(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液圧回転機械のシューの球継手部を摺動回転可能に支持する凹球部及び円筒状の中空部の各々が各端部に形成され、且つ前記凹球部と前記中空部との間にそれらを連通する油通路が形成されているピストンであって、
前記凹球部は、鍛造で形成された凹球面を有し、
前記中空部は、鍛造で形成された内周面と底面を有し、
前記凹球部と油通路との接続部分は、前記凹球部側に向かって裾野が広がるように形成されている、ピストン。
液圧回転機械のシューの球継手部を摺動回転可能に支持する凹球部及び円筒状の中空部の各々が各端部に形成され、且つ前記凹球部と前記中空部との間にそれらを連通する油通路が形成されているピストンであって、
前記凹球部は、鍛造で形成された凹球面を有し、
前記中空部は、鍛造で形成された内周面と底面を有し、前記内周面と前記底面とによって円筒状に形成され、
前記内周面は、前記底面に連なる隅部分が前記ピストンの軸線方向に延びる縦長の長円弧状になるように形成されている、ピストン。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る実施形態の油圧ポンプ1、及びピストン2について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する油圧ポンプ1、及びピストン2は、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0025】
<油圧ポンプ>
油圧ポンプ1は、吸引した低圧の作動油を加圧し、高圧の作動油を吐出するようになっており、例えば油圧ピストン機構及び油圧モータ等の油圧機器に作動油を供給して油圧機器を駆動するようになっている。
図1に示す油圧ポンプ1は、いわゆる可変容量型の斜板ポンプであり、ケーシング11、回転軸12と、シリンダブロック13と、複数のピストン2と、複数のシュー15と、斜板16と、バルブプレート17とを備えている。ケーシング11は、各構成2,12〜17を収容するように構成されており、回転軸12の一端部がケーシング11から突出ている。回転軸12の一端部側の部分及び他端部には、ベアリング18,19が設けられており、回転軸12は、ベアリング18,19を介してケーシング11に回転可能に支持されている。また、回転軸12には、その他端部側の部分にシリンダブロック13が挿通されている。
【0026】
シリンダブロック13は、大略的に円筒筒状に形成され、スプライン結合などによって相対回転不能に互いに軸線を一致させるようにして結合されている。それ故、シリンダブロック13は、回転軸12と一体的に軸線L1回りを回転するようになっている。また、シリンダブロック13には、複数のシリンダ室20が形成されており、複数のシリンダ室20は、軸線L1を中心とする周方向に等間隔をあけて配置されている。シリンダ室20は、シリンダブロック13の一端側で開口し且つ軸線L1に平行に伸びる孔であり、開口からピストン2が挿入されている。
【0027】
ピストン2は、いわゆるフィメール型のピストンであり、大略円筒状に形成されている。ピストン2の両端部には、中空部21及び凹球部22の各々が形成されており、中空部21は、ピストン2の先端で開口し且つその先端から基端側へと延びる円筒状の部分である。凹球部22は、ピストン2の基端で開口し、部分球状に形成されている部分である。これら中空部21及び凹球部22は、ピストン2の軸線L2上に形成され且つ軸線方向(即ち先端側と基端側と)に離して配置されており、中空部21と凹球部22との間には、それらを連通する油通路23が形成されている。このように構成されるピストン2には、凸球部を有するシュー15が取り付けられている。
【0028】
シュー15は、球継手部(凸球部)15aと、基体部15bとを有している。球継手部15aである鋼球は、大略円球状に形成されており、例えば、ころがり軸受用の鋼球についての規定であるJIS B 1501の「形状及び表面粗さの許容限界値」を示す等級G3〜G100に基づいて形成される。このような形状を有する球継手部15aは、ピストン2の凹球部22に嵌まり込んでカシメられており、凹球部22の中心点C1を中心に回転するようになっている。球継手部15aは、基体部15bに一体的に形成されている。基体部15bは、大略円板状に形成されており、その厚み方向一表面に球継手部15aが一体的に形成されている。また、基体部15bの厚み方向他表面は、平坦に形成されており、斜板16に押し付けられている。
【0029】
斜板16は、大略的に円環状の板であり、その内孔に回転軸12を挿通させてケーシング11内に配置されている。また、斜板16の厚み方向一表面は、平坦に形成されており、支持面16aを形成している。支持面16aは、シリンダブロック13の一端面に傾斜している状態で面しており、支持面16a上には、複数のシュー15の基体部15bが周方向に間隔をあけて配置されている。また、回転軸12には、複数のシュー15を支持面16aに押さえ付けるために押え板24が設けられている。
【0030】
押え板24は、大略的に円環状に形成されており、その内孔に回転軸12が挿通されている。また、押え板24には、周方向に間隔をあけて複数の孔が形成されている。複数の孔は、支持面16aに配置される複数のシュー15の各々に対応付けて形成されており、各孔には、対応するシュー15の基体部15bが嵌まり込むようになっている。また、基体部15bは、外周部であって斜板16側の部分(即ち、他方面側の部分)に前記孔より大径に形成されるフランジ15cを有しており、フランジ15cが押え板24と斜板16とによって挟持されるようになっている。また、回転軸12には、押え板24が設けられている位置に球面ブッシュ12aが形成されており、押え板24は、球面ブッシュ12aに嵌まり込んでその外周面に保持されている。球面ブッシュ12aは、回転軸12にスプライン結合等により相対回転不能に結合され、図示しないシリンダスプリングによって斜板16に向かって付勢されている。これにより、複数のシュー15が押え板24によって支持面16aに押さえ付けられている。
【0031】
また複数のシュー15は、支持面16aにおいて軸線L1を中心に回転するようになっている。即ち、回転軸12が回転し、それに伴ってシリンダブロック13及び押え板24が軸線L1まわりに回転すると、複数のシュー15が軸線L1まわりに回転する。複数のシュー15が軸線L1まわりに回転すると、シリンダブロック13の一端面に対して支持面16aが傾斜しているので、各シュー15がシリンダブロック13の一端面に対して近づいたり離れたりする。これにより、各シュー15に取付けられるピストン2は、軸線L1まわりを回転しながらシリンダ室20を往復運動するようになっている。
【0032】
また、シリンダブロック13の他端側には、複数のシリンダポート25が形成されており、各シリンダポート25は、シリンダ室20毎に一対一で対応付けて形成されている。複数のシリンダポート25は、シリンダブロック13の他端に開口を有しており、開口が軸線L1を中心とする周方向に間隔をあけて位置するように配置されている。また、シリンダブロック13の他端には、バルブプレート17が設けられている。
【0033】
バルブプレート17は、大略的に円板状になっており、回転軸12が相対回転可能に挿通され、その厚み方向一表面をシリンダブロック13の他端に当接させている状態でケーシング11に固定されている。バルブプレート17には、吸入ポート17a及び吐出ポート17bが形成されている。吸入ポート17a及び吐出ポート17bは、バルブプレート17の厚み方向に貫通し且つ周方向に延在する孔であり、周方向に互いに間隔をあけて配置されている。また、吸入ポート17a及び吐出ポート17bは、複数のシリンダポート25に対応させて配置されており、シリンダブロック13が回転することによって各シリンダポート25が接続されるポート17a,17bが切換わるようになっている。なお、
図1では、説明の便宜上、下死点及び上死点におけるシリンダポート25が各ポート17a,17bと繋がっているものを図示しているが、実際には、シリンダポート25は、下死点(
図1の紙面下側の位置)付近で吸入ポート17aから吐出ポート17bに切換わり、上死点(
図1の紙面上側の位置)付近で吐出ポート17bから吸入ポート17aに切換わるようになっている。
【0034】
このように構成される油圧ポンプ1では、回転軸12が回転するとシリンダ室20を複数のピストン2が往復運動する。これにより、吸入ポート17aからシリンダ室20に作動油が吸入され且つシリンダ室20に吸入された作動油が吐出ポート17bから吐出されるようになっている。各ポート17bから吐出される作動油の流量は、斜板16の角度に応じて変化するようになっており、斜板16及び押え板24の角度を変えるべく油圧ポンプ1はサーボ機構26を有している。サーボ機構26は、斜板16が軸線L2周りに傾動可能に構成されており、斜板16が傾動することによってピストン2のストローク量が変化するようになっている。これにより吐出ポート17bから吐出される作動油の吐出量(即ち、ポンプ容量)を変化させることができる。
【0035】
<鍛造ピストン>
このような機能を有する油圧ポンプ1では、
図2に示すようにピストン2としてフィメール型のピストンが用いられている。ピストン2は、例えばSCM415、又は0.2%の炭素を含有する炭素鋼等のような低強度の材料を用いて鍛造で成形されている。より詳細には、ピストン2は、中空部21、凹球部22、及び油通路23を含む全体がプレス機械等による冷間圧造によって成形される。その後ピストン2の外周面は、焼準、切削加工、研磨、及び硬化処理(例えば、ガス軟窒化処理又は塩浴軟窒化処理)が施される。他方、ピストン2の内周面である中空部21、凹球部22、及び油通路23は冷間圧造だけで形成されている。つまり、本発明は、ピストン2の内部形状である中空部21、凹球部22、及び油通路23の形状を所定の形状に設計することにより、ピストン2の内部形状を鍛造のみで実用レベルに形成可能である。したがって、本発明は、耐久性を確保しつつ、且つ、低コストで製造可能なピストン2を実現できる。以下では、中空部21、凹球部22、及び油通路23の特に優れた形状について説明する。
【0036】
<中空部の形状>
中空部21は、前述の通り円筒状に形成されており、内周面21aと底面21bとを有している。内周面21aは、ピストン2の軸線L3周りに形成され、底面21bは、軸線L3に直交するように形成されている。内周面21aは、その基端側において底面21bと連なっており、底面21bに連なる隅部分21cを有している。
図3に示すように、隅部分21cは、軸線L3を含む断面で切断すると底面21bに向かって先細りになるように湾曲して形成されている。本実施形態において、隅部分21cは、軸線L3が延びる方向に縦長になっている大略四半楕円形状(長円弧形状)に形成されており、その長軸aと短軸bの比率、即ち楕円率b/aが0.3以上0.7以下の範囲となるように形成されている。このように隅部分21cを大略四半楕円に形成することで、隅部分21cをR面取りした場合に比べて、圧力集中の低減を図ることができる。そのため、隅部分21cをより小さい楕円形状の曲面にしても、ピストンの強度を実用レベルとすることができる。それ故、鍛造だけで成形される中空部21でも耐久性を確保しつつ、且つ鍛造だけで成形することによってピストン2及び油圧ポンプ1の製造コストを抑えることができる。また、鍛造時の成形荷重を低減することができるため、鍛造成形性が向上する。
【0037】
<凹球部の形状>
シュー15の球継手部15aを取り付ける前の凹球部22は、開口付近(上部)が円筒状で且つ底側(下部)が半球面状になっている。凹球部22は、そこに球継手部15aを嵌め込んで外周面を内側に押し込んでカシメることによって部分球面状に形成されるようになっている。これにより、球継手部15aが凹球部22によって包み込まれ、シュー15の球継手部15aがピストン2に対して回転可能であり且つ離脱しないようになっている。また、凹球部22の底側では、その内面である凹球面22aが球継手部15aの外表面(即ち、球面)に合せて鍛造のみによって成形されている。凹球面22aの形状について、以下で詳細に説明する。
【0038】
凹球面22aは、その中心(即ち、中心点C1)がピストン2の軸線L3を通るようになっており、ピストン2の中心軸(軸線L3)に対してなす角度θが90度以下の領域が、凹球面22aにおける半球面の領域22bとなる。換言すると、凹球面22aの中心(中心点C1)と凹球面22aの表面とを結ぶ直線と軸線L3とのなす角度θが90度以下の領域が、凹球面22aにおける半球面の領域22bとなる。ここで、凹球面22aにおける半球面の領域22bとは、ピストン2に油通路23が形成されている場合の、ピストン2の中心軸(軸線L3)に対してなす角度θが90度以下の領域である。
【0039】
凹球面22aと球継手部15aとの当たりは、例えば、ころがり軸受用の鋼球についての規定であるJIS B 1501の「形状及び表面粗さの許容限界値」を示す等級G3〜G100に基づいて形成されたマスタ球31を用いて確認される。マスタ球31は球継手部15aの鋼球の基準となり、球継手部15aの鋼球もマスタ球31と同基準、同条件で形成される。したがって、マスタ球31と凹球面22aにおける半球面の領域22bとの当たり判定と、球継手部15aと凹球面22aにおける半球面の領域22bとの当たり判定とは、同じ当たり判定とみなせる。マスタ球31は、設定される直径Dに対して例えば所定寸法以下(例えば、±5μm以下)の公差で形成されている。このマスタ球31の外周面に塗料(例えば、ベアリングレッド)を所定の厚み(例えば、10μm以下)に塗り、所定の押付力(例えば、1〜5kgf)でマスタ球31を凹球面22aに押し付けた場合に、塗料が転写された部分を凹球面22aと球継手部15aとが当たっていると判定する。そして、塗料が転写された領域の面積(転写面積)が、半球面の領域22bの全面積の40%以上である場合に、当たり面積が40%以上であるとする。なお、本実施形態では、ピストン2は、凹球面22aにおける半球面の領域22bとマスタ球31とが当たっている当たり面積が、半球面の領域22bの全面積に対して、40%以上になるように形成されている。
【0040】
このように、当たり面積を40%以上にすることで、ピストン2によって作動油を押しているとき又は作動油によってピストン2が押されているときに球継手部15aからの荷重を凹球面22aにおいて広い領域で受けることができ、凹球面22aに作用する面圧(単位面積当たりの荷重)を小さくすることができる。これにより、高圧(例えば、28MPa)の作動油を吐出するべくピストン2に大きな荷重が作用しても、凹球部22が損傷することなく、凹球部22内で球継手部15aを円滑に動かすことができる。それ故、鍛造だけで成形される凹球面22aを高圧にも耐え得るようにすることができ、また凹球面22aを鍛造だけで成形することによってピストン2及び油圧ポンプ1の製造コストを抑えることができる。
【0041】
また、凹球面22aにおいて、ピストン2の中心軸(軸線L3)に対してなす角度θが35度以上50度以下の領域が、第一環状領域22cとなる。換言すると、凹球面22aの中心と凹球面22aの表面とを結ぶ直線と軸線L3とのなす角度θが35度以上50度以下の領域が、第一環状領域22cである。そして、ピストン2は、第一環状領域22cの全面積に対して当たり面積(即ち、周方向の当たり)が50%以上になるように形成されている。即ち、前述する条件でマスタ球31を凹球面22aに押し付けて塗料が転写された際に、第一環状領域22cの全面積に対して転写面積が50%以上となるように形成されている。このように、第一環状領域22cにおける当たり面積を50%以上にすることで、往復運動することによって球継手部15aから受ける軸線方向の荷重を凹球面22aの底部(軸線L3近傍の環状面)の広い面で受けることができ、凹球面22aに作用する面圧を低減することができる。これにより、球継手部15aをピストン2の凹球面22aの面圧が低い状態で、より軸線方向側から支えることができる。これにより、ピストン2に更に大きな荷重が作用しても球継手部15aを円滑に摺動させることができ、ピストン2及び油圧ポンプ1を更に高い吐出圧に対応させることができる。
【0042】
更に、凹球面22aにおいて、環状の第一境界22fと環状の第二境界22gとの間に形成される領域が、第二環状領域22dとなる。ここで、環状の第一境界22fは、油通路23と凹球面22aとがつながるところ、即ち油通路23と凹球面22aとの境目である。また、環状の第二境界22gは、凹球面22aの中心と凹球面22aの表面とを結ぶ直線と前記ピストンの中心軸(軸線L3)とのなす角度θが35度の線を軸線L3周りに回転させたときにその線と凹球面22aとが交わるところ、即ち凹球面22aにおいて前記なす角度θが35度の位置に規定される境目である。そして、ピストン2は、凹球面22aにおける第二環状領域22dとマスタ球31とが当っている面積が第二環状領域22dの全面積の60%以上となるように形成される。即ち、前述する条件でマスタ球31を凹球面22aに押し付けて塗料が転写された際に、第二環状領域22dの全面積に対して転写面積が60%以上となるように形成されている。このように第二環状領域22dの周方向の当たりを60%以上にすることによって、球継手部15aが凹球面22aに対して片当たりすることを抑制することができる。これにより、凹球面22aに作用する面圧を均一にすることができ、ピストン2及び油圧ポンプ1を更に高い吐出圧に対応させることができる。
【0043】
更に、凹球面22aにおいて、ピストン2の中心軸(軸線L3)に対してなす角度θが33度以上35度以下の領域が、第三環状領域22eとなる。換言すると、凹球面22aの中心と凹球面22aの表面とを結ぶ直線と軸線L3とのなす角度θが33度以上35度以下の領域が第三環状領域22eである。そして、ピストン2は、第三環状領域22eの全面積に対して当たり面積(即ち、周方向の当たり)が60%以上となるように形成されている。即ち、前述する条件でマスタ球31を凹球面22aに押し付けて塗料が転写された際に、第三環状領域22eの全面積に対して転写面積が60%以上となるように形成されている。このように第三環状領域22eの周方向の当たりを60%以上にすることによって、球継手部15aが凹球面22aに対して片当たりすることを抑制することができる。これにより、凹球面22aに作用する面圧を均一にすることができ、ピストン2及び油圧ポンプ1を更に高い吐出圧に対応させることができる。
【0044】
<油通路の形状>
油通路23は、中空部21と凹球部22とを連通する大略断面円形状の貫通孔であり、また、孔径rと深さdと比であるアスペクト比が0.7以上1.2以下の範囲になっている。このように油通路23を形成することによって、ピストン2の強度及び鍛造のしやすさの両方を確保することができる。これにより、鍛造だけで成形される油通路23でも高圧にも耐え得るようにすることができ、また鍛造で成形することによってピストンの製造コストを抑えることができる。
【0045】
また、油通路23は、凹球部22との接続部分23aにR面取りを施しており、接続部分23aがフィレット形状になっている。即ち、接続部分23aは、凹球部22側に向かって裾野が広がるように形成されている。これにより、凹球部22内を摺動回転する球継手部15aが接続部分23aに当たって回転が阻害されることを抑制することができる。これにより、球継手部15aの摺動抵抗を低減させることができ、ピストン2及び油圧ポンプ1を更に高い圧力に対応させることができる。
【0046】
<その他の実施形態>
本実施形態では、液圧回転機械として油圧ポンプ1を例にして説明したが、液圧回転機械は油圧モータであってもよい。また、吸入及び吐出される作動液も作動油に限定されず水等の液体でもよい。更に、油圧ポンプ1として可変容量型の斜板ポンプを例にして説明したが、固定容量型の斜板ポンプであってもよい。更に、ピストン2の適用される機器は、油圧ポンプ1のような液圧回転機器に限定されず、アクチュエータ等に適用されてもよい。更に、ピストン2の中空部21、凹球部22、及び油通路23における各々の特徴的な形状は、必ずしも全て備えている必要はなく、個々の特徴的な形状によっても優れた作用効果を奏し、前述のように組み合わせることによって更に優れた作用効果を奏する。
【解決手段】 ピストンでは、円筒状になっており、部分球状の凹球部と円筒状の中空部とが各端部に形成され、且つ凹球部と中空部との間にそれらを連通する油通路が形成されている。凹球部は、鍛造で形成された部分球状の凹球面を有し、凹球面でシューの凸球部を摺動回転可能に支持し、凹球面は、凸球部が準拠する予め定められたマスタ球と当たる面積が凹球面の全面積の40%以上になっている。