特許第6023911号(P6023911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山縣 好美の特許一覧

<>
  • 特許6023911-刀剣玩具 図000002
  • 特許6023911-刀剣玩具 図000003
  • 特許6023911-刀剣玩具 図000004
  • 特許6023911-刀剣玩具 図000005
  • 特許6023911-刀剣玩具 図000006
  • 特許6023911-刀剣玩具 図000007
  • 特許6023911-刀剣玩具 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6023911
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】刀剣玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20161027BHJP
【FI】
   A63H33/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-124348(P2016-124348)
(22)【出願日】2016年6月23日
【審査請求日】2016年6月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516188869
【氏名又は名称】山縣 好美
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】山縣 好美
(72)【発明者】
【氏名】山縣 貢
【審査官】 櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3146442(JP,U)
【文献】 特開2007−75330(JP,A)
【文献】 米国特許第5389033(US,A)
【文献】 米国特許第2669062(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/00
A63B 69/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒形状を成す柄部中央部と、
前記柄部中央部の根元付近において左右横方向に開閉可能に設置される柄部右側部及び柄部左側部であって、それぞれが前記柄部中央部を挟んで閉じたとき、前記柄部中央部の周囲を囲むように内側に窪んだコの字型形状を成す柄部右側部及び柄部左側部と、を有し、
筒状に丸まった薄く平らな軟質部材に前記柄部中央部が挿入された状態で前記柄部右側部及び柄部左側部を閉じ、前記柄部中央部の周囲に前記柄部右側部及び柄部左側部で囲まれて形成される隙間に前記軟質部材を挟持させ、前記柄部右側部及び柄部左側部からはみ出した前記軟質部材が刀剣を模した部位となることを特徴とする刀剣玩具。
【請求項2】
中央に孔を備える鍔部をさらに有し、
前記柄部右側部及び柄部左側部の上部を前記鍔部の前記孔に嵌挿させることによって、前記柄部右側部及び柄部左側部の開閉動作を規制することを特徴とする請求項1に記載の刀剣玩具。
【請求項3】
前記柄部右側部及び柄部左側部が、それぞれ約180°開くことを特徴とする請求項1又は2に記載の刀剣玩具。
【請求項4】
前記軟質部材が、紙であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の刀剣玩具。
【請求項5】
衣服に引っ掛けて係止させる係止部を備え、前記刀剣を模した部位を収納する鞘部を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の刀剣玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
刀剣を模した玩具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昔から、特に子供の間では、刀で斬り合う真似事をして遊ぶチャンバラ遊びというものがある。
そういう背景もあって、刀剣部及び柄部を備える刀剣を模した刀剣玩具が多数開発されている。
例えば、特許文献1乃至3では、刀剣部及び柄部を備える刀剣を模した刀剣玩具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−77941号公報
【特許文献2】実開平2−106298号公報
【特許文献3】特開昭50−142000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術においては、刀剣部が硬質であり、特に子供に使用させ遊ばせる際に危険が伴うという問題点を有する。
【0005】
また、上記の従来技術においては、刀剣玩具の形状が固定的であり、又は、刃剣部の取り付け・取り外しが容易ではなく、使用後の収納時に嵩張ったり、刀剣部が破損した場合には刀剣玩具そのものを買い直す必要もあったりするという問題点を有する。
【0006】
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、子供に使用させても自分や他人を傷付ける危険性が低く、収納時に嵩張らず、破損するおそれが小さい刀剣玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する刀剣玩具の一形態は、棒形状を成す柄部中央部と、前記柄部中央部の根元付近において左右横方向に開閉可能に設置される柄部右側部及び柄部左側部であって、それぞれが前記柄部中央部を挟んで閉じたとき、前記柄部中央部の周囲を囲むように内側に窪んだコの字型形状を成す柄部右側部及び柄部左側部と、を有し、筒状に丸まった薄く平らな軟質部材に前記柄部中央部が挿入された状態で前記柄部右側部及び柄部左側部を閉じ、前記柄部中央部の周囲に前記柄部右側部及び柄部左側部で囲まれて形成される隙間に前記軟質部材を挟持させ、前記柄部右側部及び柄部左側部からはみ出した前記軟質部材が刀剣を模した部位となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示する刀剣玩具は、刀剣部が軟質であるため、子供に使用させても自分や他人を傷付ける危険性が低く、刃剣部の取り付け・取り外しが容易であるため、収納時に嵩張らず、破損するおそれが小さい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る刀剣玩具(本体部分)の正面図である。
図2】本実施の形態に係る刀剣玩具(本体部分)の平面図である。
図3】本実施の形態に係る刀剣玩具(本体部分)の正面図(柄部両側部を開いた状態)である。
図4】本実施の形態に係る鍔部の斜視図である。
図5】本実施の形態に係る刀剣玩具の正面図(本体部分上部に鍔部を嵌め込んだ状態)である。
図6】本実施の形態に係る鞘部の正面図である。
図7】本実施の形態に係る刀剣玩具の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る刀剣玩具の構造)
【0011】
図1乃至7を用いて、本実施の形態に係る刀剣玩具1の構造について説明する。図1乃至3は、刀剣玩具1の本体部分を示した図である。図4は、刀剣玩具1を構成する鍔部10を示した図であり、図5は、鍔部10の機能を説明する図である。図6は、刀剣玩具1を構成する鞘部14を示した図である。図7は、刀剣玩具1の使用状態を示す図である。
【0012】
図1乃至6で示すように、刀剣玩具1は、柄部中央部2、柄部右側部6、柄部左側部8、鍔部10、鞘部14を有する。刀剣玩具1は、丸めた紙(例えば、新聞紙や折込チラシ等)で刀剣部を模し、当該刀剣部を模した部位22の形状を保持させることによって、子供等が安全かつ手軽にチャンバラ遊びを出来るように案出された、刀剣を模したおもちゃである。なお、刀剣部を模した部位22は、紙である必要は無く、薄く平らな軟質部材20で形成されていれば良く、軟質部材20は、紙の他に、フィルム状のプラスチック、シリコーン等であっても良い。刀剣部を模した部位22が軟らかければ、使用者である子供等が怪我をするリスクが軽減される。
【0013】
柄部中央部2は、棒形状を成し、筒状に丸めた軟質部材20の中央を当該棒状部位に挿入させ、軟質部材20の位置を定める役割を果たす。図1、3で示すように、柄部中央部2の根元付近4は、柄部右側部6及び柄部左側部8を設置する(連結させる)ために、横方向に幅広になっていることが好適である。
【0014】
柄部右側部6は、柄部中央部2の根元付近4右側において当該根元付近4右側を支点に右横方向に回転可能に設置される。図3で示すように、柄部右側部6は、約180°の可動域を有している。
【0015】
柄部左側部8は、柄部中央部2の根元付近4左側において当該根元付近4左側を支点に左横方向に回転可能に設置される。図3で示すように、柄部左側部8は、約180°の可動域を有している。
柄部右側部6及び柄部左側部8は、柄部中央部2について、略左右対称の形状を成し、略左右対称の位置に設置される。
【0016】
図2で示すように、柄部右側部6及び柄部左側部8の形状は、柄部中央部2を挟んで閉じるとき、柄部中央部2の周囲を囲むように内側に窪んだコの字型を成している。そして、柄部右側部6及び柄部左側部8が柄部中央部2を挟んで閉じるとき、柄部中央部2の周囲には柄部右側部6及び柄部左側部8で囲まれた隙間18が形成される。隙間18には、筒状に丸めた軟質部材20が収納される。
鍔部10は、刀剣の鍔を模した部位であり、中央に孔12を備える。
【0017】
図5で示すように、柄部右側部6及び柄部左側部8が柄部中央部2を挟んで閉じるとき、柄部右側部6及び柄部左側部8の上部を、鍔部10が備える孔12に嵌め挿し込むことによって、柄部右側部6及び柄部左側部8が左右への回転動作を出来ないようにする。こうすることによって、筒状に丸めた軟質部材20を隙間18に収納させた状態を維持させる。
【0018】
図6で示すように、鞘部6は、チャンバラ遊びをするとき等に刀剣を模した部位22を収納するための部位であり、使用者の衣服(ベルトループ等)に引っ掛けてその状態を維持させるための係止部16を備える。
【0019】
なお図7で示すように、刀剣部を模した部位22は、柄部中央部2に挿入し隙間18に収納され、その状態が維持される軟質部材20の、柄部右側部6及び柄部左側部8から上方にはみ出した部分である。
刀剣部を模した部位22が折れたり破れたりした場合、軟質部材20を取り換えれば済むため、刀剣玩具1そのものが破損する可能性は小さい。
【0020】
上記のような構成を備えることによって、刀剣玩具1は、刀剣部22が軟質であるため、子供に使用させても自分や他人を傷付ける危険性が低く、刃剣部22の取り付け・取り外しが容易であるため、収納時に嵩張らず、破損するおそれが小さい。
(本実施の形態に係る刀剣玩具の使用方法)
図1乃至7を用いて、刀剣玩具1の使用方法について説明する。
刀剣玩具1の使用者は、新聞紙などやや大き目の紙を筒状に丸めた後、当該筒の中央を柄部中央部2の棒状部位に挿入する。
【0021】
なお図3で示すように、使用者は、柄部右側部6及び柄部左側部8を約180°開いた状態で、柄部中央部2に新聞紙などを直接巻き付けて、結果として筒の中央が柄部中央部2の棒状部位に挿入された状態を形成しても良い。柄部右側部6及び柄部左側部8の可動域が大きく、柄部中央部2に軟質部材20を巻き付け易いので、こういった使用方法も可能である。
ここで使用者は、刀剣を模した部位22の硬さや大きさを考慮して、軟質部材20を何にするかを選択する。
【0022】
次に使用者は、柄部中央部2を挟み込むように柄部右側部6及び柄部左側部8を閉じ、柄部右側部6及び柄部左側部8によって柄部中央部2の周囲に形成される隙間18に筒状に丸まった軟質部材20を収納させる。
【0023】
さらに使用者は、柄部右側部6及び柄部左側部8からはみ出た軟質部材20を、先端側から鍔部10が備える孔12に通し、鍔部10を柄部右側部6及び柄部左側部8の上部まで移動させる。そして、使用者は、柄部右側部6及び柄部左側部8の上部を孔12に嵌め挿し込むことによって、柄部右側部6及び柄部左側部8が左右への回転動作を出来ないようにする。
【0024】
これで刀剣玩具1は使用できる状態となったので、使用者は、柄部右側部6及び柄部左側部8を手で握り、刀剣を模した部位22を使用して、チャンバラ遊びを行うことができる。なお、軟質部材20(ここでは新聞紙)が折れ曲がったり、破れたりした場合、使用者は、柄部右側部6及び柄部左側部8から鍔部10を外すと共に、柄部右側部6及び柄部左側部8を左右に開き、軟質部材20を交換すれば良い。また、チャンバラ遊びを終えるとき、使用者は、柄部右側部6及び柄部左側部8から鍔部10を外すと共に、柄部右側部6及び柄部左側部8を左右に開き、軟質部材20を取り外せば、刀剣玩具1はコンパクトであるため、収納時に嵩張らないようにすることができる。
なお使用者は、鞘部14を、ベルトループ等に係止部16を使って引っ掛けて、刀剣を模した部位22を収納する鞘として使用することができる。
【0025】
上記のような構成を備えることによって、刀剣玩具1は、刀剣部22が軟質であるため、子供に使用させても自分や他人を傷付ける危険性が低く、刃剣部22の取り付け・取り外しが容易であるため、収納時に嵩張らず、破損するおそれが小さい。
【0026】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 刀剣玩具
2 柄部中央部
4 柄部中央部の根元付近
6 柄部右側部
8 柄部左側部
10 鍔部
12 鍔部が備える孔
14 鞘部
16 係止部
18 柄部中央部の周囲に柄部右側部及び柄部左側部で囲まれて形成される隙間
20 軟質部材
22 刀剣を模した部位(刀剣部)
【要約】
【課題】
開示の刀剣玩具は、子供に使用させても自分や他人を傷付ける危険性が低く、収納時に嵩張らず、破損するおそれが小さい。
【解決手段】
開示の刀剣玩具は、棒形状を成す柄部中央部と、前記柄部中央部の根元付近において左右横方向に開閉可能に設置される柄部右側部及び柄部左側部であって、それぞれが前記柄部中央部を挟んで閉じたとき、前記柄部中央部の周囲を囲むように内側に窪んだコの字型形状を成す柄部右側部及び柄部左側部と、を有し、筒状に丸まった薄く平らな軟質部材に前記柄部中央部が挿入された状態で前記柄部右側部及び柄部左側部を閉じ、前記柄部中央部の周囲に前記柄部右側部及び柄部左側部で囲まれて形成される隙間に前記軟質部材を挟持させ、前記柄部右側部及び柄部左側部からはみ出した前記軟質部材が刀剣を模した部位となることを特徴とする。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7