(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
特段に指示又は規定されなければ、用いられる全ての用語は当業界でのそれらの通常の意味を有し、前記は当業者には明白であろう。例えば標準的な手引書(例えば、Sambrook et al,“Molecular Cloning: A Laboratory Manual”(2nd Ed.), VoIs. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989);Lewin,“Genes IV”Oxford University Press, New York, (1990);及びRoitt et al.,“Immunology”(2nd Ed.), Gower Medical Publishing, London, New York, 1989)の他に本明細書に引用した一般的な背景技術を参照することができる。さらにまた、特段の指示がなければ、特に詳細には記載されていない全ての方法、工程、技術及び操作を実施することができ、それらは当業者には明白であるのでそれ自体公知の態様で実施されている。繰り返せば、例えば標準的な手引書、上記で言及した一般的な背景技術及び本明細書で引用したさらに別の参考文献を参照できる。
“二重特異性結合分子”という用語は、少なくとも1つのAng2-結合分子(又は“Ang2-結合要素”)及び少なくとも1つのVEGF-結合分子(又は“VEGF-結合要素”)を含む分子を指す。二重特異性結合分子は2つ以上のAng2-結合分子及び/又は2つ以上のVEGF-結合分子を含むことができる(すなわち、二重特異性結合分子が、Ang2又はVEGFと結合する当該分子の部分に(すなわちその“Ang2-結合要素”(又は抗Ang2要素)又は“VEGF-結合要素”(又は抗VEGF要素)に)、それぞれ二パラトープ性(下記で規定する)Ang2-結合分子及び/又は二パラトープ性VEGF-結合分子を含む場合)。しかしながら、この文脈の“二重特異性”という語が、VEGF及びAng2以外の分子に対して結合特異性を有するさらに別の結合要素を当該二重特異性結合分子から排除すると解されるべきではない。そのようなさらに別の結合要素の非限定例は血清アルブミンと結合する結合要素である。
【0013】
特段の指示がなければ、“免疫グロブリン”及び“免疫グロブリン配列”という用語は(本明細書で重鎖抗体又は通常の4鎖抗体のどちらを指すために用いられていようとも)、完全サイズの抗体、その個々の鎖、或いはその部分、ドメイン又はフラグメント(抗原結合ドメイン又はフラグメント(例えばそれぞれVHHドメイン又はVH/VLドメイン)を含むが、ただしこれらに限定されない)の全てを含む一般的な用語として用いられる。
さらにまた、本明細書で用いられる“配列”(例えば“免疫グロブリン配列”、“抗体配列”、“(一)可変ドメイン配列”、“VHH配列”又は“タンパク質配列”のような用語として用いられる)という用語は、文脈がより限定的な解釈を要求していない場合は、一般的には、対応するアミノ酸配列或いは前記をコードする核酸配列又はヌクレオチド配列の両方を含むと理解されるべきである。
本明細書で用いられる(ポリペプチドまたはタンパク質の)“ドメイン”という用語は、その三次元構造をタンパク質の残りの部分とは別個に維持する能力を有する折り畳まれたタンパク質構造を指す。一般的には、ドメインはタンパク質のそれぞれ別個の機能的特性に必要であり、多くの場合当該タンパク質及び/又は当該ドメインの残りの部分の機能を損なうことなく、付加し、除去し又は他のタンパク質に移転することができる。
【0014】
本明細書で用いられる“免疫グロブリンドメイン”という用語は、抗体鎖(例えば通常の4鎖抗体又は重鎖抗体の鎖)の球形領域、または本質的にそのような球形領域から成るポリペプチドを指す。免疫グロブリンドメインは、抗体分子に特徴的な免疫グロブリンのひだを保持するという特徴を有する。前記ひだは、2つのベータシート内に配置された(場合によって保存ジスルフィド結合によって安定化されている)約7つのアンチパラレルベータ鎖をもつ2層のサンドイッチから成る。免疫グロブリンドメインは、可変ドメイン、すなわち1つ以上の免疫グロブリン可変ドメインを含む。
本明細書で用いられる“免疫グロブリン可変ドメイン”という用語は、本質的に4つの“フレームワーク”から成る免疫グロブリンドメインを意味する。前記フレームワークドメインは、当業界及び本明細書の下記で“フレームワーク領域1”若しくは“FR1”、“フレームワーク領域2”若しくは“FR2”、“フレームワーク領域3”若しくは“FR3”、“フレームワーク領域4”若しくは“FR4”とそれぞれ称され、前記フレームワーク領域は、3つの“相補性決定領域”又は“CDR”によって中断され、それらは、当業界及び本明細書の下記でそれぞれ“相補性決定領域1”若しくは“CDR1”、“相補性決定領域2”若しくは“CDR2”、“相補性決定領域3”若しくは“CDR3”と称される。したがって、免疫グロブリン可変ドメインの一般的構造又は配列は以下のように示すことができる:FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4。抗原結合部位を保持することによって抗原に対する特異性を抗体に付与するのはこの免疫グロブリン可変ドメインである。本発明の関係では、VHH及びドメイン抗体のような免疫グロブリン単一可変ドメインが好ましい。
【0015】
本明細書で用いられる“免疫グロブリン単一可変ドメイン”は、また別の可変免疫グロブリンドメインと対を形成することなくある抗原のエピトープと特異的に結合することができる免疫グロブリン可変ドメインを意味する。本発明のこの意味での免疫グロブリン単一可変ドメインの例は、“ドメイン抗体”、例えば免疫グロブリン単一可変ドメインVH及びVL(VHドメイン及びVLドメイン)である。免疫グロブリン単一可変ドメインの別の例は、以下に規定するラクダ科動物由来の“VHHドメイン”(または単に“VHH”)である。
上記定義の観点から、通常の4鎖抗体(例えば当業界で公知のIgG、IgM、IgA、IgD又はIgE分子)の抗原結合ドメイン、又はFabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fvフラグメント(例えばジスルフィド結合連結Fv又はscFvフラグメント)若しくは前記通常的4鎖抗体に由来するジアボディ(いずれも当業界では公知である)の抗原結合ドメインは、通常は免疫グロブリン単一可変ドメインとみなされないであろう。なぜならば、これらの事例では、抗原の対応するエピトープとの結合は通常では1つの(単一の)免疫グロブリンドメインによって生じるのではなく、一対の(結合している)免疫グロブリンドメイン(例えば軽鎖及び重鎖可変ドメイン)によって、すなわち免疫グロブリンドメインのVH-VL対によって(前記は一緒になって対応する抗原のエピトープと結合する)生じるからである。
【0016】
“VHHドメイン”(VHH、V
HHドメイン、VHH抗体フラグメント及びVHH抗体としても知られている)は、最初は“重鎖抗体”(すなわち“軽鎖を欠く抗体”)の抗原結合免疫グロブリン(可変)ドメインと記載されていた(Hamers-Casterman C, Atarhouch T, Muyldermans S, Robinson G, Hamers C, Songa EB, Bendahman N, Hamers R.:“Naturally occurring antibodies devoid of light chains”; Nature 1993, 363:446-448)。“VHHドメイン”という用語は、これらの可変ドメインを通常の4鎖抗体に存在する重鎖可変ドメイン(前記は本明細書では“V
Hドメイン”又は“VHドメイン”と称する)から、及び通常の4鎖抗体に存在する軽鎖可変ドメイン(前記は本明細書では“V
Lドメイン”又は“VLドメイン”と称する)から区別するために選択された。通常の4鎖抗体中のVH又はVLドメインとは対照的に(前記では、VHドメインとVLドメインとが一緒になってエピトープを認識する)、VHHドメインは、さらに別の抗原結合ドメインの非存在下でエピトープと特異的に結合することができる。VHHドメインは、ただ1つの免疫グロブリンドメインによって形成された小さくて強力で効率的な抗原認識ユニットである。
本発明の関係では、VHHドメイン、VHH、V
HHドメイン、VHH抗体フラグメント、VHH抗体、並びに“ナノボディ(Nanobody(商標))”及び“ナノボディ(商標)ドメイン”(“ナノボディ(Nanobody)”とはAblynx N.V.社(Ghent; Belgium)の商品名である)は相互に用いられ、免疫グロブリン単一可変ドメインの典型例(構造:FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4を有し、第二の免疫グロブリン可変ドメインの存在を必要としないでエピトープと特異的に結合する)であり、いわゆる“認証残基”(例えばWO2009/109635、
図1で規定される)によりVHとは区別される。
【0017】
免疫グロブリン一可変重鎖ドメイン(例えばVHH)のアミノ酸残基は、Kabatら(“Sequence of proteins of immunological interest”,US Public Health Services, NIH Bethesda, MD, Publication No. 91)によって提供されたV
Hドメインのための一般的ナンバリングにしたがって番号が付与され、RiechmannとMuyldermansの論文(J. Immunol. Methods 231:25-38, 1999)の例えば
図2に示されているラクダ科動物由来のVHHドメインに適用されているとおりである。このナンバリングにしたがえば、
−FR1は1−30位のアミノ酸残基を含み、
−CDR1は31−35位のアミノ酸残基を含み、
−FR2は36−49位のアミノ酸残基を含み、
−CDR2は50−65位のアミノ酸残基を含み、
−FR3は66−94位のアミノ酸残基を含み、
−CDR3は95−102位のアミノ酸残基を含み、さらに
−FR4は103−113位のアミノ酸残基を含む。
しかしながら、V
Hドメイン及びVHHドメインについて当業界で周知のように、CDRの各々のアミノ酸残基総数は変動することがあり、Kabatのナンバリングによって示されるアミノ酸残基総数とは一致しないことがあることには留意されるべきである(すなわち、Kabatナンバリングの1つ以上の位置が実際の配列で塞がれていないか、又は実際の配列がKabatのナンバリングによって許容される数よりも多いアミノ酸残基を含むことがある)。このことは、一般的にはKabatのナンバリングは、実際の配列中のアミノ酸残基の実際のナンバリングと一致することもしないこともあることを意味する。
【0018】
V
Hドメインのアミノ酸残基のナンバリングのまた別の方法(前記方法は類似の態様でVHHドメインにも適用できる)が当業界で公知である。しかしながら、特段の指示がなければ、本明細書、特許請求の範囲及び図面では、Kabatに対応しさらに上記のVHHドメインにも適用されるナンバリングに従うであろう。
VHHドメイン内のアミノ酸残基総数は通常110から120、しばしば112から115の範囲であろう。しかしながら、より小さな及びより大きな配列もまた本明細書に記載した目的に適切であり得ることは留意されるべきである。
本発明の好ましい実施態様にしたがえば、免疫グロブリン単一可変ドメイン(例えばVHH及びドメイン抗体)は、機能的な抗原結合分子として治療で使用するためにそれら単一可変ドメインを極めて有利にさせる多数の固有の構造的特徴及び機能的特性を有する。特に(ただしそれらに限定されないが)、VHHドメイン(前記は本来軽鎖可変ドメインと対を形成することなく抗原と機能的に結合するように“設計”されてある)は、単一の比較的小さな機能性抗原結合構造単位として機能を示すことができる。
【0019】
それらの固有の特性のために、本明細書に規定する免疫グロブリン単一可変ドメイン(例えばVHH又はVH(又はVL)、単独であれ又は大きなポリペプチド(例えば二パラトープ性分子)の部分としてであれ)は、以下の多くの目覚ましい利点を提供する:
−高親和性及び高選択性で抗原と結合するためにただ1つのドメインのみが要求され、したがって2つの別々に存在するドメインを必要とせず、これらの2つのドメインが正確な空間的配置及び構造で(すなわちscFvのように特別に設計されたリンカーの使用を介して)存在する必要もない;
−免疫グロブリン単一可変ドメインは単一の核酸分子から発現でき、翻訳後改変(例えばグリコシル化)を全く必要としない;
−免疫グロブリン単一可変ドメインは容易に操作でき、多価及びマルチ特異的フォーマットとすることができる(本明細書でさらに記述される);
−免疫グロブリン単一可変ドメインはそれらの標的に対して特異性及び親和性が高く固有の毒性が低く、さらに輸液又は注射以外の別の経路で投与できる;
−免疫グロブリン単一可変ドメインは熱、pH、プロテアーゼ及び他の変性剤又は条件に大いに安定であり、したがって冷蔵装置を使用することなく製造、保存又は輸送が可能である;
−免疫グロブリン単一可変ドメインは、小規模及び工業的規模の両方で容易に及び比較的安価に製造される。例えば、免疫グロブリン単一可変ドメインは、微生物発酵を用いて製造でき(例えば下記でさらに記述される)、例えば通常の抗体のように哺乳動物発現系の使用を必要としない;
−免疫グロブリン単一可変ドメインは、通常の4鎖抗体及びその抗原結合フラグメントと比較して、比較的小さく(約15kDa又は通常のIgGの1/10より小さい)、したがって組織(固形腫瘍及び他の高密度組織を含むが、ただしこれらに限定されない)へのより強い侵入を示し、通常の4鎖抗体及びその抗原結合フラグメントよりも高い用量で投与できる;
−VHHは、特異的ないわゆる“腔結合特性”を有し(4鎖抗体由来のVHドメインと比べてとりわけそれらの伸長CDR3ループによる)、したがって通常の4鎖抗体及びその抗原結合フラグメントが接近できない標的及びエピトープにも接近できる;
−VHHは、高度に可溶性で非常に安定であり、さらにWardら(Ward et al., Nature, 1989, 341:544-546)が記載したマウス由来抗原結合ドメインのような凝集傾向を示さないという具体的な利点を有する。
【0020】
免疫グロブリン単一可変ドメインは、それらを入手した特定の生物学的供給源又は特定の製造方法に関して制限を受けない。例えばVHHの入手には以下の工程が含まれ得る:
(1)天然に存在する重鎖抗体のVHHドメインを単離する工程、又は重鎖抗体又はVHHを含むライブラリーをスクリーニングして前記からVHHを単離する工程;
(2)天然に存在する配列を有するVHHをコードする核酸分子を発現させる工程;
(3)天然に存在する配列を有するVHHを“ヒト化”(本明細書で記述する)する工程(場合によって親和性成熟の後で)又はそのようなヒト化VHHを発現させる工程;
(4)ある動物種(特に哺乳動物種、例えばヒト)の天然に存在する抗体の免疫グロブリン一可変重鎖ドメインを“ラクダ化”(下記に記述する)する工程、又はそのようなラクダ化ドメインをコードする核酸分子を発現させる工程;
(5)VHを“ラクダ化”する工程、又はそのようなラクダ化VHをコードする核酸分子を発現させる工程;
(6)タンパク質、ポリペプチド又は他のアミノ酸配列を合成的又は半合成的に調製する技術を用いる工程;
(7)核酸合成技術を用いてVHHドメインをコードする核酸分子を調製して、続いてそのようにして得られた核酸を発現させる工程;
(8)重鎖抗体又はVHHを親和性成熟、変異導入(例えばランダム変異導入又は部位指定変異導入)に付して、VHHの親和性及び/又は特異性を高める工程;及び/又は
(9)前述の工程を組み合わせるか、又は前述の工程から選択される工程。
【0021】
上記記載の工程を実施するために適切な方法及び技術は当業界で公知であり、当業者には明白であろう。例示すれば、特異的抗原又はエピトープと結合するVHHを入手する方法はWO2006/040153及びWO2006/122786に記載されてある。
具体的な実施態様にしたがえば、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン又は本発明のポリペプチドに存在する免疫グロブリン単一可変ドメインは、天然に存在するVHHドメインのアミノ酸配列と本質的に一致するが、“ヒト化”又は“配列最適化”されてあるアミノ酸配列を有するVHHドメインである(すなわち、前記天然に存在するVHH配列のアミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸残基を、ヒト由来の通常の4鎖抗体の可変重鎖ドメイン中の対応する位置に存在するアミノ酸残基の1つ以上によって置換することによって“ヒト化”又は“配列最適化”されてあるアミノ酸配列を有するVHHドメインである)。前記は、当業界で公知の方法を用いて実施でき、当業者は前記方法を日常的に利用できる。
ヒト化VHHドメインは1つ以上の完全にヒトのフレームワーク領域配列を含むことができ、さらに具体的な実施態様では、ヒト生殖細胞系列Vh3配列由来のヒトフレームワーク領域配列DP-29、DP-47、DP-51若しくは前記の部分、又は前記と高度に相同なもの(場合によってJH配列(例えばJH5)と結合される)を含むことができる。したがって、ヒト化プロトコルは、生殖細胞系列VH遺伝子(例えばDP47、DP29及びDP51)のフレームワーク1、2及び3(FR1、FR2及びFR3)に対応するVHH残基のいずれかの単独又は組み合わされた置換を含むことができる。本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインの適切なフレームワーク領域(FR)は例えばWO2006/004678に示されたものから選択でき、具体的にはいわゆる“KERE”及び“GLEW”クラスが含まれる。例は、約44から47位にアミノ酸配列G-L-E-Wを有する免疫グロブリン単一可変ドメイン及びそれらの対応するヒト化カウンターパートである。ヒト化VHHドメインは1つ以上の完全にヒトのフレームワーク領域配列を含むことができる。
例示すれば、103P、R、S-グループ及び/又はGLEW-グループ(以下で規定される)に属するVHHのヒト化置換は108Qから108Lへの置換である。免疫グロブリン単一可変ドメインのヒト化の方法は当業界で公知である。
【0022】
治療的応用の観点から改善された特性(例えば親和性の強化又は免疫原性の低下)を有する免疫グロブリン単一可変ドメインは、当業界で公知の技術、例えば親和性成熟(例えば合成免疫グロブリン配列、ランダム免疫グロブリン配列又は天然に存在する免疫グロブリン配列から出発する)、CDR移植、ヒト化、種々の免疫グロブリン配列に由来するフラグメントの結合、オーバーラッププライマーを用いるPCRアッセンブリー、及び当業者に周知の免疫グロブリン配列を操作する類似の技術、又は前述のいずれかの適切な任意の組合せ(本明細書に記述する“配列最適化”とも称される)によって個々の結合分子から入手できる。例えば標準的な手引書とともに本明細書の更なる記述及び実施例を参照できる。
適切な場合には、親和性が増進された結合分子は、別の結合分子の親和性成熟によって入手できる(後者は親和性成熟分子に対して“親”結合分子である)。
特異的な抗原又はエピトープと結合するVHHを入手する方法は、以前に例えばWO2006/040153及びWO2006/122786に記載されている。前記文献中にも詳細に記載されているように、ラクダ科の動物に由来するVHHドメインは、もともとのVHH配列のアミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸残基を、ヒト由来の通常の4鎖抗体のVHドメイン中の対応する位置に存在する1つ以上のアミノ酸残基により置換することによって“ヒト化”することができる(本明細書では、ヒト化は“配列最適化”とも称され、“配列最適化”は、ヒト化に加えて、改善された特性をVHHに与える1つ以上の変異によるさらに別の改変を包含する)。ヒト化VHHドメインは、1つ以上の完全にヒトのフレームワーク領域配列を含むことができ、より具体的な実施態様では、DP-29、DP-47、DP-51又は前記の部分に由来するヒトフレームワーク領域配列(場合によってJH配列(例えばJH5)と結合される)を含むことができる。
【0023】
“ドメイン抗体”、“Dab”及び“dAb”としても知られ(“ドメイン抗体”及び“dAb”という用語はグラクソスミスクライン(GlaxoSmithKline)グループ会社の商品名として用いられている)、例えば以下に記載されている:Ward, E.S., et al.:“Binding activities of a repertoire of single immunoglobulin variable domains secreted from Escherichia coli”; Nature 341: 544-546 (1989);Holt, L.J. et al.:“Domain antibodies: proteins for therapy”; TRENDS in Biotechnology 21(11): 484-490 (2003);及びWO 2003/002609。
ドメイン抗体は、本質的に非ラクダ化哺乳動物由来抗体、特にヒト4鎖抗体のVH又はVLと一致する。単一の抗原結合ドメインとして(すなわちそれぞれVL又はVHドメインと対を形成することなく)エピトープと結合するために、例えばヒトの単一VH又はVLドメイン配列ライブラリーを用いることによる、そのような抗原結合特性のための特異的選別が要求される。
ドメイン抗体(例えばVHH)は約13から約16kDaの分子量を有し、完全にヒトの配列に由来する場合にはヒトでの治療的使用のためにヒト化を必要としない。VHHドメインの事例のように、それらは原核細胞発現系でも良好に発現され、全体的製造コストの著しい削減を提供する。
さらにまた、上記で述べたCDRの1つ以上を他の“足場”(ヒト足場又は非免疫グロブリン足場が含まれるが、ただしこれらに限定されない)に“移植”できることは当業者にはまた明白であろう。そのようなCDR移植に適した足場及び技術は当業界で公知である。
【0024】
“エピトープ”及び“抗原決定基”(前記は相互に用いることができる)という用語は、抗原結合分子、例えば通常の抗体又は本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインによって、及びより具体的には前記分子の抗原結合部位によって認識される巨大分子(例えばポリペプチド)の部分を指す。エピトープは、免疫グロブリンのための最少結合部位を規定し、したがって免疫グロブリンの特異性の標的を表す。
一定のエピトープ、抗原又はタンパク質(又はその少なくとも1つの部分、フラグメント若しくはエピトープ)と“結合”又は“特異的に結合する”ことができる、前記に“親和性を有する”、及び/又は前記に対して“特異性を有する”ポリペプチド(例えば免疫グロブリン、抗体、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン若しくは前記を含むポリペプチド、又は一般的に抗原結合分子若しくはそのフラグメント)は、前記エピトープ、抗原又はタンパク質に“対する”若しくは“向けられている”と称されるか、又はそのようなエピトープ、抗原又はタンパク質に対する“結合”分子である。この関係では、VEGF-結合要素はまた“VEGF-中和性”と称することができる。
一般的には、“特異性”という用語は、個々の抗原結合分子又は抗原結合タンパク質(例えば本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン)分子が結合できる種々のタイプの抗原又はエピトープの数を指す。抗原結合分子の特異性はその親和性及び/又はアビジチーを基準に決定できる。親和性(抗原と抗原結合タンパク質の解離の平衡定数(KD)によって表される)は、エピトープと抗原結合タンパク質上の抗原結合部位との間の結合強度の測定値であり、KD値が小さければ小さいほど、エピトープと抗原結合分子間の結合強度は強くなる(或いは、親和性はまた親和性定数(KA)として表すことができる:KAは1/KDである)。当業者には明白なように(例えば本明細書の更なる開示に基づいて)、親和性は対象の特定の抗原に応じてそれ自体公知の態様で決定することができる。アビジチーは、抗原結合分子(例えば免疫グロブリン、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメイン又は前記を含むポリペプチド)と関係抗原間の結合強度の測定値である。アビジチーは、エピトープと抗原結合分子上のその抗原結合部位との間の親和性及び当該抗原結合分子上に存在する関係結合部位の数の両方に関係する。
エピトープを認識する抗原結合分子の部分は
パラトープと呼ばれる。
【0025】
特段の指示がなければ、“VEGF-結合分子”又は“Ang2-結合分子”という用語は、抗VEGF又は抗Ang2抗体、抗VEGF又は抗Ang2抗体フラグメント、本明細書に規定する“抗VEGF抗体様分子”又は“抗Agn2抗体様分子”、及び前記のいずれかとの結合物を含む。抗体にはモノクローナル抗体及びキメラ化モノクローナル抗体が含まれるが、ただしこれらに限定されない。“抗体”という用語は、完全な免疫グロブリン(例えば宿主細胞で組換え体発現によって生成されるモノクローナル抗体)、或いは抗体フラグメント又は“抗体様分子”(単鎖抗体及び線形抗体(いわゆる“SMIP”(Small ModularImmunopharmaceutical)、例えばWO02/056910に記載されたもの)を包含する。抗体様分子は、本明細書に規定する免疫グロブリン単一可変ドメインを含む。抗体様分子の他の例は免疫グロブリンスーパーファミリー抗体(IgSF)又はCDR移植分子である。
“Ang2-結合分子”又は“VEGF-結合分子”はそれぞれ、両方の一価の標的結合分子(すなわち対応する標的の1つのエピトープと結合する分子)或いは二価又は多価結合分子(すなわち2つ以上のエピトープと結合する結合分子、例えば下記に規定する“二パラトープ性”分子)を指す。2つ以上のAng2(又はVEGF)結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含むAng2(又はVEGF)結合分子はまた“フォーマット化”結合分子と称され、それらは、前記免疫グロブリン単一可変ドメインに加えて、前記標的結合要素内にリンカー及び/又はエフェクター機能を有する要素(例えば半減期延長要素(例えばアルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメイン))、及び/又は融合タンパク質(例えば血清アルブミン)、及び/又は付加ポリマー(例えばPEG)を含むことができる。
【0026】
本明細書で用いられる“二パラトープ性Ang2(又はVEGF)結合分子”又は“二パラトープ性免疫グロブリン単一可変ドメイン”は、本明細書に規定する第一の免疫グロブリン単一可変ドメイン及び第二の免疫グロブリン単一可変ドメインを含む結合分子を意味するであろう(ここで前記2つの分子は対応する抗原の2つの非オーバーラップエピトープと結合する)。二パラトープ性結合分子は、当該エピトープに対して異なる特異性を有する免疫グロブリン単一可変ドメインを含む。エピトープを認識する抗原結合分子(例えば抗体又は本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン)の部分は
パラトープと呼ばれる。
フォーマット化結合分子はまた、2つの同一免疫グロブリン単一可変ドメイン、又は同じ若しくはオーバーラップエピトープ又はそれらの対応する抗原を認識する2つの異なる免疫グロブリン単一可変ドメインを含むことができる(ただし好ましさは劣る)。この事例では、(VEGFに関する)2つの免疫グロブリン単一可変ドメインは、VEGFダイマーを形成する2つのモノマーの各々で同じ又はオーバーラップするエピトープと結合することができる。
典型的には、本発明の結合分子は、例えばバイアコア(Biacore)又はカイネクサ(Kinexa)アッセイで測定したとき、10E-5から10E-14モル/リットル(M)以下、好ましくは10E-7から10E-14モル/リットル(M)以下、より好ましくは10E-8から10E-14モル/リットル、さらに好ましくは10E-11から10E-13モル/リットルの解離定数(K
D)で、及び/又は少なくとも10E7 ME-1、好ましくは少なくとも10E8 ME-1、より好ましくは少なくとも10E9 ME-1、例えば少なくとも10E11 ME-1の結合定数で結合する。10E-4Mより大きいいずれのK
D値も、一般的には非特異的結合を示すと考えられる。好ましくは、本発明のポリペプチドは、500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pMのK
Dで所望の抗原、すなわちそれぞれVEGF又はAng2と結合するであろう。抗原結合タンパク質と抗原又はエピトープとの特異的結合は、それ自体公知の任意の適切な態様で(例えば本明細書に記載のアッセイ、スキャチャード分析及び/又は競合結合アッセイ、例えば放射能免疫アッセイ(RIA)、酵素免疫アッセイ(EIA)及びサンドイッチ結合アッセイ、及び当業界でそれ自体公知の種々の変型を含む)決定できる。
【0027】
アミノ酸残基は、標準的な3文字又は1文字アミノ酸コード(一般的に公知であり当業界で合意されている)にしたがって表示されるであろう。2つのアミノ酸配列を比較するとき、“アミノ酸の相違”という用語は、第二の配列と比較して参照配列のある位置における表示の数のアミノ酸残基の挿入、欠失又は置換を指す。置換の場合にはそのような置換は、好ましくは保存的アミノ酸置換であろう。保存的アミノ酸置換は、あるアミノ酸残基が類似する化学的構造の別のアミノ酸残基により置換されることを意味し、前記は、当該ポリペプチドの機能、活性又は他の生物学的特性に対してほとんどまたは本質的に影響を与えない。そのような保存的アミノ酸置換は、例えばWO98/49185から当業界で周知であり、この場合、保存的アミノ酸置換は、好ましくは以下のグループ(i)−(v)内のあるアミノ酸が同じグループの別のアミノ酸残基によって代用される置換である:(i)小さな脂肪族、非極性又はわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr、Pro及びGly;(ii)極性で負に荷電した残基及びそれらの(非荷電)アミド:Asp、Asn、Glu及びGln;(iii)極性で陽性に荷電した残基:His、Arg及びLys;(iv)大きな脂肪族、非極性残基:Met、Leu、Ile、Val及びCys;並びに(v)芳香族残基:Phe、Tyr及びTrp。特に好ましい保存的アミノ酸置換は以下のとおりである:AlaからGlyに又はSerに;ArgからLysに;AsnからGlnに又はHisに;AspからGluに;CysからSerに;GlnからAsnに;GluからAspに;GlyからAlaに又はProに;HisからAsnに又はGlnに;IleからLeuに又はValに;LeuからIleに又はValに;LysからArgに、Glnに又はGluに;MetからLeuに、Tyrに又はIleに;PheからMetに、Leuに又はTyrに;SerからThrに;ThrからSerに;TrpからTyrに;TyrからTroに又はPheに;ValからIleに又はLeuに。
【0028】
ポリペプチド又は核酸分子は、例えばその本来の生物学的供給源及び/又はそれが入手された反応媒体又は培養媒体と比較した場合に、それが前記供給源又は媒体中で通常付随している少なくとも1つの他の成分、例えば別のタンパク質/ポリペプチド、別の核酸、別の生物学的成分若しくは巨大分子、又は少なくとも1つの夾雑物質、不純物若しくは微量成分から分離されているときには、“本質的に単離された(形態)”であるとみなされる。特にポリペプチド又は核酸分子は、それが少なくとも2倍、特に少なくとも10倍、さらに特に少なくとも100倍さらに1000倍まで又はそれ以上に精製されているとき、“本質的に単離されている”とみなされる。“本質的に単離された形態”であるポリペプチド又は核酸は、適切な技術(例えば適切なクロマトグラフィー技術、例えばポリアクリルアミドゲル電気泳動)を用いて決定したとき好ましくは本質的に均質である。
2つのVEGF-結合分子配列間又は2つのAng2-結合分子配列間の“配列同一性”は、これら配列間で同一であるアミノ酸のパーセンテージを指す。前記は、WO2008/020079の49及び50ページのパラグラフf)に記載されているように計算又は決定することができる。“配列類似性”は、同一であるか又は保存的アミノ酸置換であるアミノ酸のパーセンテージを示す。
V
Hドメインのアミノ酸残基のナンバリングのためのまた別の方法は当業界では公知である(前記方法はまたVHHドメインに類似の態様で適用できる)。しかしながら特段の指示がなければ、本明細書、特許請求の範囲及び図面では、Kabatに対応しさらに上記に記載のVHHドメインに適用されるナンバリングにしたがうであろう。
【0029】
“親和性成熟”VEGF結合分子又はAng2-結合分子(特にVHH又はドメイン抗体)は、1つ以上のCDRに1つ以上の変異を有し、この変異は、対応する親VEGF結合分子又はAng-2結合分子と比較してVEGF又はAng2に対する親和性の改善をもたらす。本発明の親和性成熟VEGF結合分子又はAng2結合分子は、例えば以下に記載されている当業界で公知の方法によって調製することができる:Marks et al., 1992, Biotechnology 10:779-783;Barbas, et al., 1994, Proc. Nat. Acad. Sci, USA 91: 3809-3813;Shier et al., 1995, Gene 169:147-155;Yelton et al., 1995, Immunol. 155: 1994-2004;Jackson et al., 1995, J. Immunol. 154(7):3310-9;及びHawkins et al., 1992, J. MoI. Biol. 226(3): 889 896;KS Johnson and RE Hawkins,“Affinity maturation of antibodies using phage display”, Oxford University Press 1996。
本発明のためには、“配列番号:xのアミノ酸配列”は、特段の記載がなければ、
対応する配列番号:xに示される配列と100%同一であるアミノ酸配列;
a)対応する配列番号:xに示される配列と少なくとも80%アミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
b)対応する配列番号:xに示される配列と3つ、2つ又は1つのアミノ酸相違を有するアミノ酸配列、
を含む。
【0030】
“癌”又は“癌様”という用語は、典型的には脱調節細胞増殖/分裂を特徴とする哺乳動物の生理学的状態を指すか又は表す。本発明の二重特異性結合分子により治療されるべき癌の例には癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫及び白血病が含まれる(ただしこれらに限定されない)。US2008/0014196でVEGFアンタゴニストによる治療のために提唱されたそのような癌のより具体的な例には以下が含まれる:扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌、肺の扁平上皮癌、腹膜の癌、肝細胞癌、胃腸の癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、ヘパトーマ、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜の又は子宮体の癌、唾液腺癌、腎癌、肝癌、前立腺癌、陰門癌、甲状腺癌、肝臓癌、胃癌、メラノーマ、並びに種々のタイプの頭部及び頸部の癌。血管形成の調節障害は、本発明の組成物及び方法によって治療できる多くの異常をもたらし得る。これらの異常には非新形成性及び新形成性症状の両方が含まれる。新形成には上記に記載したものが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0031】
VEGFアンタゴニストによる治療のためにUS2008/0014196で提唱されたように、非新形成性異常には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):望ましくない又は異常な肥大、関節炎、慢性関節リウマチ(RA)、乾癬、乾癬性プラーク、サルコイドーシス、アテローム性硬化症、アテローム硬化症性プラーク、糖尿病性及び他の増殖性網膜症(未熟児網膜症を含む)、水晶体後線維増殖症、血管新生緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病性黄斑水腫、角膜血管新生、角膜移植血管新生、角膜移植拒絶、網膜/脈絡膜血管新生、眼角の血管新生(ルベオーシス)、眼の血管新生性疾患、血管再狭窄、動静脈奇形(AVM)、髄膜腫、血管腫、血管線維腫、甲状腺過形成(グレーヴズ病を含む)、角膜及び他の組織の移植、慢性炎症、肺の炎症、急性肺損傷/ARDS、敗血症、一次性肺高血圧、悪性肺滲出、大脳浮腫(例えば急性発作/閉鎖性頭部損傷/外傷に付随するもの)、滑膜炎症、RAにおけるパンヌス形成、骨化性筋炎、肥大性骨形成、変形性関節症(OA)、難治性腹水、多発性嚢胞性卵巣疾患、子宮内膜症、第三間隙形成液疾患(3
rd spacing of fluid diseases)(膵炎、仕切り症候群、火傷、腸疾患)、子宮線維症、早産、慢性炎症、例えばIBD(クローン病および潰瘍性大腸炎)、同種異系腎移植拒絶、炎症性腸疾患、ネフローゼ症候群、望ましくない又は異常な組織塊増殖(非癌性)、血友病性関節、過形成瘢痕、毛の成長阻害、オシエル-ウェーバー(Osier-Weber)症候群、化膿性肉芽腫性水晶体後線維増殖症、強皮症、トラコーマ、血管癒着、滑膜炎、皮膚炎、子癇前症、腹水、心膜滲出(例えば心膜炎に付随するもの)及び肺滲出。
【0032】
発明の詳細な説明
第一の特徴では、本発明は、少なくとも1つのAng2結合要素及び少なくとも1つのVEGF結合要素を含む二重特異性結合分子に関する。
好ましい実施態様では、本発明は、少なくとも1つのさらに別の結合要素、好ましくは血清アルブミン結合要素(血清アルブミン結合分子)をさらに含む、少なくとも1つのVEGF結合要素及び少なくとも1つのAng2結合要素を含む二重特異性結合分子に関する。
好ましい実施態様では、本発明の結合分子の血清アルブミン結合要素は、単離された免疫グロブリン単一可変ドメイン又は1つ以上の前記免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドであり、前記免疫グロブリン単一可変ドメインは、それぞれ4つのフレームワーク領域並びに3つの相補性決定領域CDR1、CDR2及びCDR3から成り、さらに前記CDR3は、配列番号:257、260、263、266、269、272又は275に示すアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有する。
より好ましくは、血清アルブミン結合要素の前記1つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインは以下を含む:
a.配列番号:257、260、263、266、269、272又は275に示す第一のグループのアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有するCDR3;
b.配列番号:255、258、261、264、267、270又は273に示す第二のグループのアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有するCDR1;
c.配列番号:256、259、262、265、268、271又は274に示す第二のグループのアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有するCDR2。
【0033】
より好ましい実施態様では、血清アルブミン結合要素の前記1つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインはVHHであり、好ましくは配列番号:98又は254に示すアミノ酸配列を有する。
好ましい実施態様にしたがえば、前記Ang2結合要素及び前記VEGF結合要素は、それぞれ少なくとも1つのAng2結合免疫グロブリン単一可変ドメイン及び少なくとも1つのVEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含む。
好ましい特徴では、前記Ang2結合要素及び前記VEGF結合要素は各々、少なくとも1つのVEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメイン及び少なくとも1つのAng2結合免疫グロブリン単一可変ドメインをそれぞれ含み、前記免疫グロブリン単一可変ドメインの各々は、4つのフレームワーク領域並びに3つの相補性決定領域CDR1、CDR2及びCDR3をそれぞれ含む。
したがって、本発明の二重特異性結合分子に含まれる抗Ang2要素及び/又は抗VEGF要素は、2つ(又は3つ以上)のそれぞれ抗Ang2(又は抗VEGF)免疫グロブリン単一可変ドメインを含むことができ、ここで前記免疫グロブリン単一可変ドメインは、Ang2(又はVEGF)標的内の異なるエピトープに向かう。したがって、二重特異性結合分子内の2つの免疫グロブリン単一可変ドメインは異なる抗原特異性を有し、したがって異なるCDR配列を有するであろう。
そのような二価の結合分子はまた、それぞれ“二パラトープ性一ドメイン抗体構築物”(当該免疫グロブリン単一可変ドメインが一ドメイン抗体から成るか又は本質的に前記から成る場合)、又は“二パラトープ性VHH構築物” (当該免疫グロブリン単一可変ドメインがVHHから成るか又は本質的に前記から成る場合)と称される(なぜならば、これら2つの免疫グロブリン単一可変ドメインは2つの異なるパラトープを含むからである)。
【0034】
本発明の二重特異性結合分子では、結合分子の一方又は両方が二価であり得る。例えばVEGF結合要素が二パラトープ性でありAng2結合要素が1つの免疫グロブリン単一可変ドメインであるか、又はVEGF結合要素が1つの免疫グロブリン単一可変ドメインでありAng2結合要素が二パラトープ性であってもよい。
本発明の二重特異性結合分子では、二価のVEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含むのは、好ましくはVEGF結合要素(例えば二パラトープ性VHH)である。
そのようなVEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインは2つ以上のVEGF結合VHHを含むことができ、それらVHHは以下である:
(a)組換えヒトVEGFと組換えヒトVEGFR-2との間の相互作用を60%以上の阻害率で遮断することができる同一のVHH、又は
(b)VEGFのオーバーラップしないエピトープと結合する異なるVHHであって、少なくとも1つのVHHが、組換えヒトVEGFと組換えヒトVEGFR-2との間の相互作用を60%以上の阻害率で遮断することができ、さらに少なくとも1つのVHHが前記相互作用を60%以下の阻害率で遮断することができるVHH。
VEGF-結合要素は、それぞれ4つのフレームワーク領域並びに3つの相補性決定領域CDR1、CDR2及びCDR3を有する少なくとも1つの可変ドメインを含み、前記CDR3は配列番号:1に示すアミノ酸配列Ser Arg Ala Tyr Xaa Ser Xaa Arg Leu Arg Leu Xaa Xaa Thr Tyr Xaa Tyrを有し、ここで
5位のXaaはGly又はAlaであり;
7位のXaaはSer又はGlyであり;
12位のXaaはGly、Ala又はProであり;
13位のXaaはAsp又はGlyであり;
16位のXaaはAsp又はGluであり;さらに
前記VEGF-結合要素は、ヒト組換えVEGF165とヒト組換えVEGFR-2との相互作用を60%以上の阻害率で遮断できる。
【0035】
好ましい実施態様にしたがえば、5位のXaaはGlyであり、7位のXaaはSerであり、12位のXaaはAlaであり、さらに13位のXaaはAspである。
特に、前記CDR3は以下から選択される配列を有する:
配列番号:2、SRAYGSSRLRLGDTYDY;
配列番号:3、SRAYGSSRLRLADTYDY;
配列番号:4、SRAYGSSRLRLADTYEY;
配列番号:5、SRAYGSGRLRLADTYDY;
配列番号:6、SRAYASSRLRLADTYDY;
配列番号:7、SRAYGSSRLRLPDTYDY;
配列番号:8、SRAYGSSRLRLPGTYDY。
ある種の実施態様にしたがえば、VEGF-結合要素は1つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインを含み、その各々は、
(a)配列番号:2から8に示す第一のグループの配列から選択されるアミノ酸配列を有するCDR3;
(b)配列番号:9から46に示す第二のグループのアミノ酸配列から選択される配列に表3に示すように含まれるアミノ酸配列を有するCDR1及びCDR2を含み、ここで前記第二の配列は(a)にしたがって選択された対応するCDR3配列を含む。
好ましい実施態様にしたがえば、免疫グロブリン単一可変ドメインはVHHである。
具体的な実施態様にしたがえば、VHHは配列番号:9−46に示す配列から選択されるアミノ酸配列を有する。
別の具体的な実施態様にしたがえば、VHHは、配列番号:15、配列番号:18及び配列番号:25から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0036】
本発明はまた、上記に規定のVHHの親和性成熟及び/又は配列最適化によって入手されるVEGF結合要素、例えば配列番号:18に示すアミノ酸配列を有するVHHの配列最適化によって入手されるVHHに関する。配列番号:47−57に示す配列から選択されるアミノ酸配列を有するVHHが例である。
ある種の実施態様にしたがえば、本発明のVEGF結合ドメインは本明細書に規定するようにフォーマット化できる。例えば、前記は二パラトープ性でもよく、又は2つの同一の免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでいてもよい。そのようなVEGF結合要素は2つ以上のVHHを含み、それらVHHは、
(a)組換えヒトVEGFと組換えヒトVEGFR-2との間の相互作用を60%以上の阻害率で遮断することができる同一のVHH、又は
(b)VEGFのオーバーラップしないエピトープと結合する異なるVHHであって、少なくとも1つのVHHが、組換えヒトVEGFと組換えヒトVEGFR-2との間の相互作用を60%以上の阻害率で遮断することができ、さらに少なくとも1つのVHHが前記相互作用を60%以下の阻害率で遮断することができるVHHである。
60%以上又は60%以下の阻害率でそれぞれ前記相互作用を遮断するという前記パーセンテージは、実施例で用いられる、増幅ルミネセンスプロクシミティ均質アッセイ(Amplified Luminescent Proximity Homogenous Assay;アルファスクリーン(商標)(AlphaScreen(商標)))、競合ELISA、プラズモン共鳴(SPR)系アッセイ(バイアコア(商標)(Biacore(商標)))によって決定される阻害率を指す。
【0037】
以下では、(a)のVHHの能力はまた“レセプター遮断”と称され、一方、(b)のVHHの能力はまた“非レセプター遮断”と称される。
好ましくは、レセプター遮断VHHは80%以上、より好ましくは90%以上の阻害率を有し、もっとも好ましいVHHは完全なレセプターブロッカーである。すなわち前記は100%の阻害率を有する。
VEGF結合要素は、配列番号:9−46に示すアミノ酸配列を有するVHHから選択される2つ以上の同一のVHH(a)又はそのようなVHHの親和性成熟及び/又は配列最適化によって入手されるVHHを含むことができる。前記VHHは、配列番号:18又は配列番号:47−57に示すアミノ酸を有するVHHから選択できる。
好ましい実施態様にしたがえば、フォーマット化VEGF結合要素は2つのVHHを有し、その各々は配列番号:57に示すアミノ酸配列を有する。
2つの異なるVHHを含むフォーマット化VEGF結合要素では、
(a)60%以上の阻害率を有する前記1つ以上のVHHは、
(i)配列番号:9−46に示すアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有するVHH又は
(ii)そのようなVHHの親和性成熟及び/又は配列最適化によって入手されるVHH、
から選択され、さらに
(b)60%以下の阻害率を有する前記1つ以上のVHHは、
(i)配列番号:58−124、又は
(ii)そのようなVHHの親和性成熟及び/又は配列最適化によって入手されるVHH、
から選択される。
【0038】
好ましい実施態様にしたがえば、2つのVHHは、配列番号:128−168に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドに含まれ、前記VHHは、表15に示すリンカー配列によって引き離されてある。
好ましいVEGF結合要素では、VHH(a)(i)は配列番号:18に示すアミノ酸配列を有し、さらにVHH(b)(i)は配列番号:64に示すアミノ酸配列を有する。
他の好ましいVEGF結合要素では、(a)(ii)のVHHは配列番号:47−57に示すアミノ酸配列を有するVHHから選択され、さらに(b)(ii)のVHHは配列番号:125−127に示すアミノ酸配列を有するVHHから選択される。
特に好ましいものは、2つのVHHを含む二パラトープ性VEGF結合要素であり、それらの1つは配列番号:57に示すアミノ酸を有し、さらにそれらの1つは配列番号:127に示すアミノ酸を有する。
Ang2-結合要素は、それぞれ4つのフレームワーク領域並びに3つの相補性決定領域CDR1、CDR2及びCDR3を有する少なくとも1つの可変ドメインを含み、前記CDR3は配列番号:226、229、232、235、238、241、244、247、250又は253に示すアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0039】
第二の特徴では、前記Ang2-結合要素は、単離された免疫グロブリン単一可変ドメイン又は1つ以上の前記免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドであり、前記免疫グロブリン単一可変ドメインはそれぞれ4つのフレームワーク領域並びに3つの相補性決定領域CDR1、CDR2及びCDR3から成り、さらに前記CDR3は配列番号:226、229、232、235、238、241、244、247、250又は253に示すアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有する。
さらに別の特徴では、Ang2結合要素の前記免疫グロブリン単一可変ドメインは、
(a)配列番号:226、229、232、235、238、241、244、247、250又は253に示す第一のグループのアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有するCDR3(表49もまた参照されたい);
(b)配列番号:224、227、230、233、236、239、242、245、248又は251に示す第二のグループのアミノ酸配列から選択される配列に部分配列として表36-A、38-A、41-A又は45-Aに示すように含まれるアミノ酸配列を有するCDR1(表49もまた参照されたい);及び
(c)配列番号:225、228、231、234、237、240、243、246、249又は252に示す第二のグループのアミノ酸配列から選択される配列に部分配列として表36-A、38-A、41-A又は45-Aに示すように含まれるアミノ酸配列を有するCDR2(表49もまた参照されたい)、
を含む。
【0040】
好ましくは、Ang2結合要素の免疫グロブリン単一可変ドメインはVHHであり、好ましくは、配列番号:214、215、216、217、218、219、220、221、222又は223に示すアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有する。
別の好ましい実施態様では、Ang2結合要素の免疫グロブリン単一可変ドメインは、本明細書に記載の免疫グロブリン単一可変ドメインの親和性成熟又はヒト化によって入手された。
同様に、本発明は、本明細書に記載のAng2結合要素のVHHの親和性成熟又はヒト化によって入手されるVHHに関する。
本発明はしたがってまた、配列番号:214、215、216、217、218、219、220、221、222又は223に示すアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有する、Ang2-結合VHHに関する。
親和性成熟のための適切な親Ang2結合要素は、例示すれば、配列番号:214、215、216、217、21i8又は219に示すアミノ酸配列を有する上記記載のVHHである。
したがって、本発明はまた、上記記載のVHHの親和性成熟及び/又は配列最適化によって入手されるAng2結合要素、例えば配列番号:217、218、219、220、221、222又は223に示すアミノ酸配列を有するVHHの配列最適化によって入手されるVHHに関する。後者のVHHを作製するために用いられた“供給源”アミノ酸配列は、配列番号:214、215、又は216に示されている。さらにまた、これらのアミノ酸配列は、本発明の結合分子で利用できる適切なAng2結合要素である。
【0041】
本明細書に記載するように、本発明の結合分子は、好ましくは少なくとも1つの血清アルブミン結合要素を含む。特に好ましい結合分子はしたがって、少なくとも1つのVEGF結合要素、少なくとも1つのAng2結合要素及び少なくとも1つの血清アルブミン結合要素を有する。これら3つの結合要素の順序は可能ないずれの順序でもよく、例えば表36-B、38-B、40、41-B、42、43、45-B、46-A若しくは 47-A、又は
図20、23、27若しくは30に示す順序であり得る。例えばVEGF、Ang2又は血清アルブミン結合要素はN-末端でも又はC-末端でもよい。特に、前述の表及び図の凡例に示す“1D01”(配列番号:214)、“11B07”、“00027”(配列番号:216)、“00908”、“7G08”(配列番号:215)、“00919”、“00921”(配列番号:220)、“00928”(配列番号:221)、“00932”、“00933”、“00934”、“00935”、“00936” 、“00937”、“00938”(配列番号:222)又は“00956”(配列番号:223)はAng2結合要素を表し、一方、“00038”はVEGF結合要素を表し、“ALB11”は血清アルブミン結合要素を表す。それらのいずれも特定の配列と解されるべきではないが、本発明の結合分子のあり得る設定という関係で用いられるときは、一般的にはAng2結合要素、VEGF結合要素及びアルブミン結合要素を表す。
【0042】
しかしながら、アルブミン結合要素はVEGF結合要素とAgn2結合要素との間に存在することが好ましく、一方、少なくとも1つのVEGF結合要素はN-末端にあり、少なくとも1つの血清アルブミン結合要素が続き、続いて少なくとも1つのAng2結合要素がC-末端に存在するのが特に好ましい。前記の設定が特に有用であることが示されている。
好ましい特徴では、本発明はしたがって、配列番号:180−213に示すアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を有する、少なくとも1つのVEGF結合要素、少なくとも1つのAng2結合要素及び少なくとも1つの血清アルブミン結合要素を含む結合分子に関する。
本明細書で用いられる場合、“少なくとも1つ”の結合要素(VEGF、Ang2又は血清アルブミン)は、本発明の1つの結合分子が、好ましくは本明細書に記載の免疫グロブリン単一可変ドメインによって表される、1つ、2つ、3つ、4つ又は5つのVEGF、Ang2及び/又は血清アルブミン結合要素(すなわち実体/構成単位)を含むことができることを包含する。
治療的応用の観点から改善された特性(例えば親和性の強化又は免疫原性の低下)を有するVEGF及び/又はAng2結合要素は、当業界で公知の技術、例えば親和性成熟(例えば合成免疫グロブリン配列、ランダム免疫グロブリン配列又は天然に存在する免疫グロブリン配列から出発する)、CDR移植、ヒト化、種々の免疫グロブリン配列に由来するフラグメントの結合、オーバーラッププライマーを用いるPCRアッセンブリー、及び当業者に周知の免疫グロブリン配列を操作する類似の技術、又は前述のいずれかの適切な任意の組合せ(本明細書に記載する“配列最適化”とも称される)によって個々のVEGF結合要素又はAng2結合要素から入手できる。例えば標準的な手引書或いは本明細書の更なる記述及び実施例を参照できる。
適切な場合には、親和性が増進された本発明のVEGF又はAng2結合要素は、別のVEGF又はAng2結合要素の親和性成熟によって入手できる(後者は親和性成熟分子に対して“親”VEGF結合要素である)。
【0043】
EVQで始まる本発明のVEGF又はAng2 VHHでは、N末端のEはDで置換され得るか(置換はしばしば配列最適化の結果である)、又は消失していることがある(大腸菌(E.coli)でVHHを発現させた場合)。フォーマット化VEGF結合要素については、前記事象はN-末端に配置されているVHHのみに当てはまる。
103P、R、S-グループ及び/又はGLEW-グループ(下記で規定される)に属するVEGF VHHのための好ましいヒト化置換(ただし当該置換に限定されない)は108Qから108Lへの置換である。免疫グロブリン単一可変ドメインをヒト化する方法は当業界では公知である。
別の実施態様にしたがえば、免疫グロブリン単一可変ドメインは本明細書に規定するドメイン抗体である。
さらにまた別の実施態様では、本発明のVEGF及び/又はAng2結合免疫グロブリン単一可変ドメインのクラスの典型例は、天然に存在するVHドメインのアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有し、前記VHドメインは“ラクダ化”されてあり、すなわち、通常の4鎖抗体の天然に存在する可変重鎖のアミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸残基が、重鎖抗体のVHHドメイン中の対応する位置に存在する1つ以上のアミノ酸残基によって置き換えられてある。前記はそれ自体公知の態様で実施でき、当業者には明白であり、さらに別にWO1994/04678を参照できる。そのようなラクダ化は、好ましくはVH-VL接触面に存在するアミノ酸の位置及びいわゆるラクダ科動物認証残基で起こり得る(例えばWO1994/04678もまた参照されたい)。そのような“ヒト化”及び“ラクダ化”技術の詳細な記載及びそれらと調和する好ましいフレームワーク領域配列は、さらに別にWO2006/040153のpp.46及びpp.98並びにWO2006/122786のpp.107から入手できる。
【0044】
本発明のVEGF結合要素、例えば免疫グロブリン単一可変ドメインは、それらがVEGF分子内の1つ以上のエピトープと特異的に結合する1つ以上の免疫グロブリンを含むという点で、VEGFに対して特異性を有する。
VEGF結合要素とその抗原VEGFとの特異的な結合は、それ自体公知の任意の適切な態様で決定できる。前記態様には、例えば本明細書に記載のアッセイ、スキャチャード分析及び/又は競合結合アッセイ(例えば放射能免疫アッセイ(RIA)、酵素免疫アッセイ(EIA及びELISA)及びサンドイッチ競合アッセイ)並びに当業界でそれ自体公知の前記の種々の変型が含まれる。
抗原VEGFに関しては、本発明のVEGF結合要素、例えば免疫グロブリン単一可変ドメインは種に関して制限を受けない。したがって、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、ヒトでの治療目的を意図する場合には好ましくはヒトVEGFと結合する。しかしながら、別の哺乳動物種由来のVEGFと結合する免疫グロブリン単一可変ドメインもまた本発明の範囲内にある。VEGFの1つの種型と結合する本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、1つ以上の他の種に由来するVEGF(前記はヒトとは異なる配列を有する)と交差反応することができる。例えば、ヒトVEGFと結合する本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、霊長類の1つ以上の他の種に由来するVEGFと、及び/又は疾患の動物モデル、で用いられる1つ以上の動物種、例えばマウス、ラット、ウサギ、ブタ、イヌ、及び特に脈管形成におけるVEGF媒介作用と密接に関係する疾患及び異常の動物モデル(例えば本明細書に記載の主及び動物モデル)で用いられる動物の1つ以上の種に由来するVEGFと交差反応性を示すことができる。そのような交差反応性を示す本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、評価を得ている疾患モデル(例えばサル(特にカニクイザル又はアカゲザル)又はマウス及びラット)で本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインを試験することを許容するので、研究及び/又は薬剤開発で有益である。
【0045】
治療用VEGFアンタゴニストの開発時に動物モデルとしての使用が意図されるヒト以外の他の種に由来する1つ以上のVEGF分子との交差反応性を考慮すれば、VEGF結合要素が、ヒトVEGFと高度な同一性を有する対象VEGFのある領域内のエピトープを認識することは好ましい。
本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、そのレセプター、特にVEGFR-2(前記はその活性化が腫瘍の血管新生と因果関係的に密接に関係するレセプターであることが示されている)との結合に関係するVEGFの領域に完全に又は部分的に位置するエピトープを認識する。好ましい特徴にしたがえば、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、VEGFレセプター活性化、特にVEGFR-2活性化を少なくとも部分的に、好ましくは実質的に、さらに好ましくは完全に遮断する。
上記に記載したように、VEGFとそのレセプター(特にVEGFR-2)との間の相互作用を遮断するVEGR結合要素の能力は、実施例に記載する、増幅ルミネセンスプロクシミティ均質アッセイ(AlphaScreen(商標))、競合ELISA、又はプラズモン共鳴(SPR)系アッセイ(Biacore(商標))によって決定できる。
好ましくは、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満の親和性でVEGFと結合する(実施例5.7に記載するように表面プラズモン共鳴分析によって決定される)。同じことが、アンギオポイエチンと結合する本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインにも当てはまる。
【0046】
好ましくは、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、実施例5.1に記載の競合ELISAアッセイで測定したとき、10
-6から10
-10モル/リットル以下の範囲、より好ましくは10
-8から10
-10モル/リットル以下の範囲、さらに好ましくは10
-9から10
-10モル/リットル以下の範囲のIC
50値を有する。
好ましい本発明の実施態様(ただし前記に限定されない)にしたがえば、本発明のVEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインは、10
-5から10
-12モル/リットル(M)未満、好ましくは10
-7から10
-12モル/リットル(M)未満、より好ましくは10
-8から10
-12モル/リットル(M)未満の解離定数(K
D)で、及び/又は少なくとも10
7 M
-1、好ましくは少なくとも10
8 M
-1、より好ましくは少なくとも10
9M
-1、例えば少なくとも10
12M
-1の結合定数(K
A)で、さらに特に500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満のK
DでVEGFと結合する。本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインのVEGFに対するK
D及びK
A値を決定できる。同じことが、本発明のAng2結合免疫グロブリン単一可変ドメインについても当てはまる。
【0047】
2つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインを含む二パラトープ性VEGF結合要素は、(i)VEGFの第一のエピトープと特異的に結合する第一の免疫グロブリン単一可変ドメイン、及び(ii)VEGFの第二のエピトープと特異的に結合する第二の免疫グロブリン単一可変ドメインを含むか又は本質的に前記から成り、ここで、VEGFの第一のエピトープ及びVEGFの第二のエピトープは同一のエピトープではない。換言すれば、本発明のそのようなポリペプチドは、VEGFに存在する少なくとも2つのオーバーラップしないエピトープに対する2つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインを含むか又は本質的に前記から成り、ここで前記免疫グロブリン単一可変ドメインは、それらがVEGFと同時に結合することができるような態様で互いに連結される。この意味では、本発明のポリペプチドはまた“二価”又は“多価”免疫グロブリン構築物、特に前記ポリペプチドがVEGFに対して少なくとも2つの結合部位を有するという点で、本質的に“多価免疫グロブリン単一可変ドメイン構築物”とみなすことができる(そのような構築物はまた“フォーマット化”VEGF結合分子、例えば“フォーマット化”VHHと称される)。同じことが、必要な変更を加えて、二パラトープ性Ang2結合要素についても当てはまる。
【0048】
本発明のそのようなVEGF又はAng2結合要素は(少なくとも)2つの抗VEGF又はAng2免疫グロブリン単一可変ドメインをそれぞれ含み、ここで、(前記)2つの免疫グロブリン単一可変ドメインは、好ましくはVEGF分子内のオーバーラップしないエピトープに向けられている。したがって、これら2つの免疫グロブリン単一可変ドメインは異なる抗原特異性、したがって異なるCDR配列を有するであろう。この理由のために、本発明のそのようなポリペプチドはまた、2つの免疫グロブリン単一可変ドメインが2つの異なるパラトープを含むので、“二パラトープ性ポリペプチド”又は“二パラトープ性一ドメイン抗体構築物”(免疫グロブリン単一可変ドメインが一ドメイン抗体から成るか、本質的に前記から成る場合)、又は“二パラトープ性VHH構築物”(免疫グロブリン単一可変ドメインがVHHから成るか、又は本質的に前記から成る場合)とそれぞれ称される。
本発明のポリペプチドが本明細書に規定する二パラトープ性分子である場合、免疫グロブリン単一可変ドメインの少なくとも1つは、組換えヒトVEGFと組換えヒトVEGFR-2との間の相互作用が80%以上の阻害率で遮断されるようにエピトープと結合する。本発明の実験で示されたように、ある種のフォーマット化分子は、その両方がVEGFR2レセプターを80%以上の阻害率で遮断する2つのVHHを含む。本発明のある種のVHHは100%の阻害率でVEGFR2を遮断する(すなわちそれらは完全なブロッカーである)。
両方の事例で、追加される配列及び要素は、本発明のVEGF結合要素内に(例えばN-末端、C-末端に)存在するか、又は2つの免疫グロブリン単一可変ドメイン、例えばリンカー配列及びエフェクター機能を提供する配列の間に、本明細書でさらに詳細に説明するように存在し得る。
別の(好ましさは劣るが)実施態様にしたがえば、本発明のVEGF結合要素は、3つ以上の抗VEGF免疫グロブリン単一可変ドメイン(すなわち3つ、4つ、又は5つ以上の抗VEGF VHH)を含むことができる。この事例では、抗VEGF免疫グロブリン単一可変ドメインの少なくとも2つは、VEGF分子内のオーバーラップしないエピトープに対抗し、前記2つとは別の免疫グロブリン単一可変ドメインはいずれも、前記2つの非オーバーラップエピトープのいずれかと結合するか及び/又は当該VEGF分子に存在するさらに別のエピトープと結合することができる。
【0049】
本発明にしたがえば、2つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインは、それぞれ互いに別個にVHH又はドメイン抗体、及び/又は、本明細書に規定する他の任意の種類の免疫グロブリン単一可変ドメイン(例えばVLドメイン)であり得るが、ただしこれら免疫グロブリン単一可変ドメインが、当該抗原(すなわちVEGF又はアンギオポイエチン)とそれぞれ結合することを条件とする。
結合要素の詳細な説明は主としてVEGF結合要素について提供される。しかしながら、VEGF結合要素について本明細書で概略するいずれの特色及び選択肢もまた、必要な変更を加えてAng2結合要素に同等に当てはまる。
好ましい実施態様にしたがえば、二重特異性結合分子に存在する結合分子(Ang2結合要素内のAng2結合分子又はVEGF結合要素内のVEGF結合分子又は2つの隣接するAng2結合要素及びVEGF結合要素)は、互いに直に連結されるか(すなわちリンカーを使用しないで)、又はリンカーを介して連結され得る。リンカーは、好ましくはリンカーペプチドであり、2つの異なる結合分子と標的のオーバーラップしないエピトープ(1つのかつ同じ標的分子内に存在するか又は2つの異なる分子内に存在する)の各々との結合を許容するように選択される。
二パラトープ性結合分子の事例では、Ang2結合要素又はVEGF結合要素内のリンカーの選択はとりわけエピトープに左右され、具体的には免疫グロブリン単一可変ドメインが結合する標的上のエピトープ間の距離に左右され、当業者には、本明細書の開示を土台にすれば(場合によって限られたある程度の日常的実験の後で)明白であろう。
【0050】
2つの結合分子(2つのVHH又はドメイン抗体、又はVHH及びドメイン抗体)、又は2つの結合要素は、それぞれ別のVHH又はドメイン抗体を介して互いに連結され得る(そのような結合分子では、2つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインは前記別の免疫グロブリン単一可変ドメインと直に又は適切なリンカーを介して連結され得る)。そのような別のVHH又はドメイン抗体は、例えば半減期の延長を提供するVHH又はドメイン抗体であり得る。例えば、後者のVHH又はドメイン抗体は、(ヒト)血清蛋白質、例えば(ヒト)血清アルブミン又は(ヒト)トランスフェリンと結合できるものであり得る。
また別には、対応する標的と結合する2つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインは、連続して(直に又は適切なリンカーを介して)連結され、別のVHH又はドメイン抗体(半減期の延長のために提供できる)は、これら2つ以上の前述の免疫グロブリン配列の1つと直に又はリンカーを介して連結され得る。
適切なリンカーは本発明の具体的なポリペプチドとの関係で本明細書に記載され、アミノ酸配列を含むことができる(例示であって、当該例示に限定されない)。前記アミノ酸配列は、好ましくは9以上のアミノ酸、より好ましくは少なくとも17アミノ酸、例えば約20から40アミノ酸を有する。しかしながら、前記上限は決定的なものではなく、例えばそのようなポリペプチドの生物医薬の製造に関する便利さという理由のために選択される。
リンカー配列は天然に存在する配列でも天然に存在しない配列でもよい。治療目的のために用いられる場合は、リンカーは、本発明の二重特異性結合分子が投与される対象動物で好ましくは非免疫原性である。
【0051】
リンカー配列の有用な1つのリンカーグループは、WO1996/34103及びWO1994/04678に記載された重鎖抗体のヒンジ領域由来のリンカーである。
他の例はポリアラニンリンカー配列、例えばAla-Ala-Alaである。
さらに別の好ましいリンカー配列の例は、種々の長さのGly/Serリンカー、例えば(gly
xser
y)
zリンカー((gly
4ser)
3、(gly
4ser)
4、(gly
4ser)、(gly
3ser)、gly
3、及び(gly
3ser
2)
3を含む)である。
リンカーのいくつかの非限定的な例は、表15に示す本発明の二重特異性結合分子(配列番号:128−168)に含まれる、例えば以下のリンカーである:
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(35GS;配列番号:169);
GGGGSGGGS(9GS;配列番号:170);
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(40GS;配列番号:171)。
本発明の二重特異性結合分子が、ポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)要素の結合によって改変される場合、リンカー配列は、そのような改変(例えばPEG化)を可能にするために好ましくはアミノ酸残基(例えばシステイン又はリジン)をリンカー領域に含む。
PEG化に有用なリンカーの例は以下である:
GGGGCGGGS(“GS9,C5”、配列番号:172);
GGGGCGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(“GS25,C5”、配列番号:173);
GGGSGGGGSGGGGCGGGGSGGGGSGGG(“GS27,C14”、配列番号:174);
GGGGSGGGGSGGGGCGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(“GS35,C15”、配列番号:175);及び
GGGGCGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(“GS35,C5”、配列番号:176)。
さらに、リンカーはまた、例えばWO2004/081026に示すポリ(エチレングリコール)要素であり得る。
【0052】
別の実施態様では、免疫グロブリン単一可変ドメインは別の要素(場合によって1つ又は2つのリンカーを介して)、例えば別のポリペプチドを介して互いに連結される。前記ポリペプチドは、好ましい実施態様(ただし当該実施態様に限定されない)では、上記に記載のさらに別の免疫グロブリン単一可変ドメインであり得る。そのような要素は、本質的に活性をもたないか、又は生物学的作用(例えば当該ポリペプチドの所望の特性の改善)を示すか、又は1つ以上のさらに別の所望の特性を当該ポリペプチドに付与し得る。例えば(ただしこの例に限らない)、前記要素は当該タンパク質又はポリペプチドの半減期を改善し得るか、及び/又はその免疫原性を低下させ得るか、又は任意の他の所望の特性を改善し得る。
好ましい実施態様にしたがえば、本発明の二重特異性結合分子は、特に治療薬としての使用を意図するか又は治療薬として使用されるとき、患者の血清又は他の体液中での本発明のポリペプチドの半減期を延長する要素を含む。“半減期”という用語は、例えばポリペプチドの分解及び/又は天然のメカニズムによる除去及び/又は消失により、(改変)ポリペプチドの血清中濃度がin vivoで50%低下するために要する時間と規定される。
より具体的には、そのような半減期延長要素は、免疫グロブリン単一可変ドメインに共有結合させるか又は融合させることができ、前記は、Fc部分、アルブミン要素、アルブミン要素のフラグメント、アルブミン結合要素(例えば抗アルブミン免疫グロブリン単一可変ドメイン)、トランスフェリン結合要素(例えば抗トランスフェリン免疫グロブリン単一可変ドメイン)、ポリオキシアルキレン要素(例えばポリエチレングリコール分子)、アルブミン結合ペプチド又はヒドロキシエチルデンプン(HES)誘導体であり得るが、ただしこれらに限定されない。
【0053】
別の実施態様では、本発明の二重特異性結合分子は、血中で見出される抗原(例えば血清アルブミン、血清免疫グロブリン、タイロキシン結合タンパク質、フィブリノゲン又はトランスフェリン)と結合する要素を含み、それによって本発明の生成ポリペプチドにin vivoでの半減期の延長を付与する。特に好ましい実施態様にしたがえば、そのような要素はアルブミン結合免疫グロブリンであり、特に好ましくはアルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、例えばアルブミン結合VHHドメインである。
ヒトでの使用が意図される場合、そのようなアルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインは、好ましくはヒト血清アルブミンと結合し、好ましくはヒト化アルブミン結合VHHドメインである。
ヒト血清アルブミンと結合する免疫グロブリン単一可変ドメインは当業界で公知であり、例えばWO2006/122786にさらに詳細に記載されている。特に有用なアルブミン結合VHHはALB1及びそのヒト化対応物ALB8(WO 2009/095489)である。しかしながら、上記の特許刊行物に記載されている他のアルブミン結合VHHドメインも同様に有用であり得る。
特に有用なアルブミン結合VHHドメインはALB8であり、前記は配列番号:98又は254に示すアミノ酸配列から成るか又は前記を含む。
本発明のさらに別の実施態様にしたがえば、2つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(好ましくはVHH)は、例えばWO01/79271及びWO03/59934に記載されたように、血清アルブミン分子に融合させることができる。例えばWO2001/79271に記載されているように、融合タンパク質は通常の組み換え技術によって入手できる。すなわち、二重特異性結合分子をコードするDNAに血清アルブミン又はそのフラグメントをコードするDNA分子を結合させ、得られた構築物を選択した宿主細胞、例えば酵母細胞(例えばピキア・パストリス)又は細菌細胞での発現に適切なプラスミドに挿入し、続いて前記融合ヌクレオチド配列を宿主細胞にトランスフェクトして適切な条件下で増殖させる。有用なHSAの配列は配列番号:99に示されている。
【0054】
別の実施態様にしたがえば、本発明のポリペプチドの半減期延長改変(そのような改変はまた当該ポリペプチドの免疫原性を低下させる)は、薬理学的に許容できるポリマー(例えば直鎖又は分子鎖ポリ(エチレングリコール)(PEG)又は前記の誘導体(例えばメトキシポリ(エチレングリコール)又はmPEG)の結合を含む。一般的にはPEG化の任意の適切な形態、例えば抗体及び抗体フラグメント(ドメイン抗体及びscFvが含まれるが、ただしこれらに限定されない)のために当業界で用いられるPEG化を用いることができ、例えば以下を参照できる:Chapman, Nat. Biotechnol., 54, 531-545 (2002);Veronese and Harris, Adv. Drug Deliv. Rev. 54, 453-456 (2003);Harris and Chess, Nat. Rev. Drug. Discov. 2 (2003);及びWO2004/060965。
ポリペプチドのPEG化のための多様な試薬はまた市場で例えばネクター・テラピューティクス(Nektar Therapeutics)(USA)又はNOF社(日本)から入手でき、例えばサンブライト(商標)(Sunbright)EAシリーズ、SHシリーズ、MAシリーズ、CAシリーズ及びMEシリーズ、例えばサンブライト(商標)ME-100MA、サンブライト(商標)ME-200MA及びサンブライト(商標)ME-400MAである。
【0055】
好ましくは、部位指定PEG化が、特にシステイン残基を介して用いられる(例えば以下を参照されたい:Yang et al., Protein Engineering 16, 761-770, 2003)。例えば、この目的のために、PEGを本発明のポリペプチドに天然に存在するシステイン残基に結合できる。本発明のポリペプチドは、PEG結合用の1つ以上のシステイン残基を適切に導入するために改変できる。又はPEG結合用の1つ以上のシステイン残基を含むアミノ酸配列を本発明のポリペプチドのN-末端及び/又はC-末端に融合させることができる。前記はいずれも、それ自体当業者に公知のタンパク質操作技術を利用する。
好ましくは、本発明のポリペプチドのために、5kDaを超える、例えば10kDaから200kDa未満、例えば100kDa未満、例えば20kDaから80kDaの範囲の分子量を有するPEGが用いられる。
PEG化に関して、本発明はまた、1つ以上のアミノ酸の位置で好ましくは以下の(1)−(4)のようにPEG化されてある二重特異性結合分子を包含することは留意されるべきである:前記PEG化は(1)in vivoでの半減期を延長するか;(2)免疫原性を低下させるか;(3)PEG化についてそれ自体公知のさらに別の有利な特性を提供するか;(4)その標的に対する当該ペプチドの親和性に本質的に影響を与えない(当業界で報告された適切なアッセイで測定したとき、例えば50%を超えて、より好ましくは10%を超えて前記親和性を低下させない);及び/又は(4)本発明の二重特異性結合分子の他の所望の特性のいずれにも影響を与えない。適切なPEGグループ及びそれらを(特異的に又は非特異的に)結合させる方法は当業者には明白であろう。ポリペプチドのPEG化のための多様な試薬はまた、市場で例えばネクター・テラピューティクス(USA)又はNOF社(日本)から入手でき、例えばサンブライト(商標)(Sunbright)EAシリーズ、SHシリーズ、MAシリーズ、CAシリーズ及びMEシリーズ、例えばサンブライト(商標)ME-100MA、サンブライト(商標)ME-200MA及びサンブライト(商標)ME-400MAである。
本発明の特に好ましい実施態様にしたがえば、本発明のPEG化ポリペプチドは、40kDa又は60kDaの分子量を有する線状PEGである1つのPEG要素を含み、ここでPEG要素はリンカー領域で、具体的には配列番号:93に示すGS9-リンカーペプチドの5位のCys残基で、配列番号:95に示すGS27-リンカーペプチドの14位で、又は配列番号:96に示すGS35-リンカーペプチドの15位で、又は配列番号:97に示すGS35-リンカーペプチドの5位で当該ポリペプチドに結合される。
本発明の二重特異性結合分子は、上記に記載のPEG試薬の1つ、例えば以下の化学式に示す“サンブライト(商標)ME-400MA”を用いてPEG化できる:
【0056】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
【0057】
リンカー及び/又は半減期延長官能基を含む二重特異性結合分子は配列番号:81及び
図48に示されている。
別の実施態様にしたがえば、免疫グロブリン単一可変ドメインは本明細書に規定のドメイン抗体である。
本発明の二重特異性結合分子に存在する免疫グロブリン単一可変ドメインはまた、“ラクダ化” された天然に存在するVHドメインのアミノ酸配列と一致する配列を有しえる(ラクダ化は、通常の4鎖抗体の天然に存在する可変重鎖のアミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸残基を、重鎖抗体のVHHドメイン中の対応する位置に存在する1つ以上のアミノ酸残基によって置き換えることにより達成される)。前記はそれ自体公知の態様で実施され、当業者には明白であり、WO94/04678を参照できる。そのようなラクダ化は、VH-VL接触面及びいわゆるラクダ科動物認証残基に存在するアミノ酸位でもっぱら生じ得る(例えばまたWO94/04678を参照されたい)。そのような“ヒト化”及び“ラクダ化”技術の詳細な記述及びそれらと密接に結びつく好ましいフレームワーク領域配列は、さらに別にWO2006/040153のpp.46及びpp.98並びにWO2006/122786のpp.107から入手できる。
【0058】
結合要素は、それらが、それぞれAng2分子内又はVEGF分子内の1つ以上のエピトープと特異的に結合する1つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインを含むという点で、Ang2又はVEGFに対してそれぞれ特異性を有する。
結合要素とその抗原Ang2又はVEGFとの特異的な結合は、それ自体公知の任意の適切な態様で決定できる。前記態様には、例えば本明細書に記載のアッセイ、スキャチャード分析及び/又は競合結合アッセイ(例えば放射能免疫アッセイ(RIA)、酵素免疫アッセイ(EIA及びELISA)及びサンドイッチ競合アッセイ)並びに当業界でそれ自体公知の前記の変型が含まれる。
それぞれ抗原Ang2又はVEGFに関して、免疫グロブリン単一可変ドメインは種について制限を受けない。したがって、免疫グロブリン単一可変ドメインは、ヒトでの治療目的が意図されるならば、好ましくはヒトAng2又はヒトVEGFと結合する。しかしながら、別の哺乳動物種由来のAng2又はVEGFとそれぞれ結合する免疫グロブリン単一可変ドメイン又は前記を含むポリペプチドもまた本発明の範囲内にある。Ang2又はVEGFの1つの種の型と結合する免疫グロブリン単一可変ドメインは、1つ以上の他の種に由来する対応する抗原と交差反応することができる。例えば、ヒト抗原と結合する免疫グロブリン単一可変ドメインは、霊長類の1つ以上の他の種に由来する対応する抗原と、及び/又は疾患の動物モデル(例えばサル(特にカニクイザル又はアカゲザル)、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、イヌ)及び特にAng2の抑制によって調節され得る疾患及び異常の動物モデル(例えば本明細書に記載する種及び動物モデル)で用いられる1つ以上の動物種の対応する抗原と交差反応できる。そのような交差反応性を示す本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、評価を得ている疾患モデル(例えばサル(特にカニクイザル又はアカゲザル)又はマウス及びラット)で本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインを試験することを許容するので、研究及び/又は薬剤開発で有益である。
さらにまた結合要素は、それらが向けられている抗原の特異的ドメイン又は抗原決定基によって制限を受けず、又は範囲を限定されない。好ましくは、治療用Ang2/VEGFアンタゴニストの開発時に動物モデルとしての使用が意図される、ヒト以外の他の種に由来する1つ以上の抗原分子との交差反応性を考慮すると、結合要素は、ヒト抗原と高い同一性を有する対応抗原の領域内のエピトープを認識する。例示すれば、マウスモデルを利用することを考慮すれば、本発明の二重特異性結合分子に含まれる抗Ang2免疫グロブリン単一可変ドメインは、Ang2のFLDドメイン内に完全に又は部分的に存在するエピトープ(前記はヒトとマウスとの間で高い同一性を示す)を認識する。
好ましくは、VEGF結合要素は、VEGFアイソフォームVEGF165及び/又はVEGF121と結合する。
【0059】
別の特徴では、本発明は本発明の二重特異性結合分子をコードする核酸分子に関する。そのような核酸分子はまた、本明細書では“本発明の核酸”と称され、本明細書で規定する遺伝的構築物の形態を有し得る。本発明の核酸は、ゲノムDNA、cDNA又は合成DNA(例えば目的の宿主細胞又は宿主生物での発現に特に適応するコドン使用頻度を有するDNA)であり得る。本発明のある実施態様にしたがえば、本発明の核酸は上記に規定の本質的に単離された形態である。
本発明の核酸はまたベクター(例えばプラスミド、コスミド又はYAC)の形態であるか、前記に存在するか、及び/又は前記の部分であり得る。ベクターは本質的に発現ベクター(すなわち、二重特異性結合分子の発現をin vitro及び/又はin vivoで(すなわち適切な宿主細胞、宿主生物及び/又は発現系で)提供できるベクター)であり得る。そのような発現ベクターは一般的には少なくとも1つの本発明の核酸を含み、前記核酸は1つ以上の適切な調節エレメント(例えばプロモーター、エンハンサー、ターミネーターなど)に作動出来るように連結される。特定の宿主で特定の配列を発現させるという観点から、そのようなエレメント及びそれらの選択は当業者の一般的知識である。調節性エレメント及び本発明の二重特異性結合分子の発現に有用又は必要な他のエレメント(例えばプロモーター、エンハンサー、ターミネーター、組込み因子、選別マーカー、リーダー配列、レポーター遺伝子など)は、例えばWO2006/040153のpp.131から133に開示されている。
本発明の核酸は、本発明のポリペプチドについてのアミノ酸配列に関する情報を基にして、それ自体公知の態様で(例えば自動DNA合成及び/又は組換えDNA技術によって)調製又は入手でき、及び/又は適切な天然の供給源から単離することができる。
【0060】
別の特徴では、本発明は、本発明の1つ以上の二重特異性結合分子を発現するか、又は発現する能力を有する宿主細胞、及び/又は本発明の核酸を含む宿主細胞に関する。特に好ましい実施態様にしたがえば、前記宿主細胞は細菌細胞である。他の有用な細胞は酵母細胞、真菌細胞又は哺乳動物細胞である。
適切な細菌細胞には、グラム陰性細菌株(例えば大腸菌(Escherichia coli)、プロテウス(Proteus)及びシュードモナス(Pseudomonas)の株)及びグラム陽性細菌株(例えばバシルス(Bacillus)、ストレプトミセス(Streptomyces)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)及びラクトコッカス(Lactococcus)の株)が含まれる。適切な真菌細胞には、トリコデルマ(Trichoderma)、ニューロスポラ(Neurospora)及びアスペルギルス(Aspergillus)の種に由来する細胞が含まれる。適切な酵母細胞には、サッカロミセス(Saccharomyces)(例えばサッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae))、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)(例えばシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe))、ピキア(Pichia)(例えばピキア・パストリス(Pichia pastoris)及びピキア・メタノリカ(ichia methanolica))及びハンセヌラ(Hansenula)の種に由来する細胞が含まれる。
適切な哺乳動物細胞には、例えばCHO細胞、BHK細胞、HeLa細胞、COS細胞などが含まれる。しかしながら、異種タンパク質の発現に当業界で用いられる両性動物細胞、昆虫細胞、植物細胞及び他の任意の細胞も同様に用いることができる。
【0061】
本発明はさらに、本発明の二重特異性結合分子を製造する方法を提供する。そのような方法は一般的には以下の工程を含む:
−二重特異性結合分子をコードすることができる核酸を含む宿主細胞を、本発明の二重特異性結合分子の発現を可能にする条件下で培養する工程;及び
−前記宿主細胞によって発現されたポリペプチドを前記培養から回収又は単離する工程;及び
−本発明の二重特異性結合分子を場合によってさらに精製するか、及び/又は改変するか、及び/又は処方する工程。
工業的スケールでの生産について好ましい宿主生物には大腸菌、ピキア・パストリス及びS.セレビシアエが含まれ、前記は大規模な発現、生産及び発酵に、特に大規模な医薬の発現、生産及び発酵に適切である。
具体的な発現系の選択は、部分的にはある種の翻訳後改変(より具体的にはグリコシル化)の要求に左右される。グリコシル化が所望又は要求される本発明の二重特異性結合分子の製造には、発現タンパク質をグリコシル化する能力を有する哺乳動物の発現宿主を使用することが必要であろう。これに関して、得られるグリコシル化パターン(すなわち結合される残基の種類、数及び位置)は発現に使用される細胞又は細胞株に左右されることは当業者には明白であろう。
本発明の二重特異性結合分子は、上記に示した細胞の細胞内で(例えばサイトゾルで、ペリプラズムで、又は封入体で)生成され、続いて前記宿主細胞から単離され、場合によってさらに精製されるか、又はそれらは細胞外に(例えば宿主細胞が培養されている培養液に)産生され、続いて培養液から単離され、場合によってさらに精製される。
【0062】
ポリペプチドの組換え体の製造に用いられる方法及び試薬、例えば具体的な適切な発現ベクター、形質転換若しくはトランスフェクションの方法、選別マーカー、タンパク質発現の誘導方法、培養条件などは当業界で公知である。同様に、本発明のポリペプチドの製造方法で有用なタンパク質の単離及び精製技術は当業者には周知である。
さらに別の特徴では、本発明は、配列番号:9から57又は配列番号:58から127にそれぞれ示される配列から選択されるアミノ酸配列を有する抗VEGF-VHHに含まれるCD3のアミノ酸配列を有するペプチド及び前記をコードする核酸分子に関する。
これらのペプチドは本発明のVHH由来のCDR3に対応する。それら(特にそれらをコードする核酸分子)は、CDR移植を実施して免疫グロブリン鎖のCDR3を置換するために、又は非免疫グロブリン性足場(例えばプロテアーゼ阻害物質、DNA結合タンパク質、チトクロームb562、ヘリックス束タンパク質、ジスルフィド架橋ペプチド、リポカリン又はアンチカリン)に挿入してそのような足場に標的結合特性を付与するために有用である。CDR移植の方法は当業界で周知であり、例えば抗体をヒト化するために広く用いられている(前記は通常ヒト抗体のFvフレームワークへのげっ歯類抗体由来のCDRの移植を含む)。
【0063】
本発明のCDR3を含む免疫グロブリン又は非免疫グロブリン足場を得るために、そのような分子をコードするDNAを分子生物学の標準的な方法にしたがって、例えば遺伝子合成によって、オリゴヌクレオチドアニーリングによって、又はオーバーラップするPCRフラグメントの手段(例えばDaughertyら(Nucleic Acids Research, 1991, Vol. 19, 9, 2471-2476)が記載している)によって入手することができる。VHH CDR3を非免疫グロブリン足場に挿入する方法は、Nicaiseら(Protein Science, 2004, 13, 1882-1891)により記載された。
本発明はさらに、本発明の少なくとも1つの二重特異性結合分子を収納するか若しくは含む製品又は組成物に関し、場合によって前記はさらに、それ自体公知である(すなわち前記組成物の意図される使用に応じて)そのような組成物のさらに別の1つ以上の成分を含む。
医薬としての使用のために、本発明の二重特異性結合分子は、少なくとも1つの本発明の二重特異性結合分子及び少なくとも1つの医薬的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤及び/又はアジュバント、並びに場合によって1つ以上のさらに別の医薬的に活性なポリペプチド及び/又は化合物を含む医薬調製物又は組成物として処方することができる。非限定的に例示すれば、そのような処方物は経口投与に、非経口投与に(例えば静脈内、筋肉内若しくは皮下注射又は静脈内輸液による)、局所投与に、吸入、皮膚絆創膏、インプラント、座薬などによる投与に適した形態であり得る。そのような適切な投与形態(投与態様に応じてそれらは固体、半固体又は液体であり得る)、或いはその調製で使用される方法及び担体は当業者には明白であり、本明細書でさらに記述される。
【0064】
したがって、さらに別の特徴では、本発明は、少なくとも1つの二重特異性結合分子、特に本発明の1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン又は前記を含むポリペプチド及び少なくとも1つの適切な担体、希釈剤又は賦形剤(すなわち医薬としての使用に適切である)並びに場合によって1つ以上のさらに別の活性物質を含む医薬組成物に関する。
本発明の二重特異性結合分子はそれ自体公知の任意の適切な態様で処方及び投与することができる。特に免疫グロブリン単一可変ドメインについては例えば、WO2004/041862、WO2004/041863、WO2004/041865、WO2004/041867及びWO2008/020079或いは標準的な手引書(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., Mack Publishing Company, USA (1990), Remington;the Science and Practice of Pharmacy, 21th Edition, Lippincott Williams and Wilkins (2005);又はthe Handbook of Therapeutic Antibodies (S. Dubel, Ed.), Wiley, Weinheim, 2007(例えば252−255ページ参照))を参照できる。
例えば、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、通常の抗体及び抗体フラグメント(ScFv及びジアボディを含む)並びに他の医薬的に活性なタンパク質のためにそれ自体公知の任意の態様で処方及び投与され得る。そのような処方物及び前記を調製する方法は当業者には明白で、例えば、非経口投与(例えば静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、管腔内、動脈内又は脊髄内投与)又は局所(すなわち経皮又は皮内)投与に適した調製物を含む。
【0065】
非経口投与用調製物は、輸液又は注射に適した例えば無菌的な溶液、懸濁液、分散液又は乳液であり得る。そのような調製物に適した担体又は希釈剤には、例えば滅菌水並びに医薬的に許容できる水性緩衝剤及び溶液(例えば生理学的リン酸緩衝食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液及びハンクス溶液);水油;グリセロール;エタノール;グリコール、例えばプロピレングリコール或いは鉱物油、動物油及び植物油(例えばピーナツ油、ダイズ油又は前記の混合物)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。通常は水溶液又は懸濁液が好ましい。
したがって、本発明の二重特異性結合分子は、医薬的に許容できるビヒクル(例えば不活性希釈剤)又は消化吸収性食用担体と一緒にして全身的に、例えば経口的に投与できる。経口治療薬投与のためには、本発明の二重特異性結合分子は1つ以上の賦形剤と一緒にして、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェファースなどの形態で用いることができる。そのような組成物及び調製物は少なくとも0.1%の本発明の結合分子を含むべきである。組成物又は調製物中のそれらのパーセンテージはもちろん変動可能であり、便利にはあるユニット投薬形の重量の約2から約60%であり得る。そのような治療的に有用な組成物中の本発明の二重特異性結合分子の量は有効投薬レベルが得られる量である。
錠剤、ピル、カプセルなどはまた、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤及び甘味料又は香料、例えばWO08/020079の143−144ページに記載されたものを含むことができる。 ユニット投薬形がカプセルである場合、前記は上記タイプの物質に加えて液状担体(例えば植物油又はポリエチレングリコール)を含むことができる。他の多様な物質もコーティングとして、またはそうでなければ固体のユニット投薬形の物理的形態の改変のために存在し得る。例えば、錠剤、ピル又はカプセルはゼラチン、ワックス、シェラック又は砂糖などで被覆できる。シロップ又はエリキシルは、本発明の結合分子、甘味剤としてシュクロース又はフルクトース、保存料としてメチルパラベン及びプロピルパラベン、色素及び香料(例えばサクランボ又はオレンジ香料)を含むことができる。もちろん、任意のユニット投薬形の調製に用いられるいずれの材料も医薬的に許容でき、さらに用いられる量で実質的に非毒性であるべきである。さらにまた、本発明の二重特異性結合分子を徐放性調製物及び装置中に取り込むことができる。
【0066】
経口投与用調製物及び処方物はまた、本発明の構築物が胃の環境に耐え腸を通過することを可能にする腸溶皮とともに提供できる。より一般的には、経口用調製物及び処方物は胃腸管の所望される任意の部分へのデリバリーのために適切に処方できる。さらにまた、適切な座薬を胃腸管へのデリバリーのために用いることができる。
本発明の二重特異性結合分子はまた、WO2008/020079の144及び145ページにさらに記載されているように輸液又は注射により静脈内又は腹腔内に投与できる。
本発明の二重特異性結合分子の局所投与のためには、一般的には皮膚学的に許容できる担体と一緒にした組成物又は処方物として当該二重特異性結合分子を皮膚に投与することが所望され、それらはWO2008/020079の145ページにさらに記載されているように固体又は液体であり得る。
一般的には、液体組成物(例えばローション)中の本発明の二重特異性結合分子の濃度は約0.1−25 wt%、好ましくは約0.5−10 wt%であろう。半固体又は固体組成物(例えばゲル又は散剤)中の濃度は約0.1−5 wt%、好ましくは約0.5−2.5 wt%であろう。
治療での使用に要求される本発明の二重特異性結合分子の量は、選択される個々の二重特異性結合分子だけでなく、投与経路、治療される症状の性質並びに患者の年齢及び症状により変動し、最終的に主治医又は臨床医の裁量に委ねられるであろう。さらにまた、本発明の結合分子の投薬量は、標的の細胞、腫瘍、組織、移植片又は器官にしたがって変動する。
便利には、所望される用量は1回の用量で提供するか、または適切な間隔で投与される分割用量として、例えば1日につき2回、3回、4回又は5回以上のサブ用量として提供できる。サブ用量自体をさらに、例えば大雑把に間をあけて何回か別々の投与として、例えば散布器から多数回の吸引として、又は眼に複数回の点眼適用として分割してもよい。
投与処置スケジュールは長期の毎日の処置を含むことができる。“長期”とは、少なくとも2週間、好ましくは数週間、数カ月又は数年の期間を意味する。この投薬範囲における必要な改変は、本明細書の教示により単なる日常的な実験を用いるだけで当業者が決定できる。以下の成書を参照された:Remington’s Pharmaceutical Sciences (Martin, E.W., ed. 4), Mack Publishing Co., Easton, PA。投薬量はまた、何らかの合併症の発生時に個々の医師によって調整され得る。
【0067】
さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は、二重特異性結合分子、例えば免疫グロブリン単一可変ドメインの例えば以下の治療目的のための使用に関する:
−脈管形成におけるVEGF媒介及び/又はAng2媒介作用と密接に関係するか、又はNotchシグナリング経路及び/又はTie2シグナリング経路を本発明の二重特異性結合分子により調節することによって予防、治療又は緩和できる(特にヒトの)異常、疾患又は症状の予防、治療及び/又は緩和のため;
−そのような治療を必要とする患者の処置方法で(そのような方法は、その必要がある対象者に本発明の少なくとも1つの本発明の二重特異性結合分子(例えば免疫グロブリン単一可変ドメイン又は前記を含む医薬組成物)の医薬的に活性な量を投与する工程を含む);
−脈管形成におけるVEGF媒介及び/又はAng2媒介作用と密接に関係する異常、疾患又は症状の予防、治療又は緩和のための医薬の調製のため;
−上記の目的のために使用される医薬組成物又は医薬中の活性成分として。
具体的な特徴にしたがえば、前記異常、疾患又は症状は本明細書に規定の癌又は癌様疾患である。
別の特徴にしたがえば、前記疾患は脈管形成におけるVEGF媒介及び/又はAng2媒介作用と密接に関係するか、又は二重特異性結合分子を用いてNotchシグナリング経路を調節することによって治療又は緩和できる眼の疾患である。
【0068】
治療される癌様疾患に応じて、本発明の二重特異性結合分子はそれだけで又は1つ以上の別の治療薬剤と一緒に用いることができる。前記別の薬剤は、特にDNA損傷薬剤のような化学療法剤、又は血管形成、シグナルトランスダクション経路若しくは癌細胞の有糸分裂のチェックポイントを阻害する治療的に活性な化合物から選択される。
前記別の治療薬剤は、同時に(場合によって同じ医薬調製物の成分として)、又は結合分子の投与の前若しくは後で投与できる。
ある種の実施態様では、前記別の治療薬剤は、EGFR、VEGFR、HER2-neu、Her3、AuroraA、AuroraB、PLK及びPI3キナーゼ、FGFR、PDGFR、Raf、KSP、PDK1、PTK2、IGF-R又はIRの阻害剤グループから選択される1つ以上の阻害剤であり得るが、ただしこれらに限定されない(さらにレセプターの場合には対応するリガンドが含まれる)。
追加される治療薬剤のさらに別の例は、CDK、Akt、src/bcr abl、cKit、cMet/HGF、c-Myc、Flt3、HSP90の阻害剤、ヘッジホッグアンタゴニスト、JAK/STAT、Mek、mTor、NFkappaB、、プロテアソーム、Rhoの阻害剤、wntシグナリングの阻害剤、又はユビキチン化経路の阻害剤又はNotchシグナリング経路の別の阻害剤である。
Aurora阻害剤の例は、PHA-739358、AZD-1152、AT 9283、CYC-116、R-763、VX-680、VX-667、MLN-8045、PF-3814735であるが、ただしこれらに限定されない。
PLK阻害剤の例はGSK-461364である。
raf阻害剤の例は、BAY-73-4506(VEGFR阻害剤でもある)、PLX 4032、RAF-265(さらにまたVEGFR阻害剤である)、sorafenib(さらにまたVEGFR阻害剤である)及びXL 281である。
KSP阻害剤の例は、ispinesib、ARRY-520、AZD-4877、CK-1122697、GSK 246053A、GSK-923295、MK-0731及びSB-743921である。
src及び/又はbcr-abl阻害剤の例は、ダサチニブ(dasatinib)、AZD-0530、ボスチニブ(bosutinib)、XL 228(IGF-1R阻害剤でもある)、ニロチニブ(nilotinib)(PDGFR及びcKit阻害剤でもある)、イマチニブ(imatinib)(cKit阻害剤でもある)及びNS-187である。
【0069】
PDK1阻害剤の例はBX-517である。
Rho阻害剤の例はBA-210である。
PI3キナーゼ阻害剤の例は、PX-866、BEZ-235(mTor阻害剤でもある)、XL 418(Akt阻害剤でもある)、XL-147及びXL 765(mTor阻害剤でもある)である。
cMet又はHGFの阻害剤は、XL-184(VEGFR、cKit、Flt3の阻害剤でもある)、PF-2341066、MK-2461、XL-880(VEGFRの阻害剤でもある)、MGCD-265(VEGFR、Ron、Tie2の阻害剤でもある)、SU-11274、PHA-665752、AMG-102及びAV-299である。
c-Myc阻害剤の例はCX-3543である。
Flt3阻害剤の例は、AC-220(cKit及びPDGFRの阻害剤でもある)、KW 2449、レスタウアーチニブ(lestaurtinib)(VEGFR、PDGFR、PKCの阻害剤でもある)、TG-101348(JAK2の阻害剤でもある)、XL-999(cKit、FGFR、PDGFR及びVEGFRの阻害剤でもある)、スニチニブ(sunitinib)(PDGFR、VEGFRおよびcKitの阻害剤でもある)、タンズチニブ(tandutinib)(PDGFR及びcKitの阻害剤でもある)である。
HSP90阻害剤の例は、タネスピマイシン(tanespimycin)、アルベスピマイシン(alvespimycin)、IPI-504及びCNF 2024である。
JAK/STAT阻害剤の例は、CYT-997(チューブリンとも相互作用する)、TG 101348(Flt3の阻害剤でもある)及びXL-019である。
MEK阻害剤の例は、ARRY-142886、PD-325901、AZD-8330及びXL 518である。
mTor阻害剤の例は、テムシロリムス(temsirolimus)、AP-23573(VEGF阻害剤としても作用する)、エヴェロリムス(everolimus)(さらにまたVEGF阻害剤である)、XL-765(PI3キナーゼ阻害剤でもある)、及びBEZ-235(PI3キナーゼ阻害剤でもある)である。
Akt阻害剤の例は、ペリフォシン(perifosine)、GSK-690693、RX-0201及びトリシリビン(triciribine)である。
【0070】
cKit阻害剤の例は、AB-1010、OSI-930(VEGFR阻害剤としても作用する)、AC-220(Flt3及びPDGFR阻害剤でもある)、タンズチニブ(Flt3及びPDGFRの阻害剤でもある)、アクシチニブ(axitinib)(VEGFR及びPDGFRの阻害剤でもある)、XL-999(Flt3、PDGFR、VEGFR、FGFRの阻害剤でもある)、スニチニブ(Flt3、PDGFR、VEGFRの阻害剤でもある)、及びXL-820(VEGFR及びPDGFR阻害剤としても作用する)、イマチニブ(bcr-abl 阻害剤としても作用する)、ニロチニブ(bcr-abl及びPDGFRの阻害剤でもある)である。
ヘッジホッグアンタゴニストの例はIPI-609及びCUR-61414である。
CDK阻害剤の例は、セリシクリブ(seliciclib)、AT-7519、P-276、ZK-CDK(VEGFR2およびPDGFRも阻害する)、PD-332991、R-547、SNS-032、PHA-690509及びAG 024322である。
プロテアソームの阻害剤の例は、ボルテゾミブ(bortezomib)、カルフィロゾニブ(carfilzomib)及びNPI-0052(NFkappaBの阻害剤でもある)である。
NFkappaB経路の阻害剤はNPI-0052である。
ユビキチン化経路の阻害剤の例はHBX-41108である。
好ましい実施態様では、前記別の治療薬剤は抗脈管形成剤である。
抗脈管形成剤の例は、FGFR、PDGFR及びVEGFRの阻害剤又は対応するリガンド(例えばペガプタニブ(pegaptanib)のようなVEGF阻害剤又は抗VEGF抗体ベバシズマブ(bevacizumab))、及びサリドマイド(例えば以下から選択される(ただしこれらに限定されない):ベバシズマブ、モテサニブ(motesanib)、CDP-791、SU-14813、テラチニブ(telatinib)、KRN-951、ZK-CDK(CDK阻害剤でもある)、ABT-869、BMS-690514、RAF-265、IMC-KDR、IMC-18F1、IMiD(免疫調節薬)、サリドマイド誘導体CC-4047、レナリドミド(lenalidomide)、ENMD 0995、IMC-D11、Ki 23057、ブリヴァニブ(brivanib)、セジラニブ(cediranib)、XL-999(cKit及びFlt3の阻害剤でもある)、1B3、CP 868596、IMC 3G3、R-1530(Flt3の阻害剤でもある)、スニチニブ(cKit及びFlt3の阻害剤でもある)、アクシチニブ(cKitの阻害剤でもある)、レスタウアーチニブ(Flt3及びPKCの阻害剤でもある)、ヴァタラニブ(vatalanib)、タンズチニブ(Flt3及びcKitの阻害剤でもある)、パゾパニブ(pazopanib)、GW 786034、PF-337210、IMC-1121B、AVE-0005、AG-13736、E-7080、CHIR 258、ソラフェニブトシレート(sorafenib tosylate)(Raf阻害剤でもある)、RAF-265(Raf阻害剤でもある)、ヴァンデタニブ(vandetanib)、CP-547632、OSI-930、AEE-788(EGFRおよびHer2の阻害剤でもある)、BAY-57-9352(Rafの阻害剤でもある)、BAY-73-4506(Rafの阻害剤でもある)、XL 880(cMetの阻害剤でもある)、XL-647(EGFR及びEphB4の阻害剤でもある)、XL 820(cKitの阻害剤でもある)、及びニロチニブ(nilotinib)(cKit及びbrc-ablの阻害剤でもある))である。
【0071】
前記別の治療薬剤はまたEGFR阻害剤から選択できる。前記は小分子EGFR阻害剤であるか又は抗EGFR抗体である。抗EGFR抗体の例は、セツキシマブ(cetuximab)、パニツムマブ(panitumumab)、マツズマブ(matuzuma)であるが、ただしこれらに限定されない。小分子EGFR阻害剤の例はゲフィチニブ(gefitinib)である。EGFR調節物質の別の例はEGF融合毒素である。
本発明の二重特異性結合分子との組合せに有用なEGFR及びHer2阻害剤はとりわけ、ラパチニブ(lapatinib)、ゲフィチニブ、エルロチニブ(erlotinib)、セツキシマブ、トラスツズマブ(trastuzumab)、ニモツズマブ(nimotuzumab)、ザルツムマブ(zalutumumab)、ヴァンデタニブ(vandetanib)(VEGFRの阻害剤でもある)、ペルツズマブ(pertuzumab)、XL-647、HKI-272、BMS-599626 ARRY-334543、AV 412、mAB-806、BMS-690514、JNJ-26483327、AEE-788(VEGFRの阻害剤でもある)、ARRY-333786、IMC-11F8、Zemabである。
治療において本発明の二重特異性結合分子と有利に組み合わせることができる他の薬剤は、トリツムマブ(tositumumab)及びイブリツモマブチウキセタン(ibritumomab tiuxetan)(2つの放射能標識抗CD20抗体)、アレムツズマブ(alemtuzumab)(抗-CD52抗体)、デノスマブ(denosumab)(破骨細胞分化因子リガンド阻害剤)、ガリクシマブ(galiximab)(CD80アンタゴニスト)、オファツムマブ(ofatumumab)(CD20阻害剤)、ザノリムマブ(zanolimumab)(CD4アンタゴニスト)、SGN40(CD40リガンドレセプター調節物質)、リツキシマブ(rituximab)(CD20阻害物質)又はマパツムマブ(mapatumumab)(TRAIL-1レセプターアゴニスト)、REGN421(SAR153192)又はOMP-21M18(Dll4阻害剤)である。
【0072】
本発明の二重特異性結合分子と一緒に用いることができる他の化学療法剤は以下から選択される(ただしこれらに限定されない):ホルモン、ホルモンアナローグ及び抗ホルモン(例えば、タモキシフェン(tamoxifen)、トレミフェン(toremifene)、ラロキシフェン(raloxifene)、フルヴェストラント(fulvestrant)、メゲストロールアセテート(megestrol acetate)、フルタミド(flutamide)、ニルタミド(nilutamide)、ビカルタミド(bicalutamide)、クリプロテロンアセテート(cyproterone acetate)、フィナステロイド(finasteride)、ブセレリンアセテート(buserelin acetate)、フルドロコーチゾン(fludrocortisone)、フルオキシメステロン(fluoxymesterone)、メドロキシプロジェステロン(medroxyprogesterone)オクトレオチド(octreotide)、アルゾキシフェロン(arzoxifene)、パシレオチド(pasireotide)、ヴァプレオチド(vapreotide))、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール(anastrozole)、レトロゾール(letrozole)、リアロゾール(liarozole)、エキセメスタン(exemestane)、アタメスタン(atamestane)、フォルメスタン(formestane))、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば、ゴセレリンアセテート(goserelin acetate)、ロイプロリド(leuprolide)、アバレリクス(abarelix)、セトロレリクス(cetrorelix)、デスロレリン(deslorelin)、ヒストレリン(histrelin)、トリプトロレリン(triptorelin))、抗代謝薬(例えば、アンチフォレート、例えばメトトレキセート、ペメトレキシド(pemetrexed)、ピリミジンアナローグ、例えば5フルオロウラシル、カペシタビン(capecitabine)、デシタビン(decitabine)、ネララビン(nelarabine)およびゲムシタビン、プリン及びアデノシンアナローグ、例えばメルカプトプリンチオグアニン、クラブリジン(cladribine)及びペントシタチン(pentostatin)、シタラビン(cytarabine)、フルダラビン(fludarabine));抗腫瘍性抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシン、、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ストレプトゾシン);白金誘導体(例えばシスプラチン、オキザリプラチン、カルボプラチン、ロバプラチン、サトラプラチン);アルキル化剤(例えばエストラムスチン(estramustine)、メクロレタミン(meclorethamine)、メルファラン(melphalan)、クロラムブシル(chlorambucil)、ブスプラン(busulphan)、ダカルバジン、シクロホスファミド、イフォスファミド(ifosfamide)、ヒドロキシウレア、テモゾロミド(temozolomide)、ニトロソウレア、例えばカルムスチン及びロムスチン、チオテペア(thiotepa);抗有糸分裂剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンフラニン及びビンクリスチン;及びタキサン、例えばパクリタキセル、ドセタキセル及びそれらの処方物、ラロタキセル;シモタキセル、及びエポシオレン、例えばイクサベピロン(ixabepilone)、パツピロン(patupilone)、 ZK-EPO);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン(epipodophyllotoxin)、例えばエトポシド(etoposide)およびエトポフォス(etopophos)、テニポシド(teniposide)、アムサクリン(amsacrine)、トポテカン(topotecan)、イリノテカン)、及び雑多な化学療法剤(例えば、アミフォスチン(amifostine)、アナグレリド(anagrelide)、インターフェロンアルファ、プロカルバジン、ミトタン(mitotane)、およびポルフィマー(porfimer)、ベキサロテン(bexarotene)、セロコキシブ(celecoxib)。
本発明の二重特異性結合分子の特に好ましい組合せパートナーはVEGFアンタゴニスト、例えばベバシズマブ(Avastin(商標))、ヴァルガテフ(商標)(Vargatef(商標))、ソラフェニブ及びスニチニブである。
【0073】
本発明の二重特異性結合分子又は前記を含むポリペプチド及び組成物の有効性は、任意の適切なin vitroアッセイ、細胞系アッセイ、in vivoアッセイ及び/又はそれ自体公知の動物モデル又は前記の組合せを具体的な対象疾患又は異常に応じて用い試験することができる。適切なアッセイ及び動物モデルは当業者には明白で、前記には、例えば本明細書に記載し下記実施例でも利用するアッセイ、例えば分裂アッセイが含まれる。
本発明の実験で得られたデータによって、本発明の二重特異性結合分子は従来技術の結合分子の特性よりも優れた特性を有することが確認される。とりわけそのような優れた特性は、
図1及び表5のELISAデータから入手できるVEGF165−VEGFR2相互作用の完全な阻害及び低IC
50;或いは
図3、17、18及び表7に示されるアルファスクリーンアッセイにおけるVHHのIC
50値(nM);及び表9、10及び
図5に示す組換えヒトVEGF及びマウスVEGFに対する精製VHHの親和性K
D(nM)である。さらに表13に示すように本発明のVEGF結合物質は高い潜在能力(すなわちHUVEC分裂アッセイにおけるナノモルより低い範囲の有効性)を有する。このことは、本発明の二重特異性結合分子は、脈管形成におけるVEGF媒介作用と密接な関係を有する疾患及び異常(例えば癌)で治療有効性を有する有望な候補物質であることを示している。
【0074】
本発明の別の実施態様にしたがえば、以下の工程によって疾患を診断する方法が提供される:
a)上記に規定される本発明の結合分子とサンプルを接触させる工程;
b)前記結合分子と前記サンプルとの結合を検出する工程;及び
c)工程b)で検出された結合を標準物と比較し、前記サンプルと比較した結合の相違によって、脈管形成におけるVEGF媒介及び/又はAng2媒介作用と密接な関係を有する疾患又は異常を診断する工程。
前記使用及び他の使用のために、例えば特異的結合対(例えばビオチン-(ストレプト)アビジン結合対)の一部分である官能基を導入することによって本発明の二重特異性結合要素をさらに改変することは有用であり得る。そのような官能基を用いて、本発明の結合分子を、結合対の他方の半分と結合する別のタンパク質、ポリペプチド又は化合物に(すなわち結合対形成を介して)連結することができる。例えば、本発明の二重特異性結合分子をビオチンに連結し、さらにアビジン又はストレプトアビジンとつないだ別のタンパク質、ポリペプチド、化合物又は担体と結合させることができる。例えば、そのような連結を実施した本発明の二重特異性結合分子をレポーターとして例えば診断系で用いることができる(そのような診断系では検出可能なシグナル生成物質がアビジン又はストレプトアビジンに連結されている)。
【0075】
材料と方法
a)VEGF109の作製及び機能性試験
ヒト血管内皮増殖因子アイソフォームVEGF165(GenBank:AAM03108.1;アミノ酸残基27−135)のレセプター結合ドメインをコードするcDNAをpET28aベクター(Novagen, Madison, WI)にクローニングし、Hisタグ付加不溶性タンパク質として大腸菌(BL21 Star DE3)で過剰発現させる。発現は1mMのPTGの添加によって誘導し、4時間37℃で持続させる。細胞を遠心分離によって収集し、細胞ペレットの超音波処理により溶解させる。遠心分離により封入体を単離する。1%トリトンX100(Sigma-Aldrich)による洗浄工程の後、7.5Mの塩酸グアニジンを用いてタンパク質を可溶化し、さらに6Mから0Mまで尿素濃度を減少させる緩衝液を用いる一晩の連続透析によって再折畳みを引き起こす。この再折畳みタンパク質を、MonoQ5/50GL(Amersham BioSciences)カラムを用いるイオン交換クロマトグラフィーと前記に続くSuperdex75 10/300 GLカラム(Amersheim BioSciences)によるゲルろ過によって精製する。タンパク質の純度及び均質性は、SDS-PAGE及びウェスタンブロットによって確認する。さらにまた、VEGFR1、VEGFR2及びベバシズマブとの結合活性をELISAによってモニターする。前記の目的のために、1μg/mLの組換えヒトVEGF109を96ウェルのMaxiSorpプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)に4℃で一晩固定する。ウェルをカゼイン溶液(1%)でブロックする。VEGFR1、VEGFR2及びベバシズマブの連続希釈物を前記VEGF109被覆プレートに添加し、アルカリホスファターゼ(AP)結合ヤギ抗ヒトIgG(Fc特異的、Jackson Immuno Research Laboratories Inc., West Grove, PA, USA)及びその後の基質PNPP(p-ニトロフェニルホスフェート)(Sigma-Aldrich)の存在下での酵素反応を用いて結合を検出する。VEGF109はVEGFR1、VEGFR2及びベバシズマブと結合し、生成されたVEGF109は活性を有することが示される。
【0076】
b)VEGF165のKLH結合及びKLH結合VEGF165の機能性試験
mcKLH付きImject Immunogen EDCキット(Pierce, Rockford, IL, USA)を製造業者の指示にしたがって用い、組換えヒトVEGF165(R&D Systems, Minneapolis, MN, USA)を養殖キーホールリンペットのヘモシアニン(mcKLH)と結合させる。ペプチドとmcKLHとの効率的な結合はSDS-PAGEによって確認する。
前記結合タンパク質の機能性はELISAによりチェックする。すなわち、2μg/mLのKLH結合VEGF165を96ウェルのMaxiSorpプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)に4℃で一晩固定する。ウェルをカゼイン溶液(1%)でブロックする。VEGFR1又はVEGFR2の連続希釈物を添加し、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ヤギ抗ヒトIgG(Fc特異的、Jackson Immuno Research Laboratories Inc., West Grove, PA, USA)及びその後の基質TMB(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン)(Pierce, Rockford, IL, USA)の存在下での酵素反応を用いて結合を検出する。KLH結合タンパク質はなおVEGFR1、VEGFR2及びベバシズマブと相互作用し、VEGF165の対応するエピトープはなお接近可能であることが示される。
【実施例1】
【0077】
種々のVEGFフォーマットによる免疫はラマで液性免疫応答を誘導する
1.1 免疫
獣医学部(University Ghent, Belgium)倫理委員会の承認後、4頭のラマ(No.264、265、266、267と称する)を標準的プロトコルにしたがって組換えヒトVEGF109の6回筋肉内注射(1週間間隔で100又は50μg/用量)により免疫する。0日目の第1回の注射はフロイントの完全アジュバント(Difco, Detroit, MI, USA)で処方し、一方、その後の注射はフロイントの不完全アジュバント(Difco, Detroit, MI, USA)で処方される。
さらにまた、4頭のラマ(No.234、235、280及び281と称する)を以下のプロトコルにしたがって免疫する:KLH結合ヒトVEGH165による5回の筋肉内注射(2週間間隔で100又は50μg/用量)とその後のヒトVEGF109(最初の用量100μgとその2週間後に1週間間隔で3回の50μg/用量)の4回の筋肉内注射。
1.2 ラマのVEGF誘導免疫応答の評価
VEGF特異的血清力価をモニターするために、ELISAアッセイを設定する。前記アッセイでは、組換えヒトVEGF165又はVEGF109(2μg/mL)を4℃で一晩96ウェルのMaxiSorpプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)に固定する。ウェルをカゼイン溶液(1%)でブロックする。血清希釈物の添加後、全結合IgGを、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ヤギ抗ラマ免疫グロブリン(Bethyl Laboratories Inc., Montgomery, TX, USA)及びそれに続く基質TMB(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン)(Pierce, Rockford, IL, USA)の存在下での酵素反応を用いて検出する。ラマ264、265、266及び267のために、追加のELISAを実施する。このELISAでは、VEGF165及びVEGF109に対するアイソタイプ特異的応答が評価される。アイソタイプ特異的応答は、通常のラマIgG1並びに重鎖専一ラマIgG2及びIgG3を特異的に認識するマウスmAb(Daley et al. (2005). Clin. Diagn. Lab. Imm. 12:380-386)とその後のウサギ抗マウスHRP結合物(DAKO)を用いて検出される。ELISAは色原体基質としてTMBを用いて進行させ、吸収を450nmで測定する。各ラマの血清力価を表1に示す。
【0078】
表1:VEGF165及びVEGF109に対する抗体媒介特異的血清応答(ELISA、組換えタンパク質固相被覆)
【表1】
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n/d:決定せず
【実施例2】
【0079】
重鎖のみの抗Dll4抗体フラグメントレパートリーのクローニング及びファージの調製
最後の免疫原注射に続いて、重鎖抗体を産生するB細胞の供給源として免疫組織を免疫ラマから収集する。典型的には、2つの150mL血液サンプル(最後の抗原注射から4日後及び8日後に収集)、及び1つのリンパ節生検材料(最後の抗原注射から4日後に収集)を各動物につき収集する。前記血液サンプルから、Ficoll-Hypaque(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ, USA)を製造業者の指示に従って用いて末梢血単核球(PBMC)を調製する。PBMC及びリンパ節生検材料から全RNAを抽出し、前記をRT-PCRのための出発材料として用い、WO 05/044858に記載されているようにVHHコードDNAセグメントを増幅する。各免疫ラマについて、当該動物の全収集免疫組織から単離した全RNAをプールすることによってライブラリーを構築する。略記すれば、VHHライブラリーのファージディスプレーを促進するように設計したベクターで、PCR増幅VHHレパートリーを特定の制限部位を介してクローニングする。前記ベクターはpUC119に由来し、LacZプロモーター、M13ファージgIIIタンパク質コード配列、アンピシリン又はカルベニシリン耐性遺伝子、マルチクローニング部位及びハイブリッドgIII-pelBリーダー配列を含んでいる(pAX050)。VHHコード配列に関してインフレームで、前記ベクターはC末端c-mycタグ及びHis6タグをコードする。標準的プロトコルにしたがってファージを調製し、ろ過滅菌後4℃で更なる使用のために保存する。
【実施例3】
【0080】
VEGF特異的VHHのファージディスプレーによる選別
VHHファージライブラリーを、複数の選別条件を適用しながら種々の選別手段で用いる。可変事項には以下が含まれる:i)VEGFタンパク質フォーマット(rhVEGF165、rhVEGF109又はrhVEGF164)、ii)抗原提示方法(固相:直接被覆又はビオチンタグを介して被覆したニュートラビジン(Neutravidin)プレート;液相:溶液中でのインキュベーションに続いてニュートラビジン被覆プレート上での捕捉)、iii)抗原濃度、及びiv)溶出方法(トリプシン又はVEGFR2を用いる競合溶出)。全ての選別をMaxisorp 96-ウェルプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)で実施する。
選別は以下のように実施される:溶液中又は固相に固定した可変濃度のVEGF抗原とともにファージライブラリーをRTでインキュベートする。2時間インキュベートし十分に洗浄した後、結合ファージを溶出させる。ファージ溶出にトリプシンを用いる場合、0.8mMのプロテアーゼ阻害剤ABSFを適用してプロテアーゼ活性を直ちに中和する。バックグラウンドを超える濃縮を示すファージアウトプットを大腸菌感染に用いる。感染大腸菌は、次の選別ラウンド(ファージレスキュー)用ファージの調製に用いるか、又は個々のVHHクローンの解析のために寒天プレート(LB+amp+グルコース
2%)にプレートする。選別アウトプットを特異的結合物についてスクリーニングするために、単一コロニーを寒天プレートから採取し、1mLの96-深底ウェルプレートで増殖させる。IPTG(最終濃度0.1−1mM)を添加することによって、LacZ制御VHH発現を誘導する。標準的方法にしたがってペリプラズム抽出物(約80μLの体積)を調製する。
【実施例4】
【0081】
VEGF結合及びVEGFレセプター遮断VHHの同定
ペリプラズム抽出物をヒトVEGF165との結合についてELISAによって試験する。略記すれば、2μg/mLの組換えヒトVEGFを96ウェルMaxisorpプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)に一晩4℃で固定する。ウェルをカゼイン溶液(1%)でブロックする。典型的には10倍希釈のペリプラズム抽出物を添加した後、マウス抗myc(Roche)及び抗マウスHRP結合物(DAKO)を用いてVHH結合を検出する。
バックグラウンドより3倍を超えるELISAシグナルを示すクローンをVEGF結合VHHとみなす。
さらにまた、ペリプラズム抽出物をヒトVEGF165/ヒトVEGFR2アルファスクリーンアッセイ(Amplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay)でスクリーニングして、VHHの遮断能力を判定する。スルホ-NHS-LC-ビオチン(Pierce, Rockford, IL, USA)を用いて、ヒトVEGF165をビオチン化する。ヒトVEGFR2/Fcキメラ(R&D Systems, Minneapolis, MN, USA)は抗ヒトFc VHHを用いて捕捉する(前記VHHは製造業者(Perkin Elmer, Waltham, MA, US)の指示にしたがってアクセプタービーズに結合させる)。VHHの中和能力を評価するために、0.03%のTween20(Sigma-Aldrich)を含むPBS緩衝液でペリプラズム抽出物を1/25に稀釈し、0.4nMのビオチン化ヒトVEGF165とともに室温(RT)でプレインキュベートする。この混合物にアクセプタービーズ(10μg/mL)及び0.4nMのVEGFR2-huFcを添加し、暗所にてさらに1時間RTでインキュベートする。続いて、ドナービーズ(10μg/mL)を添加し、その後インキュベーションを暗所にて1時間RTで実施する。エンビジョンマルチラベルプレートリーダー(Envision Multi label Plate reader; Perkin Elmer, Waltham, MA, USA)で680nmの励起波長及び520nmから620nmの間の発光波長を用いてプレートを読み取ることによって蛍光を測定する。無関係のVHHを含むペリプラズム抽出物を陰性コントロールとして用いる。陰性コントロールのシグナルに対して60%を超えて蛍光シグナルを低下させることができる抗VEGF165VHHを含むペリプラズム抽出物をヒットとして同定する。アルファスクリーンで同定された全てのヒットは競合ELISAで確認される。この目的のために、1μg/mLのヒトVEGFR2キメラ(R&D Systems, Minneapolis, MN, USA)で96ウェルMaxiSorpプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)を被覆する。PBS緩衝液(0.1%カゼイン及び0.05%Tween20(Sigma-Aldrich)を含む)中の固定濃度(4nM)のビオチン化ヒトVEGF165の存在下で、5倍希釈のペリプラズム抽出物をインキュベートする。これらVHH/bio-VEGF165複合物とヒトVEGFR2キメラ被覆プレートとの結合は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合エキストラビジン(Sigma, St Louis, MO, USA)を用いて検出する。VEGF結合(非レセプター遮断)VHH及び阻害性(レセプター遮断)VHHのVHH配列番号及び対応するアミノ酸配列は表2及び表3にそれぞれ列挙される。
【0082】
【表2】
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【0083】
【表3】
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【0084】
阻害性VHHの解離速度をバイアコア(Biacore T100 instrument, GE Healthcare)で分析する。HBS-EP+緩衝液を泳動緩衝液として用い、実験を25℃で実施する。組換えヒトVEGF165を、+/-1500RUの目標レベルまで不可逆的にCM5センサーチップにアミンカップリング(EDC及びNHSを利用)を介して捕捉する。固定後、表面を1Mエタノールアミン(pH8.5)の10分注入により脱活性化させる。参照表面をそれぞれEDC/NHS及びエタノールアミンを用いて活性化及び脱活性化させる。泳動緩衝液で10倍希釈したVHHペリプラズム抽出物を45μL/分で2分間注入し、さらに10から15分間解離させる。異なるサンプル毎に、表面を再生緩衝液で再生する。参照チャネルの曲線及びブランクの泳動緩衝液注入の曲線を差し引くことによってデータを二重に照会する。前記処理曲線は、バイアコアT100評価ソフトv2.0.1の二相衰退モデルを適合させることによって評価する。Kdファースト、Kdスロー及び%スローの値は表4に列挙する。
【0085】
表4:バイアコアによる抗VEGFレセプター遮断VHHのオフレート決定
【表4】
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n/d:決定せず
【実施例5】
【0086】
精製抗VEGF VHHの性状決定
さらなる性状決定のために精製タンパク質として以下の3つの阻害性抗VEGF VHHを選択する:VEGFBII23B04、VEGFBII24C4及びVEGFBII23A6。これらのVHHをc-myc, His6タグ付加タンパク質として大腸菌TG1で発現させる。発現は1mMのIPTGの添加によって誘導し、37℃で4時間持続させる。細胞培養の遠心分離後、ペリプラズム抽出物をペレットの凍結融解によって調製する。これらの抽出物をIMAC及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によるVHH精製の出発材料として用いる。最終的VHH調製物はSDS-PAGEにより判定したとき95%の純度を示す。
5.1 ヒトVEGF165/ヒトVEGFR2-Fc遮断ELISAでのヒトVEGF165/VEGFR2遮断VHHの評価
VHHの遮断能力をヒトVEGF165/ヒトVEGFR2-Fc遮断ELISAで評価する。略記すれば、1μg/mLのVEGFR2-Fcキメラ(R&D Systems, Minneapolis, MN, USA)で96ウェルMaxiSorpプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)を被覆する。PBS緩衝液(0.1%カゼイン及び0.05%Tween20(Sigma-Aldrich)を含む)中の精製VHHの連続希釈物(1mM−64pMの濃度範囲)を4nMのビオチン化VEGF165の存在下でインキュベートする。VEGF165とVEGFR2との残留結合は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合エキストラビジン(Sigma, St Louis, MO, USA)及び基質としてTMBを用いて検出する。コントロールとしてベバシズマブ(Avastin(商標))及びラニビズマブ(Lucentis(商標))を併せて用いる。用量阻害曲線は
図1に示されている。対応するIC
50値及び%阻害は表5に要約されている。
【0087】
表5:hVEGF165/hVEGFR2-Fc競合ELISAでの一価VHHのIC
50値(nM)及び%阻害
【表5】
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5.2 ヒトVEGF165/ヒトVEGFR1-Fc遮断ELISAでのヒトVEGF165/VEGFR2遮断VHHの評価
VHHはまたヒトVEGF165/ヒトVEGFR1-Fc遮断ELISAで評価される。略記すれば、2μg/mLのVEGFR1-Fcキメラ(R&D Systems, Minneapolis, MN, USA)で96ウェルMaxiSorpプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)を被覆する。PBS緩衝液(0.1%カゼイン及び0.05%Tween20(Sigma-Aldrich)を含む)中の精製VHHの連続希釈物(1mM−64pMの濃度範囲)を0.5nMのビオチン化VEGF165の存在下でインキュベートする。bio-VEGF165とVEGFR1との残留結合は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合エキストラビジン(Sigma, St Louis, MO, USA)及び基質としてTMBを用いて検出する。コントロールとしてベバシズマブ、ラニビズマブ及び無関係のVHH(2E6)を併せて用いる。用量阻害曲線は
図2に示されている。対応するIC
50値及び%阻害は表6に要約されている。
【0088】
表6:hVEGF165/hVEGFR1-Fc競合ELISAでの一価VHHのIC
50値(nM)及び%阻害
【表6】
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5.3 ヒトVEGF165/ヒトVEGFR2-Fc遮断アルファスクリーンでの抗VEGF165 VHHの評価
VHHの遮断能力はまたヒトVEGF165/ヒトVEGFR2-Fc遮断アルファスクリーンで評価される。略記すればPBS緩衝液(0.03%Tween20(Sigma-Aldrich)を含む)中の精製VHHの連続希釈物(200nM−0.7pMの濃度範囲)を4pMのbio-VEGF165に添加し15分間インキュベートする。続いてVEGFR2-Fc(0.4nM)及び抗Fc VHH被覆アクセプタービーズ(20μg/mL)を添加し、この混合物を暗所で1時間インキュベートする。最後にストレプトアビジンドナービーズ(20μg/mL)を添加し、暗所で1時間インキュベートした後、蛍光をエンビジョンマイクロプレートリーダーで測定する。用量応答曲線は
図3に示す。ヒトVEGF165とヒトVEGFR2-Fcとの相互作用を遮断するVHHのIC
50値は表7に要約する。
【0089】
表7:hVEGF165/hVEGFR2-Fc競合アルファスクリーンでのVHHのIC
50値(pM)及び%阻害
【表7】
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5.4 ヒトVEGF165/ヒトVEGFR1-Fc遮断アルファスクリーンでの抗VEGF165 VHHの評価
VHHの遮断能力はまたヒトVEGF165/ヒトVEGFR1-Fc遮断アルファスクリーンで評価される。略記すればPBS緩衝液(0.03%Tween20(Sigma-Aldrich)を含む)中の精製VHHの連続希釈物(500nM−1.8pMの濃度範囲)を0.4nMのbio-VEGF165に添加し15分間インキュベートする。続いてVEGFR1-Fc(1nM)及び抗Fc VHH被覆アクセプタービーズ(20μg/mL)を添加し、この混合物を暗所で1時間インキュベートする。最後にストレプトアビジンドナービーズ(20μg/mL)を添加し、暗所で1時間インキュベートした後、蛍光をエンビジョンマイクロプレートリーダーで測定する。用量応答曲線は
図4に示す。ヒトVEGF165とヒトVEGFR1-Fcとの相互作用を遮断するVHHのIC
50値及び%阻害は表8に要約する。
【0090】
表8:hVEGF165/hVEGFR1-Fc競合アルファスクリーンでのVHHのIC
50値(nM)
【表8】
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5.5 ヒトVEGF165−VHH相互作用の親和性の決定
VHH VEGFBII23B04とhVEGF165との結合動態をBiacore T100装置でSPRによって分析する。組換えヒトVEGF165を直接CM5チップにアミンカップリングを介して固定する(EDC及びNHSを利用する)。VHHを10から360nMの間の種々の濃度で分析する。サンプルを2分間注入し、さらに流速45μL/分で20分間解離させる。サンプル注入の合間にチップの表面を100mMのHClで再生する。HBS-EP+(Hepes緩衝液(pH7.4)+EDTA)を泳動緩衝液として用いる。結合曲線は、Biacore T100評価ソフトv2.0.1により二状態反応モデル(Two State Reaction model)を用いて適合させる。抗VEGF VHHの算出親和性は表8に列挙する。
【0091】
表9:組換えヒトVEGF165に対する精製VHHの親和性K
D(nM)
【表9】
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(a)1:1適合を示さない不均質結合、曲線は、Biacore T100評価ソフトv2.0.1により二状態反応モデルを用いて適合させる。
5.6 マウスVEGF164との結合
マウスVEGF164との交差反応性を結合ELISAで決定する。略記すれば、組換えマウスVEGF164(R&D Systems, Minneapolis, MS, USA)を1μg/mLで、96ウェルのMaxiSorpプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)に4℃で一晩被覆する。ウェルをカゼイン溶液(PBSに1%)でブロックする。VHHをPBS緩衝液(0.1%カゼイン及び0.05%Tween20(Sigma-Aldrich)を含む)中の連続希釈物(500nM−32pMの濃度範囲)として適用し、マウス抗myc(Roche)及び抗マウスHRP結合物(DAKO)を用いた後で、基質TMB(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン)(Pierce, Rockford, IL, USA)の存在下での酵素反応により結合を検出する(
図5)。マウスVEGF164反応性mAbを陽性コントロールとして加える。参照として、ヒトVEGF165との結合もまた測定する。EC
50値を表10に要約する。
【0092】
表10:組換えヒトVEGF165及びマウスVEGF164結合ELISAにおけるVHHのEC
50値(pM)
【表10】
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NB:結合無し
5.7 VEGF121との結合
組換えヒトVEGF121との結合を固相結合ELISAにより判定する。略記すれば、組換えヒトVEGF121(R&D Systems, Minneapolis, MS, USA)を1μg/mLで、96ウェルのMaxiSorpプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)に4℃で一晩被覆する。ウェルをカゼイン溶液(PBSに1%)でブロックする。VHHをPBS緩衝液(0.1%カゼイン及び0.05%Tween20(Sigma-Aldrich)を含む)中の連続希釈物(500nM−32pMの濃度範囲)として適用し、マウス抗myc(Roche)及び抗マウスHRP結合物(DAKO)を用いた後で、基質TMB(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン)(Pierce, Rockford, IL, USA)の存在下での酵素反応により結合を検出する(
図6)。陽性コントロールとしてVEGFR2の連続希釈を併せて用いる。EC
50値を表11に要約する。
【0093】
表11:組換えヒトVEGF121結合ELISAにおける一価VHHのEC
50値(pM)
【表11】
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5.8 VEGFファミリーメンバーVEGFB、VEGFC、VEGFD及びPlGFとの結合
VEGFB、VEGFC、VEGFD及びPlGFとの結合を固相結合ELISAにより判定する。略記すれば、VEGFB、VEGFC、VEGFD及びPlGF(R&D Systems, Minneapolis, MS, USA)を1μg/mLで、96ウェルのMaxiSorpプレート(Nunc, Wiesbaden, Germany)に4℃で一晩被覆する。ウェルをカゼイン溶液(PBSに1%)でブロックする。VHHを連続希釈物(500nM−32pMの濃度範囲)として適用し、結合はマウス抗myc(Roche)及び抗マウスAP結合物(Sigma, St Louis, MO, USA)を用いて検出する(
図6)。陽性コントロールとして適切なレセプターの連続希釈を併せて用い、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ヤギ抗ヒトIgG、Fc特異的抗体(Jackson Immuno Research Laboratories Inc., West Grove, PA, USA)及びその後の基質TMB(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン)(Pierce, Rockford, IL, USA)の存在下での酵素反応により検出が実施される。VHH及びコントロールの用量応答曲線は
図7に示す。これらの結果は、選択したVEGFB、VEGFC、VEGFD又はPlGFでは検出可能な結合は存在しないことを示している。
5.9 エピトープビンニング
どのVEGF結合物質がVEGFBII23B04と類似する又はオーバーラップするエピトープと結合するかを明らかにするために、バイアコアによるエピトープビンニング実験を実施する。この目的のために、VEGFBII23B04をCM5センサーチップに固定する。各サンプルについて、ヒトVEGF165をチップ表面に流し、VEGFBII23B4によって可逆的に捕捉させる。続いて、精製VHH(100nM)又はペリプラズム抽出物(1/10稀釈物)を表面接触時間240秒、流速10μL/分で注入する。異なるサンプル毎に、表面を再生緩衝液(100mMのHCl)で再生する。処理曲線はBiacore T100評価ソフトにより評価する。VHHは以下の2つのグループに分割される:VEGFBII23B04捕捉VEGF165と更なる結合を生じるグループ1及びVEGFBII23B04捕捉VEGF165と同時結合できない第二のグループ。表12-Aは被検VHHの結合エピトープの要旨である。
同じアッセイ設定を用いてVEGFR1、VEGFR2、ラニビズマブ及びベバシズマブがVEGFBII23B04と同時にVEGF165に結合できるか否かを判定する。表12-Bは、VEGFBII23B04捕捉VEGF165との更なる結合応答を示す。VEGFR2のみがVEGFBII23B04捕捉VEGF165とは結合できず、VEGF−VEGFR2相互作用に対するVEGFBII23B04の遮断能力を強調している。さらにまた、これらのデータは、VEGFBII23B04エピトープは、ベバシズマブ及びラニビズマブのエピトープとは異なることを示している。
【0094】
【表12-A】
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【0095】
表12-B:VEGFBII23B04のエピトープビンニング−VEGFBII23B04捕捉VEGF165における標準阻害物質又は同族レセプターの結合
【表12-B】
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5.10 HYVEC分裂アッセイによる抗VEGF VHHの性状決定
選択したVHHの潜在能力を増殖アッセイで評価する。略記すれば、初代HUVEC細胞(Technoclone)を一晩補充性分飢餓させ、続いて4000細胞/ウェルで4組ずつ96ウェルの組織培養プレートに播種する。VHHの存在下又は非存在下でVEGF(33ng/mL)により細胞を刺激する。4日目に [
3H]チミジンの取り込みによって増殖速度を測定する。HUVEC分裂アッセイの結果を表に示す。
表13:VEGF HUVEC分裂アッセイにおける一価VEGFBII23B04、VEGFBII23A06及びVEGFBII24C04のIC
50値(nM)及び%阻害
【表13】
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5.11 HUVEC Erkリン酸化アッセイによる抗VEGF VHHの性状決定
選択したVHHの潜在能力をHUVEC Erkリン酸化アッセイで評価する。略記すれば、初代HUVEC細胞(Technoclone)を一晩血清飢餓させ、続いてVHHの存在下又は非存在下でVEGF(10ng/mL)により5分間を刺激する。細胞をPBS中の4%ホルムアルデヒドで固定し、ホスホ-ERK特異的抗体(抗ホスホMAPキナーゼpERK1&2, M8159, Sigma)及びポリクローナルウサギ抗マウス免疫グロブリン-HRP結合物(PO161, DAKO)を用い、ERKリン酸化レベルをELISAにより測定する。表14に示すように、VEGFBII23B04及びベバシズマブは、VEGF誘導Erkリン酸化を1nM未満のIC
50で少なくとも90%阻害する。
表14:VEGF HUVEC Erkリン酸化アッセイにおける一価VEGFBII23B04のIC
50値(nM)及び%阻害
【表14】
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【実施例6】
【0096】
多価抗VEGF遮断VHHの作製
VHH VEGFBII23B04を以下のどちらかと遺伝子レベルで融合させる:VEGFBII23B04(ホモダイマーVHHを生じる(アミノ酸配列は表15を参照されたい))又は異なるVEGF結合VHH(ヘテロダイマーVHHを生じる)。ヘテロダイマーVHHを作製するために、10の固有のVEGF結合VHH一式を、異なる2つの向きで9又は40Gly-Ser可撓性リンカーを介してVEGFBII23B04に連結する(アミノ酸配列は表15を参照されたい)。ホモダイマーVEGFBII23B04(VEGFBII010)及び40のヘテロダイマーの二価VHHを大腸菌TG1でc-myc, Hisタグ付加タンパク質として発現させる。発現は1mMのIPTGの添加により誘導しさらに37℃で4時間持続させる。細胞培養の遠心分離後、ペリプラズム抽出物をペレットの凍結融解によって調製する。これらの抽出物を出発材料として用い、VHHをIMAC及び脱塩により精製し、SDS-PAGEで判定したとき90%の純度が得られる。
【0097】
【表15】
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【0098】
実施例5.3及び5.4に記載するように、二価VHH40種をVEGFR2及びVEGFR1遮断アルファスクリーンアッセイで試験する。潜在能力及び最大阻害レベルを基準にして、上位5つの二価VHH(VEGFBII021、VEGFBII022、VEGFBI023、VEGFBI024及びVEGFBII025)を更なる性状決定のために選択する。前記5つの二価VHHについての競合VEGFR2及びVEGFR1アルファスクリーンにおけるスクリーニング結果の概要は表16に示す。
表16:VEGF/VEGFR1及びVEGF/VEGFR2競合アルファスクリーンアッセイにおける上位5つの二価VHHの潜在能力及び有効性
【表16】
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【実施例7】
【0099】
フォーマット化抗VEGF VHHの性状決定
VHH VEGFBII010、VEGFBII021、VEGFBII022、VEGFBII023、VEGFBII024及び VEGFBII025を1つずつ順に、それぞれ実施例5.1、5.2、5.3及び5.4に記載するようにVEGFR2及びVEGFR1遮断ELISA(それぞれ
図8及び9、表17及び18)並びにアルファスクリーンアッセイ(
図10及び11、表19及び20)で比較する。
表17:hVEGF165/hVEGFR2-Fc競合ELISAにおけるフォーマット化VHHのIC
50値(pM)及び%阻害
【表17】
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【0100】
表18:VEGF165/hVEGFR1-Fc競合ELISAにおけるフォーマット化VHHのIC
50値(pM)及び%阻害
【表18】
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【0101】
表19:hVEGF165/hVEGFR2-Fc競合アルファスクリーンにおけるフォーマット化VHHのIC
50値(pM)及び%阻害
【表19】
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【0102】
表20:VEGF165/hVEGFR1-Fc競合アルファスクリーンにおけるフォーマット化VHHのIC
50値(pM)及び%阻害
【表20】
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さらにフォーマット化VHHはまた、それらのmVEGF164/mVEGFR2-huFc相互作用遮断能力について試験される。略記すればPBS緩衝液(0.03%Tween20(Sigma-Aldrich)を含む)中の精製VHHの連続希釈物(4μM−14.5pMの濃度範囲)を0.1nMのビオチン化mVEGF164に添加し15分間インキュベートする。続いてマウスVEGFR2-huFc(0.1nM)及び抗huFc VHH被覆アクセプタービーズ(20μg/mL)を添加し、この混合物を1時間インキュベートする。最後にストレプトアビジンドナービーズ(20μg/mL)を添加し、1時間インキュベートした後、蛍光をエンビジョンマイクロプレートリーダーで測定する。用量応答曲線は
図12に示す。マウスVEGF164/VEGFR2-hFc相互作用を遮断するVHHのIC
50値は表21に要約する。
【0103】
表21:mVEGF164/mVEGFR2-hFc競合アルファスクリーンにおけるフォーマット化VHHのIC
50値(pM)及び%阻害
【表21】
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フォーマット化VHHはまた、mVEGF164及びヒトVEGF165(実施例5.6;
図13;表22);VEGF121(実施例5.7;
図15;表23)並びにVEGFファミリーメンバーVEGFB、VEGFC、VEGFD及びPlGF(実施例5.8;
図14)と結合するそれらの能力についてELISAで試験される。ヒトVEGF165に対する結合動態は実施例5.5に記載したように分析する。K
D値は表24に列挙する。
【0104】
表22:組換えヒトVEGF165及びマウスVEGF164結合ELISAにおけるフォーマット化VHHのEC
50値(pM)
【表22】
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【0105】
表23:組換えヒトVEGF121結合ELISAにおけるフォーマット化VHHのEC
50値(pM)
【表23】
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【0106】
表24:組換えヒトVEGF165に対する精製フォーマット化VHHの親和性K
D(nM)
【表24】
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(a) K
D= k
d1/k
a1*(k
d2/(k
d2+k
a2))
(b)二状態反応モデルを用い曲線をバイアコアT100評価ソフトv2.0.1によって適合させる。
VHH VEGFBII010、VEGFBII022、VEGFBII024及びVEGFBII025もまたVEGF媒介HUVEC分裂及びErkリン酸化アッセイで試験する。
選択したフォーマット化VHHの潜在能力を分裂アッセイで評価する。略記すれば、初代HUVEC細胞(Technoclone)を一晩補充性分飢餓させ、続いて4000細胞/ウェルで4組ずつ96ウェルの組織培養プレートに播種する。VHHの存在下又は非存在下でVEGF(33ng/mL)により細胞を刺激する。4日目に [
3H]チミジンの取り込みによって分裂速度を測定する。表25に示した結果は、フォーマット化VHH及びベバシズマブは1nM未満のIC
50でVGEF誘導HUVEC分裂を90%以上阻害することを表している。
【0107】
表25:VEGF HUVEC分裂アッセイにおけるフォーマット化VHHのIC
50値(nM)
【表25】
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選択したフォーマット化VHHの潜在能力をHUVEC Erkリン酸化アッセイで評価する。略記すれば、初代HUVEC細胞を一晩血清飢餓させ、続いてVHHの存在下又は非存在下でVEGF(10ng/mL)により5分間を刺激する。細胞をPBS中の4%ホルムアルデヒドで固定し、ホスホ-ERK特異的抗体(抗ホスホMAPキナーゼpERK1&2, M8159, Sigma)及びポリクローナルウサギ抗マウス免疫グロブリン-HRP結合物(PO161, DAKO)を用い、ERKリン酸化レベルをELISAにより測定する。表26に示すように、フォーマット化VHH及びベバシズマブは、VEGF誘導Erkリン酸化を1nM未満のIC
50で90%以上阻害する。
【0108】
表26: VEGF HUVEC Erkリン酸化アッセイにおけるフォーマット化VHHのIC
50値(nM)及び%阻害
【表26】
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【実施例8】
【0109】
配列最適化
8.1 VEGFBII23B04の配列最適化
VEGFBII23B04のアミノ酸配列とヒト生殖細胞系列の配列VH3-23/JH5(配列番号:179)とのアラインメントを実施する(
図16参照)。
前記アラインメントは、VEGFBII23B04が参照生殖細胞系列の配列と比較して19のフレームワーク変異を含むことを示している。14、16、23、24、41、71、82、83及び108位の非ヒト残基をそれらのヒト生殖細胞系列の対応残基による置換のために選択する。これらの位置のヒト残基の種々の組合せを有する8つのVEGFBII23B04変種セットを作製する(アミノ酸配列は表27に列挙する)。D59S60の位置の潜在的異性化部位(CDR2領域(太字の斜字体残基として表示)、
図16参照)がS60A変異の導入によって除去されるまた別の1つの変種を構築する。
【0110】
【表27】
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【0111】
精製タンパク質としてこれらの変種の性状をVEGF165/VEGFR2アルファスクリーン(実施例5.3、
図17)で決定する。各クローンの融解温度(T
m)を温度シフトアッセイで決定する。前記アッセイは、シプロオレンジ(Sypro Orange(Invitrogen))の取り込み時の蛍光シグナルの増加を基準にする(Ericsson et al, Anal. Biochem. 357 (2006), pp289-298)。全ての変種が、VEGFBII23B04と比較したとき類似するIC
50及び親VEGFBII23B04と比較して類似するか又は高いT
m値を示した。表28は、被検9クローンのIC
50及びT
m値(pH7)の要旨である。
【0112】
表28:VEGFBII23B04の配列最適化変種のIC
50値(pM)、%阻害及び融解温度(pH7)
【表28】
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第二のサイクルでは、ヒト化の試みの中で許容された変異(VEGFBII111G06)及び選択部位の潜在的な翻訳後改変を回避する変異(D16G、S60A置換及びE1D)を組み合わせて、VEGFBII23B04由来配列最適化クローン、VEGFBII0037が得られる。I82M変異(前記変異は潜在能力のわずかな低下と密接に関係し得る)を除いて、VEGFBII0037と同じ置換を含む特別な配列最適化変種(VEGFBII038)が予想される。両配列最適化クローンの配列は表29に列挙する。VEGFBII0037及びVEGFBII0038について、VEGF165/VEGFR2遮断アルファスクリーン(実施例5.3、
図18)で性状を決定し、融解温度は上記の温度シフトアッセイで決定し、VEGF165に対する結合親和性は決定する(実施例5.5)。前記2つの配列最適化VHHの性状の大要は表30に提示する。
【0113】
【表29】
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【0114】
表30:配列最適化クローンVEGFBII037及びVEGFBII038のIC
50値(pM)、%阻害、融解温度(pH7)及び親和性(pM)
【表30】
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8.2 VEGFBII5B05の配列最適化
VEGFBII5B05のアミノ酸配列とヒト生殖細胞系列の配列VH3-23/JH5(配列番号:179)とのアラインメントを実施する(
図19参照)。前記アラインメントは、VEGFBII5B05が参照生殖細胞系列の配列と比較して15のフレームワーク変異を含むことを示している。23、60、83、105、108位の非ヒト残基をそれらのヒト生殖細胞系列の対応残基による置換のために選択し、一方、44位のヒスチジンをグルタミンによる置換のために選択する。記載の6つの変異を有する1つのヒト化変種を構築する(アミノ酸配列は表31に示す)。
【0115】
【表31】
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【0116】
M30位の潜在的酸化部位(CDR1領域(太字の斜字体残基として表示)、
図19参照)がM30I変異の導入により除去されている、また別の1つの変種を構築する。両変種をhVEGF165と結合する能力についてProteOnを用いて試験する。略記すれば、GLC ProteOnセンサーチップをヒトVEGF165で被覆する。変種のペリプラズム抽出物を1/10に稀釈し、ヒトVEGF165で被覆したチップに注入する。オフレートを算出し、親VEGFBII5B05のオフレートと比較する。2変種のオフレートは、親VEGFBII5B05のオフレートと同じ範囲にあり、全ての変異が許容されたことを示している(表32)。
【0117】
表32:配列最適化変種VEGFBII5B05のオフレート
【表32】
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第二のサイクルでは、ヒト化の試みで行った変異及びM30I置換を組み合わせてVEGFBII5B05の配列最適化クローン(VEGFBII032と称する)が得られる。この配列は表33に示されている。VEGFBII032の親和性はバイアコアによって決定し(実施例5.5参照)、融解温度は上記の温度シフトアッセイで決定する。配列最適化VHH VEGFBII032の性状の大要は表34に提示する。
【0118】
【表33】
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【0119】
表34:配列最適化クローンの融解温度(pH7)及び親和性(nM)
【表34】
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配列最適化クローンVEGFBII037及びVEGFBII038の能力を分裂アッセイで評価する。略記すれば、初代HUVEC細胞(Technoclone)を一晩補充性分飢餓させ、続いて4000細胞/ウェルで4組ずつ96ウェルの組織培養プレートに播種する。VHHの存在下又は非存在下でVEGF(33ng/mL)により細胞を刺激する。4日目に [
3H]チミジンの取り込みによって分裂速度を測定する。表35に示す結果は、親VHH VEGFBII23B04の活性(阻害の潜在能力及び程度)は配列最適化クローンVEGFBII038で保存されていることを示している。
【0120】
表35:VEGF HUVEC分裂アッセイにおける配列最適化クローンVEGFBII037及びVEGFBII038のIC
50値(nM)及び%阻害
【表35】
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【実施例9】
【0121】
Ang2を標的とする二価VHHの構築、製造及び性状決定
VHHs 1D01(配列番号:214)、11B07、00908及び00027(配列番号:216)を遺伝子レベルで1D01(配列番号:214)、11B07、00908及び00027(配列番号:216)とそれぞれ融合させてホモダイマーVHHを得る。この二価VHHを9-GlySer又は40-GlySer可撓性リンカーを介して連結させる。フォーマット化VHHのコード配列を発現ベクターpAX172でクローニングする。VHHをc-末端myc-His6タグ付加タンパク質としてピキア・パストリスで発現させる。略記すれば、30℃で週末にインキュベートした単一コロニーストリークからBGCM培養(250rpm)を開始する。培養液をBMCMに切り替えた後、培養を夕方まで30℃でインキュベートし(250rpm)、続いて100%メタノールで誘導する。次ぎの日、培養を4℃で30分間遠心分離する(1.500xg)。上清に存在するHis6-タグ付加VHHを、固定金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)とその後の脱塩(DS)及び最終的ゲルろ過(GF)により精製する。全ての二価VHH(配列番号:180−185)のフォーマット及び配列を
図20及び表36-Aに示す(リンカー配列には下線)。発現レベルは表36-Bに示す。
一価構築物ブロックと比較した抗Ang2遮断特性を調べるために、Ang2/hTie2(
図21-1)、マウスAng2/mTie2(
図21-2)、cynoAng2/cTie2(
図21-3)及びヒトAng1/hTie2(
図22)競合ELISAで二価VHHを分析する。IC
50値の大要は表37に示される。
【0122】
【表36-A】
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【0123】
【表36-B】
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【0124】
【表37】
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【実施例10】
【0125】
半減期の延長として抗血清アルブミンを用いるVEGF及びAng2標的三価二重特異性VHHの構築、製造及び性状決定
抗-VEGF VHH VEGFBII00038(US 2011/0172398 A1)及び抗-Ang2 VHH 00027(配列番号:216)を構築ブロックとして用い、二重特異性VHH VEGFANGBII00001−00004 を作製する。半減期延長方法論として血清アルブミン結合VHHとの遺伝子融合を利用する。三重Ala又は9Gly-Ser可撓性リンカーにより構築ブロックを連結する。実施例9に試合したようにVHHを製造する。4つ全ての二重特異性VHH(配列番号:186−189)のフォーマット及び配列の概要を
図23及び表37-Aに示す(下線はリンカー配列)。発現レベルは表38-Bに示す。
【0126】
【表38-A】
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【表38-B】
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【0127】
一価構築物ブロックVEGFBII00038と比較した抗VEGF遮断特性を調べるために、4つ全ての二重特異性VHHをVEGF/VEGFR2-Fc競合アルファスクリーン(
図22)で分析する。このアッセイには、特許US 2011/0172398 A1に記載の実施例12.3と比較してわずかな調整が加えられている。ヒトVEGF165及びヒトVEGFR2-Fcの両方が0.05nMで添加される。この競合アッセイはまた、VHHと25μMのヒト血清アルブミンとのプレインキュベーションの後で実施される。IC
50値及び%阻害の大要は表39に示される。
【0128】
【表39】
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【0129】
一価構築物ブロック0027(配列番号:216)と比較した抗Ang2遮断特性を調べるために、4つ全ての二重特異性VHHをヒトAng2/Tie2-Fc競合ELISA(
図25)で分析する。このアッセイはまた、VHHと0.5μMのヒト血清アルブミンとのインキュベーションの後で実施される。IC
50値の大要は表40に示される。
【0130】
【表40】
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【実施例11】
【0131】
半減期の延長として抗血清アルブミン結合を用いるVEGF及びAng2標的三価及び四価の二重特異性VHHの構築、製造及び性状決定
VEGF及びAng2を標的とする10の二重特異性VHHを構築する(VEGFANGBII00005−00015)。これらの構築物には、一価及び二価の1D01(配列番号:214)、一価及び二価の7G08(配列番号:215)、並びに二価の00027(配列番号:216)抗Ang2構築ブロックが含まれる。血清アルブミン結合VHHとの遺伝子融合を半減期延長方法論として利用する。構築ブロックを9Gly-Ser可撓性リンカーにより連結する。実施例8の記載にしたがってVHHを製造及び精製する。10全ての二重特異性VHH(配列番号:190−199)のフォーマット及び配列の概要を
図26及び表41-Aに示す(下線はリンカー配列)。発現レベルは表41-Bに示す。
【0132】
【表41-A】
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【0133】
【表41-B】
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【0134】
一価構築物ブロックVEGFBII00038と比較した抗VEGF遮断特性を調べるために、10全ての二重特異性VHHをVEGF/VEGFR2-Fc(実施例10、
図27-1)及びVEGF/VEGFR1(
図27-2)競合アルファスクリーンで分析する。VEGFR1アッセイには、特許US 2011/0172398 A1に記載の実施例12.4と比較してわずかな調整が加えられている。ヒトVEGF165及びヒトVEGFR1-Fcは0.05nMで添加される。これらの競合アッセイはまた、VHHと25μMのヒト血清アルブミンとのプレインキュベーションの後で実施される。IC
50値及び%阻害の大要は表39に示される。IC
50値の大要は表42に示される。
【0135】
【表42】
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【0136】
抗Ang2遮断特性を、それらの対応する一価構築物ブロック7G08(配列番号:215)、1D01(配列番号:214)及び00027(配列番号:216)と比較して調べるために、10全ての二重特異性VHHをヒトAng2/hTie2-Fc競合ELISA(実施例5.1、
図28-1参照)、マウスAng2/mTie2-Fc競合ELISA(実施例5.2、
図28-2参照)及びcynoAng2/cTie2-Fc競合ELISA(実施例5.2、
図28-3参照)で分析する。ヒトアッセイはまた、VHHと0.5μMのヒト血清アルブミンとのインキュベーションの後で実施される。さらにまた、hAng2媒介HUVEC生存アッセイも実施する(実施例5.5、
図29参照)。IC
50値及び%阻害の大要は表43に示される。
【0137】
【表43】
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【0138】
ヒト血清アルブミンに対する親和性を決定し、表44に示す。略記すれば、ヒト血清アルブミン(Sigma, St Louis, MO, USA)をCM5チップにアミンカップリングを介して固定する。マルチサイクル動態アプローチを用いる。すなわち、VHHの濃度を増加させながら(2−8−31−125−500 nM)注入し、2分間結合させ、さらに流速100μL/分で10分間解離させる。VHHの注入の合間に10mMのグリシン-HCl(pH1.5)の10秒パルス及び60秒の安定化時間で表面を再生させる。結合/解離データは、1:1相互作用モデル(Langmuir結合)又は不均質リガンドモデルに適合させることによって評価する。親和性定数K
Dは得られた結合及び解離速度定数k
a及びk
dから算出する(表44)。
【0139】
【表44】
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【実施例12】
【0140】
半減期の延長として抗血清アルブミン結合を用いるVEGF及びAng2標的配列最適化及び親和性成熟二重特異性VHHの構築、製造及び性状決定
VEGF及びAng2を標的とする14の二重特異性VHHを構築する(VEGFANGBII00015−00028)。これらの構築物には、二価の00921(配列最適化1D01変種)(配列番号:220)、一価VHH 00908−00932−00933−00934−00935−00936−00937−00938(配列最適化/親和性成熟28D10変種)(配列番号:222)、二価00956(配列番号:223)(配列最適化28D10変種)及び一価00928(配列番号:221)(配列最適化37F02変種)抗Ang2構築ブロックが含まれる。血清アルブミン結合VHHとの遺伝子融合を半減期延長方法論として利用する。構築ブロックを9Gly-Ser可撓性リンカーにより連結する。14全ての二重特異性VHH(配列番号:200−213)のフォーマット及び配列の概要を
図30及び表45-Aに示す(下線はリンカー配列)。発現レベルは表45-Bに示す。
【0141】
【表45-A】
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【0142】
【表45-B】
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【0143】
一価構築物ブロックVEGFBII00038と比較した抗VEGF遮断特性を調べるために、二重特異性VHHをVEGF/VEGFR2-Fc(実施例10、
図31-1)及びVEGF/VEGFR1(実施例11、
図31-2)競合アルファスクリーンで分析する。これらの競合アッセイはまた、VHHと25μMのヒト血清アルブミンとのプレインキュベーションの後で実施される。IC
50値の大要は表46-Aに示される。IC
50値の大要は表46-Aに示される。
【0144】
【表46-A】
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【0145】
ヒトVEGF165における二重特異性VHHの結合動態をBiacore T100装置でSPRによって分析する(特許US 2011/0172398 A1に記載の実施例12.5を参照されたい)。一価ナノボディVEGFBII00038を参照として併せて用いる(表46-B)。
【0146】
表46-B:hVEGF165バイアコアアッセイにおける動態パラメーターの概要
【表46-B】
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ヒトアイソフォームVEGF121と結合するVHHの能力を結合ELISAで決定する。VHHの連続希釈物と1μg/mLで直接被覆したVEGF121(R&D)との結合を、ビオチン化抗VHH 1A4続いてエキストラビジン-HRPを用いて検出する(参照としてヒトVEGF165を用いる)。1A4は抗VHH VHHである(Ablynx NVにより当研究所で作製)。ベンチマークのアバスチンは陽性コントロールとして機能し、HRP結合抗ヒトFc抗体を用いて検出される。無関係のVHHは陰性コントロールとして機能する。VEGF165及びVEGF121に関する典型的な結合応答曲線を
図46に示す。対応するEC
50値の概要を表46-Cに示す。
【0147】
表46-C:hVEGF165及びhVEGF121結合ELISAにおけるEC
50値の概要
【表46-C】
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【0148】
ラット及びマウスVEGF165との結合を結合ELISAで判定する。1μg/mLで直接被覆したネズミ及びラットVEGF164(R&D)とVHHの結合を、ビオチン化抗VHH 1A4続いてエキストラビジン-HRPを用いて検出する。陽性コントロールとしてマウス/ラット交差反応性モノクローナル抗体B20-4.1(Genentech)を用い、HRP結合抗ヒトFc抗体で検出する。無関係のVHHを陰性コントロールとして供する。結果を
図33に示す。3つの二重特異性VHHはいずれもマウス及びラットVEGFと交差反応を示さない。
ヒトVEGF-B、VEGF-C、VEGF-D及びPlGFとの結合を結合ELISAで判定する。1μg/mLで直接被覆したVEGF-B(R&D)、VEGF-C(R&D)、VEGF-D(R&D)及びPlGF(R&D)とVHHの結合を、ビオチン化抗VHH 1A4続いてエキストラビジン-HRPを用いて検出する。陽性コントロールとして、適切なレセプター(hVEGF-B及びhPlGFに対してhVEGFR1-Fc、hVEGF-Cに対してhVEGFR2-Fc、hVEGF-D に対して抗hVEGF-D mAb(R&D)の連続希釈を併せて用いる。無関係のVHHを陰性コントロールとして供する。結果を
図34に示す。3つの二重特異性VHHはいずれもVEGFファミリーメンバーと結合しない。
抗Ang2遮断特性を、それらの対応する一価構築物ブロック00921(配列番号:220)及び00938(配列番号:222)と比較して調べるために、3つ全ての二重特異性VHHをヒトAng2/hTie2-Fc競合ELISA(実施例5.1、
図35-1参照)、マウスAng2/mTie2-Fc競合ELISA(実施例5.2、
図35-2参照)及びcynoAng2/cTie2-Fc競合ELISA(実施例5.2、
図35-3参照)で分析する。ヒトアッセイはまた、VHHと0.5μMのヒト血清アルブミンとのインキュベーションの後で実施される。さらにまた、二重特異性VHHをhAng1/hTie2競合ELISA(実施例5.3、
図36参照)及びAng2媒介HUVEC生存アッセイ(実施例5.5、
図37参照)で試験する。IC
50値及び%阻害の大要は表47-Aに示す。
【0149】
【表47-A】
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【0150】
ヒト、マウス、cyno及びラットAng2に対するVEGFANGBII00022、25、28の親和性(実施例5.4参照)を決定し、表47-Bに示す。
【0151】
表47-B:組換えヒト、cyno、マウス及びラットAng2に対する精製VHHの親和性K
D
【表47-B】
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ヒト、マウス及びcyno血清アルブミンに対するVEGFANGBII00022、25、28の親和性(実施例11)を決定し、表48に示す。得られた結合及び解離速度定数k
a及びk
dから親和性定数K
Dを計算する。
【0152】
表48:組換えヒト、マウス及びcyno血清アルブミンに対する精製VHHの親和性;
【表48】
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* 70%以上の相互作用を示す
【0153】
【表49】
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