(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導電率センサ内に存在する前記使用済炭化水素試験溶液が前記導電率センサから移動するように、前記結果として生じる会合したポリマーの前記非水溶媒が前記導電率センサ内に導入される、請求項5に記載の方法。
前記結果として生じるポリマーを除去するための手段が、前記結果として生じる会合したポリマーの非水溶媒を前記導電率センサへ導入するように動作し得るノズルである、請求項10に記載の導電率センサ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の概要、図面の簡単な説明、および発明を実施するための形態を含む本明細書、および添付した特許請求範囲は、本発明の特定の機能(プロセスまたは方法のステップを含む)を指す。当業者は、本発明が、全ての可能な組み合わせを含み、本明細書に記載された特定機能を使用していることを理解する。当業者は、本発明が、本明細書に記載された実施形態、またはその説明によって限定されるものではないことを理解する。本発明の主題は、本明細書および添付した特許請求の範囲の意図のみ除いて、制限されるものではない。
【0023】
当業者はまた、特定の実施形態を説明するために使われている用語が、本発明の範囲または広さを限定するものではないことを理解する。明細書および添付した特許請求の範囲を解釈する際に、すべての用語は、最も広い可能な様態で、各用語の文脈と一致すると解釈されるべきである。本明細書および添付した特許請求の範囲で使用されるすべての技術、および科学用語は、他の意味に定義されない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0024】
本明細書および添付した特許請求範囲で使用される、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に他の意味を示さない限り、複数の言及を含む。動詞「含む(comprises)」、およびその抱合形は、包括的様態で、要素、成分またはステップを指すものとして解釈されなければならない。言及された要素、成分またはステップは、存在、利用、または明確に言及されていない要素、成分、またはステップと組み合わせ得る。動詞「連結する(couple)」およびその抱合形は、以前に結合されていない2つ以上の物体から単一の物体を形成するために、電気的、機械的、または流体的を含む、すべての種類の必要な結合を完了することを意味する。第1の装置が第2の装置に連結する場合、直接または共通の接続物を介しての、どちらかで接続が起きる。「任意に(Optionally)」およびその様々な形式は、後に記載される事象または状況が、起こっても起こらなくてもよいことを意味する。この記載は、事象または状況が起こる場合と、それが起こらない事例を含む。「動作し得る(Operable)」およびその種々の形式は、正常な機能に適切であること、およびその意図された使用に使用可能であることを意味する。「関連する(Associate)」とその様々な形式は、何かが何かに結び付けられたことを意味するが、なぜならば、それらが一緒に発生するか、または1つのものが他のものを作るからである。
【0025】
空間的な用語は、別の物体または複数の物体の集団に関連した、一つの物体または複数の物体の集団の相対位置を説明する。空間的関係は縦軸と横軸に沿って適用する。「上流(upstream)」と「下流(downstream)」を含む方向および関係語。
【0026】
本明細書または添付の特許請求の範囲が値の範囲を提供する場合、それは間隔が上限値と下限値のみならず、上限と下限の間の各介在値も包含すると理解される。本発明は、すべての特定の除外が提供されていることを条件として、間隔の小さな範囲を包含し、束縛する。
【0027】
本明細書および添付の特許請求の範囲が、2つ以上の定義されたステップを含む方法を言及する場合、定義されたステップは、文脈がその可能性を排除している場合を除き、どのような順序でも、同時にでも、実行し得る。
【0028】
[
図1]
図1は、炭化水素流体の塩濃度を測定する方法、および塩を含有する炭化水素流体を処理する方法の一実施形態のステップを実行するための、導電率センサの実施形態を用いたシステムの、一般的なフローと制御の概略図である。
図1およびその説明は、導電率センサ、炭化水素試験溶液、およびそれらの使用についてのより良い理解を容易にする。
図1は、本発明の範囲を決して限定または定義付けするものではない。
図1は、説明を容易にするための簡単な図である。当業者は、当該システムが、意図した目的のために動作し得る状態にする補助機器とサブシステムを有する複雑な構造であることを理解する。
【0029】
図1は、貯蔵タンク、パイプライン、および源泉(図示せず)を含む上流施設および原料から、貯蔵タンク、パイプライン、および処理ユニットを含む(図示せず)下流施設へ、塩を含有する炭化水素流体を搬送する炭化水素流体供給ライン10を示している。炭化水素流体流量センサ12は、炭化水素流体供給ライン10を通って流れる流体の検出量に応答する信号を提供する。炭化水素流体流量センサ12は、コンピュータコントローラ14と信号通信する。
【0030】
サンプリングライン16は、炭化水素流体供給ライン10と連結し、炭化水素流体の一部を導電率試験へ転用する。導電率試験のために転用された炭化水素流体の量は、サンプリングライン流体制御弁18の位置によって決まる。サンプリングライン流体制御弁18は、コンピュータコントローラ14と信号通信する。サンプリングライン流量センサ20は、サンプリングライン16を通る流体の流れの検出量に応答する信号を提供する。サンプリングライン流量センサ20は、コンピュータコントローラ14と信号通信する。
【0031】
溶媒投入ライン22は、サンプリングライン16に連結し、非水溶媒がサンプリングライン16内で炭化水素流体とよく混合するように、非水溶媒をサンプリングライン16の中に導入する。導入された非水溶媒の量は、溶媒投入ライン流量制御弁24の位置で決まる。溶媒投入ライン流量制御弁24は、コンピュータコントローラ14と信号通信する。溶媒投入ライン流量センサ26は、非水溶媒流の検出量に応答する信号を、サンプリングライン16に提供する。溶媒投入ライン流量センサ26は、コンピュータコントローラ14と信号通信する。
【0032】
モノマー投入ライン28は、サンプリングライン16に連結し、導電率センサ(点線のボックス34)の中に導入する前に、炭化水素流体と非水溶媒との混合物とをサンプリングライン16内で密に混合するように、電解重合可能なモノマーを、サンプリングライン16内に導入する。炭化水素流体を混合すると、非水溶媒と電解重合可能なモノマーが炭化水素試験流体を形成する。導入された電解重合可能なモノマーの量は、モノマー投入ライン流量制御弁30の位置によって決まる。モノマー投入ライン流量制御弁30は、コンピュータコントローラ14と信号通信する。モノマー投入ライン流量センサ32は、電解重合可能なモノマーの流れの検出量に応答した信号を、サンプリングライン16に提供する。モノマー投入ライン流量センサ32は、コンピュータコントローラ14と信号通信する。
【0033】
サンプリングライン16は、導電率センサ34に連結し、導電率試験のために、炭化水素試験溶液を導電率センサ34の内部に導入する。
図1は、3つの電極、作用電極38、対向電極40、および参照電極42が通るシェル36を持つ導電率センサ34を示す。導電率センサ34はまた、導電率センサ34の内容物を攪拌する混合装置44も収容している。
【0034】
作用電極38、対向電極40、および参照電極42は、ポテンショスタット/ガロバノスタット46に連結し、電気通信および信号通信する。ポテンショスタット/ガロバノスタット46は、作用電極38と参照電極42間の炭化水素試験溶液に掃引電位を提供する。ポテンショスタット/ガロバノスタット46は、導電率センサ34を通じて、電位が第1の電位値と第2の電位値間を掃引する間、炭化水素試験溶液によって導かれた作用電極38および対向電極40間の電流を検出する。ポテンショスタット/ガロバノスタット46は、コンピュータコントローラ14と信号通信する。
【0035】
ポリマー溶媒ライン48は、導電率センサ34に連結し、導電率センサ34内で形成するすべての合成ポリマーを除去する溶媒を導電率センサ34内に導入する。電解重合可能なモノマーに関連するポリマーは、検出方法を実行した結果として、作用電極38上で形成し得る。流量およびポリマー溶媒の導入のタイミングは、ポリマー溶媒流量制御弁50の位置で決まる。ポリマー溶媒流量制御弁50は、コンピュータコントローラ14と信号通信する。
【0036】
サンプリング戻りライン52は、導電率センサ34に連結し、サンプリングライン16が炭化水素流体供給ライン10に連結する下流の位置で、導電率センサ34から炭化水素流体供給ライン10へ使用済の炭化水素試験溶液を搬送する。導電率試験中に、導入された炭化水素試験溶液から、使用済の炭化水素試験溶液が形成する。
【0037】
コンピュータコントローラ14は、表示モニター54およびプリンター56を含む出力装置と信号通信する。コンピュータコントローラ14は、導電率試験、センサ情報、および予めプログラムされたコンピュータ命令を使用した、人間が解釈するためのプロセスフロー値、を提供する。
【0038】
図1はまた、炭化水素流体流量センサ12の下流で、炭化水素流体供給ライン10に連結された、蒸気投入ライン58を示す。蒸気投入ライン58は、蒸気が炭化水素流体供給ライン10内で炭化水素流体と密に混合するように、蒸気を炭化水素流体供給ライン10に導入する。炭化水素流体供給ライン10に導入される蒸気の量は、蒸気流量制御弁60の位置で決まる。蒸気流量制御弁60は、コンピュータコントローラ14と信号通信する。蒸気流量センサ62、蒸気圧力センサ64、および蒸気温度センサ66は、炭化水素流体供給ライン10の蒸気流量、蒸気圧力、および蒸気温度それぞれに応答した信号を提供する。蒸気流量センサ62、蒸気圧力センサ64、および蒸気温度センサ66は、各々が個別にコンピュータコントローラ14と信号通信する。
【0039】
コンピュータコントローラ14は、塩濃度測定システムを用いた、炭化水素流体中の塩濃度を測定するステップの実行を許可する、物理コンピュータアクセス可能メモリおよび仮想コンピュータアクセス可能メモリの組合せの中に記憶されたコンピュータ可読命令のセット(つまりプログラムのこと)、およびデータを有する。コンピュータアクセス可能メモリに記憶されたデータは、炭化水素試験溶液成分の式または比率に関連した、機械可読情報を含む。コンピュータコントローラ14は、コンピュータ可読命令によって測定された時に、コンピュータアクセス可能メモリにアクセスする。
【0040】
コンピュータコントローラ14は、塩濃度測定システムの要素を調節し、炭化水素試験溶液を策定するために、流量制御弁を含む外部装置に信号を送信する。例えば、コンピュータコントローラ14は、シェル36内に含まれた炭化水素試験溶液の連続撹拌を提供するために、導電率センサ34の混合装置44に信号を送信する。コンピュータコントローラ14は、塩濃度の測定のための炭化水素試験溶液の所望の策定に従って、塩濃度測定システムの状況を定期的にまたは連続的に維持、調整、および修正するために、周知の理解された統計的アルゴリズム、数学的アルゴリズム、および関係アルゴリズムを用いた命令などのサブルーチンを含むコンピュータ可読命令のセットを使用して、現在のバルブ位置、および検出された流量を含むコンピュータアクセス可能メモリに記憶された過去および現在のデータにアクセスする。
【0041】
コンピュータコントローラ14は、ある量の炭化水素流体を導電率センサ34に導入するために、適切な制御弁開位置信号をサンプリングライン流体制御弁18へ送信する。サンプリングライン流量センサ20は、流量を検出し、コンピュータコントローラ14に応答した流量信号を提供する。コンピュータコントローラ14は、炭化水素流体の適切に比例した量を導電率センサ34へ導入することを確実にするために、サンプリングライン流量センサ20からの流量信号応答に基づいた制御弁位置信号の送信を介して、サンプリングライン流体制御弁18の位置を定期的に調整する。
【0042】
コンピュータコントローラ14はまた、ある量の非水溶媒を導電率センサ34へ導入するために、適切な制御弁開位置信号を溶媒投入ライン流量制御弁24に送信する。溶媒投入ライン流量センサ26は、流量検出し、コンピュータコントローラ14へ提供する。コンピュータコントローラ14は、適切に比例した量の非水溶媒の導電率センサ34への導入を確実にするために、溶媒投入ライン流量センサ26からの流量信号応答に基づいた制御弁位置信号の送信を介して、溶媒投入ライン流量制御弁24の位置を定期的に調整する。
【0043】
コンピュータコントローラ14はまた、電解重合可能なモノマーのある量を導電率センサ34に導入するために、適切な制御弁位置開信号をモノマー投入ライン流量制御弁30へ送信する。モノマー投入ライン流量センサ32は、流量を検出し、コンピュータコントローラ14に提供する。コンピュータコントローラ14は、導電率センサ34への電解重合可能なモノマーの適切に比例した量の導入を確実にするために、モノマー投入ライン流量センサ32からの流量信号応答に基づいた制御弁位置信号の送信を介して、モノマー投入ライン流量制御弁30の位置を定期的に調整する。
【0044】
炭化水素試験溶液は、すべての3つの成分の導入の際に、サンプリングライン16内に形成する。炭化水素試験溶液は、試験のための導電率センサ34の内部に移動する。
【0045】
コンピュータコントローラ14は、炭化水素試験溶液の掃引電位を導電率センサ34内に誘導するために、ポテンショスタット/ガロバノスタット46へ信号を送信する。ポテンショスタット/ガロバノスタット46は、作用電極38と参照電極42を使用して、炭化水素試験溶液中で、第1の予め設定された電位値と第2の予め設定された電位値間に掃引電位を誘導する。ポテンショスタット/ガロバノスタット46は、炭化水素試験溶液に、安定した掃引速度で掃引電位を印加する。
【0046】
導電率センサ34は、応答して、作用電極38と対向電極40間の電位の誘導から生成された合成電流を検出する。導電率センサ34は、炭化水素試験溶液中の、電解重合可能なモノマーのためのピーク重合電位を含む印加された電位の範囲のために、ピーク電流を含む印加された電位に関連した電流を検出する。
【0047】
ポテンショスタット/ガロバノスタット46は、導電率センサ34に印加された電位の値と、導電率センサ34から検出された電流値とを相関し、電位掃引が完了すると、コンピュータコントローラ14へ電位電流データを送信する。
【0048】
コンピュータコントローラ14は、ピーク電流値、ピーク電流高さ、炭化水素試験溶液中の塩濃度、および炭化水素流体中の塩濃度を測定するために、コンピュータ可読命令のセットを使用して、相関するポテンショスタット/ガロバノスタット46からの電位−電流のデータと、炭化水素流体流量センサ12からの炭化水素流体の流量を含むセンサからのデータを含む、コンピュータアクセス可能メモリに記憶された、過去および現在のデータにアクセスするために動作し得る。
【0049】
コンピュータコントローラ14は、表示モニター54とプリンター56と通信し、測定された情報を、図形的に、数値的に、図式的に、原文通りに、などの人間の解釈に適した形式で提供する。
【0050】
コンピュータコントローラ14はまた、コンピュータ可読命令のセット(つまり、プログラムのこと)、および塩抽出処理のステップを実行し得る物理的および仮想的コンピュータアクセス可能メモリの組み合わせに記憶されたデータを有する。測定された塩濃度は、炭化水素流体供給ライン10を通って流れる炭化水素流体中の塩の量を測定するために有用である。同様に、炭化水素流体中の塩の量は、炭化水素流体を処理するための塩抽出流体の量を決定する。コンピュータアクセス可能メモリに記憶されたデータは、塩濃度または量および炭化水素流体流量に対しての、塩抽出流体の比率、に関連する機械可読情報を含む。コンピュータコントローラ14は、コンピュータ可読命令によって測定する際に、コンピュータアクセス可能メモリにアクセスする。
【0051】
コンピュータコントローラ14は、炭化水素流体の炭化水素流体供給ライン10への導入のために、蒸気の量を測定する下流の塩抽出のコンピュータ可読命令のセットを使用して、測定された塩濃度、炭化水素流体流量センサ12からの流量信号、蒸気流量センサ62からの流量信号、蒸気圧力センサ64からの圧力信号、および蒸気投入ライン58内の蒸気の蒸気温度センサ66からの温度信号、を含むコンピュータアクセス可能メモリに記憶された、過去と現在のデータにアクセスする。
【0052】
コンピュータコントローラ14は、下流の塩抽出処理のための蒸気の量を、炭化水素流体供給ライン10内の炭化水素流体へ導入するために、適切な制御弁位置開信号を蒸気流量制御弁60に送信する。コンピュータコントローラ14は、炭化水素流体に含まれる塩の量のために、適切な量の蒸気を炭化水素流体に導入することを確実にするために、前に参照されたセンサ信号測定値と測定された値、特に測定された塩濃度値、のいずれかの変更に基づいた、制御弁位置信号の送信を介して、蒸気流量制御弁60の位置を定期的に調整する。
【0053】
定期的に、コンピュータコントローラ14は、ポリマー溶媒流量制御弁50を開くための適切な信号を送信することによって、ポリマー溶媒ライン48を介して、ある量のポリマー溶媒を導電率センサ34に導入する。その導入量は、導電率センサ34から、すべての結果として生じる会合したポリマーを除去するために十分である。
【0054】
[炭化水素試験溶液]
炭化水素流体中の塩含有量を測定するために有用な炭化水素試験溶液は、炭化水素流体、電解重合可能なモノマー、および非水溶媒の比例量を含む。炭化水素流体は、炭化水素試験溶液の電気活性構成物質として機能する塩を有する。電解重合可能なモノマーおよび非水溶媒は、電気活性剤を提供しない。塩は、電流を発生する電気化学的重合反応を促進する。
【0055】
[炭化水素流体]
炭化水素流体は、未分別および未蒸留の原油、天然ガス凝縮物、原油留分、石油化学的に後処理された原料、およびその組み合わせを含む。用語「炭化水素」は、水素と炭素原子のみを有するもの以外の、他の材料を含む。当業者であれば、未処理および未蒸留の炭化水素流体は、しばしば、酸素、硫黄と窒素、有機金属化合物、有機金属錯体中のバナジウム、銅、ニッケルなどの金属イオンを含む化合物を含有することを理解する。大気圧および大気温度で液体である炭化水素は、一般的に、硫化アルカンと硫化シクロアルカン、メルカプタン、二硫化物、多硫化物、およびチオフェンを含む、有機硫黄、窒素、および酸素化合物を含有する。炭化水素流体は、重量で数%まで異なる有機化合物を含有し得る。
【0056】
前述のように、炭化水素流体はまた、大気圧沸点原油留分を含む以前の加工、蒸留または分留した炭化水素を含む。そのような分留の例には、ナフサ、灯油およびディーゼル軽油を含む。場合によっては、炭化水素流体はまた、ある程度の量のアスファルテンとマルテンを含有する、真空ベースの蒸留物、パラフィン油、および留分を含み得る。炭化水素試験溶液の一実施形態では、炭化水素流体は、海水で汚染された、石油化学的に後処理された、原料を含む。後処理された原料である、高価な、高精製された炭化水素流体の海水汚染は、原料を再度のプロセスに適するようにするために、脱塩方法の適用を動機付け得る。
【0057】
[炭化水素流体中の塩]
脱塩前の炭化水素流体は、塩の濃縮物を含む。生産された原油の塩濃度は、典型的には原油1キログラム当たり、約20から約2000ミリグラム(mg)までの範囲内にある。海水汚染された原料は、かなり高いレベルの塩を有し得る。海水は、海水1キログラム当たり約35グラムの塩を含む。炭化水素試験溶液の一実施形態は、炭化水素流体1キログラム当たり、塩約20mgから約35gまでの範囲の塩濃度を有する。
【0058】
炭化水素流体中の主な塩は塩化ナトリウムであるが、それだけが塩ではない。ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、および炭酸塩の対イオンと結合した、いくつかのアルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属の塩は潜在的に存在する。塩の例としては、塩化マグネシウム、硫酸塩、および臭化物;塩化カルシウム、臭化物、および硫酸塩;塩化ナトリウム、および硫酸塩;臭化亜鉛;および、塩化カリウムおよびヨウ化物を含む。
【0059】
[電解重合可能なモノマー]
炭化水素試験溶液は、電解重合可能なモノマーを含む。炭化水素試験溶液の一実施形態は、炭化水素流体に対する電解重合可能なモノマーの量の容積割合比率が、約0.01から約10000の範囲であることを含む。
【0060】
炭化水素試験溶液中のモノマーの電気化学重合は、導電率センサ内の作用電極と対向電極間の、特定の「ピーク(peak)」電位の印加時に生じる。各電解重合可能なモノマーは、狭い、または制限された電位の範囲を有し、印加時に電解重合が起きる。結果として生じる会合したポリマーは、重合時に形成する。モノマー/ポリマー変換が発生する電位の範囲または値は、モノマーによって決まる。温度および他の炭化水素試験溶液の成分を含むプロセス条件は、電解重合可能なモノマーの「ピーク(peak)」電位に影響を与えない。
【0061】
理論に縛られるつもりはないが、モノマーの存在下での「ピーク(peak)」電位の印加時に、電子が電荷誘導装置(例えば、電極)から装置に近接しているモノマー分子へ転移する、と考えられている。電気化学のセル内では、対向電極に近接したモノマー分子が電子を受け取り、電子は作用電極に近接したモノマーから除去される。不飽和モノマーの陰イオンおよび陽イオンの生成が、モノマー分子の電解重合を開始する。重合反応は、陰イオン性鎖付加および陽イオン性鎖付加、フリーラジカル付加、および電気化学的な酸化を含み、モノマーの種類に応じて、既知の多様な重合反応機構を介して起こり得る。反応はほぼ瞬間的で、モノマーの利用可能性のみが反応を制限する。
【0062】
ラジカル化されたモノマーの反応は、「ピーク電位(peak current)」で、最大または頂点値(「ピーク電流(peak current)」)を有する検出可能な電流を生成する。電極の周りおよび電極の間で互いに反応し合って会合したポリマーを形成するモノマーは、電子を自由に転移させ、自由電子転移を介して検出し得る電流を産出する。「ピーク電位(peak current)」からのより高い誘導電圧は、作用電極と対向電極とに近接した、およびそれらの間で、電解重合可能なモノマーの減少された濃度が原因で、通常はピーク電流値からの電流減衰を露呈する。
【0063】
炭化水素試験溶液のための電解重合可能なモノマーの有用な例は、アセチレン;メチルアクリロニトリルを含むアクリロニトリル;スルホ、カルボキシルと水酸官能基を有する誘導体を含むアニリン;アズレン;ビニルカルバゾール、N−カルバゾールとモノエチルカルバゾールを含むモノカルバゾール;2,6−ビスカルバゾール−9−イルヘキサン酸ペンタフルオロフェニルエステル、2,6−ビスカルバゾール−9−イルヘキサン酸−2,5−ジオキソピロリジン−1−イルエステル、2,6−ビスカルバゾール−9−イルヘキサン酸−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルエステル、2,6−ビスカルバゾール−9−イルヘキサン酸メチルエステル、2,6−ビスカルバゾール−9−イルヘキサン酸、2,6−ビスカルバゾール−9−イルヘキサン−1−オールアセテート、2,6−ビスカルバゾール−9−イルクロロヘキサン、および2,6−ビスカルバゾール−9−イルヘキサン−1−オールを含むジカルバゾール;テトラチアフルバレン;ジアミノナフタレンを含むナフタレン;インドール;N−置換ピロール、N−官能性ピロール、N−メチル−N’−(6−ピロール−1−イルヘキシル)−4,4’−ビピリジニウムジヘキサフルオロリン酸、およびN,N’−ビス(6−ピロール−1−イルヘキシル)−4,4’−ビピリジニウムジヘキサフルオロリン酸を含むピロール;2,2’−ビチオフェン、3−メチルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3,4−ジブロモチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−メチルエチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェン、3−チオメチルチオフェン、ベンゾチオフェン、およびジベンゾチオフェンを含むチオフェン;フェニルキノロン;パラ−フェニレン、パラ−フェニレンビニレン、および硫化フェニレンを含むフェニレン;ピリジン;メタクリル酸メチル、およびアクリル酸エチルを含むアクリル酸;スチレン;および、電解重合の際に、ポリビニルメタロポリマーを形成する、有機金属性サイドユニットを有するビニルモノマーである、ビニルメタロモノマーを含む。炭化水素試験溶液の一実施形態は、本質的に、アニリン;アセチレン;ピロール;ベンゾチオフェンおよびジベンゾチオフェンを含むチオフェン;インドール、アジン、パラ−フェニレンビニレン、パラ−フェニレン、ピレン、フラン、セレノフェン、ピリダジン、カルバゾール、(メチル)アクリル酸、およびピリジンとそれらの誘導体、クラウンエーテルとその組み合わせから成る群から選択された電解重合可能なモノマーを含む。炭化水素試験溶液の一実施形態は、本質的に、チオフェン、チオフェン誘導体、アニリン、アニリン誘導体、クラウンエーテルとそれらの組み合わせから成る群から選択された電解重合可能なモノマーを含む。当業者は、適切な電解重合可能なモノマーはまた、識別されたモノマー種のすべての誘導体も、炭化水素ベースの溶液中での電気化学的重合プロセスに適した識別されていない他の電解重合可能なモノマーも、含むことを理解する。
【0064】
炭化水素試験溶液の一実施形態は、電解重合可能なモノマーが、導電性の結果として生じる会合したポリマーを形成するために動作し得ることを含む。
【0065】
[非水溶媒]
炭化水素試験溶液は、ある量の非水溶媒を含む。この溶媒は、電極間の電位の印加中に、イオンの転移を容易にする。非水溶媒はまた、電解重合中に使用する炭化水素流体からの塩を分散させるのに役立つ。炭化水素試験溶液の一実施形態は、炭化水素流体に対する非水溶媒の量の容積割合比率が、約0.01から約10000までの範囲、好適には約9から約99までの範囲内を含む。
【0066】
有用な非水溶媒は、電気化学重合反応が生じることを妨害または防止しない。例えば、当業者は、溶媒がモノマーとその誘導体とで使用するチオフェンよりも低い誘電率を有するため、モノマーチオフェンとその誘導体とを用いて使用するために特定の溶媒が適していないことを理解する。チオフェンよりも低い誘電率を有する溶媒の例としては水、クロロベンゼン、アニソールを含む。
【0067】
非水溶媒は、電解重合可能なモノマーの溶媒である必要はないが、選択された非水溶媒は炭化水素試験溶液中のモノマーの溶解性を妨げてはならない。
【0068】
炭化水素試験溶液の一実施形態は、電解重合可能なモノマーの重合化から形成された結果として生じる会合したポリマーのための、溶媒である非水溶媒を含む。当該実施形態は、電解重合中の電極上のポリマー薄膜の形成を防止し、溶解を介してすべてのポリマー残留物を除去し得る。電解重合中に形成された結果として生じる会合したポリマーは、熱硬化性ではなくむしろ熱可塑性である。熱可塑性ポリマーは、適切な溶媒によって化学的溶媒和の影響を受けやすい。例えば、ポリアニリンはジメチルホルムアミドに溶解するが、アセトニトリルでは溶解しない。適切な非水溶媒は、電極上または一般的に導電率センサ内のポリマー薄膜の形成を防止することにより、連続的またはほぼ連続的/周期的な導電率試験を容易にし得る。
【0069】
炭化水素試験溶液の一実施形態は、炭化水素流体中の、非可溶化物質を可溶化、または懸濁させる非水溶媒を含む。重質原油の特定の種類は、非水溶媒によって提供された長鎖パラフィンとの組み合わせを除き、適切に可溶化し得ないアスファルテンを含有する。
【0070】
炭化水素試験溶液の一部として使用するための非水溶媒の有用な例は、ジメチルホルムアミド、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、リン酸トリブチル、リン酸トリメチル、炭酸プロピレン、ニトロメタン、クロロベンゼン、アニソール、γ−ブチロラクトン、メタノール、エタノール、プロパノール、およびジクロロメタンを含む。当業者は、適切な非水溶媒は識別されていない他の非水溶媒を含むが、炭化水素試験溶液中での電気化学的重合化プロセスには適していることを理解する。
【0071】
[導電率センサ]
導電率センサは、炭化水素試験溶液中の塩の100万分の1/10億分の1/1兆分の1(ppm/ppb/ppt)の濃度を測定するために有用な電解化学セルである。導電率センサに含有される炭化水素試験溶液を通じて電位を印加した結果(ボルトで、通常はミリボルトで)、導電率センサが電流(アンペアで、通常はマイクロアンペアで)を検出する。炭化水素試験溶液は、未知量の塩を含有している。導電率センサによって検出されたピーク電流は、電解重合可能なモノマーの重合に関連している。ピーク電流の高さは、炭化水素流体から来る炭化水素試験溶液中に存在する塩の量に相関する。
【0072】
導電率センサは、導電率試験が生じる際に内部空隙を定義するシェル、または筐体を有する。この筐体は、電極と、ポテンショスタット/ガルバノスタット、またはコンピュータコントローラを含む外部電子機器の間の電気と信号の通信を許可するように動作し得る。電極への外部接合の電気絶縁は、電気的にかつ流動的に各電極をまた絶縁しながら、各電極の位置を固定する。このような絶縁は、炭化水素試験流体と、内部から外部へのおよび導電率センサの外側にある電極間の、電流漏れの両方を防止する。
【0073】
本筐体は、炭化水素試験溶液を包含するように動作し得る。本筐体は、炭化水素試験溶液を導電率センサの内部から排出された炭化試験溶液へ移動、および導入させ得る。導電率センサの一実施形態は、炭化水素流体、非水溶媒、および電解重合可能なモノマーの導電率センサへの、別個のおよび同時での導入を可能にするように動作し得る筐体を有する。当該実施形態では、炭化試験溶液は筐体内で形成する。導電率センサの一実施形態は、予め混合された炭化水素試験溶液を導入し得るように動作し得る筐体を有する。
【0074】
導電率センサ内部のいくつかの筐体の構成は、内部構造、およびセンサ内部の混合を支援する、流入する流体の流れを導くまたは偏向させる、付属部品を含む。当該構成は、フロー偏向板と混合バッフルを含む。内部構造の構成は、電極から流れを分岐させることにより導入された流体の流れが導電率試験と直接干渉することを防止し得る。内部構造はまた、排出口にある使用済の炭化水素試験溶液用の多孔板、および網目スクリーンも含み得る。当該板とスクリーンは、形成された固体、特に重合鎖を、それが導電率センサから移動する前に、使用済の炭化水素試験溶液から除去する。
【0075】
導電率センサ筐体は、電気的に絶縁されている材料か、または不活性な材料で作られている。導電率センサ筐体はまた、炭化水素流体ならびに非水溶媒との長時間接触を通した溶媒和、溶解、および「膨潤作用」に抵抗する。有用な材料の例は、半透明および不透明な熱硬化性のプラスチック、ガラス、セラミックを含む。半透明の材料は、付着、破損、または誤動作が発生しているかどうかを測定するために、導電率センサの目視検査をさせ得ることに有用である。半透明の材料はまた潜在的に、他のセンサまたは検出器を、放射線または光ベースのビーム検出を使用して、センサを含む導電率センサと同時に動作させ得る。センサ筐体の構成もまた、次に、外部の物理的衝撃や電気的伝導に対する抵抗を助けるために、金属、ポリマー、または絶縁体の外部被覆材を含み得る。
【0076】
導電率センサは、炭化水素試験溶液に電位を印加する、およびそれを介して電流を検出するように動作し得る、筐体内に配置された電気化学セル三電極セットを含む。三電極セット内の3つの電極は、作用電極、対向電極、および参照電極である。3つの電極の互いの相対位置は、それらの位置が一貫性を維持し、電極が互いに接触していない限り重要ではない。作用電極と参照電極は、電位を炭化水素試験溶液中に一緒に誘導するように動作し得る。作用電極および対向電極は、炭化水素試験溶液中の電流を検出するように一緒に動作し得る。
【0077】
作用電極は、ガラス状炭素、白金、パラジウム、金、炭素黒鉛、ステンレス鋼、酸化インジウム−錫(ITO)導電性ガラス、クロム、ニッケル、銅、銀、鉛、亜鉛、または炭化水素の試験溶液中での電解重合に適したすべての他の使用材料で作られている。白金は、その高い化学的安定性のために容易に腐食しないので有用な材料である。作用電極は、電流密度(単位電流/単位面積)を測定する、および電解電量計の結果を解釈するための所定の表面積を有する。様々な既知の幾何学的形態は、板、ディスク、矩形、ロッド、および正方形の形状を含む。明確に定義された平坦な表面を有する形状は、腐食検出(すなわち、表面の孔食)、およびポリマー薄膜除去を簡単にできるようにすることが好ましい。
【0078】
作用電極の構成の材料は、使用中の電解重合可能なモノマーの種類を占めている。例えば、当業者は、電極材料がチオフェンのための電解重合電位に到達する前に、炭化水素試験溶液中に存在するイオン種と反応し得るため、特定の電極材料がチオフェンおよびその誘導体との使用に適していないことを理解する。チオフェンとの使用に不適切な材料の例としては、銅、鉛、銀、および亜鉛ベースの電極材料を含む。
【0079】
対向電極は、白金、または炭化水素試験溶液中での電解重合に適したすべての他の使用材料で作られている。様々な既知の幾何学的な形態は、板、ディスク、矩形、ロッド、正方形、網目、ワイヤーの形状を含む。対向電極は、電流密度(単位電流/単位面積)を測定するための所定の表面積を有する。対向電極の表面積は、作用電極よりも大きい。
【0080】
参照電極は、銀/塩化銀、銀/硝酸銀、白金、標準水素、可逆水素、または正常水素、飽和カロメル(SC)、準参照電極(QRE)、または炭化水素と非水溶媒の使用に適したすべての他の既知の基準材料または構造で作られている。
【0081】
参照電極用の構成の材料は、炭化水素試験溶液中で使用されている非水溶媒の種類を説明する。例えば、当業者は、参照電極システムが長時間の使用後に電圧ドリフトに見舞われることを開始し得るので、特定の電極材料が、アセトニトリルとの使用に適していないことを理解する。アセトニトリルとの使用に不適切な材料の例は、白金参照電極を含む。
【0082】
導電率センサは、筐体内に配置された混合装置を含む。本混合装置は、炭化水素試験溶液の緊密な特性を維持するように動作し得る。導電率センサの一実施形態では、混合装置は、導電率センサからの使用済の炭化試験溶液、およびすべての得られた固体(すなわち、ポリマーのこと)を通過する流体の動きを容易にするように動作し得る。炭化水素試験溶液の連続的な混合は、信頼性のある周期的で連続的な導電性試験を可能にする。
【0083】
混合装置の一実施形態は、混合ブレード、または外部駆動機構に連結し、導電率センサの筐体を通る攪拌翼である。混合装置の一実施形態は、その外部磁気撹拌板、または他の駆動機構に磁気的に連結する磁気攪拌棒である。当業者は、信頼性のある正確な導電率テストを阻害しないままで混合に対応するために、流体循環の適切なレベルを導電率センサに誘導する適切な手段を考案することができる。
【0084】
導電率センサは、任意のサイズであり得る。導電率センサの規模は、研究用作業台に収まるものから、炭化水素試験溶液の導電率を検出するために非水溶媒および炭化水素流体を数ミリリットルだけ必要とする型までの装置の範囲とし得る。より小さなサイズの導電率センサは、非水溶媒と電解重合可能なモノマーの消費を低減し、処理または廃棄に戻すために、少量の使用済炭化水素試験溶液を生成する。縮小された大きさはまた、貴金属の使用量を最小限に抑える。電極と導電率センサ筐体の小型化は、より少ない量の結果として生じる会合したポリマーを次々に作製し、維持する。
【0085】
導電率センサは、炭化水素試験溶液をバッチで、定期的かつ継続的な方法で用いて導電率検出に対応し得る。導電率センサは、手動式、完全自動式、組み合わせ式の試験プロセスに対応する。
【0086】
導電率センサの一実施形態は、導電率センサの内部から、会合したポリマーを除去するための手段を含む。場合によっては、結果として生じた会合したポリマーは、電極の表面を含む導電率センサの内部に蓄積し得る。作用電極上または対向電極上、またはその両方にある結果として生じた導電性ポリマーの厚みは、ピーク電流が発生した際に、ピーク電流高さの増加、または異なる電圧値へのずれの原因となり得る。導電性ポリマーのために、電極から導電性ポリマー膜へ移動する電子は、ポリマー膜の最外層に電子を搬送する。導電性ポリマーに被覆された電極を有する導電率センサ(他のすべての条件が定常状態であると仮定して)は、電解重合可能なモノマーがそのモノマーの重合電位で導電性ポリマー膜に付加されることが原因で、増加したピーク電流値を生じ得る。増加したピーク電流値は、炭化水素流体中の塩濃度の増加を反映せず、むしろ、固体の導電性ポリマー膜層を通る改善された導電性を反映している。絶縁が発生し、ピーク電流値が連続的に減少された場合の悪影響は、電気化学的に重合し得る非導電性ポリマー膜で発生し得る。さらに、重質オリゴマーと重質鎖は、流体の流れが静的で、流体の流れを妨げる固体材料が形成する場合に、導電率センサに帰属し、その域内に凝集し得る。
【0087】
炭化水素試験溶液の連続的混合を提供すること、または結果として生じる会合したポリマーのための溶媒でもある非水溶媒を使用することに加え、導電率センサ内部からポリマーを除去するための手段は、機械的分離装置または掻き取り装置を含む。機械的分離装置は、電極を含む表面からの合成したポリマー膜の除去を物理的に引き起こす。機械的分離装置は、非水溶媒の溶媒和作用およびアルカン優勢炭化水素流体に耐性のあるシリコンパドルを含む。当該シリコンパドルは、電極の表面への歪みを起こしたりしない、または直接接触している場合に、それらの相対位置を変更しないようにするために曲げやすい。
【0088】
他の手段は、溶媒の残留ポリマーの表面への直接導入を含む。残留ポリマー溶媒は、前述した非水系溶媒の一つとなり得る。導電率センサの一実施形態は、結果として生じる会合したポリマーの非水溶媒を導電率センサへ導入するように動作し得るノズル又はポートを含む。導電率センサのさらなる実施形態は、ノズルを差し込んでいる非水溶媒が、非水溶媒を3つの電極セットに導く場合に、動作し得ることを含む。非水溶媒は、導電性試験中または期間の間に、電極上に導かれ得る。導電率センサの一実施形態は、外部操作のために動作し得るノズルまたはポートを含む。当該ノズルは、非水溶媒を電極セット上に導き得る。
【0089】
[ポテンショスタット/ガロバノスタット装置]
導電率センサの電極は、ポテンショスタット/ガルバノスタット装置と電気信号通信している。ポテンショスタット/ガルバノスタット装置は、導電率センサの作用電極と対向電極間の電位(ボルトで)を誘導するために動作し得、作用電極と対向電極間の検出された電流(アンペアで)を相関する。組み合わせられたポテンショスタット/ガルバノスタット装置は、印加電位において、三電極導電率センサを用いた炭化水素試験溶液のための「ピーク(peak)」電流値を含む電流値を測定し得る。ポテンショスタット/ガルバノスタット装置と連動した三電極導電率センサの使用は、炭化水素試験溶液および検出された電流の相関及び結合と関連した制御された電位の印加を可能にする。
【0090】
有用なポテンショスタット/ガルバノスタット装置および他の電圧誘導装置は、電位が固定の線形「掃引」速度で、第1の値および第2の値の間で変化する電気化学セル、掃引電位値の単数の電位値、および電位が線形掃引速度で変化し、第1の電位値および第2の電位値の間で繰り返し周期をなす周期電位値を適用するために動作し得る。本方法の実施形態は毎秒約5ミリボルト(mV/秒)〜毎秒約0.5ボルトの範囲内の線形掃引速度で、炭化水素試験溶液の電位を誘導することを含む。本方法の実施形態は、約20mV/秒の線形掃引速度で電位を誘導することを含む。本方法の実施形態は、参照電極に対して、第1の電位値が約−0.3Vおよび第2の電位値が約+2.5Vである場合の電位を誘導することを含む。ポテンショスタット/ガルバノスタットは、適用される電位値に対して導電率センサによって検出される電流値と相関するよう動作し得る。
【0091】
組み込まれたモニターまたはプリンター、またはモニター、プロッターやプリンターを含む外部出力装置と信号通信することを可能にする電子接続部品を含むポテンショスタット/ガルバノスタット装置は、数値データセット、または電位値、対、人間が直接解釈できるための関連した検出された電流値のX−Yグラフィック描写(すなわち、ボルタモグラムのこと)を直接伝達し得る。
【0092】
ポテンショスタット/ガルバノスタット装置は、追加のコンピュータベースの測定、およびシステム制御のために、ポテンショスタット/ガルバノスタット装置のデータを解釈するように動作し得るコンピュータへの信号通信経路を使用した、電位値および検出電流値の関連する範囲の誘導範囲を含有する、電位電流データセットを転送し得るそれらの装置を含む。
【0093】
[炭化水素流体中の塩濃度を測定するための方法]
炭化水素流体の塩濃度を測定するための方法は、炭化水素試験溶液を形成するステップを含む。炭化水素試験溶液は、炭化水素流体、電解重合可能なモノマー、および非水溶媒を含む。電解重合可能なモノマーは、電解重合可能なポリマーのピーク電位で、結果として生じる会合したポリマーを形成するために、炭化水素試験溶液中で動作し得る。
【0094】
本方法は、炭化水素試験溶液を導電率センサに導入するステップを含む。炭化水素試験溶液は、炭化水素流体、電解重合可能なモノマー、および非水溶媒の混合物である。炭化水素流体は、ある量の塩を含有する。導電率センサは、作用電極、対向電極、および参照電極を有する、三電極電気化学セルである。
【0095】
本方法は、導電率センサに包含された、炭化水素試験溶液の電位の範囲を誘導するステップを含む。誘導された電位の範囲は、電解重合可能なポリマーのピーク電位を含む。作用電極と参照電極は、炭化水素試験溶液を介して電位の範囲を誘導する。この誘導は、炭化水素試験溶液中の、電解重合可能なモノマーの少なくとも一部が、結果として生じる会合したポリマーに重合する原因となる。この誘導はまた、炭化水素試験溶液が、使用済の炭化水素試験溶液を形成する原因となる。導電率センサは、電解重合中に、作用電極と対向電極間のピーク電流を検出する。
【0096】
本方法は、検出された電流の範囲がピーク電流を含む場合、導電率センサを用いた、誘導された電位の範囲に関連した、電流の範囲を検出するステップを含む。掃引ボルタンメトリーまたはサイクリックボルタンメトリーを実行する際に、検出された電流は、電位がモノマーの重合電位に接近するにつれて増加する。重合電位に到達すると、ラジカル化したモノマー単位(炭化水素試験溶液中の塩に裏付けられる)を通して、電子移動が発生するにつれて、検出された電流値は「ピークになる」、また、結果として生じる会合したポリマーが形成する。重合電位を上回った後に、検出可能電流は、増加している電位を含め、変化している電位値とともに低下する。理論に縛られるつもりはないが、検出された電流の下落が、作用電極および対向電極に近接する電解重合可能なモノマーの喪失を反映していると考えられている。
【0097】
ピーク電流高さの値は、手動または自動のいずれかの分析技術を使用して測定する。電気化学の当業者は、掃引ボルタンメトリーまたはサイクリックボルタンメトリーの結果から、ピーク電流高さの値を測定し得る。自動化された分析技術は、コンピュータ可読命令のセット(すなわち、プログラムのこと)、および物理的な、および仮想のコンピュータアクセス可能メモリの組み合わせに記憶されたデータを使用して、ポテンショスタット/ガルバノスタットからの、電位電流データを自動的に受信および処理するために動作し得るコンピュータの使用を含み得る。ピーク電流高さの値は、その塩の量を含む炭化水素試験溶液の組成に基づく絶対値である。流体温度を含むプロセス関連要因は、測定された塩濃度の値に影響を与えない。
【0098】
本方法は、炭化水素試験溶液に誘導された電位の範囲、および導電率センサによって検出された電流の範囲を使用して、炭化水素流体の塩濃度を測定するステップを含む。炭化水素試験溶液のための濃度条件が安定した状態にあると仮定すると、炭化水素試験液中の塩濃度は、ピーク電流高さの値との相関を介して測定可能である。オペレータは、炭化水素試験溶液の塩濃度を測定するために、前の導電率試験の結果、炭化水素試験溶液用の標準的なピーク電流高さの値/塩濃度チャート、またはプロセストレンド分析、との比較を含む手動の分析技術を使用することができる。オペレータはまた、炭化水素試験溶液の塩濃度を測定するために、ピーク電流高さの値、および掃引ボルタンメトリーまたはサイクリックボルタンメトリーのデータを分析するために設計されたプログラムを有するコンピュータを含む、自動化された計算手段を使用することができる。オペレータは、炭化水素試験溶液中の炭化水素流体の比例した量を知ったうえで、炭化水素試験溶液の塩濃度値を用いて、炭化水素流体中の塩濃度を測定し得る。
【0099】
本方法の一実施形態は、導電率センサから使用済の炭化水素試験溶液を通過するステップを含む。本プロセスは、未使用の再生利用可能モノマー、非水溶媒、またはそれら両方を再生利用し得るように動作し得る設備を含む、塩を有する炭化水素流体が引き出される、または別の設備またはシステムを介して廃棄し得るシステムへ、使用済の炭化水素溶液を移動させ得る。
【0100】
本プロセスの一実施形態は、結果として生じる会合したポリマーの非水溶媒を、導電率センサ内に導入するステップを含む。導入された非水溶媒は、導電率センサから結果として生じる会合したポリマーを溶解し、センサが動作状態を維持することを助けるように動作し得る。本方法の一実施形態は、結果として生じる会合したポリマーの非水溶媒が、導電率センサ内に存在する使用済の炭化水素試験溶液が導電率センサから移動するように、導電率センサ内に導入される。
【0101】
[炭化水素流体からの塩抽出の方法]
炭化水素流体から塩を抽出するための方法は、前述のように、導電率センサと炭化水素試験溶液を用いて、炭化水素流体の塩濃度を測定する方法を実行するステップを含む。塩抽出流体は、炭化水素流体から、塩の少なくとも一部を除去するために使用される。塩抽出流体から、処理された炭化水素流体を効果的に分離することは、炭化水素流体を脱塩することである。従来の脱塩技術は、再使用と再生利用のために、塩抽出流体から塩を簡単に分離する。
【0102】
本方法は、炭化水素流体内に、ある量の塩抽出流体を導入するステップを含む。塩抽出流体と炭化水素流体は混ざり合う。塩を有する塩抽出流体と脱塩された炭化水素流体は、この処理から形成する。塩抽出流体の適切な量の導入は、炭化水素流体中の塩の濃度の作用である。
【0103】
処理すべき炭化水素流体の量の測定はまた、導入する塩抽出流体の適切な量を測定する際の重要な要素でもある。炭化水素流体の量は、タンクまたは容器内の量として、固定し得るか、または、原料の連続流内で連続し得る。従来のプロセスエンジニアリングまたは数学の技術を使用して、炭化水素流体の固定量または流量を測定することは、処理流体を使用して、炭化水素流体から抽出し得る塩の量の、信頼性のある推測値を提供する。当業者は、プロセス構成と経済的意味を含むいくつかの関係が、炭化水素流体へ適用する塩抽出流体の量、および炭化水素流体からの塩抽出の到達するレベル、の測定に影響を与えることを理解する。
【0104】
本方法の一実施形態は、塩抽出流体を有する追加の化学製品を導入することを含む。有用な追加される化学製品は、炭化水素流体からの塩の除去を改善するために、塩抽出流体と炭化水素流体間の接触を改善する乳化剤、洗浄剤、および界面活性剤を含む。
【0105】
有用な塩抽出流体は水である。炭化水素流体中に塩抽出流体として水を導入することは、液体、蒸気、または二相流体として生じ得る。蒸気形態は、湿り蒸気、乾燥蒸気、過熱蒸気であり得る。蒸気の圧力は、1平方インチゲージ(psig)当たり、約15ポンドから約1000ポンドまでの範囲であり得る。蒸気の温度は、約105℃から約280℃までの範囲であり得る。液体形態中の水は、約1℃から約99℃までの温度範囲であり得る。
【0106】
本方法は、脱塩された炭化水素流体から塩を有する塩抽出流体を分離することを含む。脱塩された炭化水素流体からの塩を有する塩抽出流体の分離は、塩抽出流体の導入点から下流で起きる。結果として得られるものは、いつでも輸送、石油精製、石油化学処理できる状態になっている、脱塩された炭化水素流体である。当業者は、塩抽出流体から塩を除去するための、このような手段とプロセスを理解している。
【0107】
本方法の一実施形態は、炭化水素流体に、特定の塩またはイオン種を、中和または消去する流体を導入することを含む。例えば、塩抽出プロセスは、特定の塩(塩化ナトリウム)、または特定のハロゲン化物(塩化イオン)と優先的に反応する流体の導入を含み得る。そのような技術は、さらなるプロセスの前に、他の塩またはイオンを除去するために、塩の優占種またはイオンを除去し得、より安価なまたは煩わしくないプロセスを許可し得る。
【0108】
[支持機器]
実施形態は、記載した装置、プロセス、方法、およびシステムを動作し得るおよび操作する、多数の追加の標準的な部品または機器を含む。当業者に知られているそのような標準的な機器の例としては、熱交換器、ポンプ、ブロアー、リボイラー、蒸気生成器、凝縮液処理機、膜、単段階圧縮機および多段階圧縮機、分離機器および分別機器、弁類、スイッチ類、コントローラ、および圧力・温度・レベル・流量の検知装置、を含む。
【0109】
プロセスまたは方法の、一部または全部のステップの、操作、制御、実行は、人的相互作用、予めプログラムされたコンピュータ制御および応答システム、またはそれらの組み合わせを介して起こり得る。