(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1リンクチェーン又は前記第2リンクチェーンが、前記主軸の軸方向に関して複数組設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のチェーンミキサー。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、各図において主軸11が延伸する方向をZ方向、主軸11と交差し、接続部13が伸びる方向をY方向、これらY方向とZ方向に直交する方向(紙面に対して鉛直の方向)をX方向としてそれぞれ設定する。しかしながらこれら方向に関する定義付けは便宜的なものであり、特許請求の範囲を限定的に解釈するために用いられるものではない。
【0015】
<第1実施形態>
<チェーンミキサー、撹拌装置>
図1は、本発明の第1実施形態に係るチェーンミキサー10及び撹拌装置100を示す斜視図である。
図1に示すとおり、本実施形態の撹拌装置100は、容器内に貯蔵された種々の液体を撹拌する機能を有し、リンクチェーン14を用いてミキシング(撹拌動作)を行うためのチェーンミキサー10、その操作部60に電力を供給する電源70などを含んで構成されている。なお、電源70の変わりにエアコンプレッサーを設けて圧縮エアーを供給してもよい。
【0016】
ここで、本発明が適用可能な容器について用途や材料に制限はなく、例えばインクや塗料などが貯蔵される缶(一斗缶など)や食料が貯蔵されるタンクやペットボトルなどが例示される。また、容器の材質としては、金属製や樹脂製などが適用できる。
また、かような容器に貯蔵される液体としても制限はないが、例えば上記したインク、塗料、各種薬品、食用の液体(酒、油など)などが挙げられる。また、この液体に対して粉末や粒子が混在していてもよい。
【0017】
以下では、容器の例として缶、液体の例として塗料を用いて説明を継続する。なお、本実施形態において以下で詳述する構成以外については、例えば上記した特開2011−5349号公報、実用新案登録第3104881号公報、あるいは実開平7−6270号公報など公知の他の構成を適宜援用してもよい。
図1に示すとおり、撹拌装置100は、チェーンミキサー10の基端が接続される操作部60と、この操作部60に電力を供給する電源70を備えている。
【0018】
操作部60は、公知のいわゆるグリップ式の操作レバー機構であり、不図示の電動式モータが搭載されている。当該モータは、使用時に後述する電源70から電力を受けてチェーンミキサー10を回転駆動させる機能を有している。
なお、本実施形態では操作部60として機械式のグリップを例示したが、これに限られず、例えば液晶画面などで表示される動作ボタンによって電源がモータに入力される形態でもよい。
【0019】
電源70は、例えば商用電源が例示される。本実施形態の電源70は、撹拌装置100に対し、公知のプラグとコンセントを介して電力を供給可能となっている。
なお、本実施形態では電源70の例示として商用電源を用いたが、これに限られず例えば電池を電源としてもよい。この場合には、操作部60に電池格納部を設けることで、操作部60と電源70とが一体化されることになる。
また、手作業などによる撹拌動作を実施する場合には、必ずしも電源70は必要なく、この場合には省略が可能である。
【0020】
なお、この操作部60は、典型的には変速ドリル機構が採用されている。そして操作部60は、容器(塗料容器など)の口の広狭に応じて、例えば広口缶(1L缶など)ではスロー回転、小口缶(18L缶など)では高速回転といった回転動作を実行することが可能となっている。
【0021】
次に、
図1および
図2を用いて本実施形態のチェーンミキサー10について詳述する。
図1および
図2に示すとおり、チェーンミキサー10は、容器内に先端から挿入されて容器内の内容物を撹拌する機能を有している。本実施形態のチェーンミキサー10は、主軸11、接続端12、接続部13、およびリンクチェーン14を含んで構成されている。
主軸11は、例えば金属製の棒部材であり、適用される容器の深さに応じた長さ(Z方向の大きさ)を有している。この主軸11の基端11a(接続端12とは反対側の端部)は、例えば六角シャンクや円形状およびネジ状(雄ネジ)となっており、上述した操作部60の雌ねじに対して接続される。
そして主軸11は、使用者が操作部60を操作することによって、Z軸周りに回転駆動される。主軸11の断面は、本実施形態では主として六角形や円形状となっている。一方、主軸11の接続端12は、例えば断面が矩形(長方形や四角形)や、円形となっている。
なお主軸11は、金属製に限られず例えば硬質の樹脂などで形成されていてもよい。また、主軸11の断面は、上記した円形に限られず、六角や矩形(棒状又は筒状)でもよい。さらには、主軸11の接続端12の断面は、上記した矩形に限られず円形(棒状)でよい。
【0022】
図2(a)に示すように、接続端12は、主軸11のうち後述する接続部13(
図2(b)参照)が接続される部位である。この接続端12と接続部13によって、後述するリンクチェーン14が主軸11と接続される(
図2(c)参照。なお
図2(c)は
図2(a)を90度回転した図になっている)。
また、接続端12は、変位抑制部12aを含んでいる。この変位抑制部12aは、第1リンクチェーン14a又は第2リンクチェーン14bの一方が他方の側に傾倒することを抑制する機能を有している。より具体的に本実施形態では、
図2(a)に示すとおり、変位抑制部12aのX方向における寸法Lは、リンクチェーン14を構成する1つの環素子14c(接続部13に嵌め込まれた環素子)の短いほうの内径Dよりも大きくなるように設定されている。環素子14cの内径は楕円形であるので、彎曲した端部どうしの寸法である長径に対し、平行部どうしの内径寸法を「短いほうの内径の寸法」をDとした。
これにより、環素子14cが変位抑制部12aと干渉して、一方のリンクチェーンが他方のリンクチェーン側へ傾倒することを抑制できる。
なお、ここで変位抑制部12aによって傾倒を抑制するとは、
図3に示すように、一端が接続部13に嵌め込まれた環素子14cの他端14dが、主軸11の延長線Zを越えないことをいう。
【0023】
なお、変位抑制部12aの具体的な構造は上記に限られず、リンクチェーン14が上記した他方の側に傾倒することを抑制する限り種々の構造が適用可能である。例えば、変位抑制部12aとして、上記した一方のリンクチェーンが他方へ傾倒することを抑制する壁状の構造(X方向における寸法Lと同等の大きさの構造のもの)がX方向またはZ方向に存在してもよい。
また、本実施形態では接続端12と接続部13は別々の部材として構成されているが、これらを一体としてもよい。この場合には接続端12は、主軸11の端部を加工するのみで母材(主軸11)の延長部分を構成することとなる。
【0024】
接続部13は、主軸11の接続端12の部位に設けられ、リンクチェーン14を主軸11に対して接続するための機能を有している。
図2(b)に示すとおり、本実施形態の接続部13は、金属により形成されており、リンクチェーン14を構成する環素子14cを挿入可能な開口部13cと、挿入された環素子14cを保持する円又は楕円状の保持孔13dを有している。
なお、
図2(c)に示すとおり、この接続部13は、上記した保持孔13d内にリンクチェーン14の環素子14cを挿入して保持した後に、主軸11の接続端12に溶接されるなどして固定される。
また、本実施形態の接続部13は、リンクチェーン14を保持して主軸11の接続端12部位に対して別体で設けられる例について説明したが、主軸11の接続端12にリンクチェーンと一体化して設けられていてもよい。
【0025】
リンクチェーン14は主軸に設けられた接続端12に接続する接続部13に保持される。接続部13を介して主軸11に接続されたリンクチェーン14は、主軸11のZ軸周りの回転に伴って回転可能となっている。これにより、例えば缶底に沈殿する高粘度の沈殿物を、回転するリンクチェーン14によって掻き取ることなどが可能となる。
摺接距離すなわち、接触距離Pを確保することによって、リンクチェーン14が缶底に強く接触することを防止して、沈殿する高粘度の沈殿物に摺接するようにして撹拌させることができる。
また、撹拌による泡の発生がなく、塗料容器の破損も皆無といえる。
このリンクチェーン14の材質としては、金属や樹脂など公知の材料を用途や目的に応じて適宜選定できる。本実施形態では、リンクチェーン14としての拡張性や撹拌性が両立可能な金属製チェーンが採用されている。
【0026】
そして
図1からも明らかなとおり、本実施形態のリンクチェーン14は、主軸11の軸方向(Z方向)と交差する方向(Y方向)に関して主軸11の一方の側に配置される第1リンクチェーン14aと、主軸11の他方の側に配置される第2リンクチェーン14bを含んで構成されている。
本実施形態では、第1リンクチェーン14aは同じ大きさの2つの金属製環素子14cからなり、第2リンクチェーン14bも同じ大きさの2つの金属製環素子14cから構成されている。
【0027】
なお、本実施形態では第1リンクチェーン14aと第2リンクチェーン14bは2つの環素子で構成されているが、それぞれ1つ又は3つ以上の環素子で構成されていてもよい。また、第1リンクチェーン14a又は第2リンクチェーン14bの少なくとも他の一方が、上段(たとえばY方向)・下段(たとえばX方向)互いに直交させ大きさの異なる複数の環素子によって構成されていてもよい(後述する
図8参照)。
ただし本実施形態で重要となることは、回転軸(Z方向)に対して主軸11の両側に位置するリンクチェーン14aとリンクチェーン14bが、互いの長さと重量が実質的に等しいことである。これにより、第1リンクチェーン14a及び第2リンクチェーン14bの長さバランスと重量バランスが等しくなり、主軸11の回転時にこれらがシンメトリーとなることができる。
【0028】
また、
図2(c)に示すとおり、接続端12の端面12bは、主軸11の端面となっており、本実施形態では接続部13の下端13bと一致している。
すなわち、リンクチェーン14は、主軸11の端面(接続端12の端面12b)から他の端面側(上記した基端11a側)へ接触距離Pだけ離間した位置で、接続部13によって主軸11に接続されている。
ここで、仮に主軸11の端面にリンクチェーン14が設置されることを想定すると、かような形態では撹拌動作時に缶底とリンクチェーン14とが干渉する可能性が考えられる。そして缶底とリンクチェーン14とが干渉した場合、撹拌装置による撹拌動作の効率が著しく低下してしまう。
【0029】
これに対し本実施形態では、リンクチェーン14は、主軸11の端面ではなく当該端面12bから接触距離Pだけ離間した位置に設置されることを許容するため、缶底にリンクチェーンが干渉することが抑制されて撹拌動作の効率低下を防ぐことが可能となる。
なお、本実施形態でいう接触距離Pとは、主軸11の端面(接続端12の端面12b)からリンクチェーン14の下端までZ方向の距離をいい、チェーンミキサー10の回転動作時にリンクチェーン14が缶の底板と軽く摺接する程度の距離であれば足りる。かような意味において接触距離Pは、主軸11の端面における形状やリンクチェーン14の大きさなどに応じて決定できる。一例として接触距離Pは、リンクチェーン14の環素子の材料径14dの1.5〜2倍程度とすることが好ましい。
なお、環素子の材料径14dとは、環素子を構成する丸棒の直径(
図1参照)をいう。
【0030】
<撹拌処理方法>
次に、
図4を用いて本実施形態の撹拌処理方法について説明する。なお、
図4においては、簡略化のため操作部60や電源70の図示が省略されている。
まず
図4(a)に示されるとおり、使用者は、塗料が貯蔵された容器Cとしての一斗缶を準備し、この一斗缶の抽出口C
1に対して鉛直上側から撹拌装置100のチェーンミキサー10を垂下させる。このとき同図から明らかなとおり、リンクチェーン14は自身の重さでZ方向下方へ垂れ下がっており、これにより液体抽出口C
1に対してスムーズにチェーンミキサー10が挿入できるようになっている。
【0031】
そして
図4(b)に示されるとおり、一斗缶の内部にリンクチェーン14が挿入され缶底到達時に自重により垂れ広がった状態で、使用者は操作部60を介してチェーンミキサー10の主軸11を低速回転させる。すると、主軸11の接続部13を介して設けられたリンクチェーン14が主軸11の回転に伴って適正に開脚回転動作を行う。これにより、一斗缶内の塗料やその缶底に沈殿する高粘度の沈殿物は、リンクチェーン14との摩擦抵抗などによって解消し一斗缶内で浮遊後に高速回転で撹拌、混合、流動、再生される。
【0032】
ここで、比較的長期間使用をしていなかった塗料を貯蔵する缶が存在するが、かような缶内に貯蔵された液体(例えば塗料など)を撹拌するニーズは多い。
このような塗料缶内における内容物は、高粘度の沈殿物を含むことが多い。その場合、上記
図4(b)で示したごとき撹拌動作を行うことで撹拌が促進されるが、場合によっては缶底の入隅では沈殿物が残留することも考えられる。
【0033】
これに対して本実施形態では、リンクチェーン14が主軸11の端部(端面)から接触距離Pだけ離間した位置で主軸11に接続される場合には、
図4(c)に示されるように主軸11の回転軸が鉛直(Z方向)に対して交差する形態で撹拌動作を行うことができる。
換言すれば、本実施形態では、缶底の法線(
図4で示したZ軸)に対して交差する(すなわち斜めに傾斜させた)状態で撹拌動作を行うことができるので、缶底の入隅で沈殿物が残留することを抑制することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態のチェーンミキサー10は、第1リンクチェーン14a及び第2リンクチェーン14bの一方が他方の側に傾倒することを抑制する変位抑制部12aを具備しているため、撹拌動作時においてリンクチェーンが一方の側に偏在してしまうことを抑制できる。
なお、低速撹拌動作においては、
図4(b)で示すごとき主軸11がZ軸と平行である撹拌動作と、
図4(c)で示すごとき主軸11がZ軸と交差する撹拌動作とを交互に繰り返してもよい。
【0035】
以上説明した第1実施形態においては、第1リンクチェーン又は第2リンクチェーンの一方が他方の側に傾倒することを抑制し、缶底接触距離Pを確保するための変位抑制部12aによって、回転軸の姿勢に依らずリンクチェーンが低速回転で適正に開脚でき、更には缶底に滞留する高粘度の沈殿物すらも効率良く接触撹拌することが可能となっている。
【0036】
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について、
図5を参照して説明する。
第1実施形態においてリンクチェーン14は接続部13を介して主軸11に設けられていたが、本実施形態ではリンクチェーン14を構成する長さと重量が実質的に等しい中央に位置する簡素子が直接的に主軸21に設けられている点に主として特徴がある。
よって以下では第1実施形態との相違点について主として説明し、第1実施形態と同じ構成あるいは機能を有する要素については同一番号を付すなどしてその説明を適宜省略する。なお、操作部や電源は、説明の簡略化のため省略されている(後述する他の実施形態や変形例でも同様)。
【0037】
図5に示すとおり、本実施形態のチェーンミキサー20は、主軸21に設けられる上端留22と下端留23を含んで構成されている。
より具体的には、本実施形態の主軸21は、基端とは反対側の母材の2面を平行になるように加工した方形軸21a端部に下端留23が設けられるとともに、下端留23上部からZ軸方向へ接触距離Pだけ隔てた位置に上端留22が設けられている。
【0038】
上端留22は、例えば金属からなるピン状部材であり、主軸21に設けられる貫通孔に挿入されることで位置が固定される。
下端留23は、例えば主軸21の先端を機械的に潰してX方向又は/及びY方向へ拡げた形状であり、主軸21の太さよりも大きな外径を有している。
なお本実施形態では、下端留23は、第1実施形態で示した変位抑制部12aに相当する機能も備えており、リンクチェーン14を構成する環素子14cが一方の側から他方の側に傾倒することを抑制することが可能となっている。
また、リンクチェーン14を構成する1つの環素子14c(下端留23と上端留22との間に嵌め込まれた環素子)の短いほうの内径Dよりも小さくなるように、方形軸21aの端部が設定されている。
これにより、方形軸21aの端部が、環素子14cの平行部どうしの内径寸法Dに、方形軸21aの平行部が回転時に干渉するので、リンクチェーン14が空回りすることなく回転する。
なお、下端留23は、上記形態によって形成される例に限られず、例えば主軸21より径の大きな部材を溶接や接着などで主軸21の先端に固定してもよい。
【0039】
また、上端留22と下端留23のZ方向間には、リンクチェーン14を構成する奇数の環素子の中央に位置する1つが挿入されている。そして本実施形態の上端留22及び下端留23は、そのY方向(紙面に垂直な方向)の大きさは、前記1つの挿入された環素子の内径以上となっている。
これにより、上端留22と下端留23のZ方向間でリンクチェーン14を構成する1つの環素子が主軸21から抜け出ないように留めることが可能となっている。
【0040】
なお、本実施形態では、リンクチェーン14は合計3つの環素子から構成されており、そのうちの中央の環素子に主軸21が挿入されている。そしてこの中央の環素子は、上端留22と下端留23の間でのみ移動が制限されている。
以上説明した第2実施形態によれば、上記した第1実施形態と同様に効果を奏することに加え、接続部13を用いない分だけ簡易にチェーンミキサー20を構成することが可能となっている。
【0041】
なお、本実施形態では、リンクチェーン14は合計3つの環素子で構成されていたが、これに限られず例えば5つ以下の奇数個で構成されるリンクチェーンでもよい。これにより、中央の環素子に主軸21が挿入されるとともに、両側で等しい数の環素子を有するリンクチェーン14を構成することができる。
また、
図9に示すように、リンクチェーン14は7個の環素子で構成されていてもよい。この場合には主軸21の一方の側と他方の側とで同じ数の環素子からなるリンクチェーン14を構成することができる。
さらに、
図5に示すリンクチェーン14をもう一段重ね、二段とすることもできる。
この場合は、3つの環素子のうち中央の環素子を、一段目の中央の環素子に対して直角方向にして主軸21を挿入することが望ましい。
【0042】
<第3実施形態>
次に本発明の第3実施形態について、
図6を参照して説明する。
第2実施形態においてリンクチェーンミキサー20は、主軸21に設けられる上端留22と下端留23を含んで構成されていたが、本実施形態ではリンクチェーン14を構成する長さと重量が実質的に等しい中央の環素子1つに主軸31を挿入貫通させ、接触距離Pに溶着固定され設けられている点に主として特徴がある。
よって以下では第3実施形態での相違点について主として説明し、第2実施形態と同じ構成あるいは機能を有する要素については同一番号を付すなどしてその説明を適宜省略する。
【0043】
図6に示すとおり、本実施形態のチェーンミキサー30は、主軸31に設けられる接続部32を含んで構成されている。
より具体的には、接続部32(環素子)は、リンクチェーン14を奇数個で構成する長さと重量が実質的に等しい、中央に位置する環素子で、接続部32を貫通した状態で主軸31に溶着して固定されている。
また、接続部32は、主軸31の先端に設けられておらず、主軸31の先端は先端領域33となっている。この貫通長さは、上述した接触距離Pに相当している。
また本実施形態では、第1実施形態で示した変位抑制部12aに相当する機能も備えており、リンクチェーン14を構成する環素子が一方の側から他方の側に傾倒することを抑制することが可能となっている。
【0044】
実施形態では、リンクチェーン14は、中央の接続部32の環素子の片側に2つずつ合計5つの環素子で構成されている。ただし環素子の数はこれに限られず、片側に3つ以下の数の、両端環素子を並列とした合計で7つの後述する環素子でそれぞれ構成されていてもよい。
また、本実施形態では、接続部32は、主軸31上のZ方向における位置が同じであったが、X,Y方向を互いに上下段異ならせて主軸31にそれぞれ溶着されていてもよい。
【0045】
以上説明した第3実施形態によれば、上記した第2実施形態と同様の効果を奏する。
なお、主軸31に溶着される例を説明したが、これに限られず接着剤など他の公知の固定手法を用いてもよい。
【0046】
上記した各実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、各実施形態に適宜適用が可能な変形例について説明する。なお、以下の変形例においても、既述の構成と同じ機能・作用を奏するものは同じ参照番号を付し、その説明は適宜省略する。
【0047】
<変形例1>
図7に上記した各実施形態に適用可能な変形例1にかかるチェーンミキサー40を示す。
図示されるとおり、本変形例1にかかるチェーンミキサー40は、主軸11にそれぞれ設けられる第1リンクチェーン14aと、第2リンクチェーン14bとを含んで構成されている点で第1実施形態のチェーンミキサーと同様である。
そして第1リンクチェーン14a及び第2リンクチェーン14bは、互いに3つの環素子から構成される。そして3つの環素子すべてが直列に繋がる形態ではなく、1つの環素子に対して複数(例えば2つ)の環素子が接続される形態(いわゆる並列の形態)を有する環素子から構成されている点で第1実施形態のチェーンミキサーと異なる。
【0048】
このように変形例1では、主軸11の一方の側に配置されるリンクチェーン(第1リンクチェーン14a)と、他方の側に配置されるリンクチェーン(第2リンクチェーン14b)は、環素子すべてが直列に繋がる形態ではなく並列接続の環素子を含んで構成されている。
なお、本変形例では、1つの環素子に対して2つの環素子が並列に接続される形態を示したが、例えば1つの環素子に対して3つの環素子を並列に接続してもよい。
【0049】
<変形例2>
図8及び
図9に上記した各実施形態に適用可能な変形例2にかかるチェーンミキサー50を示す。
図8に示すように、変形例2にかかるチェーンミキサー50は、実質、第1実施形態のチェーンミキサーと同様であるが、主軸11、主軸21又は主軸31に対し、一段目のリンクチェーンと、二段目のリンクチェーンが、主軸の軸方向(Z方向)に関して、それぞれX,Y方向に延伸するように複数組上下段に設けられている点で異なる。
なお、
図8のチェーンミキサーでは、変位抑制部12aは一段目の接続部に設けられている。
【0050】
このように変形例2では、主軸の軸方向に対して、チェーンがそれぞれX,Y方向に直交して延伸するように配置した複数組のリンクチェーン14が設けられている。
なお、
図8では主軸の軸方向に関して同じ形態(環素子の数が同じ)のリンクチェーン14を並べて配置したが、
図9のとおり主軸の軸方向に関して互いに異なる形態(一方のリンクチェーンが直列接続に対して他方のリンクチェーンが並列接続を含むなど、環素子の数が異なる)のリンクチェーン14を軸方向に並べるように設けてもよい。
また
図9から明らかなとおり、チェーンミキサー50では、上端留22と下端留23との間に複数組のリンクチェーン14の組が配置されている。
なお軸方向に関して二段だけでなく、上端留22の位置をずらすことで三段以上のリンクチェーン14の組を並べて設けてもよい。
さらに、
図9では、一段目のリンクチェーンと二段目のリンクチェーンを同じ方向に延伸するように示しているが、
図8で説明したように、それぞれX,Y方向に延伸するように配置してもよい(
図9下段の模式的記載の平面図参照)。
以上説明した各実施形態および変形例の要素につき、上述した以外の組み合わせで適宜組み合わることで図示した以外の構造を有するチェーンミキサーや撹拌装置を構成してもよい。
また、第1実施形態で示した変位抑制部12aは、他の実施形態や変形例のチェーンミキサーにおいても具備していることは必要である。
【課題】缶底に滞留する高粘度の沈殿物の撹拌や、斜めに傾斜させた状態での撹拌や、回転軸の両側に配置されたチェーンの回転軸ぶれに適切に対応したチェーンミキサーがなかった。
【解決手段】リンクチェーンの自重と回転で面接地させ、摩擦抵抗を利用する。チェーンミキサー10は、主軸11と、主軸に設けられる接続端12と、接続端と接続される接続部13に設けられるチェーン部材と、を有し、チェーン部材は、主軸の軸方向と交差する方向に関して主軸の一方に配置される第1リンクチェーン14aと、主軸の他方の側に配置される第2リンクチェーン14bとを含み、第1リンクチェーン又は第2リンクチェーンの一方が他方の側への傾倒の抑制と缶底からの接触距離Pを確保するための変位抑制部12aと、を有する。