特許第6023530号(P6023530)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6023530
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】移動通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/04 20090101AFI20161027BHJP
   H04W 36/02 20090101ALI20161027BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20161027BHJP
【FI】
   H04W36/04
   H04W36/02
   H04W16/32
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-211014(P2012-211014)
(22)【出願日】2012年9月25日
(65)【公開番号】特開2014-68128(P2014-68128A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100117064
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 市太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】森岡 康史
(72)【発明者】
【氏名】安田 浩人
(72)【発明者】
【氏名】内野 徹
(72)【発明者】
【氏名】ウリ アンダルマワンティ ハプサリ
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−523805(JP,A)
【文献】 特開2009−111568(JP,A)
【文献】 Panasonic,SCell configuration at SCell addition and HO,R2-105763,フランス,3GPP,2010年10月 5日,p.1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局が第1無線基地局配下のマクロセルにおいて通信中である場合に、該移動局が存在する位置を含むカバレッジを有するスモールセルを管理する第2無線基地局が該移動局のユーザデータの伝送経路として選択される場合、該第1無線基地局が、該移動局のユーザデータの伝送経路上への該第2無線基地局の追加処理を開始する工程と、
前記第1無線基地局が、前記追加処理において、前記第2無線基地局に対して、シーケンス番号の管理情報を通知する工程と、
前記第2無線基地局が、前記追加処理において、ヘッダ圧縮に係る情報及びセキュリティの設定情報をリセットする工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記第1無線基地局は、前記追加処理を開始する際に、前記移動局宛ての下りユーザデータの該移動局に対する送信を停止し、
前記移動局は、前記第1無線基地局からのコネクション設定信号の受信に応じて、該第1無線基地局に対する上りユーザデータの送信を停止することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
移動局のユーザデータの伝送経路上に、マクロセルを管理する第1無線基地局及び該移動局が存在する位置を含むカバレッジを有するスモールセルを管理する第2無線基地局が含まれており、該移動局が該スモールセルにおいて通信中である場合に、該第2無線基地局が該移動局のユーザデータの伝送経路として利用されなくなる場合、前記第1無線基地局が、該移動局のユーザデータの伝送経路からの該第2無線基地局の削除処理を開始する工程と、
前記第2無線基地局が、前記削除処理において、前記第1無線基地局に対して、シーケンス番号の管理情報を通知する工程と、
前記第1無線基地局が、前記削除処理において、ヘッダ圧縮に係る情報及びセキュリティの設定情報をリセットする工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項4】
前記第1無線基地局は、前記削除処理を開始する際に、前記移動局宛ての下りユーザデータの前記第2無線基地局に対する転送を停止し、
前記移動局は、前記第1無線基地局からのコネクション設定信号の受信に応じて、該第2無線基地局に対する上りユーザデータの送信を停止することを特徴とする請求項3に記載の移動通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式において、伝搬特性に劣る高周波数(3.5GHz以上) の有効利用及び広帯域性を活用した高速大容量通信の実現を目的として、スモールセル(或いは、ファントムセル)の導入が検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS36.300
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかるスモールセルを管理する無線基地局PhNBは、マクロセルを管理する無線基地局eNBと比べると、RRC(Radio Resource Control)レイヤ機能を具備していない等、機能的に限定されている。
【0005】
かかる点を考慮して、移動局UEが、スモールセルにおいて通信中である場合であっても、無線基地局eNBを経由させて、移動局UEのユーザデータ(U-planeデータ)を伝送する方法の導入が検討されている。
【0006】
しかしながら、既存のLTE方式では、移動局UEがマクロセルにおいて通信中である場合、どのような方法で、移動局UEのユーザデータの伝送経路上に無線基地局PhNBを追加するべきかについて検討されていないという問題点があった。
【0007】
同様に、既存のLTE方式では、移動局UEがスモールセルにおいて通信中である場合に、どのような方法で、移動局UEのユーザデータの伝送経路から、かかるスモールセルを管理する無線基地局PhNBを削除するべきかについて検討されていないという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、スモールセルを管理する無線基地局PhNBの追加時或いは削除時に、無線基地局eNB及び無線基地局PhNBの機能を複雑にすること無く、データロス無しで、移動局UEのユーザデータの伝送経路を変更することができる移動通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、移動局が第1無線基地局配下のマクロセルにおいて通信中である場合に、該移動局が存在する位置を含むカバレッジを有するスモールセルを管理する第2無線基地局が該移動局のユーザデータの伝送経路として選択される場合、該第1無線基地局が、該移動局のユーザデータの伝送経路上への該第2無線基地局の追加処理を開始する工程と、前記第1無線基地局が、前記追加処理において、前記第2無線基地局に対して、シーケンス番号の管理情報を通知する工程と、前記第2無線基地局が、前記追加処理において、ヘッダ圧縮に係る情報及びセキュリティの設定情報をリセットする工程とを有することを要旨とする。
【0010】
本発明の第2の特徴は、移動通信方法であって、移動局のユーザデータの伝送経路上に、マクロセルを管理する第1無線基地局及び該移動局が存在する位置を含むカバレッジを有するスモールセルを管理する第2無線基地局が含まれており、該移動局が該スモールセルにおいて通信中である場合に、該第2無線基地局が該移動局のユーザデータの伝送経路として利用されなくなる場合、前記第1無線基地局が、該移動局のユーザデータの伝送経路からの該第2無線基地局の削除処理を開始する工程と、前記第2無線基地局が、前記削除処理において、前記第1無線基地局に対して、シーケンス番号の管理情報を通知する工程と、前記第1無線基地局が、前記削除処理において、ヘッダ圧縮に係る情報及びセキュリティの設定情報をリセットする工程とを有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、スモールセルを管理する無線基地局PhNBの追加時或いは削除時に、無線基地局eNB及び無線基地局PhNBの機能を複雑にすること無く、データロス無しで、移動局UEのユーザデータの伝送経路を変更することができる移動通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局eNBの機能ブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式の移動通信システムであって、ゲートウェイ装置P-GW(PDN Gatewey)/S-GW(Serving Gateway)と、移動管理ノードMME(Mobility Management Entity)と、スモールセルを管理する無線基地局PhNBと、マクロセルを管理する無線基地局eNBとを具備している。
【0015】
ここで、マクロセルのカバレッジエリア及びスモールセルのカバレッジエリアは、少なくとも一部で重なるように配置されている。
【0016】
図1に示すように、移動局UEが無線基地局eNB配下のマクロセルにおいて通信中である場合に、移動局UEが存在する位置を含むカバレッジを有するスモールセルを管理する無線基地局PhNBが移動局UEのユーザデータの伝送経路として選択されると、移動局UEのユーザデータは、ゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBとの間で設定されるU-planeベアラ、無線基地局eNBと無線基地局PhNBとの間で設定されるU-planeベアラ、及び、無線基地局PhNBと移動局UEとの間で設定されるU-planeベアラを経由して伝送されるようになる。
【0017】
すなわち、かかる場合、移動局UEのユーザデータの伝送経路が、ゲートウェイ装置S-GW←→無線基地局eNB←→移動局UEという経路から、ゲートウェイ装置S-GW←→無線基地局eNB←→無線基地局PhNB←→移動局UEという経路に変更になる。
【0018】
例えば、無線基地局PhNBのカバレッジエリアが、無線基地局eNBのカバレッジエリア内に含まれ、かつ、移動局UEが存在する位置が、無線基地局PhNBのカバレッジエリア内に含まれる状態になった場合に、無線基地局PhNBが、移動局UEのユーザデータの伝送経路として選択されるものとする。
【0019】
一方、図1に示すように、移動局UEが無線基地局PhNB配下のスモールセルにおいて通信中である場合に、無線基地局PhNBが移動局UEのユーザデータの伝送経路として利用されなくなると、移動局UEのユーザデータは、ゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBとの間で設定されるU-planeベアラ、及び、無線基地局eNBと移動局UEとの間で設定されるU-planeベアラを経由して伝送されるようになる。
【0020】
すなわち、かかる場合、移動局UEのユーザデータの伝送経路が、ゲートウェイ装置S-GW←→無線基地局eNB←→無線基地局PhNB←→移動局UEという経路から、ゲートウェイ装置S-GW←→無線基地局eNB←→移動局UEという経路に変更になる。
【0021】
例えば、移動局UEが、無線基地局PhNBのカバレッジエリアから出る場合に、無線基地局PhNBが、移動局UEのユーザデータの伝送経路としてとして利用されなくなるものとする。
【0022】
このように構成することによって、無線基地局PhNBは、ゲートウェイ装置S-GWとの間で論理パスを設定する必要がなくなり、無線基地局eNBとの間の接続さえ保証すればよいため、無線基地局PhNBの処理負荷を低減することができる。
【0023】
また、ゲートウェイ装置S-GWが、スモールセルを識別する機能を具備する必要がなくなり、既存のアーキテクチャへのインパクトを最小限とすることができる。
【0024】
図2に示すように、無線基地局eNBは、受信部11と、記憶部12と、管理部13と、送信部14とを具備している。
【0025】
受信部11は、ゲートウェイ装置S-GWや移動管理ノードMMEや無線基地局PhNBや移動局UE等から各種信号を受信するように構成されている。
【0026】
例えば、受信部11は、ゲートウェイ装置S-GWから、移動局UE宛ての下りユーザデータを受信したり、無線基地局PhNBや移動局UEから、移動局の上りユーザデータを受信したり、無線基地局PhNBから、「E-RAB setup response」を受信したりするように構成されている。
【0027】
記憶部12は、受信部11によって受信された移動局UE宛ての下りユーザデータや移動局の上りユーザデータについて、トンネリングプロトコルレイヤ又はPDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤにおいて、バッファリングするように構成されている。
【0028】
本実施形態では、トンネリングプロトコルとして、GTP(GPRS Tunnelling Protocol)を用いる例について説明するが、かかるトンネリングプロトコルとして、PMIP(Proxy Mobile IP)等の他のトンネリングプロトコルが用いられていてもよい。
【0029】
管理部13は、U-planeベアラに係る情報や、セキュリティの設定情報や、PDCPレイヤに係る情報(PDCP Config)や、転送モード及び送信状態に係る情報(RoHCコンテキスト)や、シーケンス番号の管理情報等について管理するように構成されている。
【0030】
ここで、U-planeベアラに係る情報には、「E-RAB ID」や「QoS情報(E-RAB Level QoS Parameters)」等が含まれる。
【0031】
また、セキュリティの設定情報には、UEのSecurity対応能力(UE Security Capability)や、ASのSecurityに関する情報(AS Security Information)等が含まれる。
【0032】
また、PDCPレイヤに係る情報には、シーケンス番号の最大長や、ヘッダ圧縮に係る情報や、「PDCP Status Report」の要否等が含まれる。
【0033】
さらに、ヘッダ圧縮に係る情報には、「MAX_ID」や「PROFILES」等が含まれる。
【0034】
ここで、「MAX_ID」は、フローを識別するためのコンテキストIDの最大値であり、「PROFILES」は、どのヘッダを圧縮するかについて示す情報である。
【0035】
送信部14は、ゲートウェイ装置S-GWや移動管理ノードMMEや無線基地局PhNBや移動局UE等に対して各種信号を送信するように構成されている。
【0036】
例えば、送信部14は、ゲートウェイ装置S-GWに対して、移動局UEの上りユーザデータを送信したり、無線基地局PhNBや移動局UEに対して、移動局宛ての下りユーザデータを送信したり、移動局UEに対して、「RRC Connection Reconfiguration」を送信したり、無線基地局PhNBに対して、「E-RAB setup request」を送信したりするように構成されている。
【0037】
ここで、移動局UEが無線基地局eNB配下のマクロセルにおいて通信中である場合に、移動局UEが存在する位置を含むカバレッジを有するスモールセルを管理する無線基地局PhNBが移動局UEのユーザデータの伝送経路として選択される場合、送信部14が、無線基地局PhNBに対して、「E-RAB setup request」を送信することによって、移動局UEのユーザデータの伝送経路上への無線基地局PhNBの追加処理を開始するように構成されている。
【0038】
また、移動局UEのユーザデータの伝送経路上に、無線基地局eNB及び無線基地局PhNBが含まれており、移動局UEがスモールセルにおいて通信中である場合に、無線基地局PhNBが移動局UEのユーザデータの伝送経路として利用されなくなる場合、送信部14が、無線基地局PhNBに対して、「E-RAB release request」を送信することによって、移動局UEのユーザデータの伝送経路からの無線基地局PhNBの削除処理を開始するように構成されている。
【0039】
以下、図3及び図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0040】
第1に、図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、移動局UEが無線基地局eNB配下のマクロセルにおいて通信中である場合に、移動局UEが存在する位置を含むカバレッジを有するスモールセルを管理する無線基地局PhNBが移動局UEのユーザデータの伝送経路として選択される場合の動作について説明する。
【0041】
図3に示すように、無線基地局eNBは、移動局UEとの間でDRB(Data Radio Bearer)が設定されている状態で、無線基地局PhNBが移動局UEのユーザデータの伝送経路として選択されることを検出すると、移動局UEに対する移動局UE宛ての下りユーザデータの送信を停止し、ステップS1001において、無線基地局PhNBに対して、無線基地局eNBと無線基地局PhNBとの間のU-planeベアラを生成することを要求する「E-RAB setup request」を送信する。
【0042】
ここで、無線基地局eNBは、「E-RAB setup request」によって、無線基地局PhNBに対して、U-planeベアラに係る情報等を通知する。
【0043】
無線基地局PhNBは、かかる「E-RAB setup request」に応じて、無線基地局eNBと無線基地局PhNBとの間のU-planeベアラを生成すると共に、セキュリティの設定情報やPDCPレイヤに係る情報(PDCP Config)や転送モード及び送信状態に係る情報(RoHCコンテキスト)等についてリセットし、ステップS1002において、無線基地局eNBに対して、「E-RAB setup response」を送信する。
【0044】
ステップS1003において、無線基地局eNBは、移動局UEに対して、「RRC Connection Reconfiguration」を送信する。
【0045】
移動局UEは、かかる「RRC Connection Reconfiguration」の受信を契機に、無線基地局eNBに対する上りユーザデータの送信を停止する。
【0046】
無線基地局eNBは、無線基地局PhNBに対して、ステップS1004において、「SN STATUS TRANSFER」によって、上りリンク及び下りリンクにおけるシーケンス番号の管理情報(次に使用可能なシーケンス番号等)を通知し、ステップS1005において、バッファリングしている上りユーザデータ及び下りユーザデータを転送する。
【0047】
ここで、無線基地局eNBは、無線基地局PhNBに対して、「DRB RLC AM」や「DRB RLC UM」や「SRB(Signaling Radio Bearer)」の全て又は一部についてのシーケンス番号の管理情報について通知してもよい。
【0048】
或いは、無線基地局eNBは、無線基地局PhNBに対して、「SN STATUS TRANSFER」の代わりに、「E-RAB Reqest」を用いて、上りリンク及び下りリンクにおける受信ステータスを送信することによって、上述のシーケンス番号の管理情報を通知してもよい。
【0049】
なお、かかるシーケンス番号の管理情報は、ステップS1001における「E-RAB setup request」によって通知されてもよい。
【0050】
ステップS1006において、移動局UEは、無線基地局eNBに対して、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信する。
【0051】
無線基地局eNBは、かかる「RRC Connection Reconfiguration Complete」に応じて、U-planeベアラに係る情報やセキュリティの設定情報やPDCPレイヤに係る情報(PDCP Config)や転送モード及び送信状態に係る情報(RoHCコンテキスト)等の管理を停止する。
【0052】
ここで、無線基地局PhNBと移動局UEとの間でDRBが設定され、移動局UEから無線基地局PhNBへの移動局UEの上りユーザデータの送信が再開されると共に、無線基地局PhNBから移動局UEへの移動局UE宛ての下りユーザデータの送信が再開される。
【0053】
第2に、図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、移動局UEが無線基地局PhNB配下のスモールセルにおいて通信中である場合に、かかる無線基地局PhNBが移動局UEのユーザデータの伝送経路として利用されなくなる場合の動作について説明する。
【0054】
図4に示すように、無線基地局eNBは、無線基地局PhNBと移動局UEとの間でDRBが設定されている状態で、無線基地局PhNBが移動局UEのユーザデータの伝送経路として利用されなくなることを検出すると、無線基地局PhNBに対する移動局UE宛ての下りユーザデータの送信を停止し、ステップS2001において、無線基地局PhNBに対して、無線基地局eNBと無線基地局PhNBとの間のU-planeベアラを解放することを要求する「E-RAB release request」を送信する。
【0055】
無線基地局PhNBは、かかる「E-RAB release request」に応じて、無線基地局eNBと無線基地局PhNBとの間のU-planeベアラを解放すると共に、ステップS2002において、無線基地局eNBに対して、「E-RAB release response」によって、U-planeベアラに係る情報等を通知する。
【0056】
無線基地局eNBは、U-planeベアラに係る情報等の管理を開始し、セキュリティの設定情報やPDCPレイヤに係る情報(PDCP Config)や転送モード及び送信状態に係る情報(RoHCコンテキスト)等についてリセットし、ステップS2003において、移動局UEに対して、「RRC Connection Reconfiguration」を送信する。
【0057】
移動局UEは、かかる「RRC Connection Reconfiguration」の受信を契機に、無線基地局PhNBに対する上りユーザデータの送信を停止する。
【0058】
無線基地局PhNBは、無線基地局eNBに対して、ステップS2004において、「SN STATUS TRANSFER」によって、上りリンク及び下りリンクにおけるシーケンス番号の管理情報(次に使用可能なシーケンス番号等)を通知し、移動局UEに対する移動局宛ての下りユーザデータの送信を停止し、ステップS2005において、バッファリングしている上りユーザデータ及び下りユーザデータを転送し、U-planeベアラに係る情報やセキュリティの設定情報やPDCPレイヤに係る情報(PDCP Config)や転送モード及び送信状態に係る情報(RoHCコンテキスト)等の管理を停止する。
【0059】
ここで、無線基地局PhNBは、無線基地局eNBに対して、「DRB RLC AM」や「DRB RLC UM」や「SRB(Signaling Radio Bearer)」の全て又は一部についてのシーケンス番号の管理情報について通知してもよい。
【0060】
或いは、無線基地局PhNBは、無線基地局eNBに対して、「SN STATUS TRANSFER」の代わりに、「E-RAB release Reqest」を用いて、上りリンク及び下りリンクにおける受信ステータスを送信することによって、上述のシーケンス番号の管理情報を通知してもよい。
【0061】
なお、かかるシーケンス番号の管理情報は、ステップS2002における「E-RAB release response」によって通知されてもよい。
【0062】
ステップS2006において、移動局UEは、無線基地局eNBに対して、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信する。
【0063】
ここで、無線基地局eNBと移動局UEとの間でDRBが設定され、移動局UEから無線基地局eNBへの移動局UEの上りユーザデータの送信が再開されると共に、無線基地局eNBから移動局UEへの移動局UE宛ての下りユーザデータの送信が再開される。
【0064】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0065】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、移動局UEが無線基地局eNB(第1無線基地局)配下のマクロセルにおいて通信中である場合に、移動局UEが存在する位置を含むカバレッジを有するスモールセルを管理する無線基地局PhNB(第2無線基地局)が移動局UEのユーザデータの伝送経路として選択される場合、無線基地局eNBが、移動局UEのユーザデータの伝送経路上への無線基地局PhNBの追加処理を開始する工程と、無線基地局eNBが、かかる追加処理において、無線基地局PhNBに対して、シーケンス番号の管理情報を通知する工程と、無線基地局PhNBが、かかる追加処理において、ヘッダ圧縮に係る情報及びセキュリティの設定情報をリセットする工程とを有することを要旨とする。
【0066】
かかる構成によれば、無線基地局PhNBの追加時に、無線基地局eNBから無線基地局PhNBに対してシーケンス番号の管理情報が通知され、ヘッダ圧縮に係る情報及びセキュリティの設定情報については無線基地局PhNBにおいてリセットされるため、無線基地局eNB及び無線基地局PhNBの機能を複雑にすること無く、データロス無しで移動局UEの伝送経路を変更することができる。
【0067】
本実施形態の第1の特徴において、無線基地局eNBは、上述の追加処理を開始する際に、移動局UE宛ての下りユーザデータの移動局UEに対する送信を停止し、移動局UEは、無線基地局eNBからの「RRC Connection Reconfiguration(コネクション設定信号)」の受信に応じて、無線基地局eNBに対する上りユーザデータの送信を停止してもよい。
【0068】
かかる構成によれば、無線基地局PhNBの追加時に、データロス無しで移動局UEのユーザデータの伝送経路を変更することができる。
【0069】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信方法であって、移動局UEのユーザデータの伝送経路上に、マクロセルを管理する無線基地局eNB及び移動局UEが存在する位置を含むカバレッジを有するスモールセルを管理する無線基地局PhNBが含まれており、移動局UEがスモールセルにおいて通信中である場合に、無線基地局PhNBが移動局UEのユーザデータの伝送経路として利用されなくなる場合、無線基地局eNBが、移動局UEのユーザデータの伝送経路からの無線基地局PhNBの削除処理を開始する工程と、無線基地局PhNBが、かかる削除処理において、無線基地局eNBに対して、シーケンス番号の管理情報を通知する工程と、無線基地局eNBが、かかる削除処理において、ヘッダ圧縮に係る情報及びセキュリティの設定情報をリセットする工程とを有することを要旨とする。
【0070】
かかる構成によれば、無線基地局PhNBの削除時に、無線基地局PhNBから無線基地局eNBに対してシーケンス番号の管理情報が通知され、ヘッダ圧縮に係る情報及びセキュリティの設定情報については無線基地局eNBにおいてリセットされるため、無線基地局eNB及び無線基地局PhNBの機能を複雑にすること無く、データロス無しで移動局UEのユーザデータの伝送経路を変更することができる。
【0071】
本実施形態の第2の特徴において、無線基地局eNBは、上述の削除処理を開始する際に、移動局UE宛ての下りユーザデータの無線基地局PhNBに対する転送を停止し、移動局UEは、無線基地局eNBからの「RRC Connection Reconfiguration」の受信に応じて、無線基地局PhNBに対する上りユーザデータの送信を停止してもよい。
【0072】
かかる構成によれば、無線基地局eNBの追加時に、データロス無しで移動局UEの伝送経路を変更することができる。
【0073】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNB/PhNBや移動管理ノードMMEやゲートウェイ装置S-GWの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0074】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0075】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNB/PhNBや移動管理ノードMMEやゲートウェイ装置S-GW内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNB/PhNBや移動管理ノードMMEやゲートウェイ装置S-GW内に設けられていてもよい。
【0076】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0077】
S-GW…ゲートウェイ装置
MME…移動管理ノード
eNB/PhNB…無線基地局
UE…移動局
11…受信部
12…記憶部
13…管理部
14…送信部
図1
図2
図3
図4