(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
サッシの左・右枠および上・下枠に固定して、該サッシと4個所の隅角部を直角に維持して方形状に保型して固定することができる井桁状の保型部材を形成する一方、前記サッシを固定する保型部材を前面部に宙吊りに保持固定して、前記サッシを前後・左右および上下方向に移動自在とした移動部材により、前記サッシを取付開口部にセンターを取り、水平、且つ垂直に位置決めするサッシ位置決め装置であって、前記井桁状の保型部材は、細巾の金属片を各2本ずつ間隔を有して直角に交差して井桁状にした、前記サッシの巾および高さより小さい保型部材を形成すると共に、該保型部材を構成する各金属片の端部には、長さを調整する各調整片が連結固定され、更に前記各調整片の先方には、前記サッシの左・右枠および上・下枠の内側面に圧着固定する形状を備えた硬質合成樹脂製の左・右枠および上・下枠用ピースがそれぞれ取付けられて形成される一方、前記保型部材を前方側に保持固定して、前後、左右および上下方向に移動自在な移動部材は、下面にキャスターを有するレベル調整部材を備えて床面に設置する基台、該基台上に左右方向へ移動する左右方向移動部材、該左右方向移動部材上に前後方向に移動する前後方向移動部材、該前後方向移動部材上に上下方向移動部材をそれぞれ備えると共に、水平および垂直なレーザー光を照射するレーザー装置を備えて形成され、且つ前記レベル調整部材により移動部材を水平に保持固定すると共に、前記左右方向移動部材、前後方向移動部材および上下方向移動部材により、前記サッシを固定した保型部材を前後・左右および上下方向に移動させる一方、レーザー装置により水平および垂直なレーザー光を照射して、該水平レーザー光を壁面に予め表示された水平返し墨、前記垂直レーザー光を壁面の中央に予め表示されたセンター返し墨に一致させると共に、前記垂直レーザー光を壁面の一側面に予め表示された垂直返し墨と前記サッシの外側縁にそれぞれ一致させることにより、サッシを壁面の取付開口部に、水平位置、センター位置および垂直位置を調整して位置決めし、且つ前記位置決めされたサッシを取付開口部に溶接して固定できるようにしたことを特徴とするサッシ位置決め装置。
【実施例】
【0010】
本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。本発明サッシ位置決め装置は、サッシ1の左・右枠1a・1bおよび上・下枠1c・1dに固定して、該サッシ1を4個所の隅角部を直角に維持して方形状に保型して宙吊り固定することができる井桁状の保型部材2を形成する一方、前記サッシ1を固定する保型部材2を前面部に保持固定して、ビル等の壁面Wの取付開口部Kにおいて、前記サッシ1を前後・左右および上下方向に移動自在として、開口取付部Kにセンターを取り、水平、且つ垂直に位置決めできるようにした移動部材3を備えて形成されている。
【0011】
前記井桁状の保型部材2は、アルミや鋼製の細巾の横方向金属片4aと縦方向金属片4bとを各2本ずつ間隔を有して直角に交差して井桁状に連結固定して、前記サッシ1の巾および高さより短かく形成されると共に、前記各金属片4a・4bの端部には、サッシメーカーによってサッシ1の巾および高さが異なるので、いずれのメーカーのサッシ1に対応できるよう、その長さを調整することができる調整片5a〜5dがそれぞれ連結固定できるよう形成されている。
【0012】
前記各調整片5a〜5dは、これを固定するサッシ1の左・右枠1a・1bおよび上・下枠1c・1dによりその形状をそれぞれ異にしている。そして、前記各調整片5a〜5dの構成は、特に限定する必要はないが、好ましくは、
図9〜
図16に示すような構成とすることが推奨される。
【0013】
前記サッシ1の左・右枠1a・1bに対応する調整片5a・5bは、長さ調整用の長孔6がそれぞれ穿設された各横方向金属片4aの端縁部に摺接して重合すると共に、前記長孔6に固定螺子7を貫挿して、該固定螺子7の先端部を各調整片5a・5bに穿設された螺子孔8に螺挿し、前記長孔6をガイドとして各調整片5a・5bを左右方向に移動して、その長さを調整した後、前記固定螺子7を緊締して前記長孔6より径大に形成された頭部9を、前記長孔6の外側縁部に圧着することにより、前記各横方向金属片4aと各調整片5a・5bは長さを調整して固定できるよう形成されている。
【0014】
そして、前記サッシ1の上・下枠1c・1dに対応する調整片5c・5dは、前記各縦方向金属片4bの上・下端部の後方側に、それぞれ上・下部補助片10a・10bの下・上方部を摺接重合して連結固定すると共に、前記調整片5c・5dに長さ調整用の長孔6が穿設され、且つ該調整片5c・5dを前記上・下部補助片10a・10bの端縁部前方側に摺接して重合すると共に、前記長孔6に固定螺子7を貫挿して、該固定螺子7の先端部を各補助片10a・10bに穿設された螺子孔8に螺挿し、前記長孔6をガイドとして各調整片5c・5dを上下方向に移動して、その長さを調整した後、前記固定螺子7を緊締して前記長孔6より径大に形成された頭部9を、前記長孔6の外側縁部に圧着することにより、前記各縦方向金属片4bと各調整片5c・5dとは,前記補助板10a・10bを介して長さを調整して固定できるよう形成されている。
【0015】
また、前記各調整片5a〜5dの端縁部側には、保型部材2をサッシ1の左・右枠1a・1bおよび上・下枠1c・1dに圧接して固定するためのピース11〜14がそれぞれ連結固定されている。前記ピース11〜14は、前記サッシ1の左・右枠1a・1bおよび上・下枠1c・1dの断面形状がそれぞれ異なると共に、サッシメーカーによってもその断面形状がそれぞれ異なっているので、それぞれの形状に対応できるよう形成する必要がある。そして、前記各ピース11〜14の構成は、特に限定する必要はないが、好ましくは、
図9〜
図16に示すような構成とすることが推奨される。
【0016】
本実施例においては、前記各調整片5a〜5dは、図示しているサッシ1に取付けるものとして説明する。サッシ1の左・右枠1a・1bは、その対向する内側面に引違いサッシ窓(図示せず)の左・右框に摺接する縦突条15・16が、前記左・右枠1a・1bにそれぞれその位置を異にして突設されている。サッシ1の左枠1aの2本の縦突条15に嵌挿できる凹溝17を凹設すると共に、該左枠1aの内側面に圧着できる巾とした硬質合成樹脂製の長方形状の左枠用ピース11が形成され、更に、サッシ1の右枠1bの縦突条16に嵌挿できる凹溝18を凹設すると共に、該右枠1bの内側面に圧着できる巾とした硬質合成樹脂製の長方形状の右枠用ピース12が形成されている。
【0017】
また、前記サッシ1の上枠1cは、天板19の下面に引違いサッシ窓(図示せず)の上框に摺接する横突条20を垂設して、後方側に水平面21を設け設けて形成され、更に前記横突条20と水平面21に当接する巾を有する硬質合成樹脂製の長方形状の上枠下面用ピース13a、および上枠1cの天板19の上面22と前記水平面21の後端縁に当接する鉤状の硬質合成樹脂製の上枠上面用ピース13bがそれぞれ形成されている。
【0018】
更に、前記サッシ1の下枠1dは、底板23の上面の後方側に間隔を有して2本の横突条24を突設して凹溝25を設けて形成され、更に前記凹溝25に嵌合できる巾を有する硬質合成樹脂製の長方形状の下枠上面用ピース14a、および下枠1dの底板23の下面と前記横突条24の前端縁に当接する鉤状の硬質合成樹脂製の下枠下面用ピース14bがそれぞれ形成されている。
【0019】
前記構成より成る各ピース11〜14は、それぞれ井桁状の保型部材2の各金属片4a・4bの各先端に連結固定された各対応する各調整片5a〜5dに連結固定される。そして、前記各調整片5a〜5dへの各ピース11〜14の連結固定は、特に限定する必要はないが、好ましくは、
図9〜
図16に示すような構成とすることが推奨される。
【0020】
前記サッシ1の左・右枠1a・1bに装着固定する左・右枠用ピース11・12は、前記左・右枠1a・1bに対応する各調整片5a・5bの各先端部前方側に、該各調整片5a・5bの各先端縁と面一となるようにして取付プレート26a・26bをボルト27により一体に連結固定する一方、該各取付プレート26a・26bの上下2個所に貫通孔28を貫通して設け、且つ該貫通孔28に径大な頭部29を備えたガイド杆30をそれぞれ遊挿し、且つ該ガイド杆30の先端を前記左・右枠用ピース11・12に固定すると共に、前記左・右枠用ピース11・12と各取付プレート26a・26b間の各ガイド杆30に押しばね31を遊挿配設して形成されている。
【0021】
前記構成より成る左・右枠用ピース11・12を、前記左・右枠1a・1bに圧着固定する場合、前記左・右枠用ピース11・12を手で握って、押しばね31に抗して、前記ガイド杆30をガイドとしてそれぞれ内側方向へ押圧して移動させて、該左・右枠用ピース11・12の各凹溝17・18を前記左・右枠用ピース11・12の各突条15・16に臨ませて所定の取付位置において手を離すと、前記押しばね31が弾発して、前記左・右枠用ピース11・12はそれぞれ凹溝17・18が縦突条15・16に嵌挿して、前記左・右枠1a・1bに圧着して固定される。
【0022】
そして、左・右枠用ピース11・12を前記左・右枠1a・1bから取外す場合は、前記各左・右枠用ピース11・12を手で握って、押しばね31に抗して内側方向へ移動させて、前記各左・右枠用ピース11・12の圧着状態を解除することによって取外すことができる。
【0023】
また、前記上枠用の調整片5cに上枠上面用ピース13bおよび上枠下面用ピース13aを取付ける場合、該上枠用の調整片5cの上端部およびそのやや下方側に、取付プレート26c・26dをそれぞれボルトにより一体に連結固定する一方、該取付プレート26dの両側2個所に貫通孔32を貫通して設け、且つ該各貫通孔32に径大な頭部33を備えたガイド杆34をそれぞれ遊挿し、且つ該各ガイド杆34の上端を前記上枠下面用ピース13aに固定すると共に、前記取付プレート26dの中央に送りねじ杆35を螺挿する一方、該送りねじ杆35の先端を前記上枠下面用ピース13bに回動可能に固定し、且つ前記送りねじ杆35の下端に手動で回転することができる握りハンドル36を連結して形成され、更に前記取付プレート26cと上枠1cの天板19間に前記上枠上面用ピース13bを配設できるよう形成されている。
【0024】
前記上枠用の調整片5cをサッシ1の上枠1cに取付ける場合、前記取付プレート26cと上枠1cの天板19間に前記上枠上面用ピース13bを配設した後、上枠下面用ピース13aを横突条20の後方側の水平面21に位置せしめて、握りハンドル36を手で回転させることにより、取付プレート26dは各ガイド杆34に案内されて上動し、前記水平面21に圧着して固定されると共に、前記上枠上面用ピース13bも前記取付プレート26cと天板19にそれぞれ圧着して固定される。
【0025】
そして、前記下枠用の調整片5dに下枠上面用ピース14aおよび下枠下面用ピース14bを取付ける場合、下枠用の調整片5dの下端部およびそのやや上方側に、取付プレート26e・26fをそれぞれボルトにより一体に連結固定する一方、該取付プレート26fの両側2個所に貫通孔37を貫通して設け、
且つ該各貫通孔37に径大な頭部38を備えたガイド杆39をそれぞれ遊挿し、且つ該各ガイド杆39の下端を前記下枠上面用ピース14aに固定すると共に、前記取付プレート26fの中央に送りねじ杆40を螺挿する一方、該送りねじ杆40の先端を前記下枠上面用ピース14aに回動可能に固定し、且つ前記送りねじ杆40の上端に手動で回転することができる握りハンドル41を連結して形成され、更に前記取付プレート26eと下枠1dの底板23間に前記下枠下面用ピース14bを配設できるよう形成されている。
【0026】
前記下枠用の調整片5dをサッシ1の下枠1dに取付ける場合、該下枠1dの底板23と取付プレート26e間に下枠下面用ピース14bを配設した後、下枠上面用ピース14aを下枠1dの横突条24を突設した凹溝25上に位置せしめて、前記握りハンドル41を手で回転させることにより、取付プレート26fは各ガイド杆39に案内されて下動し、前記凹溝25に圧着して固定されると共に、前記下枠下面用ピース14bも前記取付プレート26eと底板23にそれぞれ圧着して固定される。
【0027】
そして、前記保型部材2を前方側に保持固定して、前後、左右および上下方向に移動自在な移動部材3は、床面42に設置固定する基台43、該基台43上に左右方向へ移動する左右方向移動部材44、該左右方向移動部材44上に前後方向へ移動する前後方向移動部材45、該前後方向移動部材45上に上下方向へ移動する上下方向移動部材46をそれぞれ備え、更に水平および垂直レーザー光を照射して、前記保型部材2に固定されたサッシ1が水平、且つ垂直状態に保持されているか否かを確認することができるレーザー装置47を備えて形成されている。
【0028】
前記移動部材3を構成する基台43は、方形枠状に連結固定して形成された基枠48の内側面に、間隔を有して縦方向および横方向に、複数本の補強板49を連結固定する一方、前記基枠49の後方側端部の内側中央に設けられた取付片50a、および前記基枠49の前方側両側端部の内側に設けられた取付片50bの3個所に、レベル調整部材51を設置して構成されている。
【0029】
前記各レベル調整部材51は、それぞれ回転ハンドル52を上端に設けた送りねじ杆53が、設けられた取付片50a、および前記基枠49の前方側両側端部の内側に設けられた取付片50bに螺挿され、且つ該各送りねじ杆53の下端に、床面42上を移動できるようにキャスター54が連結されると共に、該各キャスター54のうち、少なくとも前記基枠49の後方側端部の内側中央に位置するキャスター54にストッパー55を設けて形成されており、前記3個所のレベル調整部材51の各回転ハンドル52を正・逆回転させることにより、本発明装置全体のレベルを水平に調整することができる。なお、前記レベルを水平に調整する場合、特に限定する必要はないが、目視しやすい位置である前後方向移動部材45の後方側端部および右端部の2個所に亘って設置された水平器56を目視しながら調整する。
【0030】
前記移動部材3を構成する左右方向移動部材44は、前記基台43の基枠48上に間隔を有して複数本立設固定された支脚57上に固定された、前端縁に対向する突片58を延設して略凹型状をした固定枠板59上に左右動自在なるように設置されている。
【0031】
すなわち、前記左右方向移動部材44は、前記固定枠板59の両側板59aの前・後部上に、各スライドシャフト60がその両端部を受座61にそれぞれ固定して設置されると共に、該各スライドシャフト60には、間隔を有して2個のスライドベアリング62がそれぞれ左右動自在になるように軸装され、且つ前記各スライドシャフト60に軸装された各スライドベアリング62上に、前端縁に対向する突片63を延設して略凹形状をした左右方向移動枠板64の左・右側枠杆64a・64bの前・後方側下面がそれぞれ固定されると共に、該左右方向移動枠板64の下面横方向中央部に左右方向移動ねじ部材65が設置されて、前記左右方向移動枠板64が左右動できるように形成されている。
【0032】
前記左右方向移動ねじ部材65は、前記固定枠板59の一方側板59aの中央部に設置された軸受66に、左右方向送りねじ杆67の一端部側が回転自在に軸支され、且つ該左右方向送りねじ杆67の他端部は軸受で軸支されることなくフリーとされると共に、前記左右方向送りねじ杆67の一端部に回転ハンドル68が固定され、更に、前記左右方向送りねじ杆67は前記左右方向移動枠板64の左・右側枠杆64a・64bのうち、一方側(実施例においては、右側枠杆64b)に螺挿されて形成されている。前記回転ハンドル68を回転させることにより、前記左右方向送りねじ杆67が回転して前記各スライドベアリング62にガイドされて、左右方向移動枠板64が左方向、または右方向へ移動する。
【0033】
前記移動部材3を構成する前後方向移動部材45は、前記左右方向移動部材44の左右方向移動枠板64上の前方側の両突片63上と、該左右方向移動枠板64の左・右側枠杆64a・64bの後方側に支架固定された横杆69上に設置されている。
【0034】
すなわち、前記左右方向移動枠板64上の両突片63と横杆69上には、各スライドシャフト70がその両端部を受座71にそれぞれ固定して設置されると共に、該各スライドシャフト70にスライドべアリング72が前後動自在なるように軸装されている。そして、前記各スライドシャフト70に軸装された各スライドベアリング72上に前後方向移動方形枠73の左・右側枠杆73a・73bの下面が固定されると共に、該前後方向移動方形枠73の後方側枠杆73cの下面一方側寄りに偏位した位置に、前後移動ねじ部材74が設置されて、前記前後移動方形枠73が前後動できるよう形成されている。
【0035】
前記前後移動ねじ部材74は前記左右方向移動枠板64上の後方側に支架固定された横杆69の一方側寄りに偏位した位置に設置された軸受75に、前後方向送りねじ杆76の基部側が回転自在に軸支され、且つ該前後方向送りねじ杆76の他端部は軸受で軸支されることなくフリーとされると共に、該前後方向送りねじ杆76の基端部に回転ハンドル77が固定され、更に、前記前後方向送りねじ杆76は、前記前後方向移動方形枠73の後方側枠杆73cに螺挿されて形成されている。前記回転ハンドル77を回転させることにより、前記前後方向送りねじ杆76が回転して、前記スライドベアリング72にガイドされて、前後方向移動方形枠73が前方向、または後方向へ移動する。
【0036】
また、前記移動部材3を構成する上下方向移動部材46は、前記前後移動方形枠73上に上下動自在となるように設置されている。前記前後移動方形枠73の左・右側枠杆73a・73bの各前端部上部に固設された受座78に、それぞれスライドシャフト79の下端が固定されると共に、該各スライドシャフト79の上端部が、横方向に配設された連結板80の両側下面に設けられた受座81に固定され、且つ該各スライドシャフト79にスライドベアリング82がそれぞれ軸装されて回転自在に軸支され、且つ前記前後移動方形枠73の前方側枠杆73dの一方側に偏位した位置に設けられた軸受83に上下移動送りねじ杆84の下端部が軸支されると共に、該上下移動送りねじ杆84の上方部は前記連結板80上に設けられた軸受85を貫通して上方へ突設し、且つ該上下方向送りねじ杆84の上端に回転ハンドル86が固定され、更に前記上下移動送りねじ杆84には長尺状の送りナット87が螺挿されると共に、該送りナット87および前記各スライドベアリング82の前面部に長方形状の連結プレート88が連結固定して形成されている。
【0037】
前記連結プレート88は、前記保型部材2を用いて方形枠状に保型されたサッシ1をその前面側に保持固定する部材である。すなわち、前記連結プレート88の両端縁に縦長の取付プレート89が連結固定されると共に、該各取付プレート89の上下部の背面側に、前記保型部材2の2本の縦方向金属片4aの中央部付近から、間隔を有して後方側へ水平にそれぞれ突設固定された2本の連結シャフト90の後端部が、前記取付プレート89を貫通してボルト等の固定具91により、該取付プレート89に一体に連結固定されて形成されている。
【0038】
更に、前記連結プレート88の後面側の中央部からやや一方側に偏位した位置から長尺状の保持杆92が後方側へ水平に延設されると共に、該保持杆92の後端縁に直角に立設されて上方へ延設された支持杆93上に台板94が横方向へ直角に延設され、且つ該台板94上に水平および垂直なレーザー光を前方側へ照射することができる位置にレーザー装置47を設置して形成されている。
【0039】
なお、前記前後方向移動部材45における前後移動送りねじ杆76と、前記上下方向移動部材46における上下移動送りねじ杆84のいずれも、中央部ではなく一方側に偏位して設置されているので、前記連結プレート88から後方側へ水平に延設された保持杆92の後端縁に直角に立設されて上方へ延設された支持杆93上の台板94に設置されたレーザー装置47の縦レーザー光を、前記各ねじ杆76・84が障害となることなく前方側へ照射することができる。
【0040】
また、前記レーザー装置47は台板94に設置されているが、該レーザー装置47は該台板94を貫通して設けられたねじ杆95上端に設置されている。そして、該ねじ杆95を正・逆回転させることにより、前記レーザー装置47を上下動させて、その高さを調整することができる。
【0041】
更に、前記レーザー装置47を保持する保持杆92は、中央部において蝶番等により直角に折曲できる折曲部96が設けてあり、該直角に折曲した保持杆92に設置されたレーザー装置47からサッシ1の一方の縦枠1aまたは1bに照射して垂直を確認することができる。
【0042】
前記構成より成る本発明位置決め装置の作用について説明する。先ず、前記各連結シャフト90を介して移動部材3の前面側に取付けられた保型部材2の各金属片4a・4bの端部にそれぞれ固定された各調整片5a〜5dは、サッシ1を構成する左・右枠1a・1bおよび上・下枠1c・1dの形状に合わせて形成されたピース11〜14を連結固定し、左・右枠用ピース11・12を手で握って、押しばね31に抗してそれぞれ内側方向へ移動して位置を調整して手を離すと、前記左・右枠用ピース11・12の凹溝17・18が左・右枠1a・1bの縦突条15・16に嵌挿して固定され、前記左・右枠用調整片5a・5bは前記左・右枠用ピース11・12を介して左・右枠1a・1bに固定される。
【0043】
そして、上枠用調整片5cの取付プレート26cと、上枠1cの天板19間に上枠上面用ピース13bを配設した後、上枠下面用ピース13aを横突条20の後方側の水平面21に位置せしめて、握りハンドル36を回転すると、取付プレート26dがガイド杆34に案内されて上動して、前記水平面21に圧着して固定されると共に、前記上枠上面用ピース13bも天板19に圧着固定される。
【0044】
一方、下枠用調整片5dの取付プレート26fと下枠1dの底板23間に下枠下面用ピース14bを配設した後、下枠上面用ピース14aを下枠1dの横突条24を突設した凹溝25上に位置せしめて、握りハンドル41を手で回転させることにより、取付プレート26eがガイド杆39に案内されて下動し、前記凹溝25に圧着して固定されると共に、前記下枠下面用ピース14bも底板23に圧着固定される。
【0045】
前記のように、各ピース11〜14を介して各調整片5a〜5dをサッシ1の左・右枠1a・1bおよび上・下枠1c・1dに一体に連結固定し、これにより前記サッシ1はよじれ・はらみが修正されて、移動部材3の先方側に一体に宙吊り固定されると共に、前記サッシ1は4個所の各隅角部を直角に維持して菱を取り固定される。
【0046】
前記移動部材3の先方側にサッシ1を保持した井桁状の保型部材2を保持固定した後、移動部材3をキャスター54を介して移動させて、前記保型部材2に保持固定したサッシ1を壁面Wの取付開口部K内に位置せしめて、前記移動部材3が床面42上に水平に設置されているか否かを水平器56を目視しながら、3個所に設置されたレベル調整部材51の回転ハンドル52を正・逆回転させて、前記移動部材3のレベルを水平位置に調整してストッパー55により固定する。
【0047】
その後、前記保型部材2に保持固定されたサッシ1が壁面Wの取付開口部Kにおいて、前記レーザー装置47により水平および垂直のレーザー光を照射して、該水平および垂直のレーザー光が前記壁面Wの取付開口部Kの両側中央部に予め表示された水平返し墨97および前記壁面Wの取付開口部Kの中央に予め表示されたセンター返し墨98と一致させると共に、前記垂直のレーザー光が壁面Wの取付開口部Kの一方側に予め表示された垂直返し墨99とサッシ1の右枠1bの外側縁に一致させることができるように、左右方向移動部材44の回転ハンドル68、前後方向移動部材45の回転ハンドル77および上下方向移動部材45の回転ハンドル86を回転させて、サッシ1を前記開口部K内において、左右方向、前後方向および上下方向に移動させて位置の微調整をして、前記サッシ1の取付開口部Kへの位置決め作業を完了する。
【0048】
前記サッシ1が取付開口部Kに、センターを取り、水平、且つ垂直状態で位置決めが完了すると、前記サッシ1を保型部材2に取付けた状態で、従来工法と同様に、前記サッシ1の外周面を取付開口部Kに設けられた鉄筋等の取付部材(図示せず)に溶接補助具(図示せず)を用いて溶接固定して、該取付開口部Kに固定する。
【0049】
前記取付開口部Kにサッシ1の溶接固定後、左・右枠用ピース11・12の押しばね31に抗して、前記左・右枠用ピース11・12を内方側へ押圧移動して、該左・右枠用ピース11・12を左・右枠1a・1bから取外すと共に、上枠下・上面用ピース13a・14bおよび下枠上・下面用ピース14a・14bを握りハンドル36・41を逆回転させて、前各ピース13a・13b・14a・14bを上・下枠1c・1dより取外して、前記保型部材2をサッシ1から取外すことにより、該サッシ1の取付開口部Kへの取付作業は完了する