特許第6023825号(P6023825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6023825
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20161027BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20161027BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   H01L29/80 H
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-4733(P2015-4733)
(22)【出願日】2015年1月14日
(65)【公開番号】特開2016-131205(P2016-131205A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2015年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兼近 将一
(72)【発明者】
【氏名】上田 博之
(72)【発明者】
【氏名】富田 英幹
【審査官】 恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−111204(JP,A)
【文献】 特開2014−045174(JP,A)
【文献】 特開2008−219054(JP,A)
【文献】 特開昭64−077965(JP,A)
【文献】 特開2008−034438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 29/778
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GaNで形成されている電子走行層とInx1Aly1Ga1−x1−y1N(0≦x1≦1,0≦y1≦1,0≦1−x1−y1<1)で形成されている電子供給層のヘテロ接合構造を備えており、
前記電子供給層の表面上の相互に離れた位置に、ソース電極とドレイン電極が形成されており、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間に位置する前記電子供給層の表面上に、Inx2Aly2Ga1−x2−y2N(0≦x2≦1,0≦y2≦1,0≦1−x2−y2≦1)のp型層が形成されており、
前記p型層の表面上に、ゲート電極が形成されており、
前記ソース電極と前記p型層の間に露出する前記電子供給層の表面および/または前記ドレイン電極と前記p型層の間に露出する前記電子供給層の表面が、正電荷が固定されている絶縁層で被覆されており、
前記絶縁層中にGaが分散して存在していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記ドレイン電極と前記p型層の間に露出する前記電子供給層の表面を被覆する前記絶縁層の前記ドレイン電極側には正電荷が固定され、前記絶縁層の前記p型層側には正電荷が固定されていないことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、窒化物半導体層のヘテロ接合界面に生じる2次元電子ガスを利用する半導体装置であって、ノーマリオフの特性に調整されている半導体装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
GaN層にInx1Aly1Ga1−x1−y1N(0≦x1≦1,0≦y1≦1,0≦1−x1−y1<1)層を積層すると、GaN層のうちのヘテロ接合界面に沿った領域に2次元電子ガスが生じる。本明細書では、その2次元電子ガスが生じるGaN層を電子走行層といい、2次元電子ガスを作り出すInx1Aly1Ga1−x1−y1N層を電子供給層という。電子供給層は、Inを含んでいてもよいし含んでいなくてもよい。同様にAlを含んでいてもよいし含んでいなくてもよい。ただし、InとAlの少なくとも一方を含んでいる必要があり、GaNでは成立しない。電子供給層の表面上の相互に離れた位置にソース電極とドレンイン電極を形成すると、2次元電子ガスによってソース・ドレイン間抵抗が低下した半導体装置を実現することができる。
【0003】
半導体装置の用途によって、ノーマリオフの特性に調整したいことがある。そのためにソース電極とドレイン電極に間に露出する電子供給層の表面上の一部に、p型層を形成する技術が開発されている。p型層を形成すると、p型層と電子供給層の界面から電子走行層に向けて空乏層が広がり、p型層に対向する範囲のヘテロ接合界面が空乏化し、2次元電子ガスが消失する。2次元電子ガスがソース・ドレイン間を導通させない状態となり、ソース・ドレイン間が高抵抗となる。この技術では、p型層の表面上にゲート電極を形成する。ゲート電極に正電圧を印加すると、p型層から伸びる空乏層が消失し、2次元電子ガスが復活し、2次元電子ガスがソース・ドレイン間を導通させる状態となり、ソース・ドレイン間が低抵抗となる。ノーマリオフの特性に調整できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Injun Hwang et al. ISPSD (2012) p41
【非特許文献2】Y. Uemoto et al. IEEE Trans. On Electron Devices Vol. 54 (2007) p3393
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術でノーマリオフの特性に調整した半導体装置は、オン抵抗が高いという課題を残している。
本明細書では、上記技術でノーマリオフの特性に調整した半導体装置のオン抵抗を低下させる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する半導体装置は、GaNで形成されている電子走行層と、Inx1Aly1Ga1−x1−y1N(0≦x1≦1,0≦y1≦1,0≦1−x1−y1<1)で形成されている電子供給層のヘテロ接合構造を備えている。電子供給層を形成する窒化物半導体層は、少なくともInとAlの一方を含み、GaNではない。InとAlの一方または双方とGaを含む窒化物半導体にはGaNより大きなバンドギャップを持つものがあり、それを電子供給層とすると、電子走行層と電子供給層のヘテロ接合界面に2次元電子ガスが生じる。本明細書で開示する半導体装置では、電子供給層の表面上の相互に離れた位置に、ソース電極とドレイン電極が形成されている。ソース電極とドレイン電極の間に位置する電子供給層の表面上に、Inx2Aly2Ga1−x2−y2N(0≦x2≦1,0≦y2≦1,0≦1−x2−y2≦1)のp型層が形成されている。p型層は、電子供給層の表面上に形成できるものであればよく、In,Al,Gaのうちの少なくとも1種を含む窒化物半導体であればよい。そのp型層の表面上に、ゲート電極が形成されている。ソース電極とp型層の間と、ドレイン電極とp型層の間には、電子供給層の表面が露出しており、その露出表面は絶縁層で被覆されている。本明細書で開示する半導体装置では、正電荷が固定されている絶縁層を用いる。本技術は、ソース電極とp型層の間に適用してもよいし、ドレイン電極とp型層の間に適用してもよいし、双方に適用してもよい。双方に適用することが好ましいが、一方に適用するだけでもオン抵抗を低下させることができる。またソース電極とp型層の間の全域に適用してもよいし、一部領域に適用してもよい。同様にドレイン電極とp型層の間の全域に適用してもよいし、一部領域に適用してもよい。
【0007】
例えば、ソース電極とp型層の間を被覆する絶縁層が正に帯電していると、その絶縁層に対向する範囲のヘテロ接合界面に電子が誘起され、2次元電子ガス濃度が増大してオン抵抗が低下する。ドレイン電極とp型層の間を被覆する絶縁層が正に帯電していると、その絶縁層に対向する範囲のヘテロ接合界面に電子が誘起され、2次元電子ガス濃度が増大してオン抵抗が低下する。ソース電極とp型層の間と、ドレイン電極とp型層の間の双方に適用すれば、両者の効果がともに得られ、オン抵抗が一層低下する。
【0008】
上記技術は、電子供給層の表面上の広い範囲にp型広域層を形成し、そのp型広域層の一部をエッチングしてp型層の形成範囲を規定する技術に適用する場合に効果的である。p型広域層の一部をエッチングすると、そのエッチング範囲では電子供給層の表面が露出する。そのために、電子供給層の表面にエッチングダメージが加えられる。ソース・ドレイン間抵抗を決定するものはヘテロ接合界面に生じる2次元電子ガスであり、電子供給層の表面は影響しないように思われる。しかしながら実際には、電子供給層の表面にエッチングダメージが加えられると、電子供給層が帯電してヘテロ接合界面に生じる2次元電子ガスの濃度を減少させてしまうことが判明した。本技術によると、エッチングダメージによる2次元電子ガス濃度の減少効果を、正に帯電した絶縁層による2次元電子ガス濃度の上昇効果によって補償することができ、オン抵抗を低下させることが可能となる。
【0009】
上記したように、本技術は、ソース電極とp型層の間と、ドレイン電極とp型層の間の双方に適用する場合のみならず、一方に適用するだけでも有用性を発揮する。同様に、ドレイン電極とp型層の間に露出する電子供給層の全域に適用する場合のみならず、一部の領域に適用する場合にも有用性を発揮する。一部の領域に適用する場合は、ドレイン電極側には正電荷が固定され、p型層側には正電荷が固定されていない絶縁層を用いることが好ましい。
この場合、耐圧を維持しながら、オン抵抗を低下させることができる。
【0010】
同様に、ソース電極とp型層の間に露出する電子供給層の一部領域に適用してもよい。一部領域に適用する場合は、ソース電極側には正電荷が固定され、p型層側には正電荷が固定されていない絶縁層を用いることが好ましい。
この場合は、耐圧を維持しながら、オン抵抗を低下させることができる。
【0011】
正電荷が固定されている絶縁層の製造方法には様々な技術が利用できる。例えば、電子供給層がGaを含んでいる場合、その表面に高温処理してSiO層を形成すると、電子供給層に含まれていたGaの一部がSiO層に取り込まれて固定される。SiO層中に正に帯電しているGaイオンが分散して存在している絶縁層を得ることができる。
【0012】
本技術によると、p型層によってノーマリオフ化するとオン抵抗が上昇してしまうという課題が解決され、オン抵抗が低いノーマリオフの半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施例の半導体装置の断面図。
図2】第2実施例の半導体装置の断面図。
図3】第3実施例の半導体装置の断面図。
図4】第4実施例の半導体装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本明細書で開示する技術の特徴を整理する。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
(特徴1) 電子走行層はGaNで形成されており、電子走行層はAlGaNで形成されている。
(特徴2) 絶縁層はSiO層で形成されている。SiO層は電子走行層を形成するAlGaNのGaがSiO層中に移動する温度領域で形成する。
(特徴3) ソース電極とp型層間の距離<ドレイン電極とp型層間の距離であり、ソース電極とp型層の間の絶縁層は全域で正に帯電しており、ドレイン電極とp型層の間の絶縁層は、ドレイン電極側では正に帯電し、p型層側では正に帯電していない。
(特徴4)電子走行層にGaNを用い、電子供給層にInとAlの少なくとも一方とGaを含む窒化物半導体であってGaNより大きなバンドギャップを持つ窒化物半導体を用いる。すなわち、電子走行層にInx1Aly1Ga1−x1−y1N(0≦x1<1,0≦y1<1,0<1−x1−y1<1)を用いる。
(特徴5)電子走行層にGaNを用い、電子供給層にAlとGaを含む窒化物半導体であってGaNより大きなバンドギャップを持つ窒化物半導体を用いる。すなわち、電子走行層にInx1Aly1Ga1−x1−y1N(0≦x1<1,0<y1<1,0<1−x1−y1<1)を用いる。
【実施例】
【0015】
図1は、第1実施例の半導体装置(ノーマリオフ型の電界効果トランジスタ)の断面図であり、基板2上にバッファ層4が結晶成長し、バッファ層4上にi型のGaN層6が結晶成長し、i型のGaN層6上にi型のAly1Ga1−y1N層8(0<y1<1)が結晶成長している。本実施例では、y1=0.18であり、その膜圧は20nmである。Alを含まないGaN層6上にAlを含むAlGaN層8が結晶成長しているヘテロ接合界面では、前者のバンドギャップよりも後者のバンドギャップが広いことから、GaN層6のヘテロ接合界面に面した領域に2次元電子ガスが生成される。本実施例では、2次元電子ガスが生じるGaN層6を電子走行層といい、2次元電子ガスを生成するAlGaN層8を電子供給層という。電子供給層8の表面上にソース電極10とドレイン電極20が形成されている。ソース電極10とドレイン電極20は、相互に離れた位置に形成されている。ソース電極10とヘテロ接合界面の間に介在する範囲の電子供給層8と、ドレイン電極20とヘテロ接合界面の間に介在する範囲の電子供給層8は、例えば電極10,20を形成する金属が拡散するなどして低抵抗となっている。
【0016】
電子供給層8の表面であってソース電極10とドレイン電極20の間に位置する範囲にp型のAly2Ga1−y2N層16(0<y2<1、以下ではp型層16という)が形成されており、その表面にゲート電極14が形成されている。ゲート電極14は金属で形成されている。
【0017】
電子供給層8の表面にp型層16が形成されていると、ゲート電極14に電圧を印加しない間は、p型層16と電子供給層8の界面から電子供給層8を経て電子走行層6に向けて空乏層が広がり、p型層16に対向する範囲のヘテロ接合面が空乏化し、2次元電子ガスが消失する。2次元電子ガスによってソース電極10とドレイン電極20の間を導通させることができず、ソース・ドレイン間が高抵抗となる。ゲート電極14に正電圧を印加すると、p型層16から伸びる空乏層が消失し、2次元電子ガスが復活し、2次元電子ガスによってソース電極10とドレイン電極20の間が導通し、ソース・ドレイン間が低抵抗となる。電子走行層6がi型であることから、電子の移動度が高く、ソース電極10とドレイン電極20の間が低抵抗となる。図1の半導体装置は、ノーマリオフの特性に調整されている電界効果トランジスタである。
【0018】
図1において、参照番号12はソース電極10とp型層16間に露出する電子供給層8の表面を被覆している絶縁層であり、参照番号18はドレイン電極20とp型層16間に露出する電子供給層8の表面を被覆している絶縁層である。絶縁層12,18には正電荷が固定されている。すなわち正に帯電している。
絶縁層12,18が正に帯電しているために、絶縁層12,18に対向する範囲のヘテロ接合界面に電子が吸引され、絶縁層12,18に対向する範囲のヘテロ接合界面に生じている2次元電子ガスの濃度が高い。そのために、ヘテロ接合界面のソース電極10とp型層16間の抵抗が低く、ヘテロ接合界面のドレイン電極20とp型層16間の抵抗が低い。ゲート電極に正電圧を印加したときのソース電極10とドレイン電極20間の抵抗(オン抵抗)が低い。
【0019】
p型層16は下記の方法で製造される。最初に、電子供給層8の表面上の広い範囲にp型広域層を形成する。次に、図1のp型層16とソース電極10の間、ならびに、図1のp型層16とドレイン電極20の間ではp型広域層をエッチングして除去する。その結果図1に示すp型層16が形成される。
図1に示すp型層16とソース電極10の間、ならびに、図1に示すp型層16とドレイン電極20の間でp型広域層をエッチングすると、図1に示すp型層16とソース電極10の間、ならびに、図1に示すp型層16とドレイン電極20の間で露出する電子供給層8の表面にエッチングダメージが加えられる。そのエッチングダメージは、ヘテロ接合界面に生じる2次元電子ガスの濃度を減少させてしまう。図1の半導体装置では、エッチングダメージによる2次元電子ガス濃度の減少効果を、正に帯電した絶縁層12,18による2次元電子ガス濃度の上昇効果によって補償することができ、オン抵抗を低下させることが可能となる。
図1の半導体装置は、正に帯電した絶縁層12,18によって2次元電子ガスの濃度を上昇させる効果と、電子が走行する電子走行層6がi型であることが相まって、オン抵抗が非常に低い。
【0020】
(第2実施例)
図2に示すように、ドレイン電極20とp型層16の間に露出する電子供給層8の一部の領域を正に帯電した絶縁層18bで被覆し、他の領域は、正に帯電しない絶縁層18aで被覆してもよい。この場合は、ドレイン電極20側を正電荷が固定された絶縁層18bで被覆し、p型層16側を正電荷が固定されていない絶縁層18aで被覆する。
この場合、正に帯電した絶縁層18bで被覆されているドレイン電極20側ではオン抵抗が低下する。それに対し、ゲート電極14の近傍では、オフ時にゲート電極14側からドレイン電極20側に向かって伸びる空乏層中の電界が大きく緩和され、高耐圧と低抵抗を実現する。
図2では、ソース電極10とp型層16の距離<ドレイン電極20とp型層16の距離の関係にあり、ドレイン電極側でのみ、一部領域を正に帯電した絶縁層で被覆する技術を適用する。この技術をソース電極側に利用することもできる。
【0021】
(第3実施例)
図3に示すように、電子供給層8aを形成するAlGaNのAl濃度を薄くすることによって閾値電圧を高く設定することができる。誤作動防止に有用である。
その反面、Al濃度を薄くすると、例えばAly1Ga1−y1Nのy1を0.1以下にすると、ヘテロ接合界面に生じる2次元電子ガスの濃度が低下し、オン抵抗が上昇する。本実施例は、この問題に対処するものであり、正に帯電した絶縁層12,18でオン抵抗を下げる。本技術は、電子供給層8aを形成するAlGaNのAl濃度を薄くして閾値電圧を高く設定する場合に特に有用である。
【0022】
(第4実施例)
図4は第4実施例を示し、絶縁層12c,18cに、Gaイオンが分散して混入しているSiO層を用いる。Gaイオンは正電荷を帯びており、絶縁層12c,18cは正に帯電している。このSiO2層は、電子供給層8の表面に熱CVD法によってSiOを堆積することで形成される。熱CVD法の実施温度を高めていくと、電子供給層8に含まれていたGaがSiO内に移動する量が増えていく。必要な電荷量に相当するGaが移動する温度で熱CVD法を実施することで、正に帯電した絶縁層12c,18cを形成することができる。プラズマCVD法によっても、Gaイオンが分散して存在しているSiO層を形成することができる。正イオンを含まない絶縁層に、例えばNa正イオンあるいはGa正イオンを注入してもよい。NaイオンやGaイオン等は、絶縁層中で移動しづらく、正電荷が固定されている絶縁層となる。
【0023】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0024】
2:基板
4:バッファ層
6:電子走行層
8:電子供給層
10:ソース電極
12:絶縁層
14:ゲート電極
16:p型層
18:絶縁層
20:ドレイン電極
図1
図2
図3
図4