(54)【発明の名称】2−メトキシメチル−1,4−ジアミノベンゼン及び2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンを含む染毛剤組成物、この組成物を含む方法、及びキット
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記酸化剤が、過酸化水素、無機及び有機アルカリ金属過酸化物、無機過水和物塩、アルキル及びアリール過酸化物、ペルオキシダーゼ、オキシダーゼ、並びにウリカーゼ及びそれらの基質、過炭酸塩、過硫酸塩、ペルオキシモノカーボネート、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の染毛剤組成物。
前記毛髪から毛髪の束を分離する工程を更に含み、前記毛髪の前記接触させる工程が、前記毛髪の束を前記毛髪染色組成物に接触させる工程を含む、請求項6に記載の方法。
ミキシングボウル、塗布装置、分注デバイス(dispensing device)、手袋、毛房分離器(hair-strand separator)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物体を更に含む、請求項9、10、又は11に記載の毛髪染色キット。
前記酸化剤が、過酸化水素、無機又は有機アルカリ金属過酸化物、無機過水和物塩、アルキル及びアリール過酸化物、ペルオキシダーゼ、オキシダーゼ、並びにウリカーゼ及びそれらの基質、過炭酸塩、過硫酸塩、ペルオキシモノカーボネート、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9、10、11、又は12に記載の毛髪染色キット。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で使用する場合、用語「毛髪」は、酸化染毛剤組成物及び様々な実施形態によるそれらの使用の文脈では、「生体の」、すなわち生体上の、又は「非生体の」、すなわち、かつら、ヘアーピース、又は他の非生体のケラチン性繊維の集合体に関する場合がある、ケラチン含有繊維を包含する。哺乳類の毛髪が好ましいが、ヒトの毛髪はこれらの特定の実施例であり、本明細書に記載される組成物に対して、羊毛、毛皮、及び他のケラチン含有繊維も、好適な基質であることが理解されるであろう。
【0013】
本明細書で使用する場合、用語「美容的に許容される塩」は、過度の毒性、不適応性、不安定性、刺激、アレルギー反応、及び同様のものなしに、ヒト及び下等動物の皮膚又は毛髪と接触させる使用のために好適な塩、例えば、塩化物、臭化物、硫酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、酢酸塩、及びヘミ硫酸塩、を意味する。
【0014】
文脈による明確な別段の表示がない限り、本明細書で使用する場合、特定のカプラー、顕色剤、及び酸化化合物を指す用語は、特定の化学的化合物自体のみでなく、その美容的に許容される塩及び/又はこれらの混合物も包含するほど十分に広義である。例えば、用語「2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエン」は、2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンのみでなく、その美容的に許容される塩、及び/又はこれらの混合物も含むと解釈されるべきである。
【0015】
染毛剤組成物
染毛剤組成物は、(a)2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンカプラーと、(b)2−メトキシメチル−1,4−ジアミノベンゼン顕色剤と、(c)酸化剤と、を含む。2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンカプラーは、式(I)を有する。
【0017】
酸化染毛剤組成物の重量に基づいて、染毛剤組成物は、最高12重量%、又は0.001重量%〜12重量%、又は0.001重量%〜6重量%、又は0.05重量%〜6重量%の2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンを含んでもよい。
【0018】
顕色剤2−メトキシメチル−1,4−ジアミノベンゼンは、以下の式(II)によって表される。
【0020】
染毛剤組成物の重量に基づいて、染毛剤組成物は、最高12重量%、又は0.001重量%〜12重量%、又は0.001重量%〜6重量%、又は0.05重量%〜6重量%の顕色剤を含んでもよい。一実施形態では、染毛剤組成物は、2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンと顕色剤とを組み合わせて、合計で、最高12重量%、又は0.001重量%〜12重量%、又は0.001重量%〜6重量%、又は0.05重量%〜6重量%含んでもよい。
【0021】
染毛剤組成物中に組み込まれたとき、2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンと2−メトキシメチル−1,4−ジアミノベンゼンとの特定の組み合わせが、他の1,4−ベンゼンジアミン類似化合物を含む比較組成物よりも望ましいバイオレットの色合いを付与することが見出された。
【0022】
酸化剤
染毛剤組成物は、少なくとも1つの酸化剤の供給源を含んでもよい。本明細書の使用に好ましい酸化剤は、水溶性過酸素酸化剤である。水溶性過酸素酸化剤は当該技術分野において周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば、過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム、並びに有機過酸化物、例えば、過酸化尿素、過酸化メラミン、及び無機過水和物塩の脱色化合物、例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらの無機過水和物塩は、一水和物、四水和物等々として組み込まれてもよい。アルキル及びアリール過酸化物、並びに又はペルオキシダーゼ、オキシダーゼ、並びにウリカーゼ及びそれらの基質も使用されてもよい。また必要に応じて、2つ以上のそのような酸化剤の混合物を用いることもできる。酸化剤は、水溶液で、又は使用前に溶解される粉末として提供されてもよい。過酸化水素、過炭酸塩、過硫酸塩及びこれらの組み合わせを、染毛剤組成物中で使用するのが好ましい。
【0023】
一実施形態では、染毛剤組成物は、0.1重量%〜20重量%、又は1重量%〜15重量%、又は2重量%〜10重量%の酸化剤を含む。
【0024】
本明細書に用いるための潜在的な酸化剤は、過酸化水素の供給源からその場で形成されるペルオキシモノカーボネートイオンの供給源及び炭酸水素イオン源である。更に、この系はまた、アンモニア又はアンモニウムイオン源と組み合わせると特に効果的である。したがって、これらのペルオキシモノカーボネートイオンの任意の供給源が使用されてもよい。本明細書の使用に好適な供給源としては、炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンのナトリウム塩、カリウム塩、グアニジン塩、アルギニン塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、及びアンモニウム塩、並びにこれらの混合物、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。過炭酸塩は、酸化剤として、及び炭酸イオンの供給源としての両方で使用されてもよい。炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンの好ましい供給源は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、カルバミン酸アンモニウム、及びこれらの混合物である。
【0025】
酸化剤は、0.1重量%〜15重量%、又は1重量%〜10重量%、又は1重量%〜8重量%の炭酸水素イオン、並びに0.1重量%〜10重量%、又は1重量%〜7重量%、又は2重量%〜5重量%の過酸化水素の供給源の酸化剤を含んでもよい。
【0026】
所望による追加的な染料構成成分
染毛剤組成物は、例えば、1つ以上の直接染料、1つ以上の酸化染料前駆体、又はこれらの混合物などの当該技術分野において既知のものから選択されてもよい追加的な染料構成成分を含有してもよい。
【0027】
所望による直接染料
染毛剤組成物は、適合性のある直接染料を、染色を提供するのに、又は染色を特に強度の観点で強化するのに十分な量で更に含んでもよい。典型的には、かかる量は、染毛剤組成物の0.05重量%〜4重量%の範囲になるであろう。
【0028】
好適な直接染料として、酸性染料(例えば、アシッドイエロー1、アシッドオレンジ3、アシッドブラック1、アシッドブラック52、アシッドオレンジ7、アシッドレッド33、アシッドイエロー23、アシッドブルー9、アシッドバイオレット43、HCブルー16、アシッドブルー62、アシッドブルー25、アシッドレッド4)、塩基性染料(例えば、ベーシックブラウン17、ベーシックレッド118、ベーシックオレンジ69、ベーシックレッド76、ベーシックブラウン16、ベーシックイエロー57、ベーシックバイオレット14、ベーシックブルー7、ベーシックブルー26、ベーシックレッド2、ベーシックブルー99、ベーシックイエロー29、ベーシックレッド51、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー87、4−(3−(4−アミノ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−1−イルアミノ)プロピル)−4−メチルモルホリン−4−イウム−メチルサルフェート、(E)−1−(2−(4−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)ジアゼニル)フェニル)(エチル)アミノ)エチル)−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムクロリド、(E)−4−(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)ジアゼニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−3−イウム−3−イル)ブタン−1−スルホネート、(E)−4−(4−(2−メチル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジニウム−1−イル)ブタン−1−スルホネート、N,N−ジメチル−3−(4−(メチルアミノ)−9,10−ジオキソ−4a,9,9a,10−テトラヒドロアントラセン−1−イルアミノ)−N−プロピルプロパン−1−アミニウムブロミド)、分散性染料(例えば、ディスパースレッド17、ディスパースバイオレット1、ディスパースレッド15、ディスパースバイオレット1、ディスパースブラック9、ディスパースブルー3、ディスパースブルー23、ディスパースブルー377)、ニトロ染料(例えば、1−(2−(4−ニトロフェニルアミノ)エチル)尿素、2−(4−メチル−2−ニトロフェニルアミノ)エタノール、4−ニトロベンゼン−1,2−ジアミン、2−ニトロベンゼン−1,4−ジアミン、ピクラミン酸、HCレッドNo.13、2,2’−(2−ニトロ−1,4−フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、HCイエローNo.5、HCレッドNo.7、HCブルーNo.2、HCイエローNo.4、HCイエローNo.2、HCオレンジNo.1、HCレッドNo.1、2−(4−アミノ−2−クロロ−5−ニトロフェニルアミノ)エタノール、HCレッドNo.3、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−ニトロフェノール、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−(3−(メチルアミノ)−4−ニトロフェノキシ)エタノール、3−(3−アミノ−4−ニトロフェニル)プロパン−1,2−ジオール、HCイエローNo.11、HCバイオレットNo.1、HCオレンジNo.2、HCオレンジNo.3、HCイエローNo.9、HCレッドNo.10、HCレッドNo.11、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−4,6−ジニトロフェノール、HCブルーNo.12、HCイエローNo.6、HCイエローNo.12、HCブルーNo.10、HCイエローNo.7、HCイエローNo.10、HCブルーNo.9、2−クロロ−6−(エチルアミノ)−4−ニトロフェノール、6−ニトロピリジン−2,5−ジアミン、HCバイオレットNo.2、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、4−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−3−ニトロフェノール、HCイエローNo.13、6−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、HCレッドNo.14、HCイエローNo.15、HCイエローNo.14、N2−メチル−6−ニトロピリジン−2,5−ジアミン、N1−アリール−2−ニトロベンゼン−1,4−ジアミン、HCレッドNo.8、HCグリーンNo.1、HCブルーNo.14)、及び天然染料(例えば、アナトー、アントシアニン、ビートルート、カロチン、カプサンシン、リコピン、クロロフィル、ヘンナ、インディゴ、コチニール)、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
染毛剤組成物は、本明細書で酸化染料前駆体として参照される、一次中間体又はカプラーの形態の追加的な酸化染料化合物を含んでもよい。酸化染料前駆体は、遊離塩基又は、化粧品的に許容されるこれらの塩であってもよい。単に実施例として、追加的な前駆体が以下に詳述され、染毛剤組成物又はその中の色調剤組成物(tint composition)などの下位成分を限定することを意図しないことを理解するべきである。
【0030】
本明細書に記載の組成物に使用するのに好適な一次中間体としては、トルエン−2,5−ジアミン、p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、ヒドロキシプロピル−ビス−(N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン)、2−(1,2−ジヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2,2’−(2−(4−アミノフェニルアミノ)エチルアザンジイル)ジエタノール、2−(2,5−ジアミノ−4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオール、2−(7−アミノ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)エタノール、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、p−(メチルアミノ)フェノール、4−アミノ−m−クレゾール、6−アミノ−m−クレゾール、5エチルエチル−o−アミノフェノール、2−メトキシ−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス−4−アミノフェノール、2,4,5,6−テトラミノピリミジン、2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジノール、1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾールサルフェート、4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−ブチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−ペンチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−ベンジルピラゾール、2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1(5H)−オンジメトスルホネート、4,5−ジアミノ−1−ヘキシルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−ヘプチルピラゾール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書に記載の組成物に使用するのに好適なカップラーとしては、レゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、2−クロロレゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4,6−ジクロロベンゼン−1,3−ジオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジオール、m−アミノフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、2−メチル−5−ヒドロキシエチルアミノフェノール、3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール、3−アミノ−2,4−ジクロロフェノール、5−アミノ−6−クロロ−o−クレゾール、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、2−アミノ−5−エチルフェノール、2−アミノ−5−フェニルフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−5−エトキシフェノール、5−メチル−2−(メチルアミノ)フェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)−プロパン、2,2’−(2−メチル−1,3−フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、ベンゼン−1,3−ジアミン、2,2’−(4,6−ジアミノ−1,3−フェニレン)ビス(オキシ)ジエタノール、3−(ピロリジン−1−イル)アニリン、1−(3−(ジメチルアミノ)フェニル)尿素、1−(3−アミノフェニル)尿素、1−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール又は1−アセトキシ−2−メチルナフタレン、4−クロロ−2−メチルナフタレン−1−オール、4−メトキシ−2−メチルナフタレン−1−オール、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、2,6−ジメトキシ−3,5−ピリジンジアミン、3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2,6−ジアミノピリジン、ピリジン−2,6−ジオール、5,6−ジヒドロキシインドール、6−ヒドロキシインドール、5,6−ジヒドロキシインドリン、3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−5(4H)−オン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)エタノール(ヒドロキシエチル−3,4−メチレンジオキシアニリンとしても既知)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。
【0032】
染毛剤組成物、又はこれらの下位成分に含有される追加的な酸化染料前駆体の総量は、染毛剤組成物の最高12重量%、特に0.05重量%〜6重量%であってもよい。
【0033】
溶媒
染毛剤組成物は、水、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールなどの、例えば、1個〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールなどの低脂肪族アルコール、ベンジルアルコール及びフェノキシエタノールなどの芳香族アルコール、又はグリセリン、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、カルビトール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコール、モノエチルエーテル、モノメチルエーテル、ヘキシレングリコール、エチレングリコール、エトキシグリコール、ブトキシジグリコール、エトキシジグリセロール、ジプロピレングリコール並びにポリグリセロールなどの、ポリオール又はポリエーテルなどの溶媒を含んでもよい。溶媒は、酸化染毛剤組成物、又は色調剤組成物又は酸化組成物などの下位成分として、0.1重量%〜30重量%の濃度で利用されてもよい。
【0034】
pH修正剤
一般に、酸化剤(例えば、酸化組成物)とは別個にパッケージ化された色調剤組成物内の染毛剤組成物は、アルカリ化剤などのpH修正剤を含んでもよい。
【0035】
アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及び2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、グアニジウム塩、及びアルカリ金属及び水酸化アンモニウム及び炭酸塩(水酸化ナトリウム及び炭酸アンモニウムなど)などの当該技術分野において既知である任意のアルキル化剤が使用されてもよい。特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニウムイオンの供給源をもたらすものである。
【0036】
いずれのアンモニウムイオン供給源も本明細書で使用するのに好適である。アンモニウムイオンの好ましい供給源としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩、アンモニア及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、アンモニア、及びこれらの混合物である。
【0037】
染毛剤組成物又は色調剤組成物は、0.1重量%〜10重量%、例えば、0.5重量%〜5重量%、例えば、1重量%〜3重量%の、アンモニウムイオンの供給源などのアルカリ化剤を含んでもよい。
【0038】
pH
上記の染毛剤組成物は、7〜12、好ましくは、8〜11のpHを有してもよい。ペルオキシモノカーボネートイオンを含む実施形態については、pHは、好ましくは、最高でpH 9.5、及びpH 9.5を含み、より好ましくは、7.5〜9.5、なおより好ましくは、8.4〜9.5、最も好ましくは8.5〜9.4、例えば、9.0又は9.3である。
【0039】
色調剤組成物、又は酸化組成物などの染毛剤組成物の任意の下位成分は、染毛剤組成物とは異なるpHを有してもよい。例えば、色調剤組成物がアルカリ化剤を含む場合、色調剤組成物は、7より大きいpHなどのアルカリ性のpHを有してもよい。酸化組成物は、pH 7未満の酸性のpHを構成してもよい。
【0040】
染毛剤組成物のpHは、Mettler Toledo製MP220又はMP225 pH装置(実験室用標準pH電極を装着)を使用して測定することができる。装置は、毎回使用前に、較正用標準緩衝溶液及び標準較正手順を使用して較正される。
【0041】
所望によるキレート剤
染毛剤組成物にの使用に好適な所望によるキレート剤は、カルボン酸(特に、アミノカルボン酸)、及びホスホン酸(特に、アミノホスホン酸)、及びポリリン酸(例えば、直鎖ポリリン酸)であり、これらのキレート物質の塩並びに誘導体も含む。一般に、キレート剤は、典型的な酸化毛髪染色条件下でも、いかなる著しい程度までは毛髪に浸透しない。このように、キレート剤は、概して毛髪内部の色形成には影響しない。
【0042】
染毛剤組成物は、0.01%〜5%、いくつかの実施形態では、0.25%〜3%、ある特定の実施形態では、0.5%〜1%のキレート剤、これらの塩、これらの誘導体、又はこれらの混合物を含んでもよい。
【0043】
染毛剤組成物は、アミノカルボン酸キレート剤を含んでもよい。本明細書に定義したアミノカルボン酸キレート剤は、少なくとも1つのカルボン酸部分(−COOH)と、少なくとも1つの窒素原子とを有する、キレート剤である。本明細書の使用に好適なアミノカルボン酸キレート剤の例としては、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、エチレンジアミンジグルタル酸(EDGA)、2−ヒドロキシプロピレンジアミン二コハク酸(HPDS)、グリシンアミド−N,N’−二コハク酸(GADS)、エチレンジアミン−N−N’−ジグルタル酸(EDDG)、2−ヒドロキシプロピレンジアミン−N−N’−二コハク酸(HPDDS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジシステイン酸(EDC)、エチレンジアミン−N−N’−ビス(o−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ジアミノアルキルジ(スルホコハク酸)(DDS)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(HBED)、これらの塩、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0044】
本明細書の使用に好適な、他のアミノカルボン酸型キレート剤は、N−2−ヒドロキシエチルN,N二酢酸又はグリセリルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸−N−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸及びアスパラギン酸N−カルボキシメチルN−2−ヒドロキシプロピル−3−スルホン酸などのイミノ二酢酸誘導体、β−アラニン−N,N’−二酢酸、アスパラギン酸−N,N’−二酢酸、アスパラギン酸−N−一酢酸及びイミノ二コハク酸キレート剤、エタノールジグリシン酸、これらの塩並びにこれらの誘導体である。ジピコリン酸及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸もまた好適である。
【0045】
更なる実施形態では、染毛剤組成物は、0.1%〜5%のジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、及び0.1%〜5%のエチレンジアミン−N,N’−二コハク酸、及び0.1%〜5%のジエチレントリアミン五酢酸を含んでもよい。本明細書の使用に好ましいのは、エチレンジアミン−N,N’−二コハク酸(EDDS)、これらの誘導体、及びこれらの塩である。
【0046】
染毛剤組成物は、アミノ−ホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせから選択されるキレート剤を含んでもよい。アミノ−ホスホン酸型キレート剤は、アミノホスホン酸部分(−PO
3H
2)、又はその誘導体−PO
3R
2を含むキレート剤として定義され、式中R
2は、C
1〜C
6アルキル又はアリールラジカルである。
【0047】
本明細書の使用に好適なアミノホスホン酸型キレート剤は、アミノトリ−(1−エチルホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ−(1−エチルホスホン酸)、アミノトリ−(1−プロピルホスホン酸)、及びアミノトリ−(イソプロピルホスホン酸)である。本明細書の使用に好ましいキレート剤は、アミノトリ−(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMP)、及びジエチレン−トリアミン−ペンタ−(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、並びにこれらの混合物である。
【0048】
所望によるラジカルスカベンジャー
染毛剤組成物は、ラジカルスカベンジャー供給源を更に含んでもよい。本明細書で使用される場合、用語「ラジカルスカベンジャー」は、一連の速い反応によってラジカルを反応性のより少ない種、又は非反応性の種に転化するラジカル、例えば、炭酸ラジカルと反応することができる種を指す。
【0049】
本明細書の使用に好適なラジカルスカベンジャーは、米国特許第2011/0035885A1号及び米国特許第2011/0035886A1号で考察されているものなどのアルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸のエステル、ピラゾロン、及びこれらの混合物の部類から選択されてもよい。特に好ましい化合物は、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、1−アミノ−3−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オル、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オル、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リシン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、及びこれらの混合物、並びにこれらのカリウム、ナトリウム、及びアンモニウム塩などの塩、3−カルボキシ−1H−ピラゾール−5−オン、3−カルボキシ−1−フェニル−ピラゾール−5−オン、3−カルボキシ基−1−(4−スルホフェニル)−ピラゾール−5−オン、3−カルボキシ−1−(4−カルボキシフェニル)−ピラゾール−5−オン、及びこれらの混合物である。好ましい化合物は、グリシン、サルコシン、リジン、セリン、2メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペリジン、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール、及びこれらの混合物である。染毛剤組成物は、ラジカルスカベンジャーの0.1重量%〜10重量%、好ましくは、1重量%〜7重量%の染毛剤組成物を含んでもよい。
【0050】
所望によるコンディショニング剤
染毛剤組成物は、コンディショニング剤を含んでもよい。所望により、コンディショニング剤を含む別個のコンディショニング組成物を、染毛剤組成物の後に使用してもよい。好適なコンディショニング剤は、シリコーン材料、アミノシリコーン、脂肪アルコール、高分子樹脂、ポリオールとカルボン酸のエステル、カチオン性ポリマー、不溶性油及び油から誘導される材料、並びにこれらの混合物から選択される。追加の物質としては、鉱油及びその他の油、例えば、グリセリン及びソルビトールが挙げられる。特に有用なコンディショニング物質は、カチオン性ポリマーである。カチオン性ポリマー型のコンディショナーは、一級、二級、三級及び四級アミン基であって、ポリマー主鎖の一部を形成するか又はポリマー主鎖に直接結合する側鎖置換基に含まれることのあるアミン基から選択される少なくとも1つのアミン基の単位を含むものから選択することができる。シリコーンは、ポリアルキルシロキサン油、トリメチルシリル又はヒドロキシジメチルシロキサン末端基を含有する直鎖ポリジメチルシロキサン油、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルフェニルシロキサン又はポリジメチルジフェニルシロキサン油、シリコーン樹脂、その一般的構造中に、1つ又は多数の有機官能基(類)を有する有機官能シロキサン(同一又は異なり、シロキサン鎖に直接結合する)又はこれらの混合物から選択することができる。前記有機官能基は、ポリエチレンオキシ及び/又はポリプロピレンオキシ基、(過)フッ素化基、チオール基、置換又は非置換アミノ基、カルボキシレート基、ヒドロキシル化基、アルコキシル化基、クオタニウムアンモニウム基、両性及びベタイン基から選択される。シリコーンは、純流体として、又は予め形成される乳濁液の形態としてのいずれかで使用することができる。
【0051】
コンディショニング剤は、毛髪染色組成物又はコンディショニング組成物の0.1重量%〜15重量%などの、0.2重量%〜10重量%などの、0.2重量%〜2重量%などの、一般に毛髪染色組成物又はコンディショニング組成物の0.05重量%〜20重量%のレベルで使用されるであろう。
【0052】
所望によるポリマー増粘剤
本発明によれば、染毛組成物は、会合性ポリマー、多糖、非会合性ポリカルボン酸ポリマー、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのポリマーを含むポリマー増粘剤を含んでもよい。
【0053】
本明細書で使用されるように、「会合性ポリマー」という表現は、親水性ユニット及び疎水性ユニットの両方、例えば、少なくとも1つのC8〜C30脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性ユニット、を含む両親媒性ポリマーを意味する。会合性ポリマーは、互いに又は他の分子と可逆的に組み合わされる能力がある。使用され得る代表的な会合性増粘剤は、以下から選択される会合性ポリマーである。
(i)少なくとも1つの親水性ユニット及び少なくとも1つの脂肪鎖ユニットを含む非イオン性両親媒性物質ポリマー。(ii)少なくとも1つの親水性のユニット及び少なくとも1つの脂肪鎖ユニットを含むアニオン性の両親媒性ポリマー。
(iii)少なくとも1つの親水性ユニット及び少なくとも1つの脂肪鎖ユニットを含むカチオン性両親媒性ポリマー。
(iv)少なくとも1つの親水性ユニット及び少なくとも1つの脂肪鎖ユニットを含む両性両親媒性ポリマー。
【0054】
少なくとも1つの脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性ユニットを含む非イオン性両親媒性ポリマーは、例えば、以下から選択されてもよい。
(1)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基と変性されたセルロース、例えば、アルキル基、アルケニル基、及びアルキルアリール基から選択される少なくとも1つの脂肪鎖を含む基と変性されるヒドロキシエチルセルロース、
(2)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基と変性されるヒドロキシプロピルグアー、
(3)C8〜C30アルキル又はアルケニル基等、少なくとも1つの脂肪鎖を含むポリエーテルウレタン、
(4)ビニルピロリドン及び脂肪鎖疎水性モノマーのコポリマー、
(5)少なくとも1つの脂肪鎖を含む、C1〜C6アルキルアクリレート又はメタクリル酸及び両親媒性モノマーのコポリマー、
(6)少なくとも1つの脂肪鎖を含む、親水性アクリレート又はメタクリル酸及び疎水性モノマーのコポリマー。
【0055】
例えば、少なくとも1つの親水性ユニット及び少なくとも1つの脂肪鎖ユニットを含むアニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、ビニルカルボン酸ユニットである、エチレン系不飽和アニオン性モノマーユニットを含む少なくとも1つの脂肪鎖アリールエーテルユニット及び少なくとも1つの親水性ユニットを含むものから選択されてもよく、更に、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物に由来するユニットから選択されてもよく、脂肪鎖アリールエーテルユニットは、以下の式(III)のモノマーに対応し、式(III)は、
CH2=C(R1)CH2OBnR (III)
であり、R1は、H及びCH3から選択され、Bはエチレンオキシラジカルであって、nは、1〜100の範囲に及ぶゼロ及び整数から選択され、Rは、8〜30の炭素原子、及び、更に、例えば、10〜24の炭素原子、及び、更に、例えば、12〜18の炭素原子を含む、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリール、及びシクロアルキルラジカルから選択される、炭化水素系ラジカルから選択される。
【0056】
アニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、不飽和オレフィン性カルボン酸型の少なくとも1つの親水性ユニット、及び不飽和カルボン酸の(C8〜C30)アルキルエステル又は(C8〜C30)オキシエチレン化されたアルキルエステル等の型の少なくとも1つの疎水性ユニットを含むものから、更に選択されてもよい。不飽和オレフィン性カルボン酸型の親水性ユニットは、例えば、以下のモノマーの式(IV)に対応し、
CH2=C(R1)COOH(IV)
式中、R1は、H、CH3、C2H5、及びCH2COOH、つまり、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、及びイタコン酸ユニットから選択される。そして、不飽和カルボン酸の(C8〜C30)アルキルエステル又は(C8〜C30)オキシエチレン化されたアルキルエステルなどの型の疎水性ユニットは、例えば、以下のモノマーの式(V)に対応し、
CH2=C(R1)COOBnR2(V)
式中R1は、H、CH3、C2H5、及びCH2COOH(つまり、アクリレート、メタクリル酸、エタクリレート及びイタコン酸ユニット)から選択され、Bは、エチレンオキシラジカルであり、nは、ゼロ及び1〜100の範囲の整数から選択され、R2は、例えば、C12〜C22アルキルラジカルなどの、C8〜C30アルキルラジカルから選択される。
【0057】
使用することができる代表的なアニオン性両親媒性ポリマーを更に架橋してもよい。架橋剤は、以下の式(VI)の基を含むモノマーとすることができ、
CH2=C<(VI)
不飽和結合が相互に対して共役していない少なくとも1つの他の重合性基を有する。例えば、ポリアリールスクロース及びポリアリールペンタエリスリトール等のポリアリールエーテルが言及されてもよい。
【0058】
使用されるカチオン性両親媒性ポリマーは、例えば、アミノ基側を含む、四級化されたセルロース誘導体及びポリアクリレートから選択される。四級化されたセルロース誘導体は、例えば、少なくとも8つの炭素原子を含む、アルキル、アリールアルキル、及びアルキルアリール基等、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基と変性される四級化されたセルロース、及びこれらの混合物、少なくとも8つの炭素原子を含む、アルキル、アリールアルキル、及びアルキルアリール基等、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基と変性される四級化されたヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの混合物から選択される。上の四級化されたセルロース及びヒドロキシエチルセルロースによって生じたアルキルラジカルは、例えば、8〜30の炭素原子を含む。アリールラジカルは、例えば、フェニル、ベンジル、ナフチル、及びアンスリル基から選択される。
【0059】
少なくとも1つの親水性ユニット及び少なくとも1つの脂肪鎖ユニットを含む両性両親媒性ポリマーの中でも、アルキルラジカルが、例えば、ステアリールラジカルである、例えば、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物/アクリル酸/C8〜C30アルキルメタクリル酸コポリマーの言及が成されてもよい。
【0060】
本明細書の使用に好ましい会合性ポリマー増粘剤は、不飽和カルボン酸又はその誘導体である少なくとも1つの親水性ユニット、及び不飽和カルボン酸のC8〜C30アルキルエステル又はオキシエチレン化されたC8〜C30アルキルエステルである少なくとも1つの疎水性ユニットを含む。不飽和カルボン酸は、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸又はイタコン酸である。実施例は、Rohm & Haas社によって商品名Aculyn−22で販売されている材料、Noveon社によって商品名Permulen TR−1、Permulen TR−2、Carbopol 2020、Carbopol Ultrez−21で販売されている材料、並びにNational Starch社によって商品名Structure 2001及びStructure 3001で販売されている材料から作製することができる。本発明の高分子増粘系に用いるための別の好ましい会合性ポリマーとしては、ポリエーテルポリウレタン、例えば、Rohm and Haas社によって商品名Aculyn−44及びAculyn−46で販売されている物質が挙げられる。本明細書の使用に好ましい別の会合性ポリマーは、少なくとも1つのC8〜C30脂肪鎖を含む基で変性されたセルロース、例えば、Aqualon社により販売されている製品Natrosol Plus Grade 330CSである。
【0061】
本明細書で使用するための非会合性架橋ポリカルボン酸ポリマーは、例えば、以下のものから選択することができる:
(i)架橋アクリル酸ホモポリマー、
(ii)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸と、C1〜C6アルキルアクリレート又は(メタ)アクリレートとのコポリマー。
【0062】
好ましいポリマーは、Noveon社によって名称Carbopol 980、981、954、2984、5984で販売されている製品、又は3V Sigma社によって名称Synthalen M、Synthalen L、及びSynthalen Kで販売されている製品、又はRohm and Haas社によって名称Aculyn−33で販売されている製品である。
【0063】
本明細書に用いる多糖は、グルカン、改質及び未改質でんぷん(例えば、穀物(例:小麦、とうもろこし又は米)、野菜(例:エンドウマメ(yellowpea)及び塊茎(ジャガイモ又はキャッサバ(cassaya)))に由来するもの、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース及びこれらの誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース)、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸及びペクチン、アルギン酸及びアルギン酸塩、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、グリコサミノグリカン、アラビアガム、トラガカントガム、ガッチガム、カラヤガム、キャロブガム、ガラクトマンナン、例えば、グアーガム、並びにこれらの非イオン性誘導体(ヒドロキシプロピルグアー)、並びにバイオ多糖、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカン、サクシノグリカン、並びにこれらの混合物から選択される。
【0064】
例えば、好適な多糖類は、「Encyclopedia of Chemical Technology」,Kirk−Othmer,Third Edition,1982,volume 3,pp.896〜900、及びvolume 15,pp.439〜458、in「Polymers in Nature」by E.A.MacGregor and C.T.Greenwood,published by John Wiley & Sons,Chapter 6,pp.240〜328,1980、及び「Industrial Gums−Polysaccharides and their Derivatives」,edited by RoyL.Whistler,Second Edition,published by Academic Press Inc.、に記載され、これら3つの出版物の内容は参照により組み込まれる。
【0065】
多糖は、好ましくはバイオ多糖、特に好ましくはキサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカン又はサクシノグリカン、例えばKelco社によって名称Keltrol(登録商標)Tで販売されている材料、及びRhodia Chimie社によって名称Rheozan(登録商標)で販売されている材料から選択されるバイオ多糖である。
【0066】
別の好ましい多糖類は、ヒドロキシプロピルデンプン誘導体であり、特に好ましいのはヒドロキシプロピルデンプンホスフェート、例えば、National Starch社によって名称Structure XL(登録商標)で販売されている物質である。
【0067】
本明細書の使用に好適な耐塩性増粘剤としては、キサンタン、グアー、ヒドロキシプロピルグアー、スクレログルカン、メチルセルロース、エチルセルロース(AQUACOTE(商標)として入手可能)、ヒドロキシエチルセルロース(NATROSOL(商標))、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(KLUCEL(商標)として入手可能)、ヒドロキシエチルエチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース(NATROSOL(商標)Plus 330として入手可能)、N−ビニルピロリドン(POVIDONE(商標)として入手可能)、アクリレート/セテス−20イタコネートコポリマー(STRUCTURE(商標)3001として入手可能)、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(STRUCTURE(商標)ZEAとして入手可能)、ポリエトキシレート化ウレタン又はポリカルバミルポリグリコールエステル(例えば、PEG−150/デシル/SMDIコポリマー(ACULYN(商標)44として入手可能)、PEG−150/ステアリール/SMDIコポリマー(ACULYN(商標)46として入手可能)、トリヒドロキシステアリン(THIXCIN(商標)として入手可能)、アクリレートコポリマー(例えば、ACULYN(商標)33として入手可能)又は疎水変性アクリレートコポリマー(例えば、アクリレート/ステアレス−20メタクリル酸コポリマー(ACULYN(商標)22として入手可能)、アクリレート/ステアレス−20メタクリル酸クロスポリマー(ACULYN(商標)88として入手可能)、アクリレート/ビニルネオデカン酸クロスポリマー(ACULYN(商標)38として入手可能)、アクリレート/べへネス−25メタクリル酸コポリマー(ACULYN(商標)28として入手可能)、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー(Carbopol(登録商標)ETD 2020として入手可能)、少なくとも1つの脂肪鎖、及びセテス−10リン酸、ジ−セチルリン酸、及びセテアリールアルコールのブレンド(CRODAFOS(商標)CESとして入手可能)を含むポリエーテルウレタンから選択される、少なくとも1つの脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性ユニットを含む非イオンの両染性ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
所望による界面活性剤
本発明による組成物は、1つ以上の界面活性剤を含んでもよい。本明細書の使用に好適な界面活性剤は、概して、8〜30の炭素原子の親油性の鎖の長さを有し、アニオン性、非イオン性、両性及びカチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択することができる。一実施形態では、界面活性剤の合計レベルは、1重量%〜60重量%、又は2重量%〜30重量%、又は8重量%〜25重量%、又は10重量%〜20重量%である。
【0069】
本発明の組成物は、好ましくは、アニオン性及び両性界面活性剤と1つ以上の非イオン性界面活性剤との混合物を含む。アニオン性構成成分は、組成物の0.1重量%〜20重量%、好ましくは、0.1重量%〜15重量%、そしてより好ましくは、5重量%〜15重量%の範囲で存在してもよく、両性又は非イオン性構成成分は、0.1重量%〜15重量%、好ましくは、0.5重量%〜10重量%、より好ましくは、1重量%〜8重量%の範囲で独立に存在する。
【0070】
単独で又は混合物として使用することができるアニオン性界面活性剤の例は、例えば、以下の組成物、すなわちアルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルアリールポリエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、a−オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホサクシネート、アルキルアミドスルホサクシネート、アルキルスルホスクシナメート、アルキルスルホアセテート、アルキルエーテルリン酸塩、アクリルサルコシネート、アシルイセチオネート及びN−アシルタウレートの塩(例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩及びマグネシウム塩などのアルカリ塩などの)に対して言及がなされてもよい。全てのこれらの種々の化合物のうちのアルキル又はアシルラジカルは、例えば、8〜24の炭素原子を含み、アリールラジカルは、例えば、フェニル及びベンジル基から選択される。使用することができるアニオン性界面活性剤の中で、オレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸及びステアリン酸、ココナッツ油酸又は水素添加ココナッツ油酸の塩、8〜20の炭素原子を含むアシルラジカルにおけるアシルラクチレート等の脂肪酸塩も言及されてもよい。アルキル−D−ガラクトシドロン(galactosiduronic)酸及びそれらの塩、同様に、ポリオキシアルキレン化(C
6〜C
24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C
6〜C
24)アルキルアリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C
6〜C
24)アルキルアミドエーテルカルボン酸、及びそれらの塩、例えば、2〜50のエチレンオキシド基から含まれるそれら、及びこれらの混合物等の弱アニオン性界面活性剤がまた、使用することができる。例えば、アルキルポリグルコシドのカルボキシアルキルエーテル等の多糖類のアニオン性誘導体も使用することができる。
【0071】
非イオン性界面活性剤は、(例えば、これに関してはM.R.Porterによる「Handbook of Surfactants」,Blackie & Son(Glasgow and London)により出版された,1991,pp.116〜178を参照)よく知られる化合物である。非イオン性界面活性剤は、例えば、8〜18の炭素原子を含む脂肪酸を含む、ポリエトキシレート化されポリプロポキシル化され、及びポリグリセロール化された脂肪酸、アルキルフェノール、α−ジオール、及びアルコールから選択することができ、数多くのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド基にとって、例えば、2〜200の範囲に及ぶこと、数多くのグリセロール基にとって、例えば、2〜30の範囲に及ぶこと、が可能である。エチレンオキシドのコポリマー及びプロピレンオキシドのコポリマー、脂肪族アルコールを伴うエチレンオキシドの凝縮物及びプロピレンオキシドの凝縮物、2〜30molのエチレンオキシド及びそれらのモノエタノールアミン、及びジエタノールアミン誘導体を好ましくは有するポリエトキシレート化された脂肪アミド、例えば、平均1〜5であり、1.5〜4などのグリセロール基を含むポリグリセロール化された脂肪アミド、2〜30molのエチレンオキシドを含むものなどのポリエトキシレート化された脂肪アミド、2〜30molのエチレンオキシドを有するソルビタンのオキシエチレン化された脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコサイド、N−アルキルグルカミン誘導体、(C
10〜C
14)アルキルアミンオキシド又はN−アシルアミノプロピルモルホリンオキシドなどのアミンオキシドも言及がなされてもよい。
【0072】
両性界面活性剤は、例えば、脂肪族ラジカルが8〜22の炭素原子を含む直鎖及び分枝鎖から選択され、かつ少なくとも1つの水溶性のアニオン性基(例えば、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネート)からなる、脂肪族の二級及び三級アミン誘導体から、選択することができ、(C
8〜C
20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
1〜C
6)アルキルベタイン、又は(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
1〜C
6)アルキルスルホベタインも言及がなされてもよい。
【0073】
アミン誘導体の中でも、例えば、米国特許第2,528,378号、及び同第2,781,354号に記載され、R
2−CON HCH
2CH
2−N
+(R
3)(R
4)(CH
2COO
-)の構造を有し、式中R
2は、加水分解されたココナッツ油、並びにヘプチル、ノニル、及びウンデシルラジカルにおいて存在する酸、R
2−COOHに由来するアルキルラジカルから選択され、R
3は、β−ヒドロキシエチル基であり、R
4は、R
5−CONHCH
2CH
2−N(B)(C)のカルボキシメチル基であり、式中、Bは、−CH
2CH
2OX’を表し、Cは、−(CH
2)
z−Y’を表し、z=1又は2で、X’は、−CH
2CH
2−COOH基及び水素原子から選択され、Y’は、−COOH及び−CH
2−CHOH−SO
3Hラジカルから選択され、R
5は、ココナッツ油、又は加水分解された亜麻仁油、C
7、C
9、C
11、及びC
13アルキルラジカル、C
17アルキルラジカル及びそのイソ形状ラジカル、及び不飽和C
17ラジカルなどのアルキルラジカルに存在する酸、R
5−COOHのアルキルラジカルから選択される、Miranolという名の下に販売される製品に言及がなされてもよい。これらの化合物は、CTFA dictionary,5th edition,1993において、二ナトリウムココアンホジアセテート、二ナトリウムラウロアンホジアセテート(disodium lauroamphodiacetate)、二ナトリウムカプリルアンホジアセテート(disodium caprylamphodiacetate)、二ナトリウムカプリロアンホジアセテート(disodium capryloamphodiacetate)、二ナトリウムココアンポジプロピオネート(disodium cocoamphodipropionate)、二ナトリウムラウロアンポジプロピオネート(disodium lauroamphodipropionate)、二ナトリウムカプリルアンポジプロピオネート(disodium caprylamphodipropionate)、二ナトリウムカプリロアンポジプロピオネート(disodium capryloamphodipropionate)、ラウロアンポジプロピン(lauroamphodipropionic)酸、及びココアンポジプロピン(cocoamphodipropionic)酸の名の下に分類される。ジエチルアミノプロピルココアスパルタミド(diethyl aminopropyl cocoaspartamid)の塩も、使用することができる。
【0074】
カチオン性界面活性剤は、以下のA)四級アンモニウム塩の一般式(VII)から選択されてもよい。
【0075】
【化4】
式中、X
-は、メチル硫酸塩、リン酸塩、アルキル、及びアルキルアリールスルホン酸塩などのハロゲン化物(塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、(C
2〜C
6)アルキルサルフェートから選択されるアニオンであり、アニオンは、酢酸及び乳酸等の有機酸に由来し、
i)ラジカルR
1〜R
3は、同一であっても又は異なっていてもよく、1〜4の炭素原子、及びアリール及びアルキルアリール等の芳香性ラジカルを含む直鎖及び分枝鎖の脂肪族ラジカルから選択される。脂肪族ラジカルは、酸素、窒素、硫黄、及びハロゲンなどの少なくとも1つのヘテロ原子を含むことができる。脂肪族ラジカルは、例えば、アルキル、アルコキシ、及びアルキルアミドラジカルから選択され、
R
4は、16〜30個の炭素原子を含む、直鎖及び分枝鎖アルキルラジカルから選択される。
【0076】
カチオン性界面活性剤は、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化物)である。
ii)R
1及びR
2のラジカルは、同一であっても又は異なっていてもよく、1〜4の炭素原子、及びアリール及びアルキルアリール等の芳香性ラジカルを含む直鎖及び分枝鎖の脂肪族ラジカルから選択される。脂肪族ラジカルは、酸素、窒素、硫黄、及びハロゲンなどの少なくとも1つのヘテロ原子を含むことができる。脂肪族ラジカルは、例えば、1〜4の炭素原子を含むアルキル、アルコキシ、アルキルアミド及びヒドロキシアルキルラジカルから選択され、R
3及びR
4は、同一であっても又は異なっていてもよく、12〜30の炭素原子を含む直鎖及び分枝鎖のアルキルラジカルから選択され、前記アルキルラジカルは、エステル及びアミド官能性から選択される少なくとも1つの官能性を含む。
R
3及びR
4は、例えば、(C
12〜C
22)アルキルアミド(C
2〜C
6)アルキル及び(C
12〜C
22)アルキル酢酸塩ラジカルから選択される。カチオン性界面活性剤は、例えば、ジセチルジメチルアンモニウム塩(例えば、塩化物)であり、
B)−以下の式(VIII)などのイミダゾリニウムの四級アンモニウム塩であり、
【0077】
【化5】
式中、R
5は、例えば、タローの脂肪酸誘導体等の8〜30の炭素原子を含むアルケニル及びアルキルラジカルから、選択され、
R
6は、水素原子、C
1〜C
4アルキルラジカル、並びに8〜30個の炭素原子を含むアルケニル及びアルキルラジカルから選択され、R
7は、C
1〜C
4アルキルラジカルから選択され、R
8は、水素原子及びC
1〜C
4アルキルラジカルから選択され、X
-は、ハロゲン化物、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、及びアルキルアリールスルホン酸塩から選択されるアニオンである。
一実施形態では、R
5及びR
6は、例えば、タローの脂肪酸誘導体等などの12〜21個の炭素原子を含むアルケニル及びアルキルラジカルから選択されるラジカルの混合物であり、R
7は、メチルであり、R
8は、水素である。かかる製品は、例えば、Quaternium−27(CTFA 1997)又はQuaternium−83(CTFA 1997)などであり、「Rewoquat(登録商標)」W75、W90、W75PG、及びW75HPGの名の下でWitco社によって販売されており、
C)−式(IX)のジ四級アンモニウム塩であって、
【0078】
【化6】
(式中、R
9は、16〜30の炭素原子を含む脂肪族ラジカルから選択され、
式中、R
10、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、同一であっても又は異なっていてもよく、1〜4の炭素原子を含む水素及びアルキルラジカルから選択され、
X
-は、ハロゲン化物、酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩、及びメチル硫酸塩から選択されるアニオンである。かかるジ四級アンモニウム塩は、例えば、プロパンタロージアンモニウム二塩化物を含み、
D)−以下の式(X)の少なくとも1つのエステル官能性を含む四級アンモニウム塩であって、
【0079】
【化7】
式中、
R15は、C1〜C6アルキルラジカル及びC1〜C6ヒドロキシアルキル及びジヒドロキシアルキルラジカルから選択され、R16は、R19C(O)−ラジカル、直鎖及び分枝鎖の飽和の及び不飽和のC1〜C22炭化水素系ラジカルであるR20、及び水素原子から選択され、R18は、R21C(O)−ラジカル、直鎖及び分枝鎖の飽和及び不飽和のC1〜C6炭化水素系ラジカルであるR22、及び水素原子から選択され、同一であっても又は異なっていてもよいR17、R19、及びR21は、直鎖及び分枝鎖の飽和及び不飽和のC7〜C21炭化水素系ラジカルから選択され、同一であっても又は異なっていてもよいn、p、及びrは、2〜6の範囲の整数から選択され、yは、1〜10の範囲の整数から選択され、同一であっても又は異なっていてもよいx及びzは、0〜10の範囲の整数から選択され、X−は、単純なアニオン及び錯アニオン、有機及び無機のアニオンから選択されるアニオンであり、x+y+zの合計が1〜15という条件の下で、xが0のとき、R16はR20で、zが0のとき、R18はR22である。
【0080】
一実施形態では、式(X)のアンモニウム塩を使用することができ、式中、R15は、メチルラジカル及びエチルラジカルから選択され、x及びyは、1に等しく、zは、0又は1に等しく、n、p、及びrは、2に等しく、R16は、R19C(O)−ラジカル、メチル、エチル、及びC14〜C22炭化水素系ラジカル、及び水素原子から選択され、同一であっても又は異なっていてもよいR17、R19、及びR21は、直鎖及び分枝鎖の飽和及び不飽和のC7〜C21、炭化水素系ラジカルから選択され、R18は、R21C(O)−ラジカル及び水素原子から選択される。かかる化合物は、例えば、Cognis社によってDehyquartの名の下で、Stepan社によってStepanquatの名の下で、Ceca社によってNoxamiumの名の下で、及びRewo−Witco社によってRewoquat WE 18の名の下で販売されている。
【0081】
使用方法
染毛剤組成物は、通常、別個の容器などの個別に包装された構成要素内の、酸化染料前駆体と、所望による好適な担体中のアルカリ化剤とを含む色調剤組成物(エマルションについては「染料クリーム」又は溶液については「染料液」とも呼ばれる)、並びに酸化剤を含む酸化剤組成物(同様にエマルションについては「過酸化水素クリーム」又は溶液については「過酸化水素液」とも呼ばれる)を含むキットで販売される。消費者は、使用の直前に色調剤組成物と酸化組成物とを一緒に混合し、毛髪染色組成物を形成し、この毛髪染色組成物を毛髪に塗布する。色調剤組成物が固体の形態で提供され、毛髪への塗布の前に液体酸化組成物と混合される、代替的な実施形態も利用されてもよい。
【0082】
色調剤及び酸化組成物は、互いに独立して調製されてもよく、薄い液体又は薄いクリームと呼ばれる。典型的には薄いタイプの液体は、1000cPs未満の粘度を有する。構成成分の部分を混合すると、結果として生じる毛髪染色又は漂白組成物は、好ましくは、1000〜60000cPs、より好ましくは、2000〜30000cPsそして最も好ましくは3000〜25000cPsの粘度を有する。粘度は、円錐及び平板付属品付きのBrookfield粘度計を使用して測定される。0〜12000cPsの範囲の粘度では、S42平板付きのBrookfield DV−11粘度計を使用する。2mLの組成物の試料は、1rpmで読み取りを行う前に、26.7℃で3分間平衡化される。12,000〜60,000cPsの範囲の粘度では、S52平板付きのBrookfield DV−1粘度計を使用する。0.5mLの組成物の試料は、1rpmで読み取りを行う前に、26.7℃で1分間平衡化される。
【0083】
染毛剤組成物の毛髪への塗布は、いくつかの方法で行われる場合がある。染毛剤組成物の塗布は、エンドユーザの頭全体の毛髪に行われる場合がある。「頭全体の毛髪」によって、毛髪の根本から毛髪の先端まで頭部全体にわたる毛髪が塗布プロセスに含まれることを意味する。対照的に、染毛剤組成物の塗布を、毛髪の根本部分に行ってもよい。毛髪の根本部分への塗布は、エンドユーザの頭部全体にわたって行ってもよいが、染毛剤組成物の塗布は、頭皮から0.01mmと4mmとの間である、頭に最も近い毛髪の部分(根本部分)にのみ塗布される。また、塗布は、毛髪の一部に対して行ってもよい。毛髪の一部に対する塗布は、ハイライティング又はローライティングと一般的に呼ばれる。毛髪の一部は、毛束で、すなわち頭全体の毛髪よりも少ない毛髪の一部で、頭全体の毛髪から物理的に分離されてもよい。毛束は、プラスチックキャップにおける開口部を通して毛髪を引っ張ったときに毛束が形成されるプラスチックキャップ、毛束を包む金属箔、根本部分で毛髪に適用される毛房分離器、又は類似の装置を含む装置によって、毛髪全体から物理的に分離されてもよい。
【0084】
存在する場合、追加のコンディショニング剤を第3の容器内に提供することができる。後者の場合、3つの組成物全てを使用直前に混合し、一緒に塗布するか、又は第3の容器中の内容物は、染毛剤組成物の直後の後処置として(所望による濯ぎ工程の後に)、塗布することができる。
【0085】
酸化的に毛髪を染色するための1つの方法によれば、方法は、染毛剤組成物を形成するように色調剤組成物と酸化組成物とを一緒に混合する工程と、染毛剤組成物を毛髪に塗布する工程と、20〜30分間などのように、5〜45分間の時間待つ工程と、次いで、毛髪から染毛剤組成物を取り出す工程と、を含む。
【0086】
最終毛髪色が5〜45分間の時間で発現する間、染毛剤組成物は毛髪上に留まる。次に、消費者は、自分の毛髪を水道水で十分にすすぎ、毛髪を乾燥させ、整髪する。
【0087】
この方法のために、第1の組成物(色調剤組成物)のために1つの容器、及び第2の組成物(酸化組成物)のために1つの容器を含むキットを、有利に使用することができる。所望により、第3の組成物、モノエタノールアミン(MEA)などのアルカリ剤、を含んでもよい。キットは、染毛剤組成物の混合及び塗布のための使用説明書を更に含む。キットは、ミキシングボウル、塗布装置、分注デバイス(dispensing device)、手袋、毛房分離器(hair-strand separator)、及びこれらの物体の任意の組み合わせなどの物体を更に含んでもよい。キットは、コンディショニング剤を含む組成物のための追加的な容器も含んでもよい。
【0088】
一実施形態では、毛髪着色剤キットは、(i)酸化剤を含む個別に包装された酸化組成物と、(ii)個別に包装された色調剤組成物と、を含んでもよい。個別に包装された色調剤組成物は、(a)2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンと、(b)2−メトキシメチル−1,4−ジアミノベンゼン顕色剤と、を含んでもよい。酸化剤は、例えば、過酸化水素、無機又は有機アルカリ金属過酸化物、無機過水和物塩、アルキル及びアリール過酸化物、及び又はペルオキシダーゼ、オキシダーゼ、並びにウリカーゼ並びにそれらの基質、過炭酸塩、過硫酸塩、ペルオキシモノカーボネートなどの、上記の酸化剤の何れかから選択されてもよい。所望により、色調剤組成物は、アンモニア及びアンモニウム塩並びにアルカノールアミン及びそれらの塩などのアルカリ化剤を含んでもよい。
【0089】
染毛剤組成物は、様々なパッケージング及び分注デバイスで使用されてもよい。これらの分注デバイスは、独立して使用されてもよく、又は互いに組み合わせて使用されてもよい、分離したデバイスの形態で実現することができる。典型的には、染毛剤組成物は、色調剤組成物と酸化組成物とを使用前に互いに別々に保管することができるように、別個の単独区画容器又は複数区画容器内に収容される。色調剤組成物と酸化組成物とは、ミキシングボウル内、又は分注デバイス(スクイーズボトル、しぼり出し式フォーマー、ポンプ式フォーマー、及び同様のものなどの)内で一緒に混合され、次いで、分注デバイスから分注された後、道具(ブラシ、櫛、又は同様のもの)を介して、又は手で消費者の毛髪に塗布される。
【0090】
別のパッケージングデバイスは、界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、キレート剤、増粘剤、及び/又はポリマーを含むが、これに限らない、任意の追加的な成分とともに酸化構成成分と色調剤構成成分とを、ボトル又は成分が粉末状の形態で、かつ無水の条件では袋内に保存することを含み、毛髪染色組成物は、規定された量の水を追加することにより活性化される。
【0091】
最も一般的なパッケージングデバイスは、酸化組成物をボトル、チューブ、しぼり出し式フォーマー、ポンプ式フォーマー、又は袋などの容器内に保存し、かつ色調剤組成物をボトル、チューブ、又は袋などの追加的なパッケージ内に分離して保存することを含む。
【実施例】
【0092】
テストされた染毛剤組成物は、下記の表1の処方による色調剤組成物を、1:1の割合で酸化構成成分と混合することによって処方された。酸化構成成分は、6%(20vol)過酸化物濃度の市販されているWELLOXON(登録商標)顕色剤である。すべてのテストでは、毛髪の房(白色、褐色、及び黒とグレーの混合)が使用された(1.5gの房)。それぞれの房に、3gの色調剤組成物と3gの酸化組成物とが、30℃で30分間塗布された。この房を、30秒間のシャンプーを含み2分間濯いだ。
【0093】
【表1】
【0094】
染毛剤組成物の明度を確かめるために、白色毛髪の材料見本が使用されてもよい。知覚される色効果は、2つの追加的な材料見本の特性から更に顕著である場合がある。毛髪を濯ぎ、乾燥した後、Minoltaの光分析装置3700dを使用して、房の色を測定した。
【0095】
光分析装置からのデータは、L
*a
*b
*色空間及びLCh色空間の両方に座標を提供する。L
*a
*b
*色空間及びLCh色空間の両方で、L
*値は、0〜100のスケール上での照度を指し、より低い値はより暗い色を示す。L
*a
*b
*色空間では、a
*座標は、赤色と緑色との間の位置を指定し、より高い数は、より赤色の色合いを示し、より低い数はより緑色の色合いを表す。b
*座標は、黄色と青色との間の位置を指定し、より高い数は、より黄色の色合いを示し、より低い数は、より青色の色合いを表す。LCh色空間では、Cの値は彩度を表し、より高い値は、より深い、より明るい色を示し、より低い値は、より浅い、より鈍い色を示す。LCh空間内のCの値は、C=[(a
*)
2+(b
*)
2]
1/2の関係によって、L
*a
*b
*空間内のa
*及びb
*に相関する。LCh空間内のh座標は、色相角を表し、ここで色は、0°〜の360°角度の値として表される。
【0096】
2−メトキシメチル−1,4−ベンゼンジアミンと組み合わせた2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンを含有する染毛剤組成物と、比較対象の2つの代替的な1−4−ジアミン(p−トルエンジアミン)染毛剤組成物との間の差異は、L
*、a
*、b
*、並びにC及びhの値から判定され、これにより、ΔL
*、Δa
*、Δb
*、及びΔCのいずれかの負の値は、別の2つの代替的な1−4−ベンゼンジアミン材料を含有する染毛剤組成物よりも、2−メトキシメチル−1,4−ベンゼンジアミンを含有する染毛剤組成物において、より低い値であることを表す。記載されるように、調製された染毛剤組成物に対する色データは、表2〜4に要約される。
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
表2の白色毛髪上の色データによると、2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンと2−メトキシメチル−1,4−ベンゼンジアミンとの組み合わせを含むそれぞれの酸化染毛剤組成物は、2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンとp−トルエンジアミンとの組み合せで得られるレッド−バイオレットと比較して、より望ましいバイオレットにより近い色相値を呈する。表3の褐色毛髪に対する色データは、白色毛髪からのデータと一致し、ここでサンプルは、概して改善されたバイオレット色から生じる色効果を示した。表4の50%ブレンドグレー毛髪からの色データも、2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエンと2−メトキシメチル−1,4−ベンゼンジアミンとの組合せを含有する組成物でのより良好なバイオレット色の色効果を示した。異なる毛髪色上の処方にわたって色効果は変化するが、一般に、毛髪着色剤処方は、特定の消費者の毛髪色上での使用のために合わせられる場合があることが理解されるであろう。このように、色効果の観点で顕著な性能指数は、必ずしもすべてのタイプの毛髪についてではなく、少なくとも1つのタイプの毛髪についての色効果の現実化である。
【0101】
別段に定義されていない限り、本明細書において使用されるすべての技術的用語及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者に共通に理解されるものと同じ意味を有している。本明細書において説明に使用される用語は、単に特定の実施形態を記載するためであり、限定されるものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに示さない限り、同様に複数形を含むものとする。
【0102】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「独立して、から選択される」とは、文章の前後関係が別途明らかに指示しない限り、参照された群が同一、異なる、又はそれらの混合であり得ることを意味するものとする。従って、この定義の下で、表現「X
1、X
2、及びX
3は、独立して希ガスから選択される」とは、X
1、X
2、及びX
3は全て同一である場合、X
1、X
2、及びX
3が全て異なる場合、並びにX
1及びX
2が同一であるがX
3が異なる場合のシナリオを含むことになる。
【0103】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0104】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てを本明細書中に参照により組み込まれる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0105】
特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明であることになる。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。