合部4kが形成されている。係合部4kの上部には、該係合部4kを幅方向に広げた幅広部4tが設けられている。係合部4kの下部には、傾斜面4iが設けられている。
【0034】
図6は、導光部材5を示した図であって、(a)に斜視図を示し、(b)に断面図を示している。導光部材5は、透明な合成樹脂で形成されている。導光部材5は、中心軸Qの方向に延びる軸部5jと、この軸部5jの上部に中心軸Qを囲むように設けられた環状の頭部5hと、この頭部5hの下方に設けられた鍔部5tとを有している。
【0035】
頭部5hは、ドーナツ状に形成されていて、軸部5jより外径が大きくなっている。頭部5hの外側には、入射曲面5aが形成されている。頭部5hの内側には、漏斗状の反射曲面5bが形成されている。これにより、入射曲面5aは、中心軸Qの周囲に環状に設けられ、反射曲面5bは、入射曲面5aの内側にあって入射曲面5aと対向するように中心軸Qの周囲に設けられる。
【0036】
軸部5jは、円柱状に形成されていて、下端部が一側方に向けて直角に屈曲されている。この軸部5jの屈曲部分の外側には、中心軸Qに対して所定の角度で傾斜するように反射面5cが設けられている。また、軸部5jの先端には、中心軸Qと平行で一側方を向いた出射面5dが設けられている。鍔部5tは、直方体状に形成されている。
【0037】
次に、光検出装置100の製造(組立)方法を説明する。
【0038】
図3において、まず、第1保持部材3の第2取付部3b(
図4(b))に光検出素子6を対向させた状態で、保持部材3に基板2を側方から近づけて行って、各ピン端子9の端部9b(
図4(b))を基板2の接続孔2aに貫通させる。また、基板2のボス孔2bに第1保持部材3のボス3e(
図4(b))を嵌入させ、基板2のキー溝2cに第1保持部材3のキー突起3f(
図4(b))を嵌入させる。そして、基板2を第2取付部3bの当接面3i(
図4(b))に当接させた状態で、各ピン端子9の端部9bを基板2にはんだ付けする。
【0039】
これにより、
図2に示すように、基板2が縦向きで第2取付部3bに保持された状態となる。また、基板2に実装された光検出素子6の受光面6aが、第1保持部材3の導光孔3g(
図4(b))に対向した状態となる。
【0040】
次に、
図3などに示した、第1保持部材3の第1取付部3aにある係合部3kと幅広部3tに、導光部材5の軸部5jと鍔部5tを挿入する。また、第1保持部材3の導光孔3gに、導光部材5の出射面5dの近傍部分を挿入する。
【0041】
これにより、導光部材5の中心軸Qに対して一方側にある半分(
図2で右半分)が係合部3kに係合され、導光部材5が直線移動および回転移動できないように、第1取付部3aに仮止めされた状態となる。また、導光部材5の出射面5dが導光孔3gから露出して、光検出素子6の受光面6aと対向した状態になる。
【0042】
次に、第1保持部材3の第1取付部3aにある各嵌合部3mに、第2保持部材4の各嵌合部4mを挿入して行って、
図7(b)に示すように、各嵌合部3mの段差3nに各嵌合部4mのロック部4nを係合させる。また、第2保持部材4の係合部4kと幅広部4tと傾斜面4iに、導光部材5の軸部5jと鍔部5tと反射面5cとをそれぞれ係合させる。つまり、導光部材5の中心軸Qに対して他方側にある半分に、第2保持部材4の係合部4kを係合させる。
【0043】
これにより、
図2に示すように、第2保持部材4が第1保持部材3の第1取付部3aに取り付けられた状態となる。つまり、保持部材3、4が互いに固定された状態となる。また、保持部材3、4間に導光部材5が挟持された状態となる。さらに、導光部材5の頭部5hが、保持部材3、4の上部に突出し、入射曲面5aと反射曲面5bがレンズ1a側に配置される。
【0044】
次に、保持部材3、4を筐体1の下方から内部に挿入して、
図1に示すように、第1保持部材3のロック突起3rを筐体1のロック孔1rに係合する。
【0045】
これにより、第1保持部材3が筐体1に固定されて、
図2に示すように、筐体1内に基板2、保持部材3、4、および導光部材5が収納された状態となる。つまり、光検出装置100が組み立てられた状態となる。
【0046】
上記のように組み立てられた光検出装置100において、導光部材5はレンズ1aの直下に位置し、導光部材5とレンズ1aの中心軸Qが一致する。また、基板2と光検出素子6の受光面6aが、中心軸Qと平行に配置される。中心軸Qは、導光部材5とレンズ1aの光軸でもある。
【0047】
また、光検出装置100の下端には、
図1(b)に示すように、コネクタ部3cが開口している。コネクタ部3cには、図示しないハーネスの一端に設けられたコネクタが嵌合される。そのハーネスの他端は、図示しない車両制御装置に接続されている。
【0048】
これにより、ハーネス、コネクタ部3cのピン端子9、および基板2などを介して、車両制御装置と基板2上のマイコン7とが電気的に接続され、通信回路8などにより通信可能となる。
【0049】
光検出装置100は、
図2に示すように、自動四輪車のダッシュボード50に設けられた取付孔51に挿入される。そして、筐体1の鍔部1tと爪部1nが、取付孔51の上下の縁に係合することで、光検出装置100がダッシュボード50に取り付けられる。
【0050】
次に、光検出装置100への周辺光の射し込み状態を、
図8A〜
図8Dを参照しながら説明する。
【0051】
たとえば太陽などの光源は移動するし、光検出装置100が設けられた車両も移動するため、車外から車内に入射する周辺光の入射角は変化する。
図8A〜
図8Dに太線で示すような、入射角θ
1〜θ
4の光は、光検出装置100の上方からレンズ1aを通過して、導光部材5の入射曲面5aや反射曲面5bから内部に入射する。
【0052】
本例では、入射角θ
1〜θ
4は、中心軸Qに対する傾斜角度を示していて、θ
1、θ
2、θ
3、θ
4の順に大きくなっている(θ
1<θ
2<θ
3<θ
4)。また、入射角θ
1〜θ
4の光は、中心軸Qと平行でない光である(θ
1、θ
2、θ
3、θ
4>0°)。また、入射角θ
3の光は、車両の灯火(前照灯、尾灯)の点消灯制御に影響を及ぼす周辺光(たとえば、θ
3=30°〜70°)である。他の入射角θ
1、θ
2、θ
4の光は、車両の灯火の点消灯制御にあまり影響を及ぼさない周辺光の一例である。
【0053】
図8Aに太線で示すように、入射角θ
1で導光部材5の入射曲面5aに入射した光は、入射曲面5aで屈曲された後、保持部材3、4に当たり、下方の光検出素子6の方へ導かれることはない。また、入射角θ
1で導光部材5の反射曲面5bに入射した光のうち、一部の光は、反射曲面5bで屈曲された後、反射面5cで反射されて、出射面5dから光検出素子6の方へ出射されるが、光検出素子6の受光面6aで受光されることはない。
【0054】
また、
図8Bおよび
図8Dに太線で示すように、入射角θ
2、θ
4で導光部材5の入射曲面5aに入射した光は、入射曲面5aで屈曲された後、反射曲面5bで反射されて、第1保持部材3に当たり、下方の光検出素子6の方へ導かれることはない。また、入射角θ
2、θ
4で導光部材5の反射曲面5bに入射した光は、反射曲面5bで屈曲され、下方の光検出素子6の方へ導かれることはない。
【0055】
さらに、
図8A、
図8B、および
図8Dに太線で示した光と異なる他の全ての方位より、入射角θ
1、θ
2、θ
4で導光部材5の入射曲面5aや反射曲面5bに入射した光も、同様に光検出素子6の方へ導かれることはない。
【0056】
一方、
図8C(a)に太線で示すように、入射角θ
3で導光部材5の入射曲面5aに入射した光は、入射曲面5aで屈曲された後、反射曲面5bで反射されて、下方へ向かって軸部5j内を進む。そして、この光は、反射面5cで反射されて、出射面5dから光検出素子6の方へ出射され、光検出素子6の受光面6aで受光される。
【0057】
また、
図8C(a)に太線で示した光と異なる他の全ての方位より、入射角θ
3で導光部材5の入射曲面5aに入射した光も、たとえば
図8C(b)に太線で示すように、入射曲面5aで屈曲された後、反射曲面5bで反射されて、下方へ向かって軸部5j内を進む。そして、この光は、反射面5cで反射されて、出射面5dから出射され、光検出素子6の受光面6aで受光される。
【0058】
なお、入射角θ
3で導光部材5の反射曲面5bに入射した光は、反射曲面5bで屈曲され、下方の光検出素子6の方へ導かれることはない。
【0059】
上記のような、入射角θ
3で入射する光を光検出素子6の受光面6aに導く導光部材5の入射曲面5aと反射曲面5bは、次の手順で設計することができる。
【0060】
まず、光検出素子6の受光面6aから導光部材5の反射面5cに向かって任意の直線(光に相当)を引き、該直線が反射面5cにおいて反射されて、仮設定した反射曲面5bとぶつかる点X(不図示)を求める。次に、その点Xにおける反射曲面5bの曲率をAと仮設定する。そして、点Xにぶつかった上記直線は、曲率Aに応じて反射曲面5bで反射されて、頭部5hの内部を通過し、仮設定した入射曲面5aにぶつかる。上記直線が入射曲面5aにぶつかった点をY(不図示)とし、入射曲面5aの曲率をBと仮設定する。
【0061】
点Yから空気中に出射する光は、導光部材5と空気との相対屈折率と、入射曲面5aの曲率Bとから決定される角度で屈折する。導光部材5と空気との相対屈折率は、導光部材5の材料により決まる。次に、点Yから空気中に出射した光の角度が中心軸Qに対する傾斜角度θ
3と一致するような曲率Bを求める。そして、以上の一連の作業を、受光面6aから反射面5cに向かって引く直線の角度を微小に変化させながら繰り返し行うことにより、入射曲面5aと反射曲面5bの形状を決定して行く。
【0062】
ところで、光検出素子6は、受光面6aで受光した光の照度を検出する。そして、この光検出素子6の検出結果に基づいて、マイコン7(
図3)が車両の周囲の明暗を判断し、前照灯と尾灯の点灯指令または消灯指令を、通信回路8(
図3)により車両制御装置に出力する。車両制御装置は、光検出装置100から点灯指令を受信した場合、前照灯と尾灯を点灯し、光検出装置100から消灯指令を受信した場合、前照灯と尾灯を消灯する。
【0063】
また、マイコン7は光検出素子6で検出した光の照度や光に含まれる赤外線の照度に基づいて、エアコンを制御し、車室内の温度の調整を行う。本実施形態では、光検出素子6を、車両の前照灯や尾灯などの灯火の制御用とエアコンの制御用とに共用している。
【0064】
上記実施形態によると、導光部材5を第1保持部材3の第1取付部3aに仮止めした後、第1保持部材3に第2保持部材4を嵌合し固定することで、両保持部材3、4の間に導光部材5を挟持することができる。このため、簡単な組立作業によって、導光部材5を精度良く位置決めすることが可能となる。
【0065】
また、導光部材5の軸部5jが途中で側方に向かって屈曲していても、導光部材5の中心軸Qに対して一方側にある半分を、第1保持部材3の係合部3kに容易に係合することができる。またこの後、第1保持部材3に側方から第2保持部材4を取り付けて、導光部材5の中心軸Qに対して他方側にある半分に、第2保持部材4の係合部4kを容易に係合することができる。
【0066】
また、たとえば、第1保持部材3のピン端子9と基板2とをはんだ付けする前に、保持部材3、4で導光部材5を挟持すると、該はんだ付け時に流れ出るフラックスなどが導光部材5に付着して、導光部材5の導光性能が劣化するおそれがある。
【0067】
然るに、上記実施形態では、ピン端子9と基板2とをはんだ付けしてから、両保持部材3、4で導光部材5を挟持しているので、はんだ付け時に流れ出るフラックスなどが導光部材5に付着することはなく、導光部材5の導光性能が劣化するのを防止することができる。
【0068】
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、以上の実施形態では、光検出素子6が実装された基板2を中心軸Qと平行な縦向きに配置した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、
図9に示すように、基板2’や該基板2’に実装された光検出素子6の受光面6aを、中心軸Qに対して垂直に配置してもよい。
【0069】
この場合、導光部材5’の軸部5j’の下端に出射面5d’を設ければよく、
図3などに示した反射面5cを省略することができる。また、出射面5d’と対向するように光検出素子6の受光面6aを設ければよい。これにより、全方位から所定の傾斜角度θ
3でレンズ1aを通過して導光部材5の入射曲面5aに入射した光は、たとえば
図10(a)、(b)に太線で示すように、入射曲面5aで屈曲された後、反射曲面5bで反射される。そして、該光は、下方へ向かって軸部5j’を進み、出射面5d’から出射されて、光検出素子6の受光面6aで受光される。
【0070】
また、
図9および
図10に示すような、軸部5j’が中心軸Qに対して真っ直ぐな導光部材5’を用いる場合は、中心軸Qと平行な上下方向から嵌合し合う第1保持部材と第2保持部材を用いてもよい。
【0071】
また、第1保持部材と第2保持部材は、別体の2ピース構造に限らず、ヒンジ構造などで一体となっていてもよい。その場合、第1保持部材の係合部と第2保持部材の係合部を離間させた状態で、第1保持部材の係合部に導光部材の一部を係合して、第1保持部材に導光部材を仮止めする。この後、導光部材の他部に第2保持部材の係合部を係合させて、第1保持部材の嵌合部と第2保持部材の嵌合部を嵌合させればよい。
【0072】
また、以上の実施形態では、第1保持部材3に基板2を取り付けてから、保持部材3、4で導光部材5を挟持した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。逆に、第1保持部材と第2保持部材で導光部材を挟持してから、第1保持部材に基板を取り付けてもよい。
【0073】
また、以上の実施形態では、光通過部として筐体1の上部に上向きで凸形のレンズ1aを設けた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これに代えて、たとえば、下向きで凸形のレンズや凹形のレンズ、またはレンズ以外の光を通過させる光学素子などを、光通過部として設けてもよい。また、光通過部を、凸凹のない平板部としてもよい。さらに、単なる孔や開口などを、光通過部として設けてもよい。
【0074】
さらに、以上の実施形態では、自動四輪車の前照灯と尾灯の点消灯を自動的に制御するための光検出装置100に本発明を適用した例を挙げたが、他の灯火やエアコンなどを制御するための光検出装置に対しても、本発明を適用することは可能である。