【実施例】
【0056】
以下、本発明の具体的な実施例について、実験結果に基づいて詳細に説明する。
【0057】
4,4’−ジアミノトルキシル酸ジメチルの合成
本発明に係る4,4’−ジアミノトルキシル酸ジメチルの合成経路を、次の反応式(化13)に示す。
【0058】
【化13】
【0059】
反応式(化13)に示す合成によって、本発明に係る4,4’−ジアミノトルキシル酸ジメチル(DATXA−DM)が得られる。先ず、ナスフラスコに4−アミノ桂皮酸(4−ACA)(16.3g,0.10mol)、アセトン(350ml)を加え溶解後、12規定HCl(10ml,0.12mol)をゆっくりと滴下した。生じた4−アミノ桂皮酸塩酸塩(4−ACA−HCl)を吸引濾過により得た後、デシケーター内で乾燥させ、4−ACA−HCl(1.0g,5.0mmol)をフラスコに入れ、ヘキサン20mlを加え、UV照射(λ=250〜450nm)を25時間行い、4,4’−ジアミノトルキシル酸塩酸塩(DATXA−HCl)を得た。
【0060】
同様の方法を繰り返し、得られたDATXA−HCl(7.68g,0.019mol)、メタノール(31.2ml,0.77mol)、トリメチルクロロシラン(9.8ml,0.077mol)を窒素置換したフラスコに入れ、42時間反応させ、エステル化を行った。この生成物(3.32g,7.77mmol)をフラスコに入れ、蒸留水50mlを加え溶解させた後、1規定NaOH(16.2ml)を加え、中和した。その後、酢酸エチル(280ml)を加え、中和後の生成物を溶解させ、分液ロートを用いて抽出を行い、黄色粉末状の4,4’−ジアミノトルキシル酸ジメチル(DATXA−DM)を得た。
【0061】
得られた4,4’−ジアミノトルキシル酸ジメチル(DATXA−DM)のNMRスペクトルを
図1に示す。NMR(Nuclear Magnetic Resonance
Spectroscopy)における各ピークの帰属は下記のとおりである。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.27(s, 6H, -COOCH3), 3.72(dd, 2H, J = 7.4, 10.2 Hz,
-CH-COOCH3), 4.11(dd,
2H, 7.4 Hz, 10.1 Hz, -CH-C6H4), 5.00(s, 4H, -NH2-C6H4), 6.51 (d, 4H, 8.4 Hz, NH2-C-CH-), 6.95(d,
4H, 8.4 Hz, NH2-C-CH-CH-)
【0062】
N,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)の合成
本発明に係るN,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)の合成経路を、次の反応式(化14)に示す。
【0063】
【化14】
【0064】
反応式(化14)に示す合成によって、本発明に係るN,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)(DNAc−DATXA)が得られる。先ず、フラスコに4−アミノ桂皮酸(4−ACA)(10.0g,61.3mmol)、メタノール(180ml)を加え、無水酢酸(20ml,212mmol)を加え、室温で1日間撹拌した。生成物を濾過、メタノールで洗浄し、乾燥させた(10.3g,81.7%)。得られた4−アセトアミノ桂皮酸(1.00g,4.87mmol)、ヘキサン(50ml)をフラスコに加え、UV照射(λ=250〜450nm)を行った。濾過、乾燥を行い、N,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)(DNAc−DATXA)を得た(0.93g, 93.0%)。
【0065】
得られたN,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)(DNAc−DATXA)のNMRスペクトルを
図2に示す。NMRにおける各ピークの帰属は下記のとおりである。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 2.03(s, 6H, -NHCOCH3),
3.73(dd, 2H, J = 7.4, 10.2 Hz, -CH-COOH,), 4.20(dd, 2H, J = 7.4, 10.2 Hz,
-CH-C6H4-), 7.25(d, 4H, J = 8.5 Hz, CH3CONH-C-CH-CH-) 7.50 (d, 4H,
J = 8.5 Hz, CH3CONH-C-CH-), 9.89(s, 2H, CH3CONH-), 12.04(s, 2H, -COOH,
1H)
【0066】
ポリイミドの合成例
本発明に係るポリアミド酸(PAA)の合成経路を、次の反応式(化15)に示す。
【0067】
【化15】
【0068】
反応式(化15)に示す合成によって、本発明に係るポリアミド酸(PAA)が得られる。先ず、2,4−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−シクロブタンジカルボン酸ジアルキルエステル(DATXA−DM)(0.20g,[0.5647mmol])を10mLの試験管中でN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)([0.5647mL],[1M])に溶かし、窒素雰囲気中において機械式攪拌機で撹拌した。
【0069】
次に、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)(0.11g,[0.5647mmol])を加えたところうす黄色の溶液となった。反応液を室温で激しく24時間撹拌した結果、粘性のある溶液が得られた。その溶液をNMP(N-methylpyrrolidone)で希釈して水に滴下したところ繊維状の固体が析出した。それらの固体を濾過回収し水で徹底的に洗浄後、デシケーター中で真空乾燥した。この固体を再度NMPに溶解して得られた黄色い溶液をシリコンウェハーの上にキャストしてフィルムを得た。得られたフィルムをFT−IR(Fourier
transform infrared spectroscopy)およびNMR(Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy)により構造解析した結果、目的のポリアミド酸(PAA−1)であることが判明した。収率は85重量%であった。
【0070】
ポリイミドフィルム(PI−1)は上記のポリアミド酸フィルム(PAA−1)を100℃,150℃,200℃,250℃の温度に、オーブン中で段階的に加熱することで得た(各温度で1時間)。イミド化の確認はFT−IRにより行った。
【0071】
得られたポリアミド酸(PAA−1)のNMRを
図3に示す。また、ポリアミド酸(PAA−1)とポリイミド(PI−1)のFT−IRを
図4に示す。さらに、得られたポリアミド酸(PAA−1)とポリイミド(PI−1)をTGA(thermogravimetric
analysis)にて分析したTGA曲線を
図5に示す。このTGA曲線から、ポリイミド(PI−1)の耐熱温度(10%分解温度)は392℃であった。
【0072】
CBDAの代わりにピロメリット酸を用い、同様の方法で重合を行った。用いたNMPは(0.9412mL,[0.6M])であり、再沈殿の時には水では無くメタノールを用いた。収率は80重量%であった。得られたフィルムをFT−IRおよびNMRにより構造解析した結果、目的のポリアミド酸(PAA−2)であることが判明した。
【0073】
得られたポリアミド酸(PAA−2)のNMRを
図6に示す。また、ポリアミド酸(PAA−2)とポリイミド(PI−2)のFT−IRを
図7に示す。さらに、得られたポリアミド酸(PAA−2)とポリイミド(PI−2)のTGA曲線を
図8に示す。このTGA曲線から、ポリイミド(PI−2)の耐熱温度(10%分解温度)は406℃であった。
【0074】
また、各ポリアミド酸の分子量測定をGPC(Gel permeation Chromatography)により行った(サンプル濃度:0.5mg mL−1、 溶媒:ジメチルホルムアミド、外部標準:プルラン)。結果を、次の表1に示す。表1において、Mwは重量平均分子量であり、Mnは数平均分子量であり、PDIは多分散度である。PDIは、MwをMnで割った値となる。
【0075】
【表1】
【0076】
脂肪族ポリアミドの合成例
本発明に係る脂肪族ポリアミドの合成経路を、次の反応式(化16)に示す。
【0077】
【化16】
【0078】
反応式(化16)に示す合成によって、本発明に係る脂肪族ポリアミドが得られる。先ず、窒素置換したフラスコに4,4’−ジアミノトルキシル酸ジメチル(300.9mg,0.85mmol)、脱水DMAc(0.85ml)、脱水ピリジン(0.17ml)、スベロイルクロリド(0.16ml,0.86mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応物にNMP(2.5ml)を加えて均一にした後、メタノール60ml中に滴下して再沈殿を行い、白色繊維状のポリマーを得た。得られたポリマーを少量のDMF(Dimethylformamide)に溶解させ、シリコンウェハー上に滴下後、加熱し、フィルムを作製した。
【0079】
得られた脂肪族ポリアミドフィルムの分子量をGPCにより測定したところ、数平均分子量=7.25×103、重量平均分子量=7.99×103、分散度=1.10(プルラン換算)であった。NMRスペクトルは
図9に示すとおりである。各ピークの帰属は下記のとおりである。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.33(4H, -NHCH2CH2CH2-),
1.59(4H, -NHCH2 CH2CH2-), 2.29(4H, -NHCH2CH2CH2-), 3.26(6H, -COOCH3), 3.88(2H,
CH-COOCH3), 4.27(2H, CH-C6H4-),
7.21-7.54(8H,arom), 9.84(2H, -C6H4-NH-CO-)
【0080】
得られた脂肪族ポリアミドフィルムのTGA曲線を
図10に示す。測定範囲は50℃〜750℃、昇温速度は10℃/minであり、脂肪族ポリアミドフィルムの耐熱温度(10%重量減少温度)は360℃であった。
【0081】
芳香族ポリアミドの合成例
本発明に係る芳香族ポリアミドの合成経路を、次の反応式(化17)に示す。
【0082】
【化17】
【0083】
反応式(化17)に示す合成によって、本発明に係る芳香族ポリアミドが得られる。先ず、イソフタル酸ジクロリド(60mg,0.3mmol)、DATXA−DM(100mg,0.3mmol)の窒素置換した試験管に、脱水ピリジン及び脱水DMAc(0.3ml)を加え、室温で12時間撹拌した。反応物にDMAc(2ml)を加えて均一溶液にした後にメタノール(40ml)に滴下してポリマーの再沈殿を行った。沈殿した白色の固体を回収し、5時間真空乾燥させ、白色のポリマーを得た(120mg、収率82%)。白色ポリマーを少量のDMFに溶解させ、シリコンウェハー上に滴下し、ホットプレート上で乾燥させフィルムを作成した。
【0084】
得られた芳香族ポリアミドフィルムの分子量をGPCにより測定したところ、数平均分子量=8.0×104、重量平均分子量=8.9×104、分散度=1.26(プルラン換算)であった。NMRスペクトルは
図11に示すとおりである。各ピークの帰属は下記のとおりである。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.25 (6H, -COOCH3), 3.96-4.00 (2H, -CHCOOH-),
4.34-4.39 (2H, -CHC6H4-), 7.34-8.54 (12H, arom.), 10.42 (2H, -C6H4-NH-CO-)
【0085】
得られた芳香族ポリアミドフィルムのTGA曲線を
図12に示す。測定範囲は50℃〜650℃、昇温速度は10℃/minであり、芳香族ポリアミドフィルムの耐熱温度(10%重量減少温度)は366℃であった。
【0086】
N,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)(DNAc−DATXA)を用いたポリアミドの合成例
本発明に係るN,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)(DNAc−DATXA)を用いたポリアミドの合成経路を、次の反応式(化18)に示す。
【0087】
【化18】
【0088】
反応式(化18)に示す合成によって、本発明に係るN,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)(DNAc−DATXA)を用いたポリアミドが得られる。先ず、窒素置換したフラスコにDATXA−DM(86.3mg,0.24mmol)、DNAc−DATXA(99.5mg,0.24mmol)、脱水NMP(0.24ml)を加える。さらに亜リン酸トリフェニル(70μl,0.27mmol)、ピリジン(120μl,1.49mmol)を滴下し、100℃で1時間撹拌。反応物にNMP(2ml)を加えて均一溶液にした後にメタノール(60ml)に滴下してポリマーの再沈殿を行った。沈殿した繊維状物質を回収し200℃、1時間乾燥させ、白色繊維状のポリマーを得た(150.1mg、収率89.6%)。繊維状ポリマーを少量のDMFに溶解させ、シリコンウェハー上に滴下し、120℃で1時間乾燥させフィルムを作成した。
【0089】
得られたポリアミドフィルムの分子量をGPCにより測定したところ、数平均分子量=1.02×104、重量平均分子量=2.10×104、分散度=2.06(プルラン換算)であった。NMRスペクトルにおける各ピークの帰属は下記のとおりである。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.95 (6H, NHCOCH3), 3.13 (6H, COOCH3), 3.79-4.36 (8H,
cyclobutane), 7.00-7.49 (16H, arom.), 9.71-9.93 (4H, NH)
【0090】
得られたポリアミドフィルムのTGA曲線を
図13に示す。測定範囲は50℃〜750℃、昇温速度は10℃/minであり、ポリアミドフィルムの耐熱温度(10%重量減少温度)は367℃であった。
【0091】
脂肪族ポリ尿素の合成例
本発明に係る脂肪族ポリ尿素の合成経路を、次の反応式(化19)に示す。
【0092】
【化19】
【0093】
反応式(化19)に示す合成によって、本発明に係る脂肪族ポリ尿素が得られる。先ず、窒素置換したフラスコにDATXA−DM(100.8mg,0.28mmol)、ヘキサメチレンジイソシアネート(47.5mg,0.28mmol)、脱水NMP(0.28ml)を加え、室温で12時間撹拌し、その後100℃で1時間撹拌した。反応物にNMP(1ml)を加えて均一溶液にした後にメタノール(40ml)に滴下してポリマーの再沈殿を行った。沈殿した繊維状物質を回収し200℃、1時間乾燥させ、白色繊維状のポリマーを得た(126.3mg、収率85.2%)。繊維状ポリマーを少量のDMFに溶解させ、シリコンウェハー上に滴下し、120℃で1時間乾燥させフィルムを作成した。
【0094】
得られた脂肪族ポリ尿素フィルムの分子量をGPCにより測定したところ、数平均分子量=1.39×104、重量平均分子量=3.37×104、分散度=2.42(プルラン換算)であった。NMRスペクトルは
図14に示すとおりである。各ピークの帰属は下記のとおりである。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.29 (4H, -NHCH2CH2CH2-), 1.42 (4H, -NHCH2CH2CH2-),
3.06 (4H, -NHCH2CH2CH2-), 3.25(6H, -COOCH3), 3.83 (2H, CH-COOCH3), 4.21 (2H,
CH-C6H4-), 6.09 (2H, CONH-C6H12-), 7.14-7.31 (8H, arom.), 8.35 (2H,
-C6H4-NH-CO-)
【0095】
得られた脂肪族ポリ尿素フィルムのTGA曲線を
図15に示す。測定範囲は50℃〜750℃、昇温速度は10℃/minであり、ポリアミドフィルムの耐熱温度(10%重量減少温度)は285℃であった。
【0096】
芳香族ポリ尿素の合成例
本発明に係る芳香族ポリ尿素の合成経路を、次の反応式(化20)に示す。
【0097】
【化20】
【0098】
反応式(化20)に示す合成によって、本発明に係る芳香族ポリ尿素が得られる。先ず、窒素置換したフラスコにDATXA−DM(101.0mg,0.28mmol)、m−キシリレンジイソシアネート(47.5mg,0.28mmol)、脱水NMP(0.28ml)を加え、室温で12時間撹拌し、その後100℃で1時間撹拌した。反応物にNMP(1ml)を加えて均一溶液にした後にメタノール(40ml)に滴下してポリマーの再沈殿を行った。沈殿した固体を回収し200℃、1時間乾燥させ、白色粉末のポリマーを得た(140.0mg、収率94.0%)。ポリマーを少量のDMFに溶解させ、シリコンウェハー上に滴下し、120℃で1時間乾燥させフィルムを作成した。
【0099】
得られた芳香族ポリ尿素フィルムの分子量をGPCにより測定したところ、数平均分子量=1.13×104、重量平均分子量=3.05×104、分散度=2.69(プルラン換算)であった。NMRスペクトルにおける各ピークの帰属は下記のとおりである。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.25 (6H, COOCH3), 3.84 (2H, CH-COOCH3), 4.22 (2H,
CH-C6H4), 4.28 (4H, NH-CH2-), 6.58 (2H, CONHCH2), 7.08-7.43 (12H, arom.), 8.52
(2H, C6H4NHCO)
【0100】
得られた芳香族ポリ尿素フィルムのTGA曲線を
図16に示す。測定範囲は50℃〜750℃、昇温速度は10℃/minであり、ポリアミドフィルムの耐熱温度(10%重量減少温度)は294℃であった。
【0101】
特性比較
以下、本発明の実施例であるN,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)(DNAc−DATXA)を用いたポリアミドについて、各種試験測定を行った。そして、既知の高分子材料の各種試験測定結果との比較を行った。結果を、次の表2に示す。表1において、Mwは重量平均分子量であり、Mnは数平均分子量であり、PDIは多分散度である。PDIは、MwをMnで割った値となる。そして、本発明の実施例である前記ポリアミドの引張り試験の試験結果を
図17に示す。
【0102】
【表2】
【0103】
表2に示す既知の高分子材料のうち、Kapton(登録商標)は、石油由来のポリイミドである。Polyamide 11は、天然由来のポリアミドである。Collagen、elastin、keratin、titin、Araneus
viscid silkは、生体由来のタンパク質であり、ポリアミドの一種である。
【0104】
表2に示すとおり、本発明の実施例であるN,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)(DNAc−DATXA)を用いたポリアミドは、耐熱温度(10%分解温度)Td10が367℃、ガラス転移温度Tgが273℃であり、従来品に比べて、非常に高い耐熱性を示している。そして、ヤング率Eintが11.6GPa、破断応力σが407MPaであり、従来品に比べて、非常に高い強度を示している。
【0105】
リサイクル性
本発明の実施例であるN,N’−ジアセチル(4,4’−ジアミノトルキシル酸)(DNAc−DATXA)を用いたポリアミドについて、高分子原料に戻す分解経路を、次の反応式(化21)に示す。
【0106】
【化21】
【0107】
反応式(化21)に示す分解経路によって、本発明に係る前記ポリアミドを、高分子原料に戻すことができる。すなわち、PathAでは、紫外線(波長254nm)を照射して4ACA-dimerとし、その後、塩酸(HCl)を用いて加水分解して4−アミノ桂皮酸(4ACA)に戻して高分子原料としてリサイクルする。PathBでは、塩酸(HCl)を用いて加水分解してDATXA-HClとし、その後、紫外線(波長254nm)を照射することで4−アミノ桂皮酸(4ACA)に戻して高分子原料としてリサイクルする。また、PathBにて、塩酸(HCl)を用いて加水分解してDATXA-HClとしたものを、高分子原料としてリサイクルしてもよい。さらに、PathAにて、紫外線(波長254nm)を照射して4ACA-dimerとしたものを、高分子原料としてリサイクルすることも可能である。