【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、食品塊から製品を成型するために利用される回転ドラムを備えた成型装置と、製品を包装容器に包装する包装機とを含む食品製造ラインであって、成型装置が製品を包装容器に直接配置する食品製造ラインによって実現される。
【0005】
本発明は、食品製造ラインに関する。
この食品製造ラインは、食品塊から製品を成型するために利用される回転ドラムを備えた食品成型装置を含んでいる。
【0006】
食品塊は、当業者に知られている任意の食品塊でよい。
【0007】
この食品塊は、回転ドラムを備える成型装置を利用して、パティ等の平面的または立体的な製品に成型される。
この回転ドラムは、その表面の外周全体に個別の空洞(cavity)を備えているのが好ましい。これらの空洞は、一端で開口し、その内部で食品塊を食品製品に成型する。
回転ドラムは、平行に配置された複数の空洞を備えているのが好ましい。すなわち、これらの空洞では、充填と排出とが同時に行われる。
これらの空洞は、回転ドラムの回転軸に対して平行に配置されている。
回転ドラムは、連続的または間断的に回転し、および/または好ましくは可変の速度で回転する。
回転ドラムの回転時に、ある位置で空洞が充填され、後続の位置で排出される。
詳細には、空洞からの排出時に、回転ドラムの回転速度を少なくとも減速するのが好ましい。
回転ドラムが停止している状態で空洞からの排出を行うのが好ましい。
空洞の充填時に、閉じ込められた空気を逃がすために、空洞を通気させてもよい。
空洞からの排出を、好ましくは空気である気体を空洞を介して噴射することにより支援するのが好ましい。
したがって、空洞は、少なくともその一部が多孔質素材でできているのが好ましく、さらに焼結素材でできているのが好ましい。
詳細には、空洞の底部が少なくとも部分的に多孔質素材からなり、さらに、空洞の側壁も多孔質素材にするのが好ましい。
【0008】
さらに、本発明の食品製造ラインは、包装機を含んでいる。
この包装機は、トレイやボックス等の包装容器に食品製品を包装する。
包装容器は、好ましくはプラスチックフィルムであるプラスチック、および/または紙もしくは段ボールでできているのが好ましい。
包装機は、いわゆる、「製袋充填包装機」(FFS包装機)であるのが好ましい。
このような包装機は、いわゆる、熱成型機等でよい。この熱成型機で、複数の包装モールド(packaging moulds)をプラスチックフィルムであるウェッブ(web)に成型するのが好ましい。
その後、これらの包装モールドに食品製品(ここでは、成型された食品製品)を充填し、上部フィルムで封止する。
最後に、包装モールドをウェッブから切り離す。
包装機は、いわゆる、「トレイシーラー」でもよい。
「トレイシーラー」では、食料製品で充填された個別の包装モールドが提供される。
これらの充填済みの包装モールドを封止装置に移送し、上部フィルムで封止する。
この封止工程時に、包装モールドを上部フィルムから切り離すのが好ましい。
【0009】
本発明によると、成形装置は、製品を包装容器に直接配置する。つまり、食料製品は、成形装置の回転ドラムから包装容器に直接落下する。
したがって、本発明の食品製造ラインは、充填済み包装容器の封止前に人の手が触れることがないため、きわめて衛生的である。
さらに、成形装置の回転ドラムと包装機との間に追加のベルトが不要である。そのため、本発明の食品製造ラインは、きわめて経済的である。
また、製品を回転ドラムから包装容器に排出するときに、回転ドラムが停止または減速するのが好ましい。
【0010】
本発明の実施例では、複数の製品を1つの包装容器に配置している。これらの製品は、少なくとも部分的に積み重ねられており、および/または重ね合わされている。
包装容器と食品製品との間、および/または2つの食品製品の間に、挿間物(interleaver)を配置するのが好ましい。
この挿間物は、たとえば、紙またはプラスチックフィルムから形成されている。
この紙は、固着を防止する素材および/または少なくとも部分的な耐水性または耐湿性を実現する素材で被覆し得る。
挿間物により、製品を包装容器から取り出したり、製品どうしを切り離したりするのが容易になる。
【0011】
本発明の実施例では、移送ベルト等の包装容器を運ぶ部分と回転ドラムとが、少なくとも1つの方向で相互に相対的に移動可能である。
製品が包装容器内で積み重なっている場合でも落下の高さが同じになるように、包装機を垂直方向に移動できるのが好ましい。
代替または追加として、前記移送ベルト等の包装容器を運ぶ部分と回転ドラムとを、水平面上で相互に相対的に移動することができる。
本発明の実施例により、製品を包装容器内に並べて配置することができる。
【0012】
回転ドラムと前記移送ベルト等の包装容器を運ぶ部分との間での相対的な移動を実現するために、回転ドラムおよび/または前記移送ベルト等の包装容器を運ぶ部分を移動できる。
ただし、前記移送ベルト等の包装容器を運ぶ部分を移動するのが好ましい。
前記移送ベルト等の包装容器を運ぶ部分が好ましくは無端ベルトである移送ベルトである場合、相対的な移動は、ベルトのフレームを移動し、および/またはベルト自体を移動することにより実現できる。
前記移送ベルト等の包装容器を運ぶ部分の移動は、回転ドラムの下で複数列の製品を並べて配置できるように、回転ドラムの回転軸に対して平行であるのが好ましい。
【0013】
本発明の他の好ましい実施例は、製品が直接積み重ねられ、または重ね合わせられる堆積ベルトを回転ドラムの下に含む食品製造ラインである。
【0014】
本発明の実施例によると、食品製造ラインは、包装機の上流で、および/または包装機の一部として、回転ドラムの下に直接配置された堆積ベルトを含んでいるのが好ましい。
この堆積ベルト上に、製品を積み重ね、および/または重ね合わせる。
【0015】
この堆積ベルトと回転ドラムとは、少なくとも1つの方向で相互に相対的に移動可能であるのが好ましい。
堆積ベルトは、垂直方向および水平方向の2つの方向で移動可能であるのが好ましい。
回転ドラムと堆積ベルトとの間の相対的な移動を実現するために、回転ドラムおよび/または堆積ベルトを移動できる。
ただし、堆積ベルトを移動するのが好ましい。
無端ベルトである堆積ベルトが移動する場合、相対的な移動は、堆積ベルトのフレームを移動し、および/または堆積ベルト自体を移動することにより実現できるのが好ましい。
堆積ベルトの移動は、回転ドラムの下で複数列の製品を並べて配置できるように、回転ドラムの回転軸に対して垂直であるのが好ましい。
【0016】
堆積ベルトは、いわゆる、シャトルベルトであるのが好ましく、堆積ベルトの前端が前後に移動できる。ここで、包装容器への排出時に製品が傾くのを防ぐために、堆積ベルトの前端の少なくとも後方移動は、比較的高速に実行される。
本発明の実施例は、積み重ねられ、または重ね合わされた製品を包装容器に配置するのに特に有利である。
堆積ベルトの前端は、サーボモータで駆動されるのが好ましい。
【0017】
以下の開示は、本発明の両方の食品製造ラインに当てはまる。
【0018】
前記移送ベルト等の包装容器を運ぶ部分または堆積ベルトの動きを利用するためのモータ手段は、堆積ベルトの正確な位置をPLC等の制御装置で利用できるようにするために、サーボモータであるのが好ましい。
【0019】
食品製造ラインは、製品の下または2つの製品の間に挿間物を提供するために、挿間物収納部と挿間物運搬台とを含むのが好ましい。
また、この挿間物運搬台は、挿間物収納部から、回転ドラムの下の製品の排出位置に、挿間物を移送する。
この移送時に、真空を利用して挿間物を挿間物運搬台で保持するのが好ましい。
挿間物運搬台は、挿間物を回転ドラムの下できわめて正確に配置できるよう、サーボモータによって駆動されるのが好ましい。
製品は、挿間物の上に落下し、かかる挿間物を伴って包装容器、蓄積ベルト、および/または積み重なった製品にぶつかる。
【0020】
本発明の他の主題は、食品塊から製品を成型し該製品を包装する方法であって、複数の製品を成型して回転ドラムから堆積ベルトに同時に落下させる方法に関する。これらの製品は、複数のトレイに少なくとも部分的に順次的に配置する。
【0021】
本発明の製造ラインに関する開示は、本発明の方法にも当てはまり、その逆も、然りである。
【0022】
本発明の方法によると、複数の製品を成形し、回転ドラムから堆積ベルト上に同時に落下させる。
その後、これらの製品を複数のトレイに順次的に配置する。
本発明の実施例には、並行して稼働する空洞の数が、1つの包装容器内に並んで配置される製品、積み重ね部分、または重ね合わせ部分の数と同一である必要はないという利点がある。
【0023】
製品は、積み重ねおよび/または重ね合わせてから、包装容器に配置するのが好ましい。
本発明の実施例では、1つの包装容器内に2回の成形工程の食品製品を充填する。
したがって、製品を順次的に成形しても、それらの製品が1つの包装容器に充填される。
本発明の実施例により、同時に成形する製品の数と、1つの包装容器に配置する製品の数とに関する柔軟性がさらに向上する。
【0024】
本発明の他の実施例によると、製品を複数の包装容器に同時に配置している。
【0025】
本発明の上述した製造ラインと方法とに関する開示は、本発明のこの方法にも当てはまり、その逆も然りである。
【0026】
2つ以上の製品を堆積ベルト上に積み重ねるか、または重ね合わせるのが好ましい。
【0027】
実施例では、製品の下または2つの製品の間に挿間物を配置している。
【0028】
以下に本発明を
図1乃至
図9に基づいてさらに詳細に説明する。
これらの説明は、保護範囲を限定するものではない。
これらの説明は、すべての発明にそれぞれ当てはまる。