(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、例えば特許文献1においては、電力のデータを時間情報に関連付けてサーバに送信することが提案されている。
【0006】
しかしながら、例えばサーバメンテナンス等により電力管理装置からサーバへデータを送信できない時もある。このような場合、例えば、電力管理装置におけるデータに基づいて生成するグラフと、サーバが取得したデータに基づいて生成するグラフとが同じにならないというような不都合が生じる。
【0007】
本発明の目的は、サーバにデータが送信できない時があっても、サーバとの間でデータを極力一致させることができるエネルギー管理装置、エネルギー管理方法、およびエネルギー管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する第1の観点に係る発明は、
サーバにエネルギーの物理量変化に関するデータを送信するエネルギー管理装置であって、
物理量の経時変化を第1の時間(1分)単位で計測した第1データ(分データ)、および、当該第1データ(分データ)を第2の時間(例えば1時間)単位で積算した第2データ(例えば時データ)を、一時的に記憶する記憶部(例えばRAM)と、
所定時間(例えば10分)経過時に、当該所定時間ぶんの第1データおよび最新の第2データを前記記憶部から読み出して前記サーバに送信し、当該送信が成功した場合、送信済みのデータを前記記憶部から消去するように制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記送信が失敗した場合、次の所定時間(10分)経過時に、当該次の所定時間ぶんの第1データおよび最新の第2データを前記記憶部から読み出して前記サーバに送信し、第2の時間単位の積算が完了した第2データがある時は、未送信の前記所定時間ぶんの第1データとともに当該積算が完了した第2データも前記記憶部から読み出して送信するように制御することを特徴とするものである。
【0009】
また、前記制御部は、前記記憶部において、前記第2データが前記第1データよりも先に消去されないように制御してもよい。
【0010】
また、前記記憶部よりも記憶容量の大きい半導体メモリ(例えばSD)をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部に一時的に記憶した第1データおよび第2データを前記半導体メモリにさらに記憶し、当該一時的に記憶した第1データおよび第2データを前記サーバに送信する際には、当該半導体メモリからは読み出さないように制御してもよい。
【0011】
また、上記目的を達成する第2の観点に係る発明は、
サーバにエネルギーの物理量変化に関するデータを送信するエネルギー管理装置におけるエネルギー管理方法であって、
物理量の経時変化を第1の時間(1分)単位で計測した第1データ(分データ)、および、当該第1データ(分データ)を第2の時間(例えば1時間)単位で積算した第2データ(例えば時データ)を、一時的に記憶部に記憶する記憶ステップと、
所定時間(例えば10分)経過時に、当該所定時間ぶんの第1データおよび最新の第2データを前記記憶部から読み出して前記サーバに送信し、当該送信が成功した場合、送信済みのデータを前記記憶部から消去するように制御する制御ステップと、を有し、
前記制御ステップにおいて、前記送信が失敗した場合、次の所定時間(10分)経過時に、当該次の所定時間ぶんの第1データおよび最新の第2データを前記記憶部から読み出して前記サーバに送信し、第2の時間単位の積算が完了した第2データがある時は、未送信の前記所定時間ぶんの第1データとともに当該積算が完了した第2データも前記記憶部から読み出して送信するように制御することを特徴とするものである。
【0012】
さらに、上記目的を達成する第3の観点に係る発明は、
サーバと、当該サーバにエネルギーの物理量変化に関するデータを送信するエネルギー管理装置と、を有するエネルギー管理システムであって、
前記エネルギー管理装置は、
物理量の経時変化を第1の時間(1分)単位で計測した第1データ(分データ)、および、当該第1データ(分データ)を第2の時間(例えば1時間)単位で積算した第2データ(例えば時データ)を、一時的に記憶する記憶部と、
所定時間(例えば10分)経過時に、当該所定時間ぶんの第1データおよび最新の第2データを前記記憶部から読み出して前記サーバに送信し、当該送信が成功した場合、送信済みのデータを前記記憶部から消去するように制御する制御部と、を備え、
前記サーバは、前記エネルギー管理装置からのデータを受信すると、受信完了の応答を返し、
前記制御部は、前記送信に対する受信完了の応答を受信しなかった場合、次の所定時間(10分)経過時に、当該次の所定時間ぶんの第1データおよび最新の第2データを前記記憶部から読み出して前記サーバに送信し、第2の時間単位の積算が完了した第2データがある時は、未送信の前記所定時間ぶんの第1データとともに当該積算が完了した第2データも前記記憶部から読み出して送信するように制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るエネルギー管理装置、エネルギー管理方法、およびエネルギー管理システムによれば、サーバにデータが送信できない時があっても、サーバとの間でデータを極力一致させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下説明する実施形態においては、本発明に係るエネルギー管理装置の一例として、電力に関する情報を管理することができる電力管理装置について説明する。また、本発明に係るエネルギー管理システムの一例として、そのような電力管理装置を含む電力管理システムについて説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る電力管理システムを概略的に示す機能ブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る電力管理システム1は、電力管理装置10を含んで構成される。この電力管理装置10には、系統電源20、太陽光発電部30、燃料電池発電部40、蓄電部50、CTセンサ60、スマートタップ70、水道メータ80、およびガスメータ90が接続される。
【0018】
本実施形態において、電力管理装置10は、電力管理システム1における電力のやり取りに係る各種情報を収集する。具体的には、電力管理装置10は、系統電源20から買電する電力、および系統電源20に売電する電力の情報を収集する。また、電力管理装置10は、太陽光発電部30および燃料電池発電部40が発電する電力の情報を収集する。また、電力管理装置10は、蓄電部50が備える二次電池に充電および放電する電力の情報を収集する。さらに、電力管理装置10は、CTセンサ60およびスマートタップ70が検出する、各負荷機器の消費電力の情報を収集する。
【0019】
電力管理装置10が収集する情報は、電力の情報のみに限定されるものでなはく、例えば水道メータ80が検出する上水道の給水量、および、ガスメータ90が検出するガスの供給量などの情報も収集することができる。電力管理装置10の機能および電力管理装置10が行う処理については、後述する。
【0020】
太陽光発電部30は、太陽光を利用して発電することができる。このため、太陽光発電部30は、太陽電池を備えており、太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換する。本実施形態において、太陽光発電部30は、例えば家の屋根などにソーラパネルを設置して、太陽光を利用して発電するような態様を想定している。しかしながら、本発明において、太陽光発電部30は、太陽光のエネルギーを電力に変換できるものであれば、任意のものを採用することができる。
【0021】
図1に示すように、太陽光発電部30は、系統電源20(商用電源)に電力を供給することができる。すなわち、太陽光発電部30は、系統連系されるようにする。このようにして、太陽光発電部30が発電した電力は、系統電源20に売電することができる。
【0022】
燃料電池発電部40は、外部から供給された水素および酸素などのガスを電気化学反応させる燃料電池によって発電を行い、発電した電力を供給することができる。本実施形態において、燃料電池発電部40は、燃料電池が起動した後は、電力系統からの電力を受けずに稼動する、すなわち自立運転することが可能であるものであってもよい。本実施形態において、燃料電池発電部40は、自立運転することができるように、改質部など他の機能部も必要に応じて含むものとする。
【0023】
燃料電池発電部40が発電した電力は、電力管理システム1が電力を供給する各種の負荷機器に供給することができる。ここで、各種の負荷機器は、電力管理システム1から電力を供給される、ユーザが使用する家電機器などの機器の総称とする。
【0024】
蓄電部50は、蓄電池を備えており、この蓄電池に充電された電力を放電することにより、電力を供給することができる。また、蓄電部50は、系統電源20または燃料電池発電部40等から供給される電力を充電することもできる。また、蓄電部50から放電される電力も、電力管理システム1が電力を供給する各種の負荷機器に供給することができる。なお、太陽光発電部30および燃料電池発電部40が発電する電力、ならびに蓄電部50が放電する電力では、電力管理システム1が各種の負荷機器に供給する電力として不足する場合には、不足ぶんを系統電源20から買電することができる。
【0025】
CT(Current Transformer)センサ60は、電流センサの一種であり、本実施形態において、分電盤において分岐された電力の供給経路に対して、それぞれ必要に応じてCTセンサを複数設置することができる。これにより、電力管理装置10は、分電盤において分岐された電力の情報を、当該分岐された電力ごとに取得することができる。
図1においては、例として、1つのCTセンサしか示していないが、分電盤において分岐された電力の供給経路の数等に応じて、任意の数のCTセンサを設置することができる。
【0026】
スマートタップ70は、各負荷機器のプラグ(コンセントの差し込みプラグ)と、電力が供給されるソケット(コンセントのプラグ受け(レセプタクル))との間に取り付けられて、当該負荷機器の電力を検出することができる。スマートタップ70は、負荷機器のプラグと電力供給のソケットとを中継するように取り付けられることにより、その位置の電圧および電流を検出し、その検出結果から消費電力を算出して、その算出結果を電力管理装置10に送信する。ここで、スマートタップ70が無線通信により電力情報を電力管理装置10に送信する場合、スマートタップ中継器を介するようにしてもよい。スマートタップ70は、負荷機器のプラグとソケットとの間の電気的接続をするACアダプタ部、AC100V系の電力測定部を備えている。また、スマートタップ70は、測定結果等の通信を行うための無線部およびアンテナ、ならびに、これらスマートタップ内部の回路を駆動するためのDC電源を生成するAC/DC変換部も備えている。
【0027】
水道メータ80は、上水道から家庭内に供給される給水量などを検出する検出器である。水道メータ80は、単位時間の給水量などを検出し、当該検出結果を電力管理装置10に通知することができる。
【0028】
ガスメータ90は、例えば家庭内に供給される都市ガスの供給量などを検出する検出器である。ガスメータ90は、単位時間のガス供給量などを検出し、当該検出結果を電力管理装置10に通知することができる。
【0029】
図1に示した各機能部は、電力管理システム1において典型的な機能部を例示したものであり、本発明による電力管理システムにおける機能部は、
図1に示したものに限定されない。本発明による電力管理システムにおいて、電力管理装置10は、各種の電力に係る制御を行い、消費電力、ガス、および水道などの各種情報を収集することができる。
【0030】
また、電力管理システム1の電力管理装置10は、WLAN(無線LAN)ルータ200と通信を行うことができる。また、このWLANルータ200は、例えばPC210、タブレット型PC、およびスマートフォン230などの各種端末からのアクセスを受け付けることができる。したがって、PC210、タブレット型PC、およびスマートフォン230などの各種端末は、電力管理装置10と無線通信を行うことができる。ここで、WLANルータ200は、例えば家庭内LANを構築するアクセスポイントとすることができる。この場合、例えば電力管理装置10が設置された家屋内に存在するPC210、タブレット型PC、およびスマートフォン230などの各種端末は、WLANルータ200を介して、電力管理装置10と無線通信することができる。以下の説明においては、PC210、タブレット型PC、およびスマートフォン230などの端末は、主として電力管理システム1が設置された家屋内にて用いるものとして説明する。すなわち、ユーザは、PC210、タブレット型PC、およびスマートフォン230などの端末を用いることにより、電力管理装置10が取得した消費電力などの各種の情報にアクセスすることができる。
【0031】
さらに、WLANルータ200は、インターネットを経て、データサーバ300と無線通信することができる。データサーバ300は、電力管理装置10が収集した消費電力などの情報を受信して、記憶することができる。以下、本明細書において、データサーバ300は単に「サーバ300」と略記する。
【0032】
スマートフォン310などの端末は、インターネットを介して、サーバ300と通信することができる。この通信により、スマートフォン310などの端末は、電力管理装置10が収集した消費電力などの情報であってサーバ300に記憶された情報にアクセスすることができる。このため、スマートフォン310などの端末は、例えば外出先のような電力管理装置10から離れた場所にいても、電力管理装置10が管理している電力などのデータにアクセスできる。すなわち、スマートフォン310などの端末は、WLANルータ200による家庭内LANに接続できず、電力管理装置10と直接通信を行うことができなくても、サーバ300に記憶されたデータであれば、アクセスすることができる。
【0033】
次に、電力管理装置10の機能について説明する。本発明に係る電力管理装置は、サーバにデータが送信できない時があっても、サーバとの間でデータを極力一致させることを主な目的とするため、以下、電力管理装置10がサーバ300に各種のデータを送信することについて重点的に説明する。したがって、電力管理装置10によるサーバへのデータ送信以外の各種の機能については、適宜説明を省略する。
【0034】
図2は、電力管理装置10の内部を概略的に示す機能ブロック図である。
図2に示すように、電力管理装置10は、制御部11、一時記憶部12、通信部13、および半導体メモリ14を備えている。
【0035】
制御部11は、電力管理装置10において、主として計測された消費電力などの各種のデータを一時記憶部12および半導体メモリ14などに記憶し、さらに一時記憶部12に記憶された情報を適宜読み出して、サーバ300に送信するように制御する。制御部11による具体的な制御は、後述する。
図2においては、計測された消費電力などの各種のデータは、説明の便宜のため、計測データ1、計測データ2、…、計測データnと記してある。これらの計測データは、電力管理装置10に接続される機器構成に応じて、任意の数とすることができる。具体的には、計測データ1、計測データ2、…、計測データnは、例えば
図1に示したCTセンサ70およびスマートタップ80の検出した消費電力のデータとすることができる。その他、計測データ1〜nは、例えば
図1に示した太陽光発電部30および燃料電池発電部40などの発電電力のデータとすることができる。さらに、計測データ1〜nは、例えば
図1に示した水道メータ80およびガスメータ90が検出したそれぞれの供給量のデータとすることもできる。
【0036】
このように、本実施形態において、電力管理装置10が取得してサーバ300に送信する情報は種々のデータとすることができる。このため、以下、このような情報を、適宜、「物理量の経時変化を計測したデータ」または単に「データ」のように称する。
【0037】
一時記憶部12は、例えばRAMなどの揮発性メモリとすることができ、記憶容量が比較的大きくないメモリとすることができるが、頻繁なアクセスに耐え得るメモリとするのが好適である。ここで、頻繁なアクセスとは、制御部11がサーバ300に取得するための情報を一時記憶部12に書き込んだり、読み出したりする動作を含む。
【0038】
通信部13は、制御部11が一時記憶部12から読み出した電力などの各種の情報を、インターネットを介してサーバ300に送信する。この通信部13は、データ送受信部およびアンテナなどの無線通信に必要な機能部を備えるようにするのが好適である。
図2においては、説明の簡略化のために、
図1で説明したWLANルータ200は省略してある。
【0039】
また、本実施形態による電力管理装置10は、半導体メモリ14を備えるようにするのが好適である。この半導体メモリ14は、例えばSDなどの不揮発性のメモリとすることができ、記憶容量が比較的大きなメモリとするのが好適であるが、一時記憶部12に比べて頻繁なアクセスが好ましくないメモリとすることができる。すなわち、本実施形態において、電力管理装置10は、一時記憶部12よりも記憶容量の大きい半導体メモリ(例えばSD)14をさらに備える。
【0040】
この半導体メモリ14は、一時記憶部12に比べて長期間、好適には電力管理装置10が設置されて稼働してから現在に至るまで、所定の情報を保持するようにする。このようにして、電力管理装置10が管理する各種情報のうち半導体メモリ14に記憶した情報は、例えば所定のアプリケーションソフトウェアなどにより、例えばPC210などの端末において、ユーザに見易く把握し易い態様で表示することができる。しかしながら、上述したように、この半導体メモリ14は、頻繁なアクセスが好ましくないメモリとすることができるため、後述のように、サーバ300にデータを送信する際に制御部11が情報を読み出すメモリとしては使用しないようにするのが好適である。
【0041】
次に、本実施形態において、一時記憶部12および半導体メモリ14に記憶する情報の内容について説明する。
【0042】
(1)分データ(W)
まず、本実施形態において、物理量の経時変化を所定の時間を単位として計測したデータについて、説明の便宜のために、名前を付けて説明する。例えば、消費電力など経時変化する物理量を所定の検出部により検出した計測データのうち、当該検出部により検出した瞬時値の1分間の平均値を算出したものを、「分データ」と称する。この分データのように、物理量の経時変化を第1の時間(ここでは1分とする)単位で計測したデータを、本発明における「第1データ」とも称する。ここでは、当該「分データ」は、単位をW(ワット)とすることができる。
【0043】
(2)時データ(Wh)
次に、本実施形態において、「分データ」のような第1データを所定の第2の時間単位で積算したデータについても、説明の便宜のために、名前を付ける。例えば、消費電力などの分データを60分ぶん積算したデータを、「時データ」と称する。この時データのように、上述した第1データを所定の第2の時間(ここでは1時間とする)単位で積算したデータを、本発明における「第2データ」とも称する。ここでは、当該「時データ」は、単位をWh(ワット時)とすることができる。本発明において、この時データは、5分ごとに更新して積算するデータとする。
【0044】
(3)日データ(Wh)
次に、本実施形態において、例えば、上述した時データを、1日(24時間)ぶん積算したデータを、「日データ」と称する。ここでは、当該「日データ」は、単位をWh(ワット時)とすることができる。本発明において、この日データは、1時間ごとに更新して積算するデータとする。
【0045】
(4)月データ(Wh)
次に、本実施形態において、例えば、上述した時データを、1月ぶん積算したデータを、「月データ」と称する。ここでは、当該「月データ」は、単位をWh(ワット時)とすることができる。本発明において、この月データは、1時間ごとに更新して積算するデータとする。
【0046】
(5)年データ(Wh)
次に、本実施形態において、例えば、上述した時データを、1年ぶん積算したデータを、「年データ」と称する。ここでは、当該「年データ」は、単位をWh(ワット時)とすることができる。本発明において、この年データは、1時間ごとに更新して積算するデータとする。
【0047】
(6)積算データ(Wh)
次に、本実施形態において、例えば、上述した時データを、電力管理装置10を設置して起動した時(あるいはリセットした時)から現在に至るまでの期間積算したデータを、「積算データ」と称する。ここでは、当該「積算データ」は、単位をWh(ワット時)とすることができる。本発明において、この積算データは、1時間ごとに更新して積算するデータとする。
【0048】
本実施形態においては、制御部11は、例えば所定の検出器によって検出される消費電力の情報など、所定の物理量について、上述した(1)〜(6)の各データの全てを、所定のタイミングで半導体メモリ14に記憶する。ただし、分データについては、1分ごとに蓄積されるため、記憶が長期間にわたると、半導体メモリ14の記憶領域が不足する恐れがある。さらに、検出する消費電力などのデータのパラメータ数が増加すると、その分だけ、さらに半導体メモリ14の記憶領域が不足する恐れがある。したがって、本実施形態において、制御部11は、半導体メモリ14が分データを例えば35日ぶんのみ記憶するものとし、分データのうち35日以上経過したデータは順次消去するように制御する。一方、分データ以外の時データ、日データ、月データ、年データ、積算データなどについては、分データに比べてデータ量が極めて少なくなる。このため、制御部11は、半導体メモリ14が、時データ、日データ、月データ、年データ、積算データを、例えば10年など長期間記憶するようにする。
【0049】
また、本実施形態においては、制御部11は、半導体メモリ14に記憶される各データが更新されるのと同時に、同じデータを、一時記憶部12にも記憶するように制御する。ここで、制御部11は、一時記憶部12に記憶するデータとして、半導体メモリ14に記憶される各データの更新された値と同じデータを記憶するようにする。上述したように、一時記憶部12は、記憶容量が比較的大きくないメモリとすることができる。したがって、制御部11は、分データを記憶するに際して、一時記憶部12の記憶領域が不足しないような所定のタイミングで、当該分データのまとまりをサーバ300に送信するとともに、送信が成功したデータは一時記憶部12から消去するように制御する。したがって、本実施形態において、一時記憶部12に記憶されているデータは、まだサーバ300に送信が完了していないデータであり、一時記憶部12から消去されたデータは、すでにサーバ300に送信が完了したデータである。
【0050】
さらに、本実施形態において、制御部11は、上述のようにサーバ300にまだ送信が完了していないデータと、さらに所定の時間を単位とした積算が完了する前の第2データも、一時記憶部12に記憶する。例えば、「時データ」は、分データが1時間ぶん積算すれば所定の時間を単位とした積算が完了するが、1時間ぶん積算する前すなわち積算の途中のデータも、まだサーバ300に送信されずに一時記憶部12に記憶する。また、例えば、「日データ」は、時データが1日ぶん積算すれば所定の時間を単位とした積算が完了するが、1日ぶん積算する前すなわち積算の途中のデータも、まだサーバ300に送信されずに一時記憶部12に記憶する。「月データ」および「年データ」も同様である。
【0051】
以下、所定の第2の時間を単位とした積算が完了した第2データを、「完成した第2データ」のように記し、また所定の第2の時間を単位とした積算がまだ完了していない第2データを、「未完成の第2データ」のように記す。例えば、分データの積算が1時間の単位に満たない「時データ」は、「未完成の時データ」であり、分データの積算が1時間ぶん完了した「時データ」は、「完成した時データ」である。
【0052】
以上のように、例えばRAMなどとすることができる一時記憶部12は、物理量の経時変化を第1の時間単位で計測した第1データ(「分データ」)、および、当該第1データを第2の時間単位で積算した第2データ(例えば「時データ」)を、一時的に記憶する。
【0053】
制御部11は、電力管理装置10からサーバ300へのデータ送信が正しく完了したか否かを、サーバから例えばACKのような確認コマンドの返信によって判断することができる。すなわち、電力管理装置10からサーバ300へデータ送信を行い、サーバ300から電力管理装置10にACKが返信されてきたら、制御部11は、サーバ300へのデータ送信が正しく完了したと判断できる。一方、電力管理装置10からサーバ300へデータ送信を行ったのに、サーバ300から電力管理装置10にACKが返信されてこない場合、制御部11は、サーバ300へのデータ送信が正しく完了しなかったと判断できる。このように、サーバ300へのデータ送信が正しく完了しない場合としては、例えばサーバ300がメンテナンス等の理由によりダウンしている状態などが考えられる。
【0054】
サーバ300へのデータ送信が正しく完了しない場合、制御部11は、未送信データを一時記憶部12に記憶したままにして、次の所定のタイミングの際に、再び未送信データの送信を試みる。ここで当該次の所定のタイミングの際に、未送信データをサーバ300に送信することができれば、制御部11は、送信済みデータを一時記憶部12から消去することができる。しかしながら、未送信データをサーバ300に送信できない期間が比較的長くなると、一時記憶部12において送信済みデータの記憶領域が不足することが考えられる。このような場合、制御部11は、一時記憶部12から分データを消去するとともに、時データは消去しないように制御する。すなわち、制御部11は、一時記憶部12に記憶された第2データが第1データよりも先に消去されないように制御する。
【0055】
また、未送信データをサーバ300に送信できない期間が相当な長期にわたり、一時記憶部12において時データすらも記憶する領域が不足するような場合は、制御部11は、一時記憶部12から時データを消去するとともに、日データは消去しないように制御する。未送信データをサーバ300に送信できない期間がさらに長期にわたり、一時記憶部12において日データすらも記憶する領域が不足するような場合は、制御部11は、一時記憶部12から日データを消去するとともに、月データは消去しないように制御する。このように、本実施形態において、制御部11は、第1データを積算した第2データを一時的に一時記憶部12に記憶するように制御する。そして、本発明において、第2データは、「時データ」とする場合のみならず、「日データ」、「月データ」、および「年データ」とすることもできる。この場合、制御部11は、第2の時間の単位がより長時間である第2データが、第2の時間の単位がより短時間である第2データよりも先に消去されないように制御する。
【0056】
次に、本実施形態に係る電力管理装置10のサーバ300に対するデータ送信について、さらに具体的に説明する。
【0057】
図3は、所定時間経過ごとに電力管理装置10がサーバ300にデータ送信を行い、サーバ300が正しくデータを受信できる場合について説明したシーケンス図である。以下の例においては、電力管理装置10がサーバ300にデータ送信を行うインターバルである所定時間を10分とする。また、
図3に示す例において、電力管理装置10は、遅くとも時刻0:00からの消費電力などの各種物理量の経時変化を計測および記憶しているものとする。
【0058】
図3に示すように、時刻0:10の時点においては、制御部11は、時刻0:00から0:10までの10分間におけるデータとして「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(1))。さらに、この時、制御部11は、この時点の最新の「時データ」、最新の「日データ」、最新の「月データ」、最新の「年データ」、最新の「積算データ」も、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(1))。ここで、「時データ」は、時刻0:00から0:10までの10分間という1時間単位に満たない時データすなわち未完成の時データが送信される。また、「日データ」、「月データ」、「年データ」も、時刻0:00から0:10までの10分間における、それぞれ未完成の日データ、未完成の月データ、未完成の年データが送信される。
【0059】
サーバ300は、データ送信(1)において送信されたデータを受信すると、当該受信した旨を表すACK(1)を返信する。このACK(1)を受信したら、電力管理装置10の制御部11は、一時記憶部12に記憶されたデータのうちサーバ300に送信が完了したデータを消去する。
【0060】
次に、時刻0:20の時点においては、制御部11は、時刻0:10から0:20までの10分間における「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(2))。さらに、この時、制御部11は、この時点の最新の「時データ」、最新の「日データ」、最新の「月データ」、最新の「年データ」、最新の「積算データ」も、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(2))。ここで、「時データ」は、時刻0:00から0:20までの20分間における未完成の時データが送信される。また、「日データ」、「月データ」、「年データ」も、時刻0:00から0:20までの20分間における、それぞれ未完成の日データ、未完成の月データ、未完成の年データが送信される。
【0061】
サーバ300は、データ送信(2)において送信されたデータを受信すると、当該受信した旨を表すACK(2)を返信する。このACK(2)を受信したら、電力管理装置10の制御部11は、一時記憶部12に記憶されたデータのうちサーバ300に送信が完了したデータを消去する。
【0062】
次に、時刻0:30の時点においては、制御部11は、時刻0:20から0:30までの10分間における「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(3))。さらに、この時、制御部11は、この時点の最新の「時データ」、最新の「日データ」、最新の「月データ」、最新の「年データ」、最新の「積算データ」も、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(3))。ここで、「時データ」は、時刻0:00から0:30までの30分間における未完成の時データが送信される。また、「日データ」、「月データ」、「年データ」も、時刻0:00から0:30までの30分間における、それぞれ未完成の日データ、未完成の月データ、未完成の年データが送信される。
【0063】
サーバ300は、データ送信(3)において送信されたデータを受信すると、当該受信した旨を表すACK(3)を返信する。このACK(3)を受信したら、電力管理装置10の制御部11は、一時記憶部12に記憶されたデータのうちサーバ300に送信が完了したデータを消去する。
【0064】
以降、時刻0:40の時点におけるデータ送信(4)および当該データ送信(4)に応じたACK(4)、時刻0:50の時点におけるデータ送信(5)および当該データ送信(5)に応じたACK(5)についても同様である。
【0065】
次に、時刻1:00の時点において、制御部11は、時刻0:50から1:00までの10分間における「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(6))。さらに、この時、制御部11は、この時点の最新の「時データ」、最新の「日データ」、最新の「月データ」、最新の「年データ」、最新の「積算データ」も、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(6))。ここで、「時データ」は、時刻0:00から1:00までの1時間(60分間)における完成した時データが送信される。一方、「日データ」、「月データ」、「年データ」は、時刻0:00から1:00までの1時間における、それぞれ未完成の日データ、未完成の月データ、未完成の年データが送信される。
【0066】
以下、同様に、時間の経過が1日(24時間)に及んだ時点では、「日データ」は「完成した日データ」が送信され、一方、「月データ」、「年データ」は、当該時点までの、それぞれ未完成の月データ、未完成の年データが送信される。また、時間の経過が1カ月に及んだ時点では、「月データ」は「完成した月データ」が送信され、一方、「年データ」は、当該時点までの未完成の年データが送信される。さらに、時間の経過が1年に及んだ時点では、「年データ」は「完成した年データ」が送信される。
【0067】
次に、時刻1:10の時点において、制御部11は、時刻1:00から1:10までの10分間における「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(6))。さらに、データ送信(6)において、制御部11は、「時データ」として、時刻1:00から1:10までの10分における未完成の時データを送信する。一方、制御部11は、「日データ」、「月データ」、「年データ」として、時刻0:00から1:10までにおける、それぞれ未完成の日データ、未完成の月データ、未完成の年データを送信する。
【0068】
このように、サーバ300が電力管理装置10から送信されるデータを所定時間経過ごとに正しく受信できていれば、電力管理装置10は、一時記憶部12の記憶領域が不足することなく、動作を継続することができる。
【0069】
図4は、所定時間経過ごとに電力管理装置10がサーバ300にデータ送信を行うも、サーバ300が正しくデータを受信できない場合について説明したシーケンス図である。以下の例においても、電力管理装置10がサーバ300にデータ送信を行うインターバルである所定時間を10分とする。また、
図4に示す例においても、電力管理装置10は、遅くとも時刻0:00からの消費電力などの各種物理量の経時変化を計測および記憶しているものとする。
【0070】
図4に示すように、時刻0:10の時点においては、制御部11は、時刻0:00から0:10までの10分間におけるデータとして「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(1))。さらに、この時、制御部11は、この時点の最新の「時データ」、最新の「日データ」、最新の「月データ」、最新の「年データ」、最新の「積算データ」も、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(1))。ここで、「時データ」は、時刻0:00から0:10までの未完成の時データが送信される。また、「日データ」、「月データ」、「年データ」も、時刻0:00から0:10までの、それぞれ未完成の日データ、未完成の月データ、未完成の年データが送信される。
【0071】
図4において、サーバ300は、データ送信(1)において送信されたデータを受信できないため、当該受信した旨を表すACK(1)を返信することが無い(NACK(1))。ACK(1)が受信できない場合、電力管理装置10の制御部11は、一時記憶部12に記憶されたデータのうちサーバ300に未送信のデータを消去せずに保持する。
【0072】
次に、時刻0:20の時点においては、制御部11は、前回未送信の「分データ」を10個ぶん、および、時刻0:10から0:20までの10分間における新たな「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(2))。さらに、この時、制御部11は、この時点の最新の「時データ」、最新の「日データ」、最新の「月データ」、最新の「年データ」、最新の「積算データ」も、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(2))。ここで、「時データ」は、時刻0:00から0:20までの20分間における未完成の時データが送信される。また、「日データ」、「月データ」、「年データ」も、時刻0:00から0:20までの20分間における、それぞれ未完成の日データ、未完成の月データ、未完成の年データが送信される。
【0073】
サーバ300は、データ送信(2)において送信されたデータも受信できないと、当該受信した旨を表すACK(2)を返信することが無い(NACK(2))。ACK(2)が受信できない場合、電力管理装置10の制御部11は、一時記憶部12に記憶されたデータのうちサーバ300に未送信のデータを消去せずに保持する。
【0074】
以降、時刻0:30の時点におけるデータ送信(3)および当該データ送信(3)に応じたNACK(3)から、時刻0:50の時点におけるデータ送信(5)および当該データ送信(5)に応じたNACK(5)までについても同様である。すなわち、
図4に示す状況においては、サーバ300は、時刻1:10に至るまでずっと、電力管理装置10が送信したデータを受信することができないでいる。この場合、時刻0:30の時点においては、制御部11は、未送信の「分データ」を20個ぶん、および、時刻0:20から0:30までの10分間における新たな「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(3))。また、時刻0:40の時点においては、制御部11は、未送信の「分データ」を30個ぶん、および、時刻0:30から0:40までの10分間における新たな「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(4))。
【0075】
このように、サーバ300が電力管理装置10から送信されるデータを所定時間経過ごとに正しく受信できない場合、一時記憶部12に未送信データを蓄積するため、やがて一時記憶部12の記憶領域が不足する。このような場合、上述したように、まず分データを消去するも、時データは消去しないようにする。それでも一時記憶部12の記憶領域が不足する場合、時データは消去するも、日データは消去しないようにする。このように、サンプル数の多いデータを消去してもサンプル数の少ないデータを残すことにより、サーバ300がデータ受信を再開した際に、データの詳細までは送信できないにしても、当該詳細なデータに準じたデータを送信することができる。したがって、サーバ300に保存されるデータを、電力管理装置10の半導体メモリ14に記憶したデータと可能な限り近いものにすることができる。したがって、例えば、電力管理装置10におけるデータに基づいて生成する電力などのグラフと、サーバ300が取得したデータに基づいて生成するグラフとが同じにならないというような不都合を、可能な限り低減することができる。
【0076】
次に、時刻1:00の時点においては、制御部11は、前回まで未送信の「分データ」を50個ぶん、および、時刻0:50から1:00までの10分間における新たな「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(6))。さらに、この時、制御部11は、この時点の最新の「時データ」、最新の「日データ」、最新の「月データ」、最新の「年データ」、最新の「積算データ」も、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(6))。ここで、「時データ」は、時刻0:00から1:00までの1時間(60分間)における完成した時データが送信される。一方、「日データ」、「月データ」、「年データ」、時刻0:00から1:00までの1時間における、それぞれ未完成の日データ、未完成の月データ、未完成の年データが送信される。
【0077】
サーバ300は、データ送信(6)において送信されたデータも受信できないと、当該受信した旨を表すACK(6)を返信することが無い(NACK(6))。ACK(6)が受信できない場合、電力管理装置10の制御部11は、一時記憶部12に記憶されたデータのうちサーバ300に未送信のデータを消去せずに保持する。上述した、「完成した時データ」も、サーバ300に未送信のため、同様に、一時記憶部12から消去せずに保持する。
【0078】
この後、時刻1:10の時点においては、制御部11は、前回まで未送信の「分データ」を60個ぶん、および、時刻1:00から1:10までの10分間における新たな「分データ」を10個ぶん、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(7))。また、この時、制御部11は、前回のデータ送信(6)において送信できなかった、「完成した時データ」も、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(7))。さらに、この時、制御部11は、この時点の最新の「時データ」、最新の「日データ」、最新の「月データ」、最新の「年データ」、最新の「積算データ」も、一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信する(データ送信(7))。ここで、最新の「時データ」は、時刻1:00から1:10までの10分間における未完成の時データが送信される。一方、「日データ」、「月データ」、「年データ」は、時刻0:00から1:10までの1時間10分における、それぞれ未完成の日データ、未完成の月データ、未完成の年データが送信される。
【0079】
以降、制御部11は、所定時間(ここでは10分)ごとに、サーバ300に対するデータ送信が成功するまで、「完成した時データ」を他のデータに加えて送信し続ける。当該「完成した時データ」のサーバ300に対する送信が成功しないまま更に1時間経過した場合、制御部11は、当該「完成した時データ」の他に、新たな「完成した時データ」も、所定時間(10分)ごとにサーバ300に送信する。サーバ300に対するデータの送信が成功しないまま1日が経過すると、制御部11は、「完成した時データ」の他に、「完成した日データ」も、所定時間(10分)ごとにサーバ300に送信する。月データ、年データについても、同様に処理することができる。
【0080】
このように、サーバ300が電力管理装置10から送信されるデータを所定時間経過ごとに正しく受信できない場合、電力管理装置10は、一時記憶部12に未送信の分データを蓄積させる。このため、サーバ300が長期間にわたりデータを受信しない場合、一時記憶部12の記憶領域が不足することが考えられる。そのような場合、上述したように、電力管理装置10は、一時記憶部12から分データを消去しても、完成した時データは残すようにする。したがって、サーバ300に保存されるデータを、電力管理装置10の半導体メモリ14に記憶したデータと極力一致させることができる。したがって、例えば、電力管理装置10におけるデータに基づいて生成する消費電力などのグラフと、サーバ300が取得したデータに基づいて生成するグラフとが相違するという不都合を、可能な限り低減することができる。
【0081】
次に、本実施形態に係る電力管理装置10によるデータ送信の処理手順を説明する。
【0082】
図5は、本実施形態に係る電力管理装置10によるデータ送信の処理手順を説明するフローチャートである。
【0083】
図5に示す処理が開始すると、制御部11は、分データとする第1データ、および例えば時データとする第2データを、一時記憶部12に記憶し(ステップS11)、当該動作を所定時間経過まで継続する(ステップS12)。ここで、所定時間とは、
図3および4で説明した例においては、10分とした。
【0084】
ステップS12において所定時間が経過したら、制御部11は、サーバ300にデータを送信するように制御する(ステップS13)。ステップS13でサーバ300に送信するデータとは、上述したように、所定時間ぶんの第1データ(分データ)、および、最新の第2データ(例えば時データ)である。ここで、送信する最新の第2データは、データの送信ができている場合、およびデータの送信ができない状態だが第2の単位時間がまだ経過していない場合、第2の時間を単位とする積算が完了していない「未完成の第2データ」となる。また、送信する最新の第2データは、データの送信ができないまま第2の単位時間が経過した場合、第2の時間を単位とする積算が完了した「完成した時データ」となる。
【0085】
ステップS13においてサーバ300にデータを送信したら、制御部11は、当該送信が成功したか否かを判定する(ステップS14)。データ送信が成功したと判定されたら、制御部11は、送信済みのデータを一時記憶部12から消去する(ステップS15)。このように、本実施形態において、制御部11は、所定時間経過時に、当該所定時間ぶんの第1データおよび最新の第2データを一時記憶部12から読み出してサーバ300に送信し、当該送信が成功した場合、送信済みのデータを一時記憶部12から消去するように制御する。
【0086】
一方、ステップS14においてサーバ300に対するデータ送信が成功しなかった場合、制御部11は、次の所定時間が経過する際に、未送信の第1データを、当該所定時間経過時に送信するデータに合わせて送信する(ステップS16)。また、この時、制御部11は、未送信の完成した第2データがある場合、当該完成した第2データも、当該所定時間経過時に送信するデータに合わせて送信する(ステップS16)。このため、制御部11は、ステップS16においては、未送信の第1データおよび完成した第2データを、一時記憶部12に記憶するように制御する。
【0087】
ステップS16の後、
図5の処理は開始に戻り、ステップS12において次の所定時間が経過したら、制御部11は、当該次の所定時間ぶんの第1データ、および最新の第2データをサーバ300に送信する(ステップS13)。このステップS13においては、ステップS16で説明したように、未送信の第1データおよび完成した第2データも合わせて送信する。
【0088】
このように、本実施形態において、制御部11は、サーバ300へのデータ送信が失敗した場合、次の所定時間経過時に、当該次の所定時間ぶんの第1データおよび最新の第2データを一時記憶部12から読み出して前記サーバに送信する。この時、制御部11は、第2の時間単位の積算が完了した第2データがある時は、未送信の前記所定時間ぶんの第1データとともに当該積算が完了した第2データも一時記憶部12から読み出して送信するように制御する。
【0089】
本実施形態においては、上述したように、半導体メモリ14は、一時記憶部12に比べて頻繁なアクセスが好ましくないメモリとすることができる。このため、本実施形態において、制御部11は、一時記憶部12に一時的に記憶した第1データおよび第2データを半導体メモリ14にさらに記憶し、当該一時的に記憶したデータをサーバ300に送信する際には、半導体メモリ14から読み出さないように制御するのが望ましい。
【0090】
また、上述したように、本実施形態において、制御部11は、
図5に示した処理とは別に、一時記憶部12における記憶領域が不足してきた際には、適宜、分データを消去するように制御するのが好適である。また、上述したように、制御部11は、一時記憶部12から「分データ」を消去しても、「時データ」は消去しないように制御するのが好適である。このような制御は、例えば、時データを消去する周期を、分データを消去する周期よりも長めに設定する等のようにして行うことができる。また、分データを消去する際にも、例えば古いデータから段階的に消去するなどの措置を講じるようにしてもよい。さらに、上述したように、第2データを、「時データ」、「日データ」、「月データ」、「年データ」のいずれかとして、第2の時間の単位がより長時間である第2データが、第2の時間の単位がより短時間である第2データよりも先に消去されないように制御してもよい。
【0091】
このように、本実施形態に係る電力管理装置10によれば、サーバ300にデータが送信できない時があっても、サーバ300にデータを送信できるようになった際に、少なくとも未送信データに準じたデータの送信をすることができる。また、本実施形態に係る電力管理装置10によれば、サーバ300にデータが送信できない状態が継続しても、一時記憶部12が未送信データで満たされて記憶領域が不足するという事態が生じにくくなる。したがって、本実施形態に係る電力管理装置10によれば、サーバにデータが送信できない時があっても、サーバとの間でデータを極力一致させることができる。
【0092】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本発明の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせて実施することもできる。
【0093】
例えば、上述した実施形態において、無線通信として説明した通信は、適宜、有線による通信とすることもできる。
【0094】
上述した実施形態においては、例として電力管理装置10からサーバ300に、電力に関するデータを送信する場合について説明した。しかしながら、本発明は、電力に関するデータの送信に限定されるものではない。例えば、水道またはガスなどの使用量などのデータをサーバ300に送信するエネルギー管理装置にも同様に適用することができる。すなわち、本発明に係るエネルギー管理装置は、各種エネルギーの物理量変化に関するデータを、サーバに送信するものである。
【0095】
また、上述した実施形態においては、電力管理装置10について重点的に説明したが、本発明は、上述したエネルギー管理装置のエネルギー管理方法、および、このようなエネルギー管理装置を含むエネルギー管理システムにも同様に適用することができる。