【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0008】
手段1.略矩形板状の底壁部と、前記底壁部の各側辺部からそれぞれ上方に延出する側壁部とを備え、少なくとも1つの前記側壁部の外面に対してICタグが取付けられる箱型容器において、
前記ICタグが取付けられる前記側壁部は、ベース壁部と、前記ICタグが取付けられる取付面を有し、前記ベース壁部から外方に突出形成されて、前記取付面を前記ベース壁部の外面よりも外方に位置させる取付台と、前記取付面を囲むようにして当該取付面の周縁部から外方に突出する保護部とを備え、
前記取付面に対して前記ICタグが略当接状態で取付けられるとともに、前記保護部の突出方向先端部は前記取付面に取付けられた前記ICタグよりも前記側壁部の外方に位置しており、
前記側壁部同士を上下に重ねるようにして折り畳み可能であり、
前記側壁部は、相対する一対の第1側壁部と、相対する一対の第2側壁部とを備え、前記第1側壁部を略水平方向に延びるようにして畳んだ状態とすることで、前記第2側壁部を略水平方向に延びるようにして畳むことのできる構成であって、
前記第2側壁部のうち少なくとも一方において前記取付台が設けられるとともに、
前記取付台は、前記保護部と、前記ベース壁部とを連結する枠状の連結壁部とを備え、
前記連結壁部は、前記取付台の突出方向先端側に向けて縮径するテーパ状をなしていることを特徴とする箱型容器。
【0009】
手段1によれば、取付台を設けることによって、取付面に取付けられたICタグをベース壁部の外面よりも外方に位置させることができる。これにより、ICタグを箱型容器に収容されている物品から極力遠ざけることができる。このため、例えば、箱型容器に対して、液体が充填されたパックや金属部品等が収容されている場合に、かかる収容物がICタグとの通信に悪影響を及ぼしてしまうといった事態を抑制することができる。
【0010】
また、取付台を設けることによって、ICタグがベース壁部の外面よりも外方に位置されるため、ICタグが別部材に接触して、損傷したり、捲れたりするおそれが高まる。この点、本手段では、取付面を囲むようにして当該取付面に取付けられたICタグよりも外方に突出する保護部が設けられている。従って、ICタグに対して別部材が接触してしまうといった事態を抑制することができ、ICタグをより確実に保護することができる。
【0011】
さらに、本手段では、側壁部に対してICタグが直接当接状態で取付けられている。このため、ICタグを側壁部に取付けるためにはICタグを別部材に取付けてから当該別部材を側壁部に取付ける必要があるような構成に比べ、取付作業性の向上、コストの削減等を図ることができる。尚、ICタグの取付面への取付方法は特に限定されるものではなく、例えば、ICタグに接着面を形成してかかる接着面を取付面に貼着する、ICタグを取付面に当接させた状態で、ICタグに被せるようにしてラミネートシールを貼着する等が挙げられる。
また、第1側壁部の回動に際して、第1側壁部の側面が連結壁部の内周面に接触したとしても、第1側壁部がかかる内周面によって案内されることとなり、第1側壁部の回動変位をそのままスムースに行うことができる。
【0012】
手段2.前記取付面には、前記ICタグのうちICチップに対応する部位との接触を回避可能な凹状、又は、孔状の接触回避部が形成されていることを特徴とする手段1に記載の箱型容器。
【0013】
手段2によれば、たとえICタグが押圧されたとしても、ICタグのうちICチップに対応する部位と取付面とが圧接し、ICチップが押し潰されてしまうといった事態を回避することができる。尚、ICチップは必ずしもICタグの一般面よりも突出していなくてもよい。当該構成においても、ICチップに対応する部位と、接触回避部とを位置合わせすることで、所定の要因によりICタグが取付面側に圧迫されても、ICチップが取付面に圧接されてしまうといった事態を回避することができることから、上記作用効果が十分に奏される。
【0014】
手段3.前記ICタグは、ICチップが搭載されるシート状の基部を備え、
前記取付面には、前記基部の外寸とほぼ同じ大きさの凹状をなし、前記基部の少なくとも内面を内側に収容可能な位置決め凹部が形成されていることを特徴とする手段1又は2に記載の箱型容器。
【0015】
手段3によれば、ICタグの位置ずれをより確実に防止できる上、ICタグの取付作業性の向上をも図ることができる。尚、手段2に対応しては、ICタグの基部と、位置決め凹部とで位置決めが行われることによって、ICチップと接触回避部とをより確実に位置合わせすることができる。
【0016】
手段4.略矩形板状の底壁部と、前記底壁部の各側辺部からそれぞれ上方に延出する側壁部とを備え、少なくとも1つの前記側壁部の外面に対してICタグが取付けられる箱型容器において、
前記ICタグが取付けられる前記側壁部は、ベース壁部と、前記ICタグが取付けられる取付面を有し、前記ベース壁部から外方に突出形成されて、前記取付面を前記ベース壁部の外面よりも外方に位置させる取付台と、前記取付面を囲むようにして当該取付面の周縁部から外方に突出する保護部とを備え、
前記取付面に対して前記ICタグが略当接状態で取付けられるとともに、前記保護部の突出方向先端部は前記取付面に取付けられた前記ICタグよりも前記側壁部の外方に位置しており、
前記取付面には、前記ICタグのうちICチップに対応する部位との接触を回避可能な凹状、又は、孔状の接触回避部が形成されているとともに、
前記ICタグは、ICチップが搭載されるシート状の基部を備え、
前記取付面には、前記基部の外寸とほぼ同じ大きさの凹状をなし、前記基部の少なくとも内面を内側に収容可能な位置決め凹部が形成されており、
前記接触回避部は、前記位置決め凹部内に形成されて
おり、
前記接触回避部は、前記位置決め凹部の中央部を中心とした点対称位置に2つ形成されていることを特徴とする箱型容器。
手段4によれば、ICタグの基部と、位置決め凹部とで位置決めが行われることによって、ICチップと接触回避部とをより確実に位置合わせすることができる。
また、ICタグの向きを上下反対に取付けても、ICチップがどちらかの接触回避凹部に収容されることとなる。
【0017】
手段5.略矩形板状の底壁部と、前記底壁部の各側辺部からそれぞれ上方に延出する側壁部とを備え、少なくとも1つの前記側壁部の外面に対してICタグが取付けられる箱型容器において、
前記ICタグが取付けられる前記側壁部は、
ベース壁部と、
前記側壁部の内面よりも外方に位置し、前記ICタグが取付けられる取付壁と、
前記取付壁よりも外方に位置する保護部とを備え、
前記取付壁に対して前記ICタグが略当接状態で取付けられるとともに、前記保護部のうち前記側壁部の外方側の端部は前記取付壁に取付けられた前記ICタグよりも前記側壁部の外方に位置しており、
前記側壁部同士を上下に重ねるようにして折り畳み可能であり、
前記側壁部は、相対する一対の第1側壁部と、相対する一対の第2側壁部とを備え、前記第1側壁部を略水平方向に延びるようにして畳んだ状態とすることで、前記第2側壁部を略水平方向に延びるようにして畳むことのできる構成であって、
前記第2側壁部のうち少なくとも一方において前記取付壁が設けられるとともに、
前記取付壁と、前記ベース壁部との間には枠状の連結壁部が設けられ、
前記連結壁部は、前記側壁部の外方側又は内方側に向けて縮径するテーパ状をなしていることを特徴とする箱型容器。
【0018】
手段
5によれば、取付壁に取付けられたICタグが、側壁部の内面よりも外方、かつ、保護部よりも内方に位置することとなる。このため、基本的に、上記手段1と同様の作用効果が奏される。尚、側壁部の内面とは、側壁部に対してその内側から、側壁部とほぼ同じ面積の仮想平面を近接させた場合に、当該仮想平面に対して3点以上で当接し、それ以上、側壁部の外側に変位させられないように支持されている状態の仮想平面をいう。
【0019】
手段
6.前記ICタグが取付けられる前記側壁部は、
ベース壁部と、
前記ベース壁部から内方に延出し、延出方向先端縁によって当該側壁部の内面を構成する補強リブと、
前記取付壁を有し、前記ベース壁部から内方に突出形成されて、前記取付壁を前記ベース壁部の外面よりも内方、かつ、前記補強リブの先端縁よりも外方に位置させる取付台とを備え、
前記取付壁に取付けられた前記ICタグは前記ベース壁部よりも内方に位置していることを特徴とする手段
5に記載の箱型容器。
【0020】
手段
6によれば、取付壁に取付けられたICタグが、側壁部の内面を構成する補強リブの先端縁よりも外方、かつ、ベース壁部よりも内方に位置することとなる。このため、基本的に、上記手段1や手段
5と同様の作用効果が奏される。尚、本手段
6においては、ベース壁部が保護部を構成する。
【0021】
手段
7.前記取付壁のうち前記ICタグと当接状態とされる取付面には、前記ICタグのうちICチップに対応する部位との接触を回避可能な凹状、又は、孔状の接触回避部が形成されていることを特徴とする手段
5又は6に記載の箱型容器。
【0022】
手段
7によれば、基本的に上記手段2と同様の作用効果が奏される。
【0023】
手段
8.前記ICタグは、ICチップが搭載されるシート状の基部を備え、
前記取付壁のうち前記ICタグと当接状態とされる取付面には、前記基部の外寸とほぼ同じ大きさの凹状をなし、前記基部の少なくとも内面を内側に収容可能な位置決め凹部が形成されていることを特徴とする手段
5乃至7のいずれかに記載の箱型容器。
【0024】
手段
8によれば、基本的に上記手段3と同様の作用効果が奏される。
【0025】
手段9.略矩形板状の底壁部と、前記底壁部の各側辺部からそれぞれ上方に延出する側壁部とを備え、少なくとも1つの前記側壁部の外面に対してICタグが取付けられる箱型容器において、
前記ICタグが取付けられる前記側壁部は、
ベース壁部と、
前記側壁部の内面よりも外方に位置し、前記ICタグが取付けられる取付壁と、
前記取付壁よりも外方に位置する保護部とを備え、
前記取付壁に対して前記ICタグが略当接状態で取付けられるとともに、前記保護部のうち前記側壁部の外方側の端部は前記取付壁に取付けられた前記ICタグよりも前記側壁部の外方に位置しており、
前記取付面には、前記ICタグのうちICチップに対応する部位との接触を回避可能な凹状、又は、孔状の接触回避部が形成されているとともに、
前記ICタグは、ICチップが搭載されるシート状の基部を備え、
前記取付面には、前記基部の外寸とほぼ同じ大きさの凹状をなし、前記基部の少なくとも内面を内側に収容可能な位置決め凹部が形成されており、
前記接触回避部は、前記位置決め凹部内に形成されて
おり、
前記接触回避部は、前記位置決め凹部の中央部を中心とした点対称位置に2つ形成されていることを特徴とする箱型容器。
手段9によれば、上記手段4と同様の作用効果が奏される。