【文献】
「パイレーツワールド」,パチスロ攻略マガジン2012年7月号,株式会社双葉社,2012年 6月 7日,p.6-17
【文献】
「サイボーグ009 地上より永遠に」,パチスロ攻略マガジン2011年1月号,株式会社双葉社,2010年11月20日,p.148-149
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0024】
(第1の実施の形態)
(遊技機10)
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図3を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0025】
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられており、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認することが可能に形成されている。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0026】
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。前記リール駆動モータ65は、メイン制御基板110から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット60には、回転リール62上の図柄61を照らすためのバックランプ67が設けられている。
【0027】
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、例えば2個の7セグメントLEDで構成されており、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の貯留枚数が表示可能になっている。
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
【0028】
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に記憶可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして記憶可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0029】
筐体12内部であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。
【0030】
なお、筐体12内部には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0031】
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0032】
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0033】
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、マックスベットスイッチ34とシングルベットスイッチ35とが設けられている。マックスベットスイッチ34は、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるものである。また、シングルベットスイッチ35は、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるものである。
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
【0034】
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている(
図3参照)。
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
【0035】
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、大当り確率の設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0036】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24が配置されている(
図3参照)。また、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45を有し、各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図3参照)。
【0037】
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御基板110へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0038】
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0039】
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルをベットすることにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0040】
この有効ライン86は、具体的には3個の回転リール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各回転リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数の回転リール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。ここで、本実施の形態の有効ライン86は、
図1に示すように、メダルを3枚投入した遊技においては計6本設定している。
【0041】
すなわち、有効ライン86は、86Aのように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の中段を結んだ中央ライン、86Bのように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の上段を結んだ上段ライン、86Cのように、左回転リール64の上段、中回転リール66の中段及び右回転リール68の下段を結んだ右下がりライン、86Dのように、左回転リール64の下段、中回転リール66の中段及び右回転リール68の上段を結んだ右上がりライン、86Eのように、左回転リール64の上段、中回転リール66の中段及び右回転リール68の上段を結んだ比較的小さな略谷型或いは略V字形のライン、86Fのように、左回転リール64の下段、中回転リール66の中段及び右回転リール68の下段を結んだ比較的小さな山形のラインから構成されている。なお、有効ライン86として、6本を例示したが、これに限定されず、単数、或いは2〜5本、或いは7本以上としてもよい。
【0042】
本実施の形態では、メイン制御基板110により制御又は管理される遊技状態の情報に応じて、1回の遊技につき、メダルを3枚ベットすることが可能となっており、3枚のメダルをベットした場合、上述した有効ライン86が有効となる。
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、複数の種々の図柄61が形成されている。同図中、「W7」は「白7図柄」、「BR1」は「第1BR図柄」、「BR2」は「第2BR図柄」、「BL1」は「第1ブランク図柄」、「BL2」は「第2ブランク図柄」、「RP」は「リプレイ図柄」、「BE」は「ベル図柄」、「CH1」は「第1チェリー図柄」、「CH2」は「第2チェリー図柄」、「WM」は「スイカ図柄」をそれぞれ示すものである。
なお、図柄61の種類や配列は、
図2に例示したものに限定されない。
【0043】
これら図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止表示を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78、表示装置84とを備えている。
【0044】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
【0045】
(制御装置100)
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御基板110と、このメイン制御基板110からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御基板300とを備えている。
【0046】
なお、メイン制御基板110とサブ制御基板300との間は、メイン制御基板110への不正操作を防止するために、メイン制御基板110からサブ制御基板300への一方向の通信により行われ、サブ制御基板300からメイン制御基板110への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御基板110は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及びホッパーユニット24の作動を制御する。サブ制御基板300は、メイン制御基板110から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御基板300の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0047】
なお、特に図示していないが、メイン制御基板110とサブ制御基板300は、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御基板110は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御基板300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0048】
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、店舗等において遊技機10の稼動状況を集計管理するために設置されるコンピュータなどの外部装置に必要な信号を出力する基板であって、メダルの投入、払い出し、ボーナスの発生、アシストタイム状態(AT)の発生等があった場合にメイン制御基板110から信号が出力される外部集中端子板18が固定されている。
【0049】
メイン制御基板110及びサブ制御基板300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0050】
本実施の形態では、メイン制御基板110により制御される遊技として、
図12を用いて後述するが、大別すると、通常に(一般的に)行われる「一般遊技」、この一般遊技において役抽選手段120の役抽選により特別ボーナス移行役に当選したにも係らず当該特別ボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止しなかった場合に、一般遊技から移行する「内部中遊技」、この内部中遊技において特別ボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止した場合に移行し、一般遊技よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得る「特別ボーナス遊技」が設けられている。
【0051】
本実施の形態では、役抽選の結果により当選可能な複数のシングルボーナス役が設けられている。例えば、「W7、W7、BL1」が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技からシングルボーナス遊技が1ゲームだけ開始されるように形成されている。
【0052】
特別ボーナス遊技には、ビッグボーナスとレギュラーボーナスがある。ビッグボーナスは、特別ボーナス移行役としてのビッグボーナス役に当選し、さらに当該ビッグボーナス役に対応した図柄61の組み合せ、例えば、「W7、W7、BR1」が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から開始される遊技である。レギュラーボーナスは、特別ボーナス移行役としてのレギュラーボーナス役に当選し、さらに当該レギュラーボーナス役に対応した図柄61の組み合せ、例えば、「W7、BR1、W7」が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から開始される遊技である。
【0053】
なお、特別ボーナス移行役は、当選時の遊技で有効ライン86上に特別ボーナス移行役に対応する図柄61の組み合せが揃わなくても、次回の遊技以降、有効ライン86上に特別ボーナス移行役に対応する図柄61の組み合わせが揃うまで特別ボーナス移行役に当選した状態が有効である(なお、シングルボーナス役の場合は有効とならない)。その他の役(シングルボーナス役も含まれる)は、当選時の遊技で有効ライン86上に役に対応する図柄61の組み合わせが揃わなければ、次回の遊技以降は無効となる。特別ボーナス遊技は、特別ボーナス遊技中に遊技者へ払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数を超えたときに終了する。
【0054】
本実施の形態では、特別ボーナス遊技としてビッグボーナスが設けられているが、ビッグボーナスは、全ての小役の当選確率が一般遊技よりも高確率にすることで小役の入賞を容易にしているものである。本実施の形態に係るビッグボーナスは280枚を超える払出枚数で終了する。もちろん、この終了条件は280枚に限定されるものではなく、他の枚数でも良いものである。
【0055】
サブ制御基板300の制御により実行される遊技状態としては、
図13を用いて後述するが、大別すると、通常に行われる「通常遊技状態」、ストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態である「有利遊技状態」が設けられている。
【0056】
有利遊技状態は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、AT遊技(ART状態)は、後述するAT抽選手段180により所定の移行抽選(AT抽選)に当選した場合に開始可能であり、所定のゲーム数を消化することで終了されるものである。なお、これらの開始条件や終了条件に限定されるものではなく、他の内容の条件に設定してもよいものである。
AT遊技(ART状態)は、予め定められた所定のゲーム数だけ実行可能であるが、この実行可能なゲーム数は、所定の抽選により上乗せ可能に設定されている。
【0057】
本実施の形態の演出には、リール演出と表示演出がある。
リール演出は、回転リール62を用いた演出であって、3個の回転リール62の回転や停止、回転方向の変更、回転速度の変更、回転加速度の変更、所定図柄61を揃えた状態で回転させる等の種々の手段により行われるものである。表示演出は、液晶表示装置である表示装置84に表示される動画像や静止画像等により行われる演出である。なお、表示演出に伴ってスピーカー72からの音声や音楽や効果音等は適宜行われる。
【0058】
(メイン制御基板110)
図4に示すように、メイン制御基板110は、役抽選手段120、リール制御手段130、一般遊技制御手段150、RT制御手段160、ボーナス制御手段170、AT抽選手段180、AT制御手段190、リール演出制御手段200、払出制御手段210、上乗せ区間決定手段240、倍率設定手段250、基準区間設定手段260、組み合わせ判定手段270及びカウント手段280の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0059】
なお、これらの手段、特に、AT抽選手段180、AT制御手段190、上乗せ区間決定手段240、倍率設定手段250、基準区間設定手段260、組み合わせ判定手段270及びカウント手段280は、メイン制御基板110ではなく、サブ制御基板300が有しても良い。その際、サブ制御基板300からメイン制御基板110へのデータの直接的な送信は行われていないので、AT状態に係る情報をサブ制御基板300からメイン制御基板110に伝達する場合は、サブ制御基板300によりストップスイッチ50による停止操作の順番を演出装置70により遊技者に報知して、遊技者がその停止操作順番で停止操作すること等の間接的な伝達手段を介して、サブ制御基板300からの情報がメイン制御基板110へ伝達される。
【0060】
以上の構成をもって、メイン制御基板110は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御基板110は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0061】
規定の賭け数(3枚)が設定されると、6本の有効ライン86(参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34又はシングルベットスイッチ35を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段120により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0062】
本実施の形態では、役として、大別すると、ボーナス役(ボーナス遊技への移行を伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、及び一般役(メダルの払い出しを伴う役)が設けられている。
具体的には、
図6に示すように、ボーナス役は、上述のビッグボーナス役、レギュラーボーナス役、及びシングルボーナス役から構成されている。またリプレイ役は、7揃いリプレイ役、基本リプレイ役、RT2昇格リプレイ役、RT3昇格リプレイ役、及び転落リプレイ役から構成されている。さらに一般役は、ATベル役、第1〜第4スイカ役、第1〜第6チェリー役、並びに第1及び第2チャンス役から構成されている。各役の詳細については後述する。
【0063】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0064】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
【0065】
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組み合わせが揃うと、当該図柄61の組み合わせに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組み合わせが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組み合わせが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0066】
また、有効ライン86上にリプレイ役に対応する図柄61の組み合わせが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0067】
(役抽選手段120)
前記役抽選手段120は、メイン制御基板110が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段120は、メイン制御基板110のROM上に記憶され、役に当選したか否かを決定するための役抽選テーブルと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)とを備えている。役抽選手段120は、メダルの想定払い出し枚数、いわゆる出玉率と関連付けられている設定値に対応する役抽選テーブルと乱数発生手段が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して当選か否かを判定する。この役抽選における役の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(設定1〜設定6)設定されており、設定1が最も低く、設定6が最も高くなるように設定されている。
【0068】
また、役抽選テーブルは、設定値に加えメイン制御基板110における遊技毎に用意されている(
図7参照)。詳細については後述する。
本実施の形態は、内部中遊技及び一般遊技の一部(RT2遊技、RT3遊技)におけるリプレイ役の当選確率がノーマル遊技よりも高く設定している。したがって、内部中遊技及び一般遊技の一部(RT2遊技、RT3遊技)におけるリプレイ役の当選領域はノーマル遊技のものよりも広くなっている。
さらに、役抽選においては、その抽選結果に複数のレア役グループが設けられている(
図8参照、以下、単に「レア役」と呼ぶ。)。本実施の形態では、レア役に当選することで、有利遊技状態における上乗せゲーム数の獲得機会を得ることができる。レア役の詳細については後述する。
【0069】
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、メイン制御基板110が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段130は、役抽選手段120の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段130は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(停止操作順番)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段130による処理は、後述するステップ105(
図17参照)において行われる。
また、リール制御手段130は、遊技の進行が停止している、いわゆるフリーズ状態において、所定のリール演出を実行可能なものである。
【0070】
(一般遊技制御手段150)
一般遊技制御手段150は、一般遊技の進行を制御するものである。ここで、一般遊技とは、RT制御手段160による内部中遊技や、一般遊技の一部(RT2遊技、RT3遊技)、ボーナス制御手段170による特別ボーナス遊技以外の遊技をいう。
(RT制御手段160)
RT制御手段160は、リプレイ役の当選確率の高い内部中遊技及び一般遊技の一部(RT2遊技、RT3遊技)を制御するものである。
(ボーナス制御手段170)
ボーナス制御手段170は、特別ボーナス遊技、具体的には、ビッグボーナスとレギュラーボーナスを制御するものである。
【0071】
(AT抽選手段180)
AT抽選手段180は、所定の役に当選したことを契機に遊技状態を有利遊技状態であるAT状態に移行させるか否かの決定を行うものである。具体的には、AT抽選手段180は、AT状態への移行契機となる抽選(AT抽選)を行い、当該抽選に当選することでAT状態への移行を決定する。
ここで、AT抽選に当選すると、まず遊技状態がAT準備状態に移行する。そして、AT準備状態において所定の昇格リプレイ役(RT3昇格リプレイ役)が成立することにより、有利遊技状態になるように形成されている。
【0072】
(AT制御手段190)
前記AT制御手段190は、有利遊技状態であるAT状態(ART状態)の遊技を制御するものである。AT制御手段190は、AT抽選手段180によるAT抽選に当選すると遊技状態を有利遊技状態に移行させる。また、後述するカウント手段280のゲーム数が0になると、遊技状態を通常遊技状態に移行させる。
【0073】
(リール演出制御手段200)
リール演出制御手段200は、遊技者の操作を要し、複数の回転リール62の回転から疑似停止までを1単位とするリール演出を実行するものである。このリール演出は遊技(本遊技)の進行が停止しているフリーズ状態において実行されるものである。
「遊技者の操作」としては、スタートスイッチ40と、3個のストップスイッチ50との操作がある。スタートスイッチ40を操作すると、複数、例えば3個の回転リール62の回転が同時に開始し、3個のストップスイッチ50の一つを操作すると、対応する回転中の回転リール62が疑似停止し、3個のストップスイッチ50を全て操作すると、3個の回転リール62の回転を全て疑似停止する。
【0074】
なお、「遊技者の操作」としては、例えばスタートスイッチ40及びストップスイッチ50の操作を契機としたが、これに限定されず、リール演出を所定回数連続して実行する場合には、初回だけでスタートスイッチ40を操作させ、次回以降のスタートスイッチ40の操作を省略してもよいし、初回、次回以降に関わらず、スタートスイッチ40の操作を省略してもよい。
【0075】
「疑似停止」としては、回転リール62の回転を微振動させた状態で停止させている。
なお、「疑似停止」としては、回転リール62の回転を微振動させた状態で停止させたが、これに限定されず、遊技者が回転リール62の図柄61をおおむね識別可能な状態と、視認可能な状態であれば足り、回転リール62を逆転させたり、あるいは複数の回転リール62の回転を同期させるようにしてもよい。
【0076】
(払出制御手段210)
前記払出制御手段210は、遊技の結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段210は、リール制御手段130による回転リール62の停止制御の結果、メダルの払い出しがあると判定するとホッパーユニット24の払出動作を制御して、入賞した役に応じた枚数のメダルを遊技者に対して払い出す。
【0077】
(上乗せ区間決定手段240)
上乗せ区間決定手段240は、有利遊技状態に加算可能なゲーム数である上乗せゲーム数を決定するものである。本実施の形態では、主に後述する上乗せ状態において決定される通常上乗せゲーム数と、有利遊技状態において決定される特殊上乗せゲーム数とがある。
通常上乗せゲーム数は、レア役当選時に実行される上乗せ抽選によって、5ゲームから100ゲームの範囲で決定される。
【0078】
特殊上乗せゲーム数は、倍率設定手段250により決定された倍率の値と基準区間設定手段260により決定された基準ゲーム数の値とを乗算することにより決定される。ここで、特殊上乗せゲーム数は、組み合わせ判定手段270により基準ゲーム数と倍率との組み合わせが成立したと判定された場合に決定する。詳細は後述する。
なお、上乗せ区間決定手段240により上乗せゲーム数が決定されると、当該上乗せゲーム数の値を示すコマンドがサブ制御基板300に送信される。
【0079】
(倍率設定手段250)
倍率設定手段250は、所定の値を何倍にするかの倍率を設定するためのものである。この倍率設定手段250は、倍率抽選テーブル251と、倍率カウンタ252を備えている。
倍率抽選テーブル251は、所定のレア役に当選した場合に実行される倍率抽選において使用されるものである。
図8に示すように、レア役Aの当選は第1スイカ役又は第1チェリー役に当選した場合、レア役Bの当選は第2スイカ役又は第2チェリー役に当選した場合、レア役Cの当選は第5チェリー役に当選した場合、レア役Dの当選は第3スイカ役又は第3チェリー役に当選した場合、レア役Eの当選は第4スイカ役又は第4チェリー役に当選した場合、レア役Fの当選は第6チェリー役に当選した場合をそれぞれ意味する。倍率抽選は、役抽選においてレア役Aからレア役Fまでの各レア役に当選した場合に実行される。
また、倍率設定手段250は、倍率が設定された場合、倍率設定手段250が備える特殊上乗せフラグをOFFからONに変更させる。この特殊上乗せフラグの役割については後述する。
【0080】
図9は、倍率抽選テーブル251の全領域を256とした場合の当選領域の範囲を数値で示したものである。レア役Aからレア役Cのテーブルでは、2倍、4倍、6倍、8倍及び10倍が当選対象とされており、当選対象とされる倍率が大きくなるほど、当選確率が低く設定されている。一方、レア役Dからレア役Fのテーブルでは、8倍、10倍、15倍、20倍及び50倍が当選対象とされており、当選対象とされる倍率が大きくなるほど、当選確率が低く設定されている。以上、役抽選において、レア役Aからレア役Cのいずれかに当選するより、レア役Dからレア役Fのいずれかに当選した方が設定可能な倍率の期待値が高いといえる。
【0081】
倍率カウンタ252は、倍率抽選において決定された倍率を設定するためのものである。そして、倍率カウンタ252の値と後述する基準ゲーム数カウンタ262の値を乗算した値が、特殊上乗せゲーム数となる。
なお、倍率設定手段250により倍率が設定されると、当該倍率の値を示すコマンドがサブ制御基板300に送信される。
【0082】
(基準区間設定手段260)
基準区間設定手段260は、前記上乗せゲーム数の基準となる基準ゲーム数を設定するためのものである。この基準区間設定手段260は、基準ゲーム数抽選テーブル261と、基準ゲーム数カウンタ262を備えている。
【0083】
基準ゲーム数抽選テーブル261は、所定のレア役に当選した場合に実行される基準ゲーム数抽選において使用されるものである。
図8に示すように、基準ゲーム数抽選は、役抽選においてレア役Aからレア役Fまでの各レア役に当選した場合に実行される。ここで、レア役C及びレア役Fについては、基準ゲーム数抽選は実行されるものの、基準ゲーム数を獲得することはない。
【0084】
図10は、基準ゲーム数抽選テーブル261の全領域を256とした場合の当選領域の範囲を数値で示したものである。レア役A及びレア役Bのテーブルでは、2ゲーム、5ゲーム及び10ゲームが当選対象とされており、当選対象とされるゲーム数が大きくなるほど、当選確率が低く設定されている。一方、レア役D及びレア役Eのテーブルでは、2ゲーム、5ゲーム、10ゲーム、20ゲーム、30ゲーム及び50ゲームが当選対象とされており、当選対象とされるゲーム数が大きくなるほど、当選確率が低く設定されている。以上、役抽選において、レア役A又はレア役Bに当選するより、レア役D又はレア役Eに当選した方が設定可能な基準ゲーム数の期待値が高いといえる。
【0085】
また上述のとおり、レア役C及びレア役Fの場合は基準ゲーム数を設定することができないことから、レア役C及びレア役Fに対応するテーブルでは、0ゲームが唯一の当選対象とされている。なお、役抽選によりレア役C又はレア役Fに当選した場合、基準ゲーム数抽選を実行しないように形成してもよい。
【0086】
基準ゲーム数カウンタ262は、基準ゲーム数抽選において決定された基準ゲーム数を設定するためのものである。前述の倍率カウンタ252の値と基準ゲーム数カウンタ262の値を乗算した値が、特殊上乗せゲーム数となる。
なお、基準区間設定手段260により基準ゲーム数が設定されると、当該基準ゲーム数の値を示すコマンドがサブ制御基板300に送信される。
【0087】
(組み合わせ判定手段270)
組み合わせ判定手段270は、基準ゲーム数と倍率とを一対とする所定の組み合わせが成立したか否かを判定するものである。具体的に、組み合わせ判定手段270は、倍率抽選が実行された際にONになる特殊上乗せフラグと、ゲーム数抽選の実行に伴い設定される基準ゲーム数カウンタ262の状態を監視している。ここで、特殊上乗せフラグは、有利遊技状態において最初に倍率抽選が実行された際にONになるものである。そして、組み合わせ判定手段270は、特殊上乗せフラグがONであり、かつ、基準ゲーム数カウンタ262に基準ゲーム数が設定された場合に、「所定の組み合わせ」が成立したと判定する。「所定の組み合わせ」が成立したとは、すなわち、倍率と基準ゲーム数の組み合わせが成立したことに当たる。組み合わせ判定手段270が「所定の組み合わせ」が成立したと判定すると、上乗せ区間決定手段240は、倍率カウンタ252の値と基準ゲーム数カウンタ262の値とを乗算し、当該乗算した値を特殊上乗せゲーム数として決定する。
【0088】
また、組み合わせ判定手段270は、特殊上乗せフラグがONであって、基準ゲーム数カウンタ262に基準ゲーム数が設定されていない場合、「倍率と基準ゲーム数のいずれか一方が設定されているが、両者の組み合わせが成立していない」と判定する。この場合は、有利遊技状態が延長することになる。
【0089】
(カウント手段280)
カウント手段280は、有利遊技状態のゲーム数をカウントするものである。カウント手段280は、有利遊技状態のゲーム数をカウントするためのATゲーム数カウンタを備えている。このATゲーム数カウンタは有利遊技状態に移行した際に初期ゲーム数が設定される。そして有利遊技状態では、遊技を行う毎にATゲーム数カウンタのカウント値から「1」が減算される。そして、ATゲーム数カウンタのカウント値が「0」になると有利遊技状態は終了となる。上述のとおり、本実施の形態では、有利遊技状態において、通常上乗せゲーム数と特殊上乗せゲーム数が付与される。上乗せ区間決定手段240が通常上乗せゲーム数又は特殊上乗せゲーム数を決定した場合は、通常上乗せゲーム数の値又は特殊上乗せゲーム数の値がATゲーム数カウンタのカウント値に加算されることになる。
【0090】
また、所定の条件下において有利遊技状態が延長する場合がある。この場合、カウント手段280は、ATゲーム数カウンタのカウント値が「0」の場合であっても、毎ゲーム、ATゲーム数カウンタに「1」を加算する更新処理を行う。当該処理が行われている間は、有利遊技状態は終了せずに延長されている。
【0091】
(サブ制御基板300)
図5に示すように、サブ制御基板300には、演出制御手段310及び画像記憶手段330の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、サブ制御基板300は、演出の有無や態様を決定し、遊技の状態に応じた演出を制御する手段として機能することとなる。
【0092】
(演出制御手段310)
前記演出制御手段310は、液晶表示装置を有する表示装置84、スピーカー72及び演出用ランプ78を制御して、役抽選の結果や遊技の進行に応じた演出を行うものである。演出制御手段310は、表示装置84に特定の画像を表示させたり、スピーカー72から所定の音を出力させたり、演出用ランプ78を点灯又は点滅させたりすることにより演出を実行する。また、演出制御手段310は、有利遊技状態において実行されるバトル演出を制御する。
この演出制御手段310は、報知手段315を備えている。
【0093】
(報知手段315)
報知手段315は、表示装置84、スピーカー72及び演出用ランプ78において実行される報知演出を制御するものである。ここで、報知演出には、ストップスイッチ50の停止操作の順序、すなわち押し順を報知するいわゆる押し順ナビと、役抽選に当選している役に対応する図柄61を報知するいわゆる図柄ナビとがある。
【0094】
押し順ナビを実行する場合、報知手段315は、メイン制御基板110から役抽選手段120による役抽選の結果を受信し、押し順が設定されている役に当選している場合は、当該当選役の正解の押し順を決定する。そして、報知手段315は、表示装置84に停止操作順序を数字や矢印で表示させたり、停止操作すべきストップスイッチ50の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカー72から音声により指示したり、ストップスイッチ50のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させたりして、最初に操作すべきストップスイッチ50を報知する。
【0095】
また、図柄ナビを実行する場合、報知手段315は、メイン制御基板110から役抽選手段120による役抽選の結果を受信し、入賞させるべき図柄61の組み合わせを決定する。そして、報知手段315は、表示装置84に停止させるべき図柄61を表示させたり、スピーカー72から音声により指示したりして報知する。
【0096】
(画像記憶手段330)
画像記憶手段330は、表示装置84に表示される画像データを記憶するものである。この画像データとしては、遊技状態に対応する背景画像やキャラクタの画像が含まれている。また、本実施の形態では、特殊上乗せゲーム数の決定する際に合わせて実行されるバトル演出に係る画像も含まれている。バトル演出では、複数の遊技者側のキャラクタと対戦相手となるキャラクタが登場する。ここで、遊技者側のキャラクタとしてキャラクタAからキャラクタFの6種類のキャラクタが、対戦相手となるキャラクタとしてキャラクタXとキャラクタYがある。画像記憶手段330は、倍率設定手段250により倍率が決定された場合、又は基準区間設定手段260により基準ゲーム数が決定された場合、メイン制御基板110から倍率又は基準ゲーム数に係る情報を受信し、バトル演出における遊技者側のキャラクタを抽選(キャラクタ抽選)により決定する。
【0097】
図11(A)及び(B)はキャラクタ抽選の抽選テーブルを示す図であって、全領域を256とした場合の当選領域の範囲を数値で示したものである。
図11(A)は、倍率設定手段250により決定された倍率に対応するキャラクタを決定する抽選テーブルである。倍率が2倍、4倍、6倍及び8倍については、キャラクタAにのみ当選領域がある。すなわち、キャラクタAが確定している。また、倍率が10倍、15倍及び20倍については、キャラクタA又はキャラクタBに当選領域がある。なおこの2者についてはキャラクタAよりキャラクタBの方が当選確率を高く設定している。さらに、倍率が50倍については、キャラクタCにのみ当選領域がある。すなわち、キャラクタCが確定している。
【0098】
図11(B)は、基準区間設定手段260により決定された基準ゲーム数に対応するキャラクタを決定する抽選テーブルである。基準ゲーム数が2ゲーム及び5ゲームについては、キャラクタDにのみ当選領域がある。すなわち、キャラクタDが確定している。また、基準ゲーム数が10ゲーム、20ゲーム及び30ゲームについては、キャラクタD又はキャラクタEに当選領域がある。なおこの2者についてはキャラクタDよりキャラクタEの方が当選確率を高く設定している。さらに、基準ゲーム数が50ゲームについては、キャラクタFにのみ当選領域がある。すなわち、キャラクタFが確定している。
【0099】
以上のように、遊技者はバトル演出時に表示装置84に表示されるキャラクタを確認することで、倍率値や基準ゲーム数を知ることができる。なお、キャラクタの種類は上記に限らない。
【0100】
(役の構成について)
図6を用いて「役の構成」の一例について説明する。
役には、大別すると、次の種類がある。
(1)ボーナス役
(2)リプレイ役
(3)一般役(小役)
【0101】
(1)ボーナス役
ボーナス役には、
図6に示すように、大別すると、次の種類がある。
(1−1)ビッグボーナス役(RBB1、RBB2)
ビッグボーナス役は、当該当選役の記号「RBB1」、「RBB2」の2種類あり、次回のゲーム以降に持ち越し可能な役であり、例えば「280枚」を超える払い出しで終了する特別ボーナス遊技(RBB1遊技・RBB2遊技)を発生させる。ビッグボーナス役の成立による配当(当該役に対応する図柄の組み合わせが表示された場合に払い出されるメダルの枚数、以下「配当」という。」)は、「0」枚である。
なお、ビッグボーナス役の種類として、2種類を例示したが、これに限定されず、1種類としたり、或いは3種類以上としてもよい。ビッグボーナス役により発生する特別ボーナス遊技の終了条件として、「280枚」を超える払い出しを例示したが、これに限定されず、払い出し枚数を「280枚」と異なる枚数としたり、或いはゲーム数やセット数等を条件としてもよい。
【0102】
(1−2)レギュラーボーナス役(RBB3、RBB4)
レギュラーボーナス役は、当該当選役の記号「RBB3」、「RBB4」の2種類あり、次回のゲーム以降に持ち越し可能な役であり、例えば「60枚」を超える払い出しで終了する特別ボーナス遊技(RBB3遊技・RBB4遊技)を発生させる。レギュラーボーナス役の成立による配当は、「0」枚である。
なお、レギュラーボーナス役の種類として、2種類を例示したが、これに限定されず、1種類としたり、或いは3種類以上としてもよい。レギュラーボーナス役により発生する特別ボーナス遊技の終了条件として、「60枚」を超える払い出しを例示したが、これに限定されず、払い出し枚数を「60枚」と異なる枚数としたり、或いはゲーム数やセット数等を条件としてもよい。
【0103】
(1−3)シングルボーナス役(SB1、SB2)
シングルボーナス役は、当該当選役の記号「SB1」、「SB2」の2種類あり、次回のゲーム以降に持ち越さない1G(ゲーム)限りの役である。シングルボーナス役の成立による配当は、「0」枚である。
(2)リプレイ役
リプレイ役には、
図6に示すように、大別すると、次の種類がある。なお、いずれのリプレイ役も当選による配当はない。
(2−1)7揃いリプレイ役(7RP)
7揃いリプレイ役は、当該当選役の記号「7RP」の1種類である。
【0104】
(2−2)基本リプレイ役(NRP)
基本リプレイ役は、当該当選役の記号「NRP」の1種類である。
(2−3)RT2昇格リプレイ役(T2RP1、T2RP2)
RT2昇格リプレイ役は、当該当選役の記号「T2RP1」、「T2RP2」の2種類であり、当該役に対応する図柄の組合せが表示された場合には、例えば、当該役に対応する図柄の組合せが表示された遊技の次の遊技から、
図12に示す一般遊技の「RT2状態」に移行する。
【0105】
(2−4)RT3昇格リプレイ役(T3RP)
RT3昇格リプレイ役は、当該当選役の記号「T3RP」の1種類であり、当該役に対応する図柄の組合せが表示された場合には、例えば、当該役に対応する図柄の組合せが表示された遊技の次の遊技から、
図12に示す一般遊技の「RT3状態」に移行する。
(2−5)転落リプレイ役(T1RP1〜T1RP16)
転落リプレイ役は、当該当選役の記号「T1RP1」〜「T1RP16」の16種類あり、当該役に対応する図柄の組合せが表示された場合には、例えば、
図12に示す一般遊技の「RT1状態」に移行する。
【0106】
(3)一般役(小役)
一般役(小役)には、
図6に示すように、大別すると、次の種類がある。
(3−1)ATベル役(PZ1)
ATベル役は、当該当選役の記号「PZ1」の1種類がある。このときの配当は、「2」枚である。
(3−2)スイカ役(WM1〜WM4)
スイカ役には、第1スイカ役〜第4スイカ役の4種類がある。ここで、第1スイカ役は、当該当選役の記号「WM1」に、第2スイカ役は、当該当選役の記号「WM2」に、第3スイカ役は、当該当選役の記号「WM3」に、第4スイカ役は、当該当選役の記号「WM4」にそれぞれ対応する。このときの配当は、「2」枚である。
【0107】
(3−3)チェリー役(PZ2〜PZ7)
チェリー役には、第1チェリー役〜第6チェリー役の6種類がある。ここで、第1チェリー役は、当該当選役の記号「PZ2」に、第2チェリー役は、当該当選役の記号「PZ3」に、第3チェリー役は、当該当選役の記号「PZ4」に、第4チェリー役は、当該当選役の記号「PZ5」に、第5チェリー役は、当該当選役の記号「PZ6」に、第6チェリー役は、当該当選役の記号「PZ7」にそれぞれ対応する。このときの配当は、「2」枚である。
【0108】
(3−4)第1チャンス役(PZ10〜PZ13)
第1チャンス役は、当該当選役の記号「PZ10」〜「PZ13」の4種類がある。このときの配当は、「10」枚である。
(3−5)第2チャンス役(PZ14〜PZ29)
第2チャンス役は、当該当選役の記号「PZ14」〜「PZ29」の16種類がある。このときの配当は、「10」枚である。
【0109】
(役抽選の構成について)
図7を用いて「役抽選の構成」の一例について説明する。
役抽選の構成には、大別すると、次の種類がある。
(1)ボーナス
(2)リプレイ
(3)ATベル
(4)スイカ
(5)チェリー
(6)チャンス目
なお、抽選結果としては、図示しないが、上記した(1)〜(6)と同列に、「ハズレ」があり、記号「HZ」である。「ハズレ」は、上記(1)〜(6)の役抽選結果のいずれも得られなかった場合である。
【0110】
(1)ボーナス
ボーナスの役抽選結果には、
図7に示すように、大別すると、次の種類がある。
(1−1)ビッグボーナス(BBNS1、BBNS2)
役抽選結果の「ビッグボーナス」は、記号「BBNS1」、「BBNS2」の2種類あり、「BBNS1」のときにはビッグボーナス役である「RBB1」が、「BBNS2」のときにはビッグボーナス役である「RBB2」が、当該遊技よりそれぞれ成立可能(図柄の組合せが表示可能)である。また、「ビッグボーナス」は、
図12に示す一般遊技(RT0遊技〜RT3遊技)において役抽選が実行される。
【0111】
(1−2)レギュラーボーナス(RBNS1、RBNS2)
役抽選結果の「レギュラーボーナス」は、記号「RBNS1」、「RBNS2」の2種類あり、「RBNS1」のときにはレギュラーボーナス役である「RBB3」が、「RBNS2」のときにはレギュラーボーナス役である「RBB4」が、当該遊技よりそれぞれ成立可能(図柄の組合せが表示可能)である。また、「レギュラーボーナス」は、
図12に示す一般遊技(RT0遊技〜RT3遊技)において役抽選が実行される。
(1−3)シングルボーナス(SBNS1〜SBNS2)
役抽選結果の「シングルボーナス」は、記号「SBNS1」、「SBNS2」の2種類あり、「SBNS1」のときはシングルボーナス役である「SB1」が、「SBNS2」のときはシングルボーナス役である「SB2」が、当該遊技にて、それぞれ成立可能(図柄の組合せが表示可能)である。また、「シングルボーナス」は、
図12に示す一般遊技(RT0遊技〜RT3遊技)において役抽選が実行される。
【0112】
(2)リプレイ
リプレイの役抽選結果には、
図7に示すように、大別すると、次の種類がある。
(2−1)通常リプレイ(NRP)
役抽選結果の「通常リプレイ」は、記号「NRP」の1種類あり、「NRP」のときはリプレイ役である「NRP」が、当該遊技にて、それぞれ成立可能(図柄の組合せが表示可能)である。また、「通常リプレイ」は、
図12に示す一般遊技(RT0遊技〜RT3遊技)、及び内部中遊技(RBB1内部中遊技〜RBB4内部中遊技)において役抽選が実行される。
【0113】
(2−2)昇格リプレイ1(RT1RP1〜RT1RP5)
役抽選結果の「昇格リプレイ1」は、記号「RT1RP1」〜「RT1RP5」の5種類あり、
図12に示す一般遊技の「RT1遊技」において役抽選が実行される。
「昇格リプレイ1」の抽選結果においては、複数の押し順に対して停止表示される役が予め設定されている。「昇格リプレイ1」では、正解の押し順の場合、「RT2昇格リプレイ役」(T2RP1又はT2RP2)が成立し、不正解の押し順の場合には「基本リプレイ役」(NRP)が成立する。
【0114】
ここで、「正解の押し順」とは、報知手段315により押し順ナビが実行された場合に、報知された押し順と一致する停止操作が遊技者により実行された場合をいう。「不正解の押し順」とは、報知された押し順と一致しない、すなわち異なる停止操作押し順が遊技者により実行された場合をいう。
なお、報知手段315により押し順ナビが実行されなかった場合であっても、RT2昇格リプレイ役を成立させるための押し順で停止操作が行われると、RT2昇格リプレイ役が成立し、前記押し順以外の押し順で停止操作が行われると、基本リプレイ役が成立する。つまり、前記「正解の押し順」とは、押し順ナビが実行されたか否かに関わらず、役抽選結果毎に設定された規定の押し順で停止操作が行われた場合も含まれ、同様に、前記「不正解の押し順」とは、押し順ナビが実行されたか否かに関わらず、前記規定の押し順以外の押し順で停止操作が行われた場合も含まれる。そして、昇格リプレイ1の場合、RT2昇格リプレイ役を成立させるための押し順が、前記規定の押し順に相当すると共に、正解の押し順であり、一方、RT2昇格リプレイ役を成立させるための押し順以外の押し順が、不正解の押し順である。
【0115】
役抽選結果として「RT1RP1」が得られた場合には、
図6に示す記号「T2RP1」(RT2昇格リプレイ役)と、「T2RP2」(RT2昇格リプレイ役)と、「NRP」(基本リプレイ役)とが重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「RT1RP2」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「T2RP1」、「T2RP2」、「NRP」、「BRRP17」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「RT1RP3」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「T2RP1」、「T2RP2」、「NRP」、「BRRP18」が重複して当選している結果が得られる。
【0116】
役抽選結果として「RT1RP4」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「T2RP1」、「T2RP2」、「NRP」、「BRRP19」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「RT1RP5」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「T2RP1」、「T2RP2」、「NRP」、「BRRP20」が重複して当選している結果が得られる。
【0117】
(2−3)昇格リプレイ2(RT2RP1〜RT2RP5)
役抽選結果の「昇格リプレイ2」は、記号「RT2RP1」〜「RT2RP5」の5種類あり、
図12に示す一般遊技の「RT2遊技」において役抽選が実行される。
「昇格リプレイ2」の抽選結果においては、押し順が予め設定され、正解の押し順の場合、「RT3昇格リプレイ役」(T3RP)が成立し、不正解の押し順の場合には「転落リプレイ役」(T1RP1〜16)が成立する。
なお、昇格リプレイ2の場合、正解の押し順はRT3昇格リプレイ役を成立させるための押し順であり、この押し順以外の押し順が不正解の押し順となる。
【0118】
役抽選結果として「RT2RP1」が得られた場合に、
図6に示す記号「T3RP」、「T1RP1」〜「T1RP16」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「RT2RP2」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「T3RP」、「T1RP1」〜「T1RP16」、「BRRP17」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「RT2RP3」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「T3RP」、「T1RP1」〜「T1RP16」、「BRRP18」が重複して当選している結果が得られる。
【0119】
役抽選結果として「RT2RP4」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「T3RP」、「T1RP1」〜「T1RP16」、「BRRP19」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「RT2RP5」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「T3RP」、「T1RP1」〜「T1RP16」、「BRRP20」が重複して当選している結果が得られる。
【0120】
(2−4)転落リプレイ(RT23RP1〜RT23RP5)
役抽選結果「転落リプレイ」は、記号「RT23RP1」〜「RT23RP5」の5種類あり、
図12に示す一般遊技の「RT2遊技」及び「RT3遊技」において役抽選が実行される。
「転落リプレイ」の抽選結果においては、押し順が予め設定され、正解の押し順の場合、「基本リプレイ役」(NRP)が成立し、不正解の押し順の場合には「転落リプレイ役」(T1RP1〜16)が成立する。
なお、転落リプレイの場合、正解の押し順は基本リプレイ役を成立させるための押し順であり、この押し順以外の押し順が不正解の押し順となる。
【0121】
役抽選結果として「RT23RP1」が得られた場合に、
図6に示す記号「NRP」、「T1RP1」〜「T1RP16」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「RT23RP2」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「NRP」、「T1RP1」〜「T1RP16」、「BRRP17」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「RT23RP3」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「NRP」、「T1RP1」〜「T1RP16」、「BRRP18」が重複して当選している結果が得られる。
【0122】
役抽選結果として「RT23RP4」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「NRP」、「T1RP1」〜「T1RP16」、「BRRP19」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「RT23RP5」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「NRP」、「T1RP1」〜「T1RP16」、「BRRP20」が重複して当選している結果が得られる。
【0123】
(2−5)7揃いリプレイ(7FRP1、7FRP2)
役抽選結果の「7揃いリプレイ」は、記号「7FRP1」、「7FRP2」の2種類あり、
図12に示す特別ボーナス遊技の「RBB1遊技」及び「RBB2遊技」(ビッグボーナス)において役抽選が実行される。
役抽選結果として「7FRP1」が得られた場合には、
図6に示す記号「NRP」、「T2RP1」、「T2RP2」、「7RP」、「T1RP1」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「7FRP2」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「NRP」、「T2RP1」、「T2RP2」、「T1RP1」が重複して当選している結果が得られる。
【0124】
(3)ATベル
役抽選結果の「ATベル」には、
図7に示すように、記号「AT1」〜「AT5」の5種類あり、「通常リプレイ」の場合と同様に、
図12に示す一般遊技(RT0遊技〜RT3遊技)、及び「内部中遊技」(RBB1内部中遊技〜RBB4内部中遊技)において役抽選が実行される。
役抽選結果の「ATベル」においては、押し順が予め設定され、正解の押し順の場合、「ATベル役」(PZ1)が成立し、不正解の押し順の場合には、「第2チャンス役」(PZ25〜PZ29)が成立する。
なお、ATベルの場合、正解の押し順は、結果的に10枚のメダル払出しを受けることになるATベル役を成立させるための押し順であり、この押し順以外の押し順が不正解の押し順となる。
【0125】
役抽選結果として「AT1」が得られた場合に、
図6に示す記号「PZ1」、「PZ25」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「AT2」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「PZ1」、「PZ26」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「AT3」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「PZ1」、「PZ27」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「AT4」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「PZ1」、「PZ28」が重複して当選している結果が得られる。
役抽選結果として「AT5」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「PZ1」、「PZ29」が重複して当選している結果が得られる。
【0126】
(4)スイカ
役抽選結果の「スイカ」は、スイカ1である「WMA」、スイカ2である「WMB」、スイカ3である「WMD」、スイカ4である「WME」の4種類あり、
図12に示す一般遊技(RT0遊技〜RT3遊技)において役抽選が実行される。
役抽選結果として「WMA」が得られた場合に、
図6に示す記号「WM1」が当選している結果が得られる。
役抽選結果として「WMB」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「WM2」が当選している結果が得られる。
役抽選結果として「WMD」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「WM3」が当選している結果が得られる。
役抽選結果として「WME」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「WM4」が当選している結果が得られる。
【0127】
(5)チェリー
役抽選結果の「チェリー」は、チェリー1である「CHA」、チェリー2である「CHB」、チェリー3である「CHD」、チェリー4である「CHE」、チェリー5である「CHC」、チェリー6である「CHF」の6種類あり、
図12に示す一般遊技(RT0遊技〜RT3遊技)、及び内部中遊技(RBB1内部中遊技〜RBB4内部中遊技)において役抽選が実行される。
役抽選結果として「CHA」が得られた場合に、
図6に示す記号「PZ2」が当選している結果が得られる。
役抽選結果として「CHB」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「PZ3」が当選している結果が得られる。
【0128】
役抽選結果として「CHD」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「PZ4」が当選している結果が得られる。
役抽選結果として「CHE」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「PZ5」が当選している結果が得られる。
役抽選結果として「CHC」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「PZ6」が当選している結果が得られる。
役抽選結果として「CHF」が得られた場合にも同様に、
図6に示す記号「PZ7」が当選している結果が得られる。
【0129】
(6)チャンス目
チャンス目の役抽選結果には、
図7に示すように、大別すると、次の種類がある。
(6−1)チャンス目A(SPZA)
役抽選結果の「チャンス目A」は、「SPZA」の1種類であり、
図12に示す一般遊技(RT0遊技〜RT3遊技)、内部中遊技(RBB1内部中遊技〜RBB4内部中遊技)、並びに特別ボーナス遊技の「RBB3遊技」及び「RBB4遊技」(レギュラーボーナス)において役抽選が実行される。
役抽選結果として「SPZA」が得られた場合に、
図6に示す記号「PZ1」、「PZ10」〜「PZ13」が重複して当選している結果が得られる。
【0130】
(6−2)チャンス目B(SPZB)
役抽選結果の「チャンス目B」は、記号「SPZB」の1種類であり、
図12に示す一般遊技(RT0遊技〜RT3遊技)、及び内部中遊技(RBB1内部中遊技〜RBB4内部中遊技)において役抽選が実行される。
役抽選結果として「SPZB」が得られた場合に、
図6に示す記号「PZ1」、「PZ14」〜「PZ29」が重複して当選している結果が得られる。
【0131】
(メイン制御基板110における遊技の移行)
次に、
図12を用いてメイン制御基板110の遊技について説明する。
メイン制御基板110により管理される遊技は、
図12に示すように、大別すると、「一般遊技」、「内部中遊技」、「特別ボーナス遊技」の3つの遊技から構成されている。
一般遊技は、ノーマル遊技(RT0遊技)と、RT1遊技と、RT2遊技と、RT3遊技と、の4つのRT遊技、及びシングルボーナス遊技から構成されている。
「ノーマル遊技」(RT0遊技)は、再遊技確率(リプレイ役の当選確率)が「通常」(低確率、例えば「1/7.3」)に設定されている。
【0132】
「RT1遊技」は、「ノーマル遊技」(RT0遊技)と同様に、再遊技確率が「通常」(低確率)に設定されている。「RT2遊技」及び「RT3遊技」は、再遊技確率が高確率に設定されている。
「シングルボーナス遊技」は、「ノーマル遊技」(RT0遊技)と同様に、再遊技確率が「通常」(低確率)に設定されている。ノーマル遊技(RT0遊技)、RT1遊技、RT2遊技、又はRT3遊技において、役抽選でシングルボーナス役(SB1、SB2)に入賞すると、次遊技にシングルボーナス遊技が実行される。
【0133】
内部中遊技は、「RBB1内部中遊技」(RT4遊技)、「RBB2内部中遊技」(RT4遊技)、「RBB3内部中遊技」(RT5遊技)、「RBB4内部中遊技」(RT5遊技)の4つの遊技から構成されている。4つの内部中遊技は、大別すると、「RT4遊技」と、「RT5遊技」の2つに分かれ、ともに再遊技確率が高確率に設定されている。
一般遊技の遊技において役抽選で「RBB1」(BBNS1)に当選すると、これに対応する「RBB1内部中遊技」へ移行し、一般遊技の遊技において役抽選で「RBB2」(BBNS2)に当選すると、これに対応する「RBB2内部中遊技」へ移行する。また、一般遊技の遊技において役抽選で「RBB3」(RBNS1)に当選すると、これに対応する「RBB3内部中遊技」へ移行し、一般遊技の遊技において役抽選で「RBB4」(RBNS2)に当選すると、これに対応する「RBB4内部中遊技」へ移行する。
【0134】
特別ボーナス遊技は、大別すると、ビックボーナスであるRBB1遊技、及びRBB2遊技、レギュラーボーナスであるRBB3遊技、及びRBB4遊技から構成されている。「RBB1遊技」、「RBB2遊技」は、再遊技確率が低確率に設定され、内部中遊技の「RBB1内部中遊技」又は「RBB2内部中遊技」から移行する。「RBB3遊技」、「RBB4遊技」は、再遊技確率が「0」に設定され、内部中遊技の「RBB3内部中遊技」又は「RBB4内部中遊技」から移行する。
特別ボーナス遊技において、終了条件が成立すると、一般遊技に移行する。
終了条件としては、RBB1遊技、及びRBB2遊技(ビックボーナス)においては、「280枚」を超える払い出しで終了する。RBB3遊技、及びRBB4遊技(レギュラーボーナス)においては、「60枚」を超える払い出しで終了する。
【0135】
(遊技状態の移行)
次に、
図13を用いて遊技状態について説明する。
本実施の形態における遊技状態には、
図13に示すように、「通常遊技状態」及び「AT状態」がある。「AT状態」には、さらに、「AT準備状態」、「有利遊技状態」「上乗せ状態」が設けられている。
通常遊技状態は、AT状態以外の状態、すなわち非AT状態である。
「非AT状態」においても、「押し順ナビ」が出現し得るため、一見するとAT状態と区別が付き難いが、メダルは減る傾向、すなわち一時的に増えても基本減る方向であって、全体的な出玉率が100%未満であり、メダルが増える傾向にある「AT状態」とは異なる。
【0136】
通常遊技状態では、スイカ役やチェリー役などの当選を契機にAT抽選手段180によるAT抽選が行われている。そして、AT抽選に当選した場合はAT状態に移行する。
なお、通常遊技状態においては、メイン制御基板110における遊技として基本的にRT1遊技が行われている。
AT状態は、AT制御手段190により制御される状態である。このAT状態においては、当選した小役やリプレイ役の押し順が報知される押し順ナビが開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0137】
上述のとおり、AT状態には、「AT準備状態」、「有利遊技状態」「上乗せ状態」が設けられている。
AT準備状態は、通常遊技状態からまず初めに移行する状態である。AT準備状態においては、メイン制御基板110における遊技として基本的にRT2遊技が行われている。このAT準備状態かつRT2遊技においてRT3昇格リプレイ役(T3RP)が成立すると、次の遊技より「RT3遊技」へ移行する。すると、これを契機に、次の遊技から「有利遊技状態」(いわゆる「ART状態」)へ移行する。
【0138】
なお、AT準備状態は、一般遊技と独立して制御並びに進行し、例えば、AT準備状態中に、
図12に示すRT1遊技に滞在したり、RT1遊技からRT2遊技へ移行する場合がある。
有利遊技状態は、ストップスイッチ50の押し順が設定された抽選結果(役)に当選した場合に押し順(例えば、遊技者にとって有利な役が成立する特定の押し順)を報知する確率が高く設定されている状態である。
【0139】
有利遊技状態は、所定の区間、継続し、本実施の形態ではゲーム数により管理され、所定のゲーム数を消化することで終了し、通常遊技状態に移行する。初期ゲーム数は、有利遊技状態に移行時又は移行後に決定される。また、有利遊技状態から、後述する上乗せ状態に移行する場合もある。
【0140】
上乗せ状態は、有利遊技状態中に役抽選により所定の移行契機役に当選した場合に移行し、所定ゲーム数の間、有利遊技状態のゲーム数を上乗せするか否か及び上乗せするゲーム数を抽選により決定する。
そして、上乗せ状態は、移行時の抽選で決定されたゲーム数を消化した後、有利遊技状態に戻る。
【0141】
(有利遊技状態における特殊上乗せゲーム数の付与の流れについて)
(1)基本的な流れ
図14(A)に、有利遊技状態の開始から終了までの基本的な流れを示す。図中「G」の表記は「ゲーム」の略称である(以下に同じ)。
まず、有利遊技状態の開始時において、有利遊技状態の初期ゲーム数として50ゲームが付与される。具体的には、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に50が設定される。このATゲーム数カウンタのカウント値は毎ゲーム「1」が減算されている。
【0142】
次に5ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。例えばレア役Cに当選すると、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「2」に当選する場合がある。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。
次に20ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると基準区間設定手段260により基準ゲーム数抽選が実行される。例えばレア役Dに当選すると、当該レア役に対応する基準ゲーム数抽選テーブル261による基準ゲーム数抽選が行われ(
図10参照)、基準ゲーム数「5」に当選する場合がある。そして、決定された基準ゲーム数が基準ゲーム数カウンタ262に設定される。
【0143】
ここで、基準ゲーム数カウンタ262に基準ゲーム数が設定された場合、組み合わせ判定手段270は、既に設定された倍率との関係で所定の組み合わせ、具体的には、倍率「2」と基準ゲーム数「5」との組み合わせが成立したと判定する。これに伴い、上乗せ区間決定手段240は、倍率設定手段250により決定される倍率と基準区間設定手段260により決定される基準ゲーム数とを乗算し、特殊上乗せゲーム数を決定する。上述の例の場合、倍率「2」と基準ゲーム数「5」とを乗算した「10」が、特殊上乗せゲーム数として決定される。そして、決定された特殊上乗せゲーム数は、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に加算される。したがって、この時点で有利遊技状態の総ゲーム数は、初期ゲーム数から10ゲーム加算された60ゲームとなる。
【0144】
次に25ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。例えばレア役Fに当選すると、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「10」に当選する場合がある。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。
次に30ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると基準区間設定手段260により基準ゲーム数抽選が実行される。例えばレア役Aに当選すると、当該レア役に対応する基準ゲーム数抽選テーブル261による基準ゲーム数抽選が行われ(
図10参照)、基準ゲーム数「2」に当選する場合がある。そして、決定された基準ゲーム数が基準ゲーム数カウンタ262に設定される。
【0145】
ここで、基準ゲーム数カウンタ262に基準ゲーム数が設定された場合、組み合わせ判定手段270は、既に設定された倍率との関係で所定の組み合わせ、具体的には、倍率「10」と基準ゲーム数「2」との組み合わせが成立したと判定する。これに伴い、上乗せ区間決定手段240は、倍率設定手段250により決定される倍率と基準区間設定手段260により決定される基準ゲーム数とを乗算し、特殊上乗せゲーム数を決定する。上述の例の場合、倍率「10」と基準ゲーム数「2」とを乗算した「20」が、特殊上乗せゲーム数として決定される。そして、決定された特殊上乗せゲーム数は、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に加算される。したがって、この時点で有利遊技状態の総ゲーム数は60ゲームから20ゲーム加算された80ゲームとなる。
以上、有利遊技状態では、倍率と基準ゲーム数の両方が設定される度に、両者を乗算した値が特殊上乗せゲーム数として有利遊技状態に加算される。
【0146】
(2)実行されるバトル演出との関係
図14(A)と(B)を用いて、有利遊技状態において実行されるバトル演出との関係について説明する。
まず、倍率設定手段250による倍率抽選の結果、倍率が決定されると、当該倍率に対応する抽選テーブル(
図11(A)参照)によるキャラクタ抽選が実行される。5ゲーム目においては、倍率抽選の結果、倍率が「2」に決定されていることから、キャラクタ抽選により「キャラクタA」が決定する。この結果、表示装置84には遊技者側のキャラクタとしてキャラクタAの画像が表示される(
図14(A)及び(B)の(1)参照)。
【0147】
次に、基準区間設定手段260による基準ゲーム数抽選の結果、基準ゲーム数が決定されると、当該基準ゲーム数に対応する抽選テーブル(
図11(B)参照)によるキャラクタ抽選が実行される。20ゲーム目においては、基準ゲーム数抽選の結果、基準ゲーム数が「5」に決定されていることから、キャラクタ抽選により「キャラクタD」が決定する。この結果、表示装置84には遊技者側のキャラクタとしてキャラクタAに加えて、キャラクタDの画像が表示される(
図14(A)及び(B)の(2)参照)。
【0148】
続いて、表示装置84にはキャラクタA及びキャラクタDに加えて、バトル演出における対戦相手となるキャラクタX及びキャラクタYが表示され、遊技者側と敵側とに分かれてバトルを行うバトル演出が実行される(
図14(B)の(3)参照)。
そして、20ゲーム目においては、組み合わせ判定手段270により倍率と基準ゲーム数との組み合わせが成立したと判定され、特殊上乗せゲーム数の加算が決定されている。これに伴い、上述のバトル演出では遊技者側のキャラクタが勝利する演出が実行される。その結果、表示装置84には、遊技者側が勝利したことを示す画像と、特殊上乗せゲーム数が表示される(
図14(B)の(4)参照)。
以上、有利遊技状態では、倍率と基準ゲーム数の両方の決定に伴い、特殊上乗せゲーム数の獲得を盛り上げるバトル演出が実行される。
【0149】
(3)有利遊技状態の終了との関係
本実施の形態では、組み合わせ判定手段270により「倍率と基準ゲーム数のいずれか一方が設定されているが、両者の組み合わせが成立していない」と判定されている限り、有利遊技状態が終了しないように形成されている。すなわち、組み合わせ判定手段270により倍率と基準ゲーム数との組み合わせが成立したと判定されるまで、有利遊技状態が延長される。具体的な遊技の流れについて
図15を用いて説明する。
まず、有利遊技状態の開始時において、有利遊技状態の初期ゲーム数として50ゲームが付与される。具体的には、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に50が設定される。このATゲーム数カウンタのカウント値は毎ゲーム「1」が減算されている。
【0150】
次に10ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。例えばレア役Aに当選すると、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「2」に当選する場合がある。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。
次に20ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると基準区間設定手段260により基準ゲーム数抽選が実行される。例えばレア役Bに当選すると、当該レア役に対応する基準ゲーム数抽選テーブル261による基準ゲーム数抽選が行われ(
図10参照)、基準ゲーム数「5」に当選する場合がある。そして、決定された基準ゲーム数が基準ゲーム数カウンタ262に設定される。
【0151】
ここで、基準ゲーム数カウンタ262に基準ゲーム数が設定された場合、組み合わせ判定手段270は、既に設定された倍率との関係で所定の組み合わせ、具体的には、倍率「2」と基準ゲーム数「5」との組み合わせが成立したと判定する。これに伴い、上乗せ区間決定手段240は、倍率設定手段250により決定される倍率と基準区間設定手段260により決定される基準ゲーム数とを乗算し、特殊上乗せゲーム数を決定する。上述の例の場合、倍率「2」と基準ゲーム数「5」とを乗算した「10」が、特殊上乗せゲーム数として決定される。そして、決定された特殊上乗せゲーム数は、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に加算される。したがって、この時点で有利遊技状態の総ゲーム数は、初期ゲーム数から10ゲーム加算された60ゲームとなる。
【0152】
次に30ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。例えばレア役Eに当選すると、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「10」に当選する場合がある。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。
【0153】
その後、役抽選においてレア役に当選せず、60ゲーム目を終了したとする。この場合、倍率のみが設定され、基準ゲーム数は設定されてないことになる。したがって、組み合わせ判定手段270は、「倍率と基準ゲーム数のいずれか一方が設定されているが、両者の組み合わせが成立していない」と判定する。この判定により、60ゲームにおいてATゲーム数カウンタのカウント値は0となっているものの、有利遊技状態は終了せずに延長される。この際、ATゲーム数カウンタのカウント値に「1」が加算されるため、有利遊技状態が継続する。
【0154】
さらに、
図15においては、64ゲーム目までレア役に当選せず、基準ゲーム数が設定されることがないため、組み合わせ判定手段270により倍率と基準ゲーム数との組み合わせが成立したと判定されず、毎ゲーム有利遊技状態が延長されることになる。
そして、65ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると基準区間設定手段260により基準ゲーム数抽選が実行される。例えばレア役Aに当選すると、当該レア役に対応する基準ゲーム数抽選テーブル261による基準ゲーム数抽選が行われ(
図10参照)、基準ゲーム数「2」に当選する場合がある。そして、決定された基準ゲーム数が基準ゲーム数カウンタ262に設定される。
【0155】
また、基準ゲーム数カウンタ262に基準ゲーム数が設定された場合、組み合わせ判定手段270は、有利遊技状態が延長される前に設定された倍率との関係で所定の組み合わせ、具体的には、倍率「10」と基準ゲーム数「2」との組み合わせが成立したと判定する。これに伴い、上乗せ区間決定手段240は、倍率設定手段250により決定される倍率と基準区間設定手段260により決定される基準ゲーム数とを乗算し、特殊上乗せゲーム数を決定する。上述の例の場合、倍率「10」と基準ゲーム数「2」とを乗算した「20」が、特殊上乗せゲーム数として決定される。そして、決定された特殊上乗せゲーム数は、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に加算される。したがって、この時点で有利遊技状態の総ゲーム数は65ゲームから20ゲーム加算された85ゲームとなる。
【0156】
その後、85ゲームまで役抽選においてレア役に当選しない場合、新たに倍率は設定されておらず、また、基準ゲーム数も設定されていない。当該ゲームにおいてATゲーム数カウンタのカウント値は「0」であるが、組み合わせ判定手段270は、「倍率と基準ゲーム数のいずれか一方が設定されているが、両者の組み合わせが成立していない」と判定しておらず、有利遊技状態は延長しない。そのため、有利遊技状態は終了する。
本実施の形態では、既に倍率が設定されていれば、レア役に当選しなくとも有利遊技状態が延長される。したがって、レア役に不当選の場合であっても遊技者は有利遊技状態が延長するという恩恵を得ることができる。
【0157】
本実施の形態によれば、遊技者は倍率及び基準ゲーム数の両条件が設定される時期にも興味を持つことができる。例えば、有利遊技状態においては、先に倍率が設定されている場合は、基準ゲーム数が設定されずに有利遊技状態が継続する方が遊技者にとって有利となる場合もある。すなわち、遊技状態の終了時期をコントロール可能に形成することにより、豊富な遊技性を提供することができる。
【0158】
(4)上乗せ状態との関係
本実施の形態では、有利遊技状態中に上乗せ状態への移行抽選に当選すると上乗せ状態に移行する。そして、上乗せ状態ではレア役に当選した場合に通常上乗せゲーム数が付与される。ここで、上乗せ状態を含めた具体的な遊技の流れについて
図16を用いて説明する。
まず、有利遊技状態の開始時において、有利遊技状態の初期ゲーム数として50ゲームが付与される。具体的には、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に50が設定される。このATゲーム数カウンタのカウント値は毎ゲーム「1」が減算されている。
【0159】
次に5ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。例えばレア役Cに当選すると、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「2」に当選する場合がある。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。
【0160】
次に20ゲーム目において役抽選により所定の移行契機役に当選した場合、次の遊技から10ゲームの上乗せ状態に移行する。上乗せ状態では、役抽選の結果、レア役に当選する度に実行される上乗せ抽選によって通常上乗せゲーム数を獲得することができる。
図16においては、21ゲーム目から30ゲーム目にかけて上乗せ状態の遊技が実行され、その結果、合計で35ゲームの通常上乗せゲーム数が獲得できた。すると、獲得された通常上乗せゲーム数は、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に加算される。したがって、この時点で有利遊技状態の総ゲーム数は、初期ゲーム数から35ゲーム加算された85ゲームとなる。
【0161】
上乗せ状態が終了し、再び有利遊技状態に移行した際、例えば40ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると基準区間設定手段260により基準ゲーム数抽選が実行される。例えばレア役Bに当選すると、当該レア役に対応する基準ゲーム数抽選テーブル261による基準ゲーム数抽選が行われ(
図10参照)、基準ゲーム数「5」に当選する場合がある。そして、決定された基準ゲーム数が基準ゲーム数カウンタ262に設定される。
【0162】
ここで、基準ゲーム数カウンタ262に基準ゲーム数が設定された場合、組み合わせ判定手段270は、既に設定された倍率との関係で所定の組み合わせ、具体的には、倍率「2」と基準ゲーム数「5」との組み合わせが成立したと判定する。これに伴い、上乗せ区間決定手段240は、倍率設定手段250により決定される倍率と基準区間設定手段260により決定される基準ゲーム数とを乗算し、特殊上乗せゲーム数を決定する。上述の例の場合、倍率「2」と基準ゲーム数「5」とを乗算した「10」が、特殊上乗せゲーム数として決定される。そして、決定された特殊上乗せゲーム数は、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に加算される。したがって、この時点で有利遊技状態の総ゲーム数は85ゲームから10ゲーム加算された95ゲームとなる。
【0163】
本実施の形態によれば、有利遊技状態の途中に上乗せ状態に移行した場合でも、倍率の設定を有効とし、上乗せ状態終了後の組み合わせ判定手段270による判定に反映させることが可能である。
なお、一般的に、基本となる有利遊技状態(ART状態)から、上乗せ状態(特化ゾーン)へ移行すると、背景画面や登場キャラクタ、BGMなどの楽曲が転換する場合がある。この様な場合、倍率に対するキャラクタを登場させたままであると、上乗せ状態の演出とマッチしない恐れが生じる。そこで、上乗せ状態は有利遊技状態とは演出を別扱いとし、上乗せ状態に移行すると、表示装置84に表示中のキャラクタが一旦消去されて、上乗せ状態において通常上乗せゲーム数を獲得したとしても、既に設定されている倍率と乗算されると誤認しないようにしている。なお、上乗せ状態から有利遊技状態に戻ると、一旦消去されたキャラクタは再び表示されることになる。
【0164】
なお、上乗せ状態においては、特殊上乗せゲーム数の決定はされないものの、レア役の当選を契機に倍率の設定のみを行ってもよい。
(遊技機10の作動)
図17に示すフローチャートに基づいて、制御装置100が1回の遊技毎に実行する処理について説明する。
先ず、ステップ100において、賭け数設定処理が行われる。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御基板110により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数に達しているか否かの判定が行われる。本実施の形態では、規定の賭け数は3枚である。なお、前回の遊技でリプレイ役の図柄61の組み合わせが有効ライン86上に揃った場合には、自動的に賭け数が設定される。規定の賭け数が設定された場合に、次のステップ101に進む。規定の賭け数が設定されていない場合には当該ステップに留まることになる。
【0165】
ステップ101において、メイン制御基板110により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御基板110により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。また、スタートスイッチ40が操作されると、遊技が開始された旨を示す遊技開始情報がサブ制御基板300に送信される。そして、次のステップ102に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ101となる。
【0166】
ステップ102において、役抽選手段120により、役抽選処理が行われる。役抽選処理が終了すると、次のステップ103に進む。
ステップ103において、リール制御手段130により、回転リール62の回転変動処理が行われる。ここで、回転リール62が回転を開始する際に役抽選の結果を示す抽選結果情報がサブ制御基板300に送信される。そして、回転リール62が所定の回転速度に達すると、次のステップ104に進む。
【0167】
ステップ104において、メイン制御基板110により、ストップスイッチ50が操作されたか否かが判定される。ストップスイッチ50の操作があったと判定された場合、次のステップ105に進む。一方、ステップ104で、ストップスイッチ50が操作されたと判定されなかった場合、ストップスイッチ50が操作されるまで、ステップ104を繰り返す待機処理が行われる。
【0168】
ステップ105において、リール制御手段130により、操作されたストップスイッチ50に対応する停止テーブルを取得し、対応する回転リール62の回転停止処理が行われる。ストップスイッチ50が操作された際、押し順が設定されている役の重複当選領域に当選している場合には、操作されたストップスイッチ50の押し順が正解であれば、正解の役の図柄61を引き込む停止テーブルが用いられ、操作されたストップスイッチ50の押し順が不正解ならば、不正解の役の図柄61を引き込む停止テーブルが用いられる。
【0169】
なお、左ストップスイッチLが操作されると左回転リール64の停止した図柄61の図柄番号を示す左停止操作情報がサブ制御基板300に送信され、中ストップスイッチCが操作されると中回転リール66の停止した図柄61の図柄番号を示す中停止操作情報がサブ制御基板300に送信され、右ストップスイッチRが操作されると右回転リール68の停止した図柄61の図柄番号を示す右停止操作情報がサブ制御基板300に送信される。そして、回転リール62が停止したら、次のステップ106に進む。
【0170】
ステップ106において、全ての回転リール62が停止したか否かが判定される。全ての回転リール62が停止したと判定された場合、次のステップ107に進む。一方、ステップ106で、全ての回転リール62が停止したと判定されなかった場合、ステップ104へ戻る。ここで、第3番目のストップスイッチ50の停止操作が行われると、メイン制御基板110からサブ制御基板300へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、次のステップ107に進む。
【0171】
ステップ107において、停止表示された図柄61の組み合わせに応じた処理が行われる。具体的には、払出制御手段210により、入賞している役に対応した枚数のメダルの払い出し処理が行われる。なお、払い出しが不要な場合には、払出処理は行われない。そして、1回の遊技毎に実行する処理を終了する。
【0172】
(特殊上乗せゲーム数獲得処理)
次に、
図18及び
図19に示すフローチャートに基づいて、メイン制御基板110において1ゲーム中に実行される、特殊上乗せゲーム数獲得処理について説明する。
図18に示すとおり、まず、ステップ200において、スタートスイッチ40が操作されたか否かが判定される。スタートスイッチ40が操作されたと判定された場合は、次のステップ201に進む。一方、スタートスイッチ40が操作されたと判定されていない場合は、ステップ200を繰り返す。
【0173】
ステップ201において、役抽選が実行される。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、役抽選の結果、レア役に当選しているか否かが判定される。レア役に当選していると判定された場合、すなわち
図9に示す、スイカ役やチェリー役に当選していると判定された場合は、次のステップ203に進む。一方、役抽選の結果、レア役に当選していないと判定された場合、すなわち
図9に示す、スイカ役やチェリー役のいずれにも当選していないと判定された場合は、ステップ214に進む。
【0174】
ステップ203において、組み合わせ判定手段270により特殊上乗せフラグがONか否か、すなわち、倍率カウンタに倍率が設定されているか否かが判定される。特殊上乗せフラグがONの場合は、ステップ208に進む。一方、特殊上乗せフラグがONではない、すなわち、OFFの場合は、次のステップ204に進む。
ステップ204において、倍率設定手段250による倍率抽選が実行される。この倍率抽選では、役抽選にて当選したレア役に対応する倍率抽選テーブル251による抽選が実行される。そして、次のステップ205に進む。
【0175】
ステップ205において、倍率抽選に当選したか否か、具体的には、倍率抽選の結果、当選値が0より大きいか否かが判定される。なお、本実施の形態では、
図9に示すように倍率抽選の結果、倍率が0になることはないが、特定のレア役又は全てのレア役の倍率抽選テーブル251において、「0」を当選領域に加えてもよい。倍率抽選に当選したと判定された場合は次のステップ206に進む。一方、倍率抽選に当選していないと判定された場合、ステップ214に進む。
【0176】
ステップ206において、倍率抽選の結果、決定された値が倍率カウンタ252に設定される。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、特殊上乗せフラグが「OFF」から「ON」に設定される。そして、ステップ214に進む。
一方、ステップ203において、特殊上乗せフラグがONの場合、ステップ208において、基準区間設定手段260による基準ゲーム数抽選が実行される。この基準ゲーム数抽選では、役抽選にて当選したレア役に対応する基準ゲーム数抽選テーブル261による抽選が実行される。そして、次のステップ209に進む。
【0177】
ステップ209において、基準ゲーム数抽選に当選したか否か、具体的には、基準ゲーム数抽選の結果、当選値が0より大きいか否かが判定される。なお、本実施の形態では、
図10に示すようにレア役C及びレア役F以外、基準ゲーム数が0になることはないが、レア役C及びレア役Fの基準ゲーム数抽選テーブル261において、「0」を当選領域に加えてもよい。また、レア役A、B、D及びEの基準ゲーム数抽選テーブル261において、「0」以外の値を当選領域に加えてもよい。基準ゲーム数抽選に当選したと判定された場合は次のステップ210に進む。一方、基準ゲーム数抽選に当選していないと判定された場合、ステップ214に進む。
【0178】
ステップ210において、基準ゲーム数抽選の結果、決定された値が基準ゲーム数カウンタ262に設定される。そして、その結果、組み合わせ判定手段270は、「所定の組み合わせ」、換言すると倍率と基準ゲーム数との組み合わせが成立したと判定する。そして、次のステップ211に進む。
【0179】
ステップ211では、組み合わせ判定手段270の判定結果を受けて、上乗せ区間決定手段240が、倍率設定手段250により決定された倍率と基準区間設定手段260により決定された基準ゲーム数との乗算値を算出する。この乗算値が、特殊上乗せゲーム数として決定されるのである。そして次のステップ212に進む。
ステップ212において、ATゲーム数カウンタに、上乗せ区間決定手段240が算出した乗算値、すなわち、特殊上乗せゲーム数を加算する。そして、次のステップ213に進む。
【0180】
ステップ213において、特殊上乗せフラグが「ON」から「OFF」に設定される。そして、ステップ214に進む。
続いて
図19に示すように、ステップ214において、ATゲーム数カウンタのカウント値から「1」が減算される。そして、次のステップ215に進む。
ステップ215において、ATゲーム数カウンタのカウント値が「0」であるか否かが判定される。ATゲーム数カウンタのカウント値が「0」と判定された場合、次のステップ216に進む。一方、ATゲーム数カウンタのカウント値が「0」ではないと判定された場合、当該ゲームにおける特殊上乗せゲーム数獲得処理は終了する。
【0181】
ステップ216において、組み合わせ判定手段270により特殊上乗せフラグがONか否かが判定される。このステップ216において、特殊上乗せフラグがONの場合とは、倍率と基準ゲーム数のいずれか一方が設定されているが、両者の組み合わせが成立していないことを意味する。特殊上乗せフラグがONの場合は、ステップ218に進む。一方、特殊上乗せフラグがONではない、すなわち、OFFの場合は、次のステップ217に進む。
【0182】
ステップ217において、有利遊技状態の終了を設定する処理が行われる、そして当該ゲームにおける特殊上乗せゲーム数獲得処理は終了する。
一方、ステップ216において特殊上乗せフラグがONと判定された場合、ステップ218において、ATゲーム数カウンタのカウント値に「1」が加算される。これにより、次の遊技まで有利遊技状態は延長することになる。そして当該ゲームにおける特殊上乗せゲーム数獲得処理は終了する。
【0183】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、倍率が設定され、その後基準ゲーム数が設定されるまでの間に追加倍率の設定を可能としたものである。
以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
【0184】
(倍率設定手段250)
本実施の形態の倍率設定手段250は、倍率抽選に加えて、追加で獲得可能な追加倍率を決定するための追加倍率抽選を実行する。第1の実施の形態と同様に、倍率設定手段250は、倍率抽選テーブル251を備えているが、
図9に示す倍率抽選用のテーブルに加えて、追加倍率抽選用のテーブルを備えている。
【0185】
倍率抽選テーブル251における、倍率抽選とレア役との関係、及び追加倍率抽選とレア役との関係については、
図20のとおりである。倍率抽選は、役抽選においてレア役Aからレア役Fまでの各レア役に当選した場合に実行されるが、追加倍率抽選は、役抽選においてレア役C及びレア役Fに当選した場合のみ実行される。
【0186】
図21は、倍率抽選テーブル251のうち追加倍率抽選に係るテーブルの全領域を256とした場合の当選領域の範囲を数値で示したものである。レア役C及びレア役Fのテーブルでは、2倍、4倍、6倍及び10倍が当選対象とされており、当選対象とされる倍率が大きくなるほど、当選確率が低く設定されている。一方、レア役A、レア役B、レア役D及びレア役Eの場合は追加倍率を設定することができないことから、当該レア役に対応するテーブルでは、0倍が唯一の当選対象とされている。なお、役抽選によりレア役A、レア役B、レア役D又はレア役Eに当選した場合、追加倍率抽選を実行しないように形成してもよい。
【0187】
なお、倍率抽選テーブル251のうち倍率抽選に係るテーブルについては、
図9と同じである。
倍率カウンタ252では、倍率抽選において決定された倍率に加え、追加倍率抽選において決定された追加倍率も設定することができる。この場合、倍率カウンタ252は、倍率及び追加倍率が決定する都度、当該決定された倍率値を累積する。例えば、倍率抽選の結果が4倍であり、追加倍率抽選の結果が2倍、さらに行われた追加倍率抽選の結果が10倍の場合、倍率カウンタ252のカウント値は各倍率値の累積値である16倍となる。
(画像記憶手段330)
上述のとおり、画像記憶手段330においては、倍率に対応するキャラクタが記憶されている。ここで、追加倍率に対応するキャラクタについては、倍率に対応するキャラクタと同じである。したがって、追加倍率に対応するキャラクタを決定する抽選テーブルは、
図11(A)に示すとおりである。
【0188】
(有利遊技状態における特殊上乗せゲーム数の付与の流れについて)
図22に、本実施の形態における有利遊技状態の開始から終了までの基本的な流れを示す。なお、
図22では、倍率決定後、追加倍率を2回決定し、その後基準ゲーム数が決定される例である。
まず、有利遊技状態の開始時において、有利遊技状態の初期ゲーム数として50ゲームが付与される。具体的には、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に50が設定される。このATゲーム数カウンタのカウント値は毎ゲーム「1」が減算されている。
【0189】
次に5ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。ここではレア役Aに当選しており、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「2」に決定されている。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。また、倍率が決定されると、当該倍率に対応する抽選テーブル(
図11(A)参照)によるキャラクタ抽選が実行される。5ゲーム目においては、倍率抽選の結果、倍率が「2」に決定されていることから、キャラクタ抽選により「キャラクタA」が決定する。この結果、表示装置84には遊技者側のキャラクタとしてキャラクタAが登場する。
【0190】
次に20ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により追加倍率抽選が実行される。ここではレア役Cに当選しており、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図21参照)による追加倍率抽選が行われ、追加倍率「2」に決定されている。そして、決定された追加倍率が倍率カウンタ252に加算される。すなわち、倍率は「4」となる。また、追加倍率が加算されると、当該加算された倍率に対応する抽選テーブル(
図11(A)参照)によるキャラクタ抽選が実行される。20ゲーム目においては、追加倍率抽選の結果、倍率が「4」となったことから、キャラクタ抽選により「キャラクタA」が決定する。そして、表示装置84には既にキャラクタAが登場していることから、演出としてキャラクタの変更は行われない。
【0191】
次に25ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により追加倍率抽選が実行される。ここではレア役Fに当選しており、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図21参照)による追加倍率抽選が行われ、追加倍率「6」に決定されている。そして、決定された追加倍率が倍率カウンタ252に加算される。すなわち、倍率は「10」となる。また、追加倍率が加算されると、当該加算された倍率に対応する抽選テーブル(
図11(A)参照)によるキャラクタ抽選が実行される。25ゲーム目においては、追加倍率抽選の結果、倍率が「10」となったことから、キャラクタ抽選により「キャラクタA」か「キャラクタB」が選ばれる。ここでは、「キャラクタB」に決定されており、表示装置84においてはキャラクタAからキャラクタBへの変更が行われる。
【0192】
次に30ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると基準区間設定手段260により基準ゲーム数抽選が実行される。ここではレア役Bに当選しており、当該レア役に対応する基準ゲーム数抽選テーブル261による基準ゲーム数抽選が行われ(
図10参照)、基準ゲーム数「10」に決定されている。そして、決定された基準ゲーム数が基準ゲーム数カウンタ262に設定される。
【0193】
ここで、基準ゲーム数カウンタ262に基準ゲーム数が設定された場合、組み合わせ判定手段270は、既に設定された倍率との関係で所定の組み合わせ、具体的には、最初に設定された倍率「2」と基準ゲーム数「10」との組み合わせが成立したと判定する。これに伴い、上乗せ区間決定手段240は、倍率設定手段250により決定される倍率と基準区間設定手段260により決定される基準ゲーム数とを乗算し、特殊上乗せゲーム数を決定する。上述の例の場合、複数回の設定による倍率「10」と基準ゲーム数「10」とを乗算した「100」が、特殊上乗せゲーム数として決定される。そして、決定された特殊上乗せゲーム数は、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に加算される。したがって、この時点で有利遊技状態の総ゲーム数は、初期ゲーム数から100ゲーム加算された150ゲームとなる。
【0194】
(特殊上乗せゲーム数獲得処理)
次に、
図23及び
図24に示すフローチャートに基づいて、メイン制御基板110において1ゲーム中に実行される、特殊上乗せゲーム数獲得処理について説明する。
図23のステップ300からステップ307については、第1の実施の形態におけるフロー(
図18参照)のステップ200から207にかけてと同様につき、説明を割愛する。
一方、ステップ303において、特殊上乗せフラグがONの場合、ステップ308において、倍率設定手段250による追加倍率抽選が実行される。この追加倍率抽選では、役抽選にて当選したレア役に対応する倍率抽選テーブル251(追加倍率用テーブル)による抽選が実行される。そして、次のステップ309に進む。
【0195】
ステップ309において、追加倍率抽選の結果、決定された値が倍率カウンタ252のカウント値に加算される。そして、次のステップ310に進む。
ステップ310からステップ315については、第1の実施の形態におけるフロー(
図18参照)のステップ208から213と、及びステップ316からステップ320については、第1の実施の形態におけるフロー(
図19参照)のステップ214から218と同様につき、説明を割愛する。
【0196】
以上のように、本実施の形態では既に倍率が設定されている場合であっても基準ゲーム数が設定されるまでの間、追加倍率抽選が実行される。そして、追加倍率が決定される都度、倍率が加算されるため、遊技者は基準ゲーム数決定時に、より大きな特殊上乗せゲーム数を獲得できるという期待を持って遊技を行うことができる。
また、本実施の形態のように、役抽選の結果だけでなく、既に決定された倍率も追加倍率の決定に関与させることにより、特殊上乗せゲーム数のバリエーションを増やすことができる。
【0197】
なお、本実施の形態では追加倍率が決定する都度、決定された追加倍率の値が倍率カウンタ252のカウント値に加算されるが、これに限らない。例えば、追加倍率が決定する都度、倍率カウンタ252のカウント値を決定された追加倍率の値に更新してもよい。例えば、倍率抽選で倍率「4」に決定された後、追加倍率抽選で倍率「2」に決定された場合は、倍率カウンタ252のカウント値は「2」となる。また、追加倍率が決定した際、決定された追加倍率の値が現在の倍率値を上回った時だけ更新してもよい。例えば、倍率抽選で倍率「4」に決定された後、追加倍率抽選で倍率「10」に決定された場合は、倍率カウンタ252のカウント値は「10」となる。
【0198】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、有利遊技状態のゲーム数が「0」になった場合、倍率が設定されている場合であっても有利遊技状態を終了させるものである。
以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
(カウント手段280)
カウント手段280は、有利遊技状態のゲーム数をカウントするものである。
第1の実施の形態とは異なり、有利遊技状態は延長されないことから、カウント手段280は、ATゲーム数カウンタのカウント値が0の場合に、ATゲーム数カウンタに「1」を加算する更新処理を行うことはない。
【0199】
(有利遊技状態における特殊上乗せゲーム数の付与の流れについて)
(1)基本的な流れ
図25(A)に、有利遊技状態の開始から終了までの基本的な流れを示す。
まず、有利遊技状態の開始時において、有利遊技状態の初期ゲーム数として50ゲームが付与される。具体的には、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に50が設定される。このATゲーム数カウンタのカウント値は毎ゲーム「1」が減算されている。
【0200】
次に10ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。例えばレア役Bに当選すると、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「2」に当選する場合がある。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。
次に20ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると基準区間設定手段260により基準ゲーム数抽選が実行される。例えばレア役Bに当選すると、当該レア役に対応する基準ゲーム数抽選テーブル261による基準ゲーム数抽選が行われ(
図10参照)、基準ゲーム数「5」に当選する場合がある。そして、決定された基準ゲーム数が基準ゲーム数カウンタ262に設定される。
【0201】
ここで、基準ゲーム数カウンタ262に基準ゲーム数が設定された場合、組み合わせ判定手段270は、既に設定された倍率との関係で所定の組み合わせ、具体的には、倍率「2」と基準ゲーム数「5」との組み合わせが成立したと判定する。これに伴い、上乗せ区間決定手段240は、倍率設定手段250により決定される倍率と基準区間設定手段260により決定される基準ゲーム数とを乗算し、特殊上乗せゲーム数を決定する。上述の例の場合、倍率「2」と基準ゲーム数「5」とを乗算した「10」が、特殊上乗せゲーム数として決定される。そして、決定された特殊上乗せゲーム数は、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に加算される。したがって、この時点で有利遊技状態の総ゲーム数は、初期ゲーム数から10ゲーム加算された60ゲームとなる。
【0202】
次に30ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。例えばレア役Fに当選すると、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「10」に当選する場合がある。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。
その後、有利遊技状態の最後のゲーム数である60ゲーム目までレア役に当選せず、基準ゲーム数が設定されなければ、有利遊技状態は終了する。この場合、30ゲーム目において倍率カウンタ252に設定された倍率「10」については、所定の組み合わせになる基準ゲーム数が決定されていないため、特殊上乗せゲーム数に使用されることはない。そして、倍率カウンタ252に設定された倍率「10」については、有利遊技状態の終了時点で破棄される、すなわち「0」に初期化されるため、次に有利遊技状態に移行した際には無効となっている。つまり、再び有利遊技状態に移行した場合は、また倍率から獲得する必要があるのである。
【0203】
(2)実行されるバトル演出との関係
図25(A)と(B)を用いて、有利遊技状態において実行されるバトル演出との関係について説明する。
まず、倍率設定手段250による倍率抽選の結果、倍率が決定されると、当該倍率に対応する抽選テーブル(
図11(A)参照)によるキャラクタ抽選が実行される。10ゲーム目においては、倍率抽選の結果、倍率が「2」に決定されていることから、キャラクタ抽選により「キャラクタA」が決定する。この結果、表示装置84には遊技者側のキャラクタとしてキャラクタAの画像が表示される。
【0204】
次に、基準区間設定手段260による基準ゲーム数抽選の結果、基準ゲーム数が決定されると、当該基準ゲーム数に対応する抽選テーブル(
図11(B)参照)によるキャラクタ抽選が実行される。20ゲーム目においては、基準ゲーム数抽選の結果、基準ゲーム数が「10」に決定されていることから、キャラクタ抽選により「キャラクタD」か「キャラクタE」が決定する。ここで、
図25(B)の例では、「キャラクタE」に決定されている。そして、表示装置84には遊技者側のキャラクタとしてキャラクタAに加えて、キャラクタEの画像が表示される。
【0205】
続いて、表示装置84にはキャラクタA及びキャラクタEに加えて、バトル演出における対戦相手となるキャラクタX及びキャラクタYが表示され、遊技者側と敵側とに分かれてバトルを行うバトル演出が実行される。
そして、20ゲーム目においては、組み合わせ判定手段270により倍率と基準ゲーム数との組み合わせが成立したと判定され、特殊上乗せゲーム数の加算が決定されている。これに伴い、上述のバトル演出では遊技者側のキャラクタが勝利する演出が実行される。その結果、表示装置84には、遊技者側が勝利したことを示す画像と、特殊上乗せゲーム数が表示される(
図25(A)及び(B)の(1)参照)。
【0206】
次に、30ゲームにおいて、再び倍率設定手段250による倍率抽選が実行され、倍率が決定されると、当該倍率に対応する抽選テーブル(
図11(A)参照)によるキャラクタ抽選が実行される。30ゲーム目においては、倍率抽選の結果、倍率が「10」に決定されていることから、キャラクタ抽選により「キャラクタA」か「キャラクタB」が決定する。ここで、
図25(B)の例では、「キャラクタB」に決定されている。この結果、表示装置84には遊技者側のキャラクタとしてキャラクタBの画像が表示される(
図25(A)及び(B)の(2)参照)。
【0207】
そして、上述のとおり、有利遊技状態の最後のゲーム数である60ゲーム目までレア役に当選しなかった場合、当該ゲームにおいて、表示装置84にはキャラクタBに加えて、バトル演出における対戦相手となるキャラクタX及びキャラクタYが表示され、遊技者側と敵側とに分かれてバトルを行うバトル演出が実行される。
【0208】
そして、60ゲーム目においては、組み合わせ判定手段270により倍率と基準ゲーム数との組み合わせが成立していないと判定されていることから、上述のバトル演出では遊技者側のキャラクタが敗北する演出が実行される。ここでは、本来タッグバトルであったところ、1対2のバトルが行われて敗北する演出が行われる。その結果、表示装置84には、遊技者側が敗北したことを示す画像と、「LOST!」の文字が表示されることで、設定された倍率が破棄される旨が遊技者に報知されることになる(
図25(A)及び(B)の(4)参照)。
以上、有利遊技状態では、倍率と基準ゲーム数の両方の決定に伴い、特殊上乗せゲーム数の獲得を盛り上げるバトル演出が実行される。
【0209】
(特殊上乗せゲーム数獲得処理)
次に、
図26及び
図27に示すフローチャートに基づいて、メイン制御基板110において1ゲーム中に実行される、特殊上乗せゲーム数獲得処理について説明する。
図26のステップ400からステップ413については、第1の実施の形態におけるフロー(
図18参照)のステップ200から213にかけてと同様につき、説明を割愛する。
続いて
図27に示すように、ステップ414において、ATゲーム数カウンタのカウント値から「1」が減算される。そして、次のステップ415に進む。
【0210】
ステップ415において、ATゲーム数カウンタのカウント値が「0」であるか否かが判定される。ATゲーム数カウンタのカウント値が「0」と判定された場合、次のステップ416に進む。一方、ATゲーム数カウンタのカウント値が「0」ではないと判定された場合、当該ゲームにおける特殊上乗せゲーム数獲得処理は終了する。
ステップ416において、有利遊技状態の終了を設定する処理が行われる、そして当該ゲームにおける特殊上乗せゲーム数獲得処理は終了する。
【0211】
本実施の形態では、有利遊技状態の終了時点で倍率のみが設定されていた場合、所定の組み合わせになる基準ゲーム数が決定されていないことから、倍率カウンタ252に設定された倍率が特殊上乗せゲーム数に使用されることはない。したがって、倍率カウンタ252に設定された倍率については、有利遊技状態の終了時点で破棄、すなわち「0」に初期化されることになる。しかしながら、レア役に当選しても有利な恩恵を受けられない場合、遊技者は「損をした」との心証を受ける可能性がある。そこで、本実施の形態の変形例として、有利遊技状態の終了時点で倍率のみが設定されていた場合、倍率カウンタ252に設定された倍率を破棄、すなわち「0」に初期化する代わりに、特殊上乗せゲーム数とは異なる恩恵を付与するものを採用することができる。
【0212】
具体的には、前記恩恵として、有利遊技状態を継続させるか否かを決定する継続抽選を実行することが可能である。ここで、継続抽選においては、倍率カウンタ252に設定された倍率に応じて当選確率を変えることができる。例えば、特殊上乗せゲーム数として使用されることのなかった倍率が「2」〜「8」の場合、継続抽選の当選確率を30%とし、特殊上乗せゲーム数として使用されることのなかった倍率が「10」〜「20」の場合、継続抽選の当選確率を70%とし、特殊上乗せゲーム数として使用されることのなかった倍率が「50」の場合、継続抽選の当選確率を100%、すなわち、継続確定とすることができる。
【0213】
本実施の形態の変形例によれば、遊技者はレア役に当選しても「損をした」との心証を受けることがない。また、倍率が特殊上乗せゲーム数に使用される場合、されない場合に係らず、遊技者は設定される倍率に関心を示すことができる。なお、恩恵としては、有利遊技状態の継続抽選の他、非ATの遊技においてATへの移行抽選が行われるチャンスゾーン(例えば、自力解除ゾーンなど)への移行権利の獲得、ART遊技やボーナス遊技が長期間実行されない場合の救済措置である、いわゆる天井のゲーム数の減算などを採用することができる。
【0214】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、倍率設定手段250により設定された倍率を段階的に報知させるものである。
以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
【0215】
(有利遊技状態における特殊上乗せゲーム数の付与の流れについて)
図28に、本実施の形態における有利遊技状態の開始から終了までの基本的な流れを示す。なお、
図28では、倍率決定後、3段階に渡り倍率を示唆する演出が実行される例である。
まず、有利遊技状態の開始時において、有利遊技状態の初期ゲーム数として50ゲームが付与される。具体的には、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に50が設定される。このATゲーム数カウンタのカウント値は毎ゲーム「1」が減算されている。
【0216】
まず、5ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。例えばレア役Fに当選すると、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「50」に当選する場合がある。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。一方、表示装置84には遊技者側のキャラクタとして、倍率「50」を示唆するキャラクタCではなく、倍率「2」から「20」を示唆するキャラクタAが登場する(
図11(A)参照)。
【0217】
次に8ゲーム目に役抽選で特定役(特定のATベル)に当選した場合、レア役ではないため倍率設定手段250により倍率抽選は実行されない。しかしながら、5ゲーム目に既に倍率が決定しているため、特定役の当選を契機として報知倍率の変更が行われる。この例では、表示装置84には遊技者側のキャラクタとして、キャラクタAに変えて、倍率「10」、「15」又は「20」を示唆するキャラクタBが登場する。
【0218】
さらに10ゲーム目に役抽選で特定役に当選した場合、上述のとおり、レア役ではないため倍率設定手段250により倍率抽選は実行されない。しかしながら、特定役の当選を契機として報知倍率の変更が行われる。この例では、表示装置84には遊技者側のキャラクタとして、キャラクタBに変えて、倍率「50」を示唆するキャラクタCが登場する。すなわち、当該ゲームにおいて、倍率設定手段250により設定された本来の倍率と同じ「50」が報知されることになる。
【0219】
次に30ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると基準区間設定手段260により基準ゲーム数抽選が実行される。例えばレア役Aに当選すると、当該レア役に対応する基準ゲーム数抽選テーブル261による基準ゲーム数抽選が行われ(
図10参照)、基準ゲーム数「2」に当選する場合がある。そして、決定された基準ゲーム数が基準ゲーム数カウンタ262に設定される。
【0220】
ここで、基準ゲーム数カウンタ262に基準ゲーム数が設定された場合、組み合わせ判定手段270は、既に設定された倍率との関係で所定の組み合わせ、具体的には、倍率「50」と基準ゲーム数「2」との組み合わせが成立したと判定する。これに伴い、上乗せ区間決定手段240は、倍率設定手段250により決定される倍率と基準区間設定手段260により決定される基準ゲーム数とを乗算し、特殊上乗せゲーム数を決定する。上述の例の場合、倍率「50」と基準ゲーム数「2」とを乗算した「100」が、特殊上乗せゲーム数として決定される。そして、決定された特殊上乗せゲーム数は、カウント手段280において、ATゲーム数カウンタのカウント値に加算される。したがって、この時点で有利遊技状態の総ゲーム数は、初期ゲーム数から100ゲーム加算された150ゲームとなる。
【0221】
本実施の形態によれば、倍率設定手段250により設定された倍率を段階的に報知することで、遊技者の期待を徐々に高めることが可能となる。なお、段階的に報知する倍率は、常にアップするだけでなく、一旦ダウンした後に再びアップさせてもよい。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は、通常遊技状態において、組み合わせ判定手段270による判定を有利遊技状態への移行契機に利用するものである。
以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
【0222】
(サブ制御基板300)
図29に、本実施の形態のメイン制御基板110のブロック図を示す。メイン制御基板110は、役抽選手段120、リール制御手段130、一般遊技制御手段150、RT制御手段160、ボーナス制御手段170、AT抽選手段180、AT制御手段190、リール演出制御手段200、払出制御手段210、上乗せ区間決定手段240、上乗せポイント決定手段245、倍率設定手段250、基準ポイント設定手段265、組み合わせ判定手段270及びカウント手段280の各手段を有する。
【0223】
(AT抽選手段180)
AT抽選手段180は、所定の役に当選したことを契機に遊技状態を有利遊技状態であるAT状態に移行させるか否かの決定を行うものである。具体的には、AT抽選手段180は、AT状態への移行契機となる抽選(AT抽選)を行い、当該抽選に当選することでAT状態への移行を決定する。
また、AT抽選手段180は、後述するポイント数が所定の閾値を超えた場合にもAT抽選を実行するものである。
【0224】
(上乗せポイント決定手段245)
上乗せポイント決定手段245は、通常遊技状態において付与されるポイントである通常ポイント数及び上乗せポイント数を決定するものである。
通常ポイント数は、役抽選の結果、特定の役に当選した場合に実行されるポイント数抽選に当選することにより決定される。ポイント数抽選では、1ポイントから10ポイントの範囲内で決定される。
【0225】
上乗せポイント数は、倍率設定手段250により決定された倍率と、後述する基準ポイント設定手段265により決定された基準ポイント数とを乗算することにより決定される。ここで、上乗せポイント数は、組み合わせ判定手段270により基準ポイント数と倍率との組み合わせが成立したと判定された場合に決定する。この上乗せポイント数は、通常ポイント数よりも大きくなるように設定するのが望ましい。
【0226】
(基準ポイント設定手段265)
基準ポイント設定手段265は、前記上乗せポイント数の基準となる基準ポイント数を設定するためのものである。この基準ポイント設定手段265は、基準ポイント数抽選テーブル266と、基準ポイント数カウンタ267を備えている。
基準ポイント数抽選テーブル266は、所定のレア役に当選した場合に実行される基準ポイント数抽選において使用されるものである。
【0227】
基準ポイント数カウンタ267は、基準ポイント数抽選において決定された基準ポイント数を設定するためのものである。前述の倍率カウンタ252の値と基準ポイント数カウンタ267の値を乗算した値が、上乗せポイント数となる。
【0228】
(組み合わせ判定手段270)
組み合わせ判定手段270は、基準ポイント数と倍率とを一対とする所定の組み合わせが成立したか否かを判定するものである。判定方法については、基準ゲーム数の場合と同様につき、説明を割愛する。
(カウント手段280)
カウント手段280は、有利遊技状態のゲーム数をカウントためのATゲーム数カウンタの他に、通常遊技状態において獲得されるポイント数をカウントするためのポイント数カウンタを備えている。
【0229】
(通常遊技状態におけるポイント数の付与の流れについて)
図30に、通常遊技状態の開始から終了までの基本的な流れを示す。図中「Pt」の表記は「ポイント」の略称である。
図30においては、遊技者が遊技を開始した遊技を1ゲーム目として説明する。
【0230】
まず、通常遊技状態では毎ゲームの役抽選の結果、特定の役に当選した場合に、1ポイントから10ポイントの範囲内で通常ポイント数が決定されている。決定された通常ポイント数は、カウント手段280において、ポイント数カウンタのカウント値に加算されている。また、通常遊技状態では毎ゲーム、AT抽選手段180により、ポイント数カウンタのカウント値が所定の閾値を超えたか否かが判定されている。本実施の形態では、所定の閾値として「100」ポイントが設定されている。
【0231】
30ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。例えばレア役Aに当選すると、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「2」に当選する場合がある。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。
【0232】
次に45ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると基準ポイント設定手段265により基準ポイント数抽選が実行される。例えばレア役Dに当選すると、当該レア役に対応する基準ポイント数抽選テーブル266による基準ポイント数抽選が行われ、基準ポイント数「5」に当選する場合がある。そして、決定された基準ポイント数が基準ポイント数カウンタ267に設定される。
【0233】
ここで、基準ポイント数カウンタ267に基準ポイント数が設定された場合、組み合わせ判定手段270は、既に設定された倍率との関係で所定の組み合わせ、具体的には、倍率「2」と基準ポイント数「5」との組み合わせが成立したと判定する。これに伴い、上乗せポイント決定手段245は、倍率設定手段250により決定される倍率と基準ポイント設定手段265により決定される基準ポイント数とを乗算し、上乗せポイント数を決定する。上述の例の場合、倍率「2」と基準ポイント数「5」とを乗算した「10」が、上乗せポイント数として決定される。そして、決定された上乗せポイント数は、カウント手段280において、ポイント数カウンタのカウント値に加算される。
【0234】
次に60ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると倍率設定手段250により倍率抽選が実行される。例えばレア役Fに当選すると、当該レア役に対応する倍率抽選テーブル251(
図9参照)による倍率抽選が行われ、倍率「10」に当選する場合がある。そして、決定された倍率が倍率カウンタ252に設定される。
【0235】
次に75ゲーム目に役抽選でレア役に当選すると基準ポイント設定手段265により基準ポイント数抽選が実行される。例えばレア役Aに当選すると、当該レア役に対応する基準ポイント数抽選テーブル266による基準ゲーム数抽選が行われ、基準ポイント数「2」に当選する場合がある。そして、決定された基準ポイント数が基準ポイント数カウンタ267に設定される。
【0236】
ここで、基準ポイント数カウンタ267に基準ポイント数が設定された場合、組み合わせ判定手段270は、既に設定された倍率との関係で所定の組み合わせ、具体的には、倍率「10」と基準ポイント数「2」との組み合わせが成立したと判定する。これに伴い、上乗せポイント決定手段245は、倍率設定手段250により決定される倍率と基準ポイント設定手段265により決定される基準ポイント数とを乗算し、上乗せポイント数を決定する。上述の例の場合、倍率「10」と基準ポイント数「2」とを乗算した「20」が、上乗せポイント数として決定される。そして、決定された上乗せポイント数は、カウント手段280において、ポイント数カウンタのカウント値に加算される。
【0237】
そして、90ゲーム目において、AT抽選手段180により、ポイント数カウンタのカウント値が所定の閾値を超えたと判定された場合、AT抽選が実行される。
図30の例では、上乗せポイント数として既に「30」を獲得していることから、「70」超の通常ポイント数を獲得することにより、所定の閾値である「100」ポイントを超えることになる。そして、AT抽選に当選すると、AT準備状態を経由して有利遊技状態へ移行する。この例では、95ゲーム目から初期ゲーム数の50の有利遊技状態が開始されることになる。
【0238】
以上、本実施の形態では、通常遊技状態において倍率と基準ポイント数の両方が設定される度に、両者を乗算した値が上乗せポイント数としてAT抽選の契機となるポイント数に加算される。本実施の形態によれば、通常遊技状態のゲームで少しずつ(例えば、1ポイントずつ)ポイントを獲得しつつ、倍率と基準ポイント数を獲得した際は、大量のポイントを獲得することができる。これにより、変化に富んだ遊技性を提供することができる。
【0239】
(その他の実施の形態1)
上記の第1から第4の実施の形態においては、まず、倍率設定手段250により倍率を設定した後、基準区間設定手段260により基準ゲーム数を設定している。これに対し、その他の実施の形態1では、基準ゲーム数を設定するか又は前記倍率を設定するかを選択するための選択抽選を実行する選択抽選手段を備えていることを特徴としている。
【0240】
具体的に、前記選択抽選手段は、役抽選においてレア役に当選すると選択抽選を行い、基準ゲーム数を設定するか又は前記倍率を設定するかを決定する。そして、当該選択抽選において、倍率の設定が決まった場合は倍率設定手段250により倍率が設定され、基準ゲーム数の設定が決まった場合は基準区間設定手段260により基準ゲーム数が設定される。
本実施の形態によれば、倍率と基準ゲーム数のいずれを決定するかを抽選で決定することにより、変化に富んだ遊技機を提供することができる。
【0241】
(その他の実施の形態2)
その他の実施の形態2は、有利遊技状態において、前記倍率設定手段により前記倍率が設定される倍率設定状態と、前記基準区間設定手段により前記基準ゲーム数が設定される基準区間設定状態とを設けたことを特徴としている。
例えば、50ゲームの有利遊技状態のうち、前半25ゲームを倍率設定状態とし、レア役に当選する度に倍率が設定され、当該倍率の値が倍率カウンタ252のカウント値に累積される状態とすることができる。また、後半25ゲームを基準区間設定状態とし、レア役に当選する度に基準ゲーム数が設定され、当該基準ゲーム数の値が基準ゲーム数カウンタ262のカウント値に累積される状態とすることができる。そして、有利遊技状態が終了するゲームにおいて、倍率カウンタ252の値と基準ゲーム数カウンタ262の値を乗算し、特殊上乗せゲーム数を決定することができる。
【0242】
なお、倍率設定状態及び基準区間設定状態の順序は上記の場合に限らない。すなわち、最初に基準区間設定状態の遊技を実行し、続いて倍率設定状態の遊技を実行してもよい。また、倍率設定状態及び基準区間設定状態においては、それぞれ設定されているカウント値を累積しなくてもよい。すなわち、倍率設定状態においては、1回だけ倍率を設定し、基準区間設定状態においては、1回だけ基準ゲーム数を設定してもよい。さらに、レア役に当選する度にそれぞれのカウンタのカウント値を更新してもよい。
本実施の形態によれば、有利遊技状態の前半と後半とで異なる遊技状態を設けることにより、異なる遊技性を与えることが可能であり、かつ、有利遊技状態の前半と後半を通して遊技者に対してゲーム数上乗せへの興趣を持たせることが可能である。
【0243】
(各実施の形態に含まれる例、その他)
各実施の形態では、レア役の当選を契機に倍率と基準ゲーム数を決定しているが、これに限らない。例えば、規定のゲーム数毎に倍率抽選又は基準ゲーム数抽選を実行し、倍率又は基準ゲーム数を決定することができる。
以上のように、本発明における倍率の決定及び基準ゲーム数の決定に際しては、次の様なパターンが含まれる。
(1)レア役に当選する毎に、倍率又は基準ゲーム数を交互に決定
(2)規定ゲーム数を消化する毎に、倍率又は基準ゲーム数を交互に決定
(3)選択抽選に当選する毎に、倍率又は基準ゲーム数を交互に決定
【0244】
ここで、所定の組み合わせの対をなす「倍率」と「基準ゲーム数」の両条件については、決定される契機が同じであることが望ましい。すなわち、上記(1)の場合、遊技者はレア役が当選する度に上乗せゲーム数の獲得に期待することができ、上記(2)の場合、遊技者は規定ゲーム数の経過毎に上乗せゲーム数の獲得に期待することができ、上記(3)の場合、遊技者は選択抽選が実行される度に上乗せゲーム数の獲得に期待することができる。
なお、「倍率」の決定契機と「基準ゲーム数」の決定契機が同じであれば、所定の組み合わせの成立の都度、契機を変えてもよい。例えば、最初の組み合わせでは、レア役に当選する毎に倍率又は基準ゲーム数を決定し、次の組み合わせでは、規定ゲーム数を消化する毎に、倍率又は基準ゲーム数を決定することができる。
【0245】
このように、所定の組み合わせの対をなす「倍率」の決定契機と「基準ゲーム数」の決定契機が同じであれば、遊技者は当該所定の組み合わせが成立するまでは、一つの契機の発生を目標に、また当該一つの契機の発生に期待を込めて遊技をすることできる。
なお、倍率の設定と基準ゲーム数の設定の順序は倍率の設定が先の場合に限らない。すなわち、最初に基準ゲーム数を設定し、続いて倍率を設定してもよい。ここで、倍率の設定を先に行う場合については、第3の実施の形態のように有利遊技状態が終了した際、所定の組み合わせが成立せず、先に設定され倍率が破棄される場合に効果がある。すなわち、有利遊技状態の終了時、最初に基準ゲーム数を報知しながら破棄するよりも、最初に倍率を報知しながら破棄した方が遊技者は納得しやすいからである。
【0246】
なお、本発明では、倍率抽選テーブル251と基準ゲーム数抽選テーブル261とが互いに関連していないため、設定された倍率に対応するキャラクタから、特定の基準ゲーム数を期待することができない。したがって、例えば、倍率抽選で決定された倍率に対応した基準ゲーム数抽選テーブル261を設けるなど、倍率抽選テーブル251と基準ゲーム数抽選テーブル261との間に一定の関連性を持たせることで、設定された倍率に対応するキャラクタから、特定の基準ゲーム数を期待させることができる。
【0247】
なお、本発明の倍率抽選及び基準ゲーム数抽選では、レア役に当選すると即、実行されるがこれに限らない。例えば、倍率抽選の場合は、倍率を決定するか否かの獲得抽選を実行し、この抽選に当選した場合のみ倍率抽選を実行するようにしてもよい。また、基準ゲーム数抽選の場合は、基準ゲーム数を決定するか否かの獲得抽選を実行し、この抽選に当選した場合のみ基準ゲーム数抽選を実行するようにしてもよい。
また、倍率抽選テーブル251と基準ゲーム数抽選テーブル261については、出玉率と関連付けられている設定値に応じて変えてもよい。
【0248】
本発明では、倍率抽選が行われるレア役と基準ゲーム数抽選が行われるレア役を共通化している。これは、所定の遊技区間に対して、レア役の当選頻度が少ないことから、できるだけ「所定の組み合わせ」を成立し易くするためである。しかし、これ以外にも、例えば倍率のみを設定するレア役と、基準ゲーム数のみを設定するレア役とに種類を分けることが可能である。例えば、最初にレア役a又はレア役bに当選した場合、倍率が設定されるが、その後、レア役a又はレア役bに当選した場合には基準ゲーム数が設定されず、レア役c又はレア役dのいずれかに当選した場合に基準ゲーム数が設定され、「所定の組み合わせ」が成立するように形成可能である。同様に、最初にレア役c又はレア役dに当選しても倍率は設定されず、レア役a又はレア役bに当選した場合に、ようやく倍率が設定されるように形成可能である。
【0249】
なお、第1、第3及び第4の実施の形態では、レア役に2回当選することで1つの特殊上乗せゲーム数が決定される。しかし、これ以外にも、例えばレア役に3回当選することで1つの特殊上乗せゲーム数が決定されるなど(レア役当選2回で倍率を設定し、3回目のレア役当選で基準ゲーム数を設定するなど)、2回を超えるレア役当選を1セットとして特殊上乗せゲーム数を決定してもよい。
【0250】
本発明では、有利遊技状態としてゲーム数で管理されるタイプのARTを採用しているため、倍率との組み合わせ対象を基準ゲーム数としている。しかしながら、有利遊技状態をポイント数やメダルの払い出し枚数で管理する場合は、倍率との組み合わせ対象を基準ポイント数や基準払い出し枚数とすることができる。
【0251】
(実施の形態の補足的な説明)
上記実施の形態は、以下の技術思想を包含する特徴点を含むものである。
(1)特徴点1
特徴点1は第1の実施の形態に係る技術思想を包含している。
(1−1)構成
特徴点1は、複数の遊技状態を所定の契機で移行しながら遊技が実行される遊技機において、遊技状態として、通常遊技状態と、所定の遊技区間にわたり前記通常遊技状態より有利な遊技が実行される有利遊技状態と、があり、前記有利遊技状態に加算可能な遊技区間である上乗せ区間を決定する上乗せ区間決定手段240と、前記上乗せ区間の基準となる遊技区間である基準区間を設定するための基準区間設定手段260と、所定の値を何倍にするかの倍率を設定するための倍率設定手段250と、先の遊技において前記基準区間又は前記倍率のいずれか一方が設定され、後の遊技において前記基準区間又は前記倍率の他方が設定された場合に、前記基準区間と前記倍率とを一対とする所定の組み合わせが成立したと判定する組み合わせ判定手段270と、を備えている。
【0252】
そして、前記組み合わせ判定手段270により前記所定の組み合わせが成立したと判定されるまでの遊技においては、前記基準区間又は前記倍率のいずれか一方が設定されると、その次は前記基準区間又は前記倍率の他方が設定されるものであり、前記上乗せ区間決定手段240は、前記組み合わせ判定手段270により前記所定の組み合わせが成立したと判定される度に、当該所定の組み合わせである前記基準区間と前記倍率とを乗算し、当該乗算した値を前記上乗せ区間として決定することを特徴とする。
【0253】
(1−2)用語の定義と実施の形態との対応関係
「有利遊技状態」としては、リプレイ役への当選確率が上昇するリプレイタイム(RT)、役抽選の結果に対して遊技者に有利となる押し順などを報知するアシストタイム(AT)、及びRTとATとを組み合わせたアシストリプレイタイム(ART)が挙げられる。なお、非ATの遊技においてATへの移行抽選が行われるチャンスゾーン(例えば、自力解除ゾーンなど)を有利遊技状態としてもよい。
ここで、特徴点1の「通常遊技状態」は、実施の形態の「通常遊技状態」に、特徴点1の「有利遊技状態」は実施の形態におけるART状態としての「有利遊技状態」にそれぞれ対応する(他の特徴点において同じ)。
【0254】
また、「遊技区間」とは、遊技状態を構成する単位である区間の集合をいう。この「区間」としては、ゲーム数、所定のゲーム数からなるセット数、遊技媒体の獲得可能枚数、遊技結果に応じて付与されるポイント数などが挙げられる。本実施の形態における「ゲーム数」に対応する。そして、「上乗せ区間」は、本実施の形態の「特殊上乗せゲーム数」に対応する(他の特徴点において同じ)。
【0255】
なお、有利遊技状態をゲーム数で管理する場合の遊技区間とは、当該有利遊技状態において実行可能な総ゲーム数を意味し、有利遊技状態をセット数で管理する場合の遊技区間とは、当該有利遊技状態において実行可能な総セット数を意味し、有利遊技状態を獲得可能枚数で管理する場合の遊技区間とは、当該有利遊技状態において獲得可能な総遊技媒体数を意味する。また、有利遊技状態をポイント数で管理する場合、有利遊技状態はその開始時に初期ポイント数が設定され、遊技結果に応じてポイントが加算又は減算され、規定のポイント数に到達すると終了する。この場合の遊技区間とは、当該有利遊技状態において獲得目標となるポイント数を意味する。
【0256】
(1−3)バリエーション
特徴点1における、「先の遊技において前記基準区間又は前記倍率のいずれか一方が設定され、後の遊技において前記基準区間又は前記倍率の他方が設定された場合」には、以下の機種のバリエーションが含まれる。なお、第1遊技から第4遊技は、必ずしも連続する遊技である必要はない。
【0257】
(機種A)第1遊技:基準区間の設定、第2遊技:倍率の設定、第3遊技:基準区間の設定、第4遊技:倍率の設定、・・・
機種Aは、常に、基準区間から倍率の順序で設定が行われ、倍率から基準区間の順序では設定が行われない遊技機である。
(機種B)第1遊技:倍率の設定、第2遊技:基準区間の設定、第3遊技:倍率の設定、第4遊技:基準区間の設定、・・・
機種Bは、常に、倍率から基準区間の順序で設定が行われ、基準区間から倍率の順序では設定が行われない遊技機である。すなわち、実施の形態の遊技機は機種Bに相当する。
(機種C)第1遊技:基準区間の設定、第2遊技:倍率の設定、第3遊技:倍率の設定、第4遊技:基準区間の設定、・・・
機種Cは、基準区間から倍率の順序でも、倍率から基準区間の順序でも、設定可能な遊技機である。
【0258】
上記いずれの機種においても、第2遊技及び第4遊技において「所定の組み合わせ」が成立し、基準区間と倍率とを乗算した値が「上乗せ区間」として決定されることになる。
特徴点1では、「前記組み合わせ判定手段270により前記所定の組み合わせが成立したと判定されるまでの遊技においては、前記基準区間又は前記倍率のいずれか一方が設定されると、その次は前記基準区間又は前記倍率の他方が設定されるものであり、」という構成が示すとおり、「所定の組み合わせ」が成立するまでは、基準区間及び倍率は交互に設定される。
【0259】
(1−4)作用効果
特徴点1は、遊技者にとって有利な有利遊技状態としてアシストタイム(AT)やアシストリプレイタイム(ART)等を備えた遊技機において、当該有利遊技状態に上乗せする遊技区間(ゲーム数、セット数、払い出し可能枚数)を決定するための条件を2種類設け、両条件の組み合わせが成立した場合に有利遊技状態の遊技区間の上乗せを行うものである。これにより、遊技者に対し遊技区間が上乗せされるという期待感を複数遊技に渡り与えることができる。なお、上述のとおり、有利遊技状態に上乗せするのはゲーム数に限らない、セット数単位で上乗せする場合にはセット数を上乗せしてもよい。また、有利遊技状態の継続をメダルの差枚数で管理している場合には、メダルの払い出し可能枚数を上乗せするように形成してもよい。
【0260】
特徴点1では2種類の条件として「倍率」と「基準ゲーム数」を設け、倍率の決定及び基準ゲーム数の決定に伴い倍率と基準ゲーム数との積を上乗せゲーム数とした。ここで、第1の実施の形態においては、倍率が設定された段階では、上乗せゲーム数はまだ決定されていない。したがって本発明によれば、上乗せされるゲーム数が予想し辛いため、遊技者は獲得される上乗せゲーム数に対して複数遊技にわたり興味を持つことができる。さらに、倍率の種類と基準ゲーム数の種類との組み合わせの数だけ、上乗せゲーム数を設けることができるため、上乗せゲーム数のバリエーションを増やすことができる。
【0261】
(2)特徴点2
特徴点2は第2の実施の形態に係る技術思想を包含している。
(2−1)構成
特徴点2は、複数の遊技状態を所定の契機で移行しながら遊技が実行される遊技機において、遊技状態として、通常遊技状態と、所定の遊技区間にわたり前記通常遊技状態より有利な遊技が実行される有利遊技状態と、があり、前記有利遊技状態に加算可能な遊技区間である上乗せ区間を決定する上乗せ区間決定手段240と、前記上乗せ区間の基準となる遊技区間である基準区間を設定するための基準区間設定手段260と、所定の値を何倍にするかの倍率を設定するための倍率設定手段250と、先の遊技において前記基準区間又は前記倍率のいずれか一方が設定され、後の遊技において前記基準区間又は前記倍率の他方が設定された場合に、前記基準区間と前記倍率とを一対とする所定の組み合わせが成立したと判定する組み合わせ判定手段270と、を備えている。
【0262】
そして、前記組み合わせ判定手段270により前記所定の組み合わせが成立したと判定されるまでの遊技においては、先に設定されている前記基準区間又は前記倍率を再設定することが可能であり、前記上乗せ区間決定手段240は、前記組み合わせ判定手段270により前記所定の組み合わせが成立したと判定される度に、当該所定の組み合わせである前記基準区間と前記倍率とを乗算し、当該乗算した値を前記上乗せ区間として決定することを特徴とする。
【0263】
(2−2)用語の定義と実施の形態との対応関係
「有利遊技状態」及び「遊技区間」の定義、並びに、「通常遊技状態」、「有利遊技状態」、「遊技区間」、「上乗せ区間」の対応関係については、上記特徴点1の(1−2)と同様である。
ここで「再設定」とは、既に設定されている基準区間又は倍率の値を積算することや、上書きすることが含まれる。
【0264】
例えば、第2の実施の形態では、
図22に示すように、5ゲーム目において倍率「2」が設定された後、20ゲーム目において倍率「2」が決定されると、再設定として当初の倍率「2」に新たに決定された倍率「2」が加算され、倍率は「4」となる。また、25ゲーム目において倍率「6」が決定されると、再設定として現在の倍率「4」に新たに決定された倍率「6」が加算され、倍率は「10」となる。すなわち、第2の実施の形態における「再設定」とは、決定された倍率を順次加算することを意味する。
【0265】
なお、「再設定」の際、決定された倍率を順次乗算してもよい。
図22の例に当てはめると、5ゲーム目において倍率「2」が設定された後、20ゲーム目において倍率「2」が決定されると、再設定として当初の倍率「2」に新たに決定された倍率「2」が乗算され、倍率は「4」となる。また、25ゲーム目において倍率「6」が決定されると、再設定として現在の倍率「4」に新たに決定された倍率「6」が乗算され、倍率は「24」となる。
【0266】
さらに、「再設定」の際、決定された倍率を順次上書きしてもよい。
図22の例に当てはめると、5ゲーム目において倍率「2」が設定された後、20ゲーム目において倍率「2」が決定されると、再設定として新たに決定された倍率「2」が上書きされる。なお、この場合は、上書きしても倍率は「2」のままである。また、25ゲーム目において倍率「6」が決定されると、再設定として新たに決定された倍率「6」が上書きされ、倍率は「6」となる。
【0267】
(2−3)バリエーション
特徴点2における、「前記組み合わせ判定手段270により前記所定の組み合わせが成立したと判定されるまでの遊技においては、先に設定されている前記基準区間又は前記倍率を再設定する」には、以下のバリエーションが含まれる。なお、第1遊技から第4遊技は、必ずしも連続する遊技である必要はない。
【0268】
(機種D)第1遊技:基準区間の設定、第2遊技:基準区間の再設定、第3遊技:基準区間の再設定、第4遊技:倍率の設定、・・・
機種Dは、基準区間を設定した後、さらに基準区間の再設定を複数回行ってから倍率の設定が行われる遊技機である。
(機種E)第1遊技:倍率の設定、第2遊技:倍率の再設定、第3遊技:倍率の再設定、第4遊技:基準区間の設定、・・・
機種Eは、倍率を設定した後、さらに倍率の再設定を複数回行ってから基準区間の設定が行われる遊技機である。すなわち、第2の実施の形態の遊技機は機種Eに相当する。
上記いずれの機種においても、第4遊技において「所定の組み合わせ」が成立し、基準区間と倍率とを乗算した値が「上乗せ区間」として決定されることになる。
【0269】
(2−4)作用効果
特徴点2では、特徴点1の作用効果に加えて、複数回決定された倍率を加算又は積算することにより、遊技者にとって獲得可能な上乗せゲーム数の期待値が増えていく様子を見せることができる。
【0270】
(3)特徴点3
特徴点3はその他の実施の形態1に係る技術思想を包含している。
(3−1)構成
特徴点3は、前記基準区間を設定するか又は前記倍率を設定するかを決定するための選択抽選を行い、前記選択抽選により決定された前記基準区間又は前記倍率の設定又は再設定を行うことを特徴とする。
【0271】
(3−2)作用効果
特徴点3によれば、「基準区間」と「倍率」のいずれを決定するかを抽選により決定することにより、変化に富んだ遊技機を提供することができる。例えば、初回の抽選で倍率が設定された場合、次の抽選で基準区間が設定され上乗せ区間が決定されるよりも、再び倍率が決定し再設定された方が上乗せ区間の期待値が大きくなる。したがって、遊技者は、「基準区間」と「倍率」のいずれが決定するかについても大きな関心を示すことになる。
【0272】
(4)特徴点4
特徴点4はその他の実施の形態2に係る技術思想を包含している。
(4−1)構成
特徴点4は、前記基準区間及び前記倍率は前記有利遊技状態において設定されるものであり、前記有利遊技状態には、前記倍率設定手段250により前記倍率が設定される倍率設定状態と、前記基準区間設定手段260により前記基準区間が設定される基準区間設定状態とを設けることを特徴とする。
【0273】
(4−2)作用効果
特徴点4によれば、有利遊技状態の前半と後半とで異なる遊技状態を設けることにより、異なる遊技性を与えることが可能である。この場合、有利遊技状態の前半後半で異なる遊技性を与えることが可能であり、前半後半を通して遊技者に対して興趣を持たせることが可能である。
【0274】
(5)特徴点5
特徴点5は第1及び第2の実施の形態に係る技術思想を包含している。
(5−1)構成
特徴点5はさらに、遊技状態として、前記通常遊技状態及び前記有利遊技状態を含む複数の遊技状態が設けられており、前記基準区間及び前記倍率は前記複数の遊技状態のうちの特定の遊技状態において設定されるものであり、前記組み合わせ判定手段270により、前記基準区間又は前記倍率のいずれか一方が設定されているが前記所定の組み合わせが成立していないと判定された場合、前記特定の遊技状態は終了されないようにすることを特徴とする。
【0275】
(5−2)用語の定義と実施の形態との対応関係
ここで、「前記基準区間又は前記倍率のいずれか一方が設定されているが前記所定の組み合わせが成立していないと判定された場合」とは、組み合わせとなるべき「基準区間」又は「倍率」の一方しか設定されていない場合を指す。すなわち、特徴点5は、「基準区間」と「倍率」の2つの条件が設定されることを遊技状態の終了条件としたものである。
第1の実施の形態においては、
図15で例示したように、有利遊技状態が終了されるべき60ゲーム目において倍率のみが設定された状態で、組み合わせとなるべき基準ゲーム数が設定されていない場合は、毎ゲーム有利遊技状態が延長される。
【0276】
(5−3)バリエーション
特徴点5では、例として以下のバリエーションが含まれる。
(例1)AT状態で所定の組み合わせが成立する場合:滞在中のAT状態のゲーム数に上乗せゲーム数を加算し、所定の組み合わせが成立するまでAT状態を継続する。
(例2)移行した特化ゾーンで所定の組み合わせが成立する場合:移行元のAT状態のゲーム数に上乗せゲーム数を加算し、所定の組み合わせが成立するまで特化ゾーンを継続する。
(例3)通常遊技状態(例えば、チャンスゾーン)で所定の組み合わせが成立する場合:その後のAT状態のゲーム数に上乗せゲーム数を加算し、所定の組み合わせが成立するまで通常遊技状態を継続する。
【0277】
(5−4)作用効果
特徴点5によれば、倍率と基準区間としての基準ゲーム数の両条件の組み合わせが成立することを有利遊技状態の終了条件とすることができるため、遊技者は両条件の組み合わせが成立する時期にも興味を持つことができる。例えば、有利遊技状態において、先に倍率が決定している場合は、基準ゲーム数が決まらずに有利遊技状態が継続する方が遊技者にとって有利となる場合もある。すなわち、遊技状態の終了時期を不確定とすることにより、豊富な遊技性を提供することができる。
【0278】
(6)特徴点6
特徴点6は第1から第4の実施の形態に係る技術思想を包含している。
(6−1)構成
特徴点6はさらに、前記特定の遊技状態は、前記有利遊技状態であり、前記有利遊技状態の前記遊技区間をカウントするカウント手段280を備え、前記カウント手段280は、前記組み合わせ判定手段270により前記所定の組み合わせが成立したと判定されるまで前記有利遊技状態の前記遊技区間のカウントを継続するとともに、前記所定の組み合わせが成立したと判定された場合は、前記有利遊技状態の前記遊技区間のカウント値に前記上乗せ区間決定手段240により決定された前記上乗せ区間の値を加算することを特徴とする。
【0279】
(6−2)バリエーション
特徴点6では、例として以下のバリエーションが含まれる。
(例1)有利遊技状態の遊技毎に減算される「減算タイプのカウンタ」を設け、有利遊技状態の遊技開始時に初期値「300」を設定する。そして、規定値「0」に達するまでカウンタを減算し、上乗せゲーム数の獲得時は当該カウンタに上乗せゲーム数を加算する。また、カウンタが規定値「0」に達していても、所定の組み合わせた成立するまではカウンタに「1」を加算して有利遊技状態を継続する。
(例2)有利遊技状態の遊技毎に加算される「加算タイプのカウンタ」を設け、有利遊技状態の遊技開始時に初期値「0」を設定する。そして、規定値「300」に達するまでカウンタを加算し、上乗せゲーム数の獲得時は当該カウンタから上乗せゲーム数を減算する、また、カウンタが規定値「300」に達していても、所定の組み合わせが成立するまではカウンタから「1」を減算して有利遊技状態を継続する。
【0280】
(6−3)作用効果
特徴点6によれば、特徴点1の効果に加えて、有利遊技状態を単なるメダルを増加させる状態とするだけでなく、有利遊技状態自体の遊技区間(ゲーム数)を増加させる状態とすることができる。
【0281】
(7)特徴点7
特徴点7は第3の実施の形態に係る技術思想を包含している。
(7−1)構成
特徴点7はさらに、遊技状態として、前記通常遊技状態及び前記有利遊技状態を含む複数の遊技状態が設けられており、前記基準区間及び前記倍率は前記複数の遊技状態のうちの特定の遊技状態において設定されるものであり、前記特定の遊技状態が終了した際、前記組み合わせ判定手段270により、前記基準区間又は前記倍率のいずれか一方が設定されているが前記所定の組み合わせが成立していないと判定された場合は、既に設定され、かつ組み合わせが成立していない前記基準区間又は前記倍率は次に開始された前記特定の遊技状態においては無効とすることを特徴とする。
【0282】
(7−2)用語の定義と実施の形態との対応関係
基準区間又は倍率を「無効とする」とは、基準区間又は倍率を「0」に初期化或いはリセットすることを指す。具体的に、第3の実施の形態との対応においては、倍率カウンタ252に記憶された倍率の値(例えば「10」)を、「0」に初期化するものである。なお、基準区間としての基準ゲーム数を無効とする場合は、基準ゲーム数カウンタ262の値を「0」に初期化することとなる。
【0283】
(7−3)作用効果
特徴点7によれば、倍率又は基準ゲーム数が設定されても所定の組み合わせが成立しないで有利遊技状態が終了すれば、設定された倍率又は基準ゲーム数が無効となる。したがって、遊技者は、有利遊技状態の終了間際において、緊張感を持って遊技を進めることができる。
【0284】
(8)特徴点8
特徴点8は第2の実施の形態に係る技術思想を包含している。
(8−1)構成
特徴点8は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段120を備え、前記基準区間及び前記倍率は、前記役抽選の結果と既に決定されている前記基準区間又は前記倍率に基づいて決定されることを特徴とする。
【0285】
(8−2)実施の形態との対応関係
「前記役抽選の結果と既に決定されている前記基準区間又は前記倍率に基づいて決定される」とは、第2の実施の形態に照らすと以下の2条件に基づいて決定される。
(条件1)
図8及び
図20に示すように、役抽選により決定されたレア役の種類に基づく。
(条件2)
図20に示すように、「追加倍率」は、既に決定されている「倍率」の有無に基づく。
このように、既に「倍率」が設定されている場合、倍率抽選テーブル251において、追加倍率抽選用のテーブルが選択されるとともに、役抽選により所定のレア役(レア役C及びレア役F)が決定することで、新たな倍率が追加倍率として決定される。
【0286】
(8−3)バリエーション
「倍率」及び「基準区間」の決定契機となる役はレア役に限らない。例えば、ATベル役やリプレイ役でもよい。
一方、第2の実施の形態では、追加倍率を決定する際、既に倍率が設定されているか否かに基づいて倍率抽選テーブル251を切り替えているが、これに限らない。すなわち、既に決定されている倍率の値に基づいて倍率抽選テーブル251を切り替えてもよい。また、基準区間としての基準ゲーム数を再設定する場合にあっては、既に決定されている基準ゲーム数に基づいて基準ゲーム数抽選テーブル261を切り替えてもよい。さらに、既に決定されている倍率の値に基づいて基準ゲーム数抽選テーブル261を切り替えたり、既に決定されている基準ゲーム数に基づいて倍率抽選テーブル251を切り替えてもよい。
【0287】
(8−4)作用効果
特徴点8によれば、役抽選の結果や既に決定されている倍率や基準区間に基づいて新たな倍率又は基準区間が決定されるため、単に所定の契機で上乗せゲーム数を獲得するのみならず、上乗せゲーム数の獲得バリエーションを増やすことができる。
【0288】
(9)特徴点9
特徴点9は各実施の形態に係る技術思想を包含している。
(9−1)構成
特徴点9は、前記基準区間設定手段260により設定された前記基準区間、又は前記倍率設定手段250により設定された前記倍率を報知するための報知手段315を備え、前記報知手段315は、前記基準区間又は前記倍率のいずれか一方が設定されてから、前記組み合わせ判定手段270により前記所定の組み合わせが成立したと判定されるまでの間、既に設定された前記基準区間又は前記倍率を報知することを特徴とする。
【0289】
(9−2)作用効果
特徴点9によれば、倍率の設定及び基準ゲーム数の設定と演出とを関連付けることにより、上乗せゲーム数を獲得する過程の演出を盛り上げることができる。具体的に実施の形態では、特殊上乗せゲーム数を獲得する過程で、複数のキャラクタからなるバトル演出が実行可能に形成されている。特に、倍率値に対応するキャラクタや、基準ゲーム数に対応するキャラクタを予め設定することで、表示装置84を通して遊技者に対し、設定された倍率や基準ゲーム数を報知(示唆)することが可能となる。そして、バトル演出の勝利と特殊上乗せゲーム数の決定が関連付けられているため、遊技者は、特殊上乗せゲーム数が決定されるまで、興趣を失わずに遊技を行うことができる。なお、設定された倍率や基準ゲーム数の報知の方法はキャラクタを使用した演出に限らない。例えば、倍率の値又は基準ゲーム数の値を直接、表示装置84に表示してもよい。
【課題】上乗せされる遊技区間が予想し辛く、また、上乗せされる遊技区間について複数ゲームにわたり興味を持つことができ、さらに、上乗せされる遊技区間のバリエーションを増やすことが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】上乗せ区間の基準となる遊技区間である基準区間を設定するための基準区間設定手段260と、倍率を設定するための倍率設定手段250と、先の遊技において前記基準区間又は前記倍率のいずれか一方が設定され、後の遊技において前記基準区間又は前記倍率の他方が設定された場合に、前記基準区間と前記倍率とを一対とする所定の組み合わせが成立したと判定する組み合わせ判定手段270と、を備え、上乗せ区間決定手段240は、組み合わせ判定手段270により所定の組み合わせが成立したと判定される度に、当該所定の組み合わせである前記基準区間と前記倍率とを乗算し、当該乗算した値を前記上乗せ区間として決定する。