(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記手術ツールが第2のアクチュエータを具備し、前記第1のアクチュエータが前記ツールヘッドを前記第2のアクティブ位置に方向付けした後で、前記第2のアクチュエータが前記ツールヘッドのエンドエフェクタに連結され、その結果、前記第2のアクチュエータが起動して前記エンドエフェクタが動作する、請求項2に記載のシステム。
前記エンドエフェクタが1対のジョーを備え、前記第2のアクチュエータが、前記第2のアクティブ位置にある前記ツールヘッドで開位置と閉位置との間で前記ジョーを方向付けするように構成され、前記ジョーが、前記第1の静止位置にある前記ツールヘッドで前記閉位置にロックされる、請求項4に記載のシステム。
前記ロック要素が、前記第1の配向にある前記アクチュエータリンクのポケットに受容されるロック用のキーを備え、前記ロック用のキーが、前記第2の配向の並進チャネルに方向付けされ、前記並進チャネルが、遠位の位置と近位の位置との間で前記アクチュエータリンクが前記ハウジングに対して軸方向に移動可能であり、前記グラスパをそれぞれ前記開位置と前記閉位置との間で方向付けするように構成される、請求項7に記載のシステム。
前記並進チャネルが、前記アクチュエータリンクを近位に前記近位の位置を越える最も近位の位置に方向付け可能にする、遠位に前記ポケットを越える軸方向の延長部を備えて、前記閉位置における前記グラスパのジョー要素にクランプ力を加える、請求項8に記載のシステム。
前記ハンドルが、前記ポケットを前記ロック要素が前記第2の配向にある前記ロック用のキーとアライメント調整するように前記アクチュエータリンクを軸方向に方向付けする第3のアクチュエータと、前記グラスパを前記閉位置に方向付けする前記第2のアクチュエータとを備え、それにより、前記第1のアクチュエータを起動して、前記ロック要素を前記第1の配向に方向付けすることができる、請求項9に記載のシステム。
前記ジョーが、前記ツールヘッドの嵌合特徴部に係合して前記ツールヘッドを前記シャフトの遠位端に対して所定の配向に固定する特徴部を含む、請求項14に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】ツールヘッドを手術空間に導入する、内視鏡に連結されたキャリアツールの第1の例示的な実施形態の側面図である。
【
図1A】線A−Aに沿った、
図1のキャリアツールの断面図である。
【
図2】ツールヘッドを手術空間に導入する、内視鏡に連結されたキャリアツールの別の例示的な実施形態の側面図である。
【
図3A-3B】ツールヘッドがジョーに固定されているところを示す、
図2のキャリアツール上に設置できる1組のジョーの代替的な実施形態の側面図である。
【
図4】モジュール式ツールヘッドをそれに固定できるキャリアツールの別の実施形態の斜視図である。
【
図5A-5B】ツールヘッドをキャリアツールのジョーに固定可能にするように開閉されるモジュール式ツールヘッドのジョーを示す。
【
図5C】いずれかまたは両方のジョーに設置できる任意選択のデテントの詳細である。
【
図6】モジュール式ツールヘッドをキャリアツールに固定するための特徴部を有するジョーを含むキャリアツールのさらに別の実施形態の遠位端の側面図である。
【
図7A】ツールヘッドを手術空間に導入する、内視鏡に連結されたキャリアツールのさらに別の例示的な実施形態の側面図である。
【
図7B】
図7Aのキャリアツールおよび内視鏡の遠位端の詳細である。
【
図8】ツールヘッドを手術空間に導入する、内視鏡に連結されたキャリアツールのさらに別の例示的な実施形態の側面図である。
【
図8A-8C】ツールヘッドがキャリアツールによって様々な配向に方向付けされているところを示す、
図8のキャリアツールの遠位端の詳細である。
【
図9】複数のツールヘッドを手術空間に導入するキャリアツールの例示的な実施形態の側面図である。
【
図9A】線B−Bに沿った、
図9のキャリアツールのハウジングの断面図である。
【
図9B】複数のツールヘッドを手術空間に導入するキャリアツールの代替的な実施形態の側面図である。
【
図10A】ツールヘッドを複数担持する実質的に直線のハウジングがトロカールを通して手術空間内に導入されているキャリアツールを示す、患者の体の断面図である。
【
図10B】内視鏡に取り付けられたツールヘッドを複数担持する湾曲したハウジングがトロカールを通して手術空間内に導入されているキャリアツールを示す、患者の体の断面図である。
【
図11A-11B】ツールヘッドがそれぞれハウジング内に後退しているかハウジングから配備されているところを示す、ツールヘッドを複数担持するハウジングを含むキャリアツールの別の実施形態の遠位端の側面図である。
【
図12A-12B】ハウジング内に後退しハウジングから配備されるツールヘッドをそれぞれ示す、複数のツールヘッド担持し内視鏡に取り付けられたハウジングを含むキャリアツールのさらに別の実施形態の遠位端の斜視図である。
【
図13】キャリアツールによって担持されるツールヘッドをコントロールシャフトに取り付けることを容易にするように、内視鏡と共にトロカールを通して手術空間に導入されワイヤレールを含むキャリアツールを示す、患者の体の断面図である。
【
図14】内視鏡から独立してトロカールを通して手術空間に導入されるキャリアツールを示し、キャリアツールによって担持されるツールヘッドをコントロールシャフトに取り付ける方法を示す患者の体の断面図である。
【
図15】
図1のキャリアツールによって担持されるツールヘッドをコントロールシャフトに取り付ける方法を示す、患者の体の断面図である。
【
図16】本明細書で説明する装置、システム、および方法用いて導入できる例示的なツールヘッドを複数示す。
【
図17】ツールヘッドを手術空間に導入する、内視鏡に連結されたキャリアツールの別の実施形態の側面図であり、そのキャリアツールは、ツールヘッドの配向を制御するリンケージを複数含む。
【
図18】ツールヘッドを手術空間に導入する、内視鏡に連結されたキャリアツールの代替的な実施形態の断面側面図であり、そのキャリアツールは、ツールヘッドの配向を制御するコントロールワイヤまたはケーブルを1つまたは複数含む。
【
図19A-19B】近位の配向と遠位の配向との間をツールキャリアによって担持されるツールヘッドを方向付けする、ツールキャリア上の機構を示す、ツールキャリアの遠位端の詳細であり、それぞれ近位の配向および遠位の配向を示す。
【
図20A-20B】横断方向の配向と実質的に軸方向の配向との間をツールキャリアによって担持されるツールヘッドを方向付けする、ツールキャリア上の別の機構を示す、ツールキャリアの遠位端であり、それぞれ横断方向の配向および実質的に軸方向の配向を示す。
【
図21A-21B】イントロデューサチューブを通してトラック上に挿入される複数のツールヘッドを受容するトラックを画定する1対の細長い部材を含む、それぞれイントロデューサチューブまたはツールキャリアの斜視図および側面図である。
【
図22】内視鏡の遠位端を覆うように方向付けできるスリーブと、ツールヘッド担持する、スリーブの遠位端上の導入特徴部とを含む、ツールキャリアの別の実施形態の側面図である。
【
図23-29】ツールヘッドを担持する
図22のツールキャリアまたは本明細書の他のツールキャリア上に設置できる導入特徴部の実施形態を代替的に示す。例えば、
図23には、チューブシャフトによって担持できる導入リングの例示的な実施形態を示す。
【
図24A-24B】チューブシャフトによって担持できる導入リングの別の実施形態を示す。
【
図25A-25B】ツールヘッドを担持する導入特徴部の別の実施形態の斜視図および断面図である。
【
図26A-26B】ツールキャリア上に設置できる対応する導入特徴部によって担持されるツールヘッド上に設置できる導入リングの代替的な実施形態の断面図である。
【
図27】内視鏡によって担持されツールヘッド上の対応する特徴部と係合する導入リングの別の実施形態の断面図である。
【
図28A-28B】導入リングをキャリアツールのシャフトに対する所望の配向に付勢する付勢機構を含む、導入リングの別の実施形態の斜視図である。
【
図29A】ツールヘッドを担持するツールキャリアおよび導入特徴部の別の実施形態の側面図である。
【
図30】テーパ状の形状を有するモジュール式ツールヘッドの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図31A-31B】コントロールシャフトへのツールヘッドの接続中にツールヘッド上のジョーの早まった作動を防止する、モジュール式ツールヘッドと手術ツールのコントロールシャフトとの間に係合できるデテントの詳細である。
【
図32A】モジュール式ツールヘッドがコントロールシャフトに取り付けられるかまたはそこから取り外されるときにコントロールシャフトに加えられるねじり力を制限する、コントロールシャフトを含む手術ツール上に設置できるクラッチ装置を示す。
【
図33A-33C】モジュール式ツールヘッドがコントロールシャフト上に十分に受容されたときにそのことを視覚的に確認する、手術ツールのコントロールシャフト上に設置できる視覚インディケータの詳細である。
【
図34A-34B】ツールヘッドが所定の配向で導入リングと回転方向にアライメント調整されるときにそのことを視覚的に確認する、モジュール式ツールヘッドおよびキャリアツールの導入リング上に設置できる視覚インディケータの詳細である。
【
図35A】内側シャフトが外側シャフトと回転方向にアライメント調整されたときのそのことを視覚的に表示する特徴部を含む、外側シャフトおよび内側シャフトを含む、手術ツールのコントロールシャフトの分解斜視図である。
【
図35B-35C】それぞれ互いにアライメント調整不良およびアライメント調整した特徴部を示す、外側シャフトと内側シャフトとを組み立てた斜視図である。
【
図36A-36B】モジュール式ツールヘッド、およびツールヘッドが(
図36Bに示す)導入特徴部に十分に挿入されたときにそのことを視覚的に表示する(
図36Aに見られる)特徴部を含むツールヘッドキャリアの導入特徴部の斜視図である。
【
図37A】手術ツールのハンドル上に設置できるアライメント特徴部の斜視図である。
【
図37B-37C】互いにアライメント調整したアライメント特徴部およびアライメント調整から外れたアライメント特徴部を示す端面図である。
【
図38A-38E】ロック用リングがロック位置およびロック解除位置にあるときにそのことを触覚のフィードバックを提供する、ロック用リング内の特徴部を示す、モジュール式ツールヘッドの断面図である。
【
図39A-39B】ツールヘッドのエンドエフェクタがそれぞれ開位置および十分な閉位置にあることを示す、ハンドルとコントロールシャフトとを含みシャフトに連結されたモジュール式ツールヘッドを有する手術ツールの例示的な実施形態の側面図である。
【
図39C】ツールヘッドをシャフトに連結するかまたはシャフトから取り外すことができる、(
図39Aおよび
図39Bに示す動作位置から)アライメント位置に方向付けされたアクチュエータをハンドル上に有する、
図39Aおよび
図39Bの手術ツールの側面図である。
【
図39A(1)-39C(1)】ツールヘッドおよびコントロールシャフトの内部の特徴部の相対的なアライメント調整を示す、それぞれ
図39A〜
図39Cのツールヘッドの詳細である。
【
図40A-40B】
図39A〜
図39Cの手術ツールのコントロールシャフトに含まれてよいカニューレ状の外側シャフトの例示的な実施形態の、それぞれ上面図および側面図である。
【
図41A-41B】
図39A〜
図39Cの手術ツールのコントロールシャフトに含まれてよい「アクティブ」内側シャフトチューブの例示的な実施形態の、それぞれ上面図および側面図である。
【
図43A-43F】
図42A〜
図42Eのツールヘッドの構成要素の例示的な実施形態を示す。例えば、
図43Aおよび
図43Bは、ツールヘッドのハウジングの例示的な実施形態の斜視図である。
図43C〜
図43Fは、それぞれハウジングの側面図、上面図、ならびに遠位端面図および近位端面図である。
【
図44A-44C】ツールヘッドのエンドエフェクタの例示的な実施形態の側面図、左側斜視図、および右側斜視図である。
【
図45A-45B】ハウジング内に受容しツールヘッドのエンドエフェクタに連結できる作動リンクの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図45C-45E】作動リンクの側面図、上面図、および端面図である。
【
図45F-45H】2つの構成要素から形成された作動リンクの例示的な実施形態の分解図である。
【
図46A-46B】ツールヘッドのハウジングに回転可能に連結できるロック用リングの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図46C-46D】それぞれロック用リングの端面図および上面図である。
【
図47A-47B】それぞれツールヘッドのハウジングに連結できるガイドキャップの斜視図および端面図である。
【
図51A-51B】ツールヘッドが(係合解除される位置において)コントロールシャフトに連結される前の、それぞれA−AおよびB−Bを通る断面図である。
【
図52A-52B】ツールヘッドがコントロールシャフトに(係合された位置で)連結された後の、それぞれA−AおよびB−Bを通る断面図を示す。
【
図53A-53C】ツールヘッドおよびコントロールシャフトの斜視図であり、
図53Aでは、ツールヘッドがコントロールシャフトに連結される前にエンドエフェクタがロックされており閉位置にあり、
図53Bでは、ツールヘッドがコントロールシャフトに連結された後にエンドエフェクタがロック解除され閉位置にあり、
図53Cでは、エンドエフェクタがロック解除され開位置にある。
【
図54A-54C】異なる位置にあるロック用カラーおよび作動リンク上のロック用の歯とポケットとの相対位置を示す、それぞれ
図53A〜
図53Cの詳細斜視図である。
【
図56A-56B】ツールヘッドをコントロールシャフトから係合解除できるようにするアライメント位置にある作動リンク(
図56A)と、エンドエフェクタが閉位置にある動作位置にある作動リンク(
図56B)を示す、
図53A〜
図53Cのツールヘッドおよびコントロールシャフトの断面詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面を参照すると、
図1に導入装置10の例示的な実施形態を示す。その導入装置10は、近位端22および遠位端24を含む細長いシャフト20と、シャフト20を内視鏡90に摺動可能に固定する1つまたは複数のクリップ要素30と、近位端22にあるハンドル40と、ツールヘッド60に解放可能に係合する、遠位端24にあるハウジング50とを含む。ハンドル40はトリガまたは他のアクチュエータ42を含んでよく、そのトリガまたは他のアクチュエータ42は、例えば、コネクティングワイヤもしくはロッドまたはアクチュエーティングワイヤもしくはロッド43によってツールヘッド60に係合しかつ/またはそれを解放するようにハウジング50を動作させる。
【0033】
図1Aから最も良く分かるように、シャフト20は、例えば、180度を超える周縁部を有する、全体が「U」字形または「C」字形の断面を含み、それにより、シャフト20をハウジング50に固定するための対向するクリップ要素30が画定される。シャフト20および/またはクリップ要素30は、実質的に剛体または半剛体の材料、例えば、プラスチック、金属、または複合材料から形成されてよく、その材料は、シャフト20に対するハウジング50の位置および/または内視鏡90のレンズ92に対するハウジング50の位置を維持するのに十分な剛性を有する。図示のように、クリップ要素30は、実質的にシャフト20の近位端22と遠位端24との間の距離全体にわたって延在してよい。あるいは、クリップ要素30は、近位端22と遠位端24との間の部分的にのみ延在してもよく、シャフト20の長さに沿って互いに離間したクリップ要素30が複数設けられてもよい(図示せず)。
【0034】
クリップ要素30の内径は、所望の場合は内視鏡90に対してシャフト20を軸方向に方向付け可能にしながら、内視鏡90の外径にぴったりと嵌まるようにサイズ設定されてよい。あるいは、クリップ要素30は、所望の場合は以下にさらに説明するように内視鏡90からシャフト20を取り外すことを可能にしながら、内視鏡90に対するシャフト20実質的な軸方向の移動を制限するのに十分に内視鏡90に係合することができる。クリップ要素30は、例えば、内視鏡90上に側方から横向きにシャフト20を装着できるように、それらのクリップ要素30間にスリットまたはスロット31を画定することができる。例えば、クリップ要素30および/またはシャフト20の材料は、一時的に変形して内視鏡90上にクリップ留めするのに十分に弾力があってよいが、その形状および/または内視鏡90に対する配向を維持するのに十分に剛体でよい。
【0035】
シャフト20は、ハンドル40が内視鏡90の近位のハウジング90aに隣接して配置されハウジング50がレンズ92に隣接して配設されるように、例えば、ハンドル40が患者の体外に延在しレンズ92およびハウジング50が患者の体内の手術空間内に配置されるように十分な長さを有することができる。ハンドル40により、医師または他のユーザが装置10全体を内視鏡90上にクリップ留めしかつ/または内視鏡90に対して装置10を、例えば、患者の体内および内視鏡90のレンズ92の視野内に前進させることが可能になる。
【0036】
任意選択で、装置10は、例えば、ハンドル40内に、または別法でハンドル40に連結された、ストップ41を含むことができる。そのストップ41は、例えば装置10が内視鏡90に対して適切な深さに導入されたときに、遠位への移動を制限する。そのストップの長さは、医師が手動で、例えば、サムホイールまたは他のアクチュエータ44で調節可能でよい。さらに、またはその代わりに、内視鏡に対する装置10の遠位への前進を制限できるストップを内視鏡(図示せず)上に設けることができる。さらに、ハンドル40は、医師が内視鏡90に対して装置40を少なくとも部分的に手術空間から取り出すことを可能にしてもよい。
【0037】
ハウジング50は、シャフト20の遠位端24に取り付けられているか、または別法でその上に設けられる。ハウジング50は、1つまたは複数の目的で、例えば、a)カニューレ状のチューブもしくはシャフト80によってロック解除されるまでツールヘッド60をハウジング50にロックするように、b)ツールヘッド60を配向するように、かつ/またはc)以下にさらに説明するようにツールヘッド60の端部を覆うように構成されてよい。任意選択で、シュラウド70が、ツールヘッド60の近位および/または遠位の特徴部を覆うように、シャフト20上に、例えば、遠位端24上にまたは近位端22と遠位端24との間、すなわち、ハウジング50の近位に設けられてよい。それらの近位および/または遠位の特徴部は、例えば、装置10によって患者の体内または体外に担持されるツールヘッド60の挿入および/または取り出しを容易にするように、円錐形であるか、湾曲しているか、またはそうではなくテーパ状になっている。
【0038】
ツールヘッド60は、患者の体外でオペレータによって、例えば、ツールヘッド60をハウジング50に対して装着および回転することによってハウジング50にロックされる。ハウジング50内に完全に捕捉されているときのツールヘッド60の配向は、装置10がその遠位の位置に前進するときにツールヘッド60の近位端60aが内視鏡90のレンズ92の視野内にあるようにすることができる。
【0039】
図2を参照すると、ハウジング50’の代わりに遠位端24’上にサージカルジョーまたは鉗子65’を含む導入装置10’の代替的な実施形態が示されている。概して、装置10’は、
図1の装置10と同様に、近位端22’および遠位端24’を含む細長いシャフト20’と、シャフト20’を内視鏡90に固定する1つまたは複数のクリップ要素30’と、近位端22’にある可動式のハンドル40’とを含むが、ハウジング50’の代わりに、ツールヘッド60に解放可能に係合するサージカルジョー65’を遠位端24’上に含む。ハンドル40’はトリガまたは他のアクチュエータ42’を含んでよく、そのトリガまたは他のアクチュエータ42’は、例えば、ツールヘッド60に係合しかつ/またはそれを解放するようにサージカルジョー65’を動作させる。任意選択で、ハンドル40’はピンまたは他のロック要素(図示せず)を含んでよく、そのピンまたは他のロック要素は、トリガ42’をその閉位置および/または開位置に解放可能に固定して、例えば、医師がトリガ42’を引き続ける必要なしにツールヘッド60に係合する。
【0040】
前述の実施形態とは異なり、クリップ30’は、「U」字形または「C」字形の断面を有するスリーブを含み、そのスリーブがシャフト20’に取り付けられている。前述の実施形態と同様に、クリップ30’は弾力的に展開可能でよく、そのため、スリーブを内視鏡90に横向きにあてがって内視鏡90をスリーブ内に捕捉でき、それにより、シャフト20’が内視鏡90に対して摺動可能にまたはしっかりと固定される。やはり前述の実施形態と同様に、シャフト20’は、クリップ30’に対するジョー65’の位置および/または内視鏡90のレンズ92に対するジョー65’の位置を維持するのに十分に剛体でよい。
【0041】
例えば、クリップ30’の内径は、内視鏡のレンズ90の外径にぴったりと嵌まるようにサイズ設定されてよい。クリップ30’は、クリップ30’のスリーブを内視鏡90上に側方から装着できるようにスリットまたはスロット31’を画定することができる。クリップ30’の材料は、一時的に変形してスリーブが展開して内部に内視鏡90を受容するように十分に弾力があってよく、スリーブが内視鏡90を取り囲むように弾性でよい。クリップ30’の材料は、その形状および/または内視鏡90に対する配向を維持するのに十分に剛体でよい。内視鏡90上に受容されるとクリップ30’は、前述の実施形態と同様に、例えば、近位の位置と遠位の位置との間でシャフト20’を方向付けできるように軸方向に摺動可能でよい。あるいは、クリップ30’は、内視鏡90に対するクリップ30’の軸方向の移動が最小になるように、十分な摩擦力で内視鏡に係合することができる。この代替形態では、シャフト20’は、例えば以下にさらに説明するようにサージカルジョー65’をレンズ92の視野内に前進させることが可能になるように近位の位置と遠位の位置との間を、クリップ30’に対して軸方向におよび/または回転方向に移動可能でよい。
【0042】
シャフト20’は、概して、ハンドル40’が患者の体外で内視鏡90の隣に配置されるように十分な長さを有する。ハンドル40’上のトリガ42’を起動してサージカルジョー65を作動させることができる。ハンドル40により、内視鏡90上への装置10’のクリップ留めを容易にし、装置10’を患者の体内にかつ/もしくは内視鏡90の視野内に前進させ、かつ/または装置10’を患者の体から取り出すことができる。ツールヘッド60が内視鏡90の視野内に入った後には、ハンドル40’は、ツールヘッド60の位置を、例えば視野に対して回転方向におよび/または軸方向に、さらに操作可能でよい。任意選択で、装置10’は、例えば、ハンドル40’内にまたは別法でハンドル40’上に設けられたストップ41’を含んでよく、内視鏡90に対して適切な深さに装置10’が導入されたときに装置10’がストップと出合う。所望の場合は、剛体のストップ41’の長さおよび/または位置は、例えば、サムホイールまたは他のアクチュエータ44’によって調節可能でよい。
【0043】
サージカルジョー65’は、シャフト20’の遠位端24’に取り付けられるかまたは別法でその上に設けられてよい。サージカルジョーまたは鉗子65’は、例えば、患者の体外からハンドル40’上にあるトリガ42’を作動させることによって移動可能でよい。そのトリガ42’の作動を、例えばアクチュエーティングロッドまたはワイヤ43’の軸方向の運動によって、対応する運動をトリガ42’からサージカルジョー64’のジョーのうちの一方または両方に伝達することができる。前述の実施形態と同様に、ツールヘッド60の近位および/または遠位の特徴部を少なくとも部分的にカバーするようにシュラウド70’を設けることができる。その特徴部は、例えば患者の体内への挿入および/またはそこからの取り出しを容易にするように、円錐形であるか、湾曲しているか、またはそうではなくテーパ状になっている。サージカルジョー65’は、1つまたは複数の目的、例えば、コントロールシャフト80によってロック解除されるまでツールヘッド60をジョー65’にロックすること、組み立てのためにツールヘッド60の適切な端部を医師が視認できるようにツールヘッド60を配向すること、および/またはツールヘッド60の端部を覆うことを実現することができる。ジョー65’は、シャフト20’の長手方向軸に対して所定の配向に、例えば実質的に同軸にまたは垂直にアライメント調整した状態で、ツールヘッド60を握ることができる。
【0044】
ツールヘッド60は、患者の体外でオペレータによって、例えば、ツールヘッド60をジョー65’に対して装着および回転することによって、サージカルジョー65’にロックするかまたは別法で固定されてよい。ジョー65’内に固定されているときは、ツールヘッド60は、例えば、装置10’がその遠位の位置に前進しかつ/または装置10’が別法で例えば医師がハンドル40’を作動させることによって操作されるときに、ツールヘッド60の近位端60aが内視鏡90の視野に入るように、シャフト20’の長手方向軸に対して横断する方向に配向されてよい。
【0045】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、例えば、
図2の装置10’上に設置できるサージカルジョー65’’の別の実施形態が示されている。前述のジョー65’とは異なり、ジョー65’’には、長いリーチ52’’および/または特殊な枝部54’’を有する比較的長いジョーが用いられ、その特殊な枝部54’’は、例えばディセクタまたはグラスパ先端部と同様に、ツールヘッド60上の嵌合用特徴部に係合するようになっている。
【0046】
あるいは、サージカルジョー65’’は、導入プロセス中にツールヘッド60を確実に固定して保持することができる限り、現行の標準的なツールと同様に構成されてよい。例えば、延長した前部のジョーを有する(例えば、
図16に示すような)任意のグラスパ先端部またはディセクタ130を、例えば延長した前部の歯を有する
図3Aおよび
図3Bに示すジョー65’’と同様に、本明細書で図示および説明するジョー65’’の設計に対して限定的な修正を加えて用いることができる。
【0047】
例えば、前部の枝部54がツールヘッド60のロック用リング62に到達できるように標準的なツールが十分に長いジョー65を有するものと確認される場合は、ツールヘッド60を、例えば
図3Aおよび
図3Bに示すようにグラスパのジョーに挿入して、外囲の外寸を最小限に抑えポートを貫通することを容易にすることができる。
【0048】
図4を参照すると、モジュール式ツールヘッド60を導入するために、キャリアツール、例えば、標準的なツール10’’’上に設置できる1組のジョー65’’’の別の実施形態が示されている。ジョー65’’’は、モジュール式ツールヘッド60のジョーで標準的なツール10’’’のジョー65’’’の一方に係合するかまたはそれを握ることを含む方法を用いて、ツールヘッド60を導入するために使用することができる。例えば、
図5Aおよび
図5Bに示すように、例えば、1組の鉗子または他のツールをツールヘッド60上で作動させてジョー65’’’の一方の上でツールヘッド60を閉じることによって、モジュール式ツールヘッド60を標準的なツール10’’’のジョー65’’’の一方に拘束することができる。手術空間内に導入されると、ツールヘッド60の配向および/または位置は、例えば標準的なツール10’’’に対するモジュール式ツールヘッド60の角度を変更するように標準的なツールのジョー65’’’を開くかまたは閉じることによって調節することができる。
【0049】
任意選択で、モジュール式ツールヘッド60を標準的なツールのジョー65’’’に確実に効果的にロックするには、
図5Cに示すように、モジュール式ツールヘッド60および標準的なツールのジョー65’’’のうちのいずれかまたは両方にデテント66’’’を設けることができる。モジュール式ツールヘッド60上のデテント66’’’は、例えば、コントロールシャフト80がモジュール式ツールヘッド60を起動しデテント66’’’を乗り越えるまで標準的なジョー65’’’への係合を維持するのに十分なものでよい。標準的なジョー65上のデテント66’’’は、標準的なツール10’’’のハンドル67’’’がデテント66’’’を乗り越えるまでモジュール式ツール60への係合を維持するのに十分なものでよい。
【0050】
図6を参照すると、1組のジョー65’’’’を含むさらに別のキャリアツール10’’’’の遠位端が示されている。その1組のジョー65’’’’を使用して、キャリアツール10’’’’の長手方向軸に対して横断方向に、例えば実質的に垂直にアライメント調整した状態で、モジュール式ツールヘッド60をキャリアツール10’’’’に固定することができる。サージカルジョー65’’’’の実施形態は、拡張したリーチ52’’’’および/または特殊な枝部54’’’’を有する長いジョーを含んでよく、それらの枝部54’’’’はツールヘッド60上の嵌合用特徴部に係合することができる。例えば、ジョー65’’’’は、前述の実施形態と同様に現行の標準的なツールが導入プロセス中に確実に固定してツールヘッド60保持できるように構成されてよい。
【0051】
例えば、図示のように、ツールヘッド60は、溝63を有するロック用リング62を含むことができる。その溝63は、前部の枝部54’’’’とロック用リング62とが係合するときに、拡張したリーチ52’’’’を有する長いジョー65’’’’が完全に開いた位置になるようにサイズ設定されている。こうした実施形態により、前述の実施形態と同様に、動作の原理を維持しながら、ジョー65’’’’をさらに開いてツールヘッド60を解放することができないので、ツールヘッド60が偶発的に早まって解放されるリスクを低下させることができる。
【0052】
任意選択で、本明細書の実施形態のうちのいずれか、例えば、
図3、
図4、および
図6の実施形態は、
図4のハンドル40’’’’に示すグリップロック特徴部45’’’’と同様にグリップロック機能を組み込んでよい。グリップロック特徴部45’’’’は、サージカルジョー65’’’をツールヘッド60の周りに近接した状態にロックするように構成されてよい。サージカルジョー65’’’がツールヘッド60上にロックされている間に、本明細書の他の部分に説明されるようにまたは参照により本明細書に援用される出願に記載されているように、ツールヘッド60は、例えばツールヘッド60を受容するように手術空間内に導入される腹腔鏡ツールのコントロールシャフト80によって、今まで通りサージカルジョー65’’’からロック解除されてよい。グリップロック特徴部45’’’は、シャフト20’’’に対するサージカルジョー65’’’の相対位置および/または互いに対する相対位置をロックすることができる。任意選択で、本明細書の実施形態のうちのいずれか、例えば、
図3、
図4、および
図6の実施形態は、2つのジョーの代わりに4つのジョーを組み込んでよい(図示せず)。
【0053】
図7Aを参照すると、ハウジング50を有する実質的に円筒形のシース20を組み込んだ導入装置またはキャリアツール10aの別の実施形態が示されており、そのハウジング50は、装置10aをそれに固定できる内視鏡90に隣接して延在する2つ以上の突出した耳部51を含む。概して、装置10aは、近位端22および遠位端24を含む細長いシース20と、近位端22上にある可動式のハンドル40と、ツールヘッド60を担持および/または回転するための、遠位端24にある2つ以上の突出した耳部51とを含む。ツールヘッド60の回転は、トリガまたは第1のアクチュエータ42を操作し、それにより、コネクティングロッドまたはワイヤ43を作動させることによって実現することができる。ハンドル40はスライドスイッチまたは他の第2のアクチュエータ46を含んでよく、その第2のアクチュエータ46は、例えばコネクティングロッドまたはワイヤ47を作動させることによって、ツールヘッド60に係合しかつ/またはそれを解放するように突出した耳部51を動作させる。ハウジング50はヒンジ53を含んでよく、そのヒンジ53はコネクティングロッドまたはワイヤ47を介してスライドスイッチ46に接続されている。医師がスライドスイッチ46を操作すると、ハウジング50の耳部51は、選択的に開閉してツールヘッド60に係合しまたはそれを解放することができる。
【0054】
円筒形のシース20は、内視鏡90を少なくとも部分的に囲繞しハウジング50および突出した耳部51を担持するように構成されてよい。前述の実施形態と同様に、シース20は、所望の長さを有してよく、かつ/または内視鏡のレンズ90に対する耳部51の位置を維持するのに十分に剛体でよい。やはり前述の実施形態と同様に、シース20は、内視鏡90に沿って長手方向に移動可能でよく、かつ/または少なくとも部分的に内視鏡90の周りを回転可能でよい。
【0055】
シース20は、ハンドル40が患者の体外に内視鏡90の隣に配設されるような長さを有することができる。ハンドル40はトリガもしくは他の第1のアクチュエータ42および/またはスライドスイッチもしくは他の第2のアクチュエータ46を含んでよく、それらが作動して突出した耳部51を作動させることができる。ハンドル40により、医師が装置10a全体を内視鏡90上で摺動させ、装置10aを患者の体内で内視鏡90の視野内に前進させ、かつ/または装置10aを患者の体から取り出すかもしくはそうでない場合は内視鏡90に対して取り外すことを可能にすることができる。ツールヘッド60が内視鏡90の視野に入ると、ハンドル40を作動させることで医師により視野内でツールヘッド60の位置を操作可能にすることができる。任意選択で、装置10aは、内視鏡90に対して適切な深さに装置10aが導入されたときに、例えばハンドル40内にまたは別法でハンドル40に連結されたストップ41を含むことができる。
【0056】
突出した耳部51は、ハウジング50および/もしくはシース20の遠位端24に取り付けられるか、または別法でそれらによって担持されてよい。耳部51は、ハンドル40に取り付けられたトリガ42および/またはスライドスイッチ46が作動することによって動くことができ、そのため、例えば医師が患者の体外から耳部51を操作することができる。耳部51は、標準的にサイズ設定されたツールヘッド60を少なくとも部分的にカバーするシュラウド要素70を1つまたは複数含むことができる。そのシュラウド要素70は、例えば、患者の体内への挿入および/または体外への取り出しを容易にするように、近位および/または遠位にある円錐形または他のテーパ状の特徴部を含む。例えば、前述の実施形態と同様に、耳部51は、1つまたは複数の目的、例えば、コントロールシャフトによってロック解除されるまでもしくはスライドスイッチ46によって解放されるまでツールヘッド60をハウジング50にロックすること、組み立てのためにツールヘッド60の適切な端部を医師が視認できるように、トリガ42を作動させることによってツールヘッド60を配向すること、および/またはツールヘッドをシュラウド70で少なくとも部分的にカバーすることを果たすように構成されてよい。
【0057】
ツールヘッド60は、患者の体外でオペレータによって、例えばツールヘッド60を装着し耳部51に関して回転させることによって、耳部51にロックされてよい。耳部51に対するツールヘッド60の配向は、装置10aがその最終位置に前進しハンドル40およびトリガ42の作動によって操作されるときに、ツールヘッド60の近位端60aが内視鏡90の視野に入るようにすることができる。任意選択で、例えば、本明細書の他の実施形態と同様にハウジング50上のロッドまたは歯車付きヒンジ(図示せず)を引っ張る/押すような機構によって、ツールヘッド60を耳部50に関して回転させるかまたは別法で再配向することができる。シース20および/またはツールヘッド60の移動により、ツールヘッド60を受容するために手術空間内に導入される手術ツールの薄型のカニューレ状のチューブまたはシャフト80に対してツールヘッド60を適切にアライメント調整することを容易にすることができる。
【0058】
図8を参照すると、キャリアツール10bの別の実施形態が示されており、そのキャリアツール10bは、前述の実施形態と同様にシャフト20およびハンドル40と、ツールヘッド60を担持するための可動式の遠位のハウジング50bとを含む。ハウジング50bは、例えばヒンジ21の周りでスライドスイッチまたは他の第1のアクチュエータ46が作動することによって、シャフト20の長手方向軸を横切る回転軸を中心に回転させてよく、ツールヘッド60は、例えばトリガまたは他の第2のアクチュエータ42の作動によってさらに回転可能でよい。オペレータがスライドスイッチ46および/またはトリガ46を操作すると、ツールヘッド60は、
図8A〜
図8Cにそれぞれ示すように内視鏡と実質的に同軸の状態12と、内視鏡に実質的に垂直の状態14と、内視鏡に実質的に平行の状態16との間で、方向付けされてよい。
【0059】
図9を参照すると、ツールキャリア110の別の例示的な実施形態が示されており、そのツールキャリア110は、例えばレールまたはスプライン56に、ツールヘッド60を複数保持できるツール保持ハウジング50を含み、そのツール保持ハウジング50はヒンジ21によって細長いシャフト20に連結されている。図示のように、スプライン56は、離間した1対の細長い要素を含むことができ、それらの要素は、例えば
図9Aに示すように概して円形の断面(またはその代わりに、三角形、正方形、もしくは他の多角形の断面)を画定しており、それらの要素間にツールヘッド60を固定することができる。任意選択で、ツールキャリア110は、ツールキャリア110のシャフトを内視鏡(やはり図示せず)に摺動可能に固定するクリップ要素(図示せず)を1つまたは複数含むことができる。あるいは、ツールキャリア110のハウジング50は、
図10Aに示すように、例えばトロカールまたは他のポートを通して、内視鏡とは無関係に手術空間内に導入可能でよい。さらに、またはその代わりに、キャリアツール110は、上記で説明したように、例えばハンドル40上のトリガ42を含む、同様の前進特徴部および/または作動特徴部を含むことができる。
【0060】
代替的な実施形態では、
図9Bに示すようにキャリアツール110’のレールまたはスプライン56上にツールヘッド60を保持することによってハウジング50を全体的に省いてよい。レール56を使用しハウジング50を省く方法は、「ツールホルダ」および「ハウジング」50が一体にする手法も示し、したがって、それら2つの接続に関わる懸念も無くなる。
【0061】
図10Aおよび
図10Bを参照すると、キャリアツール110’’、110’’’のハウジング50は、例えば、ハウジング50に所望の形状または構成を与えるように、および/または手術する空洞の、例えば腹部内の、利用可能な空間のレベルの差を吸収するように、実質的に剛体でも柔軟でもよい。例えば、
図10Aには、実質的に直線の形状17を有する、例えばキャリアツールの長手方向軸に実質的に平行に延在する、ハウジング50を含むキャリアツール110’’を示し、
図10Bには、湾曲したまたは「L」字の形状18を有するハウジング50を含むキャリアツール110’’’を示す。それらのキャリアツールのいずれも、本明細書の他の部分に記載されたクリップ要素など、様々な機構によって内視鏡90に取り付けることができる。
【0062】
直線の構造では、例えば
図10Aに示すように、ツールヘッド60はそれぞれ、その特有のコンパートメント23を有することができ、1つまたは複数の自由度で回転することができ、そのため、コントロールシャフト80(図示せず、例えば
図10B参照)との正確なアライメント調整が可能になる。
【0063】
湾曲した構成では、例えば
図10Bに示すように、ツールヘッド60は、コントロールシャフト80への取り付けを容易にするように、コンベヤベルト58に沿って例えばハウジング50の先端部まで移動することができる。ツールヘッド60の回転および/または交換は、キャリアツール110’’’の近位端から、例えばハンドル40上のアクチュエータ(図示せず)を用いて行うことができる。例えば、ラチェットタイプのアクチュエータにより、摺動動作を起こすことができ、そのため、所望のツールが例えば内視鏡90の視野内に存在するまでツールヘッドがコンベヤのトラック58に沿って前進する。
【0064】
図11Aおよび
図11Bを参照すると、キャリアツール110aの別の実施形態が示されている。そのキャリアツール110aは、シャフト(図示せず)の遠位端に設置できる、ハウジング50内で担持されるツールヘッド60を複数含み、かつ/または本明細書の他の実施形態と同様に他の特徴部を含む。ツールヘッド60はそれぞれ、ケーブルまたは他の細長い要素によって解放可能に担持されてよい。そのケーブルまたは他の細長い要素は、互いから離れる方に付勢されてよいが、ハウジング50内では弾性的にまっすぐにすることができる。例えば、
図11Aに示すように、ツールヘッド60は、ハウジング50内で長手方向に実質的に1列に収めることができ、例えば、そのため、ハウジング50の断面プロフィルを最小限に抑えることができる。
図11Bに示すように、ツールヘッド60の束をハウジング50から前進可能にすることができ、したがって、ツールヘッド60のうちの1つまたは複数を、手術空間内で他のものから離れるように方向付けして、所望のツールの選択および/または手術ツールのコントロールシャフト(図示せず)への取り付けを容易にすることができる。任意選択で、ツールヘッド60はそれぞれ、例えば、ツールヘッド60を回転させかつ/または別法でコントロールシャフトとアライメント調整することが可能になるように、自由度を1つまたは複数有することができる。
【0065】
図12Aおよび
図12Bを参照すると、キャリアツール110bの代替的な実施形態が示されている。そのキャリアツール110bはデリバリハウジング50を含み、そのデリバリハウジング50は、導入シャフト20に接続されており、中心軸から径方向に広がる複数のツール先端部60を保持する。ツールヘッド60は、実質的に長手方向に1列に、または
図12Aに示すように内視鏡90の前部においてデリバリハウジング50の一部として他の配向に、アライメント調整されてよい。
図12Bに示すように、ツールヘッド60は、デリバリハウジング50から前進した後で、外側に広がる各ツールヘッド60を露出することができる。ハウジング50は、ツールヘッド60の1つを内視鏡90の視野内に配置するように回転させて、例えば、コントロールシャフト80による選択したツールヘッド60の取り付けを容易にすることができる。ツールヘッド60はそれぞれ、自由度を1つまたは複数有して、例えばコントロールシャフト80との所望のツールヘッド60のアライメント調整を容易にするように、枢動および/または回転することができる。
【0066】
図13を参照すると、ツールヘッド60を手術空間に導入すると共に手術空間内で外科的処置を実行するコントロールシャフト80にツールヘッド60を取り付けるシステムおよび方法の例示的な実施形態が示されている。概して、そのシステムは、トロカール82を通して手術空間内にキャリアツール10と内視鏡90とを一緒に導入できるように、例えば内視鏡90に取り付けられたキャリアツール10を含む。そのキャリアツール10は本明細書の他の部分に記載されるどの実施形態でもよい。図示のように、そのシステムは、ツールヘッド60とコントロールシャフト80との組み立てを助けるワイヤレール74を含む。任意選択で、そのシステムは、内視鏡90の端部にある機構に加えてまたはその代わりにワイヤレール74を使用することができる。
【0067】
ワイヤレール74を配置する処置は、経皮的な経胃栄養チューブを配置するのに用いる処置と同様でよい。例えば、以下のステップを用いることができる:
1)経皮的コントロールシャフト80を通してまたは別法でその隣にワイヤ74を配置することができる;
2)内視鏡90の隣にスネア76を通し、そのスネア76を用いてワイヤ74の端部を掴むことができる;
3)スネア76を、したがってワイヤ74を、例えば内視鏡に隣接したへそ部から引き出すことができる;
4)例えば、内視鏡90に沿ってまたは内視鏡90から独立して前進する可撓性の導入チューブ71(またはその代わりに本明細書で説明したキャリアツールのうちのいずれか)を用いて、ツールヘッド60を、ワイヤ74上を通し、へそ部を介して体腔内に導入することができる。例えば、図示のように、ツールヘッド60は可撓性の導入チューブ71の端部に着座することができる;
5)オペレータは、例えば経皮的コントロールシャフト80の端部に嵌まるまで、チューブ71を押しかつ/またはワイヤ74を操作してツールヘッド60をコントロールシャフト80に向けて案内することができる;
6)例えば本明細書の他の部分および上記で参照により援用する出願に記載されるように、ツールヘッド60を経皮的コントロールシャフト80上に装着することができる。
【0068】
図14を参照すると、ツールヘッド60を手術空間に導入しかつ/またはツールヘッド60をコントロールシャフト80に接続するシステムが示されている。前述の実施形態とは異なり、導入装置10は、内視鏡90が患者の体内にそこから導入される位置とは別個の位置に導入されてよい。導入装置10は、概して、例えば本明細書の他の部分に記載される他の実施形態と同様に、シャフト20と、ハンドル40と、ハウジング50とを含むことができるが、内視鏡90に取り付けられるクリップ要素は含まない。装置10のハウジング50は、例えばツールヘッド60をロックしかつ/または内視鏡90に対してツールヘッド60を配向することによって、ツールヘッド60を担持することができる。したがって、医師は、例えば、トリガまたは他のアクチュエータ42を操作し、それにより、シャフト20内のコネクティングロッドまたはワイヤ43を作動させることによって、組み立てを意図したツールヘッド60の適切な端部を視認可能にすることができる。図示のように、導入装置10は、内視鏡90ではなく、別個のトロカールまたは他のポートを通して導入されてよい。
【0069】
図示のように、ハンドル40は、ハウジング50およびツールヘッド60が手術空間内に配設されているときは患者の体外に延在することができる。ハンドル40により、医師が装置10を体内で内視鏡90の視野に前進させかつ/または装置10を患者の体から取り出すことを可能にすることができる。
【0070】
ハウジング50は、本明細書の他の実施形態と同様に、シャフト20の遠位端に取り付けられているかまたは別法でその上に設置されてよい。したがって、ハウジング50は、本明細書の他の実施形態と同様に1つまたは複数の目的、例えば、コントロールシャフト80によってロック解除されるまでツールヘッド60をハウジング50にロックすること、ツールヘッド60を配向すること、および/またはツールヘッド60の端部を覆うことを果たすことができる。任意選択で、ツールヘッド60を少なくとも部分的にカバーするようにシュラウド70が設けられてよい。そのシュラウド70は、例えば、患者の体内への挿入および/または体外への取り出しを容易にするように、例えば、近位および/または遠位にある円錐形または他のテーパ状の特徴部を有する。
【0071】
使用中には、ツールヘッド60は、患者の体外でオペレータによって、例えばツールヘッド60をハウジング50に対して装着および回転することによって、ハウジング50にロックされてよい。ハウジング50内におけるツールヘッド60の配向は、本明細書の他の部分に記載されるように、ツールヘッド60の近位端60aがその遠位の位置に前進するときに内視鏡90の視野に入るようにすることができる。
【0072】
本明細書のどの装置を用いても1つまたは複数の手術の処置または他の処置を、患者の体内で、例えば、患者の腹部内の手術空間内または他の位置において実行することができる。例えば
図15を参照して、ここで例示的な方法を
図1の装置10を参照しながら説明するが、本明細書のどの実施形態でも同様の方法を実行できることが理解されよう。概して、装置10は、例えば本明細書の他の部分に記載される他の実施形態と同様に、細長いシャフト20、ハンドル40、トリガ42、ストップ41、コネクティングワイヤまたはロッド43、ハウジング50、および/またはスロット付きクリップ30を含むことができる。
【0073】
まず、医師は、所望のツールヘッド60をハウジング50に装着することができる。次いで、医師は、ハンドル40を把持しトリガ42を作動させることによってツールヘッド60を操作する能力をチェックすることができる。次に、医師は、例えばトロカールまたは他のポート82を使用して、例えば
図15に示すように腹壁84を横切って、内視鏡90を手術空間に患者の体内に導入することができる。医師は、腹部の状態が満足いくものになった後で、トロカール82から内視鏡90を取り外し、例えば
図1および
図1Aに示すクリップ30と同様にクリップ特徴部を利用して、シャフト20を内視鏡90に装着することができる。次に、医師は、例えばサムホイール44でストップ41の深さを調節することができる。次に、医師は、ツールヘッド60をシュラウド70で覆い、例えばストップ41が腹部組織またはトロカール82に当たるまで、アセンブリ全体を腹部内に導入することができる。装置10が腹部に入った後で、シュラウド70を解放でき、医師は、内視鏡90の視野内でツールヘッド60を回転可能にすることができる。
【0074】
続いて、例えば内視鏡90の視野内でその処置をモニタリングしながら、コントロールシャフト80を手術空間に例えば別のトロカールまたは他のポート(図示せず)を通して導入しツールヘッド60に挿入することができる。ツールヘッド60がコントロールシャフト80に連結されると、本明細書の他の部分および参照により本明細書に援用される出願に記載されたように、ツールヘッド60を使用して、処置を、例えば外科的処置の1つまたは複数のステップを実行することができる。所望の場合は、いつでも、例えばツールヘッド60をキャリアツール10に再連結することによって、ツールヘッド60をコントロールシャフト80から取り外すことができ、任意選択で、別のツールヘッド60を同様にして導入しコントロールシャフト80に連結することができる。したがって、1つまたは複数のツールヘッドを手術空間に順次導入して、所望に応じて一連のステップまたは処置を実行することができる。所望の(1つまたは複数の)処置が完了すると、キャリアツール10、コントロールシャフト80、内視鏡90、および/または任意の他のデバイスを従来の方法を用いて患者の体から取り出すことができる。
【0075】
あるいは、さらに
図2を参照すると、装置10’を同様にして使用することができる。上記で説明したように、装置10’は、細長いシャフト20と、ハンドル40と、トリガ42’と、ストップ41’と、コネクティングワイヤまたはロッド43’と、標準的なサージカルジョーまたは鉗子65’と、導入シャフト20’に平行に取り付けられたスロット付きクリップ30’とを含むことができる。医師は、まず、ツールヘッド60をサージカルジョー65’に装着することができる。次いで、医師は、ハンドル40’を把持しトリガ42’を作動することによってツールヘッド60を操作する能力をチェックすることができる。次に、医師は、例えばトロカールまたは他のポート82を使用して、例えば
図15に示すように腹壁84を横切って、内視鏡90を体内に導入することができる。
【0076】
医師は、腹部の状態が満足いくものになった後で、トロカール82から内視鏡90を取り外し、例えばクリップ30’を利用して、シャフト20’を内視鏡90上に装着することができる。次に、医師は、ストップ41’の深さを例えばサムホイール44’で調節することができる。次に、医師は、ツールヘッド60をシュラウド70で覆い、腹部に、例えばストップ41’が腹部組織またはトロカール82に当たるまで、アセンブリ全体を腹部内に導入することができる。装置10が腹部に入った後で、シュラウド70’を解放でき、医師は、例えばジョー65’をトリガ42’で作動させることによって、ツールヘッド60を内視鏡90の視野内に配置するように装置10’を回転または別法で操作することができる。続いて、コントロールシャフト80を、本明細書の他の実施形態と同様に内視鏡90の視野内でツールヘッド60に挿入し、ツールヘッド60に連結することができる。
【0077】
図3を参照すると、その代わりに、延長したリーチ52’’および特殊な枝部54’’を有する長いジョー65’’を、
図2に示す装置10’に組み込むことができる。リーチを延長しかつ/または特殊な枝部を組み込むことにより、
図16に示すいずれかのツールヘッドなど、様々なツールヘッドの係合および導入を容易にできることが理解されよう。特殊な枝部54’’は、
図3に示すように、ツールヘッド60のロック用リング62にある対応する特徴部に嵌合することができる。
【0078】
図4を参照すると、ツールヘッド60の導入および/または操作を容易にする、本明細書のどの実施形態にも設置できるデテント制御式係合システムを含む装置10’’’の代替的な実施形態を使用することができる。図示のように、装置10’’’は、第1組のデテントロック66’’’および第2組のデテントロック45’’’を含むことができる。第1組のデテントロック45’’’はハンドル67’’’およびトリガ42’’’上に含まれてよい。鋸歯様のデテント45’’’により操作トリガ42’’’とハンドル67’’’との間に摩擦インターフェースが設けられて、デテント45’’’がユーザによって肯定的に係合解除されるまで引き続き離れる方に移動することを防止しながらハンドル67’’’に向けてトリガ42’’’を引くことを可能にすることができる。したがって、第1のデテントロック45’’’により、医師がサージカルジョー65’’’の位置を制御可能にすることができる。第2のデテントロック66’’’はツールヘッド60のジョーの間に設けられてよい。その第2のデテントロック66’’’により、医師がツールヘッド60をサージカルジョー65’’’に一体に取り付けることを可能にすることができる。例えば、ツールヘッド60が体内に導入されると、例えばツールヘッド60をコントロールシャフト80に連結しコントロールシャフト80の作動によってツールヘッド60のジョーを操作することによって、第2のデテントシステム66’’’を乗り越えることができる。
【0079】
図6を参照すると、代替的なキャリアツール10’’’’が、
図2〜
図4の実施形態と同様にして、例えばツールヘッド60をサージカルジョー65’’’’と係合および解放させることによって使用することができる。キャリアツール10’’’’は、ツールヘッド60を所定の配向に、例えばシャフトに実質的に垂直な配向に、担持することができ、この担持は、延長したリーチ52’’’’および/または特殊な枝部54’’’’を有する長いジョーによって容易にすることができる。その枝部54’’’’は、対応するツールヘッドの溝63に受容されかつ/または別法でロック用リング62に係合するように構成することができる。
【0080】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、装置10aを同様にして使用することもできる。上記で説明したように、装置10aは、細長いシャフト20と、ハンドル40と、トリガ42と、スライドスイッチ46と、ストップ41と、ツールヘッドを操作するコネクティングワイヤまたはロッド43と、ハウジングのヒンジ53を操作するコネクティングワイヤまたはロッド47と、ハウジング50と、ヒンジ50に取り付けられたツールヘッド用シュラウド70と、ロック用リング62に係合しトリガ42によって生じる回転を伝達することを十分に行う突出した耳部51と、剛体のストップ41と、サムホイール44と、スロット付きクリップ30とを含む。医師はまず、例えばツールヘッド60をハウジング50内に摺動させ、かつ/または例えばスライドスイッチ46を摺動させてハウジングヒンジ53を起動することでハウジング50を開くことによって、ツールヘッド60をハウジング50および突出した耳部51に装着することができる。医師は、耳部51がツールヘッド60のロック用リング62上の対応する特徴部に嵌まるまで、ツールヘッド60を装着することができる。医師は、スライドスイッチ46を用いてハウジングのヒンジ53を起動して場合は、スライドスイッチ46の位置を戻しハウジング50を閉じることができる。
【0081】
次いで、医師は、ハンドル40を把持しトリガ42を作動させることによってツールヘッド60を操作する能力をチェックすることができる。次に、医師は、例えば
図15に示すように腹壁84を横切るトロカール82を使用して、内視鏡90を患者の体内に導入することができる。医師は、腹部の状態が満足いくものになった後で、トロカール82から内視鏡90を取り外し、(例えば
図1Aに示すように)例えばクリップ30を利用して、シャフト20を内視鏡90に装着することができる。次に、医師は、例えばサムホイール44でストップ41の深さを調節することができる。次に、医師は、ツールヘッド60をシュラウド70で覆い、例えばストップ41が腹部組織またはトロカール82に当たるまで、アセンブリ全体を腹部内に導入することができる。装置10が腹部に入った後で、シュラウド70を解放でき、医師は、内視鏡90の視野内でツールヘッド60を回転および/または別法で操作することができる。続いて、コントロールシャフト80を、内視鏡90の視野においてツールヘッド60内に挿入することができる。
【0082】
図8を参照すると、装置10bを概して同様にして使用することができる。前述の実施形態とは異なり、ハウジング50bを、スライドスイッチ46の作動によってヒンジ21を中心に回転させることができ、かつ/またはツールヘッド60を、例えばトリガ42の作動によって回転させることができる。オペレータがスライドスイッチ46および/またはトリガ41を作動させるときに、ツールヘッド60は、所望の配向に、例えば、
図8Aに示すように内視鏡と実質的に同軸の状態12と、
図8Bに示すように内視鏡に実質的に垂直の状態14と、
図8Cに示すように内視鏡に実質的に平行の状態16との間で方向付けされてよい。これらの3つの位置間(または他の位置間)を自由に移動できることにより、例えば、腹壁84を横切るトロカール82があってもなくても患者の体内への装置10bの導入方法に対応するように、かつ/または腹部内の様々な解剖学的構造への適応を容易にするように、医師の使用を容易にすることができる。
【0083】
図9を参照すると、上記で説明したように、例えばレールまたはスプライン56にツールヘッド60を複数保持できるハウジング50を含むキャリアツール110を使用することができる。医師は、例えば処置中に使用される手術ツールのコントロールシャフト上のツールヘッドを変更するための交換時間を短縮することによって、例えば手術室における時間を短縮するために、手術空間内で一緒に利用できる複数のツールヘッドを有することを望むことがある。単一のレールまたはスプライン56が、外科的処置を完了するのに要求される必要なツールのうちの全てまたは一部を保持することができる。
【0084】
例えば、ツールを複数含む例示的な処置には胆嚢摘出術がある。こうした処置は、
図16のツールヘッド100〜170に示したような複数のエンドエフェクタ、すなわち、のこぎり歯状のグラスパ100、非外傷性のグラスパ108、ディセクタ130、クリップアプライヤ140、はさみ140、単極フックカーテリツール160、および/または双極カットカーテリツール170を使用するステップが含まれることがある。ツール110などのキャリアツールにより、それらのモジュール式ツールヘッドのうちの全てまたは一部を一緒に導入し簡単に利用可能にすることができて、あるツールヘッドを別のツールヘッドに交換するためにキャリアツールおよび/または内視鏡を取り出す必要性が回避され、それにより、処置の時間を短縮することができる。
【0085】
任意選択で、複数のツールヘッド60を保持するキャリアツール110およびハウジング50を、様々な機構および方法を用いて内視鏡90に取り付けることができる。例えば、キャリアツール110は、例えば
図1および
図2の実施形態と同様に、キャリアツール110を横向きに内視鏡90上に取り付けるかまたは軸方向に内視鏡90上を摺動することを可能にするクリップ要素(図示せず)を含むことができる。本明細書の他の部分に記載されるように、選択したハウジング50は、利用可能な空間のレベルおよび/または手術空間内の空間の形状の差を吸収するように、例えば、
図10Aおよび
図10Bに示すように直線でも湾曲していてもよい。ハウジング50が
図10Bに示すようにコンベヤベルト58を含む場合は、コンベヤベルト58を患者の体外から作動させて、所望のツールヘッド60を医師の視野内に存在させ他のツールを視野外に移動させることができる。
【0086】
図11A〜
図12Bを参照すると、複数のツールヘッド60を一緒に導入できる、代替的な制御された配列のツールヘッド60を設けることができる。上記で説明したように、それらの配列は、ハウジング50から前進するときに弾性的に展開することができる。その配列が展開することにより、医師が所望のツールヘッド60を内視鏡90の視野内に配向可能にして、コントロールシャフト80への所望のツールヘッド60の嵌合を容易にすることができる。
【0087】
図13を参照すると、例えばコントロールシャフト80とキャリアツール10との間のワイヤベースの接続部を用いてツールヘッド60をコントロールシャフト80に連結する代替的な方法が示されている。まず、ワイヤ74の遠位端を、例えばコントロールシャフト80および/または第1のポート(図示せず)を通してまたはそれに隣接して、腹部または他の手術空間内に導入することができ、スネア76を、独立して、手術空間内に、例えば内視鏡90および/または第2のポート(やはり図示せず)に隣接して導入してワイヤ74の遠位端を捕えることができる。スネア76を引き抜いてワイヤ74を手術空間から引き出すことができ、次いで、ワイヤ74を所望のツールヘッド60に固定することができる。次いで、ツールヘッド60を、可撓性の導入チューブ71または他のキャリアツールを用いて第2のポート(図示せず)を介して手術空間内に導入することができ、ワイヤ74を操作してチューブ71およびツールヘッド60をコントロールシャフト80に案内することができる。したがって、ワイヤレールシステムは、コントロールシャフト80とツールヘッド60との嵌合を容易にすることができる。ワイヤを捕え操作する例示的な装置および方法は、参照によりその開示全体が本明細書に明示的に援用される米国特許第6,379,319号に開示されている。
【0088】
図14を参照すると、トロカール82を通して腹壁84のうちの内視鏡90とは異なる位置にキャリアツール10を導入する代替的な方法が示されている。こうした処置の利点の一つは、運動の自由度を増加できることである。
【0089】
図17を参照すると、(本明細書のどの実施形態でもよい)ツールキャリアまたは導入装置10cの別の例示的な実施形態が示されており、そのツールキャリアまたは導入装置10cは、それにより担持されるツールヘッド60を、一連のリンケージ25によって接続された作動ハンドル40を使用して能動的に配置可能にすることができる。こうした導入装置10cは、例えば上記に示すように、内視鏡90上に配置することもでき、内視鏡90とは別に、へそ部など、内視鏡90の近くの位置を通して、または内視鏡90から離れた位置の代替的なポート位置(図示せず)を通して、平行16に配置することもできる。
【0090】
図18に示すように、アクチュエータ26の代替的な実施形態を含むツールキャリア10dの別の実施形態が示されている。アクチュエータ26は、例えば
図17に示し上記で説明したリンケージ25ではなく、例えば1つまたは複数のワイヤまたはコードなどの引張要素を用いてツールヘッドの再配置を可能にすることができる。
【0091】
図19Aおよび
図19Bを参照すると、ツールキャリア10eの代替的な実施形態が示されており、そのツールキャリア10eは、例えばツールヘッド60のロック用リング62にある溝63に対応する回転式の歯特徴部またはヒンジ55を1つまたは複数含む。図示のように、円形の2つの特徴部55を互いからずらして設けることができ、そのため、例えばハウジング50に対してロッド55aを作動させることによって、特徴部55の少なくとも一方が他方に対して軸方向に移動すると、ツールヘッド60が、例えば
図19Aに示す配向と
図19Bに示す配向との間を回転する。
【0092】
図20および
図20Bを参照すると、ツールキャリアまたは導入装置10fに設置できる、ツールヘッド60を担持しかつ/またはツールヘッド60の配向を調節する機構のさらに別の実施形態が示されている。例えば、ツールヘッド60を導入装置10fのシャフト20と実質的に一列に配置可能にするために、完全に回転したときに外囲の断面を比較的小さく維持しながら固いリンケージ25aの構成要素が互いに干渉しないように、固いリンケージ25aを設けることができる。
【0093】
図21Aおよび
図21Bを参照すると、ツールキャリア10gの別の例示的な実施形態が示されており、そのツールキャリア10gは、例えばトロカールまたはポート(図示せず)を介して手術空間内に導入されるようにサイズ設定された遠位端を含む細長いイントロデューサチューブ20gを含む。離間した1対の細長いレール50gは、イントロデューサチューブ20gの遠位端から延在し、それにより、ツールヘッド60を複数受容するトラック52gが設けられる。1つまたは複数のツールヘッド60を、例えば、挿入ツール(図示せず)によってまたはイントロデューサチューブ20gの孔を通して単に(1つまたは複数の)ツールヘッド60を摺動させることによって、イントロデューサチューブ20gに導入することができ、そのため、ツールヘッド60上の特徴部がトラック52g内に摺動可能に捕捉されイントロデューサチューブ20gを越えて露出される。したがって、ツールヘッド60をイントロデューサチューブ20gから吊り下げトラック52gによって保持することができ、コントロールシャフト(図示せず)をトラック52gによって担持される所望のツールヘッド60に接続することが可能になる。任意選択で、ツールヘッド60を、ケーブル、ベルト、または別の機械式の特徴部(図示せず)に連結して、例えば、ツールヘッド60の挿入またはトラック52gおよび/もしくはイントロデューサチューブ20gからの取り外しを容易にすることができる。
【0094】
図22を参照すると、ツールキャリアまたは導入装置10hの別の実施形態が示されており、そのツールキャリアまたは導入装置10hは、内視鏡90の周りを覆うように摺動可能にフィットするチューブシャフト20hを含むことができる。そのチューブシャフト20hは、使用中に内視鏡90に沿って前または後ろに摺動して、例えば、チューブシャフト20hの遠位端にある導入特徴部250、252上で担持されるツールヘッド60(図示せず)と内視鏡90との間の相対距離を調節することができる。ツールヘッド60が導入装置10hの導入特徴部から取り外されると、例えばコントロールシャフト(図示せず)に固定された後で、チューブシャフト20hは、内視鏡90が導入特徴部からの妨害が最小限の状態または妨害がない状態の十分な視認性を有するように後退することができる。チューブシャフト20hの遠位端は、1つまたは複数の導入特徴部250、例えば導入リング252を含むことができ、その導入リング252は、ツールヘッド60をコントロールシャフトにロックした後でチューブシャフト20hが後退するときに、ツールヘッド60を捕捉し内視鏡90の遠位端を通り過ぎるようにサイズ設定されている。導入リング252は、以下の様々な実施形態で説明するように、チューブシャフト20hに対して静止しているかまたは移動可能でよい。
【0095】
例えば、
図23に、チューブシャフト20h(図示せず)によって担持できる導入特徴部またはリング252の例示的な実施形態を示す。図示のように、導入リング252は、対向する1対の枝部、タブ、または他のロック特徴部252aを含み、それらを、
図30または本明細書の他の実施形態に示すツールヘッド60の溝63a、63bなど、ツールヘッド上の対応する特徴部で受容することができる。あるいは、導入リング252は、互いに離間した1個、3個、4個、またはそれより多くのロック特徴部(図示せず)を含むことができ、そのロック特徴部は、それを通してツールヘッド60を受容できる導入リング252を通る開口部中に延在するかまたは別法でその開口部を通る。
【0096】
例示的な実施形態では、導入リング252および/またはロック特徴部は、ツールヘッド上のロック要素と同様の長さであるかまたはそれよりも短く、例えば
図30に示すツールヘッド60の回転式ロック用リング62よりも短い長さを有し、そのため、ロック特徴部が本明細書の他の実施形態と同様にハウジング68またはツールヘッド60の他の構成要素に対するロック用リング62の回転と干渉しないようにすることができる。例えば、ロック特徴部252aの幅により、(溝63aの端部から以外では取り外し可能でなく)ロック特徴部252aを
図30のツールヘッド60の溝63a、63b中に摺動可能にすることができ、その長さは、ロック用リング62がハウジング68に対して回転する能力に影響を及ぼすことなく、溝63bへのロック特徴部252aの受容に対応することができる。
【0097】
導入リング252は受動的に移動可能でよく、例えば複数の撃角を含む、例えばチューブシャフト20hの長手方向軸を横切る軸を中心に自由に枢動することができる。したがって、導入リング252は、ツールヘッド60が自由に回転してツールヘッド60へのコントロールシャフトのアライメント調整に対応できるように、ツールヘッド60(図示せず)を担持することができる。導入リング252は、自由に回転して、チューブシャフト20hがツールヘッド60を取り外した後で後退するときに導入リング252が内視鏡90の遠位端を通り過ぎることを可能にすることができる。
【0098】
図24Aおよび
図24Bに示す別の実施形態では、導入リング252は、概して
図23の実施形態と同様に、例えばツールヘッドおよびコントロールシャフト(図示せず)のアライメント調整を助けるために、少なくとも1つの軸を中心に枢動するように構成されてよい。あるいは、導入リング252は、球形のベアリング面253内に保持されてもよく、そのため、単一の軸を中心に枢動するのではなくどの方向にも自由に動くことが可能になる。
【0099】
図25Aおよび
図25Bを参照すると、導入特徴部またはクリップ254の別の実施形態が示されており、これは、ツールヘッド60を導入特徴部254に解放可能に固定する、隣接して配置された2つのアライメント調整/ロック特徴部254aを含む。あるいは、導入特徴部254は、ツールヘッド60の外側に複数の接触点を設けることができる単一のロック特徴部を含むこともできる。
【0100】
図26Aおよび
図26Bに、スロットなしでかつ/または非円形の形状で設けることができる導入特徴部250および対応するロック用リング62の代替的な実施形態を示す。ツールヘッドの同様の形状のロック用リング62に対して導入特徴部250をつなぐように、カム、多角形、真円でない円形などを含む任意の形状のものを設けることができることが理解されよう。任意選択で、導入特徴部250は、ロック用リング62上で嵌合特徴部に係合する追加の開口(図示せず)を含んでもよい。
【0101】
図27を参照すると、導入特徴部またはリング256の別の実施形態が示されている。導入リング256は、ツールヘッド60をトロカールまたは他のポート(図示せず)を通して、標準的な内視鏡90と実質的に平行に配置することを可能にすることができる。図示のように、導入リング256は、「C」字形のクリップであり、スリーブが固定されるかまたは内視鏡90に対して摺動可能になるように内視鏡90に連結されたスリーブから延在する。導入リング256は、1つの軸に関して4分割されており、例えば導入リング256によって担持されるツールヘッド60の、コントロールシャフト(図示せず)とのアライメント調整を容易にすることができる。導入リング256が、ツールヘッド60の嵌合特徴部に、例えばロック用リング(図示せず)に捕捉または別法で係合されたフィンガまたはプロングを含むので、内視鏡90に対する導入リング256の高さまたはプロフィルを最小限に抑えることができる。
【0102】
図28A〜
図28Dを参照すると、導入特徴部またはリング250の付加的な実施形態が示されている。その導入特徴部またはリング250は導入特徴部250に連結されたばね要素を含み、そのばね要素は、導入特徴部250をニュートラルな位置に向かって付勢するが導入特徴部250をわずかに回転可能にし、例えばツールヘッド60とのコントロールシャフト(図示せず)のアライメント調整を容易にする。例示的な実施形態では、ばね要素258は、
図28Cに示すような薄板ばね259、
図28Dに示すような時計ばね260でよく、またはコンプライアンスは、導入リング250のツール収容構造50ように設計されてよい。ツールヘッド60が取り外されるかまたは取り替えられると、導入特徴部250は自動的にそのニュートラルな位置に戻って、例えば内視鏡90上での導入特徴部250の後退を容易にすることができる。
【0103】
図29Aおよび
図29Bを参照すると、ツールヘッド60を捕捉するための概して「U」字形の部材を含む導入特徴部262を含むキャリアツール10iの別の実施形態が示されている。導入特徴部262はある程度の回転を可能にするように設計されてよいが、ツールヘッド60は、例えば単一の横軸を中心に、その内部にロックされている。例えば、導入リング262または導入装置10iは、それにロックされたツールヘッド60の回転を制限してある程度の角度方向の配置を可能にすることができる。導入リング262は、ツールヘッド60を完全に囲繞することはできないが、例えば導入リング262上の特徴部がツールヘッド60上の嵌合特徴部と係合する場合は、ツールヘッド60の周りで180度未満のみ延在することができる。
【0104】
図30を参照すると、非テーパ状のまたは尖っていない前面61を含むツールヘッド60の例示的な実施形態が示されており、そのような前面61により、例えば、本明細書のどの実施形態でもよいツールキャリアまたは導入装置(図示せず)の内部にツールヘッド60をくい込ませる可能性を低減させることができる。
【0105】
図31Aおよび
図31Bを参照すると、コントロールシャフト80とツールヘッド60の作動リンク81との間の摩擦のせいでツールヘッド60のジョー64が早まって開いてしまうことを防止するために、例えば、ツールヘッド60がコントロールシャフト80に連結されているときに、デテントまたは同様の特徴部を作動リンク81とハウジング68のツールヘッド60との間に設けることができる。例えば、一実施形態では、オス型デテント特徴部81aを作動リンク81の外面上に設けることができ、そのオス型デテント特徴部81aは、ハウジング68の内面の穴または凹所68aに対応することができる。ジョー64がアライメント位置(すなわち、本明細書の他の部分に記載されているように、ツールヘッド60をコントロールシャフト80に連結または連結解除する所定の位置)にあるときは、オス型デテント81aがハウジング68の穴または凹所68aに着座するようにコントロールシャフト80をハウジング68中に十分に挿入することができる。ジョー64を続けて開くためには、挿入および連結中のコントロールシャフト80と作動リンク81との間の摩擦力よりも大きい力で作動リンク81を軸方向に押さなければならない。
【0106】
図32A〜
図32Cを参照すると、本明細書のどの実施形態にも手術ツール206を設けることができ、その手術ツール206は、例えば、使用による、例えばツールヘッド60がツール206のコントロールシャフト80に連結されるときのツール206への損傷を防止するために、ハンドルセット240上にサムホイール242およびクラッチ243を含む。例えば、サムホイール242により、コントロールシャフト80に対して可能な最大のねじり負荷をサムホイール242から設定可能にすることができる。ツールヘッド60をコントロールシャフト80にロックまたはそれからロック解除するのに必要な力よりも大きいねじり力が加えられる場合に、クラッチ243は、ねじり負荷が増大するのを防止するのに十分に「解放する」ことができる。互いにかみ合う歯244など、機械式の要素をクラッチ243機構として使用することができ、それにより、
図32Bおよび
図32Cに示すように、1つまたは複数の歯が付いた要素244aを他方の歯要素244bに対して弾力的にばねで支えている。サムホイール242が十分なねじり負荷で回転すると、ばねで支えられた歯要素244aが外側に押されて、他方の歯要素244bの上を摺動することが可能になる。これと同じ効果を、コントロールシャフト80とサムホイール242との間に、ゴム製の継ぎ手245など、純粋な摩擦要素を用いて実現することができる。例えば、その際、ゴムによって生じる静止摩擦が、ツールヘッド60をロックまたはロック解除するのに必要な最大の力よりもわずかに大きい。
【0107】
例えば、例えば構成要素を取り付けるかまたは分離したときに所望の様式で構成要素が互いにアライメント調整されたことの、視覚、音響などのフィードバックを提供するために、様々なインディケータを本明細書で説明する装置の構成要素に設けることができる。例えば、
図33A〜
図33Cを参照すると、カニューレ状の外側のチューブまたはシャフト80および内側のアクティブシャフト83が、
図32Aに示すツール206などのツールに連結されたツールヘッド60に十分に挿入されたことを示すために、カニューレ状のシャフト80上に視覚のインディケータまたはマーカ85を設けることができる。
図33Aから最も良く分かるように、カニューレ状のシャフト80の端部は、ツールヘッド60上のガイドキャップ69に挿入されるときの適切な挿入深さに対応する距離のところで終わるように帯状に色づけすることができる。
図33Cに示すように、ツールヘッド60に十分に挿入されると、マーキング85はもはや目に見えず、適切な深さに到達したというフィードバックが与えられる。あるいは、カニューレ状のシャフト80のうちの端部のマークを付けていない部分にマークを付けることができる。
【0108】
図34Aおよび
図34Bを参照すると、ツールヘッド60と導入リング252との相対回転を表示するために、ツールヘッド60上に視覚のインディケータまたはマーカ361を設けることができ、導入リング252上には別の視覚のインディケータまたはマーカ257を設けることができる。インディケータ361、252には、ツールヘッド60および導入リング252の隣接する構成要素の表面に色づけするかまたはエッチングすることができる。ロック解除位置またはロック位置に回転するときに、インディケータ361、252は(
図34Aに示すように)アライメント調整されるかまたは(
図34Bに示すように)アライメント調整を外すことができ、それにより、ツールヘッド60が導入リング252にロックまたはそこからロック解除されたことが視覚的に確認される。
【0109】
図35A〜
図35Cを参照すると、手術ツールのカニューレ状のシャフト80および内側のアクティブシャフト83が相対的なロック位置に回転方向にアライメント調整されたことを表示するために、カニューレ状のシャフト80には切り欠きまたは窓85aを設けることができ、
図35Aから最も良く分かるように(例えば、陽極処理、エッチング、塗装などによって)アクティブシャフト83には色づけしたまたは表面を変更した対応するインディケータまたはマーカ85bを設けることができる。
図35Cに示すように適切にアライメント調整されると、窓または切り欠き85aを通してインディケータ85bが目に見えるようになり、相対的なシャフトのアライメント調整についての視覚のフィードバックが与えられる。カニューレ状の外側シャフト80および内側シャフト83が回転方向および/または軸方向のアライメント調整されていない場合は、
図35Bに示すように窓85aを通してインディケータ85bを見ることができない。
【0110】
図36Aおよび
図36Bを参照すると、モジュール式ツールヘッド60がツールキャリアの導入特徴部250(図示せず)中に十分に挿入されることを視覚的に表示するために、ツールヘッド60上のロック用リング62に色づけするかまたは別法で変更して、
図36Aに示すように、例えば陽極処理、エッチング、塗装など、何らかの処理によるマーカ362を設けることができる。ツールヘッド60が導入特徴部250に十分に挿入されると、マーカ362はもはや目に見えず、次いで、
図36Bに示すように、ツールヘッド60を回転させ導入特徴部250にロックすることができる。
【0111】
図37Aを参照すると、手術ツールのハンドルセット240の背面に設けることができる回転式インディケータ246が示されている。その際、インディケータ246の一方の構成要素がツールの内側のアクティブシャフト83にリンクしており、他方の構成要素がツールのカニューレ状の外側シャフト80に対応する。シャフト80、83が互いに対して適切な回転方向の位置にアライメント調整されているときは、インディケータ246の模様も
図37Cに示すようにアライメント調整されて、シャフトにアライメント調整が視覚的に確認される。
【0112】
図38A〜
図38Eを参照すると、モジュール式ツールヘッド60のロック用リング62の偶発的な回転を防止するために、かつ/またはロック位置およびロック解除位置の触覚のフィードバックを提供するために、ツールヘッド60のハウジング68の切り欠き部68bと一致する第1のデテント62aおよび第2のデテント62bをロック用リング62上に設けることができる。ロック用リング62の拡張および収縮を可能にするために、例えば
図38A〜
図38Eに示す例示的な位置で小さい部分62cを取り除くことができる。
【0113】
使用中には、ロック用リング62が所定の方向に、例えば
図38Bに示すように反時計回り方向に十分に回転すると、第1のデテント62aは切り欠き68b中に入り、第2のデテント62bはハウジング68の外面上に押しやられる。ロック用リング62を他の位置に、例えば
図38Aに示すように時計回り方向に回転させるためには、第1のデテント62aをハウジング68の外面上に押しやるように、所定の最小の力で、例えば使用中に偶発的に生じるような力よりも大きい力で、回転させなければならない。第2のデテント62bは、時計回り方向に十分に回転すると、切り欠き68bに入ることができ、それにより、ロック用リング62を再び反時計回り方向に回転させることに対する所定の抵抗力がもたらされる。
【0114】
図39A〜
図39Cを参照すると、手術ツール410の例示的な実施形態が示されている。その手術ツール410は、コントロールシャフト412およびハンドル414を含み、コントロールシャフト412に連結されたモジュール式ツールヘッド460を有する。概して、本明細書および参照により本明細書に援用される参考文献で説明する他の実施形態と同様に、コントロールシャフト412は、カニューレ状の外側のチューブまたはシャフト420と、本明細書の他の部分に記載されるように互いに対して、例えば軸方向におよび/または回転方向に、移動可能な内側の「アクティブ」シャフト430とを含む。さらに、外側シャフト420および内側シャフト430は、例えば、やはり以下にさらに説明するように、ツールヘッド460をコントロールシャフト412に連結しかつ/またはツールヘッド460上のエンドエフェクタ480を作動させるように、例えば
図40および
図41に示すように遠位端422、432上に、ツールヘッド460上の対応する特徴部に係合する特徴部を含む。
【0115】
例えば、
図40Aおよび
図40Bに示すように、カニューレ状の外側シャフト420の遠位端422は長手方向のスロット424を含み、そのスロット424は、例えばカニューレ状のシャフト420の遠位の先端部423から近位に円弧状のポケット426まで延在し、そのポケット426は、スロット424から横向きに延在して、尖っていない遠位の縁部426aが設けられる。
図41Aおよび
図41Bに示すように、内側シャフト430も、例えば近位に内側シャフト430の遠位の先端部433から延在する長手方向のスロット424を含む。遠位端432には、スロット434に沿って中間の位置に円弧状のノッチ436が設けられる。最初に、例えばコントロールシャフト412上へのツールヘッド460の受容に対応するように、スロット424、434を互いにアライメント調整することができるが、それらのスロット424、434を、例えば外側シャフト420を内側シャフト430に対して(または逆に)回転させることによって、
図51A〜
図52Bに示し以下でさらに説明するようにツールヘッド460をコントロールシャフト412に固定するように、アライメント調整しないように方向付けすることができる。
【0116】
遠位の先端部423、433は、例えば
図49Aおよび
図49Bに示すように、互いに概して同一の広がりを有することができるが、内側シャフト430の遠位の先端部433は、例えば
図49Cに示すように、例えば内側シャフト430がカニューレ状の外側シャフト420に対して軸方向に方向付けされるときに、カニューレ状の外側シャフト420の遠位端422から延在またはその中に後退することができる。図示のように、遠位の先端部423、433は、所望の場合は組織を貫通するのを容易にしかつ/またはツールヘッド460への挿入を容易にするために、面取りされ、例えば鋭利になっている。あるいは、遠位の先端部423、433は、尖っていないかまたは所望に応じて他の構成を有することができる。
【0117】
図39A〜
図39Cを再び参照すると、ハンドル414は静止したハウジング440を含み、そのハウジング440から、例えばユーザに保持されるように構成されたハンドレスト442が延在する。カニューレ状の外側シャフト420をハウジング440に対して軸方向に実質的に固定することができるが、ハウジング440および内側シャフト430に対して回転可能にすることができる。内側シャフト430を回転方向に実質的に固定することができるが、ハウジング440および外側シャフト420に対して軸方向に移動可能にすることができる。
【0118】
例えば、外側シャフト420の近位端421を、例えば回転式のベアリングまたはブッシング(図示せず)を使用して、ハウジング440内に回転式に搭載することができ、アクチュエータ444を近位端421に連結しハウジング440に対して回転可能にして、内側シャフト430に対して外側シャフト420を回転させて、例えば、以下にさらに説明するようにツールヘッド460をロックするかまたはコントロールシャフト412からロック解除することができる。任意選択で、アクチュエータ444は、2つの位置の間を、例えば、本明細書の他の部分に記載されるように、ツールヘッド460からのコントロールシャフト412の係合解除に対応する第1の位置と、ツールヘッド460へのコントロールシャフト412の係合に対応する第2の位置との間を回転するのを制限されてよい。この実施形態では、アクチュエータ444および/またはハウジング440は、第1および第2の位置でアクチュエータ444を解放可能に固定する協働特徴部を含むことができる。あるいは、所望の場合は、アクチュエータ444を、内側シャフト430に連結することができ、その内側シャフト430は回転可能でよく外側シャフト420は回転方向に固定されてよく、そのため、アクチュエータ444は、静止した外側シャフト420に対して内側シャフト430を回転させて、ツールヘッド460をロックまたはコントロールシャフト412からロック解除することができる。
【0119】
ハンドル414は、例えば内側シャフト430をカニューレ状の外側シャフト420に対して軸方向に方向付けするための、内側シャフト430に連結されたトリガまたは他のアクチュエータ446も含む。例えば、ツールヘッド460がコントロールシャフト412に連結されると、
図39Aおよび
図39Bに示し以下でさらに説明するように、トリガ446が起動して、内側シャフト420を軸方向に方向付けし、さらにツールヘッド460のエンドエフェクタ480を開位置と閉位置との間で方向付けすることができる。
【0120】
任意選択で、図示のように、ハンドル440は、例えば閉位置にあるトリガ446で、アライメント位置を超える近位への内側シャフト430の動きを制限するアライメントアクチュエータ448を含むことができる。例えば、トリガ446およびエンドエフェクタ480が
図39Bに示す閉位置にある場合は、アライメントアクチュエータ448を(
図39Aおよび
図39Bに示す)動作位置から(
図39Cに示す)アライメント位置に方向付けすることができる。例えば、動作位置では、アクチュエータ446を用いてエンドエフェクタ480を開位置と閉位置との間で方向付けすることができ、アクチュエータ446が閉位置にあるアライメント位置では、ツールヘッド460およびコントロールシャフト412の構成要素をアライメント調整することができて、例えば
図56Aおよび
図56Bに示し以下でさらに説明するように、ツールヘッド460をコントロールシャフト412から分離する(またはそれに連結する)ことが可能になる。
【0121】
図42A〜
図47Bを参照すると、ツールヘッドまたはエンドエフェクタアセンブリ460の例示的な実施形態が示されており、そのアセンブリ460は、例えば
図48A〜
図52Bに示すように、
図39A〜
図39Cの手術ツール410のシャフト412に選択的に連結されてよい。
図42A〜
図42Eに示すように、ツールヘッド460は、概して参照により本明細書に援用された実施形態と同様に、ハウジング470と、エンドエフェクタ480と、ハウジング470に対して軸方向に移動可能でありエンドエフェクタ480に連結されている作動リンク490と、ロック用リング500と、ガイドキャップ510とを含む。
【0122】
図43A〜
図43Fを特に参照すると、ハウジング470は細長いチューブ状本体472を含み、そのチューブ状本体472は、その近位端472aと遠位端472bとの間を延在する通路474と、ロック用リング500およびガイドキャップ510をその上に受容する近位のカラー476と、エンドエフェクタ480を支持する1対の遠位のサポート478とを含む。
図43Aおよび
図43Fから最も良く分かるように、近位のカラー476は、カラー476が概して「C」字形の断面を有するように円弧状のスロット476aを含み、そのため、以下にさらに説明するように、例えばロック用リング500の回転を制限するストップ476b、476cが設けられる。遠位のサポート478は互いに離間して、以下にさらに説明するように、エンドエフェクタ480を受容するための隙間またはスロット478aをそれらの間に画定し、かつ/または作動リンク490を内部に摺動可能に受容する。図示のように、遠位のサポート478はそれを貫通する開口部478bを含み、やはり以下にさらに説明するように、その開口部478bは、エンドエフェクタ480をサポート478に回転可能に連結するためのピンまたは他のコネクタ(図示せず)を受容する。さらに、ハウジング472の遠位端472bには、例えばサポート478間の隙間478aとアライメント調整されたスロット472eが設けられており、そのスロット472eは作動リンク490の運動を制限することができる。
【0123】
任意選択で、ハウジング470は、長手方向の溝またはスロット472cを複数含んでよく、その溝またはスロット472cは、本明細書の他の部分に記載されるように、例えばツールヘッド460を導入デバイスに解放可能に固定することに対応するように、近位端472aと遠位端472bとの間の外面内に形成されるかまたは別法でそれに沿って延在する。図示のように、溝472cは、例えば導入デバイス(図示せず)上の嵌合特徴部を溝472cに案内するための、遠位端472bに隣接して配置された幅広またはテーパ状の遠位の領域472dを含む。
【0124】
図44A〜
図44Cを参照すると、エンドエフェクタは1対のグラスパ要素480を含み、そのグラスパ要素480はそれぞれ、開口部486の両側に第1の端部482および第2の端部484を含み、その開口部486は、(
図42Aおよび
図42Bに示す)枢動軸486aを設けるようにエンドエフェクタ480を貫通して延在する。第1の端部482は、例えば複数の歯または他のグリップ特徴部482bを含む細長いジョー要素482aを含む。第2の端部484は、以下にさらに説明するように、作動リンク490と摺動可能に係合できるタブ488を含む。ツールヘッド460上のグラスパ要素480の代わりに他の協働要素を、例えば、本明細書の他の部分および参照により本明細書に援用される参考文献に記載されるように、図示の実質的に平坦な要素の代わりに湾曲したおよび/またはテーパ状の要素(図示せず)を設けることができることが理解されよう。
【0125】
図45A〜
図45Eを参照すると、作動リンク490は、チューブ状の部分492と、そのチューブ状の部分492から延在する平面状のトラック部材494とを含む。チューブ状の部分492は、ハウジング470内の通路474に摺動可能に受容されるようにサイズ設定され、第1の端部492aおよび第2の端部492bと、それらの間の通路492cとを含むことができる。トラック部材494は概して平坦なまたは平面状の部材でよく、例えば、
図49A〜
図49Cに示すように、その部材は、その中に、エンドエフェクタ480のグラスパ要素のタブ488を摺動可能に受容するための1対の斜めのスロット494aを含む。さらに、チューブ状の部分492は、第1の端部492aから部分的に第2の端部492bに向かって延在する長手方向の並進チャネル496を含む。並進チャネル496から作動リンク490の長手方向軸を横切って、横方向のポケット496aが延在する。図示のように、横方向のポケット496aは、例えば横方向のポケット496aを越えて第1の端部492aから離れる方に比較的短いチャネル延長部分496bが設けられるように、並進チャネル496に沿って中間の位置に配置されてよい。
【0126】
以下にさらに説明するように、横方向のポケット496aはストップ496cを画定することができ、そのストップ496cは、例えばツールヘッド460がコントロールシャフト412(図示せず)十分に連結される前の、望ましくないエンドエフェクタ480の作動を防止する安全特徴部を設けることができる。さらに、チャネル延長部分496bにより、例えば、やはり以下にさらに説明するように所望の強化した閉鎖力でエンドエフェクタ480を閉じるように、作動リンク490を所定の量だけさらに近位に移動させることができる。
【0127】
作動リンク490はまた、例えばチューブ状の部分492の近位端492aと遠位端492bとの間の中間位置に、例えば並進チャネル496から遠位に離間した位置において、通路492c内に内側に延在するアクチュエータキーまたは歯498を含む。
【0128】
図45F〜
図45Hに作動リンク490の例示的な実施形態を示し、その作動リンク490は、2つの構成要素、すなわち、一緒に取り付けられる別々のチューブ状の部分492とトラック部材494とから形成されている。例えば、図示のように、チューブ状の部分492は、第2の端部492bから部分的に第1の端部492aに向かって延在する長手方向のスロット492dを含む。トラック部材494は、スロット492a内に受容されるようにサイズ設定された延長部498aを含み、作動用の歯498をその上に含む。任意選択で、トラック部材延長部498aは、例えば、ツールヘッド460がコントロールシャフトに連結されているときに、延長部498aのすぐ隣にあるコントロールシャフト(図示せず)の遠位の先端部の受容に対応するように、面取りしたまたはテーパ状の面498bを含むことができる。
【0129】
作動リンク490を組み立てるために、延長部498aをスロット492dに挿入して、作動用の歯498を通路492c内の所望の軸方向の位置に配置することができる。任意選択で、チューブ状の部分492は、例えば対応する特徴部を内部の延長部498a上に、例えばテーパ状の面498bの下側の縁部に受容して構成要素を一緒に支持するように、スロット492dの反対側の第2の端部492bにポケット492eを含むことができる。例えば締まり嵌め、接着剤による接合、溶接、融解などのうちの1つまたは複数によって、チューブ状の部分492とトラック部材494とを互いに取り付けることができる。代替的な実施形態では、作動リンク490は、例えばモールド成形、機械加工などによって、1つまたは3以上の構成要素から形成されてよい。
【0130】
図46A〜
図46Dを参照すると、ロック用リング500は環状の本体を含み、その環状の本体は、ハウジング470のカラー476を内部に回転可能に受容するようにサイズ設定された通路502を含む(図示せず、例えば、
図49A〜
図49C、
図51A、および
図52A参照)。さらに、ロック用リング500は、通路502に内側に延在するロック用のキーまたは歯504を含み、そのロック用のキーまたは歯504は、本明細書の他の部分に記載されるように、例えば、外側シャフト420および内側シャフト430の長手方向のスロット424、434内に摺動可能に受容されるようにサイズ設定されている。任意選択で、ロック用リング500は、複数の溝またはスロット506を含むことができ、それらの溝またはスロット506は、例えば、導入デバイスへのツールヘッド460の解放可能な固定に対応するように、ハウジング470の溝472cと同様にロック用リング500の外面に形成されるかまたはそうではなくそれに沿って延在する。
【0131】
図47Aおよび
図47Bを参照すると、ガイドキャップ510は、概して、円筒形の本体を含み、その本体は、第1の端部512および第2の端部514と、それらの間を延在する、コントロールシャフト(図示せず)を内部に受容するようにサイズ設定された通路516とを含む。図示のように、第1の端部512は、通路516と連絡するテーパ状の面516aを含み、その面516aは、例えば、コントロールシャフトの遠位の先端部を通路516に、さらにハウジング470に案内する。ガイドキャップ510は、カラー476を内部に受容するための凹所514aを第2の端部514に含むことができる。任意選択で、ガイドキャップ510および/またはカラー476は、ガイドキャップ510をカラー476に取り付けるための1つまたは複数のコネクタ(図示せず)を含むことができ、かつ/またはガイドキャップ510を、例えば締まり嵌め、接着剤による接合、溶接、融解などのうちの1つまたは複数によって、カラー475に取り付けることができる。
【0132】
任意選択で、図示のように、ガイドキャップ510はそれを通る穴518を含むことができ、その穴518は、例えばテーパ状の面516aとガイドキャップ510の外面との間を延在する。穴518は、それを通る糸、ワイヤ、または他のテザー(図示せず)を受容するようにサイズ設定されてよい。例えばツールヘッド460が手術空間内である程度緩くなった場合に、ツールヘッド460の取り戻しを可能にするように、例えば、穴518を通してテザーを固定することができる。さらに、穴518は、
図13に示すワイヤまたはフィラメント74などのレールを受容することができ、そのレールは、本明細書の他のシステムおよび方法と同様に、ツールヘッド460を導入および/または配向するために使用することができる。あるいは、所望の場合に、ツールヘッド460の別の構成要素上に同様の穴または他の特徴部(図示せず)を設けることができる。
【0133】
図42A〜
図42Eを再び参照すると、参照により本明細書の他の部分で援用される参考文献に開示された同様の材料および方法を用いて、ツールヘッド460を製造し組み立てることができる。例えば、
図42A〜
図42Cに示すようにジョー482を互いに向かって配向し、例えば
図49A〜
図49Cおよび
図55A〜
図56Bから分かるようにタブ488を作動リンク490のトラック部材494のそれぞれのトラック494a内に受容されるようにして、エンドエフェクタ480の対になったグラスパを配向することができる。作動リンク490のチューブ状の部分492の第1の端部492aを、例えばサポート478間で、ハウジング470に挿入することができる。
図42A、
図42B、および
図42Dから分かるようにトラック部材478の狭い幅をハウジング470の遠位端472bのスロット472eとアライメント調整し、それが摺動可能に受容されるように、トラック部材478をアライメント調整することができる。
【0134】
エンドエフェクタ480の開口部486は、サポートの開口部478bとアライメント調整することができ、ピンまたは他の軸部材(図示せず)を、エンドエフェクタ480をサポート478に固定するように開口部を通して受容することができる。ピンは、例えばエンドエフェクタ480のジョー要素482を開閉する軸486aを中心にした回転に対応しながら、エンドエフェクタ480の実質的な平行移動を防止することができる。
図49A〜
図49Cから分かるように、作動リンク490は、ハウジング470内を軸方向に、例えば、
図49Bおよび
図49Cにそれぞれに示す近位の位置と遠位の位置との間で、摺動可能でよい。作動リンク490が近位の位置にあるときは、エンドエフェクタ480のタブ488をそれぞれのトラック494aの遠位の領域に方向付けすることができ、それにより、
図49Bに示すようにエンドエフェクタ480が閉じられる。作動リンク490が遠位の位置に方向付けされると、例えば、トラック部材494がハウジング470の遠位端472bから少なくとも部分的に延在すると、タブ488は、トラック494aに沿って例えばそれぞれのトラック494aの近位の領域に移動する。トラック494aの斜めの配向によって、
図49Cに示すようにタブ488がトラック494aの近位の領域に移動すると、エンドエフェクタ480が開く。
【0135】
図42A〜
図42Eを再び参照すると、ツールヘッド460の組み立てを完了するために、例えばロック用の歯504をカラー476の円弧状のスロット476a内にアライメント調整した状態で、ロック用リング500をハウジング470のカラー476上に方向付けすることができる。次いで、カラー476を覆うようにガイドキャップ510を受容しそれに固定することができ、そのため、例えばロック用リング500がカラー476に対して実質的に軸方向に固定されるがカラー476を中心に回転自在になる。しかし、ロック用の歯504が円弧状のスロット476a内に受容されると、以下にさらに説明するように、スロット476aによって画定されたストップ476b、476cによって、ロック用リング500の回転を制限することができる。
【0136】
図48A〜
図50を参照すると、本明細書の他の部分および/または参照により本明細書に援用される参考文献に記載された実施形態と同様に、ツールヘッド460を、内視鏡および/またはツールキャリア(図示せず)を使用して、例えば、手術空間内など、患者の体内において、コントロールシャフト412に連結することができる。例えば、ツールヘッド460は、ツールキャリア(図示せず)に接続され、コントロールシャフト412から独立して手術空間内に導入されてよい。例示的な実施形態では、ツールキャリア(やはり図示せず)上のコネクタを、ハウジング470の溝472およびロック用リング500の溝506に沿って方向付けすることができ、例えば
図42A〜
図42Dおよび
図48Bに示すように、コネクタがロック用リング500の溝506に受容されるように溝472、506がアライメント調整される。コネクタが溝506に受容されると、例えば
図48Aおよび
図50に示すように、溝472、506がアライメントから外れるようにロック用リング500を回転させることができ、それにより、コネクタの離脱およびツールキャリアへのツールヘッド460の連結が防止される。
【0137】
図48Aおよび
図50に示すようにロック用リング500が回転している場合は、ツールヘッド460は、ロック解除または係合解除された構成にあると考えられる。その配向では、
図51Aから最も良く分かるように、ロック用の歯504はカラー476上の第1のストップ476bに接触することができる。さらに、ロック解除された構成では、作動用の歯498は、ロック用の歯504と軸方向にアライメント調整される。例えば、
図51Aおよび
図51Bに示すように、ロック用の歯504と作動用の歯498の両方を上方向にまたは「時計の12:00の位置」に配向することができる。
【0138】
図53Aおよび
図54Aをさらに参照すると、ロック解除された構成では、ロック用の歯504は、カラー476の第1のストップ476bと当接していてよい。さらに、ロック用の歯504を、作動リンク490上のストップ496cの後ろのポケット496a内に受容することができ、エンドエフェクタ480は閉位置におよび/または作動リンク490はハウジング470内の近位の位置にある。したがって、ロック用の歯504がポケット496a内に受容される場合は、ストップ496cにより、作動リンク490が遠位に移動することが防止される。防止されなければ、エンドエフェクタ480が開くことが可能になる可能性がある。
【0139】
図39A〜
図39Cに示すツール410など、手術ツールのコントロールシャフト412がツールヘッド460内に受容されそれに連結されてよい。最初に、外側シャフト420および内側シャフト430は、それらの長手方向のスロット424、434も互いにアライメント調整するように、回転方向にアライメント調整することができる。次いで、例えば
図49A、
図53A、
図54A、
図55A、および
図56Aに示すように、シャフト420、430の遠位端422、432は、ガイドキャップ510の通路516に、さらにカラー476および作動リンク490のチューブ状の部分492に挿入されてよい。
図56Aから最も良く分かるように、ガイドキャップ516のテーパ状の表面516aにより、通路516へのコントロールシャフト412の遠位端422、432の挿入を容易にすることができ、その通路516は外側シャフト420の周りに比較的ぴったりとフィットして、例えばツールヘッド460の構成要素に対するコントロールシャフト412の横方向の移動が最小限に抑えられる。
【0140】
図51Aから最も良く分かるように、シャフト420、430の遠位端422、432がカラー465に入ると、ロック用の歯504は、シャフト420、430の長手方向のスロット424、434に入りそれに沿って摺動することができる。したがって、ロック用の歯504の高さは、カニューレ状の外側シャフト420のスロット424を通って内側シャフト430のスロット434に受容されるのに十分な距離だけ内側に延在する高さでよい。さらに、ロック用の歯504の幅は、例えばシャフト420、430をツールヘッド460と回転方向に所望のアライメント調整した状態に維持するように、スロット424、434の壁とロック用の歯504との間に過剰な空間なしに長手方向のスロット424、434に摺動可能に受容されるのに対応する幅でよい。
【0141】
さらに、シャフト420、430の遠位端422、432が作動リンク490のチューブ状の部分492の通路492cに入ると、ロック用の歯504と同様に作動用の歯498を長手方向のスロット424、434摺動可能に受容することができるが、作動用の歯498はロック用の歯504から遠位にずれている。したがって、作動用の歯498は、スロット424、434に摺動可能に受容されるような高さおよび幅を有することもできる。ロック用の歯504がカニューレ状の外側シャフト420の長手方向のスロット424の端部に到達するまで、コントロールシャフト412は前進し続けることができ、その際、コントロールシャフト412はさらに前進することができず、そのため、コントロールシャフト412がツールヘッド460十分に着座しているという触覚のフィードバックがユーザに提供される。
【0142】
ツールヘッド460内に完全に受容されると、ロック用の歯504は、
図40Aおよび
図40Bに示すスロット424から延在する円弧状のポケット426と軸方向にアライメント調整されてよい。同様に、作動する歯498を、例えば
図49A〜
図49C、
図56A、および
図56Bに示すように、内側シャフト430内のノッチ436と軸方向にアライメント調整することができる。
【0143】
図39A〜
図39Cをさらに参照すると、次いで、ハンドル414上のアクチュエータ444を回転またはそうではなく起動させ、例えば、手術ツール410のハンドル414の近位の斜め上方から時計回りに回転させて、内側シャフト430に対してカニューレ状の外側シャフト420を回転させることができる。代替的な実施形態では、内側シャフト430がカニューレ状の外側シャフト420に対して反時計回りに回転できるように、アクチュエータ444を内側シャフト430に連結できて、同じ結果および以下に説明する構成が実現されることが理解されよう。
図52Aおよび
図52Bから分かるように、次いで、外側シャフト420が回転すると、内側シャフト430の長手方向のスロット434が、カニューレ状の外側シャフト420の長手方向のスロット424とのアライメント調整から外れる。
【0144】
図51Aおよび
図52Aに示すように、作動用の歯498が長手方向のスロット424に受容される場合は、外側シャフト420が回転すると、それに応じてハウジング470および作動リンク490がロック用リング500に対して回転する。例えば、ツールヘッド460を手術空間に導入するために使用されるツールキャリアまたは他の導入デバイス(図示せず)に連結される場合に、例えば、ロック用リング500は、実質的に静止したままにすることができる。
【0145】
外側シャフト420がロック用リング500に対して回転すると、(ロック用リング500上で静止している)ロック用の歯504をスロット424から円弧状のポケット426に方向付けすることができる。ロック用の歯504の長さはポケット426の長さと同様でよく、そのため、ポケット426の尖っていない遠位の縁部426aにより、その後のカニューレ状の外側シャフト420に対するツールヘッド460の軸方向の移動が防止される。したがって、ツールヘッド460を外側シャフト420に対して実質的に固定することができて、手術ツール410のハンドル414の移動が移動するとそれに応じてツールヘッド460が移動する。
【0146】
円弧状のポケット426の深さによって外側シャフト420の回転を制限することができ、そのため、例えば、ロック用の歯504が円弧状のポケット426に十分に入るときは、さらなる回転が防止される。さらに、またはその代わりに、ハウジング470が回転すると、ロック用の歯504は、カラー476上のストップ476cに当接することができ、それにより、やはりさらなる回転が防止される。
【0147】
外側シャフト420によるハウジング470および作動リンク490の回転はまた、
図54Aおよび
図54Bから最も良く分かるように、作動リンク490のチューブ状の部分492内の横方向のポケット496aから出て並進チャネル496に入るようにロック用の歯504も方向付けする。例えば、図示のように、外側シャフト420および作動用の歯500は時計回りに回転して、ロック用の歯504(および内側シャフト430のスロット434)の相対位置がほぼ「10:00の位置」の位置にあり、作動用の歯498(およびカニューレ状の外側シャフト420)がほぼ「12:00の位置」に回転している。
【0148】
実質的に同時に、外側シャフト420が回転すると、アクチュエータ歯498を内側シャフト430のノッチ436に受容することができ、それにより、それに続く作動リンク490の動きが内側シャフト430に繋がる。例えば、アクチュエータ歯498は、ノッチ436内に最小の隙間で受容されるような長さおよび/または他のサイズを有することができる。したがって、アクチュエータ歯498がノッチ436と、ロック用の歯504が並進チャネル496ないに係合する場合は、作動リンク490はロック用リング500、したがってハウジング470に対して軸方向に自由に移動することができる。
【0149】
さらに、ハウジング470をロック用リング500に対して回転させると、ハウジング470の溝472c、506とロック用リング500とを再びアライメント調整することができ、それにより、ツールキャリアのコネクタ(図示せず)が溝506から溝472cを通って摺動可能になり、それにより、ツールヘッド460がツールキャリアから係合解除される。次いで、例えば本明細書の他の部分および参照により本明細書に援用される参考文献に記載されるように、ツールキャリアを手術空間から取り出し手術空間内で外科的処置中に使用されるツール410から取り外すことができる。
【0150】
例えば、
図49B、
図53B、および
図55Bに示すように、内側シャフト430は、エンドエフェクタ480が閉じている近位の位置に設けることができ、遠位に移動可能であることで作動リンク490を遠位に前進させることができ、それにより、例えば、
図49C、
図53C、および
図55Cに示すように、エンドエフェクタ480が開かれる。
図39Aおよび
図39Bをさらに参照すると、トリガ446を内側シャフト430の近位端431に連結することができ、そのため、トリガ446をユーザが選択的に起動して、エンドエフェクタ480を閉じ(
図39B)、エンドエフェクタを開く(
図39C)ように、内側シャフト430を近位の位置と遠位の位置との間に方向付けすることができる。
【0151】
例えば処置の終了の際に、ツールヘッド460を取り除くことまたはツールヘッド460を別のツールヘッド(図示せず)に交換することが望まれるときは、トリガ446を起動してエンドエフェクタ480を閉じ取り除くためにツールヘッド460を用意することができる。任意選択で、
図39A〜
図39Cに示すように、コントロールシャフト412からのツールヘッド460の係合解除を可能にするために、ツール410のハンドル416は、ツールヘッド460の構成要素を所定の「アライメント」位置にアライメント調整するアライメントアクチュエータ448を含むことができる。
【0152】
例えば、使用中には、トリガ446を起動して、所望の係合力でエンドエフェクタ480を閉じて、例えば、処置中に組織または他の構造(図示せず)を把持するかまたは別法でそれに係合することができる。エンドエフェクタ480によって加えられるこうした力を最大にするために、内側シャフト430を後退させて、エンドエフェクタ480のタブ448を、例えば
図56Bに示すように、トラック494a内の最も遠位の位置に方向付けすることができる。しかし、こうした最も遠位の位置では、ロック用の歯504を、並進チャネル496のチャネル延長部分496bに受容することができ、すなわち、そのため、
図39A(1)および
図56Bから分かるように、作動リンク490のチューブ状の部分492において、ロック用の歯504が(
図45A〜
図45Dに示す)横方向のポケット496aとアライメント調整されない。任意選択で、ハンドル416は、本明細書の他の実施形態(図示せず)と同様に、エンドエフェクタ480をこの閉位置に解放可能に固定するラチェット機構または他の機構を含むことができる。
【0153】
例えば、トリガ446およびエンドエフェクタ480が、例えば、
図39B、
図49B、
図53B、
図55B、および
図56Bに示す閉位置にある場合は、アクチュエータ448を起動してストップを設けて、内側シャフト430が所定の位置を越えて近位に後退することを防止して、例えば、チャネル延長部分496bのオフセットに対応するアライメント位置に内側シャフト430を制限する。したがって、
図39C、
図39C(1)に示すように、内側シャフト430が後退すると、作動リンク490も後退し、それにより、ロック用の歯504をチャネル延長部分496bからポケット496aとアライメント調整するように方向付けされる。あるいは、アクチュエータ448は、アクチュエータ446を無効にし、アクチュエータ446の位置から独立して内側シャフト430をアライメント位置に方向付けすることができる。
【0154】
その位置では、例えばツールキャリア上のコネクタを溝472cに沿ってロック用リング500の溝506に前進させることによって、ハウジング470上でツールキャリアを方向付けすることができる。次いで、アクチュエータ444を回転またはそうではなく起動させて、カニューレ状の外側シャフト420を内側シャフト430とアライメント調整するように戻すように回転させる。例えば、上記で説明したプロセスと同様に、カニューレ状の外側シャフト420は、ハウジング470および作動リンク490をロック用リング500に対して回転させることができて、円弧状のポケット426から出てカニューレ状の外側シャフト420の長手方向のスロット424中に、実質的に同時に、作動リンク490のチューブ状の部分の横方向のポケット496a中に、ロック用の歯504を方向付けすることができる。こうした動作により、やはり、アクチュエータ歯498がノッチ436から係合解除され、ロック用リング500上の溝506がハウジング470上の溝472cからアライメント調整を外れるように方向付けされる。したがって、コントロールシャフト412を引き抜くことができて、シャフト420、430の遠位端422、432がガイドキャップ510の通路516から取り出されるまで、アクチュエータ歯498およびロック用の歯504が長手方向のスロット424、434に沿って摺動する。やはりツールキャリアに連結されたツールヘッド460は、手術空間から取り出されるかまたは別法で別のツールヘッドに交換されてよい。
【0155】
本明細書の全ての実施形態に示した要素または構成要素は、特定の実施形態に関する例示であり、本明細書で開示した実施形態に対してまたはそれらと組み合わせて使用できることが理解されよう。
【0156】
本発明は様々な修正および代替形態が可能であるが、その特定の例を図面に示し本明細書で詳細に説明している。しかし、本発明は開示した特定の形態または方法に限定されるものではなく、それとは反対に、本発明は添付の特許請求の範囲に包含される全ての修正形態、等価物、および代替形態をカバーするものであることを理解されたい。