特許第6023310号(P6023310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6023310
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】フットスイッチ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0354 20130101AFI20161027BHJP
   G06F 3/033 20130101ALI20161027BHJP
   H01H 13/16 20060101ALI20161027BHJP
   H01H 89/00 20060101ALI20161027BHJP
   A61B 8/00 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   G06F3/0354 431
   G06F3/033 A
   H01H13/16 A
   H01H89/00
   A61B8/00
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-509710(P2015-509710)
(86)(22)【出願日】2013年4月1日
(86)【国際出願番号】JP2013059941
(87)【国際公開番号】WO2014162457
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2015年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金丸 恵輔
【審査官】 菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−181621(JP,A)
【文献】 特開平11−104064(JP,A)
【文献】 特表2008−512171(JP,A)
【文献】 特開平05−293102(JP,A)
【文献】 特開2007−268131(JP,A)
【文献】 特開昭62−092020(JP,A)
【文献】 特開2000−132335(JP,A)
【文献】 特開平09−081313(JP,A)
【文献】 特開2004−139578(JP,A)
【文献】 特開2003−323246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/033−3/0362
H01H 13/16
H01H 89/00
A61B 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの足によって操作するためのフットスイッチであって、
トラックボールと、
前記トラックボールを回転自在に保持しかつ第1押込み面を有する保持手段と、
前記第1押込み面の押圧および前記トラックボールの押圧の各々を、装置本体の表示装置に表示されるポインタによる選択を前記装置本体に実行させるクリックとして検知する第1押圧検知手段と、を有し、
前記第1押込み面および前記トラックボールは、独立して押圧可能に構成され、かつ、ユーザーの足によって同時に押圧可能に配置されており、
前記第1押込み面は、前記トラックボールを取り囲むように配置されており、前記トラックボールが突出する開口部を有する、フットスイッチ。
【請求項2】
前記保持手段は、前記第1押込み面の押圧および前記トラックボールの押圧に同伴されて移動するように構成されており、
前記第1押圧検知手段による前記第1押込み面の押圧および前記トラックボールの押圧の検知は、前記保持手段の移動を検知することに基づいている請求項1に記載のフットスイッチ。
【請求項3】
前記保持手段に隣接して配置されかつ第2押込み面を有するボタンと、
前記第2押込み面の押圧を、前記クリックと異なるクリックとして検知する第2押圧検知手段と、をさらに有する請求項1又は請求項2に記載のフットスイッチ。
【請求項4】
前記装置本体は、画像診断装置である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフットスイッチ。
【請求項5】
前記画像診断装置は、血管内超音波診断装置である請求項に記載のフットスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フットスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
装置本体の表示装置に表示されるポインタ(カーソル)をユーザーの手で操作することが困難な状況において、ユーザーの足(足底)で操作するフットスイッチを用いてポインタを操作する技術が知られている(例えば、特許文献1および2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−170264号公報
【特許文献2】特開2000−047819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1および2に記載の技術においては、ポインタの移動や、ポインタによる選択を実行させるクリックを実行させることは可能であるが、複合的な操作であるドラッグ(ポインタによって選択しながら移動させる操作)を、ユーザーの足によって実行させることは困難である問題を有する。
【0005】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、ドラッグをユーザーの足によって実行し得るフットスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明は、ユーザーの足によって操作するためのフットスイッチである。前記フットスイッチは、トラックボールと、前記トラックボールを回転自在に保持しかつ第1押込み面を有する保持手段と、前記第1押込み面の押圧および前記トラックボールの押圧の各々を、装置本体の表示装置に表示されるポインタによる選択を前記装置本体に実行させるクリックとして検知する第1押圧検知手段と、を有する。前記第1押込み面および前記トラックボールは、独立して押圧可能に構成され、かつ、ユーザーの足によって同時に押圧可能に配置されている。前記第1押込み面は、前記トラックボールを取り囲むように配置されており、前記トラックボールが突出する開口部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、足の一部(例えば、踵側足底)によって第1押込み面を押圧した状態で、当該足の別の一部(例えば、爪先側足底)によってトラックボールを移動させることによって、例えば、フットスイッチが接続された装置本体の表示装置において、ポインタによって選択しながら移動させるドラッグを実行させることが可能である。この場合、トラックボールの押圧が不要であるため、トラックボールの押圧によって生じるトラックボール(ポインタ)の微小な位置ずれが回避される。また、足の一部によってトラックボールを押圧した状態で、当該一部を移動させてトラックボールを移動させることによっても、ドラッグを実行させることが可能である。この場合、ドラッグ操作が単純化され、容易となる。また、独立して押圧可能に構成され、かつ、ユーザーの足によって同時に押圧可能に配置される押込み面およびトラックボールは、前記押込み面を前記トラックボールを取り囲むように配置し、前記トラックボールが突出する開口部を前記押込み面に設けることで、簡単に構成すること可能である。つまり、ドラッグをユーザーの足によって実行し得るフットスイッチを提供することが可能である。装置本体は、例えば、血管内超音波診断装置等の画像診断装置であり、ユーザーは術者である。
【0008】
前記保持手段は、例えば、前記第1押込み面の押圧および前記トラックボールの押圧に同伴されて移動するように構成されており、前記第1押圧検知手段による前記第1押込み面の押圧および前記トラックボールの押圧の検知は、前記保持手段の移動を検知することに基づいている。
【0010】
前記保持手段に隣接して配置されかつ第2押込み面を有するボタンと、前記第2押込み面の押圧を、前記クリックと異なるクリックとして検知する第2押圧検知手段と、をさらに有する場合、第2押込み面の押圧によるクリックに、ポインタの別の動作を割り当てることによって、より多様な操作をフットスイッチを利用して実行することが可能となる。
【0011】
本発明のさらに他の目的、特徴および特質は、以後の説明および添付図面に例示される好ましい実施の形態を参照することによって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係るフットスイッチが適用される画像診断装置を説明するための斜視図である。
図2図1に示される操作パネルのポインティングデバイスを説明するための斜視図である。
図3】ポインティングデバイスにおけるポインタ移動を説明するための斜視図である。
図4】ポインティングデバイスにおける左クリックを説明するための斜視図である。
図5】ポインティングデバイスにおける右クリックを説明するための斜視図である。
図6】ポインティングデバイスにおけるドラッグを説明するための斜視図である。
図7図1に示されるフットスイッチを説明するための斜視図である。
図8】フットスイッチを説明するための断面図である。
図9】ポインタ移動が割り当てられたフットスイッチ操作を説明するための斜視図である。
図10】左クリックが割り当てられたフットスイッチ操作を説明するための斜視図である。
図11】右クリックが割り当てられたフットスイッチ操作を説明するための斜視図である。
図12】ドラッグが割り当てられたフットスイッチ操作を説明するための斜視図である。
図13】左クリックが割り当てられたフットスイッチ操作の別の態様を説明するための斜視図である。
図14】ドラッグが割り当てられたフットスイッチ操作の別の態様を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係るフットスイッチが適用される画像診断装置を説明するための斜視図、図2は、図1に示される操作パネルのポインティングデバイスを説明するための斜視図、図3図4図5および図6は、ポインティングデバイスにおけるポインタ移動、左クリック、右クリックおよびドラッグを説明するための斜視図である。
【0015】
本実施の形態に係るフットスイッチ10が適用される装置本体は、例えば、動脈硬化の診断、バルーンカテーテル等の高機能カテーテルによる血管内治療時の術前診断あるいは術後の結果確認のために利用される画像診断装置であり、ユーザーは、術者である。本実施の形態において、画像診断装置は、図1に示される血管内超音波診断装置(IVUS:Intra Vascular Ultra Sound)100からなり、プローブ部105、スキャナ部110、制御部120、モニタ125および操作パネル130を有する。
【0016】
プローブ部105は、その先端部に配置される超音波送受信部を有する。超音波送受信部は、超音波振動子を有し、円周方向に超音波を送信し、その反射波(超音波エコー)を受信するように構成されている。
【0017】
スキャナ部110は、プローブ部105が装着され、プローブ部105の超音波送受信部を回転および直線駆動するための駆動機構を有する。したがって、プローブ部105を血管内に挿入し、プローブ部105の超音波送受信部を回転させることで、血管の断面画像の描出に必要な超音波エコー信号が得られる。また、プローブ部105の超音波エコー受信部を移動させることで、血管の走行方向に沿った長軸断面像の描出に必要な超音波エコー信号が得られる。
【0018】
制御部120は、フットスイッチ10およびスキャナ部110が接続ケーブル15および115よって接続されており、例えば、制御回路、プリンタおよび記憶装置を有する。制御回路は、プログラムにしたがって各部の制御や各種の演算処理を実行するマイクロプロセッサ等から構成されており、血管内超音波診断装置100の各機能は、それに対応するプログラムを制御回路が実行することにより発揮される。
【0019】
プログラムは、例えば、画像表示プログラム、画像調整プログラム、画像操作プログラムを含んでいる。画像表示プログラムは、スキャナ部110から送信される超音波エコー信号に対して、増幅や検波等の処理を施し、処理結果として、血管の断面画像をモニタ125に表示するための機能等を有する。画像調整プログラムは、モニタ125に表示されている画像の深度調整や、ゲインやコントラストなど画質の処理を実行する機能等を有する。画像操作プログラムは、モニタ125に表示されている画像を回転させたり、ズーム(拡大)したりする機能等を有する。
【0020】
プリンタは、処理結果を印刷するために使用される。記憶装置は、例えば、処理結果をデータとして記憶するためのDVD(Digital Versatile Disc)レコーダやハードディスク装置である。
【0021】
モニタ125は、制御部120に接続されており、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)から構成され、血管の断面画像や、変更可能な設定項目等をユーザーに提示するために使用される表示装置である。モニタ125は、LCDに限定されず、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイによって構成したり、タッチパネルを組み込んだりすることも可能である。
【0022】
操作パネル130は、制御部120に接続されており、文字入力、各種設定、各種指示をユーザーが行うために利用される入力手段であり、ポインティングデバイス140を有する。ポインティングデバイス140は、図2に示されるように、トラックボール142、光学センサ144、左ボタン150、押圧センサ160、右ボタン170、押圧センサ180を有する。
【0023】
トラックボール142は、回転自在に保持されており、ユーザーの手80の指先82や手のひら84を用いて回転させることが可能である。光学センサ144は、制御部120に接続されており、トラックボール142に照射される赤外線の反射光を測定することにより、トラックボール142の回転方向や速さを検知するように構成されている。
【0024】
トラックボール142は、ポインタ(カーソル)移動が割り当てられている。したがって、図3に示されるように、回転させる操作が実行されると、制御部120は、光学センサ144によって測定された回転方向や速さに応じ、モニタ125に表示されるポインタを移動させる。
【0025】
左ボタン150は、トラックボール142の左側に離間して配置され、押込み面152および圧縮ばね155を有する。押圧センサ160は、制御部120に接続されたタクトスイッチからなり、ユーザーの手80による押込み面152の押圧を検知するために使用される。押込み面152は、圧縮ばね155によって弾性的に付勢されており、ユーザーの手80によって押圧されていない無負荷状態においては、押圧センサ160が作動しないように設定されている。
【0026】
左ボタン150は、左クリックが割り当てられている。したがって、図4に示されるように、押込み面152を押圧する操作が実行されると、押圧センサ160によって押込み面152の押圧を検知した制御部120は、例えば、モニタ125に表示されるポインタによってメニューや画像を選択したり、画像深度やゲインやコントラスト等の設定値を承認する[OK]ボタンを選択したりする動作を実行する。
【0027】
右ボタン170は、トラックボール142の右側に離間して配置され、押込み面172および圧縮ばね174を有する。押圧センサ180は、タクトスイッチからなり、ユーザーの手80による押込み面172の押圧を検知するために使用される。押込み面172は、押込み面152と同様に、圧縮ばね174によって弾性的に付勢されており、ユーザーの手80によって押圧されていない無負荷状態においては、押圧センサ180が作動しないように設定されている。
【0028】
右ボタン170は、右クリックが割り当てられている。したがって、図5に示されるように、押込み面172を押圧する操作が実行されると、押圧センサ180によって押込み面172の押圧を検知した制御部120は、例えば、関連する操作メニューをモニタ125に表示させる動作を実行する。関連する操作メニューは、モニタ125に表示される画像を新たに選択するためのサブメニューや、モニタ125に表示されている画像の深度やゲインやコントラスト等の設定値を手入力するためのサブメニュー等である。
【0029】
ドラッグは、左クリックおよびポインタ移動が組み合わされた複合的な操作であるため、図6に示されるように、左ボタン150の押込み面152を押圧しながらトラックボール142を回転させる操作によって実行される。ドラッグは、例えば、画像操作プログラムにおいて、モニタ125に表示されている画像を回転させたり、ズーム(拡大)したりする場合に利用される。
【0030】
フットスイッチ10は、ユーザーの手でポインティングデバイス140を操作することが困難な状況において、モニタ125に表示されているポインタを、ユーザーの足によって操作するために使用される。困難な状況は、例えば、ユーザーが手袋装着後の術者であり、手の清潔を保つため、ポインティングデバイス140に接触できない状況である。
【0031】
なお、操作パネル130は、ポインティングデバイス140の代わりにあるいは付加的に、マウス、タッチパッドあるいはポインティングスティックを有することも可能である。
【0032】
接続ケーブル15および115のインターフェースは、特に限定されず、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルインタフェースや、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1284等のパラレルインタフェースを適用することが可能である。接続ケーブル15および115のインターフェースを異ならせることも可能である。また、接続ケーブル15および115のインターフェースを異ならせることも可能である。さらに、2.4GHz帯の電波を利用するBluetooth(登録商標)等による無線通信を、制御部120とスキャナ部110との接続や、制御部120とフットスイッチ10との接続に利用することも可能である。
【0033】
次に、フットスイッチを詳述する。
【0034】
図7および図8は、図1に示されるフットスイッチを説明するための斜視図および断面図、図9図10図11および図12は、ポインタ移動、左クリック、右クリックおよびドラッグが割り当てられたフットスイッチ操作を説明するための斜視図、図13および図14は、左クリックおよびドラッグが割り当てられたフットスイッチ操作の別の態様を説明するための斜視図である。
【0035】
フットスイッチ10は、接続ケーブル15を経由して制御部120に接続されており、図7および図8に示されるように、トラックボール20、光学センサ22、左ボタン30、押圧センサ40、右ボタン50、押圧センサ60およびこれらを収納するハウジング70を有する。
【0036】
トラックボール20は、左ボタン30に回転自在に保持されており、ユーザーの足90の爪先側足底91や踵側足底92を用いて回転させることが可能である。光学センサ22は、トラックボール20に照射される赤外線の反射光を測定することにより、トラックボール20の移動(回転方向や速さ)を検知するように構成されている移動検知手段である。トラックボール20の移動検知は、上記構成に限定されない。
【0037】
トラックボール20は、ポインタ移動が割り当てられている。したがって、図9に示されるように、ユーザーの足90によってトラックボール20を回転させる操作が実行されると、制御部120は、光学センサ22によって測定された回転方向や速さに応じ、モニタ125に表示されるポインタを移動させる。
【0038】
左ボタン30は、トラックボール20を回転自在に保持する保持手段を兼用しており、押込み面(第1押込み面)32および圧縮ばね34を有する。
【0039】
押込み面32は、トラックボール20から独立して押圧可能に構成されており、例えば、トラックボール20に接触することなく、押込み面32を押圧することが可能である。また、押込み面32は、ユーザーの足90によって、トラックボール20と同時に押圧可能に配置されており、例えば、ユーザーの足90の爪先側足底91によってトラックボール20を操作し得る状態において、足90の踵側足底92によって押込み面32を押圧することが可能である。
【0040】
本実施の形態において、押込み面32は、トラックボール20を取り囲むように配置されており、トラックボール20が突出する開口部33を有する。つまり、独立して押圧可能に構成され、かつ、ユーザーの足90によって同時に押圧可能に配置される押込み面32およびトラックボール20が、単純な構成で達成されている。
【0041】
押圧センサ40は、タクトスイッチからなり、ユーザーの足90による押込み面32の押圧を検知するために使用される第1押圧検知手段である。押込み面32は、圧縮ばね34によって弾性的に付勢されており、ユーザーの足90によって押圧されていない無負荷状態においては、押圧センサ40が作動しないように設定されている。なお、押圧センサ40は、タクトスイッチによって構成する形態に限定されず、また、押込み面32の弾性的な付勢は、圧縮ばね34を利用する形態に限定されない。
【0042】
左ボタン30は、左クリックが割り当てられており、操作パネル130のポインティングデバイス140の左ボタン150に対応している。したがって、図10に示されるように、例えば、足90の踵側足底92によって押込み面32を押圧する操作が実行されると、押圧センサ40によって押込み面32の押圧を検知した制御部120は、モニタ125に表示されるポインタによってメニューや画像を選択したり、画像深度やゲインやコントラスト等の設定値を承認する[OK]ボタンを選択したりする動作を実行する。
【0043】
なお、トラックボール20は、左ボタン30に保持されているため、トラックボール20を押圧することによって、押込み面32も同伴して移動し、押圧センサ40を作動させる。つまり、左ボタン30は、押込み面32の押圧およびトラックボール20の押圧に同伴されて移動するように構成されており、押圧センサ40は、トラックボール20の押圧を検知する検知手段を兼用しており、押圧センサ40による押込み面32の押圧およびトラックボール20の押圧の検知は、左ボタン30の移動を検知することに基づいている。
【0044】
右ボタン50は、左ボタン30の右側に隣接して配置され、押込み面(第2押込み面)52および圧縮ばね54を有する。押込み面52は、ユーザーの足90によって押圧可能に構成されている。押圧センサ60は、タクトスイッチからなり、ユーザーの足90による押込み面52の押圧を検知するために使用される第2押圧検知手段である。押込み面52は、圧縮ばね54によって弾性的に付勢されており、ユーザーの足90によって押圧されていない無負荷状態においては、押圧センサ60が作動しないように設定されている。なお、押圧センサ60は、タクトスイッチによって構成する形態に限定されず、また、押込み面52の弾性的な付勢は、圧縮ばね54を利用する形態に限定されない。
【0045】
右ボタン50は、右クリックが割り当てられており、操作パネル130のポインティングデバイス140の右ボタン170に対応している。したがって、図11に示されるように、例えば、足90の踵側足底92によって押込み面52を押圧する操作が実行されると、押圧センサ60によって押込み面52の押圧を検知した制御部120は、例えば、関連する操作メニューをモニタ125に表示させる動作を実行する。つまり、押込み面52の押圧を左クリックと異なるクリックとして検知する押圧センサ60を有しており、押込み面52の押圧によるクリックに、ポインタの別の動作を割り当てることにより、より多様な操作をフットスイッチを利用して実行することが可能となる。
【0046】
ドラッグは、左クリックおよびポインタ移動が組み合わされた複合的な操作であるため、図12に示されるように、例えば、押込み面32をユーザーの足90の踵側足底92によって押圧した状態で、足90の爪先側足底91によってトラックボール20を移動させる操作によって実行される。この場合、トラックボール20の押圧が不要であるため、トラックボール20の押圧によって生じるトラックボール20(ポインタ)の微小な位置ずれが回避される。
【0047】
なお、トラックボール20に、左クリックを割り当てることも可能である。この場合、例えば、図13に示されるように、足90によってトラックボール20を押圧する操作が実行されると、押圧センサ40によってトラックボール20の押圧を検知した制御部120が、モニタ125に表示されるポインタによってメニューや画像を選択したり、画像深度やゲインやコントラスト等の設定値を承認する[OK]ボタンを選択したりする動作を実行する。
【0048】
トラックボール20に左クリックを割り当てた場合、ドラッグは、図14に示されるように、例えば、押込み面32をユーザーの足90の一部(爪先側足底91あるいは踵側足底92)によって押圧した状態で、当該一部を移動させてトラックボール20を移動させる操作によって実行することも可能である。この場合、ドラッグ操作が単純化され、容易となる。また、ドラッグは、他にもトラックボール20を押圧しながら移動させる操作によって実行することも可能である。
【0049】
以上のように、本実施の形態においては、足の一部(例えば、踵側足底)によって左ボタンの押込み面を押圧した状態で、当該足の別の一部(例えば、爪先側足底)によってトラックボールを移動させることによって、血管内超音波診断装置のモニタにおいて、ポインタによって選択しながら移動させるドラッグを実行させることが可能である。この場合、トラックボールの押圧が不要であるため、トラックボールの押圧によって生じるトラックボール(ポインタ)の微小な位置ずれを回避することが可能である。また、足の一部によってトラックボールを押圧した状態で、当該一部を移動させてトラックボールを移動させることによっても、ドラッグを実行させることが可能である。この場合、ドラッグ操作が単純化され、容易となる。つまり、ドラッグをユーザーの足によって実行し得るフットスイッチを提供することが可能である。
【0050】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。
【0051】
例えば、フットスイッチが適用される画像診断装置は、血管内超音波診断装置に限定されず、光干渉断層診断装置(OCT :Optical Coherence Tomography)や、光学振動数領域画像化法(optical frequency domain imaging:OFDI)を用いる画像診断装置に適用することも可能である。フットスイッチを、画像診断装置以外の装置に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 フットスイッチ、
15 接続ケーブル
20 トラックボール、
22 光学センサ、
30 左ボタン(保持手段)、
32 押込み面(第1押込み面)、
33 開口部、
34 圧縮ばね、
40 押圧センサ(第1押圧検知手段)、
50 右ボタン(ボタン)、
52 押込み面(第2押込み面)、
54 圧縮ばね、
60 押圧センサ(第2押圧検知手段)、
70 ハウジング、
80 手、
82 指先、
84 手のひら、
90 足、
91 爪先側足底、
92 踵側足底、
100 血管内超音波診断装置(装置本体)、
105 プローブ部、
110 スキャナ部、
115 接続ケーブル、
120 制御部、
125 モニタ(表示装置)、
130 操作パネル、
140 ポインティングデバイス、
142 トラックボール、
144 光学センサ、
150 左ボタン、
152 押込み面、
155 圧縮ばね、
160 押圧センサ、
170 右ボタン、
172 押込み面、
174 圧縮ばね、
180 押圧センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14