特許第6022968号(P6022968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6022968
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/42 20060101AFI20161027BHJP
【FI】
   E06B9/42 A
   E06B9/42 B
   E06B9/42 C
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-35777(P2013-35777)
(22)【出願日】2013年2月26日
(65)【公開番号】特開2014-163135(P2014-163135A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2014年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(74)【代理人】
【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子
(72)【発明者】
【氏名】外村 英章
(72)【発明者】
【氏名】江川 健
(72)【発明者】
【氏名】江上 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 裕
【審査官】 小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0051282(US,A1)
【文献】 特開2009−079431(JP,A)
【文献】 実開平04−048399(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドブラケット(12)に巻取パイプ(14)を回転可能に支持し、透過部(16a)と不透過部(16b)とが上下方向に交互に連続して形成されたスクリーン(16)を巻取パイプ(14)に巻取り及び巻解き可能に取付けたロールスクリーンにおいて、
上下方向における透過部の高さ寸法は、不透過部の高さ寸法以下であり、
スクリーンは、不透過部(16b)を有する捨て巻き部(16c)を含む上下方向上端部が折り返され、折り重なった部分がスクリーン連結部材(22)に固着され、該スクリーン連結部材によって巻取パイプ(14)に取付けられており、
スクリーンが巻取パイプに巻取られるときに、一巻目の透過部(16a)全体が、捨て巻き部(16c)の不透過部(16b)に重複するように巻取られるようにしたことを特徴とするロールスクリーン。
【請求項2】
スクリーン連結部材(22)を境にスクリーン(16)が捨て巻き部(16c)と遮蔽部(16d)とになり、スクリーンが巻取パイプに巻取られるときに、遮蔽部(16d)の一巻目の透過部(16a)全体が、捨て巻き部(16c)の不透過部(16b)に重複するように巻取られるようにしたことを特徴とする請求項1記載のロールスクリーン。
【請求項3】
スクリーン連結部材(22)は、スクリーン(16)の透過部(16a)と不透過部(16b)との境目に設けられるようにしたことを特徴とする請求項2記載のロールスクリーン。
【請求項4】
サイドブラケット(12)に巻取パイプ(14)を回転可能に支持し、透過部(16a)と不透過部(16b)とが上下方向に交互に連続して形成されたスクリーン(16)を巻取パイプ(14)に巻取り及び巻解き可能に取付けたロールスクリーンにおいて、
上下方向における透過部の高さ寸法は、不透過部の高さ寸法以下であり、
スクリーンは、スクリーン連結部材(22)によって巻取パイプに取付けられ、スクリーン連結部材を境に不透過部(16b)を有する捨て巻き部(16c)と該捨て巻き部とは別体の遮蔽部(16d)とになり、
スクリーンが巻取パイプに巻取られるときに、遮蔽部(16d)の一巻目の透過部(16a)全体が、捨て巻き部(16c)の不透過部(16b)に重複するように巻取られるようにしたことを特徴とするロールスクリーン。
【請求項5】
捨て巻き部(16c)と遮蔽部(16d)の巻始めとが、スクリーン(16)の巻取パイプ取付点から重なり合って、同じ方向に巻き取られることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のロールスクリーン。
【請求項6】
捨て巻き部(16c)の不透過部(16b)は少なくとも一巻目の透過部(16a)全体が巻き取られる巻取パイプ(14)の表面部分に固定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロールスクリーン。
【請求項7】
捨て巻き部(16c)の不透過部(16b)は巻取パイプ(14)の表面全周にわたって固定されていることを特徴とする請求項6記載のロールスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過部と不透過部を備えたスクリーンを有するロールスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
このような構成のロールスクリーンとしては、特許文献1に示されるものが知られている。これに示されるものは、天井又は壁面に取付けられるバー本体に回転可能に巻取パイプ(巻取パイプ)を取付け、巻取パイプにスクリーンの一端を固定し、スクリーンの他端を巻取パイプから垂下し錘本体で折り返して、バー本体の一方の側部から突出させたスクリーン固定部材に固定している。
【0003】
巻取パイプを回転させて、スクリーンを巻取パイプに巻取っていくと、スクリーンの上下方向に交互に形成される透過部と不透過部とが順番に巻取られていく。
【0004】
この巻取パイプにスクリーンの一端を固定するために、巻取パイプの外周の一部にはその長手方向に断面C字状の座溝が全長に亘って形成され、また、スクリーンの一端に、この座溝に挿入可能であるけれども座溝の開口部から引き抜き不能な平板部材が逢着されている。スクリーンの一端とともにその平板部材を巻取パイプの長手方向の端縁からその座溝に挿入して、スクリーンを座溝における開口部から引き出すことにより巻取パイプの周囲にスクリーンの端部を固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−79430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の構成のロールスクリーンにおいては、巻取パイプからスクリーンを巻解いていき、巻取パイプに巻き取られているスクリーンの巻数が少なくなっていくと、巻取られているスクリーンの透過部を通して巻取パイプの表面が外部に透けて見えてしまう、という問題がある。スクリーンを下限位置まで下降させると、巻取パイプに巻取られているスクリーンは一巻程度になるため、巻取パイプの表面がより目立つことになり、巻取パイプ部分の意匠性が悪いという問題がある。また、巻取パイプと、透過部と不透過部とのピッチとの関係によっては、最初に巻き取られた透過部の上に次の透過部が重なるため、巻取パイプにスクリーンが数巻程度巻き取られていても、巻取パイプの表面が外部に透けてしまう。
【0007】
特に、巻取パイプの多くは無着色のアルミ材で構成されることが多く、スクリーンの透過部を介して巻取パイプの表面の金属面が見えると、ロールスクリーン全体のイメージを損ない、意匠性を悪化させるという問題がある。
【0008】
本発明は、巻取パイプに巻き取られているスクリーンの巻数が少なくなった状態においても、巻取パイプの表面が透けて見えることが防止されたロールスクリーンを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、発明の一態様は、サイドブラケットに巻取パイプを回転可能に支持し、透過部と不透過部とが上下方向に交互に連続して形成されたスクリーンを巻取パイプに巻取り及び巻解き可能に取付けたロールスクリーンにおいて、
巻取パイプに、不透過部を有する捨て巻き部が設けられ、スクリーンが巻取パイプに巻取られるときに、一巻目の透過部全体が、捨て巻き部の不透過部に重複するように巻取られるようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、スクリーンはスクリーン連結部材によって巻取パイプに取付けられ、スクリーン連結部材を境にスクリーンが捨て巻き部と遮蔽部とになり、スクリーンが巻取パイプに巻取られるときに、遮蔽部の一巻目の透過部全体が、捨て巻き部の不透過部に重複するように巻取られるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、スクリーン連結部材は、スクリーンの透過部と不透過部との境目に設けられるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、捨て巻き部と遮蔽部とは別体であることを特徴とする。
【0013】
また、捨て巻き部と遮蔽部の巻始めとが、スクリーンの巻取パイプ取付点から重なり合って、同じ方向に巻き取られることを特徴とする。
【0014】
また、捨て巻き部の不透過部は、少なくとも一巻目の透過部全体が巻き取られる巻取パイプの表面部分に固定されていることを特徴とする。
【0015】
また、捨て巻き部の不透過部は巻取パイプの表面全周にわたって固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スクリーンが巻取パイプに巻取られるときに、一巻目の透過部全体が、捨て巻き部の不透過部に重複するように巻取られるようになっているため、巻取パイプにスクリーンが僅かしか巻取られていない状態であってもスクリーンの透過部から巻取パイプの表面が透けて見えることがなく、スクリーンを下限位置まで下降させても巻取パイプ部分の意匠性を良好にすることができる。
【0017】
スクリーン連結部材をスクリーンの透過部と不透過部との境目に設けることにより、スクリーン連結部材を境として捨て巻き部と遮蔽部とを構成したときに、遮蔽部の透過部が捨て巻き部の不透過部に必ず重複するように巻取ることができる。また、捨て巻き部と遮蔽部とを一体に設けることができるため、簡単に構成することができる。
【0018】
また、捨て巻き部と遮蔽部とを別体にすることで、捨て巻き部の長さを自由に設定することができるようになる。
【0019】
また、捨て巻き部と遮蔽部の巻始めとが、スクリーンの巻取パイプ取付点から重なり合って、同じ方向に巻き取られるようにしたことで、スクリーンを巻き取ったときに、捨て巻き部が、必ず遮蔽部の巻始めとスクリーンとの間に配置されるようにすることができる。
【0020】
少なくとも一巻目の透過部全体が巻き取られる巻取パイプの表面部分に、あるいは巻取パイプの表面全周にわたって、不透過部を固定することにより、透過部と不透過部のピッチに関係なく一巻目の透過部全体が捨て巻き部の不透過部に重複するので、巻取パイプの表面がスクリーンを介して透けて見えることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態に係るロールスクリーンの全体斜視図である。
図2】第1の実施形態の巻取パイプにスクリーンを取付ける態様を表す斜視図であり、(a)は取付ける前の状態を、(b)は取付けた後の状態をそれぞれ示す。
図3】第1の実施形態の巻取パイプにスクリーンを取付ける態様を表す断面図であり、(a)は取付ける前の状態を、(b)は取付けた後の状態をそれぞれ示す。
図4】第1の実施形態の巻取パイプにスクリーンが巻取られている状態を示す断面図である。
図5】第1の実施形態の巻取パイプからスクリーンが一巻程度巻き取られている状態を示す断面図である。
図6】第2の実施形態において巻取パイプにスクリーンを取付ける態様を表す断面図であり、(a)は取付ける前の状態を、(b)は取付けた後の状態をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1に示したように、第1の実施形態にかかるロールスクリーンは、図示していない窓枠や天井等に固定されるセットフレーム10の両端に設けられたサイドブラケット12に巻取パイプ14の両端が回転可能に支持されており、巻取パイプ14にスクリーン16が巻取り及び巻解き可能に連結されている。スクリーン16は巻取パイプ14から垂下するとともに下部レール18に巻回されて折り返されて上昇し、図示していない支持部材によってセットフレーム10及び/又はサイドブラケット12間に支持される。スクリーン16は、下部レール18の自重によりその折り返し部が下方に引っ張られることにより、展張状態を維持している。巻取パイプ14の回転操作は、サイドブラケット12の一端に設けられた操作チェーン20を操作することにより行われ、また、操作チェーン20の操作を停止すれば、公知のストッパにより巻取パイプ14はその停止位置を維持可能となる。
【0024】
スクリーン16は、光をある程度透過する透過部16aと、透過部16aに比較して光の透過率が低い不透過部16bとが上下方向に交互に連続して一定周期で形成される。好ましくは、透過部16aは透明または半透明の生地からなっており、不透過部16bは遮光生地からなっている。また、好ましくは、透過部16aの高さ寸法は、不透過部16bの高さ寸法以下、さらに好ましくは、不透過部16bの高さ寸法よりも小さくなるように設定される。これによって、操作チェーン20を操作して巻取パイプ14から垂下するスクリーン16の長さを前記一定周期の間で変化させて、下部レール18を折り返されて前後に配置されるスクリーン16の一方側の不透過部16bが他方側の透過部16aに対して覆い重なるようにすると、スクリーン16全体が不透過状態となり、または、一方側の透過部16aと他方側の透過部16aとが少なくとも一部重なるようにすると、スクリーン16の一部を透過状態にすることができる。また、操作チェーン20を操作して巻取パイプ14からスクリーン16を巻取り及び巻解くと、下部レール18が上下動して、スクリーン16が全体的に昇降する。
【0025】
図2及び図3に示すように、スクリーン16の巻取パイプ14への取付けは、巻取パイプ14の連結溝14aにスクリーン16に連結されたスクリーン連結部材22を挿入することにより行われる。
【0026】
巻取パイプ14の連結溝14aは、巻取パイプ14の円周方向の一部に長手方向全長にわたって形成される開口部14a−1と、巻取パイプ14の内部に開口部14a−1と連通して開口部14a−1よりも円周方向に広がり長手方向全長にわたって形成される凹部14a−2と、から構成される。
【0027】
スクリーン連結部材22は、スクリーン16が固着される平板状の固着部22aと、固着部22aの一端部に形成される横断面凸状の係止部22bとを有する。スクリーン連結部22全体は凹部14a−2の円周方向の大きさよりも小さく、開口部14a−1の円周方向の大きさよりも大きく形成されている。また、係止部22bは凹部14a−2の径方向寸法よりも若干大きく構成されて開口部14a−1の一方の端部に係止可能となっている。そして、一旦、スクリーン連結部材22が連結溝14a内に挿入されると、簡単には取り外されないようになっている。
【0028】
スクリーン16にスクリーン連結部材22を連結するのは次のように行われる。すなわち、スクリーン16を最上端部の不透過部16bとこれに隣り合う透過部16aとの境目で折り返し、透過部16aと不透過部16bとが重なり合うような状態にする。この場合、折り返し部16eよりも最上端部側が、スクリーンの本来の機能である遮蔽機能とは無関係に巻取パイプ14に巻き付けられまたは固定される捨て巻き部16cとなり、折り返し部16eよりも反最上端部側がスクリーンの本来の機能である遮蔽機能を果たす遮蔽部16dとなる。捨て巻き部16cは、折り返し部16eよりも最上端部側の不透過部16bを有し、遮蔽部16dは、折り返し部16eより反最上端部側の透過部16a及びこれに連続する不透過部16b、透過部16a・・・を有する。そして、捨て巻き部16cがスクリーン連結部材22の固着部22aの一方の面に直接当接するとともに、折り返し部16eが係止部22bに近接するように配置して、重なり合った捨て巻き部16cの一部と遮蔽部16dの一部とをステープルや縫製等により固着部22aに固着する。
【0029】
このようにスクリーン16が連結されたスクリーン連結部材22を巻取パイプ14に取付けるには、図2(a)及び図3(a)に示すように、捨て巻き部16cと遮蔽部16dとが重なり合った状態で、スクリーン連結部材22の固着部22aの自由端部に沿って回り込んで固着部22aの他方の面上及び係止部22b上を通過させた状態とする。その後、図3(a)中矢印Aで示すように、固着部22aの自由端部側から連結溝14a内にスクリーン連結部材22を挿入する。スクリーン連結部材22を連結溝14aに完全に挿入すると、図2(b)及び図3(b)に示すように、固着部22aの自由端部が連結溝14a内で巻取パイプ14の内周面に当接して外径方向への移動が規制され、係止部22bが開口部14a−1の一方の端縁に係止して円周方向への移動が規制される。スクリーン16の捨て巻き部16cと遮蔽部16dは互いに重なり合った状態で開口部14a−1から外部に同方向に導出され、つまり、捨て巻き部16cの自由端部が遮蔽部16dの巻始めと同じ側に配置され、遮蔽部16dと巻取パイプ14の間に位置する構成となる。
【0030】
次に、スクリーン16の巻取り及び巻解きの動作を図4及び図5を参照して説明する。
【0031】
前後に垂下する操作チェーン20のうちの一方を引き下げて、巻取パイプ14が図5中反時計方向に回転するようにすると、図4に示すように巻取パイプ14にスクリーン16が巻取られる。この際、捨て巻き部16cの自由端部は遮蔽部16dの巻始めと同じ側に配置されているため、遮蔽部16dの一巻目の最初の透過部16aが捨て巻き部16cの不透過部16bに重なり合って同じ方向で巻取パイプ14に巻取られる。上述のように不透過部16bの高さ寸法は、透過部16aの高さ寸法以上となっているため、遮蔽部16dの一巻目の最初の透過部16aは、捨て巻き部16cの不透過部16bに完全に重複することとなる。従って、この最初の透過部16aを介して巻取パイプ14の表面が透けて見えることはない。この後、遮蔽部16dをさらに巻取っていくと、巻取られたスクリーン分だけ巻径が少しずつ大きくなる。二巻目以降の透過部16aは、捨て巻き部16cの不透過部16bまたはそれ以前の巻目の不透過部16bに重複するために、同様に、巻取パイプ14の表面が透けて見えることはない。
【0032】
一方、前後に垂下する操作チェーン20のうちの他方を引き下げて、巻取パイプ14が図4中時計方向に回転するようにすると、巻取パイプ14からスクリーン16が巻解かれていく。そして、図5に示すように、スクリーン16が下限位置に達して、遮蔽部16dの巻取パイプ14への巻付きが数巻、または一巻になった場合でも、遮蔽部16dの透過部16a全体が捨て巻き部16cの不透過部16bに重複しているために、透過部16aを介して巻取パイプ14の表面が透けて見えることはなく、巻取パイプ部分の意匠性を良好にすることができる。
【0033】
巻取パイプは一般に無着色のアルミ材で構成されることが多く、巻取パイプの表面がスクリーンから透けて見える場合、意匠性を向上させるためには金属色が露出しないように着色しなければならないが、この実施形態によれば、そのような着色を不要にすることができる。こうして、ロールスクリーン全体の意匠性を向上させることができる。
【0034】
また、遮蔽部16dにおいて、透過部16aの上に丁度、不透過部16bが重なるように配慮する必要がないために、透過部16aと不透過部16bのピッチと、巻取パイプ14の径との間の自由度を増加させることができる。
【0035】
捨て巻き部16cを遮蔽部16dと一体に構成するために、簡単に構成することができる。不透過部16bが透過部16aの高さ寸法以上となるスクリーン16の本来持つ構成を、捨て巻き部16cの不透過部16bでも、そのまま活かすことができ、捨て巻き部16cの不透過部16bによって、遮蔽部16dの一巻目の透過部16a全体を完全に重複させることができる。遮蔽部16dの一巻目の透過部16aが2個以上ある場合であっても、捨て巻き部16cの2個以上の不透過部16bによって、遮蔽部16dの一巻目の透過部16a全体を完全に重複させることができる。
【0036】
図6に第2の実施形態を示す。なお、以下において説明する構成以外は第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0037】
この実施形態では、捨て巻き部16cと遮蔽部16dとがそれぞれ別体に構成されており、捨て巻き部16cは例えば遮蔽部16dの不透過部16bの共布で構成されている。また、捨て巻き部16cは巻取パイプ14の表面全周を覆うことが可能な大きさを有している。
【0038】
捨て巻き部16cと遮蔽部16dは第1の実施形態と同様のスクリーン連結部材22によって巻取パイプ14に取付けられる。捨て巻き部16cと遮蔽部16dは、第1の実施形態と同様の方法でスクリーン連結部材22の固着部22aに固着してもよいが、この例では、遮蔽部16dがスクリーン連結部材22の固着部22aの一方の面に直接当接するように遮蔽部16dと捨て巻き部16cとを重ね合わせるとともに、遮蔽部16dと捨て巻き部16cの端部を係止部22bに近接させて配置して、重なり合った捨て巻き部16cの一部と遮蔽部16dの一部とをステープルや縫製等により固着している。
【0039】
そして、このように連結した遮蔽部16dが、スクリーン連結部材22の固着部22aの自由端部に沿って回り込んで固着部22aの他方の面上及び係止部22b上を通過させた状態にする。捨て巻き部16cは、この例では、固着部22aの自由端部で回り込ませずに、そのまま同方向に導出させた状態としている。
【0040】
図6(a)に示すように、上記状態を保ちつつ、固着部22aの自由端部側から連結溝14a内にスクリーン連結部材22を挿入し、図6(b)に示すように、捨て巻き部16cと遮蔽部16dを巻取パイプの円周方向に対して互いに逆方向に開口部14a−1から導出する。そして、捨て巻き部16cは巻取パイプ14の円周方向ほぼ全周に巻付けて巻取パイプ14に貼り付ける等の方法で固定する。遮蔽部16dは捨て巻き部16cの巻付け方向とは反対方向から巻取パイプ14に巻取られることになるが、捨て巻き部16cの不透過部16bが巻取パイプ14b全周に既に巻付けられているため、一巻目の透過部16aは必ず捨て巻き部16cの不透過部16bに重複する。よって、透過部16aを介して巻取パイプ14の表面が透けて見えることはない。
【0041】
なお、捨て巻き部16cと遮蔽部16dの構成は、上記実施の形態のものに限定されることはなく、一巻目の透過部16a全体が捨て巻き部16cの不透過部16bに重複するように巻取パイプ14に巻取られるように構成されていればよい。よって、捨て巻き部16cを巻取パイプ14の一巻目の透過部16aと重複する部分のみに固定する構成としてもよい。また、捨て巻き部16cをスクリーン連結部材22に直接連結する代わりに、巻取パイプ14に直接貼り付けて固定する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0042】
12 サイドブラケット
14 巻取パイプ
16 スクリーン
16a 透過部
16b 不透過部
16c 捨て巻き部
16d 遮蔽部
22 スクリーン連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6