【文献】
J. Med. Chem.,2007年,50,4279−4294
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
化学療法薬、抗炎症薬、免疫調節薬、神経栄養因子、心臓血管病を治療するための薬剤、肝臓病を治療するための薬剤、抗ウイルス薬、血液疾患を治療するための薬剤、糖尿病を治療するための薬剤及び免疫不全疾患を治療するための薬剤から選択される追加の治療薬を更に含む、請求項20に記載の薬学的組成物。
化学療法薬、抗血管形成治療薬、抗炎症薬、免疫調節薬、神経栄養因子、心臓血管病を治療するための薬剤、肝臓病を治療するための薬剤、抗ウイルス薬、血液疾患を治療するための薬剤、糖尿病を治療するための薬剤及び免疫不全疾患を治療するための薬剤から選択される追加の治療薬を更に含む、請求項22に記載の医薬。
がんを治療するための医薬を製造するための請求項1から19の何れか一項に記載の化合物の使用であって、ここで、がんが乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がん、泌尿生殖器のがん、食道がん、喉頭がん、膠芽腫、神経芽細胞種、胃がん、皮膚がん、ケラトアカントーマ、肺がん、表皮癌、大細胞癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞癌、肺腺癌、骨がん、結腸がん、腺腫、膵臓がん、腺癌、甲状腺癌、濾胞腺癌、未分化癌、乳頭癌、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌及び胆汁道、腎癌、腎疾患、膵疾患、骨髄疾患、リンパ腫、毛様細胞癌、口腔前庭癌、鼻咽頭がん、咽頭がん、口唇がん、舌がん、口腔がん、小腸がん、結腸直腸がん、大腸がん、直腸がん、脳腫瘍及び中枢神経系のがん、ホジキン病又は白血病である、使用。
がんを治療するための請求項1から19の何れか一項に記載の化合物であって、ここで、がんが乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がん、泌尿生殖器のがん、食道がん、喉頭がん、膠芽腫、神経芽細胞種、胃がん、皮膚がん、ケラトアカントーマ、肺、表皮癌、大細胞癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞癌、肺腺癌、骨がん、結腸がん、腺腫、膵臓がん、腺癌、甲状腺癌、濾胞腺癌、未分化癌、乳頭癌、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌及び胆汁道、腎癌、腎疾患、膵疾患、骨髄疾患、リンパ腫、毛様細胞癌、口腔前庭癌、鼻咽頭がん、咽頭がん、口唇がん、舌がん、口腔がん、小腸がん、結腸直腸がん、大腸がん、直腸がん、脳腫瘍及び中枢神経系のがん、ホジキン病又は白血病である、化合物。
【実施例】
【0172】
実施例中に記載された化学反応は、本発明の他の多数のPI3K阻害剤を調製するために容易に適合され得、本発明の化合物を調製するための別の方法は、本発明の範囲内であると見なされる。例えば、例示されていない本発明の化合物の合成は、当業者に明らかな修正により、例えば、反応感応基を適切に保護すること、記載された試薬以外の当分野において知られている他の適切な試薬を利用すること、及び/又は反応条件の通例の修正を行うことにより、成功裡に実施され得る。あるいは、本明細書において開示されているか又は当分野において知られている他の反応は、本発明の他の化合物を調製するための適応性を有するものと認識されるであろう。
【0173】
以下に記載の実施例において、別記しない限り、温度は全て摂氏(℃)で記述される。試薬は、商業的供給元、例えばSigma Aldrich Chemical Company、Lancaster、TCI又はMaybridgeから購入し、別記しない限り、更には精製せずに使用した。以下に明記する反応は、一般的に、窒素若しくはアルゴンの陽圧下で、又は(別記されない限り)無水溶媒中で乾燥管によって行い、反応フラスコには、典型的に、シリンジを介した基質及び試薬の導入のためにゴム隔膜を装着した。ガラス器具は、オーブンで乾燥及び/又は加熱して乾燥させた。カラムクロマトグラフィーは、シリカゲルカラムを有するBiotageシステム(製造者:Dyax Corporation)上又はシリカ SEP PAK(登録商標)カートリッジ(Waters)上で実施した。
1H NMRスペクトルは、参照標準(7.25ppm)としてクロロホルムを使用して、重水素化されたCDCl
3、d
6−DMSO、CH
3OD又はd
6−アセトン溶液(ppmで報告された)において400MHzで得られた.。ピークの多重性が報告される場合には、以下の略語を使用する:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、br(拡大線)、dd(二重の二重線)、dt(三重の二重線)。カップリング定数は、与えられる場合、ヘルツ(Hz)で報告される。
【0174】
【0175】
【0176】
(C)LCMS 2.5分間キラルメソッド
移動相A:CO2
移動相B:メタノール
等張条件:25%B
流量:5mL/分
出口圧力:120バール
温度:40℃
カラム:ChiralCelOJ(4.6x50mm、3μm)
Uv:230nm
システム:Berger Analytical SFC/MS
【0177】
キラル精製:
条件A:
移動相A:CO2
移動相B:メタノール
等張条件:25%B
流量:60mL/分
出口圧力:100バール
温度:40℃
カラム:ChiralCelOJ(21.2x250mm、5μm)
Uv:230nm
システム:Berger MGII
【0178】
実施例1 6−ヒドロキシ−5−メトキシ−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、ナトリウム塩
窒素雰囲気下で、ナトリウム金属(1.15g、0.05モル)を40℃で少量ずつエタノール(4Å分子篩上で乾燥、50mL)に添加し、溶液が形成されるまで、混合物を撹拌した。尿素(3.0g、0.05モル)を添加し、完全に溶解するまで、混合物を100℃で15分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却して、メトキシメチル マロネート(8.1g、0.05モル)を添加し、ピンク/白色の沈殿物をほぼすぐに形成した。更に、乾燥エタノール(10mL)を添加し、撹拌可能な混合物を維持した。得られた懸濁液を100℃(還流)で4時間加熱した。反応混合物を真空で濃縮し、残留物を高真空下で乾燥させ、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、ナトリウム塩をピンク/白色の固体として得、分析又は精製せずに次の工程で使用した。
【0179】
実施例2 2,4,6−トリクロロ−5−メトキシ−ピリミジン
6−ヒドロキシ−5−メトキシ−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、ナトリウム塩(21mmol)をオキシ塩化リン(20mL)に懸濁させ、混合物を二つの20mLマイクロ波反応バイアルに分けた。反応混合物を、マイクロ波照射(注意!大幅に圧力が上昇する!)を使用して、130−140℃(〜10−12バール)で30分間加熱した。冷却した反応混合物を混合し、温かい(およそ40℃)水(注意!)に注いで、得られた混合物を酢酸エチルで二度抽出し、混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過して、真空で濃縮し、2,4,6−トリクロロ−5−メトキシ−ピリミジンを結晶性の黄色/褐色の固体(3.75g、84%)として得た。
1H NMR(CDCl
3): 3.98(3H,s).
【0180】
実施例3 2,4,6−トリクロロ−5−ヒドロキシ−ピリミジン
窒素雰囲気下で、2,4,6−トリクロロ−5−メトキシ−ピリミジン(4.0g、18.7mmol)が入ったDCM溶液(200mL)を0℃に冷却し、三臭化ホウ素(6.6mL、65mmol)を滴下して処理した。室温で18時間撹拌した後。反応混合物を冷却し、メタノール(25mL、注意、発熱する!)で希釈して、反応混合物を水(200mL)で希釈した。水性層をDCMで抽出し、混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、2,4,6−トリクロロ−5−ヒドロキシ−ピリミジンを淡黄褐色の固体(2.55g、71%)として得た。
13C NMR(DMSO-d
6): 149.23(C), 145.25(C), 145.08(C). LCMS(方法C): R
T= 2.65/2.77. [M-H]
- 197/199.
【0181】
実施例4 4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール 24−経路1
3−ブロモ−2−メチル アニリン(5.0g、26.9mmol)が入ったクロロホルム溶液(50mL)に、酢酸カリウム(1.05当量、28.2mmol、2.77g)を添加した。氷水中で同時冷却しながら、無水酢酸(2.0当量、53.7mmol、5.07mL)を添加した。次いで混合物を室温で10分間撹拌し、その後白色のゼラチン状の固体を形成した。18−クラウン−6(0.2当量、5.37mmol、1.42g)を添加し、続いて亜硝酸イソ−アミル(2.2当量、59.1mmol、7.94mL)を添加して、混合物を還流下で18時間加熱した。反応混合物を冷却し、クロロホルム(3x100mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)との間で分配した。混合有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、分離させ、乾燥させた(MgSO
4)。粗生成物をシリカ上に蒸発させ、クロマトグラフィーで精製し、20%から40%のEtOAc−ガソリンで溶出させ、1−(4−ブロモ−インダゾール−1−イル)−エタノンA(3.14g、49%)をオレンジの固体として、4−ブロモ−1H−インダゾール B(2.13g、40%)をペールオレンジの固体として得た。A:
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ 2.80(3H, s), 7.41(1H, t, J=7.8Hz), 7.50(1H, d, J=7.8Hz), 8.15(1H, s), 8.40(1H, d, J=7.8Hz). B:
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)7.25(1H, t, J=7.3Hz), 7.33(1H, d, J=7.3Hz), 7.46(1H, d, J=7.3Hz), 8.11(1H, s), 10.20(1H, br s).
【0182】
1−(4−ブロモ−インダゾール−1−イル)−エタノン A(3.09g、12.9mmol)が入ったMeOH溶液(50mL)に、6NHCl水溶液(30mL)を添加し、混合物を室温で7時間撹拌した。MeOHを蒸発させ、混合物をEtOAc(2×50mL)と水(50mL)との間で分配した。混合有機層をブライン(50mL)で洗浄し、分離させ、乾燥させた(MgSO
4)。溶媒を減圧下で蒸発させて除去し、4−ブロモ−1H−インダゾール B(2.36g、93%)を得た。
【0183】
4−ブロモ−1H−インダゾール B(500mg、2.54mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(1.5当量、3.81mmol)が入ったDMSO溶液(20mL)に、酢酸カリウム(3.0当量、7.61mmol、747mg;乾燥ピストル中で乾燥させた)及びPdCl
2(dppf)
2(3mol%、0.076mmol、62mg)を添加した。混合物をアルゴンで脱気し、80℃で40時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(50mL)とエーテル(3X50mL)との間で分配した。混合有機層をブライン(50mL)で洗浄し、分離させ、乾燥させた(MgSO
4)。粗物質をクロマトグラフィーで精製し、30%から40%のEtOAc−ガソリンで溶出させ、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール 24(369mg、60%)とインダゾール(60mg、20%)が3:1である分離不可能な混合物を得、放置した際に凝固した黄色のゴムとして単離し、オフホワイトの固体を得た。
1H NMR(400 MHz, d
6-DMSO)1.41(12H, s), 7.40(1H, dd, J=8.4Hz, 6.9Hz), 7.59(1H, d, J=8.4Hz), 7.67(1H, d, J=6.9Hz), 10.00(1H, br s), 8.45(1H, s), 及びインダゾール: 7.40(1H, t), 7.18(1H, t, J=7.9Hz), 7.50(1H, d, J=9.1Hz), 7.77(1H, d, J=7.9Hz), 8.09(1H, s);不純物量1.25.
【0184】
実施例5 4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール 24−経路2
2−メチル−3−ニトロアニリン(2.27g、14.91mmol)が入った酢酸溶液(60mL)に、亜硝酸ナトリウム(1.13g、1.1当量)が入った水溶液(5mL)を添加した。2時間後、深紅色の溶液を氷/水に注ぎ、得られた沈殿物を濾過により収集し、4−ニトロ−1H−インダゾール C(1.98g、81%)を得た。
【0185】
4−ニトロ−1H−インダゾールC(760mg、4.68mmol)、パラジウム炭(10%、触媒)及びエタノール(30mL)の混合物を水素バルーン下で4時間撹拌した。次いで反応混合物をセライトを通して濾過し、溶媒を真空で除去して、1H−インダゾール−4−イルアミン D(631mg、100%)を得た。
【0186】
1H−インダゾール−4−イルアミン D(631mg、4.74mmol)が入った6M 塩酸懸濁液(7.2mL)に、亜硝酸ナトリウム(337mg、4.89mmol)が入った水溶液(2mL)を氷点下で滴下した。30分間撹拌した後、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(724mg)を反応混合物に添加した。粘性の溶液を得、これを濾過して水で簡単に洗浄し、1H−インダゾール−4−ジアゾニウム テトラフルオロボラート塩 E(218mg、20%)を深紅色の固体として得た。
【0187】
乾燥メタノール(4mL)をアルゴンで5分間パージした。これに1H−インダゾール−4−ジアゾニウム テトラフルオロボラート塩(218mg、0.94mmol)、ビス−ピナコラト ジボロン(239mg、1.0当量)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]塩化パラジウム(II)(20mg)を添加した。反応混合物を5時間撹拌し、次いでセライトを通して濾過した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール 24(117mg)を得た。
【0188】
実施例6 1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール 25(経路A)
工程A:4−クロロ−1H−インダゾールの調製:撹拌子付の250mlフラスコに2−メチル−3−クロロアニリン(8.4ml、9.95g、70.6mmol)、酢酸カリウム(8.3g、84.7mmol)及びクロロホルム(120ml)を添加した。この混合物を撹拌しながら0℃に冷却した。冷却した混合物に、無水酢酸(20.0ml、212mmol)を2分間にわたって滴下した。反応混合物を25℃に温め、1時間撹拌した。この時点で、反応物を60℃に加熱した。亜硝酸イソアミル(18.9ml、141mmol)を添加し、反応物を60℃で一晩撹拌した。完了後、水(75ml)及びTHF(150ml)を添加し、反応物を0℃に冷却した。LiOH(20.7g、494mmol)を添加し、反応物を0℃で3時間撹拌した。水(200ml)を添加し、生成物をEtOAc(300ml、100ml)で抽出した。有機層を混合し、MgSO
4で乾燥させて、真空で濃縮し、11.07gの4−クロロ−1H−インダゾール(100%)をオレンジの固体として得た。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ 8.18(d, J = 1 Hz, 1H), 7.33(d, J = 8 Hz 1H), 7.31(t, J = 7 Hz, 1H), 7.17(dd, J = 7 Hz, 1 Hz 1H).LCMS(ESI pos)m/e 153(M+1).
【0189】
工程B:4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾールの調製:機械撹拌器付の1Lフラスコに、4−クロロ−1H−インダゾール(75.0g、0.492mol)、ピリジニウム p−トルエンスルホナート(1.24g、4.92mmol)、CH
2Cl
2(500ml)及び3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(98.6ml、1.08mol)を添加した。この混合物を撹拌しながら45℃に16時間加熱した。反応混合物の分析は、生成物の両方の異性体の生成を示している。反応物を25℃に冷却し、CH
2Cl
2(200ml)を添加した。溶液を水(300ml)及び飽和NaHCO
3(250ml)で洗浄した。有機物をMgSO
4で乾燥させて、濃縮して乾燥させた。EtOAc/ヘキサン(4:6、1L)に溶解させ、SiO
2(1.2L)を添加することにより、粗生成物を生成した。混合物を濾過し、ケーキをEtOAc/ヘキサン(4:6、2L)で洗浄した。有機物を真空で濃縮し、110.2gの4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(95%)をオレンジの固体として得た。異性体1:
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ 8.10(d, J = 1 Hz, 1H), 7.50(dd, J = 9 Hz, 1 Hz 1H), 7.29(dd, J = 9 Hz, 8 Hz 1H), 7.15(dd, J = 8 Hz, 1 Hz 1H)5.71(dd, J = 9 Hz, 3 Hz 1H)4.02(m, 1H)3.55(m, 1H)2.51(m, 1H)2.02(m, 2H)1.55(m, 3H). LCMS(ESI pos)m/e 237(M+1);異性体2:
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ 8.25(d, J = 1 Hz, 1H), 7.62(dd, J = 9 Hz, 1 Hz 1H), 7.20(dd, J = 9 Hz, 8 Hz 1H), 7.06(dd, J = 8 Hz, 1 Hz 1H)5.69(dd, J = 9 Hz, 3 Hz 1H)4.15(m, 1H)3.80(m, 1H)2.22(m, 2H)2.05(m, 1H)1.75(m, 3H). LCMS(ESI pos)m/e 237(M+1).
【0190】
工程C:1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾールの調製:撹拌子付500mlフラスコに、4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(10.0g、42.2mmol)、DMSO(176ml)、PdCl
2(PPh
3)
2(6.2g、8.86mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.47g、1.69mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(16.1g、63.4mmol)及び酢酸カリウム(12.4g、0.127mol)を添加した。混合物を撹拌しながら130℃に16時間加熱した。反応物を25℃に冷却し、EtOAc(600ml)を添加して、水(2x250ml)で洗浄した。有機物をMgSO
4で乾燥させて、真空で濃縮して乾燥させた。粗生成物をSiO
2プラグ(120g)で精製し、10% EtOAc/ヘキサン(1L)及び30% EtOAc/ヘキサン(1L)で溶出させた。濾液を真空で濃縮し、13.9g(100%)の1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾールを酢酸エチル中20%(wt/wt)溶液として得た。
1H NMRは、約20%(wt/wt)のビス(ピナコラト)ジボロンが存在することを示す。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ 8.37(s, 1H), 7.62(dd, J = 14 Hz, 2 Hz 1H), 7.60(dd, J = 7 Hz, 1 Hz 1H), 7.31(dd, J = 8 Hz, 7 Hz 1H)5.65(dd, J = 9 Hz, 3 Hz 1H)4.05(m, 1H)3.75(m, 1H)2.59(m, 1H)2.15(m, 1H)2.05(m, 1H)1.75(m, 3H)1.34(s, 12H).LCMS(ESI pos)m/e 245(M+1).
【0191】
実施例7 1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2 ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール 25(経路B)
工程A:4−ニトロ−1H−インダゾールの調製:2−メチル−3−ニトロアニリン(200g、1.315モル)、酢酸(8000ml)の混合物を15−20℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム(90.6g、1.315モル)が入った水溶液(200ml)を30分にわたってゆっくりと添加した。添加後、反応温度を25−30℃に上昇させ、反応物をこの温度で2−3時間撹拌した。反応進行をTLCでモニターして、反応完了後、生成物を濾過し、残留物を酢酸(1000ml)で洗浄した。酢酸を80℃未満の真空下(550mm Hg)で蒸留し、水(8000ml)を添加し、25−30℃に冷却して、30分間撹拌した。スラリーを濾過し、水(1000ml)で洗浄した。粗生成物を70−80℃で2時間加熱して乾燥させ、次いで5% 酢酸エチル/n−ヘキサン(100:2000ml)溶液に取り出し、周囲温度で1−1.5時間撹拌した。懸濁液を濾過し、5% 酢酸エチル/n−ヘキサン混合物(25:475ml)で洗浄した。得られた生成物を80℃未満の真空下で10−12時間乾燥させ、4−ニトロ−1H−インダゾールを褐色の固体(150g、70%)として得た: mp: 200-203℃;
1H NMR(200 MHz, CDCl
3)δ 13.4(br, 1H), 8.6(s, 1H), 8.2-7.95(dd, 2H), 7.4(m, 1H). ESMS m/z 164(M+1)。 純度: 95% (HPLC)
【0192】
工程B:4−アミノ−1H−インダゾールの調製:EtOH(3000ml)に4−ニトロ−1H−インダゾール(200g、1.22モル)と10% パラジウム炭素(20.0g)が入った混合物を周囲温度で水素化した(反応物は発熱し、温度は50℃に上昇した)。反応完了後、触媒を濾過により除去した。溶媒を80℃未満の真空で蒸発させ、室温に冷却し、n−ヘキサン(1000ml)を残留物に添加して、30分間撹拌した。単離した固体を濾過し、n−ヘキサン(200ml)で洗浄した。得られた生成物を70−80℃の真空下で10−12時間乾燥させ、4−アミノ−1H−インダゾールを褐色の固体(114g、70%)として得た。m. p.: 136-143℃.
1H NMR200 MHz, CDCl
3,) δ12 (br, 1H), 8.0(s, 1H), 7.1-7.0(dd, 2H), 6.5(d, 1H), 3.9(m, 2H). ESMS m/z 134(M+1)。 純度: 90-95%(HPLC)
【0193】
工程C:4−ヨード−1H−インダゾールの調製:4−アミノ−1H−インダゾール(50.0g、0.375モル)が入った水(100ml)と濃塩酸(182ml)の混合物を−10℃に冷却した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム(51.7g、0.75モル)が入った水溶液(75ml)を−10℃で約30−60分で滴下した(添加中、発泡が観察された)。別のフラスコ中で、水(3000ml)にヨウ化カリウム(311g、1.87モル)が入った混合物を室温で調製し、これに上記の冷却したジアゾニウム塩を30−40℃で約30−40分で添加した。反応物を30℃で1時間置き、反応完了後、酢酸エチル(500ml)を添加し、反応混合物をセライトを通して濾過した。層を分離し、水性層を酢酸エチル(2X500ml)で抽出した。混合有機層を5% 低張液(2x500ml)、ブライン(500ml)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、15−20% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、4−ヨード−1H−インダゾールをオレンジの固体(23.0g、25%)として得た。mp:151-177 C:
1H NMR(200 MHz, CDCl
3)δ 12.4(br, 1H), 8.0(s, 1H), 7.6(dd, 2H), 7.1(d, 1H). ESMS m/z 245(M+1). 純度: 95-98%(HPLC).
【0194】
工程D:4−ヨード−1−(2−テトラヒドロピラニル)インダゾールの調製:CH
2Cl
2(1250ml)に4−アミノ−1H−インダゾール(250.0g、1.024モル)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(126.0g、1.5モル)及びPPTS(2.57g、0.01モル)が入った混合物を50℃で2時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(625ml)に注ぎ、層を分離させて、水性層をCH
2Cl
2で(250ml)抽出した。混合有機層を水(625ml)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、5−10% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、4−ヨード−1−(2−テトラヒドロピラニル)インダゾールを油(807.0g、60%)として得た。
1H NMR (200 MHz, CDCl
3) δ 8.5 (s, 1H), 7.8 (m, 1H), 7.6 (d, 1H), 7,.25 (m, 1H), 5.7 (dd, 1H), 4.2-3.8 (dd, 1H), 2.2-2.0 (m, 4H) 2.0-1.8 (m, 4H). ESMS m/z 329 (M+1).
【0195】
工程E:1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾールの調製:DMSO(500ml)に4−ヨード−1−(2−テトラヒドロピラニル)インダゾール(100g、0.304モル)、ビスピナカロトジボラン(96.4g、0.381モル)、PdCl
2(dppf)(8.91g、0.012モル)及び酢酸カリウム(85.97g、0.905モル)が入った混合物を80℃で2−3時間加熱した。完了後、反応物を室温に冷却して水(1500ml)を添加した。反応物の塊を酢酸エチル(3x200ml)中に抽出し、混合有機層を蒸発させ、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、5−10% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール 25を粘性の褐色の油(70.0g、70%)として得た。
1H NMR(CDCl
3)δ 8.5(s, 1H), 7.8(m, 1H), 7.6(d, 1H), 7.25(m, 1H), 5.7(dd, 1H), 4.2-3.8(dd, 1H), 2.2-2.0(m, 4H)2.0-1.8(m, 4H)1.4-1.2(s, 12H).ESMS m/z 329(M+1)
【0196】
実施例8 4−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))ピリミジン−2−イルアミン 26
4−メチルピリミジン−2−イルアミン(8.0g、0.073mol)が入ったクロロホルム溶液(320mL)に、N−ブロモスクシンイミド(13.7g、0.077mol)を添加した。反応混合物を暗室で18時間撹拌した。LC/MSは反応が完了したことを示した。混合物をDCMで希釈し、次いで1N NaOH水溶液及びブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して濃縮し、5−ブロモ−4−メチルピリミジン−2−イルアミン(12g、収率:86%)を得た。
【0197】
ジオキサン(140mL)に5−ブロモ−4−メチルピリミジン−2−イルアミン(5.0g、26mmol)、酢酸カリウム(7.83g、79.8mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(7.43g、29.2mmol)が入った混合物を窒素下で20分間撹拌した。1、1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン塩化パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(1.08g、1.33mmol)を反応混合物に添加した。反応混合物を窒素下で115℃に18時間加熱した。完了後、混合物を冷却し、EtOAcを添加した。得られた混合物を超音波で分解し、濾過した。追加のEtOAcを使用して、固体を洗浄した。混合有機抽出物を水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させて濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーで精製し、20〜100% EtOAc/ヘキサンで溶出させ、4.5gの4−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))ピリミジン−2−イルアミン 26(収率:74%)を得た。
1H-NMR(DMSO, 400 MHz): δ 8.28(s, 1H), 6.86(br s, 2H), 2.35(s, 3 H), 1.25(s, 12 H).MS(ESI)m/e(M+H
+)236.15, 154.07.
【0198】
実施例101 5−(4−モルホリノ−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン 101
工程1: (2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸エチル エステル
ジオキサン(100mL)に2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−オール(3.0g、15.0mmol)、エチルグリコラート(16.7mL、17.3mmol)、トリフェニルホスフィン(4.5g、17.3mmol)及びDIAD(3.4mL、17.3mmol)が入った混合物を室温で18時間撹拌し、次いで真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中勾配0−15% 酢酸エチル)で精製し、(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸エチル エステルを白色の固体(2.67g、62%)として得た。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 4.77(2 H, s), 4.28(2 H, q, J = 7.14 Hz), 1.32(3 H, t, J = 7.15 Hz).
【0199】
工程2: (2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸エチルエステル
IMS(50mL)に(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸 エチルエステル(2.67g、9.35mmol)、モルホリン(815μL、9.35mmol)及びトリエチルアミン(2.6mL、18.7mmol)が入った混合物を室温で2時間撹拌し、その後反応物を真空で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配した。水性相を追加の酢酸エチルで抽出し、混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸エチルエステル(2.97g、95%)を得た。LCMS: R
T = 3.35 min, [M+H]
+ = 336/338/340.
【0200】
工程3: 2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エタノール
(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸エチルエステル(188mg、0.56mmol)が入ったTHF溶液(2.5mL)に、−78℃でDIBAL−H(2.0mL、2.0mmol、THF中1M 溶液)を添加し、得られた混合物を30分にわたって0℃に温めた。反応混合物をメタノール及びロッシェル塩(1M 水溶液)でクエンチし、水を酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エタノールを油(156mg、95%)として得た。LCMS: R
T = 2.60min, [M+H]
+ = 294/296/298.
【0201】
工程4: 2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン
2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エタノール(145mg、0.49mmol)が入ったTHF溶液(5mL)に、水素化ナトリウム(59mg、1.50mmol、鉱油中60%分散)を添加し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジンを白色の固体(114mg、90%)として得た。LCMS: R
T = 2.62min, [M+H]
+ = 258/260.
【0202】
工程5: ジオキサン(5mL)及び水に2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(114mg、0.44mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(196mg、0.88mmol)、PdCl
2dppf.DCM(36mg、0.04mmol)及び炭酸セシウム(430mg、1.32mmol)が入った混合物を脱気し、次いで100℃で2時間加熱した。更に、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(100mg、0.44mmol)、PdCl
2dppf.DCM(36mg、0.04mmol)を添加し、混合物を100℃で更に2時間加熱した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮した。得られた残留物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中勾配0−10% メタノール)で精製し、次いでジエチルエーテルで粉砕し、101(37mg、27%)を得た。LCMS: R
T = 2.75min, [M+H]
+= 317.
1H NMR(400 MHz, DMSO): δ 8.90(2 H, s), 7.01(2 H, s), 4.42-4.36(2 H, m), 4.25-4.18(2 H, m), 3.70(8 H, s).
【0203】
実施例102 5−[(6R)−6−メチル−4−モルホリノ−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]ピリミジン−2−アミン 102
工程1: (R)−2−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロピオン酸エチルエステル
ジオキサン(5mL)に2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−オール(600mg、3.01mmol)、(R)−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル(411μL、3.60mmol)、トリフェニルホスフィン(906mg、3.45mmol)及びDIAD(678μL、3.45mmol)が入った混合物を室温で18時間撹拌し、その後真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中勾配0−25% 酢酸エチル)で精製し、(R)−2−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロピオン酸 エチル エステル(522mg、52%)を得た。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 4.30-4.16(2 H, m), 4.12(1 H, q, J = 7.14 Hz), 1.70(3 H, d, J = 6.78 Hz), 1.29(3 H, t, J = 7.19 Hz).
【0204】
工程2: (R)−2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロピオン酸 エチル エステル
エタノール(15mL)に(R)−2−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロピオン酸 エチル エステル(522mg、1.74mmol)、モルホリン(152μL、1.74mmol)及びトリエチルアミン(484μL、3.48mmol)が入った混合物を室温で18時間撹拌し、次いで酢酸エチルと水との間で分配した。水性相を追加の酢酸エチルで抽出し、混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、(R)−2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロピオン酸 エチル エステル(490mg、80%)を得た。LCMS: R
T = 3.57 min, [M+H]
+ = 350/352.
【0205】
工程3: (R)−2−クロロ−6−メチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン
(R)−2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロピオン酸 エチル エステル(175mg、0.50mmol)が入ったTHF溶液(5mL)に、DIBAL−H(2.0mL、2.0mmol、THF中1M 溶液)を−78℃で添加し、得られた混合物を30分にわたって0℃に温めた。反応混合物をロッシェル塩(1M 水溶液)でクエンチし、水を酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮した。得られた残留物をTHF(10mL)中に取り出し、得られた溶液に、水素化ナトリウム(60mg、1.50mmol、鉱油中60%分散)を添加し、得られた混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、(R)−2−クロロ−6−メチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジンを白色の固体(157mg、定量)として得た。LCMS: R
T = 2.89 min, [M+H]
+ = 272/274.
【0206】
工程4: n−ブタノール(2.25mL)及び水(0.25mL)に(R)−2−クロロ−6−メチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(65mg、0.24mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(80mg、0.36mmol)、Pd(OAc)
2(1mg、10mol%)、(S)−phos(4.1、20mol%)及び三塩基性リン酸カリウム(106mg、0.50mmol)が入った混合物を脱気し、ついで、100℃で18時間加熱した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中勾配0−5% メタノール)で精製し、102を得た。LCMS: R
T = 3.09 min, [M+H]
+ = 331.
1H NMR(400 MHz, DMSO): δ 9.15(2 H, s), 5.73(2 H, s), 4.44(1 H, dd, J = 11.44, 2.17 Hz), 4.31-4.24(1 H, m), 4.08(1 H, dd, J = 11.45, 8.21 Hz), 3.89-3.73(8 H, m), 1.42(3 H, d, J = 6.38 Hz).
【0207】
実施例103 5−(7−メチル−4−モルホリノ−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン 103
工程1: (2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸
THF(10mL)及び水(2.5mL)に(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸エチルエステル(581mg、1.73mmol)が入った溶液に、LiOH(951μL、1.90mmol、2M 水溶液)を添加し、得られた混合物を室温で2.5時間撹拌した。反応混合物を1M HClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸を白色の固体(515mg、97%)として得た。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 4.59(2 H, s), 3.93-3.87(4 H, m), 3.81-3.75(4 H, m).
【0208】
工程2: 2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−N−メトキシ−N−エチル−アセトアミド
DCM(5mL)に(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸(722mg、2.34mmol)及びCDI(493mg、3.04mmol)が入った混合物を室温で1.5時間撹拌し、その後トリエチルアミン(457μL、3.28mmol)及びO,N−ジメチル−ヒドロキシルアミン 塩酸塩(320mg、3.28mmol)を添加した。得られた混合物を18時間撹拌し、次いで1M HClでクエンチした。水性層をDCMで抽出し、混合有機抽出物をブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−N−メトキシ−N−エチル−アセトアミドを黄色の油(830mg、定量)として得た。LCMS: R
T = 2.83 min, [M+H]
+ =351/353/355.
【0209】
工程3: 1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロパン−2−オン
2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−N−メトキシ−N−エチル−アセトアミド(200mg、0.60mmol)が入ったTHF溶液(4mL)に、メチルマグネシウム臭化物(1.28mL、1.79mmol、THF/トルエン中1.4M 溶液)を−78℃で添加し、得られた混合物を室温に温め、3時間撹拌した。得られた混合物を1M HClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物をブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロパン−2−オンを白色の固体(146mg、80%)として得た。LCMS: R
T = 2.90 min, [M+H]
+ = 306/308/310.
【0210】
工程4: 1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロパン−2−オール
1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロパン−2−オン(146mg、0.48mmol)が入ったTHF溶液(5mL)に、DIBAL−H(580μL、0.58mmol、トルエン中1M 溶液)を−78℃で添加し、得られた混合物を0℃に温め、1.5時間撹拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、その後追加のDIBAL−H(480μL、0.48mmol)を添加し、混合物を0℃に温め、2時間撹拌した。反応混合物をロッシェル塩(1M 水溶液)でクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物をブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロパン−2−オール(148mg、定量)を得た。LCMS: R
T = 2.84 min, [M+H]
+ = 308/310/312.
【0211】
工程5: 2−クロロ−7−メチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン
1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−プロパン−2−オール(148mg、0.48mmol)が入ったTHF溶液(8mL)に、水素化ナトリウム(58mg、1.44mmol、鉱油中60%分散)を添加し、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、2−クロロ−7−メチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジンをオフホワイトの固体として得た(139mg、定量)。LCMS: R
T = 2.94 min, [M+H]
+ = 272/274.
【0212】
工程6: アセトニトリル(1.2mL)に2−クロロ−7−メチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(99mg、0.36mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(97mg、0.44mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(28mg、0.04mmol)及び炭酸ナトリウム(1.2mL、1.20mmol、1M 水溶液)が入った混合物を脱気し、次いでマイクロ波照射を使用して140℃で25分間加熱した。反応混合物を濾過し、酢酸エチルでフラッシュした。濾液相を分離し、水性層を酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中勾配0−4% メタノール)で精製し、次いでジエチル エーテルで粉砕し、103を白色の固体として得た(12mg、11%)。LCMS: R
T = 3.06 min, [M+H]
+ = 331.
1H NMR(400 MHz, DMSO): δ 8.90(2 H, s), 7.01(2 H, s), 4.57-4.47(1 H, m), 4.36(1 H, dd, J = 11.41, 2.34 Hz), 3.82(1 H, dd, J = 11.43, 7.60 Hz), 3.77-3.61(8 H, m), 1.34(3 H, d, J = 6.44 Hz)
【0213】
実施例104 5−(7,7−ジメチル−4−モルホリノ−6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン 104
工程1: 1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−メチル−プロパン−2−オール
実施例101で得た(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸エチルエステル(2.45g、7.29mmol)が入ったTHF溶液(100mL)に、メチルマグネシウム臭化物(14.58mL、43.74mmol、ジエチル エーテル中3.0M 溶液)を−78℃で添加し、得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−メチル−プロパン−2−オールを琥珀色のゴムとして得た(2.18g、93%)。LCMS: R
T = 3.00 min, [M+H]
+ = 322/324/326.
【0214】
工程2: 2−クロロ−7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン
1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−メチル−プロパン−2−オール(2.18g、6.77mmol)が入ったTHF溶液(150mL)に、水素化ナトリウム(812mg、20.31mmol、鉱油中60%分散)を添加し、得られた混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮した。得られた残留物をシクロヘキサンで粉砕し、2−クロロ−7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジンを白色の固体として得た(1.35g、70%)。LCMS: R
T = 3.03 min, [M+H]
+ = 286/288.
【0215】
工程3: 5−(7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン
アセトニトリル(7mL)に2−クロロ−7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(285mg、1.00mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(440mg、1.99mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(70mg、0.10mmol)及び炭酸ナトリウム(3.3mL、3.3mmol、1M 水溶液)が入った混合物を脱気し、次いでマイクロ波照射を使用して120℃で30分間加熱した。反応混合物をメタノール及びDCMで希釈し、珪藻土に吸収させた。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中勾配0−4% メタノール、次いでSiO
2、シクロヘキサン中勾配0−100% 酢酸エチル)で精製し、104を白色の固体として得た(245mg、71%)。LCMS: R
T = 3.28 min, [M+H]
+= 345.
1H NMR(400 MHz, DMSO): δ 8.90(2 H, s), 7.00(2 H, s), 3.97(2 H, s), 3.70(8 H, s), 1.35(6 H, s).
【0216】
実施例105 5−[4−モルホリノ−7−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]ピリミジン−2−アミン 105
工程1: 2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−7−トリフルオロメチル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン
マイクロ波バイアルを2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−オール(200mg、1.00mmol)及び2−トリフルオロメチル−オキシラン(429μL、5.01mmol)で充填し、次いで密封した。反応混合物を95℃で48時間加熱し、その後冷却して真空で濃縮した。得られた残留物をIMS(5mL)に溶解させ、次いでトリエチルアミン(198μL、1.42mmol)及びモルホリン(83μL、0.95mmol)処理した。オレンジの混合物を室温で18時間撹拌し、その後真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中勾配0−20% 酢酸エチル)で精製し、2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−7−トリフルオロメチル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジンを白色の固体として得た(105mg、32%)。LCMS: R
T = 3.20 min, [M+H]
+ = 326/328.
【0217】
工程2: マイクロ波バイアルを2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−7−トリフルオロメチル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(105mg、0.32mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(143mg、0.64mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(23mg、0.03mmol)及び炭酸ナトリウム(1.06mL、1.06mmol、1M 水溶液)が入ったアセトニトリル(1.6mL)で充填し、その後ベッセルを空にしてアルゴン(x3)で再び満たした。マイクロ波を使用して、混合物を120℃で30分間加熱した。反応混合物をH
2O/DCM/メタノールで希釈し、次いで珪藻土に吸収させ、その後カラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中勾配0−4% メタノール、次いでSiO
2、次いでシクロヘキサン中勾配0−90% 酢酸エチル)で精製し、続いて、ジエチル エーテル中で粉砕し、105を白色の固体として得た(60mg、49%)。LCMS: R
T = 3.52 min, [M+H]
+= 385.
1H NMR(400 MHz, DMSO): δ 8.92(2 H, s), 7.08(2 H, s), 5.51-5.41(1 H, m), 4.53-4.41(2 H, m), 3.78-3.65(8 H, m)
【0218】
実施例106 5−(4−モルホリノスピロ[6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−7,1’−シクロプロパン]−2−イル)ピリミジン−2−アミン 106
工程1: 1−(2,6−ジクロロ−5−メトキシ−ピリミジン−4−イルオキシ)−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
2,4,6−トリクロロ−5−メトキシ−ピリミジン(213mg、1.00mmol)及び1−ヒドロキシ−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(139mg、1.20mmol)が入ったTHF溶液(4mL)に、水素化ナトリウム(48mg、1.20mmol、鉱油中60%分散)を−78℃で添加した。得られた混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、1−(2,6−ジクロロ−5−メトキシ−ピリミジン−4−イルオキシ)−シクロプロパンカルボン酸メチルエステルを白色の固体として得た(300mg、定量)。LCMS: R
T = 3.49 min, [M+H]
+ = 341/343/345.
【0219】
工程2: [1−(2,6−ジクロロ−5−メトキシ−ピリミジン−4−イルオキシ)−シクロプロピル]−メタノール
1−(2,6−ジクロロ−5−メトキシ−ピリミジン−4−イルオキシ)−シクロプロパン−カルボン酸メチルエステル(293mg、1.00mmol)が入ったDCM溶液(8mL)に、DIBAL−H(4.00mL、4.00mmol、THF中1M 溶液)を−78℃で添加し、得られた混合物を0℃に温め、90分間撹拌した。反応混合物をメタノール、続いてロッシェル塩(1M 水溶液)でクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、[1−(2,6−ジクロロ−5−メトキシ−ピリミジン−4−イルオキシ)−シクロプロピル]−メタノールを油として得た(220mg、83%)。LCMS: R
T = 2.86 min, [M+H]
+ 195/197/199.
【0220】
工程3: 2,4−ジクロロ−6−(1−ヒドロキシメチル−シクロプロポキシ)−ピリミジン−5−オール
[1−(2,6−ジクロロ−5−メトキシ−ピリミジン−4−イルオキシ)−シクロプロピル]−メタノール(800mg、3.02mmol)及び塩化リチウム(600mg、14.15mmol)が入った無水DMF(3mL)を、マイクロ波照射を使用して140℃で10分間加熱し、次いで真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中勾配0−5% メタノール)で精製し、2,4−ジクロロ−6−(1−ヒドロキシメチル−シクロプロポキシ)−ピリミジン−5−オール(300mg、40%)を得た。LCMS: R
T= 2.52 min, [M-H]
- = 249/251/253.
【0221】
工程4: 7−シクロプロピル−2,4−ジクロロ−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン
2,4−ジクロロ−6−(1−ヒドロキシメチル−シクロプロポキシ)−ピリミジン−5−オール(135mg、0.54mmol)及びトリフェニルホスフィン(180mg、0.65mmol)が入ったTHF溶液(8mL)に、DIAD(128μL、0.65mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌して、次いで真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中勾配0−25% 酢酸エチル)で精製し、7−シクロプロピル−2,4−ジクロロ−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジンを白色の固体として得た(90mg、72%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 4.30(2H, s), 1.36-1.29(2H, m), 1.01-0.95(2H, m).
【0222】
工程5: 2−クロロ−7−シクロプロピル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン
IMS(3mL)に7−シクロプロピル−2,4−ジクロロ−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(93mg、0.40mmol)、モルホリン(150μL、1.71mmol)及びリエチルアミン(80μL、0.57mmol)が入った混合物を、マイクロ波照射を使用して140℃で35分間加熱し、その後真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中0−20% 酢酸エチル)で精製し、2−クロロ−7−シクロプロピル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジンを白色の固体として得た(98mg、87%)。LCMS: R
T = 3.02 min, [M+H]
+ = 284/286.
【0223】
工程6: アセトニトリル(4mL)に2−クロロ−7−シクロプロピル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(98mg、0.34mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(144mg、0.65mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(25mg、0.035mmol)及び炭酸ナトリウム(1.0mL、1.0mmol、1M 水溶液)が入った混合物を脱気し、次いでマイクロ波照射を使用して120℃で30分間加熱した。反応混合物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物を逆相HPLC(Phenomenex Gemini 5μm C18、水中0.1% HCO
2H、アセトニトリル 5−98%の勾配)で精製し、106を白色の固体として得た(41mg、35%)。LCMS: R
T = 3.24 min, [M+H]
+ = 343.
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 9.12(2H, s), 5.20(2H, broad s), 4.16(2H, s), 3.82(8H, s), 1.29(2H, t, J = 6.89 Hz), 0.88(2H, t, J = 6.88 Hz).
【0224】
実施例107 5−(6−シクロプロピル−4−モルホリノ−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン 107
工程1: シクロプロピル−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸メチルエステル
2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−オール(250mg、1.25mmol)、シクロプロピル−ヒドロキシ−酢酸メチルエステル(245mg、1.88mmol)及びトリフェニルホスフィン(493mg、1.88mmol)が入ったTHF溶液(12mL)に、DIAD(370μL、1.88mmol)を滴下した。得られた懸濁液を18時間撹拌し、その後ジオキサン(10mL)を添加し、反応物を更に6時間撹拌した。不均一混合物を真空で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中勾配0−30% 酢酸エチル)で精製し、シクロプロピル−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸メチルエステルを白色の固体として得た(224mg、32%)。LCMS: R
T = 3.66 min, [M+H]
+ = 311/313/315.
【0225】
工程2: シクロプロピル−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸メチルエステル
シクロプロピル−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸メチルエステル(224mg、0.72mmol)が入ったIMS懸濁液(4mL)に、トリエチルアミン(150μL、1.08mmol)、続いてモルホリン(63μL、0.72mmol)を添加した。黄色の溶液を室温で2.5時間撹拌し、その後真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中勾配0−20% 酢酸エチル)で精製し、シクロプロピル−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸メチルエステルを無色のゴムとして得た(233mg、89%)。
1H NMR(CDCl
3): δ 3.99(1 H, d, J = 9.54 Hz), 4.03-3.83(4 H, m), 3.80-3.75(4H, m), 3.78(3 H, s), 1.32-1.21(1 H, m), 0.70-0.57(2 H, m), 0.52-0.45(1 H, m), 0.33-0.26(1 H, m).
【0226】
工程3: 2−シクロプロピル−2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エタノール
シクロプロピル−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸 メチル エステル(233mg、0.64mmol)が入ったTHF溶液(6.5mL)に、窒素雰囲気下でDIBAL−H(1.93mL、1.93mmol、トルエン中1.0M)を−78℃で滴下した。反応混合物を室温に温め、20分間撹拌し、その後ロッシェル塩(15mL、1M 水溶液)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(3x30mL)で抽出し、混合有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、次いで真空で濃縮し、2−シクロプロピル−2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エタノールを無色のゴムとして得た(215mg、定量)。
1H NMR(CDCl
3): δ 3.94-3.88(2 H, m), 3.87-3.82(4 H, m), 3.79-3.73(4 H, m), 3.48-3.41(1 H, m), 1.11-0.99(1 H, m), 0.60-0.51(1 H, m), 0.51-0.42(1 H, m), 0.19-0.11(1 H, m), 0.03- -0.05(1 H, m).
【0227】
工程4: 2−クロロ−6−シクロプロピル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン
2−シクロプロピル−2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エタノール(215mg、0.64mmol)が入ったTHF溶液(10mL)に、水素化ナトリウム(71mg、1.93mmol、鉱油中65%分散)を添加し、反応物を2時間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(15mL)及び水(5mL)でクエンチし、次いで酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。混合有機相をブライン(15mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、次いで真空で濃縮し、2−クロロ−6−シクロプロピル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジンを白色の固体として得た(191mg、定量)。LCMS: R
T = 3.18 min, [M+H]
+ = 298/300.
【0228】
工程5: マイクロ波バイアルを2−クロロ−6−シクロプロピル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(191mg、0.64mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(283mg、1.28mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(45mg、0.06mmol)、炭酸ナトリウム(2.11mL、2.11mmol、1M 水溶液)及びアセトニトリル(2.5mL)で充填した。ベッセルを密封し、次いで空にして、アルゴン(x3)で再び満たし、その後マイクロ波照射を使用して120℃で30分間加熱した。反応混合物を濾過し、その後カラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中勾配0−4% メタノール)で精製した。得られた残留物をジエチル エーテルで粉砕し、107を白色の固体として得た(21mg、9%)。LCMS: R
T = 3.54 min, [M+H]
+ = 357.
1H NMR(400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.89(2 H, s), 7.00(2 H, s), 4.53(1 H, dd, J = 11.48, 2.34 Hz), 4.22(1 H, dd, J = 11.50, 7.87 Hz), 3.75-3.67(8 H, m), 3.65-3.58(1 H, m), 1.01-0.99(1 H, m), 0.63-0.55(2 H, m), 0.51-0.42(2 H, m).
【0229】
実施例108 5−(7−tert−ブチル−4−モルホリノ−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン 108
工程1: 3,3−ジメチル−1−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−ブタン−2−オール
2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−オール(400mg、2.01mmol)と2−tert−ブチル オキシラン(3mL)の混合物を100℃で3時間加熱し、その後冷却して真空で濃縮した。得られた残留物を熱メタノール中で粉砕し、不溶性物質を除去した。濾液を真空で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中0−15% 酢酸エチル)で精製し、3,3−ジメチル−1−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−ブタン−2−オールを白色の固体として得た(275mg、52%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 4.28(1 H, dd, J = 9.38, 2.19 Hz), 4.00(1 H, t, J = 9.19 Hz), 3.76-3.69(1 H, m), 2.53(1 H, d, J = 3.48 Hz), 0.95(9 H, s).
【0230】
工程2: 1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−3,3−ジメチル−ブタン−2−オール
3,3−ジメチル−1−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−ブタン−2−オール(275mg、1.05mmol)が入ったIMS(3mL)溶液に、トリエチルアミン(291μL、2.09mmol)、続いてモルホリン(100μL、1.15mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。反応物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、次いで酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、次いで真空で濃縮し、1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−3,3−ジメチル−ブタン−2−オール(255mg、77%)を得た。LCMS: R
T = 3.57 min, [M+H]
+ = 350/352/354.
【0231】
工程3: 7−tert−ブチル−2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン
1−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−3,3−ジメチル−ブタン−2−オール(255mg、0.73mmol)が入ったTHF溶液(10mL)に、水素化ナトリウム(87mg、2.18mmol、鉱油中60%分散)を添加し、混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、次いで酢酸エチル(x2)で抽出した。混合有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、次いでシリカパッドを通し、酢酸エチルで溶出させた。関連画分を真空で濃縮し、7−tert−ブチル−2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジンを白色の固体として得た(250mg、100%)。LCMS: R
T = 3.64 min, [M+H]
+ = 314/316.
【0232】
工程4: マイクロ波バイアルを7−tert−ブチル−2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(50mg、0.16mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(70mg、0.32mmol)及びビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(11mg、0.02mmol、10mol%)で充填し、次いで密封した。ベッセルを空にし、窒素で再び満たし、その後炭酸ナトリウム(0.25mL、0.25mmol、1M 水溶液)及びアセトニトリル(0.75mL)を添加した。マイクロ波照射を使用して混合物を150℃で30分間加熱し、その後混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中0−5% メタノール)で精製し、次いでシクロヘキサン/ジエチルエーテルで粉砕し、108を白色の固体として得た(13mg、22%)。LCMS: R
T = 4.04 min, [M+H]
+= 373.
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 9.14(2 H, s), 5.25(2 H, s), 4.44(1 H, dd, J = 11.08, 1.92 Hz), 3.99(1 H, dd, J = 8.97, 1.89 Hz), 3.91-3.69(9 H, m), 1.12(9 H, s).
【0233】
実施例109 3−(7,7−ジメチル−4−モルホリノ−6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)フェノール 109
マイクロ波バイアルを実施例104で得た2−クロロ−7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(50mg、0.18mmol)、3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノール(58mg、0.26mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(12mg、0.02mmol)及び炭酸ナトリウム(0.5mL、0.5mmol、1M 水溶液)が入ったアセトニトリル(1.5mL)で充填し、次いで空にし、窒素で再び満たし、その後マイクロ波照射を使用して120℃で30分間加熱した。反応混合物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテルで粉砕して精製し、109を白色の固体として得た(38mg、63%)。LCMS: R
T = 4.13 min, [M+H]
+ = 344.
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 7.87-7.82(2 H, m), 7.26(1 H, t, J = 7.6 Hz), 6.91(1 H, dd, J = 2.4, 7.6 Hz), 3.92(2 H, s), 3.90-3.80(8 H, m), 1.47(6 H, s).
【0234】
実施例110 2−(2−メトキシピリミジン−5−イル)−7,7−ジメチル−4−モルホリノ−6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン 110
マイクロ波バイアルを実施例104で得た2−クロロ−7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(50mg、0.18mmol)、2−メトキシピリミジン−5−イルボロン酸(42mg、0.27mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(12mg、0.02mmol)及び炭酸ナトリウム(0.5mL、0.5mmol、1M 水溶液)が入ったアセトニトリル(1.5mL)で充填し、次いで空にし、窒素で再び満たし、その後マイクロ波照射を使用して120℃で加熱した。反応混合物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテルで粉砕して精製し、110を白色の固体として得た(30mg、17%).LCMS: R
T = 4.18 min, [M+H]
+ = 360.
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 9.33(2 H, s), 4.07(3 H, s), 3.92(2 H, s), 3.83(8 H, s), 1.47(6 H, s)
【0235】
実施例111 5−(7,7−ジメチル−4−モルホリノ−6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)ピリジン−2−アミン 111
マイクロ波バイアルを実施例104で得た2−クロロ−7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(50mg、0.18mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミン(58mg、0.26mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(12mg、0.02mmol)及び炭酸ナトリウム(0.5mL、0.5mmol、1M 水溶液)が入ったアセトニトリル(1.5mL)で充填し、次いで空にし、窒素で再び満たし、その後マイクロ波照射を使用して120℃で30分間加熱した。反応混合物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物を逆相HPLC(Phenomenex Gemini 5μm C18、水中0.1% HCO
2H、アセトニトリル5−98%の勾配)で精製し、111を白色の固体として得た(32mg、53%)。LCMS: R
T = 2.73 min, [M+H]
+= 344.
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 9.01(1 H, d, J = 2.1 Hz), 8.33(1 H, dd, J = 2.1, 8.5 Hz), 6.50(1 H, d, J = 8.5 Hz), 4.61(2 H, broad s), 3.89(2 H, s), 3.86-3.77(8 H, m), 1.43(6 H, s)
【0236】
実施例112 N−[4−(7,7−ジメチル−4−モルホリノ−6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)フェニル]アセトアミド 112
マイクロ波バイアルを実施例104で得た2−クロロ−7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(50mg、0.18mmol)、N−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−アセトアミド(69mg、0.26mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(12mg、0.02mmol)及び炭酸ナトリウム(0.5mL、0.5mmol、1M 水溶液)が入ったアセトニトリル(1.5mL)で充填し、次いで空にし、窒素で再び満たし、その後マイクロ波照射を使用して120℃で30分間加熱した。反応混合物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物を逆相HPLC(Phenomenex Gemini 5μm C18、水中0.1% HCO
2H、アセトニトリル 5−98%の勾配)で精製し、112を白色の固体として得た(40mg、59%)。LCMS: R
T = 2.73 min, [M+H]
+ = 344.
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 8.28(2 H, d, J = 8.8 Hz), 7.54(2 H, d, J = 8.8 Hz), 7.22(1 H, broad s), 3.90(2 H, s), 3.87-3.78(8 H, m), 2.19(3H, s), 1.46(6 H, s)
【0237】
実施例113 5−(7,7−ジメチル−4−モルホリノ−6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)−N−メチル−ピリジン−2−アミン 113
マイクロ波バイアルを実施例104で得た2−クロロ−7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(50mg、0.18mmol)、メチル−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン−2−イル]−カルバミン酸 tert−ブチル エステル(88mg、0.26mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(12mg、0.02mmol)及び炭酸ナトリウム(0.5mL、0.5mmol、1M 水溶液)が入ったアセトニトリル(1.5mL)で充填し、次いで空にし、窒素で再び満たし、その後マイクロ波照射を使用して120℃で30分間加熱した。反応混合物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物を逆相HPLC(Phenomenex Gemini 5μm C18、水中0.1% HCO
2H、アセトニトリル 5−98%の勾配)で精製し、113を白色の固体として得た(20mg、32%)。LCMS: R
T = 2.79 min, [M+H]
+= 358.
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 9.04(1 H, d, J = 2.4 Hz), 8.35(1 H, dd, J = 2.4, 8.6 Hz), 6.39(1H, d, J = 8.6 Hz), 4.84(1 H, broad s), 3.89(2 H, s), 3.85-3.76(8 H, m), 2.97(3 H, d, J = 5.2 Hz), 1.45(6 H, s)
【0238】
実施例114 N−[3−(7,7−ジメチル−4−モルホリノ−6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)フェニル]メタンスルホンアミド 114
マイクロ波バイアルを実施例104で得た2−クロロ−7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(50mg、0.18mmol)、3−(メタンスルホニルアミノ)フェニルボロン酸(57mg、0.27mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(12mg、0.02mmol)及び炭酸ナトリウム(0.5mL、0.5mmol、1M 水溶液)が入ったアセトニトリル(1.5mL)で充填し、次いで空にし、窒素で再び満たし、その後マイクロ波照射を使用して120℃で30分間加熱した。反応混合物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物を逆相HPLC(Phenomenex Gemini 5μm C18、水中0.1% HCO
2H、アセトニトリル 5−98%の勾配)で精製し、114を白色の固体として得た(11mg、15%)。LCMS: R
T = 4.22 min, [M+H]
+ = 421.
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 8.19-8.12(1 H, m), 8.05-8.02(1 H, m), 7.44-7.37(2 H, m), 6.34(1 H, broad s), 3.92(2 H, s), 3.88-3.79(8 H, m), 3.00(3 H, s), 1.47(6 H, s)
【0239】
実施例115 2−(1H−インドール−5−イル)−7,7−ジメチル−4−モルホリノ−6H−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン 115
マイクロ波バイアルを実施例104で得た2−クロロ−7,7−ジメチル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(50mg、0.18mmol)、5−インドリルボロン酸(42mg、0.26mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(12mg、0.02mmol)及び炭酸ナトリウム(0.5mL、0.5mmol、1M 水溶液)が入ったアセトニトリル(1.5mL)で充填し、次いで空にし、窒素で再び満たし、その後マイクロ波照射を使用して120℃に30分間加熱した。反応混合物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物を逆相HPLC(Phenomenex Gemini 5μm C18、水中0.1% HCO
2H、アセトニトリル 5−98%の勾配)で精製し、115を白色の固体として得た(11mg、17%)。LCMS: R
T = 4.37 min, [M+H]
+ = 367.
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 8.67(1 H, s), 8.28-8.20(2 H, m), 7.39(1 H, d, J = 8.6 Hz), 7.23-7.19(1 H, m), 6.61(1 H, broad s), 3.91(2 H, s), 3.90-3.82(8 H, m), 1.48(6 H, s)
【0240】
実施例118 5−(7−シクロプロピル−4−モルホリノ−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン 118
工程1: (tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロプロピル−酢酸メチルエステル
シクロプロピル−ヒドロキシ−酢酸メチルエステル(1.00g、7.68mmol)が入ったDCM溶液(9mL)に、tert−ブチルジメチルシリル 塩化物(1.27g、8.45mmol)及びイミダゾール(628mg、9.22mmol)を添加した。反応混合物を室温で65時間撹拌し、その後水(10mL)及び1M HCl(5mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(3x15mL)で抽出し、混合有機相を1M HCl(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、次いで真空で濃縮した。これにより(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロプロピル−酢酸メチルエステルを琥珀色の油(1.66g、88%)として得た。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 3.81(1 H, d, J = 6.33 Hz), 3.74(3 H, s), 1.23-1.13(1 H, m), 0.89(9 H, s), 0.52-0.0.38(4 H, m), 0.06(3 H, s), 0.04(3 H, s).
【0241】
工程2: 2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−シクロプロピル−エタノール
(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロプロピル−酢酸メチルエステル(1.66g、6.79mmol)が入ったDCM溶液(27mL)に、窒素雰囲気下でDIBAL−H(20.37mL、20.37mmol、トルエン中1.0M)を−78℃で滴下した。反応混合物を−78℃で2.5時間撹拌し、次いで0℃で1時間撹拌し、その後ロッシェル塩(30mL、1M 水溶液)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(3x30mL)で抽出し、混合有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−シクロプロピル−エタノールをペールオレンジの油として得た(764mg、52%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 3.66-3.49(2 H, m), 3.09(1 H, ddd, J = 7.96, 6.40, 3.80 Hz), 1.96(1 H, dd, J = 7.43, 5.46 Hz), 0.91(9 H, s), 0.91-0.82(1 H, m), 0.57-0.43(2 H, m), 0.34-0.24(1 H, m), 0.23-0.14(1 H, m), 0.11(3 H, s), 0.07(3 H, s).
【0242】
工程3: 5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−シクロプロピル−エトキシ]−2,4,6−トリクロロ−ピリミジン
2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−オール(250mg、1.25mmol)、2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−シクロプロピル−エタノール(407mg、1.88mmol)及びトリフェニルホスフィン(493mg、1.88mmol)が入ったTHF溶液(12mL)に、DIAD(370μL、1.88mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、その後真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中勾配0−30% 酢酸エチル)で精製し、5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−シクロプロピル−エトキシ]−2,4,6−トリクロロ−ピリミジンを粘性の黄色の油として得た(411mg、83%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 4.14(1 H, dd, J = 8.83, 6.02 Hz), 3.99(1 H, dd, J = 8.82, 4.21 Hz), 3.60-3.53(1 H, m), 1.13-1.03(1 H, m), 0.89(9 H, s), 0.56-0.50(2 H, m), 0.46-0.28(2 H, m), 0.10(3 H, s), 0.07(3 H, s).
【0243】
工程4: 4−{5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−シクロプロピル−エトキシ]−2,6−ジクロロ−ピリミジン−4−イル}−モルホリン
5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−シクロプロピル−エトキシ]−2,4,6−トリクロロ−ピリミジン(411mg、1.03mmol)が入ったIMS溶液(5mL)に、トリエチルアミン(215μL、1.55mmol)、続いてモルホリン(94μL、1.08mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、その後真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中勾配0−20%酢酸エチル)で精製し、4−{5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−シクロプロピル−エトキシ]−2,6−ジクロロ−ピリミジン−4−イル}−モルホリンを無色のゴムとして得た(387mg、84%)。LCMS: R
T = 5.22 min, [M+H]
+ = 448/450/452.
【0244】
工程5: 1−シクロプロピル−2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エタノール
4−{5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−シクロプロピル−エトキシ]−2,6−ジクロロ−ピリミジン−4−イル}−モルホリン(386mg、0.86mmol)が入ったTHF溶液(10mL)に、TBAF(947μL、0.95mmol、THF中1.0M 溶液)を滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、その後反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(3x20mL)で抽出し、次いで混合有機相をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、勾配0−50% 酢酸エチル)で精製し、1−シクロプロピル−2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エタノールを無色のゴムとして得た(196mg、68%)。LCMS: R
T = 3.04 min, [M+H]
+ = 334/336.
【0245】
工程6: 2−クロロ−7−シクロプロピル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン
1−シクロプロピル−2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エタノール(196mg、0.59mmol)が入ったTHF溶液(10mL)に、水素化ナトリウム(65mg、1.77mmol、鉱油中65%分散)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(15mL)でクエンチし、次いで酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。混合有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、2−クロロ−7−シクロプロピル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジンを白色の固体として得た(205mg、定量)。LCMS: R
T = 3.19 min, [M+H]
+ = 298/300.
【0246】
工程7: マイクロ波バイアルを2−クロロ−7−シクロプロピル−4−モルホリン−4−イル−6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン(205mg、0.49mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(324mg、1.47mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(51mg、0.07mmol)、炭酸ナトリウム(2.41mL、2.41mmol、1M 水溶液)及びアセトニトリル(2.5mL)で充填した。ベッセルを密封し、次いで空にして、アルゴン(x3)で再び満たし、その後マイクロ波照射を使用して120℃で30分間加熱した。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中勾配0−4% メタノール)、次いでジエチルエーテル/ペンタン中で粉砕した。得られた残留物を逆相HPLC(Phenomenex Gemini 5μm C18、水中0.1% HCO
2H、メタノール10−98%の勾配)で精製し、118をオフホワイトの固体として得た(4.5mg、3%)。LCMS: R
T = 3.52 min, [M+H]
+ = 357.
1H NMR(400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.91(2 H, s), 7.01(2 H, s), 4.40(1 H, dd, J = 11.38, 2.41 Hz), 4.01(1 H, dd, J = 11.41, 7.52 Hz), 3.80-3.60(9 H, m), 1.11-0.98(1 H, m), 0.69-0.41(4 H, m).
【0247】
実施例119 5−(8−メチル−4−モルホリノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリミド[5,4−b][1,4]オキサジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン 119
工程1: メチル−[2−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
ジオキサン(2.5mL)に2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−オール(300mg、1.50mmol)、(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(300mg、1.71mmol)、トリフェニルホスフィン(455mg、1.73mmol)及びDIAD(339μL、1.73mmol)が入った混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中勾配0−50% 酢酸エチル)で精製し、メチル−[2−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(666mg、定量)を得た。LCMS: R
T = 3.09 min, [M-Boc+Na]
+ = 279.
【0248】
工程2: [2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
エタノール(5mL)にメチル−[2−(2,4,6−トリクロロ−ピリミジン−5−イルオキシ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.50mmol)、モルホリン(130μL、1.50mmol)及びトリエチルアミン(417μL、3.00mmol)が入った混合物を室温で1時間撹拌し、次いで酢酸エチルと水との間で分配した。水性相を追加の酢酸エチルで抽出し、混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮し、[2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(定量)を得た。LCMS: R
T = 3.89 min, [M-CH
2CH
2NMeBoc+H]
+= 250/252/254.
【0249】
工程3: 2−クロロ−8−メチル−4−モルホリン−4−イル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリミド[5,4−b][1,4]オキサジン
メタノール(10mL)に[2−(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−エチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.50mmol)及び4M HClが入った混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで真空で濃縮し、エタノールと共沸混合した。得られた残留物をメタノール(10mL)中で溶解させ、次いでトリエチルアミン(3.0mL)で処理し、混合物を室温で30分間撹拌し、その後真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中勾配0−50% 酢酸エチル)で精製し、2−クロロ−8−メチル−4−モルホリン−4−イル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリミド[5,4−b][1,4]オキサジン(368mg、3工程を通して91%)。LCMS: R
T = 2.94 min, [M+H]
+ = 271/273.
【0250】
工程4: ジオキサン(5mL)及び水(0.5mL)に2−クロロ−8−メチル−4−モルホリン−4−イル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリミド[5,4−b][1,4]オキサジン(120mg、0.44mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(196mg、0.88mmol)、PdCl
2dppf.DCM(36mg、0.04mmol)及び炭酸セシウム(573mg、1.76mmol)が入った混合物を脱気し、100℃で18時間加熱した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。混合有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空で濃縮した。得られた残留物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中勾配0−5% メタノール)で精製し、次いでジエチルエーテルで粉砕し、119(357mg、24%)を得た。LCMS: R
T = 3.04 min, [M+H]
+ = 330.
1H NMR(400 MHz, DMSO): δ 8.94(2 H, s), 6.92(2 H, s), 4.16(2 H, t, J = 4.37 Hz), 3.67(4 H, t, J = 4.57 Hz), 3.52(4 H, t, J = 4.56 Hz), 3.48(2 H, t, J = 4.36 Hz), 3.13(3 H, s).
【0251】
実施例120 2−(2−アミノピリミジン−5−イル)−8−メチル−4−モルホリノ−6H−ピリミド[5,4−b][1,4]オキサジン−7(8H)−オン 120
工程1: 2−クロロ−8−メチル−4−モルホリン−4−イル−8H−ピリミド[5,4−b][1,4]オキサジン−7−オン
IMS(10mL)に(2,4−ジクロロ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−酢酸エチルエステル(501mg、1.49mmol)、メチルアミン(1.0mL、2.0mmol、THF中2M)及びトリエチルアミン(250μL、1.79mmol)が入った混合物を、マイクロ波照射を使用して140℃で35分間加熱した。反応混合物を真空で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、シクロヘキサン中0−20% 酢酸エチル)で精製し、2−クロロ−8−メチル−4−モルホリン−4−イル−8H−ピリミド[5,4−b][1,4]オキサジン−7−オン(159mg、38%)を得た。LCMS: R
T = 2.93 min, [M+H]
+ = 285/287.
【0252】
工程2: アセトニトリル(4mL)に2−クロロ−8−メチル−4−モルホリン−4−イル−8H−ピリミド[5,4−b][1,4]オキサジン−7−オン(100mg、0.35mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イルアミン(116mg、0.53mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(25mg、0.035mmol)及び炭酸ナトリウム(1.0mL、1.0mmol、1M 水溶液)が入った混合物を脱気し、次いでマイクロ波照射を使用して120℃で30分間加熱した。反応混合物をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジにロードし、これをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中の2M アンモニアで溶出させた。塩基性画分を混合し、真空で濃縮した。得られた残留物を逆相HPLC(Phenomenex Gemini 5μm C18、水中0.1% HCO
2H、アセトニトリル 5−98%の勾配)で精製し、120を白色の固体として得た(86mg、71%)。LCMS: R
T = 3.04 min, [M+H]
+ = 344.
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 9.14(2H, s), 5.25(2H, broad s), 4.62(2H, s), 3.81(8H, s), 3.49(3H, s).
【0253】
実施例901 p110α(アルファ)PI3K結合アッセイ
結合アッセイ:最初の偏極実験を、Analyst HT(登録商標)96−384(Molecular Devices Corp, Sunnyvale, CA.)上で実施した。偏光バッファー(10mM トリス pH7.5、50mM NaCl、4mM MgCl
2、0.05%Chaps、及び1mM DTT)中の20μg/mLの最終濃度で開始するp110アルファPI3Kの1:3段階希釈物(Upstate Cell Signaling Solutions, Charlottesville, VA)を10mM PIP
2(Echelon-Inc., Salt Lake City, UT.)の最終濃度に加えることにより、蛍光偏光親和性測定のための試料を調製した。室温での30分のインキュベーション時間後、それぞれ100nM及び5nMの最終濃度のGRP−1及びPIP3−TAMRAプローブ(Echelon-Inc., Salt Lake City, UT.)を加えることによって反応を止めた。384ウェルの黒の低容量Proxiplates(登録商標)(PerkinElmer, Wellesley, MA.)中のローダミンフルオロフォア(λex=530nm;λem=590nm)について標準的なカットオフフィルターで読み取る。蛍光偏光値をタンパク質濃度の関数としてプロットし、KaleidaGraph(登録商標)ソフトウェア(Synergy software, Reading, PA)を使用してデータを4パラメータ式にフィットさせることによってEC
50値を得た。この実験はまた、阻害剤を用いた続く競合実験において使用する適切なタンパク質濃度を確立する。
【0254】
PIP
2(10mMの最終濃度)と混合した0.04mg/mLのp110アルファPI3K(最終濃度)を、偏光バッファー中の25mMの最終濃度のATP(Cell Signaling Technology, Inc., Danvers, MA)中のアンタゴニストの1:3段階希釈物を含むウェルに加えることにより、阻害剤のIC
50値を決定した。室温での30分のインキュベーション時間後、それぞれ100nM及び5nMの最終濃度のGRP−1及びPIP3−TAMRAプローブ(Echelon-Inc., Salt Lake City, UT.)を加えることによって反応を止めた。384ウェルの黒の低容量PROXIPLATES(登録商標)(PerkinElmer, Wellesley, MA.)中のローダミンフルオロフォア(λex=530nm;λem=590nm)について標準的なカットオフフィルターで読み取る。蛍光偏光値をアンタゴニスト濃度の関数としてプロットし、Assay Explorer(登録商標)ソフトウェア(MDL, San Ramon, CA.)においてデータを4パラメータ式にフィットさせることによってIC
50値を得た。
【0255】
あるいは、精製した組換え酵素及びATPを1μMの濃度で使用した放射測定アッセイにおいてPI3Kの阻害を決定した。式Iの化合物を100%のDMSOで段階希釈した。キナーゼ反応物を室温で1時間インキュベートし、PBSを添加することによって反応を終わらせた。続いて、シグモイド用量応答曲線の当てはめ(可変勾配)を使用して、IC
50値を決定した。
【0256】
実施例902 インビトロ細胞増殖アッセイ
式Iの化合物の有効性を、次のプロトコル(Promega Corp. Technical Bulletin TB288; Mendoza et al (2002) Cancer Res. 62: 5485-5488)を用いた細胞増殖アッセイによって測定した:
1 培地中に約10
4の細胞を含む細胞培養物(PC3(前立腺がん)、Detroit562(咽頭癌)、又はMDAMB361.1(乳がん))の100μlのアリコートを、384ウェルの不透明な壁のプレートの各ウェルに沈着させた。
2 培地を含み細胞を伴わないコントロールウェルを調製した。
3 化合物を実験ウェルに添加し、3−5日間インキュベートした。
4 プレートを室温におよそ30分間平衡化した。
5 各ウェル中に存在する細胞培養培地の体積と等しい体積のCellTiter−Glo(登録商標)試薬を加えた。
6 内容物をオービタルシェーカーで2分間混合し、細胞溶解を誘発した。
7 プレートを室温で10分間インキュベートし、発光シグナルを安定化させた。
8 発光を記録し、RLU=相対発光単位としてグラフで報告した。
【0257】
あるいは、細胞を96ウェルプレートに最適密度で播種し、試験化合物の存在下で4日間インキュベートした。続いて、Alamar Blue
TMをアッセイ培地に添加し、細胞を6時間インキュベートした後、544nmの励起、590nmの発光で読み取った。シグモイド用量反応曲線の当てはめを使用してEC
50値を計算した。EC
50なる用語は、最大半減有効濃度を示し、ある特定暴露時間後に薬剤が基準値と最大値との間の途中の反応を誘発する濃度のことである。この用語は、通常、薬効の測定値として使用される。
【0258】
式Iの例示的化合物の抗増殖効果を、次のものを含む様々な腫瘍細胞株に対するCellTiter−Glo(登録商標)アッセイによって測定した。
【0259】
実施例903 Caco−2透過率
Caco−2細胞を1x10
5細胞/cm
2でMillipore Multiscreen(登録商標)プレート上に播種し、20日間培養した。続いて、化合物透過率の評価を実施した。化合物を細胞単層の頂端表面(A)に塗布し、基底側(B)コンパートメントへの化合物透過を測定した。
これを逆方向(B−A)で行い、能動輸送を調べる。膜を通る化合物の透過速度の測定値である各化合物についての透過係数値P
appを計算する。化合物を、確立されたヒト吸収性を持つコントロール化合物との比較に基づき、低い(P
app</=1.0x10
6cm/s)又は高い(P
app>/=1.0x10
6cm/s)吸着電位に分類する。
【0260】
能動流出を被る化合物の能力の評価では、頂端側(A)に対する基底側(B)輸送の比を、Bに対するAと比較して決定した。B−A/A−B>/=1.0の値が能動細胞流出の発生を示す。
【0261】
実施例904 肝細胞クリアランス
凍結保存されたヒト肝細胞の懸濁液を使用する。0.5x10
6個の生存細胞/mLの細胞密度で1mM又は3μMの化合物濃度でインキュベーションを実施する。インキュベーション中の最終DMSO濃度は約0.25%である。コントロールインキュベーションもまた細胞の非存在下で行い、非酵素的分解を明らかにする。2組の試料(50μL)を、0、5、10、20、40及び60分(コントロール試料は60分のみ)でインキュベーション混合物から取り除き、内部標準を含むメタノール(100μL)に添加し、反応を終了させる。トルブタミド、7−ヒドロキシクマリン、及びテストステロンをコントロール化合物として使用してもよい。試料を遠心分離し、各時点での上清をLC−MSMSによる分析のためにプール化する。時間に対するlnピーク面積比(親化合物ピーク面積/内部標準ピーク面積)のプロットから、固有クリアランス(CL
int)を次のように計算する:CL
int(μl/分/100万個細胞)=V×k(ここで、kは、時間に対してプロットしたln濃度の勾配から得た排出速度定数であり;Vは、インキュベーション体積から算出される体積用語であり、10
6細胞
−1として表される)。
【0262】
実施例905 シトクロムP450阻害
式Iの化合物を、約100μMの最高濃度での約10通りの濃度で、2組、CYP450ターゲット(1A2、2C9、2C19、2D6、3A4)に対してスクリーニングしてもよい。標準的阻害剤(フラフィリン、スルファフェナゾール、トラニルシプロミン、キニジン、ケトコナゾール)はコントロールとして使用してもよい。プレートは蛍光モードにおいてBMG LabTechnologies PolarStar
TMを使用して読んでもよい。
【0263】
実施例906 シトクロムP450誘導
単一のドナーから新鮮に単離されたヒト肝細胞を、三通りの濃度の式Iの化合物の添加前に約48時間培養し、72時間インキュベートしてもよい。CYP3A4及びCYP1A2のためのプローブ基質を、インキュベーション終了前、30分間及び1時間添加する。72時間で、細胞及び培地を除去し、各プローブ基質の代謝の程度をLC−MS/MSによって定量化する。実験を、一つの濃度で3組でインキュベートした個々のP450の誘導物質を使用することによって制御する。
【0264】
実施例907 血漿タンパク質結合
式Iの化合物の溶液(5μm、0.5%の最終DMSO濃度)を、バッファー及び10%血漿(バッファー中v/v)中で調製する。96ウェルHT透析プレートを、各ウェルが半透性セルロース膜によって2つに分割されるように構成する。バッファー溶液を膜の一側に加え、血漿溶液を他側に加える。次いで、37℃で2時間にわたり3組、インキュベーションを行う。続いて、細胞を出し、化合物の各バッチの溶液を二群(血漿非含有及び血漿含有)に組み合わせ、次いで血漿非含有(6ポイント)及び血漿含有(7ポイント)溶液についての2セットの較正標準を使用してLC−MSMSによって分析する。化合物についての画分未結合値を計算する。
【0265】
実施例908 hERGチャネル遮断
確立された流束法を使用して、hERGカリウムチャネルを安定して発現しているHEK−294細胞からのルビジウム流出を調節する能力について、式Iの化合物を評価する。RbClを含む培地中で細胞を調製し、96ウェルプレートに播種し、一晩増殖させて単層を形成させる。培地を吸引し、各ウェルを3×100μLのプレインキュベーションバッファー(低[K
+]を含む)で室温で洗浄することによって流出実験を開始する。最後の吸引後、50μLの操作用ストック(2×)化合物を各ウェルに添加し、室温で10分間インキュベートする。次いで、50μLの刺激バッファー(高[K+]を含む)を各ウェルに加え、最終試験化合物濃度とする。次いで、細胞プレートを室温で更に10分間インキュベートする。次いで、各ウェルからの80μLの上清を96ウェルプレートの同等のウェルに移し、原子発光分光法を介して分析する。化合物を、100μMの最高濃度からの10ポイントの二組のIC
50曲線(n=2)としてスクリーニングする。
【0266】
実施例909 インビボ腫瘍異種移植
NCRヌードマウス(Taconic Farms, IN)に対し、5百万個のU−87 MG Merchant(ATCC, Manassas, VAからのU−87 MG細胞由来の自社変異型)細胞をHBSS/Matrigel(1:1、v/v)で右胸部側面に皮下接種した。腫瘍異種移植を有するマウスに対し、類似する大きさの腫瘍を有する、異なる用量のグループに分けた後、強制飼養により、薬剤又はビヒクルを<28日間毎日経口投与した。研究中、腫瘍の大きさを少なくとも週に二回記録した。マウスの体重も少なくとも週に二回記録し、マウスを毎日観察した。腫瘍体積をUltra Cal−IVキャリパー(モデル54−10−111;Fred V. Fowler Co., Inc.; Newton, MA)を使用して、二つの垂直寸法(長さ及び幅)で測定し、Excel v.11.2(Microsoft Corporation; Redmond, WA)を使用して分析した。GraphPad Prism
TM, Version 5.0c(GraphPad Software, Inc.; La Jolla, CA)を使用して、腫瘍阻害グラフをプロットした。腫瘍体積は以下の式で計算した:
腫瘍の大きさ(mm
3)=(長方向の長さx短方向の長さ
2)x0.5
【0267】
Adventurer Pro
TM AV812スケール(Ohaus Corporation;Pine Brook, NJ)を使用して、動物の体重を測定した。グラフは、GraphPad Prism
TM, Version 5.0cを使用して生成した。体重変化パーセントは以下の式を使用して計算した:
個体のパーセント体重変化=((新体重/当初体重)−1)x100。
【0268】
腫瘍体積が2000mm
3を超えたか又は体重減少が開始時の体重の20%を超えたマウスは、規制ガイダンスによって安楽死させた。
【0269】
研究終了時(EOS)の腫瘍増殖(% TGI)は、以下の式を使用して計算した:
%TGI=(1−[(AUC/日)
治療÷(AUC/日)
コントロール])X100
(ここで、AUC/日は、自然縮尺上の当てはめ腫瘍増殖曲線下面積を研究日数で除したものである)。Log2(腫瘍体積)増殖痕は、各グループにおける固定時間及び用量効果に関して、制限三次スプラインで各用量グループに当てはめた。当てはめは、R version 2.12.0中のR package‘nlme’, version 3.1−97(11)(R Development Core Team 2008; R Foundation for Statistical Computing; Vienna, Austria)を使用して、直線混合効果モデルを介して行った。
【0270】
部分反応(PR)は、いかなる研究日においても完全寛解(CR)とならなかった開始時の腫瘍体積における>50%減少として定義された。CRは、任意の研究日での開始時の腫瘍体積における100%減少として定義された。研究腫瘍発生率(STI)は、最後の腫瘍体積測定に関して、測定可能な腫瘍があったグループにおける動物数を反映した。
【0271】
直線混合効果分析はまた、経時的及び用量に応じた体重のパーセント変化をモデル化するために用いた。
【0272】
実施例910 ホスホAKT誘導アッセイ
6−well組織培養プレートに、一晩1ウェル当たり5x10
5細胞で細胞を播種した。細胞をEC
80の式Iの化合物で処理した。処理後、細胞を冷たいPBSで一度洗浄し、プロテアーゼ阻害剤(Roche, Mannheim, Germany)を補充した、Biosource(Carlsbad, CA)からの1X細胞抽出バッファー(Cell Extraction Buffer)、1mM PMSF、並びにSigma(St. Louis, MO)からのホスファターゼ阻害剤カクテル(Phosphatase Inhibitor Cocktails)1及び2に溶解させた。タンパク質濃度の決定は、Pierce BCA Protein Assay Kit(Rockford, IL)を使用して実施した。pAkt(Ser
473)のレベル及び総Aktは、Biosource(Carlsbad, CA)からのビーズキット及びLuminex
TM Bio−Plexシステム(Bio-Rad, Hercules, CA)を使用して評価した。
【0273】
実施例911 血液脳関門活性/透過アッセイ MDCKI−MDR1及びMDCKII−Bcrp1アッセイ
ヒトPgpか又はマウスBcrp1を異種発現させるメイディン・ダービー(Madin−Darby)イヌ腎臓(MDCK)細胞は、化合物がこれらの輸送体の基質であるかを決定するのに使用され、したがって血液脳関門透過の可能性を評価する。MDR1−MDCKI細胞は、NCI(National Cancer Institute, Bethesda, MD)から認可を受けており、Bcrp1−MDCKII細胞は、Netherlands Cancer Institutes(Amsterdam, The Netherlands)から入手した。細胞を、使用の4日前に(ポリエステル膜、1μM 細孔径; Millipore; Billerica, MA)1.3x10
5細胞/mLの播種密度で、24ウェルMilliporeフィルタープレート上に播種した。頂端側から基底側(A−B)及び基底側から頂端側(B−A)の方向において、化合物を5μMで試験した。10mM HEPES(Invitrogen Corporation, Grand Island, NY)を伴うハンクス平衡塩類溶液(HBSS)からなる輸送体バッファーに化合物を溶解させた。Lucifer Yellow(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)を傍細胞マーカーとして使用した。A−B及びB−A方向における見掛透磁率(P
app)は、以下の方程式を使用してインキュベーション2時間後に計算した:
P
app=(dQ/dt)x1/C
0x1/A
(ここで、dQ/dtは、レシーバー区画における化合物出現の速度であり、C
0はドナー区画における濃度であり、Aは挿入物の表面積である)。P
app(B−A)/P
app A−B)として定義されるEfflux Ratioは、試験される輸送体(P−糖タンパク又はbcrp1)を伴う化合物により被った活性流出の程度を評価するのに使用した。化合物は、LC−MS/MSにより分析した。
【0274】
以下を含む、式Iの典型的な化合物について、ラットにおける脳タンパク質結合を測定した。
【0275】
実施例912 脳内化合物濃度の決定
投薬後1及び6時間後に、各時点で異なる3動物から脳を収集し、非常に冷たい生理食塩水で洗い流し、計量し、分析するまで−80℃で保管した。化合物の定量化のため、マウスの脳を3水量で均質化した。ホモジネートを内部標準を含むアセトニトリルで、タンパク質沈殿により抽出した。LC−MS/MS分析を実施した。脳対血漿比の計算のため、脳ホモジネート濃度を、脳濃度に変換した。
【0276】
実施例913 脳内PI3K経路調節の測定
PI3K経路調節の分析のため、10mM トリス pH7.4、100mM NaCl、1mM EDTA、1mM EGTA、1mM NaF、20mM Na
4P
2O
7、2mM Na
3VO
4、1% トリトン X−100、10% グリセロール、0.1% SDS、及び0.5% デオキシコレートを含む細胞抽出バッファー(Invitrogen, Camarillo, CA)に、ホスファターゼ、プロテアーゼ阻害剤(Sigma, St. Louis, MO)及び1mM PMSFを補充し、凍った脳生検に添加した。投薬後1及び6時間後に収集した脳を小さな乳棒(Konte Glass Company, Vineland, NJ)で均質化し、氷上で簡単に超音波で分解し、20,000gで20分間、4℃で遠心分離器にかけた。タンパク質濃度をBCAタンパク質アッセイ(Pierce, Rockford, IL)を使用して決定した。タンパク質を電気泳動法で分離し、NuPageニトロセルロース膜(Invitrogen, Camarillo, CA)に変換した。Licor Odyssey
TM赤外線探知システム(Licor, Lincoln, NE)を使用して、タンパク質発現を評価し、定量化した。PI3K経路マーカーをpAkt
ser473及び総Akt(Invitrogen, Camarillo, CA及びCell Signaling, Danvers, MA)に対する抗体を使用した免疫ブロット法により評価した。
【0277】
実施例914 脳腫瘍インビボ有効性アッセイ
CD−1ヌードマウス(Charles River Laboratories, Hollister, CA)に対し、定位手術下で、自社設計のGS−2(ヒト多形性膠芽腫)細胞を頭蓋内に接種し、HBSSにルシフェラーゼを発現させた。細胞接種の四週間後に磁気共鳴映像法(MRI)により脳異種移植が確認されたマウスに対し、類似する大きさの腫瘍を有するグループに分けた後、強制飼養により、薬剤又はビヒクルを28日間一日一回経口投与した。28日投薬期間の最後にMRI(4.7T、Varian, Inc., Palo Alto, CA)を繰り返し、治療に対する反応を評価した。
【0278】
マウスの体重を少なくとも週に二回記録し、マウスを毎日観察した。Adventurer Pro
TMAV812スケール(Ohaus Corporation; Pine Brook, NJ)を使用して、動物の体重を測定した。グラフは、GraphPad Prism, Version 5.0cを使用して生成した。体重変化パーセントは以下の式を使用して計算した:
個体のパーセント体重変化=((新体重/当初体重)−1)x100。体重減少が開始時の体重の20%を超えたマウスは、規制ガイダンスによって安楽死させた。
【0279】
各動物を撮像した二回にわたる直線として、腫瘍体積変化をモデル化した。R version 2.12.0中のR package‘nlme’, version 3.1−97(11)(R Development Core Team 2008; R Foundation for Statistical Computing; Vienna, Austria)を使用して、これらのデータに直線混合効果モデルを当てはめた。混合効果モデルは、個々のマウスに対する経時的な反復測定を考慮し、マウス内の相関を適切に扱う。また、直線混合効果分析を用いて経時的な体重変化率をモデル化した。
【0280】
薬物動態学的(PK)、薬力学的(PD)、及び/又は免疫組織化学的(IHC)分析のための最終治療の投与後2及び8時間に血漿及び脳試料を収集した。
【0281】
実施例915 インビボ腫瘍異種移植PK/PD研究
NCRヌードマウス(Taconic Farms, IN)に対し、5百万個のU−87 MG Merchant(ATCC, Manassas, VAからのU−87 MG細胞由来の自社変異型)細胞をHBSS/Matrigel
TM, BD Biosciences(1:1、v/v)で右胸部側面に皮下接種した。>600mm
3の腫瘍異種移植を有するマウスに対し、類似する大きさの腫瘍を有するグループに分けた後、薬剤又はビヒクルを一度投与した。PK、PD、及び/又はIHC分析のための治療投与後1、4、12、及び24時間に、血漿、皮下腫瘍異種移植、骨格筋、及び脳試料を収集した。
【0282】
「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及び「含む(includes)」なる用語は、本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、定められた特徴、整数、成分、又は工程の存在を特定することを意図するが、一つ又は複数の他の特徴、整数、成分、工程、又はその群の存在又は追加を除外しない。
【0283】
前述の発明は、明瞭さと理解を目的として、例示及び実施例によっていくらか詳細に記載したが、かかる例示及び実施例は、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。本明細書で引用される全ての特許及び科学文献の開示は、参照によりその全文が明示的に援用される。