特許第6022958号(P6022958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6022958
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】外装材取付金具
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/26 20060101AFI20161027BHJP
   E04F 13/21 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   E04F13/08 101D
   E04F13/08 101F
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-14786(P2013-14786)
(22)【出願日】2013年1月29日
(65)【公開番号】特開2014-145207(P2014-145207A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2015年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】503367376
【氏名又は名称】ケイミュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】林 哲也
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−081615(JP,A)
【文献】 特開2001−032500(JP,A)
【文献】 特開平11−062173(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/040515(WO,A1)
【文献】 特開平06−322929(JP,A)
【文献】 特開平06−322930(JP,A)
【文献】 実開昭64−023529(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3021142(JP,U)
【文献】 特開2003−268952(JP,A)
【文献】 特開2005−133504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/26
E04F 13/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端に下方へ開口する係合凹所を設け、上端に上方へ突出する係合凸部を設けて形成された外装材を建物の壁下地に取り付けるための外装材取付金具であって、
前記壁下地に固定される固定板と、
前記固定板から前方に突出して設けられた水平片と、
前記水平片の前端から上方に突出して設けられ、上側に取り付けられる外装材の前記係合凹所に挿入して係合することによって前記外装材を支持する上支持片と、
前記水平片の前端から下方に突出して設けられ、下側に取り付けられる外装材の前記係合凸部に引っ掛けて係合することによって前記外装材を支持する下支持片と、
を備えて形成され、
前記下支持片が、左右方向に2つに分断して設けられ、前記各下支持片の左右方向の外側端部の先端付近の後面にそれぞれ突起部が設けられ、
前記下支持片の先端の前記突起部が前記係合凸部の前面に接触すると共に、前記下支持片と前記係合凸部の前面とが非平行であることを特徴とする外装材取付金具。
【請求項2】
前記上支持片の先端が前記係合凹所内の後面に接触すると共に、前記上支持片と前記係合凹所内の後面とが非平行であることを特徴とする請求項1に記載の外装材取付金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窯業系サイディング材等の外装材を建物の壁下地に取り付けるために用いられる外装材取付金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の壁の上下方向に沿って取り付けられる外装材を建物の壁に固定するための外装材取付金具としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この外装材取付金具は、固定板と、水平片と、上支持片と、下支持片とを備えている。
【0003】
ここで、固定板は、建物の壁下地に取り付けて固定されるものである。また水平片は、固定板の中央で前方に突出して設けられたものである。また上支持片は、水平片の前端から上方に突出して設けられ、上側に取り付けられる外装材の下端部を係合して支持するものである。また下支持片は、水平片の前端から下方に突出して設けられ、下側に取り付けられる外装材の上端部を係合して支持するものである。
【0004】
具体的には外装材は、下端に下方へ開口する係合凹所を設け、上端に上方へ突出する係合凸部を設けて形成されている。係合凹所の後方には後凸部が設けられている。そして、外装材取付金具の上支持片を上側の外装材の下端の後凸部に係合させて支持すると共に、外装材取付金具の下支持片を下側の外装材の上端の係合凸部に係合させて支持する。
【0005】
さらに上記の外装材取付金具には、受け止め片が設けられている。この受け止め片は、少なくとも一部が水平片よりも上方に位置し、上側に取り付けられる外装材の下端部に当接してその荷重の少なくとも一部を受け止めるものである。よって、下側に取り付けられる外装材に多大な荷重を掛けることなく外装材を取り付けることができ、外装材の破損や変形を防止することができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2011/040515号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の外装材取付金具にあっては、外装材取付金具の上支持片は、上側の外装材の下端の後凸部とほぼ隙間なく係合して支持し、外装材取付金具の下支持片は、下側の外装材の上端の係合凸部とほぼ隙間なく係合して支持している。この場合、例えば負圧などにより外装材を建物から引き剥がす方向に想定以上の外力が作用すると、特に外装材の下端の後凸部の先端の動きが外装材取付金具の上支持片の根元付近で規制されると共に、外装材の上端の係合凸部の先端の動きが外装材取付金具の下支持片の根元付近で規制される。そうすると、後凸部の先端からその根元付近まで、及び係合凸部の先端からその根元付近までの長さに応じた力のモーメントが発生し、後凸部及び係合凸部の根元付近に応力が集中して、使用環境によっては後凸部及び係合凸部が欠損するおそれがある。そのため外装材の取付強度のさらなる向上が求められている。また当然のことながら後凸部及び係合凸部は、外装材の厚さよりも薄く形成しなければならないが、強度向上のために後凸部及び係合凸部の厚さを厚くするのにも限界がある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、外装材を建物の壁下地に強固に取り付けることができる外装材取付金具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る外装材取付金具は、下端に下方へ開口する係合凹所を設け、上端に上方へ突出する係合凸部を設けて形成された外装材を建物の壁下地に取り付けるための外装材取付金具であって、
前記壁下地に固定される固定板と、
前記固定板から前方に突出して設けられた水平片と、
前記水平片の前端から上方に突出して設けられ、上側に取り付けられる外装材の前記係合凹所に挿入して係合することによって前記外装材を支持する上支持片と、
前記水平片の前端から下方に突出して設けられ、下側に取り付けられる外装材の前記係合凸部に引っ掛けて係合することによって前記外装材を支持する下支持片と、
を備えて形成され、
前記下支持片が、左右方向に2つに分断して設けられ、前記各下支持片の左右方向の外側端部の先端付近の後面にそれぞれ突起部が設けられ、
前記下支持片の先端の前記突起部が前記係合凸部の前面に接触すると共に、前記下支持片と前記係合凸部の前面とが非平行であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外装材の上端部の支持部分に発生する力のモーメントを小さくすることができるため、外装材が欠損しにくくなることによって、外装材が剥がれにくくなり、外装材を建物の壁下地に強固に取り付けることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る外装材取付金具の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図2】同上の実施の形態の一例を示す平面図である。
図3】同上の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は図1のA−A断面図、(b)は図1のB−B断面図である。
図4】同上の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は図1のC−C断面図、(b)は図1のD−D断面図である。
図5】本発明に係る外装材取付金具を用いて形成された外装材取付構造の一例を示す概略断面図である。
図6】(a)は比較説明のために従来の外壁材取付構造における上支持片及び下支持片の部分を拡大して示す概略断面図、(b)は本発明に係る外壁材取付構造における上支持片及び下支持片の部分を拡大して示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1図4は本発明に係る外装材取付金具1の実施の形態の一例を示すものであり、図5はこの外装材取付金具1を用いて外装材12を建物の壁下地15に取り付けて形成された外装材取付構造の一例を示すものである。
【0016】
図1に示すように外装材取付金具1は、固定板2と、水平片3と、上支持片4と、下支持片5と、突出片6と、内向き片7と、外向き片8とを備えて形成されている。外装材取付金具1は、金属板を適宜切断したり折り曲げたりして加工することによって得ることができる。水平片3、上支持片4、下支持片5、突出片6、内向き片7、外向き片8は、固定板2の一部を切り起こして形成することができる。
【0017】
固定板2は、外装材取付金具1の本体を構成し、図5に示すように建物の壁下地15に固定されるものである。固定板2には、固定用孔10が設けられている。図5に示すように固定用孔10に、釘、ビス、ネジ等の固定具16を差し込んで壁下地15に打ち付けることによって固定板2を固定することができる。固定板2の上端部には第一リブ17が設けられている。第一リブ17は、上斜面17a及び下斜面17bで形成されている。第一リブ17は、固定板2の左右方向の略全長に亘って、上斜面17a及び下斜面17bの境界部分で前方に突出するように屈曲して断面略L字状に形成されている。固定板2の下端部には、左右方向の略全長に亘って前方に突出するように屈曲して断面略C字状に形成された第二リブ18が形成されている。第一リブ17及び第二リブ18によって外装材取付金具1の強度が高められる。固定用孔10は複数設けることができるが、少なくとも1つの固定用孔10aは、第一リブ17よりも下側において、水平片3よりも上側の近傍に設けられている。この固定用孔10aは固定板2の左右方向の略中央に設けられ、固定用孔10aの両側には、強度を高めるため、第一リブ17の下斜面17bから水平片3に至るまで上下方向に第三リブ20が前方に突出して形成されている。その他の固定用孔10bは第一リブ17の上斜面17aに複数設けられている。さらに強度を高めるため、固定板2の上端縁から第一リブ17の上斜面17aに至るまで上下方向に第四リブ21が前方に突出して形成されている。
【0018】
水平片3は、固定板2の上下方向の略中央から前方に突出して設けられている。水平片3は、固定板2の略下半分を切り起こして形成されているので、固定板2の下部には開口部19が形成されている。水平片3の中央部には水平凸部22が形成されている。水平凸部22は、上方に突出し、上部が略平面となっている。水平凸部22はリブとして機能し、特に水平片3の強度を高めることができる。図2に示すように、水平凸部22には、U字状のスリット23が形成され、この内側に受止片24が形成されている。受止片24は、先端を前方に向け、水平凸部22の上面より突出するようにわずかに傾斜して設けられている。固定板2と水平片3との境界部分には、図1及び図2に示すように、強度を高めるため、第五リブ25が形成されている。
【0019】
上支持片4は、水平片3の前端から上方に突出して設けられ、上側に取り付けられる外装材12を支持するものである。上支持片4は、分断することなく、水平片3の左右方向の略全長に亘って連続して設けられている。上支持片4の固定用孔10aに対応する位置において、上支持片4の少なくとも下端を残して欠損部11が設けられている。例えば、図1に示す欠損部11は、上支持片4の先端を切り欠いて水平片3の前端には至らないように設けられている。より具体的にはこの欠損部11は、上支持片4の先端を略半円状に切り欠いて両側にRを付けて形成されているが、このような形状に限定されるものではない。すなわち、図示省略しているが、欠損部11は、上支持片4の上端及び下端を残して円形等の貫通孔として設けてもよい。欠損部11は、固定用孔10aに固定具16を差し込む場合に、上支持片4が固定具16の差し込みの障害とならないように、固定具16の差し込みを容易にするためのものである。水平片3の前端の左右方向の両端において、水平片3と上支持片4との境界部分には、強度を高めるため、第六リブ26が上方に突出して形成されている。
【0020】
下支持片5は、水平片3の前端から下方に突出して設けられ、下側に取り付けられる外装材12を支持するものである。下支持片5は、2つに分断して設けられているが、上支持片4と同様に連続して設けられていてもよい。下支持片5の先端付近の後面には突起部27が設けられている。
【0021】
突出片6は、水平片3の突出長さよりも短い長さとなるように、固定板2の左右両端から前方に突出して設けられている。突出片6によって、図5に示すように外装材12と壁下地15との間に通気スペース28を形成することができる。
【0022】
内向き片7は、突出片6の前端から固定板2と略平行に、かつ固定板2の側(内側)に延出して設けられている。突出片6において内向き片7は、水平片3よりも下側に設けられ、左右両側の突出片6に設けられた内向き片7の上端縁で水平片3の左右両側の下面を支持している。このように、水平片3に対して略垂直な内向き片7で水平片3を支持することによって、上側の外装材12の下方への荷重が水平片3に掛かっても、水平片3が垂れ下がりにくくなり、外装材12のがたつきを抑制することができるものである。
【0023】
外向き片8は、突出片6の前端から固定板2と略平行に、かつ固定板2の側と反対側(外側)に延出して設けられている。突出片6において外向き片8は、内向き片7の上下に互い違いとなるように設けられている。このように、突出片6に内向き片7及び外向き片8が互い違いに設けられていることによって、突出片6の変形を抑制することができるものである。
【0024】
特に図1に示すように、突出片6において水平片3よりも高い位置から内向き片7の下端縁よりも低い位置に至るまで補強用リブ9が外側に突出して形成されていることが好ましい。このように補強用リブ9が形成されていると、突出片6の変形をさらに抑制することができるものである。
【0025】
次に、上記の外装材取付金具1を用いて、外装材12を建物の壁下地15に取り付けて図5に示すような外装材取付構造を形成する方法について説明する。
【0026】
外装材12としては、矩形状のものを用いることができる。外装材12は、下端の略全長に下方へ開口する係合凹所13を設け、上端の略全長に上方へ突出する係合凸部14を設けて形成されている。係合凹所13の前方には前凸部29が設けられ、係合凹所13の後方には後凸部30が設けられている。係合凹所13の底面からの突出長さは、前凸部29が長く、後凸部30が短い。係合凸部14の前方には段差部31が設けられている。
【0027】
まず、下側の外装材12の取り付けを行った後に、この外装材12の上方から外装材取付金具1を下方に移動させながら、下支持片5と突出片6との間にこの外装材12の係合凸部14を被挿し、下支持片5を係合凸部14に引っ掛けて係合する。この状態で固定板2の固定用孔10に固定具16を差し込んで壁下地15に打ち付けることによって外装材取付金具1を固定する。このとき下支持片5の突起部27が係合凸部14の前面14aに突き当たったり食い込んだりすることによって、外装材12のがたつきを抑制することができる。
【0028】
また、係合凸部14の前面14aの上端部付近と下支持片5との間には隙間が形成されるようにしている。これにより、外装材12に外力が作用しても、係合凸部14の根元付近が下支持片5の先端付近で動きが規制されて外力を受けることとなり、外装材12の上端部の支持部分である係合凸部14に発生する力のモーメントをできる限り小さくすることができる。そのため外装材12の特に係合凸部14が欠損しにくくなる。
【0029】
上側の固定用孔10bに固定具16を差し込む場合には、上支持片4は、固定具16の差し込みの障害とはなりにくい。そのため、固定箇所は、上側の固定用孔10bのみでもよさそうであるが、外装材12の荷重が掛かる水平片3と、上側の固定用孔10bとの距離が長いため、外装材取付金具1の取付強度を十分に高めにくい。そこで、下側の固定用孔10aにも固定具16を差し込むことが望ましい。この場合、水平片3と下側の固定用孔10aとの距離が短くなって両者が近接するので、外装材取付金具1の取付強度を十分に高めることができるものである。ところが、下側の固定用孔10aに固定具16を差し込む場合には、上支持片4が固定具16の差し込みの障害となり得る。そこで、上支持片4に欠損部11を設けることによって、容易に固定具16を水平方向に差し込むことができるようにしたものである。しかも図5に示すように、上側の固定用孔10b及び下側の固定用孔10aのそれぞれに差し込まれる固定具16の打ち込み角度が異なるため、壁下地15に対する外装材12の取付強度をさらに高めることができるものである。
【0030】
次に、上側の外装材12を外装材取付金具1の上方から下方に移動させ、前凸部29を上支持片4及び下支持片5よりも前方に配置しながら、後凸部30を上支持片4と突出片6との間に挿入し、上支持片4を係合凹所13に挿入して係合する。これにより、上側の外装材12の前凸部29の下面が、下側の外装材12の段差部31の上面に近接又は接触し、前凸部29によって外装材取付金具1の全体が覆い隠される。
【0031】
また、係合凹所13の後面13aの下端部付近と上支持片4との間には隙間が形成されるようにしている。これにより、外装材12に外力が作用しても、後凸部30の根元付近が上支持片4の先端付近で動きが規制されて外力を受けることとなり、外装材12の下端部の支持部分である後凸部30に発生する力のモーメントをできる限り小さくすることができる。そのため外装材12の特に後凸部30が欠損しにくくなる。
【0032】
ここで、水平片3に対して略垂直な内向き片7で水平片3を支持していれば、上側の外装材12の下方への荷重が水平片3に掛かっても、水平片3が垂れ下がりにくくなり、外装材12のがたつきを抑制することができるものである。また突出片6に内向き片7及び外向き片8が互い違いに設けられていれば、突出片6の変形を抑制することができるものである。よって、外装材12を建物の壁下地15に強固に取り付けることができるものである。
【0033】
また上支持片4は、水平片3の略全長において分断されることなく連続して設けられていることによって、外装材12を支持する支持範囲が広くなるため、外装材12を建物の壁下地15に強固に取り付けることができるものである。
【0034】
ここで、従来においては図6(a)に示すように、外装材取付金具1の上支持片4は、上側の外装材12の下端の後凸部30とほぼ隙間なく係合して支持している。この場合、例えば負圧などにより外装材12を建物から引き剥がす方向に想定以上の外力が作用すると、特に外装材12の下端の後凸部30の先端の動きが外装材取付金具1の上支持片4の根元付近で規制される。そうすると、後凸部30の先端からその根元付近までの長さに応じた力のモーメントが発生し、後凸部30の根元付近に応力が集中して、使用環境によっては後凸部30が欠損するおそれがある。そのため、本発明においては図6(b)に示すように、上支持片4の先端を係合凹所13内の後面13a(すなわち後凸部30の前面、以下同じ)の根元付近に接触させると共に、上支持片4と係合凹所13内の後面13aとを非平行とすることによって、上支持片4と係合凹所13内の後面13aの下端部付近との間に隙間を形成する。これにより、外装材12に外力が作用しても、後凸部30の根元付近が上支持片4の先端付近で動きが規制されて外力を受けることとなり、外装材12の下端部の支持部分である後凸部30に発生する力のモーメントをできる限り小さくすることができる。そのため外装材12の特に後凸部30が欠損しにくくなることによって、外装材12が剥がれにくくなって、外装材12を建物の壁下地15に強固に取り付けることができるものである。
【0035】
また、従来においては図6(a)に示すように、外装材取付金具1の下支持片5は、下側の外装材12の上端の係合凸部14とほぼ隙間なく係合して支持している。この場合、例えば負圧などにより外装材12を建物から引き剥がす方向に想定以上の外力が作用すると、特に外装材12の上端の係合凸部14の先端の動きが外装材取付金具1の下支持片5の根元付近で規制される。そうすると、係合凸部14の先端からその根元付近までの長さに応じた力のモーメントが発生し、係合凸部14の根元付近に応力が集中して、使用環境によっては係合凸部14が欠損するおそれがある。そのため、本発明においては図6(b)に示すように、下支持片5の先端を係合凸部14の前面14aの根元付近に接触させると共に、下支持片5と係合凸部14の前面14aとを非平行とすることによって、下支持片5と係合凸部14の前面14aとの間に隙間を形成する。これにより、外装材12に外力が作用しても、係合凸部14の根元付近が下支持片5の先端付近で動きが規制されて外力を受けることとなり、外装材12の上端部の支持部分である係合凸部14に発生する力のモーメントをできる限り小さくすることができる。そのため外装材12の特に係合凸部14が欠損しにくくなることによって、外装材12が剥がれにくくなって、外装材12を建物の壁下地15に強固に取り付けることができるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 外装材取付金具
2 固定板
3 水平片
4 上支持片
5 下支持片
6 突出片
7 内向き片
8 外向き片
9 補強用リブ
10 固定用孔
11 欠損部
12 外装材
13 係合凹所
14 係合凸部
15 壁下地
16 固定具
図1
図2
図3
図4
図5
図6