特許第6022946号(P6022946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6022946
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】車両を制御するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B62K 17/00 20060101AFI20161027BHJP
   B62K 3/00 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   B62K17/00
   B62K3/00
【請求項の数】17
【全頁数】59
(21)【出願番号】特願2012-555209(P2012-555209)
(86)(22)【出願日】2011年2月28日
(65)【公表番号】特表2013-521174(P2013-521174A)
(43)【公表日】2013年6月10日
(86)【国際出願番号】US2011026472
(87)【国際公開番号】WO2011106772
(87)【国際公開日】20110901
【審査請求日】2014年2月21日
(31)【優先権主張番号】61/308,659
(32)【優先日】2010年2月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506401738
【氏名又は名称】セグウェイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・エム・スティーブンス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・デイビッド・ハインツマン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・エイ・ハッセー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・シー・シェイファー
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/028133(WO,A1)
【文献】 特開2009−006919(JP,A)
【文献】 特開2007−203965(JP,A)
【文献】 特表2010−500220(JP,A)
【文献】 特開2008−131821(JP,A)
【文献】 特開2009−101899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 17/00
B62K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のスピードを制御するための方法であって、
前記車両は以下を備え:
・支持体、
・少なくとも1つの車輪、
・前記少なくとも1つの車輪と連結したプラットフォーム、
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする)
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する)
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、前記少なくとも1つの車輪と連結し、前記少なくとも1つの車輪に動力を送り、前記車両を駆動させ、及び所望の方向に前記プラットフォームを維持する)、並びに
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する)、
前記方法は以下のステップを含む該方法:
・前記プラットフォームを所望の方向に維持している間、前記少なくとも1つの車輪が下表面に適用するトルクを、ピッチ制御部を用いて制御するステップ;及び
・前記連結組立体のプラットフォーム部の位置に対する前記連結構造部の支持部の位置を、摺動位置制御部を用いて決定するステップ
(ここで、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させるコマンドを前記作動装置に送る摺動位置制御部により、前記少なくとも1つの車輪が下表面に適用するトルクを制御する)。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の特定の位置を特定し、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両に関する所望のスピードを達成するステップを含む該方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記特定の位置が前記車両の稼働モードに基づいて決定される該方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、以下のステップを含む該方法:
・車両スピードコマンド値をユーザー又は制御部から受け取るステップ、及び
・前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両スピードコマンド値を達成するステップ。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、以下のステップを含む該方法:
前記少なくとも1つの車輪からのスピードフィードバック信号、連結構造部スピード、又はその両方を受け取り、
前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両のスピードを制御するコマンドを前記連結構造部に送るステップ。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記制御部はスピードリミッタ・モジュールを備え、
該制御部は、以下の動作を行うために設計される該方法:
該動作とは、スピード・コマンド信号のサイズに行わせる動作であり、
該サイズに行わせる動作とは、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクに行わせる動作であり、
該トルクに行わせる動作とは、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を所定時間にわたって変化させることに応じて、前記車両のスピードを所定時間強制することである。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである該方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記連結構造部が四節連動部である該方法。
【請求項9】
請求項1の方法であって、
前記方法は、更に以下のステップを含む該方法:
・前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を決定するステップ;及び
・前記車両の動的平衡をとっている間、前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を制御し、前記車両の重心の位置を動かすステップ。
【請求項10】
請求項に記載の方法であって、前記車両が、コマンド送信された下表面に対する静止位置にあり、且つ前記支持体が少なくとも実質的に水平である間、前記プラットフォーム部に対する前記支持部を動かして、前記車両の動的平衡をとるステップを含む該方法。
【請求項11】
請求項に記載の方法であって、車両の重心の位置の変化に応じて、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させるステップを含む該方法。
【請求項12】
請求項に記載の方法であって、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する前記ステップが、車両の車頭/車尾のスピードコマンド、ヨーレートコマンド、又はその両方に応じて実行され、1以上の所定の条件を満たす該方法。
【請求項13】
請求項に記載の方法であって、前記車両が所定の操作モードで稼動しているときに、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する前記ステップが実行される該方法。
【請求項14】
請求項に記載の方法であって、車両の発進及び着陸モードの間、位置を制御する前記ステップを不能化するステップを含む該方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、位置を制御する前記ステップを、前記発進モードから平衡モードへ前記車両が入った後で、可能化するステップを含む該方法。
【請求項16】
請求項に記載の方法であって、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである該方法。
【請求項17】
請求項に記載の方法であって、前記連結構造部が四節連動部である該方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な車両の制御に関する。具体的には、電気的な車両の動きの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトを対象として輸送する目的で、広い範囲の車両及び方法が公知となっている。典型的には、こうした車両は、静的な安定性を拠り所とし、下表面に関して地表接触するメンバーの設置に関するあらゆる予想条件の下での安定性を目的として設計されている。例えば、前記自動車の重心に作用する重力ベクトルは、前記自動車の車輪の接地点の間を通過する。そして、前記自動車のサスペンションは、常に全ての車輪を地表に維持して、前記自動車を安定させる。けれども、そうでなければ安定である車両を不安定にする幾つかの条件(例えば、スピードの増加及び減少、急速なターン、及び急な坂)がある。
【0003】
動的に安定化した車両は、平衡車両としても知られているが、前記車両が稼働している間、前記車両の安定性を能動的に維持する制御システムを有する一種の車両である。2つの横並びに配置された車輪のみ有する車両においては、例えば、前記制御システムは以下のステップによって、前記車両の車頭−車尾(fore and aft)に関する安定性を維持している:前記車両の向きを連続的に感知すること;安定性を維持するのに必要な補正動作を決定すること;及び、前記補正動作を行うために車両モーターにコマンドを送ること。もしも、前記車両が安定性を維持する能力を喪失すれば(例えば、部品の故障又は充分なパワーの欠如等により)、前記ヒト被験者は急激な平衡(バランス)の喪失を経験する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
安定した足跡を維持する車両に関しては、ステアリングの制御と、前記車両の前方への動きの制御とを連結させることは、さほど関わりはない。典型的な道路の条件の下では、曲がり角等を通して、車輪を地表に接触させるという手段によって、安定性を維持している。しかし、2つの横並びに配置された車輪を有する平衡車両においては、1以上の車輪に適用される任意のトルクが前記車両の安定性に影響する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概要
一態様において、本発明は、以下を特徴とする:
車両のスピードを制御するための方法であって、
前記車両は以下を備え:
・支持体、
・少なくとも1つの車輪、
・前記少なくとも1つの車輪と連結したプラットフォーム、
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする)
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する)
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、前記少なくとも1つの車輪と連結し、前記少なくとも1つの車輪に動力を送り、前記車両を駆動させ、及び所望の方向に前記プラットフォームを維持する)、並びに
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する)、
前記方法は以下のステップを含む該方法:
・前記連結組立体のプラットフォーム部の位置に対する前記連結構造部の支持部の位置を決定するステップ;及び
・前記所望の方向に前記プラットフォームを維持している間、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させるコマンドを前記連結構造部に送ることにより、前記少なくとも1つの車輪が下表面に適用するトルクを制御するステップ。
【0006】
幾つかの実施形態において、前記方法は以下のステップを含む:前記プラットフォーム部に対する前記支持部の特定の位置を特定し、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両に関する所望のスピードを達成するステップ。
幾つかの実施形態において、前記特定の位置は前記車両の稼働モードに基づいて決定される。
幾つかの実施形態において、前記方法は、以下のステップを含む:
・車両スピードコマンド値をユーザー又は制御部から受け取るステップ、及び
・前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両スピードコマンド値を達成するステップ。
【0007】
幾つかの実施形態において、前記方法は、以下のステップを含む:
前記少なくとも1つの車輪からのスピードフィードバック信号、連結構造部スピード、又はその両方を受け取り、
前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両のスピードを制御するコマンドを前記連結構造部に送るステップ。
幾つかの実施形態において、
前記制御部はスピードリミッタ・モジュールを備え、
該制御部は、以下の動作を行うために設計される:
該動作とは、スピード・コマンド信号のサイズに行わせる動作であり、
該サイズに行わせる動作とは、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクに行わせる動作であり、
該トルクに行わせる動作とは、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を所定時間にわたって変化させることに応じて、前記車両のスピードを所定時間強制することである。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部は四節連動部である。
【0008】
本発明の別態様において、本発明は以下を特徴とする:
以下を備える車両:
・支持体、
・少なくとも1つの車輪、
・前記少なくとも1つの車輪と連結したプラットフォーム。
また前記車両は以下を備える: ・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする)。
また前記車両は以下を備える:
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する)。
また前記車両は以下を備える:
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、前記少なくとも1つの車輪と連結し、前記少なくとも1つの車輪に動力を送り、前記車両を駆動させ、及び所望の方向に前記プラットフォームを維持する)。
また前記車両は以下を備える:
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する)
{ここで、前記所望の方向に前記プラットフォームを維持している間、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させるコマンドを前記連結構造部に送ることにより、前記少なくとも1つの車輪が下表面車両に適用するトルクを制御する}。
【0009】
幾つかの実施形態において、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の特定の位置をコマンド送信し、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両に関する所望のスピードを達成するステップを含むように、前記制御部が設計される。
幾つかの実施形態において、以下のための入力装置を該車両が備える:
・車両スピードコマンド値をユーザー又は制御部から受け取る事、及び
・前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両スピードコマンド値を達成する事。
【0010】
幾つかの実施形態において、前記車両は:
車輪スピードセンサー及び連結構造部スピードセンサーを備え、
前記制御部へ信号を送り、
コマンドを前記連結構造部に送り、
前記コマンドは、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御し、前記車両のスピードを制御するためのコマンドである。
幾つかの実施形態において、前記車両は、スピードリミッタ・モジュールを備え、
該モジュールは該制御部に以下の動作を行わせるコマンドを送信するために設計される該車両である:
該動作とは、スピード・コマンド信号のサイズに行わせる動作であり、
該サイズに行わせる動作とは、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクに行わせる動作であり、
該トルクに行わせる動作とは、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を所定時間にわたって変化させることに応じて、前記車両のスピードを所定時間強制することである。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部が四節連動部である。
【0011】
本発明の別態様において、本発明は以下を特徴とする:
動的平衡車両に関する平衡マージンを維持するための方法。
前記車両は以下の物を備え:
・支持体、
・少なくとも1つの車輪、
・前記少なくとも1つの車輪に連結されたプラットフォーム
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする)、
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する)
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、前記少なくとも1つの車輪と連結し、前記車両の動的平衡をとり、前記少なくとも1つの車輪に動力を送り、前記車両を駆動させる)、並びに
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する)。
前記方法は以下のステップを含む:
・前記車両に関する現在稼動している車輪トルクを決定するステップ;
・前記車両の現在の車輪トルク能力を決定するステップ;並びに
・前記連結構造部を制御し、前記現在稼動している車輪トルク及び現在の車輪トルク能力に基づいて前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御し、前記車両の平衡に必要な推進能力マージンを維持するステップ。
【0012】
幾つかの実施形態において、前記方法は、前記連結構造部に対して、前記車両の平衡を維持する位置を命じるコマンドを送信することのみを可能にするステップを含む。
幾つかの実施形態において、
前記連結構造部は、位置に関するコマンドを送る動作のみ可能にされ、
該位置は、前記現在稼動している車輪トルク及び前記車両の平衡に必要なトルクの合計がモーター電流レベルを要求する位置であり、
該レベルは、前記車両の操作に動力を与えるために使用される電源のモーター電流であって、評価された利用可能な駆動モーター電流を下回るレベルである。
幾つかの実施形態において、前記方法は、コマンド送信された、測定された、又は評価された車頭/車尾のトルク、ヨートルク、又は両方に基づいて、前記車両のスピードを制御するステップを含む。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部は四節連動部である。
【0013】
本発明の別態様において、本発明は以下を特徴とする:
動的平衡車両であって、以下を備える該車両:
・支持体;
・少なくとも1つの車輪;
・前記少なくとも1つの車輪に連結されたプラットフォーム。
また、前記車両は以下を備える:
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする);
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する)。
また、前記車両は以下を備える:
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、前記少なくとも1つの車輪と連結し、前記車両の動的平衡をとり、前記少なくとも1つの車輪に動力を送り、前記車両を駆動させる)。 また、前記車両は以下を備える:
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する);
{ここで、
前記車両のスピードは、前記連結構造部に以下のコマンドを送信することによって制御される:
前記車両に関する現在稼動している車輪トルク及び現在の車輪トルク能力に基づいて前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御し、前記車両の平衡に必要な推進能力マージンを維持すること}。
【0014】
幾つかの実施形態において、
前記車両は位置センサーを備え、
該センサーは、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の実際の位置を決定するための物であり、
前記制御部は位置コマンドと実際の位置とを比較して、該比較に基づいて作動装置用のコマンドを出力する。
幾つかの実施形態において、前記車両は、前記制御部と連結した推進力リミッターモジュールを備え、前記連結構造部に対して、前記車両の平衡を維持する位置を命じるコマンドを送信することのみを可能にする。
幾つかの実施形態において、
前記推進力リミッターは、前記連結構造部が、位置に関するコマンドを送る動作のみ可能にするように設計され、
該位置は、前記現在稼動している車輪トルク及び前記車両の平衡に必要なトルクの合計がモーター電流レベルを要求する位置であり、
該レベルは、前記車両の操作に動力を与えるために使用される電源のモーター電流であって、評価された利用可能な駆動モーター電流を下回るレベルである。
【0015】
幾つかの実施形態において、
前記車両は、前記車両の車頭/車尾スピード、ヨーレート、又は両方に関するコマンドのためのユーザー入力装置を備え、
コマンド送信された、測定された、又は評価された車頭/車尾のトルク、ヨートルク、又は両方に基づいて、前記車両のスピードを制御するように前記制御部が設計される。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部は四節連動部である。
【0016】
本発明の別態様において、本発明は以下を特徴とする:
動的平衡車両の平衡を取るための方法。
前記車両は以下を備え:
・支持体、
・少なくとも1つの接地部、
・前記少なくとも1つの接地部と連結されたプラットフォーム、
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする)
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する)
・駆動部(drive)(ここで該駆動部は、
前記少なくとも1つの接地部に連結されて、前記車両の動的平衡をとり、
前記少なくとも1つの接地部に動力を送り前記車両を駆動させる)、並びに
・制御部(ここで、該制御部は、
前記駆動部に連結され、前記駆動部にコマンド送信し、及び、
前記作動装置に連結され、前記作動装置を制御する)。
前記方法は、以下のステップを含む:
・前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を決定するステップ;及び
・前記車両の動的平衡をとっている間、前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を制御し、前記車両重心の位置を動かすステップ。
【0017】
幾つかの実施形態において、前記方法は、前記車両が、コマンド送信された下表面に対する静止位置にあり、且つ前記支持体が少なくとも実質的に水平である間、前記プラットフォーム部に対する前記支持部を動かして、前記車両の動的平衡をとるステップを含む。
幾つかの実施形態において、前記方法は、車両の重心の位置の変化に応じて、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させるステップを含む。
幾つかの実施形態において、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する前記ステップが、車両の車頭/車尾のスピードコマンド、ヨーレートコマンド、又はその両方に応じて実行され、1以上の所定の条件を満たす。
【0018】
幾つかの実施形態において、前記車両が所定の操作モードで稼動しているときに、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する前記ステップが実行される。
幾つかの実施形態において、前記方法は、車両の発進及び着陸モードの間、位置を制御する前記ステップを不能化するステップを含む。
【0019】
幾つかの実施形態において、前記方法は、位置を制御する前記ステップを、前記発進モードから平衡モードへ前記車両が入った後で、可能化するステップを含む。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部は四節連動部である。
【0020】
本発明の別態様において、本発明は以下を特徴とする:
動的平衡車両であって、以下を備える前記車両:
・支持体;
・少なくとも1つの接地部;
・前記少なくとも1つの接地部と連結されたプラットフォーム。
また、前記車両は以下を備える:
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする)。
また、前記車両は以下を備える:
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する);
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、
前記少なくとも1つの接地部に連結され、前記車両の動的平衡をとり、
前記少なくとも1つの接地部に動力を送り、前記車両を駆動させる)。
また、前記車両は以下を備える:
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する)
{ここで、前記制御部は、以下の事により前記車両の平衡をとる:
・前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を決定すること、及び
・前記車両の動的平衡をとっている間、前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を制御し、前記車両重心の位置を動かすこと}。
【0021】
幾つかの実施形態において、前記車両が、コマンド送信された下表面に対する静止位置にあり、且つ前記支持体が少なくとも実質的に水平である間、前記プラットフォーム部に対する前記支持部を動かして、前記車両の動的平衡をとるために前記制御部が設計される。
幾つかの実施形態において、車両の重心の位置の変化に応じて、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させるように前記制御部が設計される。
幾つかの実施形態において、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する前記ステップが、車両の車頭/車尾のスピードコマンド、ヨーレートコマンド、又はその両方に応じて実行され、1以上の所定の条件を満たす。
幾つかの実施形態において、前記車両が所定の操作モードで稼動しているときに、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する前記ステップが実行される。
【0022】
幾つかの実施形態において、車両の発進及び着陸モードの間、位置を制御する前記ステップを不能化するように前記制御部が設計される。
幾つかの実施形態において、位置を制御する前記ステップを、前記発進モードから平衡モードへ前記車両が入った後で、可能化するように前記制御部が設計される。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである。
幾つかの実施形態において、前記連結構造部が四節連動部である該車両。
【0023】
本発明の別態様において、本発明は以下を特徴とする:
バッテリーにより電力供給される車両のためのモーター電流能力を決定するための方法。前記方法は、以下のステップを含む:
・以下に基づいて操作中の車両バッテリーに関する下降したバッテリー電圧を評価するステップ:
a)操作中の前記車両バッテリーに関する所定の最大予想バッテリーバス電流、
b)評価されたバッテリー開回路電圧、及び
c)評価されたバッテリー開回路抵抗。
また、前記方法は、以下のステップを含む: ・前記バッテリーにより電力供給される車両に関するモーター電流能力を以下に基づいて評価するステップ:
d)前記バッテリーにより電力供給される車両を駆動させるために使用されるモーターの稼動スピード、
e)前記モーターの逆起電力定数、
f)前記モーター巻線の電気抵抗、
g)前記下降したバッテリー電圧、
h)前記モーター巻線の電気的なインダクタンス、及び
i)前記モーターに関する磁極ペア数。
【0024】
幾つかの実施形態において、前記操作中の車両バッテリーに関する下降したバッテリー電圧は以下に従い評価される:
【数1】
{ここで、
【数2】
は、前記評価された下降バッテリー電圧であり、
【数3】
は、評価されたバッテリー開回路電圧であり、
【数4】
は、前記所定の最大予想バッテリーバス電流であり、及び
【数5】
は、前記評価されたバッテリー開回路抵抗である}
【0025】
幾つかの実施形態において、前記バッテリーにより電力供給される車両に関する前記モーター電流能力は以下に従い評価される:
【数6】
{ここで、
【数7】
は、前記モーター電流能力であり、
【数8】
は、前記モーターの稼動スピードであり、
【数9】
は、前記モーター巻線の線間逆起電力定数であり、
【数10】
は、前記モーター巻線の線間抵抗であり、
【数11】
は、前記モーターに関する磁極ペア数であり、及び
【数12】
は、前記モーター巻線の線間インダクタンスである}
【0026】
幾つかの実施形態において、前記方法は、前記バッテリーにより電力供給される車両に関する前記モーター電流能力を、前記モーターを駆動させるためのモーター駆動部の電流制限に基づいて制限するステップを含み、該制限は以下の式に従う:
【数13】
{ここで、
【数14】
は、前記モーター駆動部の前記電流制限である}
【0027】
幾つかの実施形態において、前記方法は、前記モーターの最大無負荷スピードに対して使用される前記モーターの稼動スピード値を
【数15】
に基づいて制限するステップを含み、該制限は以下の式に従う:
【数16】
{ここで、
【数17】
は、前記最大無負荷スピードである}
【0028】
本発明の別態様において、本発明は以下を特徴とする:
バッテリーにより電力供給される車両に関するモーター電流能力を決定するための装置。
前記装置は以下を備える:
・測定モジュール(ここで、該モジュールは:
前記バッテリーにより電力供給される車両を駆動させるために使用されるモーターの稼動スピードを測定するように設計される)。
また、前記装置は以下を備える:
・評価モジュール(ここで、該モジュールは以下の動作を行うように設計される:
以下に基づいて操作中の車両バッテリーに関する下降したバッテリー電圧を評価すること:
a)所定の最大予想バッテリーバス電流、
b)評価されたバッテリー開回路電圧、
c)評価されたバッテリー開回路抵抗。
また、評価モジュールは以下の動作を行うように設計される:
前記バッテリーにより電力供給される車両に関するモーター電流能力を以下に基づいて評価すること:
d)前記バッテリーにより電力供給される車両を駆動させるために使用されるモーターの稼動スピード、
e)前記モーターの逆起電力定数、
f)前記モーター巻線の電気抵抗、
g)前記下降したバッテリー電圧、
h)前記モーター巻線の電気的なインダクタンス、及び
i)前記モーターに関する磁極ペア数)。
【0029】
本発明の別態様において、本発明は以下を特徴とする:
電気的負荷(物)(electric load)に電力を供給するバッテリーの電気状態を評価するための方法。
前記方法は以下のステップを含む:
a)前記バッテリー電圧及び前記バッテリー電流の流れの値をある時間の第一のポイントで獲得するステップ;
b)バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れを監視するステップ;並びに
c)ある時間の前記第一及び第二ポイントの間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びにある時間の前記第一及び第二ポイントの間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超える場合に、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値をある時間の第二のポイントで獲得するステップ。
また、前記方法は以下のステップを含む:
d)ある時間における前記第一及び第二のポイントの間におけるバッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの変化に基づいて、バッテリー抵抗を計算するステップ;並びに
e)前記計算されたバッテリー抵抗、ある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電流の流れ、及びある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電圧に基づいて開回路のバッテリー電圧を計算するステップ。
【0030】
幾つかの実施形態において、前記方法は以下のステップを含む:
・ステップb)を繰り返すステップ;
・f)ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びに、ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超えたとき、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値を、ある時間の第三のポイントで獲得するステップ;
・ステップd)を繰り返すステップ;並びに
・ステップe)を繰り返すステップ。
【0031】
幾つかの実施形態において、前記方法は以下のステップを含む:
・ステップb)を繰り返すステップ;並びに
・f)ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びに、ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超えるまでは、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値を、ある時間の第三のポイントで獲得することを延期するステップ。
【0032】
幾つかの実施形態において、ステップe)は、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗から、所定のパーセンテージを超えて変化したかどうかを決定することを含む。
幾つかの実施形態において、前記方法は、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗に対して、所定のパーセンテージを超えて変化しない場合に、前記計算されたバッテリー抵抗に基づいて開回路バッテリー電圧を計算するステップを含む。
幾つかの実施形態において、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算された計算バッテリー抵抗に対して、所定のパーセンテージを超えて変化する場合、以前計算されたバッテリー抵抗に基づいて開回路バッテリー電圧を計算するステップを含む。
【0033】
幾つかの実施形態において、前記方法は、前記バッテリーによって電力供給される車両に関する所定の稼動条件の期間は、ステップc)、d)及びe)を中止するステップを含む。
幾つかの実施形態において、前記車両が、所定の期間、回復可能にブレーキをかけているとき、ステップc)、d)及びe)が中止される。
【0034】
本発明の別態様において、本発明は以下を特徴とする:
電気的負荷に電力を供給するバッテリーの電気状態を評価するための装置。
前記装置は、以下の物を備える:
・測定モジュール(ここで、該モジュールは以下の動作を行うために設計される:
a)前記バッテリー電圧及び前記バッテリー電流の流れの値をある時間の第一のポイントで獲得するステップ、
b)バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れを監視するステップ、並びに
c)ある時間の前記第一及び第二ポイントの間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びにある時間の前記第一及び第二ポイントの間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超える場合、ある時間の第二のポイントで前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値を獲得するステップ)。
また、前記装置は以下の物を備える:
・評価モジュール(ここで、該モジュールは以下の動作を行うために設計される。
d)ある時間における前記第一及び第二のポイントの間におけるバッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの変化に基づいてバッテリー抵抗を計算するステップ、並びに
e)前記計算されたバッテリー抵抗、ある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電流の流れ、及びある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電圧に基づいて、開回路バッテリー電圧を計算するステップ)。
【0035】
幾つかの実施形態において、前記測定モジュールは以下の動作を行うように設計される:
・ステップb)を繰り返すこと、
・f)ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びに、ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超えたとき、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値をある時間の第三のポイントで獲得すること、
・ステップd)を繰り返すこと、並びに
・ステップe)を繰り返すこと。
【0036】
幾つかの実施形態において、
前記測定モジュールはステップb)を繰り返すように設計され、並びに、
前記評価モジュールは、f)ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びに、ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超えるまでは、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値を、ある時間の第三のポイントで獲得することを延期するように設計される該装置。
【0037】
幾つかの実施形態において、前記測定モジュールは、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗から、所定のパーセンテージを超えて変化したかどうかを決定するように設計される。
幾つかの実施形態において、前記評価モジュールは、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗に対して、所定のパーセンテージを超えて変化しない場合に、前記計算されたバッテリー抵抗に基づいて、開回路バッテリー電圧を計算するように設計される。
【0038】
幾つかの実施形態において、前記評価モジュールは、前記計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗に対して、所定のパーセンテージを超えて変化した場合には、以前計算したバッテリー抵抗に基づいて、開回路バッテリー電圧を計算するように設計される。
幾つかの実施形態において、前記バッテリーによって電力供給される車両に関する所定の稼動条件の期間は、ステップc)、d)及びe)を中止するように前記装置が設計される。
幾つかの実施形態において、前記車両が、所定の期間、回復可能にブレーキをかけているとき、ステップc)、d)及びe)を中止するように前記装置が設計される。
【0039】
添付した図面を共に参照しながら以下の詳細な説明を参照することにより、本発明の上記特徴は、更に容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の例示的な実施形態に従った車両の概念図である。
図2A】本発明の例示的な実施形態に従った車両の概念図である。
図2B】本発明の例示的な実施形態に従った車両の概念図である。
図3】本発明の例示的な実施形態に従った、車両の安定性を動的に制御するための制御システムに関するブロック図である。
図3A図3Aは、前記車両の接地部(ground−contacting element)に対しての車両の重心位置に関するブロック図である。
図3B図3Bは、前記車両の接地部に対しての図3Aの車両の別の重心位置に関するブロック図である。
図4】本発明の例示的な実施形態に従った、車両操作を制御するための制御部に関するブロック図である。
図5】本発明の例示的な実施形態に従って、車両速度を制御するための方法のフローチャートである。
図6】本発明の例示的な実施形態に従って、動的平衡車両に関する平衡マージンを維持するための方法のフローチャートである。
図7】本発明の例示的な実施形態に従って、前記車両の重心の位置を制御することにより、車両の動的平衡をとるための例示的な方法のフローチャートである。
図8A】本発明の例示的な実施形態に従って、バッテリーにより電力供給される車両に関するモーター電流能力を決定(測定)するための方法のフローチャートである。
図8B】例示的な実施形態に従って、バッテリーにより電力供給される車両に関するモーター電流能力を決定(測定)するための装置(850)の概念図である。
図9A】本発明の例示的な実施形態に従ったバッテリーの回路図である。
図9B】本発明の例示的な実施形態に従って、図9Aのバッテリーの電気的な状態を評価するための装置の概念図である。
図9C】本発明の例示的な実施形態に従って、前記バッテリーの電気状態を評価するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
例示的な実施形態の詳細な説明
図1は、本発明の例示的な実施形態に従った車両(100)の概念図である。前記車両(100)は、支持体(104)と連結された筐体(102)を含む。また、前記車両(100)は、プラットフォーム(土台)(112)と連結された少なくとも1つの接地部(110)(例えば、1以上の車輪)を備える。前記接地部(110)は、車軸(114)を中心に回動する。そして、該車軸は前記プラットフォーム(土台)(112)と連結している。また、前記車両(100)は、連結構造部(172)を備え、該構造部は、前記支持体(104)に連結された支持部(172a)と、前記プラットフォーム(土台)(112)に接続されたプラットフォーム(土台)部(172b)を備える。前記連結構造部(172)は、前記プラットフォーム(土台)部(172b)に対して車頭及び車尾間を前記支持部(172a)が移動又は摺動することを可能にする。
【0042】
該実施形態において、前記連結構造部(172)は摺動組立体であり、前記支持部(172a)はレールであり、そして、前記プラットフォーム部(172b)はレールガイドである。該実施形態において、ヒト被験者(図示しない)は、入力装置(106)を操作して、前記車両(100)の重心の位値(140)を変化させる。前記入力装置(106)は、連動部(linkage)(108)と連結している。前記連動部(108)は、前記支持体(104)と連結している。例えば、前記入力装置(106)は、コントロールステッキ、ヨーク、ハンドル(ステアリング車輪)又はハンドルバーであってもよい。
【0043】
前記ヒト被験者は、前記入力装置(106)を前方(X軸の負の方向へ)へ押し出し、前記筐体(102)及び支持体(104)を前記接地部(110)に対して前方(前記X軸の負の方向)に動かす。前記筐体(102)及び支持体(104)が前方へ移動することに応じて、前記車両(100)の前記重心の位置(140)が前方へ移動する。前記車両(100)の前記重心(140)が前方に移動することに応じて、前記接地部(110)が前方へのトルクを発生させる。前記ヒト被験者は、前記入力装置(106)(前記ヒト被験者の身体に向かって、且つ前記X軸の正の方向に沿って)後方へ引き、前記接地部(110)に対して後方(前記X軸の正の方向)に前記筐体(102)及び支持体(104)を動かす。前記筐体(102)及び支持体(104)が後方に移動することに応じて、前記車両(100)の前記重心の位置(140)が後方に移動する。前記車両(100)の前記重心の位置(140)が後方に移動することに応じて、前記接地部(110)が負のトルクを発生させる。
【0044】
また、前記車両(100)は、前記連結構造部(172)に連結された作動装置(190)を備え、前記プラットフォーム部(172b)に対する前記支持部(172a)の位置を制御する。また、前記車両(100)は、前記プラットフォーム(土台)(112)及び前記接地部(110)に連結された駆動部(180)を備える。前記駆動部(180)(例えば、動力化された駆動部)は前記接地部(110)に動力を送り、前記接地部(110)を回動させ、車頭(前記X軸の負の方向)及び車尾(前記X軸の正の方向)へ向かって前記車両を駆動/移動させる。また、前記駆動部(180)は、前記プラットフォーム(土台)(112)を重力に対して所望の方向(例えば、水平、又は水平に近い所望の変動範囲)に維持する。幾つかの実施形態において、前記車両(100)は2以上の横並び(Z軸に沿って、本ページには記載されていないZ軸の正の方向へ)に配置された接地部(110)を備え、前記車両(100)の横方向の安定性を補助する。
【0045】
また、前記車両(100)は、前記駆動部(180)を制御するために前記駆動部(180)に連結され、前記作動装置(190)を制御するために前記作動装置(190)に連結された、少なくとも1つの制御部(194)(例えば、図4の制御部(400))を備える。前記制御部(194)は、前記接地部(110)及びプラットフォーム(土台)(112)に対する前記筐体(102)及び支持体(104)の位置に応じて、前記車両(100)の平衡状態(バランス)を制御する。ヒト被験者(図示しない)は、前記入力装置(106)を操作して、前記駆動部(180)にコマンドを送り、前記接地部(110)を回動させるコマンドを送り、前記車頭及び車尾間の方向へ前記車両(100)を移動させる。
【0046】
幾つかの実施形態において、前記筐体(102)、支持体(104)及び支持部(172a)が前記プラットフォーム部(172b)、プラットフォーム(112)及び接地部(110)に対して前後に摺動すると、前記筐体(102)、支持体(104)及び支持部(172a)は、前記下表面/地面に対する所望の方向(例えば、水平、又は水平に近い所望の変動範囲)に維持する。別の実施形態において、前記筐体(102)、支持体(104)及び支持部(172a)が前記プラットフォーム部(172b)、プラットフォーム(土台)(112)及び接地部(110)に対して前後に摺動すると、前記筐体(102)、支持体(104)及び支持部(172a)は、地面に対して傾く。前記車両(100)は、以下のように対応することができる:筐体(102)、支持体(104)及び支持部(172a)が前方に摺動したときには、前記筐体(102)、支持体(104)及び支持部(172a)が前方に傾き;或いは、筐体(102)、支持体(104)及び支持部(172a)が後方に摺動したときには、前記筐体(102)、支持体(104)及び支持部(172a)は後方に傾く。
【0047】
幾つかの実施形態において、前記プラットフォーム(土台)部(172b)、プラットフォーム(土台)(112)及び前記接地部(110)に対して前記筐体(102)、支持体(104)及び支持部(172a)を移動させることなく、前記ヒト被験者は、彼/彼女の体重を前方又は後方にシフトし、前記重心の位置を移動させ、前記車両を前方又は後方にそれぞれ移動させる。
【0048】
幾つかの実施形態において、前記連動部(108)は、前記連動部(108)の動きに対する硬直性(stiffness)又は制動を備えた装置と連結しており、例えば、前記車両に対する特定の種類の入力を強制したり、及び/又は前記ヒト被験者の経験を強化したりする。幾つかの実施形態において、前記装置は、前記重心の位置(140)が許容される変化での速度を制限するように前記連動部(108)の動く速度を制限し、従って、前記車両(100)速度の変化速度を制限する。
【0049】
幾つかの実施形態において、前記装置は、前記連動部(108)の動きにおける振動を減衰させ、前記車両(100)の操作を制御する制御部のピッチ(傾き)制御ループ及び/又は重心制御ループにおける振動を減衰させる。前記装置が存在しない場合、例えば、ヒト被験者が前記入力装置(106)押したり、又は引いたりすることにより前記連動部(108)で誘導される振動は、前記傾き及び/又は前記車両(100)スピードにおける振動を結果的には引き起こす。
【0050】
幾つかの実施形態において、例えば、外的障害又は車両上の障害が原因となって、前記支持部(172a)が前記プラットフォーム(土台)部(172b)に対して位相(phase)外へ移動したときに、前記支持部(172a)及び/又はプラットフォーム部(172b)は、前記車両(100)のスピードが振動することを防止するためのダンパーを備える。例えば、前記車両(100)が道路の隆起上を移動した際には、前記支持部(172a)は前記プラットフォーム(土台)部(172b)に対して移動又は摺動することができ、それにより、前記車両(100)の前記重心の位置(140)を車頭又は車尾へ動かす。前記重心の位置(140)が車頭及び車尾間を動くことにより、前記車両(100)を加速させたり、又は減速させたりする。従って、前記支持部(172a)を前記プラットフォーム(土台)部(172b)に連結させるダンパーは、さもなければ前記隆起によって誘導される高周波の動き(high frequency motion)を減らし、そして、前記隆起が原因となって前記車両(100)スピードが変動することを減らすであろう。前記ダンパーは、例えば、前記車両の前記重心の位置(140)を変化させるコマンドを送る前記入力装置(106)をヒト被験者が押すことによって導入される低周波の動きは減らさない。幾つかの実施形態において、前記ダンパーは、高周波の振動又はインパルスを減衰させるために設計される。前記ダンパーは、前記支持部(172a)を前記プラットフォーム部(172b)に連結させる機械的なダンパーであってもよい。幾つかの実施形態において、前記ダンパーは、前記制御部(194)で実装させる減衰期間(減衰項)である。
【0051】
図2Aは、本発明の例示的な実施形態に従った車両(200)の概念図である。筐体(202)は、支持体(204)に連結している。少なくとも1つの接地部(210)は、前記プラットフォーム(212)と連結している。前記接地部(210)は、車軸(214)を中心に回動する。また、前記車両(200)は連結構造部を備え、該構造部は、少なくとも1つの四節連動部(224)(第一バー(224a)及び第二バー(224b)の組み合わせ)である。前記第一バー(224a)の第一端(252a)は前記支持体(204)と連結され、前記第二バー(224b)の第一端(252b)は前記支持体(204)と連結される。前記バーの第一端(252a)及び第一端(252b)は、前記連結構造部の前記支持部である。前記第一バー(224a)の第二端(256a)は、前記プラットフォーム(212)に連結され、前記第二バー(224b)の第二端(256b)は、前記プラットフォーム(212)に連結される。前記バーの第二端(256a)及び第二端(256b)は、前記連結構造部の前記プラットフォーム部である。
【0052】
前記筐体(202)及び支持体(204)は、前記XY平面における前記四節連動部(224)の回動によって規定される経路(260)に沿って移動する。該実施形態において、ヒト被験者(図示しない)は、入力装置(206)を操作して、前記車両(200)の前記重心の位置(240)を変更する。前記入力装置(206)は、前記連動部(208)と連結されている。前記連動部(208)は、前記支持体(204)と連結している。前記ヒト被験者は、前記入力装置(206)を前方(前記X軸の負の方向)へ押しだす。そして、前記四節連動部(224)の回動によって規定される前記経路(260)に沿って、前記筐体(202)及び支持体(204)が移動する。即ち、前記筐体(202)及び支持体(204)が前記接地部(210)に対して前方(前記X軸の負の方向)に移動する。前記筐体(202)及び支持体(204)が前方に移動することに応じて、前記車両(200)の前記重心の位置(240)が前方に移動する。前記車両(200)の前記重心の位置(240)が前方に移動することに応じて、前記接地部(210)が前方へのトルクを発生させる。
【0053】
前記ヒト被験者は、前記入力装置(206)を後方(前記ヒト被験者の身体に向かって、且つ前記X軸の正の方向に沿って)に引く。そして、前記四節連動部(224)の回動によって規定される前記経路(260)に沿って、前記筐体(202)及び支持体(204)が移動する。即ち、前記筐体(202)及び支持体(204)は、前記接地部(210)に対して後方(前記X軸の正の方向)に移動する。前記筐体(202)及び支持体(204)が後方に移動することに応じて、前記車両(200)の前記重心の位置(240)が後方に移動する。前記車両(200)の前記重心の位置(240)が後方に移動することに応じて、前記接地部(210)が負のトルクを発生させる。
【0054】
幾つかの実施形態において、前記車両(200)は、2つの横並びに配置された接地部を備える。また、前記車両は、2つの四節連動部(例えば、前記四節連動部(224)を2つ)備える。各四節連動部は、前記2つの横並びに配置された接地部のうち1つと連結されている。幾つかの実施形態において、1以上の四節連動部は、可撓性のバーである。前記可撓性のバーは、折れ曲がって、例えば、前記筐体及び支持体が経路(例えば、図2Aの前記経路(260))に沿って動くことを可能にする。
【0055】
図2Bは、本発明の例示的な実施形態に従った車両(268)の3次元図である。ヒト被験者(図示しない)は、少なくとも部分的に前記ヒト被験者を包持する筐体(276)内の支持体(272)上に腰掛ける。前記車両(268)は2つの車輪(260、264)を備える。前記2つの車輪(260、264)は、プラットフォーム(280)に連結される。車輪(260)は、車輪(264)に対して横並びに配置される。前記各車輪は、車軸(284)を中心に回動し、少なくとも1つの駆動部(288)(例えば、動力化された駆動部)によって動力供給される。制御部(292)は、車両方向(例えば、傾き)及び前記車両(268)の前記重心(296)位置の変化に応じて前記制御信号を供給するために、前記駆動部(288)と連結される。
【0056】
前記ヒト被験者が前記車両(268)に乗車すると、前記制御部(292)は、制御ループを実行し、前記車両(268)の方向における変化(該変化は車頭−車尾面における前記重心の位置(296)の変化から生じうる)を感知する。そして、前記重心の位置(296)の変化に基づいて前記車輪(260、264)に供給される動力を制御する。米国特許出願番号12/266.170(参照により本明細書に組み込む)に同様の記載があるが、前記車両(268)の方向の変化、及び前記重心の位置(296)の変化に応じて、トルクが前記車輪(260、264)にかかり、前記車両(268)を動的に安定化させる。
【0057】
一実施形態において、前記重心の位置(296)が車頭方向(前記X軸の負の方向)に移動したときには、前記駆動部(288)は、前記車両(268)を前方(前記X軸の負の方向)へ移動させるのに充分な動力を前記2つの車輪(260、264)に供給する。前記重心(296)が車尾方向(前記X軸の正の方向)に移動したときには、前記駆動部(288)は、前記車両(268)を減速させ、前記車両(268)を後方(前記X軸の正の方向)に移動させるように逆方向に向かわせるのに充分な動力を前記2つの車輪(260、264)に供給する。
【0058】
また、前記車両(268)の傾き(前記車軸(284)に対する前記車両(268)の角度方向)は、前記制御ループにて感知して補正することができる。前記制御部は、前記重心の位置(296)の変化から生じうる前記車両(268)の方向を感知するためのジャイロスコープを備える。
【0059】
傾きの変化に応じてというよりは、むしろ、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置(例えば、図1の支持部(172a)及びプラットフォーム部(172b))の変化に基づいて前記車両(268)を動的に安定化させると、操作中の車両(268)の傾き変化が減少する。また、前記車両(268)が加速コマンド及び/又は減速コマンドに対して応答するのに係る時間が短縮される。前記車両(268)は、前記車輪(260及び264)が地面と接する場所の上にある前記車両(268)の重心の位置(296)を記録することにより、加速及び/又は減速を行う。もしも、前記車両(268)が傾きにおける変化に応じて加速及び/又は減速される場合、前記車両(268)の制御部は、安定状態の位置に対する前記重心の位置(296)の変化するのを最初に必要とし、その後、前記接地部が地面と接する場所の上に、前記重心(296)の位置を調整する態様で、前記車輪(260及び264)を稼動させるためのコマンドを前記駆動部(288)に送るであろう。前記重心の位置(296)を前記安定状態の位置に戻す変化を誘導するのに必要な時間は、前記重心の位置における変化に応じて加速及び/又は減速するコマンドと比べると、前記車両(268)が加速及び/又は減速コマンドに反応するための時間の遅延となる。前記車両(268)は、前記重心の位置(296)の安定状態からの変化を誘導する必要はない。なぜならば、前記重心の位置(296)の変化は、前記加速及び/又は減速コマンドにおいて固有のものだからである。前記加速及び/又は減速コマンドは、加速及び/又は減速を開始できるように、前記車両(268)の方向における変化を必要とし、前記重心(296)を正しい位置に調整する。
【0060】
図3は、本発明の例示的な実施形態に従って、2つの横並びに配置された車輪(例えば、図2Bの車輪(260及び264))を有する車両の安定性を動的に制御するための制御システム(300)のブロック図である。制御部(302)(例えば、図4の制御部(400))は、前記車両の前記重心場所に影響を与える位置であって、前記プラットフォーム部(例えば、図1のプラットフォーム部(172b))に対する前記支持部(例えば、図1の支持部(172a))の位置を特徴とする入力をセンサーモジュール(304)から受け取る。前記センサーモジュール(304)から提供される少なくとも前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置に基づいて、前記制御部(302)は、前記左側の動力化された駆動部(306)又は右側の動力化された駆動部(308)のうち少なくとも1つのトルクT(例えば、前記対応する接地部に適用されるトルク)のコマンドを送る。
【0061】
図3A及び3Bはブロック図であり、該図は、本発明の例示的な実施形態に従った、前記車両(330)の操作に対する車両(330)の前記重心の位置(322)の効果を例示している。前記車両(330)は、全質量M2(重量M2g)を有する。荷重及び一部の前記車両(330)の質量は、M1(重量M1g)として記載されており、前記重心(322)の質量に対応する。2つの横並びに配置された接地部(320)の質量は、質量M0(重量M0g)として記載されている。前記車両(330)の重量は以下の式で表される:
【数18】

前記接地部(320)の位置に対してX軸方向に沿って移動することができる前記車両(330)の部分は、前記重心(322)で表される。図3Aを参照すると、前記重心(322)は、前記接地部(320)が地面と接している場所(338)の上にある初期の場所(334)に存在している。
【0062】
図3Bを参照すると、前記重心(322)は、前記初期の場所(334)に対して前記X軸の負の方向に沿って距離Lの分ずれた場所(342)に存在している。一実施形態において、前記車両(330)の重心の位置に移動するヒト被験者によって、前記重心(322)は場所(342)に位置することになる。前記センサーモジュール(304)(図3)は、前記車両(330)の傾き、及び前記車両(330)の方向を前記制御部(302)に提供する。前記重心(322)の位置(342)が変化すると、前記傾き及び方向が変化する。前記制御部(302)は、前記左側の動力化された駆動部(306)と、及び右側の動力化された駆動部(308)とに信号を出力する。そして、前記接地部(320)に対してトルク[T=(M1g)(L)]を適用する。さらに、前記接地部(320)をある方向(例えば、前方、前記X軸の負の方向に沿って)に移動させる。前記車両(330)の平衡を維持するために以前の場所(338)から前記重心(322)をずらす。
【0063】
前記荷重及び関連構造(纏めて322)並びに前記接地部及び関連構造(纏めて320)の間で前記車両(330)の質量を分散させて、加速性能及び減速性能を最大化できることが有利である。一実施形態において、前記車両(330)の動いた部分に関して(即ち、前記荷重及び関連構造(322)に関して)前記全車両(330)質量のパーセンテージがより大きくなるように配置して、加速性能及び減速性能を最大化することが有利である。前記動いた部分(322)について更なる前記全車両(330)質量を置くことにより、前記車両(330)を加速又は減速するのに必要な動力コマンドを生成させるのに更に大きな質量が寄与することを可能にする。しかし、もしも、更に多くの前記全車両(330)質量が前記接地部及び関連構造(320)に置き換わったのであれば、更に多くのパーセンテージの質量が、全体車両(330)の一部として動くのに前記車両(330)が必要とする負荷となるであろう。
【0064】
また、前記制御部(302)は、ユーザー・インターフェース(310)及び車輪回動センサー(312)とのインターフェースとなる。前記ユーザー・インターフェース(310)は、例えば、以下の制御を含むことができる:前記車両のオン・オフ、又は前記車両の異なる稼動モードの誘起。
【0065】
前記センサーモジュール(304)は、1以上の車両パラメーターを検出し、前記車両の重心の位置における変化を測定する(例えば、図1の前記車両(100)の前記プラットフォーム部(172b)に対する前記支持部(172a)の動きを原因とする)。一実施形態において、前記センサーモジュール(304)は、ある時間の1つのインスタンスおける前記重心の位置に対して、ある時間の別のインスタンスにおける前記重心の位置の変化を表す信号を生成する。前記車両の重心の変化を決定するために以下の物を使用することができる:例えば、スプリングに取り付けられた距離センサー、負荷センサー、傾角計、ジャイロスコープ、ウィスカ(whiskers)、及び/又は角速度センサー。また、他のセンサーも使用可能である(例えば、光学的センサー及び/又は磁気センサー)であり、従って、これらも本発明の範囲内である。
【0066】
前記制御部(302)は、制御アルゴリズムを備え、前記摺動位置(前記プラットフォーム部に対する支持部)に基づいて、前記左側の動力化された駆動部(306)及び/又は右側の動力化された駆動部(308)が与えるべきトルクの量を決定する。前記制御アルゴリズムは、前記車両の現在の稼働モードを基礎として、例えば、前記車両の設計中、又はリアルタイムで設計することができる。そして、前記車両が経験する条件、並びにヒト被験者の嗜好を操作する。
【0067】
限定するものではないが、一例として、前記制御アルゴリズムは以下の形態をとることができる:
トルクコマンド = K・(C+O) 式2
ここで、Kはゲイン、Cは前記車両の重心の位置を定義するベクトル、Oはオフセットである。前記重心の位置Cは、前記摺動の所望の位置(前記プラットフォーム部に対する支持部)から前記摺動の感知位置引いた値として定義されるエラー項の形態であってもよい。前記摺動位置を変化させることは、前記CGの位置に影響を及ぼすために使用する方法となり得る。前記摺動の所望の位置は、例えば、前記制御アルゴリズムにおけるあらかじめ決められた定数であってもよい。或いは、前記車両内のヒト被験者は、ユーザー・インターフェースを介して前記摺動の位置を設定することができる。該実施形態において、前記車両の出発時、及び前記車両の運動を許可する前に、前記センサーモジュールから受け取った入力に基づいて、ヒト被験者は、前記摺動の所望の位置の決定を誘起する前記車両上のスイッチを活性化することができる。これにより、前記ヒト被験者は、前記摺動に関する既知の初期位置を得ることが可能となる。そして、ここから、前記ヒト被験者は、前記摺動の位置における変化を引き起こす(前記CGの位置の変化を引き起こす)ことができるように、逸れることができる。
【0068】
前記ゲインKは、予め決められた定数であってもよく、又は前記ユーザー・インターフェース(310)を通して前記ヒト被験者が入力若しくは調整してもよい。ゲインKは、最も一般的なものとしては、前記ゲイン及び前記摺動変位ベクトルの位置のスカラー産物として決定されるトルクに関するベクトルである。前記摺動の位置の変動に対する前記車両の応答性は、Kによって支配され得る。例えば、前記摺動の位置における小さな変化が巨大なトルクコマンドを発生させる結果となるという点において、ベクトルKの少なくとも1つの要素の大きさを大きくすることにより、ヒト被験者に更に堅い応答を知覚させる。
【0069】
オフセットOは、前記制御アルゴリズム内に組み込むことができ、Cの直接的な効果に加えて、又はその効果とは別にのいずれかで、前記左側の動力化された駆動部(306)及び右側の動力化された駆動部(308)に適用される前記トルクを支配する。従って、例えば、前記ヒト被験者は、ユーザー・インターフェース(310)を用いて入力(例えば、図1の入力(106))を提供することができる。前記入力は、例えば、前記摺動の位置における変化に対して均等に前記制御部(302)で処理される。
【0070】
一実施形態において、前記左側の動力化された駆動部(306)に関して望まれるトルクと、前記右側の動力化された駆動部(308)に関して望まれるトルクを別々に計算することにより、ステアリングを達成することができる。更に言えば、制御技術分野においては当業者にとって公知ではあるが、前記左側の車輪運動、及び前記右側の車輪運動の両方を追跡することにより調整を行うことを可能にし、望ましくない前記車両のターンを防止し、そして、前記左側の動力化された駆動部(306)及び前記右側の動力化された駆動部(308)の間の性能を変化させることができる。
【0071】
一実施形態において、少なくとも2つの横並びに配置された接地部(例えば、左右の車輪)があれば、例えば、左右の接地部について別々のモーターを備えることにより、ステアリングは達成できる。前記左側のモーターに関して望まれるトルクと、前記右側のモーターで望まれるトルクとを別々に計算することができる。更に言えば、制御技術分野においては当業者にとって公知ではあるが、前記左側の接地部の運動、及び前記右側の接地部の運動の両方を、前記接地部回動センサー(312)を用いて追跡することにより、調整を行うことができ、望ましくない前記車両のターンを防止し、そして、前記2つのモーター間の性能を変化させることができる。幾つかの実施形態において、車両のスピードがより低いときには、ステアリングの感度をより高く調整し、車両のスピードがより高いときには、ステアリングの感度をより低く調整し、例えば高速でのステアリングを容易にする。
【0072】
幾つかの実施形態において、前記制御システム(300)は前記車両のスピードを制限する。前記スピード制限は、例えば、前記車両の稼動モード、又は前記ヒト被験者からの入力に関連した最大スピードに基づいて設定することができる。
【0073】
一実施形態において、前記制御システム(300)は、スピード制限アルゴリズムを備え、前記車両の傾きを制御することにより、前記車両のスピードを制御する。前記制御部(302)は、前記重心の位置を移動させる前記車両の傾きを変化させる。前記重心の位置における変化により、前記重心がどの方向に移動するかに依存して、前記車両を加速させたり、又は減速させたりする。前記スピード制限アルゴリズムは、前記制御部(302)に対して、所望の傾き角度
【数19】
に調整することにより、前記車両の速度を制限させる。前記システム(300)の傾き制御ループは、前記システム(300)を制御して、前記所望の傾き角度
【数20】
を達成する。
【0074】
前記所望の傾き角度θDの調整は、以下の関係式に基づいて決定される:
【数21】
ここで、
【数22】
は、現時点で最大限許容される前記車両のスピードである。
【数23】
は前記車両のスピードである。
K2は、前記車両のスピード制限と、前記車両の実際のスピードとの差に比例するゲインである。
K3は、前記積分速度誤差(Integrated Speed Error)に関するゲインであり、前記車両のスピード制限と、前記車両の実際のスピードとの差を積分したものである。
K4は、前記車両の加速に関するゲインである。
K1は、前記全体の計算された所望の傾きに関するゲインであり、例えば、前記車両の重心の位置の関数であってもよい。
そして、θD前記所望の傾き角度である。前記前方への速度制限を超過した際には、式3中の項A、B、及びCの累積的な効果により、前記車両について後方へ傾け減速方向へ向かわせる。前記所望の傾き角度の値、θDは、前記制御システム(300)において変化し、前記車両のスピードを制御する。
【0075】
一実施形態において、前記所望の傾き角度θDは、一定の値を維持する(例えば、前記車両は、地面に対して水平を維持する)。予め定義した最大スピード制限に到達した際には、前記所望の傾き角度θDを設定することにより、前記制御システム(300)は、前記車両を減速するための値に応答し、前記車両が前記最大スピード制限を超過することを防止する。これにより、前記制御システム(300)の効果、即ち、前記車両に対して、前記車両のスピードを減速させる後方への傾きをさせるコマンドを送る効果が得られる。
【0076】
幾つかの実施形態において、前記制御システム(300)は、前記ヒト被験者に前記車両を減速させるコマンドを送らせるように設計される。前記ヒト被験者が前記重心の位置を後方にシフトさせることを前記制御システム(300)が決定した場合には、前記制御部は、前記ゲインK1の値を減らす。前記ゲインK1の値を減らすことにより、前記制御システム(300)における前記傾き角度条件(例えば、式3の支配を受ける)は、脱強調化(de−emphasized)される。前記制御システム(300)が前記傾き角度条件を脱強調化させるため、前記制御システム(300)は、前記ヒト被験者がいないときに前記車両を減速させるコマンドを出力する程度には、前記車両を後方に傾けるようにコマンドを出さない。
【0077】
図4は本発明の例示的な実施形態に従った制御部(400)のブロック図であり、該制御部は、車両(例えば、図1の車両(100))の前記操作を制御するためのものである。搭乗者(402)の、又は制御部(404)の(例えば、自律性の)入力コマンド、地形、荷重、風による負荷、及びシステム能力に対する動的な車両の応答は、複数のネスト、及び共同の閉鎖ループシステム制御部によって管理することができる。前記傾き制御部(406)は前記車両の動的安定性を管理する。前記傾き制御部(406)は、様々な情報源からフィードバックデータを受け取ることができる。例えば、前記傾き状態評価部(PSE)(410)からの傾き及び傾き速度(408)、及びスライドマウントストリング(slide−mounted string)ポテンショメータ(414)からの摺動位置(412)が挙げられる(または、他の適切なセンサーであって、位置の測定値、例えば、前記連結構造部の前記プラットフォーム部に対する前記連結構造部の前記支持部の位置を提供するセンサー)。前記傾き制御部(416)は、車輪モータースピードコマンド(418)を出力し、前記車両のシャシー(例えば、支持体)の水平を維持することができる。
【0078】
前記車両のヨー制御部(466)は、入力として、ステアリングコマンドを前記HMI(402)(又は前記制御部(404))から受け取ることができ、前記ステアリングコマンド(420)を前記車輪モーター駆動部(424)からの前記車輪スピード(422)と比較して、前記車両のステアリング及びターンに必要となる車輪モータースピードコマンドの成分(426)を生み出す。前記車輪モータースピードコマンド(438)は、前記車両の推進に関するコマンド成分、及び前記車両のステアリングに関するコマンド成分を含むことができる。幾つかの実施形態において、前記ステアリングコマンドの成分(426)には、一方のの車輪に関する前記推進コマンド成分(418)(前記傾き制御部(406)からの)が追加されたり、他方の車輪に関する前記推進成分(418)から引かれたりする。
【0079】
前記車両の速度制御部(428)は、入力として、車両のスピードコマンド(430)を前記HMI(402)(又は前記制御部(404))から受け取ることができ、該コマンドは、必要な場合には、前記車両のスピードリミッタ(432)によって制限される。前記車両の速度制御部(428)は、摺動位置コマンド(434)を作成することができ、前記CGの位置に影響する前記摺動の位置を調整する。従って、前記車輪が下表面に適用されるトルクを調整して、前記車両の加速及びスピードを調整する。前記車両の速度制御部(428)は、前記車輪(422)及び前記摺動(436)のモーター駆動部の両方からの速度フィードバックを受け取ることができる。
【0080】
車輪スピードコマンド成分(418及び426)は、前記傾き(406)及びヨー(446)の制御部からの出力であってもよく、並びに、組み合せて全体のモータースピードコマンド(438)を生成してもよく、該コマンドは、前記車両が前記車両の平衡をとり、ステアリングを行い、及び駆動させるために使用することができる。結果としての前記車輪スピードコマンド(438)は、車輪モーター駆動部(424)に送ることができ、該駆動部では、前記車輪モーター(442)のスピードを制御することができる。前記車輪モーター駆動部(424)を、デジタル的に制御することができ、サインモジュレーション(sine modulated)を行うことができ、永久磁石のモーター駆動部であってもよい。
【0081】
摺動位置コマンド(434)は、前記車両の速度制御部(428)からの出力であってもよく、該コマンドは、前記推進力リミッター(444)によって制限してもよく、摺動位置制御部(446)に入力することができる。前記摺動位置制御部(446)は前記摺動位置コマンド(434)を前記ストリングポテンショメータからの実際の摺動位置(412)と比較し、摺動モータースピードコマンド(448)を出力する。前記モータースピードコマンド(448)は、摺動作動装置モーター駆動部(450)へ入力することができ、該駆動部は、前記摺動のモーター(468)スピードを制御することができる。
【0082】
前記車両の車輪モーター駆動部(424)内部では、モーター電流ループを制御するためのモータースピードループがあってもよい。該電流ループは、パワーブリッジ(power bridge)のデューティ比を制御することができる。そして、該パワーブリッジでは、前記車両の車輪モーター(442)に対して、3相の変化する電圧を出力することができる。前記車両の車輪のモーター位置(458)は、整流及び前記スピードループの閉鎖のためのモーターシャフトエンコーダー(460)から、前記車輪モーター駆動部(424)へフィードバックすることができる。前記スピード制御部は、比例値であるゲインを用いて設計することができる。従って、安定状態のスピードエラーは負荷の下で発達することができる。安定状態のスピードエラーの存在により、もし実装されれば、冗長なモーターによって伝達される負荷を、合理的に非常にバランスのとれた態様で共有することを確実なものにするのを補助することができる。各車輪のモーター駆動部(424)における電流リミッタにより、短期間でのピークのトルク能力、及び無限の操作期間の間の連続的なトルク能力を許容しながら、前記モーター駆動部(424)及びこれらのモーター(442)がオーバーヒートすることから保護することができる。
【0083】
前記推進システムの要求された作用力をどれだけ制限するかを知るために、前記車輪モーター電流能力を評価することができる。前記モーター電流能力は、前記現時点でのモータースピード、電流及び電流制限(これらについては前記車輪モーター駆動部(424)からフィードバックすることができる)、前記評価されたバッテリー抵抗、並びに前記バッテリー状態評価部(BSE)(452)からの開回路電圧を知ることにより評価することができる。従って、前記BSE(452)は、前記バッテリー(456)からフィードバックされる電流及び端子電圧を使用することができ、バッテリー電流変化に応じて前記バッテリー電圧がどれだけ変化するかを監視することによって、前記バッテリー抵抗を評価することができる。前記BSE(452)は、実際のバッテリー電流、及び端子電圧、及び評価された前記バッテリーの抵抗から前記開回路バッテリー電圧(負荷がかかっていない電圧)を評価することができる。バッテリー状態評価部に関する機構及び方法については、本明細書に記載する。
【0084】
前記BSE(452)からの前記バッテリー状態の評価、並びに前記モーター電流、並びに電流制限、並びに前記車輪モーター駆動部(424)からのスピードフィードバックを入力として用いることにより、前記モーター電流能力評価部(CCE)(454)は、前記車両の推進システムが任意の時間のポイントで発生させることができる前記モーター電流を評価することができる。電流能力評価部(CCE)に関する機構及び方法については、本明細書に記載する。前記電流能力は、前記推進力リミッター(444)に渡すことができ、該リミッターは、前記システムの前記コマンド電流及び前記電流能力の間の差を維持するために、前記摺動位置を制限することができる。従って、平衡及びステアリング能力を維持することができる。前記車両のモーター駆動部(424)は、ピークと連続的な制限との間の前記車両のモーター電流を調整するための電流制限アルゴリズムを備えることができる。前記制限は、前記モーター(442)及び前記駆動部(424)の両方を保護するために選択される。前記コマンド送信された電流、又はターゲット電流が駆動部の連続的制限を超える場合にはいつでも、前記駆動部の強制的制限は、前記駆動部の連続的制限を無効にすることができる。前記モーターのターゲット電流が前記連続的制限を下回って降下した場合には、前記強制的制限は、前記ピーク制限まで、有効化することができる。前記強制された制限は、前記駆動部(424)から前記CCE(454)へフィードバックすることができる。
【0085】
前記車両のスピードリミッタ(432)は、前記システムの最高スピード制限を設定することができ、前記車両のセーフティカーネル(462)によって要求することができる減速応答を実施することができる。従って、前記スピードリミッタ(432)は、スピード制限値(464)を前記車両の速度制御部(428)に渡すことができ、該制御部では、それを強制する。減速応答が必要とされる旨の決定を前記セーフティカーネル(462)が行うと、前記スピードリミッタ(432)からの減速応答を要求することができる。前記スピードリミッタ(432)は、前記減速応答の為に使用することができる時間変動スピード制限を計算することができる。そして、前記時間変動スピード値を前記速度制御部(428)に渡すことができる。
【0086】
前記セーフティカーネル(462)が発行することができる危険及び故障(466)に対する幾つかの応答が存在し、該応答により、前記スピード制限を結果的に変化させることができる。例えば、制限スピード応答、ゼロスピード応答、全システム・セーフティ・シャットダウン、及び半システム・セーフティ・シャットダウン(冗長なシステムに関して)が挙げられる。これらの応答は全て前記システムを減速させるという事実において類似している;そして、これらの応答が制限する値、及びこれらの応答が前記システムの減速に及ぼす速度において異なる。更に言えば、セーフティ・シャットダウン応答は、一旦、前記システムがゼロスピードに到達したときの着地コマンド(静的安定状態への変化)及び電源オフ(power down)コマンドと連動することができる。
【0087】
前記車両の制限スピード応答は、一時的なコンディションの下で(例えば、慣性測定ユニット(IMU)(470)が「ふらつき状態(dizzy)」である場合に)発行することができる。一旦、前記一時的なコンディションが解消した場合(例えば、素早くターンすることはもはやない)、前記スピードに関する制限値は、徐々に上げることができる。例えば、前記制限スピード応答を引き起こす前記コンディションが持続した場合には、前記ゼロスピード応答を発行することができる。そして、前記システムは、前記スピード制限をかなり急速にゼロに設定することができる。
【0088】
前記システムが停止して電源オフ状態になることを必要とする障害に遭遇したときには、前記セーフティ・シャットダウン応答を発行することができる。セーフティ・シャットダウンにより前記システムはゼロスピードとなる。前記システムをゼロスピードにするための速度は、セーフティ・シャットダウンの種類とともに変化する。前記全システムが利用可能である場合、前記システムは、前記最大可能速度で減速して、障害中の前記システムの持続時間を最小限にすることができる。前記半システムの場合における冗長なシステムに関しては、前記減速の速度は、半分にしてもよい。なぜならば、前記システムは半分の能力だけを有しており、最大全システムの速度で減速させようとすれば、前記半システムの能力が飽和する可能性を増加させる可能性があるからである。前記スピードリミッタ(432)は、いつそのタスクを達成したかについて前記セーフティカーネル(462)に知らせることができる。しかし、時として、例えば、着地コマンド及び電源オフコマンドを発行する前に、前記システム動力が落ち着くことを保証するために、前記フィードバックを遅延させることができる。
【0089】
前記傾き制御部(406)は、評価されたフィードバックデータを傾き及び傾き速度(408)に関して使用することができる。生の角速度と、及び前記IMU(470)からの加速度計データとから、前記傾き状態評価部(Pitch State Estimator)(PSE)(410)においてこれらの評価を計算することができる。
【0090】
前記傾き制御部(406)は、閉鎖ループ制御部であってもよく、主要な平衡機能であってもよい。前記傾き制御部(406)は、重力に対する前記車両の所望の且つ測定された傾き方向に関する情報を入力としてもつ。そして、前記作動装置のためのコマンドを生成して、安定化させるための力を提供することができる。傾きの軸において安定である間は、こうした力は、前記車両の一般的な車頭/車尾運動のための推進力を同時に提供する。前記傾き制御部(406)の出力(418)は、全体の推進コマンド成分であり、別のモジュールにおいては、他の成分に追加してもよい。
【0091】
前記傾き制御部(406)は4つの項を含むことができ、これらの合計は、前記傾き・コマンドを構成する。第一項は、前記所望の傾きと測定された/評価された傾きとの差に適用されるゲイン(「誤差」としても知られている)であってもよい。前記ゲイン及び前記誤差(エラー)の産物は、一般的には、「比例項」と呼ばれてもいる。前記平衡車両に適用する場合、前記比例項は、前記車両傾き又は「傾き」の方向において、前記車両を駆動させる。前記直線摺動作動装置によって表される更なる自由度は、前記傾き制御部の第一項において補正を必要としてもよい。傾きオフセットは、前記摺動位置の関数として適用することができる。前記傾きオフセット項は、現在の摺動位置を経験的に生じたゲインを乗じることによって、所望の傾きを相殺する。突出した負荷に対する距離の大きさが増えたときに、前記車輪作動装置に対する上昇したトルク要求を補正するためにこうした事を行うことができる。突出した負荷に対する距離は、ニュートラルな平衡点からの(摺動移動(slide travel)の中心からではなく)前記車頭/車尾距離として、計算することができる。第二項は、前記傾き速度データに適用されるゲインであってもよい。該項は、一般的には、「速度項」と呼ばれてもいる。速度項は、傾き運動と対立し、従って、方向の変化について抵抗することができる。前記制御部を弱める源となることができる。
【0092】
第三項は、スピード又は電圧を制御するモーター駆動部に関するものとなることができる。該項は、前記左右の車輪モーターの平均スピードに基づく「フィード・フォアワード項」となることができる。スピード増加として増大する傾き誤差に関する必要性を減らすように、該項は、所与の車両スピードに関する幾つかの安定した状態のコマンドを提供するために使用することができる。モーター電流に直接コマンドを送るときには、前記傾き制御部は該項を必要としなくともよい。第四項は、摺動運動補正に関するものとなることができる。前記摺動運動が生じると、該項は、妨害力(disturbance force)を前記システムに対して授ける。該項は、摺動運動に基づく「フィード・フォアワード項」であってもよい。前記車両の連結構造部のプラットフォーム部に対する前記車両の連結構造部の支持部間の相対運動がある場合には、前記項を、あるダンピングを提供するために用いることができる。前記プラットフォーム部に対する前記支持部間の任意の相対運動によって前記傾き・ループが励起されたとき、該項は、追加のダンピング機能を実行することができる。
【0093】
スピード制御
図5は、本発明の例示的な実施形態に従った車両速度を制御するための方法のフローチャートである。一実施形態において、前記方法は、速度制御部を用いて実施することができる(図1の車両(100)のスピードの操作を制御するために使用される図4の前記車両速度制御部(428)を参照)。前記速度制御部は、閉鎖ループ制御部であり、該制御部は、前記車両の車頭/車尾運動を制御する。該制御部は、こうした制御を達成する際には、前記摺動制御部(446)と、前記傾き制御部(406)との制御の組合せ効果を介して達成される。前記速度制御部(428)は、該摺動位置制御部が行う前記摺動に関する所望の位置を計算する。前記結果としての前記重心の位置(CG)のシフトは、傾き誤差を生じさせることによって運動を次第に誘導することができ、従って、前記傾き制御部が車輪運動を駆動させる。
【0094】
前記速度制御部(428)は高度な制御部であってもよく、より低レベルの制御部を直接に(摺動)及び間接的に(傾き)用いてプラントを制御することができる。前記速度制御部の出力は、前記摺動制御部に与えられる所望の摺動位置であってもよい。前記筐体(102)、支持体(104)、及び前記連結構造部(172)の支持部(172a)の位置や、並びに前記車輪(110)に対するバッテリー質量を特定することにより、前記速度制御部(428)は、前記傾き・ループにおけるコマンドを誘導することができる。そして、該ループでは、次第に車両の加速を誘起することができ、前記速度制御部は目的を達成するために使用することができる。
【0095】
前記速度ループのターゲットは、2つのソース、即ち前記マニュアル制御(402)又は前記制御部(404)のうち1つから計算することができる。前記ループが閉じていて、前記システムの稼働上の目標を達成する間(その場でスイッチングするモードを含めて)、前記速度制御部(428)はこれら2つのソースの間をスイッチングすることができる。前記速度制御部(428)は、比例項及び積分項を有することができる。前記積分項は、幾つかの理由により重要となる可能性がある。該項は、外的障害(例えば、風)の存在下で、平坦な地面上で傾いた表面で、ステーションを維持する能力を前記システムに与えることができる。そして、ターゲットを効果的に達成するために機能するスピード範囲にわたって起こるシステム損失における変化を補正する。
【0096】
前記速度制御部(428)フィードバックは、車輪速度(422)及び摺動速度(436)の組み合わせである。これは、前記速度ループの安定性の為に重要となりうる。前記システムが停止して、前記速度制御部(428)が現時点の車輪スピードの全ての平均だけをフィードバックとして用いる仮定の場合を考慮されたい。前方へのスピードが望まれる場合には、前記摺動は前方に移動するものとなることができる。前記摺動が前方へ移動するものであると、前記車輪を後方へ回転させることができる前記シャシーに対して反力がある。この後方への回転は、前記速度誤差を増加させることができ、前記摺動を更に前方に押し出すことができる。そして、後方への回転を次第に増加させることができ、正のフィードバックを作成すること等をできる。前記車両速度を現在の車輪の平均と摺動スピードの合計とすることにより、この望ましくない応答は改善される。なぜならば、前記車輪が後方へ移動すると、前記摺動は前方へ移動することができ、そのことにより前記効果をキャンセルさせる傾向を有することができるからである。
【0097】
前記操作のリバースモードは、前記前方/後方状態に基づいて速度目標に対する制限を設定することによって、実施することができる。前記リバースモードにおいて、幾つかの小さなスピード制限を許容することができ(例えば、3mph未満)、フォアワードモードにおいて、後方運動は許容されない。前記フォアワード運動コマンドは両方のモードにおいて許容できる:フォアワードモードは、リバース運動阻害モードとして考えられるからである。システム動的データ及びモード入力スイッチ(例えば、ユーザー又は自律性制御部によって制御可能)によってモード間の変化を制御することができる。一実施形態において、フォアワードモードにおいてリバースモードを可能にするために、前記基準は以下の通りとなることができる:前記システムスピードは低くなければならない、前記速度ターゲットは低くなければならない、及び前記フォアワード/リバースモードボタンを押さなければならない。前記リクエストはラッチすることができない。リバースモードにおいてフォアワードモードを可能にするために、リバースモードに入るための同じ基準でモードをトグルすることができ、前記システムがゼロスピードの場合、スロットル入力を前方に押し出すことができる。
【0098】
図5を参照すると、前記車両のスピードを制御するための例示的な方法は、前記連結組立体のプラットフォーム部の位置に対する前記連結構造部の支持部の位置決定するステップを含む(ステップ504)。また、前記方法は、前記少なくとも1つの車輪が下表面に適用するトルクを制御するステップも含み、該ステップは、前記プラットフォームを水平、又は他の幾つかの所望の方向(例えば、水平に近い所望の変動範囲)に維持しながら、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変動させるコマンドを前記連結構造部に送ることによるものである(ステップ508)。幾つかの実施形態において、前記摺動位置制御部(例えば、図4の制御部(446))は、前記連結構造部の前記プラットフォーム部に対する特定の位置に対する前記連結構造部の前記支持部の動きを特定する。それにより、動的平衡制御部においてコマンドを生成する前記車両において傾きモーメントを生成させる。そして、これにより、前記車輪モーター駆動部(424)にある動作を起こさせる。そのある動作とは、前記車輪が前記下表面に対してトルクを適用し、前記車両に関する所望のスピードを達成する動作である。幾つかの実施形態において、前記特定の位置は、前記車両の稼働モードに依存して変動することができる。例えば、前記車両の稼働モードがフォアワードモードであるとき、前記システムは、前記位置を制御又は制限することによって、前記車両のスピードを上げたり、又は下げたりすることができる速度を制限することができる。更に言えば、リバースモードでは、車両スピードに対して別の制限を課すこともでき、該制限には、いかなる運動も完全に禁止することも含まれる。ゼロスピード、ステーション維持行動(station−keeping behaviors)は、前記摺動位置を自動的に調整することにより達成することができる;こうした調整は、前記車両重心におけるシフトのみならず、外部の障害(例えば、風又は勾配)の存在下で行う事ができる。
【0099】
また、前記方法は以下のステップを含む:ユーザー又は制御部から車両スピードコマンド値を受け取るステップ(ステップ512)、及び前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させて、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御し、前記車両スピードコマンド値を達成するステップ。また、前記方法は以下のステップを含む:前記少なくとも1つの車輪からのスピードフィードバック信号、連結構造部スピード、又はその両方を受け取り、前記連結構造部にコマンドを送信して、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御し、前記車両のスピードを制御するステップ(ステップ516)。
【0100】
幾つかの実施形態において、前記車両制御部は、スピードリミッタ・モジュール(例えば、図4のスピードリミッタ(432))を備え、該制御部は、以下の動作を行うために設計される:該動作とは、スピード・コマンド信号のサイズ(図4の430)に行わせる動作であり;、該サイズに行わせる動作とは、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクに行わせる動作であり;、該トルクに行わせる動作とは、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を所定時間にわたって変化させることに応じて、前記車両のスピードを所定時間強制することである。例えば、最大スピード制限は、前記最大スピードに達したときに、前記摺動位置を変更又は制限することにより強制することができる。
【0101】
推進力制限(Propulsion Effort Limiting)
車両推進システムの「推進能力」は、前記車両を駆動するのに必要な推進力が前記システムの能力の範囲内であることを保証するために評価される。一実施形態において、前記推進力リミッターは閉鎖ループ制御部であり、該制御部は、前記車両の運動を制御、制限、又は変更することにより、前記推進システムが必要とする推進力量又はトルク量を制限するという主要な機能を有する。縦方向の運動及びヨー運動の両方、従って、推進力を制御することができ、傾き安定性の平衡に必要な推進能力マージンを維持する。こうした制御は、推進駆動電流フィードバック及び推進電流能力評価の関数として、前記摺動位置、前記ヨー加速、又はヨーレート、又は全てを直接制限又は変更することにより達成することができる。
【0102】
前記推進力リミッターは、最大駆動電流、及び前記最小の計算された電流能力評価フィードバックデータを用いることができる。電流能力評価(current capability estimation、CCE)のための方法及び機構について、本明細書に記載する。前記最大駆動電流(maximum drive current、MDC)は、全ての車両推進駆動に関する最大瞬間電流の大きさとして解釈することができる。前記電流能力評価(CCE)は、前記車両の両側からの計算された評価の間の最小値としてとらえることができ、そして、前記推進システムの現時点の電流制限と本質的には等しい。前記CCEは、前記推進力リミッター制御部の前記比例項がアクティブである値を超える電流閾値を発生させるために使用することができる。前記閾値は、前記CCEと、電流バンド(current band)の間の差として計算される。従って、前記電流閾値は、前記CCEのレベルを下回る幾つかの一様なデルタであってもよい。幾つかの実施形態において、前記電流バンドはスピードとともに変化し、前記モーターの無負荷スピードに近づく更なる高いスピードで、更なるトルクマージンを提供する。
【0103】
電気装置を備える車両において、該車両のトルク/スピード操作ドメインの再生象限(regeneration quadrants)に対する前記モータリングの能力に関する異なる制限が存在しうる。幾つかの実施形態において、前記推進力リミッターは、前記再生象限に対するモータリングにおいて異なる振る舞いをし、前記各象限の前記性能強制に従って各象限の性能を最大化する。例えば、前記モータリング象限における前記無負荷スピードに近いときには、同一スピードでの再生象限における減速能力の量と比べると、利用可能な加速能力は殆ど無い。全象限において同一の制限を用いる場合と比べると、異なる象限において異なる振る舞いを有することにより、ブレーキ能力を保持することができる。
【0104】
一実施形態において、前記推進力リミッターは、2つの項を有する。第一項は、フィルターがかかったMDC及びゲインの派生したものの規模に関する産物であってもよい。前記派生項の規模が増加すると、前記摺動制限及びヨーターゲット制限を引き下げることができ、そして、前記必要なMDCを増加させる速度を下げることができる。これは、ダンパーとして作用することができ、前記MDCが比例バンド(proportional band)に入ったときに安定した応答を可能にする。第二項は、前記電流閾値及び前記MDC及びゲイン間の差の産物であってもよい。該項は、前記MDCが前記電流閾値を下回ったときにはゼロに戻る。このことは、前記CCE及び前記電流閾値の間のバンド内に前記MDCがある場合に、アクティブになるだけであることを意味している。バンドのサイズが小さくなると、前記車両性能を阻害することが少なくなる。しかし、それは、前記項におけるゲインの上昇が原因となって、更に振動するようになる前記推進力リミッター応答の硬直性(stiffness)を上昇させるコストにおいてである。該「比例バンド」のサイズは、ピークのマシンの性能と制御部の安定性のトレードオフのバランスにとって重要なものと成りうる。幾つかの実施形態において、該バンドのサイズは、前記システムの現時点でのスピードに依存して変化することができる。これにより、以下の点における改善が可能となる:前記システムが前記制限とかけ離れている場合の低スピードにおける加速性能;加速性能が重要とならない、より高スピードにおける平衡マージンの増加;及び、制御部安定性のチューニングにおける更なる柔軟性。
【0105】
前記推進力リミッターの出力は、前記2つの項、二重の制限された速度の合計から成ってもよい。こうした出力は、摺動位置及びヨーレート・ターゲットに関する前記システムが課した絶対的限界から差し引きすることができる。前記二重の速度制限は、更なる高速での低下、及び更なる低速での増加を、前記生成された制限が行うことを可能にすべく使用することができる。従って、前記制御部は、前記制限を急速に下げることができ、元への回復を更にゆっくりと行うことを可能にする。これにより、前記硬直性を挙げることが可能となり、従って、振動の振る舞いの発生を減少させながら、前記推進力リミッターの応答時間を減らすことが可能となる。前記摺動推進力制限は、平衡操作の間のみ課すことができる。その結果、着地及び発進の間の一時的な場合には、前記摺動制限を引き下げることはせず、推進駆動に関する推進制限が重要なものとなっていないこれらの状態における振る舞いに影響を及ぼさない。前記速度制御部によって生成された所望の摺動位置が、前記推進力リミッターにおいて生成され且つ減少した限界よりも小さい場合、フラグを送って、前記速度制御部における積分器を現時点での値で飽和させることができる。こうしたことは、前記摺動位置が制限されている間、積分器が終了させることを回避するために行うことができる。
【0106】
前記ヨーレート(縦方向及び横方向の両方に対する車両の垂直軸に関してターニングさせる速度)を使用して、前記推進力リミッターへのフィード・フォアワード項を生成することができ、該リミッターは、縦方向の(車頭/車尾)の加速を制限して、ヨー又は方向の制御を保持する。高いヨーレートと組み合せた高い縦方向の加速により、巨大なヨーモーメントが発生する可能性があり、該モーメントは、前記推進モーターによって指示しなければならない。平衡機能を保存するために、縦方向及びヨー推進力の合計は、前記推進システムの制限以下に維持しなければならない。一実施形態において、ヨー推進力が高い場合には、縦方向の推進力を減らすことができ、平衡及びステアリング能力が縦方向の加速性能及び減速性能を上回る状態を保持する。他の実施形態では、バランスを維持している間、ヨー推進力を制限又は減少させるために、縦方向の推進力を用いることができる。
【0107】
図6は、動的平衡車両(例えば、図4の前記制御部(400)を用いた図1の前記車両(100))に関する平衡マージンを維持することを目的とする推進力制限のための方法のフローチャートである。前記方法は、前記車両に関する現在稼動している車輪トルクを決定するステップ(604)、及び前記車両の現在の車輪トルク能力を決定するステップ(608)を含み、本明細書中で説明する(例えば、モーター電流能力評価という題のセクション)。
【0108】
また、前記方法は、以下のステップ(612)を含むことができる:前記連結構造部(例えば、図1の連結構造部(172))を制御し(即ち、前記推進力リミッター(444)を可能化し)、現在稼動している車輪トルク及び現在の車輪トルク能力に基づいて、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を(前記摺動作動装置(450)を用いて)制御し、前記車両の平衡に必要な推進能力マージンを維持する。また、前記方法は、例えば、前記車両が動的平衡を維持する旨の要求を受け取ったユーザーによる入力(図4の入力(402))に基づいて、前記車両のスピードを制御するステップ(616)を含む。
【0109】
幾つかの実施形態において、前記方法は、前記連結構造部に対して、前記車両の平衡を維持する位置を命じるコマンドを送信することのみを可能にするステップ(620)を含む。例示的な意味で、図4の前記制御部(400)を以下のように設計することができる:即ち、前記連結構造部の前記プラットフォーム部に対する特定の位置上に前記連結構造部の前記支持部がなるためのコマンドを前記摺動位置制御部(446)が送信することを前記推進力リミッター(444)が可能にするだけになるように設計することができる。他の実施形態では、前記制御部は、前記車両の平衡を保持するために、減衰したり、前記摺動位置を変更したりすることができる。
【0110】
CGオフセット
前記CG(重心)オフセットは、典型的には、前記プラットフォームが水平となる場所で前記車両が平衡をとるのに必要となる所定の固定摺動ゼロ位置とは異なる物理的な位置の測定又は評価である。前記CGオフセットは、前記車両の使用の間、及び使用期間の両方において、乗客及び積荷に依存して、変化する可能性がある。従って、スタートアップ時及び操作中の両方において、これを測定することは重要な機能である。操作中の前記CGオフセット、及びその変化は、速度制御部、ピッチ制御部、及び推進力リミッター(例えば、図4における速度制御部(428)、ピッチ制御部(406)、及び推進力リミッター(432))の性能に影響を及ぼす可能性がある。決定されたCGオフセットを前記速度制御部において用いることにより、前記積分項が必要とする規模を減らすことができ、従って、様々な条件で積分器が飽和する可能性を減らすことができる。前記ピッチ制御部において、前記摺動傾きオフセットに影響を及ぼすことができる;前記CGオフセットで摺動位置を中央にする(centering slide travel)ことで、結果的にゼロスピードにおいてマシンが水平となる。前記推進力リミッターにおいて、前記CGオフセットは、前記摺動位置を制限する際に重要な役割を果たすことができる。なぜならば、前記推進力リミッターが前記摺動位置している間、該リミッターは、前記連結構造部支持体のCGの配置を制御するように作用するからである。前記推進力リミッターにおいて、前記CGオフセットを考慮に入れず、そして、前記CGの縦方向の位置の大きなシフト(荷重シフトからのように)があった場合、マシンは、ドライブ飽和(drive saturation)及びピッチ不安定性に対して脆弱となる可能性がある。
【0111】
図7は、本発明の例示的な実施形態に従って、前記車両の重心の位置を(例えば、図4の前記制御部(400)を用いて)制御することにより、車両(例えば、図1の車両(100))の動的平衡をとるための例示的な方法のフローチャートである。前記方法は、前記連結構造部のプラットフォーム部(例えば、プラットフォーム部(172b))に対する前記連結構造部の支持部(例えば、支持部(172a))の位置を決定するステップ(704)を含む。また、前記方法は、前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を制御して、前記車両が動的平衡をとっている間、車両の重心の位置を移動させるステップ(708)を含む。
【0112】
また、前記方法は、前記車両が、コマンド送信された下表面に対する静止位置にあり、且つ前記支持体が少なくとも実質的に水平である間、前記車両の動的平衡をとるために、前記プラットフォーム部に対する前記支持部を動かすステップ(728)を含む。例示的な意味で、前記動かすステップ(728)は、前記車両が発進又は着地モードで稼動しているときに実行することができる。また、前記方法は、車両の重心の位置の変化に応じて、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変更するステップ(732)を含む。幾つかの実施形態において、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御するステップは、車両の車頭/車尾スピードコマンド(712)、ヨーレートコマンド(716)、又はその両方を受け取る事に応じて、実行される。
【0113】
幾つかの実施形態において、前記制御部は、車両の発進及び着地モードの間に位置を制御する前記ステップを不能化する(724)。また、前記制御部は、位置を制御する前記ステップを、前記発進モードから平衡モードへ前記車両が入った後で可能化するように設計される。
【0114】
幾つかの実施形態において、前記システムが静止状態にあると考えられるときに、前記CGオフセットは、一定期間の前記組み合わされた摺動位置を平気することにより更新される。前記CGオフセットの更新を誘起するための種々の基準が考えられる;これらのうちの幾つか又は全てについて可能化することができる。例えば、1つの基準としては、一定期間、速度及びヨーターゲット/コマンドが低いことがあげられる。これにより、その他の基準をチェックしたり、前記平均化したりすることを開始する前に、前記システムは落ち着いた状態になることが可能となる。また、これにより、前記車両は、他の誘起基準のための更に広い閾値を有することが可能となる。別の基準としては、前記車両が平衡のとれた走行状態にあることが挙げられる。該基準により、発進又は着地の間に前記CGオフセットが更新されることを回避し、ここで、マシンは著しく傾いており、従って、水平時に実際のCG位置が存在する可能性のある状態からは程遠い摺動位置にあることを必要とする。
【0115】
別の基準として、全モーター駆動部の現時点での最大推進駆動電流の大きさが低いことが挙げられる。該基準は、前記車両が勾配上にある場合に対処することを補助する。もし、勾配上で更新がなされると、該項新は前記推進力リミッターに悪影響を及ぼす可能性がある。勾配上で静止している場合、前記モーター電流は低くない。勾配上で前記車両を停止するためにはある推進力が必要とされ、前記停止力を発生させるために前記摺動で位置移動することも必要とされる。前記CGオフセットが更新されると、水平な地面上で必要とされるものとは最終的に異なるであろう。別の基準として、前記摺動作動装置に関する現時点の最大摺動駆動電流の大きさが低いことが挙げられる。キャビン(例えば、筐体、支持体、及び前記連結構造部の支持部)が外的障害に遭遇したときに、前記推進駆動電流は低くなる可能性があり、そして、スピードは遅くなる可能性があり、しかし、前記摺動電流はより高く、そして、前記摺動位置エラーは有効であり、従って、前記CGオフセットにおけるエラーが生成される可能性がある。
【0116】
別の基準として、前記キャビンの加速が低いことが挙げられる。前記摺動が完全に停止状態になっておらず、しかし、前記CGオフセットの更新のための境界内であるときには、車輪のスピードを、キャビンの加速のインジケーターとして主に使用することにより、前記CGオフセットは、減速終了直後に更新することができる。低加速を必要とすることにより、こうした課題を回避することを補助できる。別の基準として、前記感知された摺動速度が低いことが挙げられる。前記摺動が移動中であり、又はノイズの伴った速度信号があるときには、これにより、非ゼロ速度として表示され、前記CGオフセットは、エラーとなることができる。
【0117】
別の基準として、前記車輪速度が低いことが挙げられる。運動に関連したロスを克服するために必要となる摺動位置により、静止状態では適用できないCGオフセットを結果的には引き起こすことができる。別の基準として、前記ヨーレート(車輪スピードからの)が低いことがあげられる。前記車両がヨーイングしているときに発生する摺動位置における小さな一時的な状態は、前記位置平均の中に連結される。別の基準は、前記リバースモードが不能化されていることが挙げられる。前方から後方へ変化するときの残りの基準の殆どに関しては、前記車両スピードはゼロを通過する。従って、リバースモードが可能化されると、前記更新は不能化される。幾つかの実施形態において、これら静止状態(又は、実質的に静止状態)の状態は、0.5秒保持することが必要であり、該期間は、平均摺動位置を計算することができ、前記CGオフセットを更新することができる期間である。前記更新されたオフセットは、ローパスフィルターにかけることができ、前記更新されたCGオフセットが前記制御部を導入される際の任意の一時的な障害を除外することができる。
【0118】
前記マシンがスタンバイモードに入ったときには、前記CGオフセットが更新されたときに示されるフラグは、FALSEに設定することができる。これにより、前記マシンが平衡モードに入る度に、前記CGオフセットを更新することが可能となる。従って、前記マシンが静的に安定した状態にあるときに任意の重量の変化が起こった場合(例えば、新たな乗客を乗せたとき)、前記マシンは、前記平衡走行モードに入る際に、新たなCGオフセットを更新することができる。平衡モードに入ったときに、前記CGオフセットが更新されるまで、前記マシンは、運動コマンドをゼロに保つことができる。前記マシンが一定時間内に更新しない場合には、前記摺動位置に関して、非常に長い平均値で前記更新を強制する。これにより、もし前記更新が失敗したとしても(例えば、ある種のノイズの問題、又は、風や勾配のようなある環境的な因子が原因となって)、前記CGオフセットはなおも更新することができることを保証する。CGオフセット更新が、以前のもののある範囲内である場合には、該更新は無視することができる。こうしたことを行うことができる理由としては、小さな更新は組み込む必要がないからであり、その理由は、前記システム性能に有意に影響を及ぼすことがないからである。
【0119】
モーター電流能力評価
推進システム性能は、必要に応じて減らすことができ、車両の電圧/スピードマージン、又は「空き高(headroom)」を維持することができる。また、間接的に、該システム性能は、幾つかの車輪モーター電流又はトルクマージンを維持する。保持されることが望まれるのは本来はこのトルクマージンである。車輪モータートルクは、捻回推進力として定義することができ、そして、推進力制限アルゴリズムの実装に成功していることが理由となって、今や、性能監視は、推進力マージンを維持することに基づくことができる。車輪モーター電流は前記推進モーターにて推進力に変換するため、ここで、前記アプローチは、バッテリーの状態に基づく、そして、モータースピードの関数としての前記モーター電流能力を評価することである。もし、冗長性が採用されるのであれば、こうした能力評価は、2つの冗長な前記推進システムの半分に対してそれぞれ適用することができる。このようにして、充分な推進力マージンを保持するための方法において用いることができ、両方の冗長な摺動走行を用いて(即ち、2つのモーター駆動部;各1つが前記車両の車輪を備える)前記車両の平衡を維持し、又は、前記冗長な推進システムの片側がオフラインになったとしても平衡を維持するために必要なマージンを保持する。
【0120】
前記電流能力評価部(CCE)は、開回路電圧及びDC内部の抵抗に関する現時点でのバッテリー状態評価部(BSE)の値を用いて、現時点でのスピードでの車輪モーター電流を生成するための前記システムの能力を評価する(例えば、図8A及び8Bを参照)。前記モーター駆動部が課す前記電流制限は、該評価の中に含まれる。前記提供された能力評価は、稼動しているスピードの全範囲にわたって、前記システムの実際の車輪モーター電流能力と等しいか、幾分低くなっている。こうしたマージンは、平衡操作中に平衡能力を保持することを保証するという点において、前記推進力リミッター機能にとって有用な物となるようにチューニングすることができる。前記能力評価は、稼動しているスピードの全範囲にわたって、前記システムの実際の電流能力と等しいか、又はそれ未満である。従来技術のシステムで行っていたような電圧マージンに基づいてスピードを制限する必要性を排除することができる。
【0121】
図8Aは、本発明の例示的な実施形態に従って、バッテリーにより電力供給される車両に関するモーター電流能力を決定(測定)するための方法のフローチャートである。所与の稼動スピードでDCバスが降下することができる電圧の評価が必要とされる。該電圧は、反復法(iterative techniques)を用いないで、正確に評価することが困難となる可能性がある。なぜならば、前記モーター電流は、前記モーター駆動部を通して、バッテリーの動力負荷に変換される。そして、動力は、前記バッテリー電圧を低下させる。該低下は、前記バッテリー電流を上昇させる。該上昇は、前記バッテリー電圧を更に降下させる。従って、ここで用いられる前記アプローチは、より高いモータースピードにおいて従来の評価を与えるという欠点を有した前記方法を簡潔なまま維持する。従って、前記電圧は、前記バッテリー電流が、これまでの予想された最大のものという想定を元に、従来どおり評価される。
【0122】
前記方法は、操作中の車両バッテリーに関する所定の最大予想バッテリーバス電流(804)、評価されたバッテリー開回路電圧(808)、及び評価されたバッテリー抵抗(812)に基づいて、操作中の車両バッテリーに関する下降したバッテリー電圧を評価するステップ(ステップ836)を含む。
【0123】
一実施形態において、前記下降したバッテリー電圧は以下の式に従い評価される:
【数24】
{ここで、
【数25】
は、前記評価された下降バッテリー電圧であり、
【数26】
は、評価されたバッテリー開回路電圧(測定されたものであり、例えば、図8A及び8Bに関する)であり、
【数27】
は、前記所定の最大予想バッテリーバス電流(測定されたものであり、例えば、図8A及び8Bに関する、又はシミュレーションを介したもの)、並びに
【数28】
は、前記評価されたバッテリー抵抗(測定されたものであり、例えば、図8A及び8Bに関する)である。
【0124】
また、前記方法は、前記バッテリーにより電力供給される車両に関する前記モーター電流能力を以下に基づいて評価するステップ(ステップ840)を含む:
前記バッテリーにより電力供給される車両を駆動させるために使用されるモーター(816)の稼働スピード、前記モーターの逆起電力定数(820)、前記モーター巻線の電気抵抗(824)、前記下降したバッテリー電圧(ステップ836)、前記モーター巻線の電気的なインダクタンス(828)、及び前記モーターに関する磁極ペア数(832)。前記モーターの前記稼働スピード(816)は、典型的には測定されたパラメーターである。前記モーター巻線の逆起電力定数(820)、前記モーター巻線の電気抵抗(824)、前記モーター巻線の電気的なインダクタンス(828)、及び前記モーターに関する磁極ペア数(832)は、前記モーター製造業者によって通常提供される前記車両モーターに関する所定の仕様である。
【0125】
一実施形態において、前記バッテリーにより電力供給される車両に関する前記モーター電流能力は、以下の式に従い決定される:
【数29】
{ここで、
【数30】
は、前記モーター電流能力であり、
【数31】
は、前記モーターの稼動スピードであり、
【数32】
は、前記モーター巻線の線間逆起電力定数であり、
【数33】
は、前記モーター巻線の線間抵抗であり、
【数34】
は、前記モーターに関する磁極ペア数であり、及び
【数35】
は、前記モーター巻線の線間インダクタンスである。
【0126】
幾つかの実施形態において、また、前記方法は、前記モーター電流能力を制限するステップを含み、該能力は、前記バッテリーにより電力供給される車両に関して利用可能な能力(又は、前記車両制御システムが使用することを許可された能力)であり、以下の式に従う、前記モーターを駆動させるためのモーター駆動部の電流制限に基づくものである:
【数36】
{ここで、
【数37】
は、予め特定された前記モーター駆動部の電流制限(例えば、前記モーター製造者によって特定されたもの)、又は動的に調整される電流制限であって、前記モーター駆動部から前記車両制御システムへフィードバックされるものである。
【0127】
また、幾つかの実施形態において、前記方法は、
【数38】
に基づく前記モーターの最大無負荷スピードの評価において使用される前記モーターの稼動スピードの値を制限するステップも含み、該制限は

【数39】
に従う:
{ここで、
【数40】
は、前記最大無負荷スピードである。
【0128】
図8Bは、本発明の例示的な実施形態に従って、バッテリーにより電力供給される車両に関するモーター電流能力を決定(測定)するための装置(850)の概念図である。前記装置(850)は、例えば、図8Aの前記方法を実施することができる。前記装置(850)は、測定モジュール(854)を備え、該モジュールは、前記車両モーター(862)の稼働スピードを測定するための物である。また、前記装置(858)は、測定モジュール(858)を備え、該モジュールは、前記様々なモーターパラメーター(866)及びバッテリーパラメーター(868)に基づいて、前記下降したバッテリー電圧、及び前記モーター電流能力を評価するための物である。
【0129】
バッテリーの電気的な状態の評価
電気的な負荷を供給するための広い範囲の電源が公知となっている。電源の電力輸送能力について特性評価することは、放電ポイントの終点、又は前記電源の利用可能な出力電力を知るために有益となり得る。前記電源(例えば、バッテリー)が、電気的な負荷(例えば、電気モーター)に電力を提供し、輸送隊の為の推進力を生み出す場合において、前記電源の電力輸送能力を理解することにより、例えば、前記輸送体の最大稼働スピードを決定することが可能となる。
【0130】
図9Aは、本発明の例示的な実施形態に従ったバッテリー(935)の回路図モデルである。前記バッテリー(935)は、電気的な負荷(例えば、輸送体で用いられる電気モーター)を駆動させることができる。前記バッテリー(935)は、開回路電圧源
【数41】
(940))(ここで該電圧源は、以下を有する:
内部のインピーダンス(
【数42】
(945))、及び回路中の電流フロー(
【数43】
(955))としてモデル化することができる。
前記バッテリー電圧(
【数44】
(950))は、前記端子(956及び957)で測定することができる。
【0131】
図9Bは、本発明の例示的な実施形態に従った装置(964)(バッテリー状態評価部「BSE」)の概念図であり、該装置は、図9Aの前記バッテリー(935)の電気的な状態を評価するためのものである。前記BSEの機能は、前記測定されたバッテリー電流(955)及び端子電圧(950)を入力として用いて、前記バッテリーの性能の特徴を以下に基づいて測定することである:
変動する「開回路」電圧源(
【数45】
);及び
前記バッテリーの変動する一連のDC抵抗(Rbat)モデル。
そして、Rbat及びVocは、前記システムによって使用され、例えば、前記モーター電流能力(CCE)の評価において使用される。該CCEは、傾き安定性の維持を確保するためにコマンド送信される前記推進力を制限するために次々と使用される。また、Vocは、放電(空のバッテリー)の基準の終点を決定する際に使用することができる。
【0132】
バッテリー電流が急速に変化する状態の下で(データが豊富に存在する下で)、前記バッテリー電圧の差を前記バッテリー電流の差で割った比をとることにより、前記バッテリー(その抵抗)に関する電圧及び電流の関係がすぐに決定することができる。Vocは、徐々に変化していき、殆ど、又は全くバッテリー電流が下がらくなったときに、
【数46】
として、知ることができる。Vocは、更なる電流が流れたときに、前記バッテリーにおけるVbat及び抵抗電圧降下に基づいて計算することができる。従って、従来技術のシステムで行っていた場合よりも、Rbat及びVocの更なる迅速且つ正確な評価を決定することができる。前記Voc評価は良好なRbat評価に依存するため、Rbat評価は、迅速に応答/変換されることが望ましい。また、前記Rbat評価は、実際のバッテリー抵抗の変化に素早く応答することができるため、従来技術のシステムで行われていた広範な従来の値(例示的な実施形態において4.8オーム)に代わって、前記バッテリー抵抗の予想値(例示的な実施形態において、1.7オーム)に更に近い値を有するRbatを与える(seed)ことが可能である(そして、望ましい)。また、実際のバッテリー抵抗が高い場合、Rbatは、充電のほぼ直後(1秒又は2秒以内)の状態を入力データにおいて維持している状態を反映している可能性がある。前記出力はローパスフィルターにかけることができ、Rbat又はVocの瞬間的な変化を回避することができる。
【0133】
図9Bを参照すると、電源(バッテリー)(935)は、電気的負荷(958)を駆動させる。前記装置(964)は、バッテリーパラメーターの初期値を受け取るための入力装置(965)を備える。前記装置(964)は、以下の値を得るために設計された測定モジュール(960)を備える:
バッテリー電圧(
【数47】
、(950))、及びバッテリー電流の流れ(
【数48】
、(955))。また、前記装置(964)は、バッテリー抵抗(
【数49】
)を計算するために設計された評価モジュール(961)を備え、該計算は以下に基づいて行われる:バッテリー電圧の変化(
【数50】
)及びバッテリー電流の流れの変化(Δ(delta)Ibat)。また、前記評価モジュール(961)は、開回路バッテリー電圧(
【数51】
)を計算するために設計され、該計算は以下に基づいて行われる:前記計算されたバッテリー抵抗(
【数52】
)、前記バッテリー電流の流れ(
【数53】
)、及び前記バッテリー電圧(
【数54】
)。
【0134】
図9Cは、例えば、図9Bの装置(964)を用いて前記バッテリーの電気状態を評価するための方法のフローチャートである。前記方法は、大半の状況に関する合理的な予想である
【数55】

【数56】
の値を初期化するステップ(ステップ904)を含む。合理的な値である
【数57】
は最も可能性の高い場合である。そして、前記アルゴリズムは、バッテリー電流が下がると迅速に、正確な値である
【数58】
に関して収束させることができるため、高抵抗バッテリーの状態を実質的に迅速な速さで検出することができる。信号を旋回又はフィルタリングすることは、どれだけ迅速にこうした動作を起こすことができるかについて影響を及ぼすであろう。従って、一実施形態において、更に高い範囲の予想値(例えば、1.7オーム)に関する保存値である
【数59】
が選択される。
【0135】
また、前記方法は、ある時間の第一のポイントで、以下の値を獲得するステップ(ステップ908)を含む:前記バッテリー電圧(
【数60】
(950))、及び前記バッテリー電流の流れ(
【数61】
(955))。
また、前記方法は、以下のものを監視するステップ(ステップ912)を含む:バッテリー電圧(
【数62】
(950))、及びバッテリー電流の流れ(
【数63】
(955))。また、前記方法は、バッテリー電圧及び前記バッテリー電流の流れの変化が、ある時間における前記第一及び第二のポイントの間で、所定の基準を満たしたとき(914)、ある時間の第二のポイントで、以下の値を獲得するステップ(ステップ916)を含む:前記バッテリー電圧(
【数64】
(950))、及びバッテリー電流の流れ(
【数65】
(955))。
【数66】
における変化を監視することにより、前記バッテリー抵抗が高い場合のアルゴリズムの感度を高くすることになる。従って、高バッテリー抵抗状態を更に迅速に検出することを補助する。
【0136】
該実施形態において、前記所定の基準は、以下のときに満たされる:
ある時間における前記第一及び第二のポイントの間(例えば、約2秒以内)でのバッテリー電圧における変化(
【数67】
(950))が、所定の電圧量(例えば、±2.0V超)を超え、且つ、
ある時間における前記第一及び第二のポイントの間バッテリー電流の流れにおける変化(
【数68】
(955))が、所定の電流量(例えば、非ゼロ、±0.1A超)を超える場合。健全な(1.4オーム)バッテリーでは、±2.0Vの変化については、±1.4AΔを通常必要とする。非ゼロ値を
【数69】
に関して使用することにより、
【数70】
を計算するときに、ゼロで割ることを回避できる。±0.1Aの電流変化により、計算を妨害することなく、20オームもの大きさのバッテリー抵抗を許容することができる。2秒の期間により、前記バッテリーの電気的状態についての正確な評価を、比較的遅く変化する電流が、なおも提供することを可能とする。
【0137】
前記所定の基準が満たされると、前記方法は、ある時間における前記第一及び第二のポイントの間におけるバッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの変化に基づいて、前記バッテリー抵抗を計算するステップ(ステップ920)を含み、該計算は以下の式に従う:
【数71】
【0138】
また、前記方法は、前記計算されたバッテリー抵抗、ある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電流の流れ、及びある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電圧に基づいて、前記開回路バッテリー電圧を計算するステップ(ステップ924)を含み、該計算は以下の式に従う:
【数72】
【0139】
また、所定の基準が満たされた場合、前記方法は、ある時間の後のポイントにおいて(例えば、第三、第四)、前記ステップを繰り返すステップ(ステップ928)を含む。一実施形態において、ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びに、ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超えたとき、前記方法は、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値を、ある時間の第三のポイントで獲得するステップを含む。前記方法は、前記所定の基準が満たされない間は、前記値を獲得することを中止(延期)するステップを含む。
【0140】
また、幾つかの実施形態において、前記計算されたバッテリー抵抗、ある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電流の流れ、及びある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電圧に基づいて開回路のバッテリー電圧を計算するステップ(ステップ924)は、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗から、所定のパーセンテージを超えて変化したかどうかを決定するステップを含む。一実施形態において、以前計算されたバッテリー抵抗が、現時点での計算されたバッテリー抵抗に対して、所定のパーセンテージを超えて変化しない場合に、前記開回路バッテリー電圧は、前記計算されたバッテリー抵抗に基づいて計算される(ステップ924)。別の実施形態では、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算された計算バッテリー抵抗に対して、所定のパーセンテージを超えて変化する場合に、前記開回路バッテリー電圧が、以前に計算されたバッテリー抵抗に基づいて、計算される(ステップ924)。
【0141】
幾つかの一時的な状態(特に実際のバッテリー抵抗が急速に変化する場合(スイッチ可能な抵抗を用いてテストしたときのように))は、1つの更新の間で、前記評価
【数73】
を極端に高くする(±80オーム)。
【数74】
に関する許容可能な値の範囲を、予め特定した範囲(例えば、1〜15オーム)にすることにより、計算において用いられる値
【数75】
は、合理的な値
【数76】
に維持される。幾つかの実施形態において、
【数77】
は、更新の間、±10%の変化に制限される。これは
【数78】
の巨大かつ非現実的な変動を防止することを目的とする。これは、重要なことであり、なぜなら、
【数79】
の変動は、
【数80】
に影響を及ぼすからである。前記システムが新たな値を獲得したときに、ある時間のあるポイントで巨大且つ非現実的な変化が発生すると、前記評価は影響を受ける可能性がある。悪影響については、前記Rbatに変化の制限を課すことにより、制限することができる。定数ではなくパーセンテージを用いることで、
【数81】
について、小さい値の場合には、許容可能な変化を小さく、そして、大きい値の場合には許容可能な変化を大きくすることができる。
【0142】
幾つかの実施形態において、ステップ(916、920、及び924)を、バッテリーによって電力供給される車両に関する所定の稼働条件の間(例えば、稼働モードの変更期間(例えば、着地、発進))中止する。幾つかの実施形態において、前記車両が、所定の期間、回復可能にブレーキをかけているとき、ステップ(916、920、及び924)を中止する。
【0143】
様々な実施形態において、前記開示された方法は、コンピュータ・システムで用いるためのコンピュータ・プログラム製品として実装することができる。こうした実装には、一連のコンピュータ指示(インストラクション)を含めることができ、該指示は、具体的な媒体(コンピュータ読取可能媒体(例えば、ディスケット、CD−ROM、ROM、又は固定ディスク))上に固定されるか、又は、モデム、若しくは他のインターフェース装置(例えば、媒体を介したネットワークに接続された通信アダプター)を介してコンピュータシステムへ伝送可能な状態であるかのいずれかである。前記媒体は、以下のいずれかの媒体であってもよい:具体的(有形の)な媒体(例えば、光学的又はアナログの通信回線)、又は無線技術を用いて実装される媒体(例えば、マイクロ波、赤外線、又は他の伝送技術)。前記一連のコンピュータ指示は、前記システムに関して、本明細書で上述した機能の全て又は一部を具現化する。当業者が理解すべきことではあるが、こうしたコンピュータ指示は、多くのコンピュータ・アーキテクチャ又はオペレーティングシステムで用いるための複数のプログラミング言語で記述することができる。
【0144】
更に、こうした指示は、任意のメモリ装置の中に保存することができ、例えば以下の物が挙げられる:半導体装置、磁気装置、光学的装置、又は他のメモリ装置。そして、こうした指示は、任意の通信技術を用いて伝送することができる:例えば、光学的伝送技術、赤外線伝送技術、マイクロ波伝送技術、又は、他の伝送技術。予想されることではあるが、こうしたコンピュータ・プログラム製品は、以下の形態で配信することができる:印刷された文書、若しくは電子文書を伴うリムーバブル媒体(例えば、箱等に包装されたソフトウェア)、コンピュータ・システム(例えば、システムROM上や固定ディスク上)に予めロードされた形態、又はサーバー若しくは電子掲示板からの前記ネットワーク(例えば、インターネット又はWorld Wide Web)を介した配信形態。無論、本発明の幾つかの実施形態は、ソフトウェア(例えば、コンピュータ・プログラム製品)、及びハードウェアの両方の組合せとして実施することができる。更に本発明の他の実施形態では、完全にハードウェア、又は完全にソフトウェア(例えば、コンピュータ・プログラム製品)として実施される。
【0145】
本発明に関して記述された実施形態は、単なる例示であることを意図しており、数多くの変更及び改変があることは当業者にとって明らかであろう。こうした全ての変更及び改変についても添付した特許請求の範囲で規定される本発明の範囲内であることを意図する。
一側面において本願発明は以下の発明を包含する。
(発明1)
車両のスピードを制御するための方法であって、
前記車両は以下を備え:
・支持体、
・少なくとも1つの車輪、
・前記少なくとも1つの車輪と連結したプラットフォーム、
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする)
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する)
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、前記少なくとも1つの車輪と連結し、前記少なくとも1つの車輪に動力を送り、前記車両を駆動させ、及び所望の方向に前記プラットフォームを維持する)、並びに
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する)、
前記方法は以下のステップを含む該方法:
・前記連結組立体のプラットフォーム部の位置に対する前記連結構造部の支持部の位置を決定するステップ;及び
・前記所望の方向に前記プラットフォームを維持している間、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させるコマンドを前記連結構造部に送ることにより、前記少なくとも1つの車輪が下表面に適用するトルクを制御するステップ。
(発明2)
発明1に記載の方法であって、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の特定の位置を特定し、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両に関する所望のスピードを達成するステップを含む該方法。
(発明3)
発明2に記載の方法であって、前記特定の位置が前記車両の稼働モードに基づいて決定される該方法。
(発明4)
発明1に記載の方法であって、以下のステップを含む該方法:
・車両スピードコマンド値をユーザー又は制御部から受け取るステップ、及び
・前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両スピードコマンド値を達成するステップ。
(発明5)
発明1に記載の方法であって、以下のステップを含む該方法:
前記少なくとも1つの車輪からのスピードフィードバック信号、連結構造部スピード、又はその両方を受け取り、
前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両のスピードを制御するコマンドを前記連結構造部に送るステップ。
(発明6)
発明1に記載の方法であって、
前記制御部はスピードリミッタ・モジュールを備え、
該制御部は、以下の動作を行うために設計される該方法:
該動作とは、スピード・コマンド信号のサイズに行わせる動作であり、
該サイズに行わせる動作とは、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクに行わせる動作であり、
該トルクに行わせる動作とは、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を所定時間にわたって変化させることに応じて、前記車両のスピードを所定時間強制することである。
(発明7)
発明1に記載の方法であって、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである該方法。
(発明8)
発明1に記載の方法であって、前記連結構造部が四節連動部である該方法。
(発明9)
以下を備える車両:
・支持体;
・少なくとも1つの車輪;
・前記少なくとも1つの車輪と連結したプラットフォーム;
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする);
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する)
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、前記少なくとも1つの車輪と連結し、前記少なくとも1つの車輪に動力を送り、前記車両を駆動させ、及び所望の方向に前記プラットフォームを維持する)、;並びに
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する)
{ここで、前記所望の方向に前記プラットフォームを維持している間、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させるコマンドを前記連結構造部に送ることにより、前記少なくとも1つの車輪が下表面車両に適用するトルクを制御する}。
(発明10)
発明9に記載の車両であって、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の特定の位置をコマンド送信し、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両に関する所望のスピードを達成するステップを含むように、前記制御部が設計される該車両。
(発明11)
発明9に記載の車両であって、以下のための入力装置を備える該車両:
・車両スピードコマンド値をユーザー又は制御部から受け取ること、及び
・前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御して、前記車両スピードコマンド値を達成すること。
(発明12)
発明9に記載の車両であって、
車輪スピードセンサー及び連結構造部スピードセンサーを備え、
前記制御部へ信号を送り、
コマンドを前記連結構造部に送り、
前記コマンドは、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させ、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクを制御し、前記車両のスピードを制御するためのコマンドである該車両。
(発明13)
発明9に記載の車両であって、
スピードリミッタ・モジュールを備え、
該モジュールは該制御部に以下の動作を行わせるコマンドを送信するために設計される該車両:
該動作とは、スピード・コマンド信号のサイズに行わせる動作であり、
該サイズに行わせる動作とは、前記少なくとも1つの車輪が前記下表面に適用する前記トルクに行わせる動作であり、
該トルクに行わせる動作とは、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を所定時間にわたって変化させることに応じて、前記車両のスピードを所定時間強制することである該車両。
(発明14)
発明9に記載の車両であって、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである該車両。
(発明15)
発明9に記載の車両であって、前記連結構造部が四節連動部である該車両。
(発明16)
動的平衡車両に関する平衡マージンを維持するための方法であって、
前記車両は以下のものを備え:
・支持体、
・少なくとも1つの車輪、
・前記少なくとも1つの車輪に連結されたプラットフォーム
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする)、
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する)
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、前記少なくとも1つの車輪と連結し、前記車両の動的平衡をとり、前記少なくとも1つの車輪に動力を送り、前記車両を駆動させる)、並びに
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する)、
前記方法は以下のステップを含む該方法:
・前記車両に関する現在稼動している車輪トルクを決定するステップ;
・前記車両の現在の車輪トルク能力を決定するステップ;並びに
・前記連結構造部を制御し、前記現在稼動している車輪トルク及び現在の車輪トルク能力に基づいて前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御し、前記車両の平衡に必要な推進能力マージンを維持するステップ。
(発明17)
発明16に記載の方法であって、前記連結構造部に対して、前記車両の平衡を維持する位置を命じるコマンドを送信することのみを可能にするステップを含む該方法。
(発明18)
発明17に記載の方法であって、
前記連結構造部は、位置に関するコマンドを送る動作のみ可能にされ、
該位置は、前記現在稼動している車輪トルク及び前記車両の平衡に必要なトルクの合計がモーター電流レベルを要求する位置であり、
該レベルは、前記車両の操作に動力を与えるために使用される電源のモーター電流であって、評価された利用可能な駆動モーター電流を下回るレベルである該方法。
(発明19)
発明16に記載の方法であって、コマンド送信された、測定された、又は評価された車頭/車尾のトルク、ヨートルク、又は両方に基づいて、前記車両のスピードを制御するステップを含む該方法。
(発明20)
発明16に記載の方法であって、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである該方法。
(発明21)
発明16に記載の方法であって、前記連結構造部が四節連動部である該方法。
(発明22)
動的平衡車両であって、以下を備える該車両:
・支持体;
・少なくとも1つの車輪;
・前記少なくとも1つの車輪に連結されたプラットフォーム;
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする);
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する);
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、前記少なくとも1つの車輪と連結し、前記車両の動的平衡をとり、前記少なくとも1つの車輪に動力を送り、前記車両を駆動させる);並びに
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する);
{ここで、
前記車両のスピードは、前記連結構造部に以下のコマンドを送信することによって制御される:
前記車両に関する現在稼動している車輪トルク及び現在の車輪トルク能力に基づいて前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御し、前記車両の平衡に必要な推進能力マージンを維持すること}。
(発明23)
発明22に記載の車両であって、該車両は位置センサーを備え、
該センサーは、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の実際の位置を決定するためのものであり、
前記制御部は位置コマンドと実際の位置とを比較して、該比較に基づいて作動装置用のコマンドを出力する該車両。
(発明24)
発明22に記載の車両であって、該車両は、前記制御部と連結した推進力リミッターモジュールを備え、前記連結構造部に対して、前記車両の平衡を維持する位置を命じるコマンドを送信することのみを可能にする該車両。
(発明25)
発明24に記載の車両であって、
前記推進力リミッターは、前記連結構造部が、位置に関するコマンドを送る動作のみ可能にするように設計され、
該位置は、前記現在稼動している車輪トルク及び前記車両の平衡に必要なトルクの合計がモーター電流レベルを要求する位置であり、
該レベルは、前記車両の操作に動力を与えるために使用される電源のモーター電流であって、評価された利用可能な駆動モーター電流を下回るレベルである該車両。
(発明26)
発明22に記載の車両であって、
前記車両の車頭/車尾スピード、ヨーレート、又は両方に関するコマンドのためのユーザー入力装置を備え、
コマンド送信された、測定された、又は評価された車頭/車尾のトルク、ヨートルク、又は両方に基づいて、前記車両のスピードを制御するように前記制御部が設計される該車両。
(発明27)
発明22に記載の車両であって、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである該車両。
(発明28)
発明22に記載の車両であって、前記連結構造部が四節連動部である該車両。
(発明29)
動的平衡車両の平衡を取るための方法であって、
前記車両は以下を備え:
・支持体、
・少なくとも1つの接地部、
・前記少なくとも1つの接地部と連結されたプラットフォーム、
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする)
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する)
・駆動部(drive)(ここで該駆動部は、
前記少なくとも1つの接地部に連結されて、前記車両の動的平衡をとり、
前記少なくとも1つの接地部に動力を送り前記車両を駆動させる)、並びに
・制御部(ここで、該制御部は、
前記駆動部に連結され、前記駆動部にコマンド送信し、及び、
前記作動装置に連結され、前記作動装置を制御する)、
前記方法は、以下のステップを含む該方法:
・前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を決定するステップ;及び
・前記車両の動的平衡をとっている間、前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を制御し、前記車両重心の位置を動かすステップ。
(発明30)
発明29に記載の方法であって、前記車両が、コマンド送信された下表面に対する静止位置にあり、且つ前記支持体が少なくとも実質的に水平である間、前記プラットフォーム部に対する前記支持部を動かして、前記車両の動的平衡をとるステップを含む該方法。
(発明31)
発明29に記載の方法であって、車両の重心の位置の変化に応じて、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させるステップを含む該方法。
(発明32)
発明29に記載の方法であって、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する前記ステップが、車両の車頭/車尾のスピードコマンド、ヨーレートコマンド、又はその両方に応じて実行され、1以上の所定の条件を満たす該方法。
(発明33)
発明29に記載の方法であって、前記車両が所定の操作モードで稼動しているときに、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する前記ステップが実行される該方法。
(発明34)
発明29に記載の方法であって、車両の発進及び着陸モードの間、位置を制御する前記ステップを不能化するステップを含む該方法。
(発明35)
発明34に記載の方法であって、位置を制御する前記ステップを、前記発進モードから平衡モードへ前記車両が入った後で、可能化するステップを含む該方法。
(発明36)
発明29に記載の方法であって、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである該方法。
(発明37)
発明29に記載の方法であって、前記連結構造部が四節連動部である該方法。
(発明38)
動的平衡車両であって、以下を備える前記車両:
・支持体;
・少なくとも1つの接地部;
・前記少なくとも1つの接地部と連結されたプラットフォーム;
・連結構造部(ここで、該構造部は:
前記支持体と連結した支持部と;、及び
前記プラットフォームに連結したプラットフォーム部
とを有し、該構造部は、
前記プラットフォーム部に対して前記支持部が車頭及び車尾間を移動又は摺動することを可能にする);
・作動装置(ここで、該装置は、前記連結構造部と連結しており、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する);
・駆動部(drive)(ここで、該駆動部は、
前記少なくとも1つの接地部に連結され、前記車両の動的平衡をとり、
前記少なくとも1つの接地部に動力を送り、前記車両を駆動させる);並びに
・制御部(ここで、該制御部は
前記駆動部と連結して前記駆動部を制御し、及び
前記作動装置と連結して前記作動装置を制御する)
{ここで、前記制御部は、以下のことにより前記車両の平衡をとる:
・前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を決定すること、及び
・前記車両の動的平衡をとっている間、前記連結構造部のプラットフォーム部に対する前記連結構造部の支持部位置を制御し、前記車両重心の位置を動かすこと}。
(発明39)
発明38に記載の車両であって、前記車両が、コマンド送信された下表面に対する静止位置にあり、且つ前記支持体が少なくとも実質的に水平である間、前記プラットフォーム部に対する前記支持部を動かして、前記車両の動的平衡をとるために前記制御部が設計される該車両。
(発明40)
発明38に記載の車両であって、車両の重心の位置の変化に応じて、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を変化させるように前記制御部が設計される該車両。
(発明41)
発明38に記載の車両であって、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する前記ステップが、車両の車頭/車尾のスピードコマンド、ヨーレートコマンド、又はその両方に応じて実行され、1以上の所定の条件を満たす該車両。
(発明42)
発明38に記載のシステムであって、前記車両が所定の操作モードで稼動しているときに、前記プラットフォーム部に対する前記支持部の位置を制御する前記ステップが実行される該システム。
(発明43)
発明38に記載のシステムであって、車両の発進及び着陸モードの間、位置を制御する前記ステップを不能化するように前記制御部が設計される該システム。
(発明44)
発明43に記載のシステムであって、位置を制御する前記ステップを、前記発進モードから平衡モードへ前記車両が入った後で、可能化するように前記制御部が設計される該システム。
(発明45)
発明38に記載の車両であって、前記連結構造部が摺動組立体であり、前記支持部がレール、前記プラットフォーム部がレールガイドである該車両。
(発明46)
発明38に記載の車両であって、前記連結構造部が四節連動部である該車両。
(発明47)
バッテリーにより電力供給される車両のためのモーター電流能力を決定するための方法であって、以下のステップを含む該方法:
・以下に基づいて操作中の車両バッテリーに関する下降したバッテリー電圧を評価するステップ:
a)操作中の前記車両バッテリーに関する所定の最大予想バッテリーバス電流、
b)評価されたバッテリー開回路電圧、及び
c)評価されたバッテリー開回路抵抗;並びに、
・前記バッテリーにより電力供給される車両に関するモーター電流能力を以下に基づいて評価するステップ:
d)前記バッテリーにより電力供給される車両を駆動させるために使用されるモーターの稼動スピード、
e)前記モーター巻線の逆起電力定数、
f)前記モーター巻線の電気抵抗、
g)前記下降したバッテリー電圧、
h)前記モーター巻線の電気的なインダクタンス、及び
i)前記モーターに関する磁極ペア数。
(発明48)
発明47に記載の方法であって、前記操作中の車両バッテリーに関する下降したバッテリー電圧は以下に従い評価される該方法:
【数82】
{ここで
【数83】
は、前記評価された下降バッテリー電圧であり、
【数84】
は、評価されたバッテリー開回路電圧であり、
【数85】
は、所定の最大予想バッテリーバス電流であり、及び
【数86】
は、評価されたバッテリー開回路抵抗である
}。
(発明49)
発明48に記載の方法であって、前記バッテリーにより電力供給される車両に関する前記モーター電流能力は以下に従い評価される該方法:
【数87】
{ここで、
【数88】
は、前記モーター電流能力であり、
【数89】
は、前記モーターの稼動スピードであり、
【数90】
は、前記モーター巻線の線間逆起電力定数であり、
【数91】
は、前記モーター巻線の線間抵抗であり、
【数92】
は、前記モーターに関する磁極ペア数であり、及び
【数93】
は、前記モーター巻線の線間インダクタンスである}。
(発明50)
発明49に記載の方法であって、前記バッテリーにより電力供給される車両に関する前記モーター電流能力を、前記モーターを駆動させるためのモーター駆動部の電流制限に基づいて制限するステップを含み、該制限は以下の式に従う該方法:
【数94】
{ここで
【数95】
は、前記モーター駆動部の前記電流制限である}。
(発明51)
発明49に記載の方法であって、前記モーターの最大無負荷スピードに対して使用される前記モーターの稼動スピード値を
【数96】
に基づいて制限するステップを含み、該制限は以下の式に従う該方法:
【数97】
{ここで、
【数98】
は、前記最大無負荷スピードである}。
(発明52)
バッテリーにより電力供給される車両に関するモーター電流能力を決定するための装置であって、
前記装置は以下を備える該装置:
・測定モジュール(ここで、該モジュールは:
前記バッテリーにより電力供給される車両を駆動させるために使用されるモーターの稼動スピードを測定するように設計される);及び
・評価モジュール(ここで、該モジュールは以下の動作を行うように設計される:
以下に基づいて操作中の車両バッテリーに関する下降したバッテリー電圧を評価すること:
a)所定の最大予想バッテリーバス電流、
b)評価されたバッテリー開回路電圧、
c)評価されたバッテリー開回路抵抗;及び
前記バッテリーにより電力供給される車両に関するモーター電流能力を以下に基づいて評価すること:
d)前記バッテリーにより電力供給される車両を駆動させるために使用されるモーターの稼動スピード、
e)前記モーター巻線の逆起電力定数、
f)前記モーター巻線の電気抵抗、
g)前記下降したバッテリー電圧、
h)前記モーター巻線の電気的なインダクタンス、及び
i)前記モーターに関する磁極ペア数)。
(発明53)
発明52に記載の前記装置であって、前記評価モジュールは、操作中の車両バッテリーに関する下降したバッテリー電圧を以下の式に従い評価するように設計される該装置:
【数99】
{ここで、
【数100】
は、前記評価された下降バッテリー電圧であり、
【数101】
は、評価されたバッテリー開回路電圧であり、
【数102】
は、前記所定の最大予想バッテリーバス電流であり、及び
【数103】
は、前記評価されたバッテリー開回路抵抗である}。
(発明54)
発明53に記載の前記装置であって、前記評価モジュールは、前記バッテリーにより電力供給される車両に関する前記モーター電流能力を以下の式に従い評価するように設計される該装置:
【数104】
{ここで、
【数105】
は、前記モーター電流能力であり、
【数106】
は、前記モーターの稼動スピードであり、
【数107】
は、前記モーター巻線の線間逆起電力定数であり、
【数108】
は、前記モーター巻線の線間抵抗であり、
【数109】
は、前記モーターに関する磁極ペア数であり、及び
【数110】
は、前記モーター巻線の線間インダクタンスである}。
(発明55)
発明54に記載の前記装置であって、前記バッテリーにより電力供給される車両に関する前記モーター電流能力を、前記モーターを駆動させるためのモーター駆動部の電流制限に基づいて制限するように前記評価モジュールが設計され、該制限は以下の式に従う該装置:
【数111】
{ここで、
【数112】
は、前記モーター駆動部の前記電流制限である}。
(発明56)
発明54に記載の前記装置であって、前記モーターの最大無負荷スピードに対して使用される前記モーターの稼動スピード値を
【数113】
に基づいて制限するように前記評価モジュールが設計され、該制限は以下の式に従う該装置:
【数114】
{ここで、
【数115】
は、前記最大無負荷スピードである}。
(発明57)
電気的負荷に電力を供給するバッテリーの電気状態を評価するための方法であって、以下のステップを含む該方法:
a)前記バッテリー電圧及び前記バッテリー電流の流れの値をある時間の第一のポイントで獲得するステップ;
b)バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れを監視するステップ;
c)ある時間の前記第一及び第二ポイントの間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びにある時間の前記第一及び第二ポイントの間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超える場合に、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値をある時間の第二のポイントで獲得するステップ;
d)ある時間における前記第一及び第二のポイントの間におけるバッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの変化に基づいて、バッテリー抵抗を計算するステップ;並びに
e)前記計算されたバッテリー抵抗、ある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電流の流れ、及びある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電圧に基づいて開回路のバッテリー電圧を計算するステップ。
(発明58)
発明57に記載の方法であって、以下のステップを含む該方法:
・ステップb)を繰り返すステップ;
・f)ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びに、ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超えたとき、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値を、ある時間の第三のポイントで獲得するステップ;
・ステップd)を繰り返すステップ;並びに
・ステップe)を繰り返すステップ。
(発明59)
発明57に記載の方法であって、以下のステップを含む該方法:
・ステップb)を繰り返すステップ;並びに
・f)ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びに、ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超えるまでは、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値を、ある時間の第三のポイントで獲得することを延期するステップ。
(発明60)
発明57に記載の方法であって、ステップe)は、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗から、所定のパーセンテージを超えて変化したかどうかを決定することを含む該方法。
(発明61)
発明60に記載の方法であって、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗に対して、所定のパーセンテージを超えて変化しない場合に、前記計算されたバッテリー抵抗に基づいて開回路バッテリー電圧を計算するステップを含む該方法。
(発明62)
発明60に記載の方法であって、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算された計算バッテリー抵抗に対して、所定のパーセンテージを超えて変化する場合、以前計算されたバッテリー抵抗に基づいて開回路バッテリー電圧を計算するステップを含む該方法。
(発明63)
発明57に記載の方法であって、前記バッテリーによって電力供給される車両に関する所定の稼動条件の期間は、ステップc)、d)及びe)を中止するステップを含む該方法。
(発明64)
発明63に記載の方法であって、前記車両が、所定の期間、回復可能にブレーキをかけているとき、ステップc)、d)及びe)が中止される該方法。
(発明65)
電気的負荷に電力を供給するバッテリーの電気状態を評価するための装置であって、以下のものを備える該装置:
・測定モジュール(ここで、該モジュールは以下の動作を行うために設計される:
a)前記バッテリー電圧及び前記バッテリー電流の流れの値をある時間の第一のポイントで獲得するステップ、
b)バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れを監視するステップ、並びに
c)ある時間の前記第一及び第二ポイントの間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びにある時間の前記第一及び第二ポイントの間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超える場合、ある時間の第二のポイントで前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値を獲得するステップ);並びに
・評価モジュール(ここで、該モジュールは以下の動作を行うために設計される:
d)ある時間における前記第一及び第二のポイントの間におけるバッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの変化に基づいてバッテリー抵抗を計算するステップ、並びに
e)前記計算されたバッテリー抵抗、ある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電流の流れ、及びある時間における前記第二のポイントでの前記バッテリー電圧に基づいて、開回路バッテリー電圧を計算するステップ)。
(発明66)
発明65に記載の前記装置であって、前記測定モジュールは以下の動作を行うように設計される該装置:
・ステップb)を繰り返すこと、
・f)ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びに、ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超えたとき、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値をある時間の第三のポイントで獲得すること、
・ステップd)を繰り返すこと、並びに
・ステップe)を繰り返すこと。
(発明67)
発明65に記載の前記装置であって:
前記測定モジュールはステップb)を繰り返すように設計され、並びに
前記評価モジュールは、f)ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電圧の変化が所定の電圧量を超え、並びに、ある時間における前記第二及び第三のポイント間でのバッテリー電流の流れの変化が所定の電流量を超えるまでは、前記バッテリー電圧及びバッテリー電流の流れの値を、ある時間の第三のポイントで獲得することを延期するように設計される該装置。
(発明68)
発明65に記載の前記装置であって、前記測定モジュールは、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗から、所定のパーセンテージを超えて変化したかどうかを決定するように設計される該装置。
(発明69)
発明68に記載の前記装置であって、前記評価モジュールは、現時点での計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗に対して、所定のパーセンテージを超えて変化しない場合に、前記計算されたバッテリー抵抗に基づいて、開回路バッテリー電圧を計算するように設計される該装置。
(発明70)
発明68に記載の前記装置であって、前記評価モジュールは、前記計算されたバッテリー抵抗が、以前計算されたバッテリー抵抗に対して、所定のパーセンテージを超えて変化した場合には、以前計算したバッテリー抵抗に基づいて、開回路バッテリー電圧を計算するように設計される該装置。
(発明71)
発明65に記載の前記装置であって、前記バッテリーによって電力供給される車両に関する所定の稼動条件の期間は、ステップc)、d)及びe)を中止するように前記装置が設計される該装置。
(発明72)
発明71に記載の前記装置であって、前記車両が、所定の期間、回復可能にブレーキをかけているとき、ステップc)、d)及びe)を中止するように前記装置が設計される該装置。
図1
図2A
図2B
図3
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C