特許第6023877号(P6023877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6023877MIMO(Multiple−InputandMultiple−Output)HSDPA(High−SpeedDownlinkPacketAccess)パイロットチャネルをスケジューリングするシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6023877
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】MIMO(Multiple−InputandMultiple−Output)HSDPA(High−SpeedDownlinkPacketAccess)パイロットチャネルをスケジューリングするシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20161027BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20161027BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20161027BHJP
   H04B 7/04 20060101ALI20161027BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20161027BHJP
   H04J 13/16 20110101ALI20161027BHJP
【FI】
   H04J15/00
   H04W16/28 130
   H04W72/04 136
   H04B7/04
   H04W72/12 130
   H04J13/16
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-511924(P2015-511924)
(86)(22)【出願日】2013年5月20日
(65)【公表番号】特表2015-523770(P2015-523770A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】CN2013075907
(87)【国際公開番号】WO2013170793
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2014年12月24日
(31)【優先権主張番号】61/648,961
(32)【優先日】2012年5月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/629,280
(32)【優先日】2012年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】コッゾ,カーメラ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ゾンジエ
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−089113(JP,A)
【文献】 特表2011−517895(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/093662(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/020552(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/025218(WO,A2)
【文献】 特表2012−506213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04B 7/04
H04J 13/16
H04W 16/28
H04W 72/04
H04W 72/12
IEEE Xplore
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線デバイスによる多分岐MIMO(multiple-input and multiple-output)チャネル推定のための方法であって、
複数の受信アンテナで複数の第1の共通パイロットチャネルを受信するステップと、
前記複数の第1の共通パイロットチャネルに従って、基本的な多分岐MIMOチャネル推定を実行するステップと、
基地局からHSDPA(high-speed downlink packet access)共有制御チャネル(HS-SCCH)命令を受信するステップと、
前記HS-SCCH命令が1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの送信を示すこと決定に応じて、
前記複数の受信アンテナのうち1つ以上で1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルと、前記複数の受信アンテナでの複数の第2の共通パイロットチャネルとを受信するステップであり、前記複数の受信アンテナのそれぞれで前記複数の第2の共通パイロットチャネルの対応するものが受信され、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルのそれぞれは前記複数の受信アンテナのうち前記1つ以上の異なるもので受信されるステップと、
前記複数の第2の共通パイロットチャネルと、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルとを使用して、拡張された多分岐MIMOチャネル推定を実行するステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記HS-SCCH命令が1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの送信を示すことの決定に応じて、肯定応答(ACK)メッセージを前記基地局に送信するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の受信アンテナは、4つの受信アンテナを有し、
前記複数の受信アンテナのうち1つ以上での1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルと、前記複数の受信アンテナでの複数の第2の共通パイロットチャネルとを受信するステップは、
前記4つの受信アンテナのうち2つでの2つのスケジューリングされたパイロットチャネルと、前記4つの受信アンテナでの4つの第2の共通パイロットチャネルとを受信するステップを有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
複数の受信アンテナと、プロセッサと、前記プロセッサにより実行されるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能記憶媒体とを有する無線デバイスであって、
前記プログラムは、
請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の方法のステップを実施する命令を含む無線デバイス。
【請求項5】
複数の共通パイロットチャネル及び1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルを使用した拡張されたMIMO(multiple-input and multiple-output)チャネル推定から、前記複数の共通パイロットチャネルを使用した基本的なMIMOチャネル推定に移行する方法であって、
複数の送信アンテナでの前記複数の共通パイロットチャネルと、前記複数の送信アンテナのうち1つ以上での前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルとを1つ以上のユーザ装置(UE)に同時に送信するステップであり、前記複数の送信アンテナのそれぞれで前記複数の共通パイロットチャネルの対応するものが送信され、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルのそれぞれは前記複数の送信アンテナのうち前記1つ以上の異なるもので送信され、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルは拡張された多分岐MIMOチャネル推定のために前記複数の共通パイロットチャネルと共に使用されるステップと、
HSDPA(high-speed downlink packet access)共有制御チャネル(HS-SCCH)命令を前記1つ以上のUEに送信するステップであり、前記HS-SCCH命令は、前記複数の送信アンテナのうち前記1つ以上で前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの非活性化をシグナリングするステップと、
前記1つ以上のUEから肯定応答(ACK)メッセージを受信するステップと、
前記1つ以上のUEから前記ACKメッセージ受信に応じて、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの送信を非活性化するステップと
を有する方法。
【請求項6】
前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルは、ACKメッセージが前記1つ以上のUEのそれぞれから受信されるまで送信される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの送信を非活性化するステップは、
前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルを送信しないステップを有する、請求項又はに記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルは、前記共通パイロットチャネルと同時に送信され、
前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルのそれぞれ及び前記複数の共通パイロットチャネルのそれぞれは、複数の符号分割多重アクセス(CDMA)拡散シーケンスのうち固有のものを使用して変調される、請求項又はに記載の方法。
【請求項9】
前記複数の送信アンテナは、4つの送信アンテナを有し、
複数の送信アンテナでの前記複数の共通パイロットチャネルと、前記複数の送信アンテナのうち1つ以上での前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルとを1つ以上のユーザ装置(UE)に同時に送信するステップは、
前記4つの送信アンテナでの4つの共通パイロットチャネルと、前記4つの送信アンテナのうち2つでの2つのスケジューリングされたパイロットチャネルとを1つ以上のユーザ装置(UE)に同時に送信するステップを有する、請求項5ないし8のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
複数の送信アンテナと、プロセッサと、前記プロセッサにより実行されるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能記憶媒体とを有する基地局であって、
前記プログラムは、
前記複数の送信アンテナで複数の共通パイロットチャネルと、前記複数の送信アンテナのうち1つ以上での1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルとを同時に送信し、ただし、前記複数の送信アンテナのそれぞれで前記複数の共通パイロットチャネルの対応するものが送信され、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルのそれぞれは前記複数の送信アンテナのうち前記1つ以上の異なるもので送信され、
HSDPA(high-speed downlink packet access)共有制御チャネル(HS-SCCH)命令を1つ以上のUEに送信し、ただし、前記HS-SCCH命令は、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの非活性化をシグナリングし、
前記1つ以上のUEのそれぞれから肯定応答(ACK)メッセージを受信し、
前記1つ以上のUEのそれぞれから前記ACKメッセージ受信に応じて、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの送信を中断する命令を含む基地局。
【請求項11】
前記プログラムは、ACKメッセージが前記1つ以上のUEのそれぞれから受信されるまで、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルを送信し続ける命令を更に有する、請求項10に記載の基地局。
【請求項12】
前記命令は、複数の符号分割多重アクセス(CDMA)拡散シーケンスのうち固有のものを使用して、前記スケジューリングされたパイロットチャネルのそれぞれ及び前記共通パイロットチャネルのそれぞれを変調する命令を更に有する、請求項10に記載の基地局。
【請求項13】
前記複数の送信アンテナは、4つの送信アンテナを有し、
複数の送信アンテナでの複数の共通パイロットチャネルと、前記複数の送信アンテナのうち1つ以上での1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルとを1つ以上のユーザ装置(UE)に同時に送信することは、
前記4つの送信アンテナでの4つの共通パイロットチャネルと、前記4つの送信アンテナのうち2つでの2つのスケジューリングされたパイロットチャネルとを1つ以上のユーザ装置(UE)に同時に送信することを有する、請求項10ないし12のうちいずれか1項に記載の基地局。
【請求項14】
複数の受信アンテナと、プロセッサと、前記プロセッサにより実行されるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能記憶媒体とを有する無線デバイスであって、
前記プログラムは、
前記複数の受信アンテナで複数の第1の共通パイロットチャネルと、前記複数の受信アンテナのうち1つ以上での1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルとを受信し、ただし、前記複数の受信アンテナのそれぞれで前記複数の第1の共通パイロットチャネルの対応するものが受信され、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルのそれぞれは前記複数の受信アンテナのうち前記1つ以上の異なるもので受信され、
前記複数の第1の共通パイロットチャネル及び前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルに従って、拡張された高次MIMO(multiple-input and multiple-output)チャネル推定を実行し、
基地局からHSDPA(high-speed downlink packet access)共有制御チャネル(HS-SCCH)命令を受信し、ただし、前記HS-SCCH命令は、前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの非活性化を示し、
前記HS-SCCH命令が前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの非活性化を示すこと決定に応じて
前記HS-SCCH命令が前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの非活性化を示すことの決定に応じて、前記拡張された高次MIMOチャネル推定から基本的な高次MIMOチャネル推定に移行し、ただし、前記基本的な高次MIMOチャネル推定は、前記複数の受信アンテナのうち前記1つ以上でスケジューリングされたパイロットチャネルを監視せずに、前記複数の受信アンテナで複数の第2の共通パイロットチャネルを監視することを含む命令を含む無線デバイス。
【請求項15】
前記プログラムは、前記HS-SCCH命令が前記1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの非活性化を示すことの決定に応じて、肯定応答(ACK)メッセージを前記基地局に送信する命令を更に含む、請求項14に記載の無線デバイス。
【請求項16】
前記拡張された多分岐MIMOチャネル推定は、前記基本的な多分岐MIMOチャネル推定より高いデータレートを提供する、請求項14又は15に記載の無線デバイス。
【請求項17】
前記複数の受信アンテナは、4つの受信アンテナを有し、
前記複数の受信アンテナでの複数の第1の共通パイロットチャネルと、前記複数の受信アンテナのうち1つ以上での1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルとを受信する命令は、
前記4つの受信アンテナでの4つの第1の共通パイロットチャネルと、前記4つの受信アンテナのうち2つでの2つのスケジューリングされたパイロットチャネルとを受信する命令を有する、請求項14ないし16のうちいずれか1項に記載の無線デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2012年5月18日に出願された“Systems and Methods for Scheduling MIMO HSDPA Pilot Channels”という題の米国仮出願第61/648,961号の優先権を主張し、この全内容が再現されているかのように援用する。
【0002】
本発明は、無線通信のシステム及び方法に関し、特にMIMO(multiple-input and multiple-output) HSDPA(high-speed downlink packet access)パイロットチャネルをスケジューリングするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
HSDPA(high-speed downlink packet access)のリリース11(rel-11)では、複数のアンテナで複数のデータストリームの送信をサポートするため、4分岐MIMO(multiple-input and multiple-output)送信方式がNode B(NB)に導入されている。特に、4分岐MIMO送信方式は、複数のトランスポートブロックを2つのデータストリームに多重し、2つのデータストリームが4つの空間レイヤで送信される。NBはまた、4分岐MIMO可能なUEのために4分岐MIMOチャネル推定を提供するために、4つの送信アンテナで4つの共通パイロット(CPICH1、CPICH2、CPICH3及びCPICH4)を送信する。高次MIMO(例えば、2分岐MIMOより高いもの)に構成されたUEは、ここでは次世代UEと呼ばれる。ここで説明するように、‘高次MIMO’及び‘多分岐MIMO’という用語は同義語的に使用され、2つより多くの送信分岐を利用するいずれかのMIMO技術を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高次MIMO送信方式の1つの考慮すべき事項は、複数の共通パイロットを送信する結果としての、レガシーユーザ装置(UE:user equipment)により受ける増加するチャネル間干渉である。特に、高次MIMO機能を有さないUE(ここではレガシーUEと呼ばれる)は、複数の共通パイロットを復調する手段(例えば、Walsh符号、十分な数の受信アンテナ等)を有さない可能性があり、その結果、符号分割多重アクセス(CDMA:code division multiple access)ダウンリンクチャネルの干渉として共通パイロットを見る可能性がある。レガシーUEにより受ける干渉を軽減するために、複数の共通パイロットは、低い送信電力レベルを維持することがある。しかし、或る場合には、複数の共通パイロットチャネルの低い送信電力は、次世代UEにとって十分に正確な高次MIMOチャネル推定を提供しない。共通パイロットの送信電力の増加は、レガシーUEにより受ける干渉を増加させる範囲では望ましくないため、レガシーUEにより受ける干渉をかなり増加させることなく、次世代UEのための高次MIMOチャネル推定を改善する他の機構が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
技術的利点は、MIMO HSDPAパイロットチャネルをスケジューリングするシステム及び方法を記載する本発明の実施例により概して実現される。
【0006】
この開示の実施例によれば、チャネル推定を実現する方法が提供される。この例では、この方法は、複数の送信アンテナで複数の共通パイロットチャネルを1つ以上の次世代ユーザ装置(UE)に送信することを有する。この方法は、HSDPA(high-speed downlink packet access)共有制御チャネル(HS-SCCH:HSDPA shared control channel)命令を1つ以上の次世代UEに送信することを更に含み、HS-SCCH命令は、1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネル(scheduled pilot channel)の送信をシグナリングする。一実施例では、この方法は、次世代UEのうち第1のものから第1の肯定応答(ACK:acknowledgement)メッセージを受信したときに、1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルを送信することを含む。他の実施例では、この方法は、タイムアウト期間の終了後にACKメッセージが受信されていないときに、1つ以上のスケジューリングされたパイロットを送信することを含む。1つ以上のスケジューリングされたパイロットは、タイムアウト期間の終了後にダウンストリーム送信を受信するように1つ以上の次世代UEのうち少なくとも1つをスケジューリングしたときに送信されてもよい。前述の実施例のそれぞれにおいて、1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルは、複数の共通パイロットチャネルと同時に送信される。前述の方法を実行する装置も提供される。
【0007】
他の実施例によれば、拡張されたMIMO(multiple-input and multiple-output)チャネル推定から基本的なMIMOチャネル推定に移行する方法が提供される。この例では、この方法は、複数の共通パイロットチャネルと1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルとを1つ以上の次世代UEに同時に送信することを有する。この方法は、HS-SCCH命令を1つ以上の次世代UEに送信することを更に含む。HSDPA命令は、1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの非活性化(de-activation)をシグナリングする。一実施例では、この方法は、1つ以上の次世代UEのそれぞれからACKメッセージを受信したときに、1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの送信を非活性化することを更に含む。他の実施例では、この方法は、次世代UEのいずれかへのダウンストリームのデータ送信が停止したときに、1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの送信を非活性化することを更に含む。更に他の実施例では、この方法は、タイムアウト期間の終了のときに1つ以上のスケジューリングされたパイロットチャネルの送信を中断することを更に含む。前述の方法を実行する装置も提供される。
【0008】
選択実施例では、共通パイロットの電力割り当ては、スケジューリングされたパイロットの電力割り当てより低くてもよい。スケジューリングされたパイロットは、復調のために拡張された高次MIMOチャネル推定が望まれるときに選択的に送信されてもよい。拡張された高次MIMOチャネル推定は、次世代UEが復調を実行することを可能にしてもよく、これにより、ダウンリンクMIMO送信を可能にし、ダウンリンク送信のビットレートを増加させる。スケジューリングされたパイロットは、復調のために拡張された高次MIMOチャネル推定が望まれないとき、又は共通パイロットのみを処理することから得られた高次MIMOチャネル推定が復調に十分なときに選択的に送信されなくてもよい。共通パイロットのみから導かれたチャネル推定は、基本的な高次MIMOチャネル推定と呼ばれる。この開示の実施例は、HSDPA高次MIMOをサポートするUMTS NodeB及びUEのようなUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)MIMOシステム及びデバイスに実装されてもよい。高次MIMOは2つより多くの送信分岐を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】データを通信するためのネットワークの実施例
図2】データを通信するためのネットワークの他の実施例
図3】データを通信するためのネットワークの更に他の実施例
図4】高次MIMO通信を確立する方法の実施例のフローチャート
図5】スケジューリングされたパイロットシグナリングの通信シーケンスの実施例のプロトコル図
図6】共通及びスケジューリングされたパイロットの送信から共通パイロットのみの送信に移行する方法の実施例のフローチャート
図7】共通及びスケジューリングされたパイロットの送信から共通パイロットのみの送信に移行する通信シーケンスの実施例のプロトコル図
図8】共通パイロットのみの送信から共通及びスケジューリングされたパイロットの送信に移行する方法の実施例のフローチャート
図9】共通パイロットのみの送信から共通及びスケジューリングされたパイロットの送信に移行する通信シーケンスの実施例のプロトコル図
図10】実施例の処理システムのブロック図
図11】実施例の通信デバイスのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明及びその利点の完全な理解のために、添付図面と共に考慮される以下の説明に参照が行われる。
【0011】
異なる図面における対応する数字及び記号は、特に言及しない限り、概して対応する部分を示す。図面は、この開示の様々な実施例の関係する態様を明確に示すために描かれており、必ずしも縮尺通りに描かれているとは限らない。
【0012】
ここに示された実施例の製造及び使用について以下に詳細に説明する。しかし、本発明は、広範囲の特定の状況に具現され得る多くの適用可能な発明の概念を提供することが分かる。説明する特定の実施例は、本発明を製造及び使用する特定の方法の単なる例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0013】
共通パイロットの送信電力を増加させる1つの選択肢は、共通パイロットを低送信電力に維持し続けつつ、共通パイロットと同時に1つ以上の更なるパイロットチャネルを送信することである。これらの更なるパイロットチャネルは、スケジューリングされた共通パイロットチャネル(scheduled common pilot channel)(又は復調パイロット)として一般的に知られており、ここでは、(略して)スケジューリングされたパイロット(scheduled pilot)と呼ばれる。従って、‘スケジューリングされた共通パイロット’、‘復調パイロット’及び‘スケジューリングされたパイロット’という用語は、ここでは同義語的に使用されることがある。これらの1つ以上のスケジューリングされたパイロットは、共通パイロットを送信するために使用される同じ送信アンテナで送信され、共通パイロットにより提供される高次MIMOチャネル推定を補う役目をする。
【0014】
十分に正確な高次MIMOチャネル推定は、(例えば、レガシーUEによる干渉の経験を軽減するために)共通パイロットについて比較的低い送信電力レベルを維持しつつも、共通パイロットと共にスケジューリングされたパイロットを送信することにより提供されてもよい。移動するUEがNBのカバレッジエリアに入るときにチャネル推定を実行することを可能にするために共通パイロットがNBにより継続的に送信される間に、スケジューリングされたパイロットは、次世代UEによる正確なチャネル推定を提供するために、NBにより選択的に送信される。スケジューリングされたパイロットを選択的に送信することは、何らかの期間の間(例えば、次世代UEがダウンリンク送信を受信するようにスケジューリングされている場合)にスケジューリングされたパイロットを活性化(すなわち、送信)し、(例えば、次世代UEがデータを受信していない場合又はNBのカバレッジエリアに存在しない場合等にレガシーUEにより受ける干渉を軽減するため)他の期間の間にスケジューリングされたパイロットを非活性化することを含む。
【0015】
スケジューリングされたパイロットを活性化/非活性化する前に、NBは、次世代UEが相応してUEのチャネル推定/復調の設定を変更することができるように、ダウンリンク制御シグナリングを次世代UEに送信する必要があってもよい。例えば、スケジューリングされたパイロットが活性化されている場合、次世代UEは、そのチャネル推定技術を共通及びスケジューリングされたパイロットの双方を利用するものに再構成する必要があってもよい。逆に、スケジューリングされたパイロットが非活性化されている場合、次世代UEは、そのチャネル推定技術を共通パイロットを利用する(スケジューリングされたパイロットに依存しない)ものに再構成する必要があってもよい。NBは、1つ以上の要因に従ってスケジューリングされたパイロットを活性化/非活性化することを選択してもよい。例えば、次世代UEがダウンストリームのデータ送信のためにスケジューリングされている場合、又は特定のデータレート及び/又は特定の変調で送信する場合にのみ、スケジューリングされたパイロットを活性化してもよい。
【0016】
しかし、次世代UEがNBのカバレッジエリアに存在する場合であっても、スケジューリングされたパイロットを非活性化すること(すなわち、送信しないこと)が望まれる場合が存在し得る。例えば、次世代UEに対するレガシーUEの比が高い場合、改善された高次MIMOチャネル推定から導かれる性能の利点を、スケジューリングされたパイロットを送信する結果としてレガシーUEが担う干渉コストが上回る可能性がある。従って、次世代UEがダウンリンクの送信を受信するようにスケジューリングされたときにスケジューリングされたパイロットを選択的に非活性化する機構が望まれる。
【0017】
この開示の態様は、スケジューリングされたパイロットを選択的に活性化及び非活性化する機構と、パイロットの選択的な活性化及び非活性化をサポートするシグナリングプロトコルとを提供する。有利なことに、この機構は、スケジューリングされたパイロットがNBの判断で送信されること又は送信されないことを可能にする。更に、シグナリングプロトコルは、スケジューリングされたパイロットの送信を活性化又は非活性化する前に1つ又は一連の肯定応答(ACK)を必要とすることにより、高次MIMOサービスが中断されないことを確保する。
【0018】
図1は、データを通信するためのネットワーク100を示している。ネットワーク100は、カバレッジエリア112を有する基地局(NB)110と、複数のレガシーユーザ装置(UE)120と、少なくとも1つの次世代UE130とを有する。NB120は、レガシーUE120及び次世代UE130への無線アクセスを提供可能な如何なる構成要素でもよい。NB110は、特に、レガシーUE120とのアップリンク接続(図示せず)及び/又はダウンリンク接続(実線)を確立することにより、無線アクセスを提供してもよい。レガシーUE120は、ユーザが無線接続を確立することを可能にする如何なる構成要素又は構成要素の集合でもよい。実施例では、レガシーUEは4つ未満の受信アンテナを有してもよく、従って、マルチチャネルのMIMOダウンリンク接続を確立することができなくてもよい。或る実施例では、ネットワーク100は、リレー、フェムトセル等のような様々な他の無線デバイスを有してもよい。NB110はまた、次世代UE130に無線アクセスを提供してもよい。実施例では、次世代UE130は、カバレッジエリア112に移動してもよく、ダウンリンク接続を確立する試みとして、複数の共通パイロットを使用して高次MIMOチャネル推定を実行してもよい(図1に図示せず)。
【0019】
図2は、データを通信するためのネットワーク200を示している。ネットワーク200は、NB210がレガシーUE220及び次世代UE230に無線アクセスを提供するように構成されてもよいという点で、多くの点でネットワーク100と類似することがある。しかし、NB110とは異なり、NB210は、ダウンリンク送信を受信するようにスケジューリングされた次世代UE230を有する。更に、NB210は、ダウンリンク送信を受信するようにスケジューリングされた次世代UE230を有する理由で、2つのスケジューリングされたパイロット(点線)を送信する。
【0020】
この開示の態様は、このように行うことがネットワークにより有利に考えられる場合、次世代UEがダウンリンク送信を受信するようにスケジューリングされる間に、スケジューリングされたパイロットを活性化する機構(及び対応するシグナリング)を提供する。この開示の他の態様は、スケジューリングされたパイロットを非活性化する機構(及び対応するシグナリング)を提供する。スケジューリングされたパイロットを非活性化することが有利になる状況は、改善された高次MIMOチャネル推定から導かれる性能の利点を、レガシーUEが担う干渉コストが上回る状況を含んでもよい。例えば、スケジューリングされたパイロットは、ネットワークスループットを最大化するため、又はレガシーUEにとって良好なセル端カバレッジを提供するために非活性化されてもよい。
【0021】
図3は、データを通信するためのネットワーク300を示している。ネットワーク300は、レガシーUE320及び次世代UE330の双方がNB310からダウンリンク送信を受信するようにスケジューリングされる点で、多くの点でネットワーク200と類似することがある。しかし、NB310は、スケジューリングされたパイロットの送信を活性化/非活性化する機能を有し、特定の状態で、共通パイロットは、カバレッジエリア312内で高次MIMOパイロット送信のみになる。特に、レガシーUE320は、スケジューリングされたパイロット送信がカバレッジエリア312内で非活性化された結果として、対応するもの(レガシーUE220)より小さいCDMA干渉を受ける。
【0022】
特に、スケジューリングされたパイロットは、選択的に活性化/非活性化され、これは、これらがネットワーク状態(例えば、負荷、ダウンリンクサービス要件、チャネル状態等)に応じて送信される(又は送信されない)ことを意味する。図4は、高次MIMO通信のための方法400を示している。方法400はブロック410で始まり、NBは共通パイロットを送信する。移動する次世代UEがネットワーク接続を確立するときに高次MIMOチャネル推定を実行することを可能にするために、共通パイロットは継続的に送信されてもよい。次に、方法400はブロック420に進み、NBは、1つ以上の次世代UEへの高次MIMO送信を伝達するための1つ以上のダウンリンク接続を確立する。その後、方法400はステップ430に進み、スケジューリングされたパイロットを送信するか否かが決定される。NBがスケジューリングされたパイロットを送信しないことを決定した場合、NBがスケジューリングされたパイロットを送信することを決定するような時点まで、方法400はステップ430に留まる。NBがスケジューリングされたパイロットを送信することを決定した場合、方法400はステップ440に進み、NBは、スケジューリングされたパイロットの活性化を1つ以上の次世代UEにシグナリングする。その後、方法400はステップ450に進み、NBは、共通パイロットと共にスケジューリングされたパイロットを送信する。次に、方法400はステップ460に進み、NBは、スケジューリングされたパイロットの送信を中断するか否かを決定する。NBがスケジューリングされたパイロットの送信を継続することを決定した場合、NBがスケジューリングされたパイロットの送信を中断することを決定するような時点まで、方法400はステップ460に留まる。NBがスケジューリングされたパイロットの送信を中断することを決定した場合、方法400はステップ470に進み、NBは、スケジューリングされたパイロットの非活性化を1つ以上の次世代UEにシグナリングする。その後、方法400はステップ480に進み、NBはスケジューリングされたパイロットの送信を停止する。ステップ480の後に、方法400はステップ430に戻り、これにより、スケジューリングされたパイロットを送信するか否かについての決定が動的に更新されてもよい。
【0023】
スケジューリングされたパイロットの抑制(又は導入)のシグナリングは、HSDPA共有制御チャネル(HS-SCCH:HSDPA Shared Control CHannel)を介して実行されてもよい。図5は、NB520と1つ以上の次世代UE531-533との間のスケジューリングされたパイロットのシグナリングのためのプロトコル500を示している。プロトコル500は、NB520から次世代UE531-533への複数のHS-SCCH命令541-543の通信を含む。これに応じて、次世代UE531-533は、複数の肯定応答(ACK)551-553で応答する。HS-SCCH命令541-543は、HS-SCCHを介して通信されてもよく、スケジューリングされたパイロットを活性化又は非活性化するためのNB520の意図を示してもよい。例えば、スケジューリングされたパイロットが現在送信されている場合、HS-SCCH命令541-543は、ACK551-553を受信した後にスケジューリングされたパイロットを抑制する意図を示してもよい。このような場合、次世代UE541-543は、HS-SCCH命令541-543を受信したときに、拡張された高次MIMOチャネル推定から基本的な高次MIMOチャネル推定に移行してもよい。他方、スケジューリングされたパイロットが現在送信されていない場合、HS-SCCH命令541-543は、スケジューリングされたパイロットを送信する意図を示してもよい。このような場合、次世代UE541-543は、HS-SCCH命令541-543を受信したときに、基本的な高次MIMOチャネル推定から拡張された高次MIMOチャネル推定に移行してもよい。
【0024】
図6は、拡張された高次MIMOチャネル推定から基本的な高次MIMOチャネル推定に移行する方法600を示している。ここで説明するように、拡張された高次MIMOチャネル推定は、少なくとも1つのスケジューリングされたパイロットチャネルに従って実行されるチャネル推定を示す。実施例では、拡張された高次MIMOチャネル推定は、チャネル推定がスケジューリングされたパイロットのみを使用して実行される場合と、チャネル推定が共通パイロットと共にスケジューリングされたパイロットを使用して実行される場合とを含んでもよい。この方法はステップ610で始まり、NBは共通及びスケジューリングされたパイロットを送信する。次に、方法600はステップ620に進み、NBは、HS-SCCH命令を全ての次世代UEに送信する。HS-SCCH命令は、NBが将来の或る時点でスケジューリングされたパイロットの送信を停止することを示す。HS-SCCH命令を受信すると、次世代UEは、ACKをNBに送信し、スケジューリングされたパイロットチャネルの復調を停止し、スケジューリングされたパイロットに依存しない(例えば、共通パイロットのみを使用する)チャネル推定技術に切り替えてもよい。次世代UEはまた、HS-SCCH命令を受信したときに、アップリンクのフィードバックフォーマットを変更してもよい。その後、方法600はステップ630に進み、NBは次世代UEから肯定応答を受信する。或る実施例では、無線アクセスの中断を回避するために、NBは、スケジューリングされたパイロットの送信を停止する前に、肯定応答がそれぞれの次世代UEから受信されるまで待機してもよい。すなわち、次世代UEが拡張された高次MIMOチャネル推定から基本的な高次MIMOチャネル推定に移行する前に、スケジューリングされたパイロットの送信が停止された場合、ダウンリンク接続は失われてもよい。
【0025】
図7は、拡張された高次MIMOチャネル推定から基本的な高次MIMOチャネル推定に移行する通信シーケンス700の実施例のプロトコル図を示している。通信シーケンス700は、NB702と1つ以上の次世代UE704との間で行われ、NB702が共通及びスケジューリングされたパイロットの双方710を次世代UE704に送信したときに始まる。その後、NB702は、HS-SCCH命令720を高次MIMO UE704に送信し、スケジューリングされたパイロットの送信が将来の或る時点で停止することを示す。その後、次世代UE704のそれぞれは、肯定応答730をNB702に送信し、HS-SCCH命令720がうまく受信されたことを示す。その後、NB702は、スケジューリングされたパイロットを非活性化する。
【0026】
実施例では、NB702は、それぞれの次世代UEからACKを受信しないことがある。このような実施例では、NB702は、少なくとも1つの次世代UEがダウンリンクのデータ送信を受信するようにスケジューリングされる限り、スケジューリングされたパイロットを送信し続けてもよい。全ての次世代UEがACKを提供した場合、又はダウンリンクのデータ送信の受信を停止した場合、NB702は、スケジューリングされたパイロットを非活性化してもよい。
【0027】
図8は、基本的な高次MIMOチャネル推定から拡張された高次MIMOチャネル推定に移行する方法800を示している。方法800はステップ810で始まり、NBは共通パイロットを送信する。次に、方法800はステップ820に進み、NBは、HS-SCCH命令を全ての次世代UEに送信する。HS-SCCH命令は、NBがスケジューリングされたパイロットを送信し始めることを示す。HS-SCCH命令を受信すると、次世代UEは、ACKをNBに送信し、スケジューリングされたパイロットチャネルを監視及び/又は受信し始めてもよい。スケジューリングされたパイロットを検出/受信すると、次世代UEは、共通及びスケジューリングされたパイロットの双方を利用するチャネル推定技術に切り替えてもよい。UEはまた、HS-SCCH命令を受信したときに、アップリンクのフィードバックフォーマットを変更してもよい。次に、方法800はステップ830に進み、NBは少なくとも1つの次世代UEからACKメッセージを受信する。その後、方法800はステップ840に進み、NBは、共通パイロットに加えてスケジューリングされたパイロットを送信し始める。特に、スケジューリングされたパイロットの送信は、基本的な高次MIMOチャネル推定を抑制せず、従って、NBは、スケジューリングされたパイロットを送信する前にそれぞれの次世代UEからACKメッセージを待機する必要はない。
【0028】
実施例では、NB802は、HS-SCCH命令が送信されたそれぞれの次世代UEからACKを受信しないことがある。これは、NB802のスケジューリングされたパイロットの活性化に影響を与えない。この理由は、NBは、最初のACKが受信されるとすぐにスケジューリングされたパイロットを送信し始めるように構成されているからであり、従って、スケジューリングされたパイロットを活性化する前に、全ての次世代UEからACKを受信する必要はないからである。他の実施例では、NB802は、HS-SCCH命令が送信された次世代UEの全てからACKを受信しないことがある。このような実施例では、NBは、ACK受信を待機し、特定の設定可能な期間(例えば、タイムアウト期間)の後に、NBは、ダウンリンクのデータチャネルの送信を開始したときにスケジューリングされたパイロットを活性化する。
【0029】
図9は、基本的な高次MIMOチャネル推定から拡張された高次MIMOチャネル推定に移行する通信シーケンス900の実施例のプロトコル図を示している。通信シーケンス900は、NB902と1つ以上の次世代UE904との間で行われ、NB902がスケジューリングされたパイロットを送信せずに、共通パイロット910を次世代UE904に送信したときに始まる。その後、NB902は、HS-SCCH命令920を高次MIMO UE904に送信し、スケジューリングされたパイロットの送信が将来の或る時点で始まることを示す。その後、次世代UE904は、肯定応答をNB902に送信し、HS-SCCH命令920がうまく受信されたことを示す。肯定応答930は、NB902に受信される最初の肯定応答である。その後、NB902は、共通及びスケジューリングされたパイロット904の双方を次世代UE904に送信することにより、スケジューリングされたパイロットを活性化する。その後、NB902はデータ送信950を実行し、次世代UEは、拡張された高次MIMOチャネル推定に従ってデータ送信950を受信/処理する。
【0030】
HS-SCCH命令は、3GPP Technical Specifications 25.212に規定されてもよく、NBによりUE動作を命令するために使用されてもよい。表1及び2は、パイロットチャネルの送信における変更をシグナリングするために使用され得るHS-SCCH命令の例を示している。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
表1は、パイロットチャネルのシグナリングに使用されるHS-SCCH命令の第1の例を提供する。いくつかの命令は、アップリンク(UL:uplink)閉ループ送信ダイバーシチ(CLTD:closed-loop transmit diversity)を実現するために現在使用されることがあり、また、スケジューリングされたパイロットの活性化/非活性化のシグナリングのために再利用されてもよい。未使用の命令は、スケジューリングされたパイロットの活性化/非活性化のシグナリングのために使用されてもよい。表2は、パイロットチャネルのシグナリングに使用されるHS-SCCH命令の第2の例を提供する。表2において新たな命令タイプが使用されており、未使用の命令のいずれかがスケジューリングされたパイロットの活性化/非活性化のシグナリングに使用されてもよい。
【0033】
実施例では、NBは、共通パイロットチャネルを常に送信してもよい。同じ実施例又は他の実施例では、NBは、スケジューリングされたパイロットの送信を停止し、次世代UEは、基本的な高次MIMOチャネル推定を実行してもよい。次世代UEが拡張された高次MIMOチャネル推定を実行するときに、NBはスケジューリングされたパイロットを送信してもよい。拡張された高次MIMOチャネル推定への移行/からの移行に関するシグナリングは、前述の通りである。このようなシグナリングにおいて、ACKメッセージ及びHS-SCCH命令は、一般的に任意のタイミングを有してもよい。
【0034】
或る実施例では、いくつかのスケジューリングされたパイロットは、プリコーディングされていないパイロット(non-precoded pilot)でもよく、ネットワークにより制御されてもよい。HS-SCCH命令は、スケジューリングされたパイロット(スケジューリングされたプリコーディングされていないパイロットを含む)の活性化状態を変更するために使用されてもよい。活性化された場合、スケジューリングされたパイロットは、4分岐MIMOについて構成されたUEのHS-PDSCHと共にスケジューリングされてもよい。或る実施例では、NBは、スケジューリングされたパイロットを活性化/非活性化する前に、HS-SCCH命令のACKの受信を待機してもよい。或る実施例では、少なくとも1つのスケジューリングされたプリコーディングされていないパイロットがサポートされる。他の実施例では、2つ以上のスケジューリングされたプリコーディングされていないパイロットがサポートされる。実施例では、新たに規定されたパイロットの拡散符号インデックス及び電力オフセットは、RRCシグナリングを使用して構成される。実施例では、第3及び第4の共通パイロットは、共通の電力オフセットを使用してもよく、2つのスケジューリングされたプリコーディングされていないパイロットはまた、共通の電力オフセットを使用してもよい。この開示の態様は概して高次又は高次MIMO(例えば、4分岐MIMO等)に関して説明しているが、ここで説明した原理はまた、更なるパイロットチャネルがHS-SCCH命令により活性化/非活性化される他の種類のネットワーク構成にも適用可能である。
【0035】
図10は、ここに開示されたデバイス及び方法を実装するために使用され得る処理システムのブロック図である。特定のデバイスは、図示の構成要素の全てを利用してもよく、構成要素の一部のみを利用してもよく、統合のレベルはデバイス毎に異なってもよい。更に、デバイスは、複数の処理ユニット、プロセッサ、メモリ、送信機、受信機等のように、構成要素の複数のインスタンスを含んでもよい。処理システムは、スピーカ、マイクロフォン、マウス、タッチスクリーン、キーパッド、キーボード、プリンタ、ディスプレイ等のように、1つ以上の入力/出力デバイスを備えた処理ユニットを有してもよい。処理ユニットは、バスに接続された中央処理装置(CPU)、メモリ、大容量記憶デバイス、ビデオアダプタ、及び入力/出力インタフェースを含んでもよい。バスは、メモリバス又はバスコントローラ、周辺バス、ビデオバス等を含むいずれかの種類の複数のバスアーキテクチャのうち1つ以上でもよい。CPUは、いずれかの種類の電子データプロセッサを有してもよい。メモリは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、これらの組み合わせ等のように、いずれかの種類のシステムメモリを有してもよい。実施例では、メモリは、ブートアップに使用されるROMと、プログラムのためのDRAMと、プログラムを実行する間に使用するためのデータ記憶装置とを含んでもよい。
【0036】
大容量記憶デバイスは、データ、プログラム及び他の情報を格納し、データ、プログラム及び他の情報をバスを介してアクセス可能にするように構成されたいずれかの種類の記憶デバイスを有してもよい。大容量記憶デバイスは、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ等のうち1つ以上を有してもよい。ビデオアダプタ及びI/Oインタフェースは、外部の入力及び出力デバイスを処理ユニットに結合するためのインタフェースを提供する。図示のように、入力及び出力デバイスの例は、ビデオアダプタに結合されたディスプレイと、I/Oインタフェースに結合されたマウス/キーボード/プリンタとを含む。他のデバイスも処理ユニットに結合されてもよく、更なるインタフェースカード又は少ないインタフェースカードが利用されてもよい。例えば、プリンタのインタフェースを提供するために、USB(Universal Serial Bus)(図示せず)のようなシリアルインタフェースが使用されてもよい。
【0037】
処理ユニットはまた、1つ以上のネットワークインタフェースを含む。1つ以上のネットワークインタフェースは、Ethernet(登録商標)ケーブル等のような有線リンク及び/又はノード又は異なるネットワークにアクセするための無線リンクを有してもよい。ネットワークインタフェースは、処理ユニットがネットワークを介して遠隔ユニットと通信することを可能にする。例えば、ネットワークインタフェースは、1つ以上の送信機/送信アンテナ及び1つ以上の受信機/受信アンテナを介した無線通信を提供してもよい。実施例では、処理ユニットは、他の処理ユニット、インターネット、遠隔記憶施設等のような遠隔デバイスとのデータ処理及び通信のために、ローカルエリアネットワーク又は広域ネットワークに結合される。
【0038】
図11は、通信デバイス1100の実施例のブロック図を示している。通信デバイス1100は、前述の1つ以上のデバイス(例えば、UE、NB等)と同等のものでもよい。通信デバイス1100は、図11に示すように構成されてもよい(構成されなくてもよい)プロセッサ1104と、メモリ1106と、セルラインタフェース1110と、補助無線インタフェース1112と、補助インタフェース1114とを含んでもよい。プロセッサ1104は、計算及び/又は他の処理に関するタスクを実行可能ないずれかの構成要素でもよく、メモリ1106は、プロセッサ1104のためのプログラム及び/又は命令を格納可能ないずれかの構成要素でもよい。セルラインタフェース1110は、通信デバイス1100がセルラ信号を使用して通信することを可能にするいずれかの構成要素又は構成要素の集合でもよく、セルラネットワークのセルラ接続で情報を受信及び/又は送信するために使用されてもよい。補助無線インタフェース1112は、通信デバイス1100がWi-Fi若しくはBluetooth(登録商標)プロトコル又は制御プロトコルのような非セルラ無線プロトコルを介して通信することを可能にするいずれかの構成要素又は構成要素の集合でもよい。補助インタフェース1114は、通信デバイス1100が有線プロトコルを含む補助プロトコルを介して通信することを可能にする構成要素又は構成要素の集合でもよい。実施例では、補助インタフェース1114は、デバイス1100がバックホールネットワークと通信することを可能にしてもよい。
【0039】
例示的な実施例を参照して本発明について説明したが、この説明は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。例示的な実施例の様々な変更及び組み合わせ、並びに、本発明の他の実施例は、この説明を参照することで当業者に明らかになる。従って、特許請求の範囲はいずれかのこのような変更又は実施例を含むことを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11