(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組成物が、25℃で測定したとき、0.001トール(0.1333パスカル)〜0.5トール(66.7パスカル)のVPを有する、請求項1に記載の悪臭制御組成物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、悪臭を中和するための活性化アルケンを有する悪臭制御組成物及びその方法に関する。いくつかの実施形態では、悪臭制御組成物中の活性化アルケンと、悪臭を放つ化合物との反応は、ラジカル、カチオン性、又は求核開始により触媒されてもよい。
【0008】
I.悪臭制御組成物
悪臭制御組成物は活性化アルケンを含み、純粋な悪臭中和を供給するように設計されており、臭気を単に隠す又はマスキングすることにより機能するものではない。「悪臭」は、排便に関する複合的な臭気等の、通常、ほとんどの人にとって嫌な又は不快な化合物を指す。「中和する」又は「中和」は、悪臭化合物を低減又は除去する化合物又は製品の能力を指す。臭気の中和は部分的であってもよく、所定の状況で複数種の悪臭化合物のいくつかのみに作用するか、又は、1種の悪臭化合物の一部のみに作用する。悪臭化合物は、悪臭化合物をより弱い悪臭若しくは悪臭が全くないようにする、新規化学種をもたらす化学反応により、封鎖により、キレート化により、会合により、又は任意の相互作用により、中和され得る。臭気の中和は、悪臭化合物の状態に対応する変化が全くない悪臭を認識する能力における変化とは対照的に、悪臭化合物における変化によるものであり、臭気マスキング又は臭気ブロックから区別され得る。
【0009】
純粋な悪臭中和は、感覚及び分析により測定可能(例えば、ガスクロマトグラフ)な悪臭の低減を供給する。したがって、悪臭制御組成物が純粋な悪臭中和を供給する場合には、この組成物は、気相及び/又は液相中の悪臭を低減する。
【0010】
本発明の悪臭制御組成物は、空気中又は無生物表面上に放出された後、空気中及び/又は無生物表面上の、チオール系の臭気を含む臭気と反応し、その臭気を中和し得るが、いくつかの実施形態では、組成物はメルカプタン(例えば、チオール官能基を有する化合物)を実質的に含まない。メルカプタンを実質的に含まない組成物は、メルカプタンと活性化アルケンとのモル比が1:2未満のものであり、代替的に組成物がその組成物の10重量%未満、代替的に5重量%未満、代替的に3重量%未満のメルカプタンを含む。いくつかの実施形態では、悪臭組成物はメルカプタンを含まない。
【0011】
A.活性化アルケン
活性化アルケンは、少なくとも1つの不飽和を有し、前記不飽和に電子吸引官能基が隣接している分子である。そのような分子内では、不飽和が電子不足であり得るため、悪臭を放つ化合物、特に求核又はアニオン性官能基を含むものとの易反応性が増大されている可能性がある。
【0012】
活性化アルケンは、以下の一般構造式(I)を有する。
【0013】
【化1】
式中、R1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つは、電子吸引基を示す。R1、R2、R3及びR4のうちの4個までが相互接続されて、環状構造を形成してもよい。
【0014】
電子吸引基は、例えばカルボニル若しくはチオカルボニル基、カルボキシル若しくはチオカルボキシル基、エステル若しくはチオエステル基、アミド、ニトロ基、ニトリル基、トリハロゲン化物、ハロゲン化物、シアノ基、スルホネート基、又はホスフェート基であってもよい。
【0015】
不飽和は、二重結合又は三重結合を含んでもよい。
【0016】
好適な活性化アルケンとしては、マレイミド、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、フマル酸、フマル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸エステル、アクリロニトリル、並びにα,β不飽和ケトン及びアルデヒドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
いくつかの実施形態では、電子不足アルケンを含む分子は、布地フレッシュニング配合物のような水性組成物中での使用のために水溶性であってもよい。好適な水溶性電子不足アルケンは、例えば、エチレングリコール若しくはポリエチレングリコール(「PEG」)官能基を含むもの、又は、グリセロールジメタクリレート等の、グリセロールとアクリル酸誘導体とのエステルである。
【0018】
気相用途(例えば、プラグ着脱可能な芳香剤、Febreze(登録商標)Set & Refresh芳香剤、及び他の受動的空気清浄ディフューザー)等の別の実施形態では、電子不足アルケンを含む分子は、25℃で約0.001トール(約0.133パスカル)〜約0.5トール(約66.7パスカル)、代替的に約0.01トール(約1.33パスカル)〜約0.1トール(約13.3パスカル)の蒸気圧(「VP」)範囲を有してもよい。好適な気相電子不足アルケンは、例えば、ジエチルマレエート、ジエチルフマレート、ジブチルマレエート、ジブチルフマレート、約18個未満の炭素原子を含むアクリル酸エステル、並びに、例えばダマスコン、イオノン、シトラール、マルトール及びダマセノンを含む、約300ダルトン未満の分子量を有するエノンである。
【0019】
1つの好適な活性化アルケンは、α,β不飽和カルボニル化合物である。この場合、R1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つは、カルボニル基を含む。カルボニル基(1つ又は複数)は、例えばケトン、エステル、アルデヒド、アミド又はイミド官能基の形態で存在してもよい。
【0020】
一実施形態において、活性化アルケンは、少なくとも1つの不飽和を含み、少なくとも2つの電子吸引カルボニル基が不飽和に隣接している、α,β不飽和カルボニル化合物である。例えば、これは、以下の構造で示されるフマル酸若しくはマレイン酸のエステル、又はシス−若しくはトランス−2−ブテン1,4ジオンの誘導体を含んでもよい。
【0021】
【化2】
式中、Rは、例えば水素原子、ハロゲン化物、直鎖状、分枝状若しくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール基を示し、これらは水酸化物、グリコール、又はカルボン酸等の他の官能基で更に置換されてもよい。
【0022】
少なくとも1つの不飽和を含み、少なくとも2つの電子吸引カルボニル基が不飽和に隣接している、α,β不飽和カルボニル化合物の別の好適な例は、以下に示すN−アルキルマレイミド等のマレイミド化合物である。
【0024】
Rで示されるマレイミド化合物のN−アルキル基は、他の官能基、例えばPEGで更に置換されて、マレイミド化合物に幾分かの水溶性を付与してもよい。好適なPEG改質マレイミドの一例は、メトキシルPEGマレイミドである。
【0026】
nの値、又はそのような好適なPEG改質マレイミドの分子量に関して暗示される限定は存在しない。
【0027】
好適なマレイミドはビス−マレイミドも含む。好適なビスマレイミドの一例を以下に示す。
【0029】
nの値、又はそのような好適なビスマレイミドの分子量に関して暗示される限定は存在しない。
【0030】
別の好適な活性化アルケンは、電子不足不飽和が鎖末端部又は「1」位内にあるα,β不飽和カルボニル化合物、例えばヘキシルアクリルレート及び他のアルキルアクリレート、1−6ヘキサンジオールジメタクリレート、1−3グリセロールジメタクリレート、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含むがこれらに限定されないアクリル酸及びメタクリル酸のエステル及びジエステルである。
【0032】
別の好適な活性化アルケン分子は、α,β不飽和カルボニル及びアルコール、グリコール又はポリグリコール基の両方を含む。このタイプの好適な活性化アルケンとしては、例えば、PEGメタクリレート、PEGジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、及びトリエチレングリコールジメタクリレートが挙げられる。
【0034】
電子不足アルケンは、場合により、ポリマー、オリゴマー、又は、シリカ、例えば3−(マレイミド)プロピル官能性シリカゲル等の他の基材に取り付けられてもよい。
【0036】
活性化アルケンは、分析により測定可能な悪臭除去を示す有効量で、悪臭制御組成物中に存在してもよい。悪臭制御組成物中の活性化アルケンの有効量は、悪臭制御組成物の約0.0005重量%〜約100重量%、代替的に約0.005重量%〜約50重量%、代替的に約0.05重量%〜約25重量%、代替的に約0.05重量%〜約10重量%、代替的に約0.25重量%〜約1重量%、代替的に約0.25重量%〜約0.5重量%であってもよい。悪臭制御組成物中に存在する活性化アルケンは、1つの好適な活性化アルケン、又はその混合物を含んでもよい。
【0037】
B.触媒
本発明の悪臭制御組成物は、触媒を含んでもよい。触媒は、第1級アミン、第2級アミン、ホスフィン、又はイミダゾール官能性化合物を含むが、これらに限定されない求核剤を含んでもよい。好適な求核触媒の非限定例としては、n−ヘキシルアミン及びn−オクチルアミンを含む、C24までの第1級n−アルキルアミン、並びにジ−n−プロピルアミンを含む第2級アルキルアミンが挙げられる。好適な求核触媒の他の例としては、トリ−n−プロピルホスフィン等のトリアルキルホスフィンが挙げられる。
【0038】
一実施形態において、有機触媒は、n−オクチルアミン、n−ヘキシルアミン、又はn−デシルアミン等の第1級アミンを含む。
【0039】
触媒はまた、乏しい求核性(nucleophillicity)を有する塩基、例えば以下に示すジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(「DBU」)又はジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(「DBN」)を含むアミジンを含む有機又は無機塩基であってもよい。
【0041】
他の好適な塩基としては、リチウムジイソプロピルアミド、N−N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンを含む第3級アミン、及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられる。
【0042】
触媒は、任意の量で存在してもよい。一実施形態において、触媒は、触媒と活性化アルケンとのモル比が約1:1〜約1:1,000,00、代替的に約1:5〜約1:100,000、代替的に約1:10〜1:250で存在する。組成物中の触媒の量は、悪臭制御組成物の約0.1重量%〜約50重量%、代替的に約0.5重量%〜約20重量%、代替的に約1重量%〜約10重量%であってもよい。
【0043】
C.ポリアミンポリマー
水性組成物において、本発明の悪臭制御組成物は、一般構造式(II)を有するポリアミンポリマーを含んでもよい。
【0044】
【化10】
式中、Qは0〜3の値の整数である。
【0045】
一実施形態において、ポリマーは、ポリビニルアミン(「PVam」)主鎖を含む。PVamは直鎖ポリマーであり、主鎖の炭素の1つおきに第1級アミン基が直接結合している。ビニルアミンモノマーは入手不可能なため(アセトアルデヒドイミンとの互変異性化平衡に起因して)、PVamは、通常、ポリ(N−ビニルホルムアミド)(「PVNF」)の加水分解により製造される。このプロセスでは、ホルムアミド基は、以下の式(IIa)に示すような第1級アミン基に容易に加水分解される。
【0046】
【化11】
式中、nは、ポリマー中に存在するモノマーの数であり、加水分解に使用されるPVNFの分子量に応じて100〜5000の範囲内であってもよい。PVNFの加水分解度は、異なるホルムアミド/アミン比を有するPVFA−コ−PVAmの適合可能なコポリマーの製造に使用することができる。例えば、50%加水分解されている分子量10,000のPVNFは、50%ホルムアミド及び50%第1級アミン基からなるn=141を有するであろう。
【0047】
PVamsは、部分的に加水分解されていてもよく、即ち、PVamの1%〜99%、代替的に30%〜99%、代替的に50%〜99%、代替的に70%〜99%、代替的に80%〜99%、代替的に85%〜99%、代替的に90%〜99%、代替的に95%〜99%、代替的に97%〜99%、代替的に99%が加水分解されている。PVamは高度に加水分解されることで、得られたポリマーの悪臭を軽減する能力が増大されることが判明している。
【0048】
加水分解され得るPVamsの平均分子量(「MW」)は5,000〜350,000であってもよい。好適な加水分解PVamsは、BASFから市販されている。いくつかの例としては、Lupamin(商標)9095、9030、5095、及び1595が挙げられる。このような加水分解PVamsを、次いで疎水性改質してもよい。以降に記載するように、疎水性改質により、悪臭除去効力が更に改善され得る。
【0049】
別の実施形態では、ポリマーはポリアルキレンイミン主鎖を含む。ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン(「PEIs」)及びポリプロピレンイミン、並びにC4〜C12アルキレンイミンが挙げられる。
【0050】
PEIsは好適なポリアルキレンイミンである。PEIの化学構造は、1つのアミン官能基及び2つの炭素という簡潔な原則に従っている。PEIsは、以下の一般式(IIb)を有する。
−(CH2−CH2−NH)n− (IIb)
式中、n=10〜105である。
【0051】
PEIsは、分子量、構造、及び改質度の異なる水溶性ポリアミンの巨大なファミリーを構成する。これらの分子は弱塩基として機能し、pHにより生じるプロトン化の程度に応じてカチオン性を示し得る。
【0052】
PEIsは、以下に示すようなエチレンイミンのカチオン開環重合により生成される。
【0054】
PEIsは、約1:2:1比で第1級、第2級、及び第3級アミン基を含み、非常に分岐しているものと考えられる。PEIsは、第1級アミンを約30%〜約40%、代替的に約32%〜約38%、代替的に約34%〜約36%の範囲で含み得る。PEIsは、第2級アミンを約30%〜約40%、代替的に約32%〜約38%、代替的に約34%〜約36%の範囲で含み得る。PEIsは、第3級アミンを約25%〜約35%、代替的に約27%〜約33%、代替的に約29%〜約31%の範囲で含み得る。
【0055】
他の合成経路により、変更された分枝鎖構造を有する生成物、又は更には直鎖PEIsをもたらすことができる。直鎖PEIsは、主鎖にアミン部位を含む一方で、分枝状PEIsは、主鎖及び側鎖にアミンを含む。以下が、直鎖PEIの例である。
【0057】
本発明の組成物は、分子量約800〜約2,000,000、代替的に約1,000〜約2,000,000、代替的に約1,200〜約25,000、代替的に約1,300〜約25,000、代替的に約2,000〜約25,000、代替的に約10,000〜約2,000,000、代替的に約25,000〜約2,000,000、代替的に約25,000のPEIsを含み得る。
【0058】
一実施形態では、PEIの比重は1.05であり、及び/又はアミン値は18(mmol/固体重量(g))であってもよい。明瞭さのため、PEIのこのような比重及び/又はアミン値としては、改質する前又は水性組成物の一部として添加する前のPEIに関するものを記載する。当業者であれば、例えば、第1級及び第2級アミノ基が、組成物中の他の成分と反応し得ることは認識されるであろう。
【0059】
代表的なPEIsとしては、商品名Lupasol(登録商標)でBASFから市販されるもの、又は商品名エポミン(商標)で日本触媒(Nippon Shokubai)から市販されるものが挙げられる。
【0060】
いくつかの実施形態では、ポリアミンポリマーの活性アミン部位のうち100%未満、代替的に約0.5%〜約90%、代替的に約0.5%〜約80%、代替的に約0.5%〜約70%、代替的に約0.5%〜約60%、代替的に約0.5%〜約50%、代替的に約0.5%〜約40%、代替的に約0.5%〜約35%、代替的に約0.5%〜約30%、代替的に約1%〜約30%、代替的に約1%〜約25%、代替的に約1%〜約20%、代替的に約5%〜約20%、代替的に約10%〜約30%、代替的に約20%〜約30%、代替的に活性アミン部位のうち約20%は、疎水性官能基で置換されている。ポリアミンポリマーの活性アミン部位が疎水性官能基で完全に置換されている場合、そのような疎水性改質ポリアミンポリマー(「HMPs」)は、悪臭制御に関する活性を有さない可能性がある。
【0061】
本組成物中に存在するのに好適なポリアミンポリマーの他の非限定例としては、ポリアミドアミン(「PAMams」)、ポリアリルアミン(「PAams」)、ポリエーテルアミン(「PEams」)及びこれらの混合物、又はリジン等の窒素を含有している他のポリマー、又はこれらの窒素含有ポリマーの混合物が挙げられる。
【0062】
本組成物中のポリアミンポリマー又はHMPsの好適な濃度は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、代替的に約0.01重量%〜約2重量%、代替的に約0.01重量%〜約1重量%、代替的に約0.01重量%〜約0.8重量%、代替的に約0.01重量%〜約0.6重量%、代替的に約0.01重量%〜約0.1重量%、代替的に約0.01重量%〜約0.07重量%、代替的に約0.07重量%、代替的に約0.5重量%である。より大量のポリマーを有する組成物は、汚れ若しくは変色を生じ、及び/又は、布地上に可視の残留物若しくは染みを残す場合がある。
【0063】
特定の実施形態では、ポリアミンポリマーは、亜鉛、銀、銅、又はこれらの混合物等の遷移金属イオンとの金属錯体の形態にあってもよい。金属錯体は、金属と、本明細書に開示した任意の改質若しくは非改質ポリマー、又はこれらの混合物とを含む。金属を配位させることで、悪臭制御ポリマーの悪臭中和性を改善することができる。金属の配位は、微生物種に由来する悪臭も低減することができる。このようなポリマーと配位させるのに好適な金属としては、亜鉛、銅、銀、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な金属としては、Na、K、Ca、Mg、並びにSn、Bi、及びAl等の非遷移金属も挙げられる。
【0064】
いくつかの実施形態では、金属錯体であるHMPは、悪臭制御効力だけでなく、金属結合能を制御する目的でも、第1級、第2級及び/又は第3級アミン部位の少なくとも5%が未改質のまま残されている。
【0065】
金属錯体は、0.001及び50、代替的に0.001対20、代替的に0.001対15、代替的に0.001対10、代替的に0.005対5.0、代替的に0.1対1.0、代替的に0.1対0.5、代替的に0.001対0.01の、金属とポリマーとの重量比を有してもよい。
【0066】
一実施形態では、組成物は、7のpHを有する亜鉛ポリマー錯体を含む。このようなpHでは、プロトン化とアミン部位の金属配位との競合が、亜鉛の独特な配位環境を提供すると考えられる。この独特な結合性により、亜鉛イオンは、悪臭分子と更に相互作用させる際に容易に利用することができ、一方で金属錯体からの亜鉛イオンの放出が予防される。
【0067】
ポリアミンポリマーの水溶性
この試験は、ポリマーの、室温での水溶性を、β−シクロデキストリン(1.8g/100mL)及びヒドロキシプロピル改質βシクロデキストリン(60+g/100mL)に対し評価する方法を示す。ポリマーに関するスクリーニング基準として、1%水溶性を使用する。
【0068】
計量したポリマーを100mLの脱イオン水に加え、添加したポリマーを完全に溶解させることで、室温での、ポリマーの水溶解平衡を測定されてもよい。このプロセスは、添加したポリマーがそれ以上溶解しなくなるまで繰り返した。次いで、100mLの水にどれだけの量のポリマーが溶解するかに基づき、水溶解平衡を算出した。
【0070】
ポリマーが水溶性でない場合(例えば、溶解度が0.05%未満の場合)、水溶性を補助するために、親水性分子により末端保護することが望ましいこともある。好適な親水性分子としては、EO又は他の好適な親水性官能基が挙げられる。
【0071】
D.香料混合物
悪臭制御組成物は、揮発性アルデヒド、エステル及び/又はアルコール等の香料原材料の混合物を含んでもよい。香料材料の1つ以上は、活性化アルケンを含んでもよい。
【0072】
悪臭制御組成物は、機能的(例えば、化合物の揮発により補助される悪臭除去)及び/又は快楽的利益(即ち、主として、好ましい香気を提供するよう存在する)を提供する香料原材料を含んでもよい。好適な香料は、その全体が参照により組み込まれる米国特許第6,248,135号に開示されている。
【0073】
香料混合物の一実施形態は、表2に示す低芳香配合物である。
【0075】
別の実施形態では、悪臭制御組成物は、香料原材料を含まない。悪臭制御組成物の特定の構成成分からの幾分かの芳香が存在し得るが、いくつかの実施形態では、組成物は香気を含まない。
【0076】
含水配合物において、香料混合物は、任意の所望の量、例えば、悪臭制御組成物の約1重量%、代替的に約0.01重量%〜約10重量%、代替的に約0.05重量%〜約5重量%、代替的に約0.5重量%〜約2重量%で悪臭制御組成物中に配合されてもよい。水を含まない悪臭制御組成物(即ち、気相悪臭制御組成物)の場合、香料混合物は、悪臭制御組成物の任意の所望の量、例えば悪臭制御組成物の20重量%、代替的に約5重量%〜約99重量%、代替的に約10重量%〜約50重量%、代替的に約15重量%〜約25重量%を構成してもよい。
【0077】
揮発性が悪臭を中和するのに重要ではないいくつかの実施形態では、本発明は、例えば、ジ−、トリ−、テトラ−アルデヒドといったポリ−アルデヒドを含んでもよい。そのような実施形態は、リーブオン、洗浄中、及びリンスオフ型の用途のための、洗濯洗剤、添加剤等を含み得る。
【0078】
E.界面活性剤
悪臭制御組成物は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、非イオン性、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。一実施形態において、界面活性剤は非イオン性である。好適な界面活性剤の非限定例としては、エトキシル化水素添加ヒマシ油、エトキシル化アルコール、及びポリアルキレンオキシドポリシロキサン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0079】
界面活性剤は、悪臭制御組成物中の活性化アルケン、香料原材料、又は他の物質の分散又は乳化を達成するのに有効な量で存在する。これらの界面活性剤の有効量は、例えば、組成物の約3重量%未満、代替的に約0.01重量%〜約1重量%、代替的に約0.05重量%〜約0.5重量%であってもよい。
【0080】
F.水性キャリア
本発明の悪臭制御組成物は、水性キャリアを含んでもよい。水性キャリアは、蒸留したもの、脱イオン化したもの、又は水道水であってもよい。水は、組成物の50重量%超〜約99.5重量%、代替的に約80重量%〜約99.5重量%、代替的に約92重量%〜約99.5重量%、代替的に約95重量%の量で存在してもよい。低分子量一価アルコール、例えば、エタノール、メタノール、及びイソプロパノール、又はポリオール(エチレングリコール及びプロピレングリコール等)を少量含む水も有用であり得る。しかしながら、エタノール及び/又はイソプロパノールのような揮発性の低分子量一価アルコールは制限すべきである。これは、これらの揮発性有機化合物が、引火性の問題と環境汚染の問題の双方の一因になるからである。香料及び一部の防腐剤の安定化剤として、それらの成分にアルコールを加えた結果、本発明の組成物中に少量の低分子量一価アルコールが存在する場合、一価アルコールの濃度は、組成物の約6重量%未満、代替的に約3重量%未満、代替的に約1重量%未満であってもよい。
【0081】
G.溶媒
悪臭制御組成物は、1種以上の市販の溶媒を含んでもよい。一例では、溶媒は、エチルアルコール又はエタノールを含む。
【0082】
H.他の任意成分
悪臭制御組成物は、場合により、ブチルヒドロキシトルエン(「BHT」)、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ヒドロキノン(「HQ」)、又はヒドロキノンモノメチルエーテル(「MeHQ」)等の1種以上のラジカルスカベンジャー又は抗酸化剤を含んでもよい。更に、悪臭制御組成物は、場合により、臭気マスキング剤、臭気ブロック剤及び/又は希釈剤を含んでもよい。「臭気ブロック」は、人の嗅覚を鈍らせる化合物の能力を指す。「臭気マスキング」は、悪臭化合物をマスキングする又は隠す化合物の能力を指す。臭気マスキングは、悪臭化合物を感知する能力を制限するように投与される、不快ではない又は好ましい匂いを有する化合物を含み得る。臭気マスキングは、予想された悪臭と一緒になって、臭気化合物の組み合わせにより提供される全体の匂いの知覚を変化させる化合物の選択を伴い得る。
【0083】
例えば、悪臭制御組成物は、香料イオノン及び/又は希釈剤を任意の量で含んでもよい。例えば、希釈剤は、組成物の約1重量%〜約99.5重量%、代替的に約50重量%〜約99.5重量%、代替的に50重量%超〜約99.5重量%、代替的に約5重量%〜約50重量%、代替的に約10重量%〜約30重量%の量で存在してもよい。低い芳香強度を有する希釈剤が好ましい可能性があるが、必須ではない。非限定的な代表的な希釈剤としては、DBE−LVP(混合脂肪族エステル流体(INVISTAからのCAS#1119−40−0及びCAS#627−93−0))、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、又はジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル;3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール;イソノニルアセテート、ジエチルアジペート及びジオクチルアジペート等のエステル;ベンジルアルコール;フロロール;Xiameter(登録商標)PMX−200 Silicone Fluid 1.5CS(登録商標)(Dow Corning Co.からの);セルロース;エチルエーテル;エチレングリコール;トリエチレングリコール;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0084】
II.使用方法
本発明の悪臭制御組成物は、空気中又は無生物表面上の悪臭を、悪臭を有効量の前記組成物と接触させることにより中和する、非常に様々な用途で使用することができる。いくつかの実施形態では、悪臭制御組成物は、エネルギー作動式気相システムにおいて使用するために配合され得る。本明細書で使用するとき、「エネルギー作動式」は、電池又は壁の電気コンセント等の、電気エネルギー源を使用することにより作動して標的の活性物質を放出するシステムを指す。そのようなシステムの場合、活性化アルケン、及び存在する場合、触媒のVPは、25℃で測定したとき、約0.001トール(約0.133パスカル)〜約20トール(約2666パスカル)、代替的に約0.01トール(約1.33パスカル)〜約10トール(約1333パスカル)であってもよい。エネルギー作動式気相システムの例としては、Febreze(登録商標)Noticeables及びAmbiPur(登録商標)ブランドで販売されているプラグ着脱可能な液体電気空気清浄装置が挙げられる。
【0085】
いくつかの実施形態では、悪臭制御組成物は、非エネルギー作動式気相システムにおいて使用するために配合され得る。本明細書で使用するとき、「非エネルギー作動式」は、標的の活性物質を受動的に放出するか、又は電気エネルギー源を必要としないシステムを指す。エアゾールスプレー及び従来のトリガー/ポンプ式スプレーが、非エネルギー作動式システムとして想定される。そのような非エネルギー作動式システムの場合、活性化アルケン、及び存在する場合、触媒のVPは、25℃で測定したとき、約0.01トール(約1.33パスカル)〜約20トール(約2666パスカル)、代替的に約0.05トール(約6.67パスカル)〜約10トール(約1333パスカル)であってもよい。非エネルギー作動式気相システムの非限定例は、商品名Renuzit(登録商標)Crystal Elementsで既知のもの等の受動的空気清浄ディフューザー、並びに、布地及び空気清浄スプレー並びにボディデオドラント等のエアゾールスプレーである。
【0086】
他の実施形態では、悪臭制御組成物は、液相システム中で使用するために配合され得る。そのようなシステムの場合、活性化アルケン、及び存在する場合、触媒のVPは、25℃で測定したとき、約0トール(約0パスカル)〜約20トール(約2666パスカル)、代替的に約0.0001トール(約0.0133パスカル)〜約10トール(約1333パスカル)であってもよい。液相システムの非限定例は、洗濯洗剤及び添加剤等の液体洗濯製品;食器洗剤;身体洗浄剤、シャンプー、コンディショナー等の個人衛生製品である。
【0087】
悪臭制御組成物はまた、プラスチック、織布又は不織布(例えば、紙製品用セルロース繊維)等の基材での使用のために配合され得る。このような基材は、ペットフード包装;ペーパータオル;ティッシュ;ゴミ袋;おむつ;乳児用拭き取り用品;成人用失禁製品;生理用ナプキン及びタンポン等の女性用衛生製品として使用され得る。悪臭制御組成物はまた、汚水浄化槽又は下水処理施設等の商業又は産業システムにおける使用のために配合され得る。
【実施例】
【0088】
実施例1−活性化アルケンによるブタンチオール及びブチルアミン除去
この実施例は、表3に示す代表的な水性布地リフレッシャー組成物(「組成物3)の悪臭除去効力を示す。組成物3中に1.0重量%の量で存在するPEG 400ジメチルアクリレートを除いて、全ての活性化アルケンは、組成物3中に0.5重量%の量で存在する。
【0089】
【表3】
【0090】
組成物3は、表4に示す各活性化アルケンを用いて調製される。加えて、対照組成物は、活性化アルケンが省略されることを除いて、表3の組成物に従って調製される。次いで、各活性化アルケンを有する組成物3及び対照組成物を、以下に記載するように、悪臭除去性能に関して試験する。
【0091】
n−ブタンチオール及びジ−n−プロピルスルフィドを、玉ネギ、ニンニク、下水等の硫黄含有臭気に関する化学的代替物として選択した。n−ブチルアミンを、魚、ペット尿等のアミン含有臭気に関する典型として使用した。
【0092】
5mLの組成物3及び対照組成物を別個のGC−MSバイアル内に配置し、それぞれを5マイクロリットルのブタンチオール又はブチルアミンでスパイクする。組成物を最初に室温で2時間平衡化し、次いで35℃で30分間インキュベートする。最終的には、ポリジメチルシロキサン(「PDMS」)/固相マイクロ抽出(SPME)繊維を用いて各バイアルのヘッドスペースからサンプリングし、GC/MSにより分析する。悪臭分子のヘッドスペース濃度を測定し、データを対照組成物に対して正規化する。
【0093】
GC/MS分析の結果を、表4に示す。1未満の数は、組成物3のヘッドスペース中に存在する、対照組成物に対する悪臭分子の濃度の低下を示す。悪臭濃度の低下は、組成物3の高い悪臭制御効力に起因する。
【0094】
【表4】
【0095】
実施例2−活性化アルケン及び触媒によるブタンチオール除去
この実施例は、表5に示す代表的な水性布地リフレッシャー組成物(「組成物5」)の悪臭除去効力を示す。
【0096】
【表5】
【0097】
表6に示す各アルケン−触媒系を用いて調製される組成物5を使用して、実施例1を繰り返す。SPME GCMS分析の結果を、表6に示す。これは、本発明の悪臭制御組成物の性能の改善における、触媒の有効性を示す。
【0098】
【表6】
【0099】
実施例3−気相ブタンチオール除去
この実施例は、気相内での代表的な活性化アルケン−触媒系の悪臭除去効力を示す。
【0100】
1.0mLのブタンチオール(イオウ系悪臭)を1.2リットルのガスサンプリングバッグの中にピペットで加えることにより、悪臭標準物質を調製する。次いで、バッグに500mLの窒素を充填し、その後50℃の炉内に20分間配置し、続いて冷却させて室温に戻して、窒素ヘッドスペース内でのブタンチオールの飽和を確実にする。
【0101】
表7に列挙した各活性化アルケン−触媒の各組み合わせの1μL試料を、個々の10mLのシラン処理ヘッドスペースバイアル内にピペットで加える。バイアルを密封し、少なくとも12時間にわたって平衡化させる。この手順を、各試料に関して2回繰り返す。
【0102】
平衡化期間後、1.5mLの標的悪臭標準物質蒸気を各10mLバイアルの中に注入する。チオール分析のために、試料と悪臭標準物質とを収容するバイアルを30分にわたって室温で保持する。次いで、1mLヘッドスペース注射器を使用して、各試料/悪臭物質250μLをGC/MSの、スプリット/スプリットレスインレットの中に注入する。アミン分析のためにGCピローを使用して、実行時間を短縮する。
【0103】
次いで、静的ヘッドスペース機能を持つMPS−2オートサンプラー装置を用いて、DB−5の20mで膜厚1μmのカラムによりGC/MSを使用して、試料を分析する。各総イオン電流についてのイオン抽出によりデータを分析し(チオールについては56)、面積を用いて、各試料について悪臭標準物質から低減率を計算する。
【0104】
GC/MS分析の結果を、表7に示す。ここで、結果は%低減として報告され、より大きい数字は、より高いブタンチオール濃度低下を表す。これは、気相内でのチオール悪臭の低下における、本発明の効力を示す。
【0105】
【表7】
【0106】
実施例4−ニンニク悪臭に対する布地及び空気リフレッシング組成物
表8に示す組成物に従って、活性化アルケン(ジエチルマレエート)及び触媒(n−オクチルアミン)を用いて及び用いずに、布地リフレッシャー組成物を調製する。
【0107】
【表8】
+BASFから入手可能
【0108】
表8の布地リフレッシング悪臭制御組成物の悪臭低減効力を決定するために、最初に以下の手順に従って悪臭を調製する。
【0109】
温度制御を有する電気スキレットをドラフト内に配置し、121.1℃(250°F)にセットする。80グラムのCrisco(登録商標)油をスキレット内に配置した後、スキレットをスキレット蓋で覆う。10分間の平衡化後、スキレット蓋を除去し、油の温度を温度計で測定して、油が121.1℃(250°F)であることを確実にする。次いで、水中の50グラムの切り刻まれた、商業的に調製されたニンニクをスキレット内に配置し、スキレットを再び蓋で覆う。2.5分間にわたって又はニンニクが半透明になるまで調理する。一部は茶色に変色し始めるが、焦げてはいない。次いで、ニンニクをスキレットから除去する。5グラムのニンニクを3つのペトリ皿のそれぞれの中に配置する。各ペトリ皿上にカバーを置く。
【0110】
試験チャンバ内で、悪臭低減効力を試験する。各試験チャンバは、幅99.70センチメートル、深さ63.5センチメートル、高さ54.61センチメートル(幅39.25インチ、深さ25インチ、高さ21.5インチ)であり、12.2立方フィート(0.34立方メートル)の容量を有する。試験チャンバは、Electro−Tech Systems(Glenside,PA)から購入することができる。各試験チャンバは、Newark Electronics(Chicago,IL)から購入されるファン(Newarkカタログ番号70K9932,115 VAC,90CFM)を装備する。
【0111】
5グラムのニンニクを有する、予め準備された、覆われたペトリ皿のそれぞれを、個々の試験チャンバ内にてファンの前に配置する。次いで、ペトリ皿の蓋を除去して、訓練を受けたパネリストが表9に示す尺度に従って測定した場合、70〜80の開始臭気強度段階を提供するのに十分な滞在時間(約2分間)、内容物を暴露する。試験チャンバが開始臭気強度段階に到達した後、試験チャンバからペトリ皿を取り出す。
【0112】
次いで、およそ1.4gの組成物8を、悪臭を放つ試験チャンバ内に噴霧する。悪臭のみチャンバの場合、組成物は噴霧しない。
【0113】
予め定められた時間間隔で、訓練を受けた評価者が各チャンバを開き、臭気強度に関してチャンバの匂いを嗅いで、表9の尺度に基づいて悪臭強度のスコアを付ける。直後に、訓練を受けた評価者は香料の芳香強度に関して同じチャンバの匂いを嗅ぎ、同様に表9の尺度に基づいて芳香強度のスコアを付ける。逐次評価者が入れ替わる間、チャンバの扉は閉じられている。スコアを表にして、時間間隔毎の平均悪臭強度スコア及び芳香強度スコアを記録する。
【0114】
【表9】
【0115】
表9の尺度に従った悪臭強度を、ニンニク含有ペトリ皿の除去から5、20、35、及び50分後に記録する。表10は、組成物8が、対照組成物よりもいっそうニンニク悪臭の強度を低下させることを示す。
【0116】
【表10】
【0117】
実施例5−ニンニク悪臭に対する非エネルギー作動式空気清浄組成物
表11に従って、非エネルギー作動式空気清浄装置内での使用のための悪臭低減組成物(「組成物11」)を調製する。
【0118】
【表11】
【0119】
非エネルギー作動式芳香剤を調製するために、およそ34cm
2の表面積を有する微多孔性膜(Teslin 1100HD,PPG Industries Monroville,PA)を使用して、5グラムの組成物11を空のFebreze(登録商標)Set & Refresh芳香剤内に配置する。試料を、活性化(即ち、試験組成物が膜に接触可能となった際)から1〜24時間後に試験して、微多孔性膜が完全に飽和されたことを確実にする。
【0120】
実施例4の通りにニンニク悪臭を調製する。
【0121】
非エネルギー作動式芳香剤の悪臭低減効力を、試験チャンバ内で試験する。各試験チャンバは、幅99.70センチメートル、深さ63.5センチメートル、高さ54.61センチメートル(幅39.25インチ、深さ25インチ、高さ21.5インチ)であり、12.2立方フィート(0.34立方メートル)の容量を有する。試験チャンバは、Electro−Tech Systems(Glenside,PA)から購入することができる。各試験チャンバは、Newark Electronics(Chicago,IL)から購入されるファン(Newarkカタログ番号70K9932,115 VAC,90CFM)を装備する。
【0122】
上述したような、組成物11を有するFebreze(登録商標)Set & Refresh芳香剤を、調理したニンニク悪臭の5分前に試験チャンバ内に導入する。各受動的芳香剤を、個々の試験チャンバ内にて小型ファンの反対側に配置する。
【0123】
覆われた各ペトリ皿(5グラムのニンニクを収容する)を、個々の試験チャンバ内にてファンの前に配置する。注意:1つの試験チャンバは、受動的ディスペンサー装置を収容しない。このチャンバは、対照チャンバとしての役割を果たすであろう。次いで、ペトリ皿の蓋を除去して、訓練を受けたパネリストが表9に示す尺度に従って測定した場合、70〜80の開始臭気強度段階を対照チャンバ内に提供するのに十分な滞在時間(約2分間)、内容物を暴露する。対照チャンバ内で開始臭気強度段階に到達した後、全試験チャンバからペトリ皿を除去する。
【0124】
予め定められた時間間隔で、訓練を受けた評価者が各チャンバを開き、臭気強度に関してチャンバの匂いを嗅いで、表9の尺度に基づいて悪臭強度のスコアを付ける。逐次評価者が入れ替わる間、チャンバの扉は閉じられている。スコアを表にして、時間間隔毎の平均悪臭強度スコア及び芳香強度スコアを算出して記録する。
【0125】
表12に示すように、本発明の悪臭低減組成物、組成物11を含む非エネルギー作動式芳香剤は、香料原材料を実質的に含まない一方で、悪臭強度を有意に低下させる。
【0126】
【表12】
【0127】
実施例6−活性化アルケンとポリアミンポリマーとの組み合わせ
この実施例は、ポリアミンポリマーと活性化アルケンとの組み合わせを含む、本発明に従った組成物の調製及び性能を示す。
【0128】
組成物13A〜13Cを作製するために、水、エタノール、Silwet L−7600界面活性剤及びヘキシルアクリレートの混合物50mLを、混合することにより調製する。これとは別に、0.2% ZnCl2及び0.5%ポリマーを水中で30分間撹拌することにより、亜鉛ポリマー錯体の水溶液50mLを調製した。最終的にこれらの溶液を合わせ、30%マレイン酸により溶液のpHを7に調整した。ブランク溶液(pH 7)を代表的な対照として使用した。
【0129】
【表13】
【0130】
表13の各組成物5mLをGC−MSバイアル内に配置し、表13に示す化学的代替物5マイクロリットルでスパイクする。この溶液を最初に室温で2時間平衡化し、次いで35℃で30分インキュベートする。最終的に、PDMS/SPME繊維を用いて各バイアルのヘッドスペースをサンプリングし、GC/MSにより分析する。悪臭分子のヘッドスペース濃度における低下を測定し、データを対照に対して正規化する。
【0131】
SPME GC/MS分析の結果を、表14に示す。ここで、結果は、対照と比較した%低下として提示される。より小さい数字は、高濃度の悪臭分子が溶液中に存在することを示す。表14は、ポリアミンポリマーと活性化アルケンとの組み合わせを含む組成物13Cが、スカトールの場合を除いて、非常に様々な悪臭を効果的に低減し、ヘキシルアクリレート活性化アルケンとポリアミンポリマーとの間に負の相互作用が見られないことを示す。
【0132】
【表14】
【0133】
本明細書全体を通じて、単数で言及される構成成分は、単数又は複数両方の当該構成成分について言及されると理解されるべきである。
【0134】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0135】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する、本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てが本明細書中に参照により組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示されているか若しくは「特許請求の範囲」に記載されているいずれかの発明に関する先行技術であることを認めるものではなく、あるいはそれが単独で又は他のいかなる参考文献(単数若しくは複数)とのいかなる組み合わせにおいても、かかる発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0136】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。