(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の第一の実施形態に係る自動車用ドアハンドルの操作力測定装置の全体構成について、
図1〜
図3を用いて説明をする。
尚、以下の説明では、
図1および
図2に示すように、車両2に備えられるドア2aを基準とする三次元座標系(以下、XYZ座標系と呼ぶ)を規定している。
XYZ座標系では、ドア2aの長さ方向をX軸方向、厚さ方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向、とそれぞれ規定し、XYZ座標系における操作力FのX軸方向への分力をFx、Y軸方向への分力をFy、Z軸方向への分力をFz、とそれぞれ規定している。
そして、
図2に示すように、車両2におけるドア2aの開度(角度)をφと規定している。
【0019】
図1に示す如く、本発明の第一の実施形態に係る操作力測定装置1は、人が車両2におけるドア2aを開閉するときにドアハンドル2bに作用する操作力を測定するための装置であり、測定用ハンドル3、ドア角度測定器4、演算器5等からなる構成としている。
【0020】
測定用ハンドル3は、操作力測定装置1による操作力の測定において、人がドアハンドル2bの代わりに操作する操作部を構成するための部位であり、
図1に示すようにドアハンドル2bに取り付けた状態で使用され、
図3に示す如く、取り付け部6、操作部7、荷重センサ8・8等を備える構成としている。
【0021】
取り付け部6は、測定用ハンドル3をドアハンドル2bに対して固定するための部位であり、ドアハンドル2bを挟圧可能な部位であるクランプ部6aを備えている。
そして、測定用ハンドル3は、クランプ部6aを構成するネジ部材を締め付けることによって、クランプ部6aでドアハンドル2bを挟圧することができ、これにより、ドアハンドル2bに対して穴あけ等の加工を行うことなく、測定用ハンドル3をドアハンドル2bに固定することができるように構成されている。
【0022】
操作部7は、測定用ハンドル3における人が把持する部位を構成するものであって、把持部7a、連結部7b等を備える構成としている。
そして、操作部7は、ドアハンドル2bに測定用ハンドル3が固定されている状態で、ドアハンドル2bを把持する代わりに、操作部7の把持部7aを把持して、人が測定用ハンドル3を操作することによって、ドア2aを開閉することができるように構成されている。
【0023】
荷重センサ8・8は、操作部7の連結部7b・7bと取り付け部6の連結部6b・6bとの間に介設されている。
そして、取り付け部6と操作部7は、複数(本実施形態では2個)の荷重センサ8・8を介して連結されるように構成されている。
【0024】
即ち、人が操作部7を操作するときに作用する操作力が取り付け部6に伝達されるとき、その操作力が全て荷重センサ8・8に入力されるように構成されている。
このような構成により、人が操作部7を持ってドア2aを開閉するときに、測定用ハンドル3を介してドアハンドル2bに作用する操作力を、荷重センサ8・8によって検出することができるように構成されている。
【0025】
荷重センサ8は、直交する3軸方向への応力を同時に検出することができるセンサ(ロードセル)であり、荷重センサ8によって、測定用ハンドル3を介してドアハンドル2bに作用する操作力のXYZ座標系における各軸方向への分力を検出することができるように構成されている。
また、各荷重センサ8・8は、演算器5に接続されており、各荷重センサ8・8による測定値に基づいて、演算器5によって、XYZ座標系における操作力を演算する構成としている。
【0026】
尚、操作力測定装置1においては、荷重センサ8としてドリフト量の少ない圧電式のロードセルを採用しており、これにより、ドアハンドル2b回りの限られた狭小空間に荷重センサ8を配置しながら、ドリフトの影響を受けることなく、精度よく操作力の測定を行うことを可能にしている。
【0027】
また、測定用ハンドル3は、
図4(a)(b)および
図5(a)(b)に示すように、ドア2aを開く(即ち、ドアハンドル2bを引く)ときの操作力を測定するための態様である第一の態様と、ドア2aを閉める(即ち、ドアハンドル2bを押す)ときの操作力を測定するための態様である第二の態様と、を組み替えて使用するように構成されている。
【0028】
操作力測定装置1の
図4(a)および
図5(a)に示す第一の態様は、ドア2aを開けるときにおける操作力Fを測定するための態様であり、測定用ハンドル3において、操作部7を引くことによって、荷重センサ8に対して圧縮する方向への応力が作用するように構成されている。
【0029】
即ち、第一の態様の測定用ハンドル3では、取り付け部6側の連結部6b・6bを、操作部7側の連結部7b・7bよりもドアハンドル2bに対してより離間する位置に配置するとともに、連結部6bと連結部7bの間に荷重センサ8を介設する構成としている。
【0030】
また、操作力測定装置1の
図4(b)および
図5(b)に示す第二の態様は、ドア2aを閉めるときにおける操作力Fを測定するための態様であり、測定用ハンドル3において、操作部7を押すことによって、荷重センサ8に対して圧縮する方向への応力が作用するように構成されている。
【0031】
即ち、第二の態様の測定用ハンドル3では、取り付け部6側の連結部6b・6bを、操作部7側の連結部7b・7bよりもドアハンドル2bに対してより近い位置に配置するとともに、連結部6bと連結部7bの間に荷重センサ8を介設する構成としている。
【0032】
このように、測定用ハンドル3を、ドア2aを開けるときに使用する第一の態様と、ドア2aを閉めるときに使用する第二の態様と、に変更可能な構成とすることにより、汎用的な小型の荷重センサを少数(本実施形態では2個)だけ使用する簡易な構成で、操作力測定装置1における測定用ハンドル3を実現することができる。
また、このような構成の測定用ハンドル3とすることにより、圧縮方向の力のみを検出することができる簡易な荷重センサ8を用いながら、ドア2aを開けるときと閉めるときの両方の操作力の測定に対応することが可能になる。
【0033】
ドア角度測定器4は、所謂ロータリーエンコーダを用いて構成されるものであり、
図1に示すようにドア2aのヒンジ部(図示せず)に配置して、車両2に対するドア2aの角度φを検出する構成としている。
そして、ドア角度測定器4は、演算器5に接続されており、該ドア角度測定器4により測定したドア2aの角度φを、演算器5に入力する構成としている。
【0034】
演算器5は、例えば、荷重センサ8に付属する専用の増幅器と、汎用的なパーソナルコンピュータに所定の演算プログラムをインストールしたもの、の組み合わせによって構成される。
そして演算器5は、荷重センサ8・8による測定値と、ドア角度測定器4によるドア2aの角度φの測定値に基づいて、XYZ座標系におけるドアハンドル2bに対する操作力Fを算出する構成としている。
【0035】
次に、本発明の第一の実施形態に係る操作力測定装置1による自動車用ドアハンドルに対する操作力の測定状況について、
図3を用いて説明をする。
図3に示す如く、操作力測定装置1による操作力Fの測定においては、測定用ハンドル3に備えられる各荷重センサ8・8による測定値F
1、F
2が、演算器5の増幅器に入力される。
【0036】
増幅器からは、XYZ座標系の各軸方向への分力として、合計6系統の生の各計測値(F
x1、F
y1、F
z1、F
x2、F
y2、F
z2)が出力され、この6系統の出力から、演算器5において、
図3に示すような出力値F’(F
x’、F
y’、F
z’)を得る。
尚、出力値F’(F
x’、F
y’、F
z’)は、以下に示す数式1によって算出される。
【0038】
次に、演算器5では、得られた出力値F’と、ドア角度測定器4から入力されるドア2aの角度φを、
図3に示すように極性変換のための行列式(以下に示す数式2)に代入する。
【0040】
数式2に示す行列式では、測定用ハンドル3を取り付けるドア2aの方向に応じて行列式中の定数LRの値を選択するとともに、ドア2aの開閉方向に応じて、行列式中の定数OCの値を選択する。
例えば、前記行列式中の定数LRの値は、測定用ハンドル3が車両の右側のドア2aに取り付けられているときには「1」が選択され、測定用ハンドル3が車両の左側のドア2aに取り付けられているときには「−1」が選択される。
また、前記行列式中の定数OCの値は、ドア2aを開く操作のときには「1」が選択され、ドア2aを閉じる操作のときには「−1」が選択される。
【0041】
そして、数式2に示す行列式への代入結果により、XYZ座標系における操作力F(F
x、F
y、F
z)を得る構成としている。
【0042】
このように、本発明の第一の実施形態に係る操作力測定装置1によれば、小型の荷重センサ8・8を用いながら、人の握力等の影響を受けることなく、ドアハンドル2bの操作フィーリングを評価するのに必要なXYZ座標系における操作力F(F
x、F
y、F
z)を精度よく求めることができる。
【0043】
尚、本実施形態では、ドアハンドル2bの回動軸方向が略鉛直向きであり、ドアハンドル2bを略水平方向に引いて、ドア2aを開閉する態様のドアハンドル2bに適用する操作力測定装置1を例示しているが、本発明に係る操作力測定装置の適用対象をこのようなドアハンドルに限定するものではない。
即ち、例えば、ドアハンドルの回動軸方向が略水平向きであって、ドアハンドルを上方に持ちあげるようにしてドアを開ける態様のドアハンドルに対しても、本発明に係る操作力測定装置を適用することができる。
【0044】
即ち、本発明の第一の実施形態に係る操作力測定装置1は、車両2のドア2aのドアハンドル2bに取付けて、ドアハンドル2bに対して操作力Fを入力するための部位を構成する測定用ハンドル3と、ドア2aの回動角度を検出するドア角度測定器4と、測定用ハンドル3を介してドアハンドル2bに入力した操作力Fを演算する演算器5と、を備え、測定用ハンドル3は、該測定用ハンドル3をドアハンドル2bに対して固定するための部位である取り付け部6と、人が操作力Fを入力するための部位である操作部7と、取り付け部6と操作部7を連結する部位において、取り付け部6と操作部7に介設される複数(本実施形態では2個)の荷重センサ8・8と、を備え、演算器5によって、ドア角度測定器4と複数の荷重センサ8・8の測定値に基づき、測定用ハンドル3を介してドアハンドル2bに入力された操作力Fを算出するものである。
このような構成により、小型の荷重センサ8・8を用いながら、モーメントの入力が許容でき、かつ、人の握力等の影響が排除でき、ドアハンドル2bに作用する操作力Fを精度よく測定することができる。
【0045】
また、本発明の第一の実施形態に係る各操作力測定装置1において、測定用ハンドル3は、ドア2aを閉めるときにドアハンドル2bに作用する操作力Fを検出するための第一の態様と、ドア2aを開けるときにドアハンドル2bに作用する操作力Fを検出するための第二の態様と、に変更可能に構成されるものである。
このような構成により、汎用的な荷重センサ8を用いて、測定用ハンドル3を構成することができる。
またこれにより、簡易な構成で、安価な操作力測定装置1を実現できる。
【0046】
次に、本発明の第二の実施形態に係る自動車用ドアハンドルの操作力測定装置の全体構成について、
図6〜
図8を用いて説明をする。
尚、以下の説明では、ドア2aの向きを基準とするXYZ座標系の他に、
図6に示すドアハンドル2bの向きを基準とする三次元座標系(以下、PQR座標系と呼ぶ)を規定している。
そして、
図6に示すように、ドアハンドル2bの長さ方向をP軸方向、厚み方向をQ軸方向、高さ方向をR軸方向、とそれぞれ規定し、PQR座標系における操作力F
sのP軸方向への分力をF
p、Q軸方向への分力をF
q、R軸方向への分力をF
r、とそれぞれ規定している。
また、
図6に示すように、車両2におけるドア2aの開度(角度)をφと規定し、ドア2aに対するドアハンドル2bの角度をθと規定している。
【0047】
そして、操作力測定装置11により測定しようとする操作力Fは、ドア2aの向きを基準とするXYZ座標系における力である。
しかしながら、操作力測定装置11によって直接測定することができる力は、ドアハンドル2bの向きを基準とするPQR座標系における操作力F
sであるため、操作力測定装置1では、PQR座標系における操作力F
sを、ドア2aの向きを基準とするXYZ座標系における力に変換して、操作力Fを得る構成としている。
【0048】
本発明の第二の実施形態に係る操作力測定装置11は、操作力測定装置1と同様に、車両2におけるドア2aを人が開閉するときにドアハンドル2bに作用する操作力Fを測定するための装置であり、
図7に示す如く、測定用ハンドル13、ドア角度測定器14、演算器15等からなる構成としている。
【0049】
測定用ハンドル13は、操作力測定装置11による操作力の測定において、人がドアハンドル2bの代わりに操作する操作部を構成するための部位であり、ドアハンドル2bに取り付けた状態で使用され、取り付け部6、操作部7、荷重センサ8・8等を備える構成としている。
【0050】
取り付け部6は、測定用ハンドル13をドアハンドル2bに対して固定するための部位であり、ドアハンドル2bを挟圧可能な部位であるクランプ部6aを備えている。
そして、測定用ハンドル13は、クランプ部6aを構成するネジ部材を締め付けることによって、クランプ部6aでドアハンドル2bを挟圧することができ、これにより、ドアハンドル2bに対して穴あけ等の加工を行うことなく、測定用ハンドル13をドアハンドル2bに固定することができるように構成されている。
【0051】
操作部7は、測定用ハンドル13における人が把持する部位を構成するものであって、把持部7a、連結部7b等を備える構成としている。
そして、操作部7は、ドアハンドル2bに測定用ハンドル13が固定されている状態で、ドアハンドル2bを把持する代わりに、操作部7の把持部7aを把持して、人が測定用ハンドル13を操作することによって、ドア2aを開閉することができるように構成されている。
【0052】
荷重センサ8・8は、操作部7の連結部7b・7bと取り付け部6の連結部6b・6bとの間に介設されている。
そして、取り付け部6と操作部7は、複数(本実施形態では2個)の荷重センサ8・8を介して連結されるように構成されている。
【0053】
即ち、人が操作部7を操作するときに作用する操作力が取り付け部6に伝達されるとき、その操作力が全て荷重センサ8・8に入力されるように構成されている。
このような構成により、人が操作部7を持ってドア2aを開閉するときに、測定用ハンドル13を介してドアハンドル2bに作用する操作力を、荷重センサ8・8によって検出することができるように構成されている。
【0054】
荷重センサ8は、直交する3軸方向への応力を同時に検出することができるセンサ(ロードセル)であり、荷重センサ8によって、測定用ハンドル3を介してドアハンドル2bに作用する操作力のPQR座標系における各軸方向への分力を検出することができるように構成されている。
また、各荷重センサ8・8は、後述する演算器15に接続されており、各荷重センサ8・8によるPQR座標系における操作力(各軸方向への分力)の測定値に基づいて、演算器15によって、XYZ座標系における操作力を演算する構成としている。
【0055】
また、
図8(a)(b)に示す如く、本発明の第二の実施形態に係る操作力測定装置11は、ドア2aを開ける時の操作力Fを測定するときと、ドア2aを閉めるときの操作力Fを測定するときで、装置の構成を変化させるようにしている。
【0056】
操作力測定装置11の
図8(a)に示す第一の態様は、ドア2aを開けるときにおける操作力Fを測定するための態様であり、測定用ハンドル13において、操作部7を引くことによって、荷重センサ8に対して圧縮する方向への応力が作用するように構成されている。
【0057】
即ち、第一の態様の測定用ハンドル13では、取り付け部6側の連結部6b・6bを、操作部7側の連結部7b・7bよりもドアハンドル2bに対してより離間する位置に配置するとともに、連結部6bと連結部7bの間に荷重センサ8を介設する構成としている。
【0058】
また、操作力測定装置11の
図8(b)に示す第二の態様は、ドア2aを閉めるときにおける操作力Fを測定するための態様であり、測定用ハンドル13において、操作部7を押すことによって、荷重センサ8に対して圧縮する方向への応力が作用するように構成されている。
【0059】
即ち、第二の態様の測定用ハンドル13では、取り付け部6側の連結部6b・6bを、操作部7側の連結部7b・7bよりもドアハンドル2bに対してより近い位置に配置するとともに、連結部6bと連結部7bの間に荷重センサ8を介設する構成としている。
【0060】
また、操作力測定装置11は、測定用ハンドル13において、ドア2aに対するドアハンドル2bの変位量を検出するための装置であるドアハンドル変位量測定器9を備えており、この点において、第一の実施形態に係る操作力測定装置1と相違している。
【0061】
また、操作力測定装置11は、演算器15において、操作力測定装置1の演算器5とは異なる演算アルゴリズムを採用しており、この点においても、第一の実施形態に係る操作力測定装置1と相違している。
【0062】
そして、操作力測定装置11におけるドア角度測定器14の構成やその他の部位における構成は、第一の実施形態に係る操作力測定装置1における構成と共通の構成とすることができる。
【0063】
ドアハンドル変位量測定器9は、ドア2aに対するドアハンドル2bの離間距離Lを検出するための装置である。
そして、操作力測定装置11では、ドアハンドル変位量測定器9によって検出した離間距離Lに基づいて、演算器5によって、ドア2aに対するドアハンドル2bの角度θを演算する構成としている。
【0064】
尚、本実施形態においては、ドア2aに対するドアハンドル2bの角度θを検出するために、ドアハンドル変位量測定器9を用いる場合を例示しているが、ドア2aに対するドアハンドル2bの角度θを検出する角度センサを、ドア2aに対するドアハンドル2bの回動基部に直接配置する構成としてもよい。
【0065】
次に、本発明の第二の実施形態に係る操作力測定装置11によるドアハンドル2bに対する操作力Fの測定状況について、
図7を用いて説明をする。
本発明の第一の実施形態に係る操作力測定装置1では、ドア2aに対するドアハンドル2bの角度θを考慮せずに、PQR座標系における各軸方向とXYZ座標系における各軸方向が一致しているものと仮定して、操作力Fを算出する構成としている。
【0066】
しかしながら、ドアハンドル2bを操作してドア2aを開閉するときには、現実的にはドア2aに対するドアハンドル2bの角度θが変化するため、操作力Fの算出にあたり、ドア2aに対するドアハンドル2bの角度θを考慮することによって、より精度よく操作力Fを測定することが可能になる。
【0067】
そこで、本発明の第二の実施形態に係る操作力測定装置11では、演算器15による操作力Fの算出過程において、角度θを考慮するアルゴリズムを採用する構成としている。
【0068】
図7に示す如く、操作力測定装置11による操作力Fの測定においては、測定用ハンドル3に備えられる各荷重センサ8・8による測定値F
s1、F
s2が増幅器に入力される。
【0069】
そして、増幅器からは、PQR座標系の各軸方向への分力として、合計6系統の生の計測値(F
p1、F
q1、F
r1、F
p2、F
q2、F
r2)が出力され、この6系統の出力から、演算器15において、
図7に示すような出力値F
s(F
sp、F
sq、F
sr)を得る。
尚、出力値F
s(F
sp、F
sq、F
sr)は、以下に示す数式3により算出される。
【0071】
次に演算器15では、
図7に示すように、ドアハンドル2bの角度θに基づいて、出力値F
sを補正し、補正後の出力値F
s’(F
sp’、F
sq’、F
sr’)を算出する。
尚、補正後の出力値F
s’(F
sp’、F
sq’、F
sr’)は、以下に示す数式4によって算出される。
【0073】
また、ドアハンドル2bの角度θは、ドアハンドル2bの変位量(ドア2aに対する離間距離L)と、ドアハンドル2bの回転半径rと、に基づいて、以下に示す数式5により算出することができる。
【0075】
次に、演算器15では、得られた補正後の出力値F
s’と、ドア角度測定器4から入力されるドア2aの角度φを、
図7に示すように極性変換のための行列式(以下に示す数式6)に代入する。
【0077】
数式6に示す行列式では、測定用ハンドル3を取り付けるドア2aの方向に応じて行列式中の定数LRの値を選択するとともに、ドア2aの開閉方向に応じて、行列式中の定数OCの値を選択する。
例えば、前記行列式中の定数LRの値は、測定用ハンドル3が車両の右側のドア2aに取り付けられているときには「1」が選択され、測定用ハンドル3が車両の左側のドア2aに取り付けられているときには「−1」が選択される。
また、前記行列式中の定数OCの値は、ドア2aを開く操作のときには「1」が選択され、ドア2aを閉じる操作のときには「−1」が選択される。
【0078】
そして、数式5に示す行列式への代入結果により、XYZ座標系における操作力F(F
x、F
y、F
z)を得る構成としている。
【0079】
このように、本発明の第二の実施形態に係る操作力測定装置11では、操作力Fの算出においてドア2aに対するドアハンドル2bの角度θを考慮することで、ドアハンドル2bの操作フィーリングを評価するのに必要なXYZ座標系における操作力F(F
x、F
y、F
z)を、操作力測定装置1に比して、より精度よく求めることができる。
【0080】
即ち、本発明の第二の実施形態に係る操作力測定装置11は、ドア2aに対するドアハンドル2bの変位量(即ち、離間距離L)を検出するドアハンドル変位量測定器9をさらに備え、演算器5によって、ドアハンドル変位量測定器9の測定値に基づき、複数の荷重センサ8・8の測定値を補正するものである。
このような構成により、ドアハンドル2bに作用する操作力Fをさらに精度よく測定することができる。