【実施例1】
【0019】
第一実施例のレリースワイヤ挿通固定具5は、
図1に示すように洗面台2に用いられており、当該洗面台2は、収納部21と、槽体1と、から構成される。
収納部21は、内部に洗剤やタオルなどを収納する箱体であって、全面に開閉自在な扉を備える。また当該収納部21内には排水配管が配管される。
槽体1は、洗面ボウルであって、収納部21の上部に底部に排水用の排水口41を開口した内部に水を貯水できる箱体である。
また、遠隔操作式排水栓装置4は、
図1乃至
図3に示すように排水口41、弁体42、排水栓43、排水管44、排水トラップ45、レリースワイヤ46、操作部47、ワイヤー受け48、レリースワイヤ挿通固定具5、から構成される。
排水口41は、前記槽体1の底面に構成されている排水用の開口である。後記する弁体42を備える。
弁体42は、排水口41を開閉する栓体であって、遠隔的に操作されて上下動し、弁体42が上昇した際は排水口41を開栓して槽体1内の排水を下水へと排水し、弁体42が下降した際には槽体1の排水口41が閉栓するように構成されている。
排水栓43は、排水口41に接続される管体であって、後記する排水管44が接続される。
排水管44は、前記排水栓43に接続される管体であって、その下端に排水トラップ45が接続され、槽体1内の排水を排水トラップ45へと排水する管体である。本実施例では、排水管44周壁に後述する挿通管部51が構成される。尚、排水管44は、前記した収納スペース内に配置構成される。
排水トラップ45は、U字状に屈曲した管体であって、内部に封水が貯水されるようになっている。当該排水トラップ45内の封水により、下水からの害虫や異臭が室内側へ逆流することを防止するものである。また、トラップ上流は前記排水管44に接続され、排水トラップ45下流は下水管へと接続される。
レリースワイヤ46は、内部が中空の管体であって可撓性を有したアウターチューブ461、該アウターチューブ461内で進退自在に配置される金属線材から成るインナーワイヤ462により構成される。該レリースワイヤ46のアウターチューブ461は、槽体1裏面側の操作部47から、挿通管部51、排水管44内部を介して前記ワイヤー受け48に接続されて排水管44中央に配置固定され、その端部は排水口41に設置される弁体42に当接するように配置されている。尚、インナーワイヤ462はアウターチューブ461内を操作部47の操作によって進退するように構成される。
操作部47は、槽体1の天面に構成される押しボタンであり、当該操作部47を使用者が操作することによって、排水口41の弁体42が上下動し、結果的に排水口41の開栓/閉栓をコントロールすることとなる。この操作部47には、後述するレリースワイヤ46のインナーワイヤ462の進退を保持するロック機構を構成して成る。
ワイヤー受け48は、排水管44の上端中心部にレリースワイヤ46を接続するために構成される脱着自在のリング状部材である。当該ワイヤー受け48によって、レリースワイヤ46を排水管44中心部へと配置することができ、結果的に弁体42の直下位置にレリースワイヤ46を配置することができる。
レリースワイヤ挿通固定具5は、特に
図2、
図3に示すが、以下のように構成される。
レリースワイヤ挿通固定具5は、挿通管部51、ブッシュ部材52、固定部材53、から構成される。
挿通管部51は、排水管44の周壁に連通して構成される枝管であって、後述するレリースワイヤ46が内部を挿通する構成となっている。また、挿通管部51の端部外周面には固定部材53の凸部54が係合する凹部55が刻設されている。
ブッシュ部材52は、挿通管部51内に水密的に挿入されるゴム材等から成る円筒状のシール部材であって、軸方向中心部にレリースワイヤ挿入口6が貫通して開口されている。また、ブッシュ部材52の外周面にはリブが凸設され、挿通管部51内周面に水密的に当接するように構成されている。また、ブッシュ部材52の一方の端部には、外側方向へ向けて鍔状に凸出して構成されるフランジ部521が構成される。
固定部材53は、アセタールなどの硬質樹脂から成る部材であり、軸方向中心部にレリースワイヤ挿入口6を開口したキャップ状部材であって、キャップ内周面に前記挿通管部51の凹部55に着脱自在に係合する凸部54を構成している。また、固定部材53には、天面から軸方向に向かって延出して構成される取っ手532が構成される。この取っ手532は、固定部材53のキャップ状部分の外側面より外側方向へ飛び出さないように構成した。このように取っ手532を構成しているので、収納部21内の荷物がぶつかっても先に固定部材53の外側面にぶつかり取っ手532には干渉しないので固定部材53が脱落しにくい形状になった。固定部材53のキャップ状部分には、レリースワイヤ46が側面方向から固定部材53のレリースワイヤ挿入口6に差し込まれる為の切り欠き溝531が切り欠いて構成される。当該切り欠き溝531は、固定部材53の側面視上下方向に貫通して切り溝状に切り込まれており、切り込みの深さは固定部材53の軸方向視、中心軸まで切り込まれている。この切り欠き溝531により、レリースワイヤ挿入口6を構成する。
また固定部材53の施工は、予めブッシュ部材52をレリースワイヤ46外周に挿通しておき、レリースワイヤ46を挿通管部51内に挿通させてから、ブッシュ部材52を挿通管部51内に嵌め込み、ブッシュ部材52のフランジ部521を挿通管部51の端部に当接するまで押し込む。そして固定部材53の切り欠き溝531をレリースワイヤ46の側面から差し込み、レリースワイヤ46に外装する。そして、そのまま固定部材53の取っ手532を操作してレリースワイヤ46を軸として挿通管部51に差し込み、固定部材53の取っ手532を更に押し込むことによって挿通管部51の凹部55に固定部材53の凸部54を係合させる。このとき挿通管部51の端部と固定部材53の端部によってブッシュ部材52を挟持して接続する。このように接続することで、レリースワイヤ46と挿通管部51は水密的に接続されることとなる。なお、固定部材53がレリースワイヤ46に差し込まれるタイミングは、予めレリースワイヤ46に差し込んでおいても良いし、施工時にレリースワイヤ46に差し込んでもかまわないものである。
【0020】
上記した遠隔操作式排水栓装置4は以下のように作動する。弁体42が下降し排水口41を閉口している際に使用者が操作部47を操作することによりレリースワイヤ46のインナーワイヤ462が排水口41側へ進行し、弁体42の下端に当接し、弁体42を押し上げる。そうするとインナーワイヤ462が進行した分だけ排水口41から弁体42が上昇し、排水口41が開栓する。そうすると操作部47に設けられたロック機構が作動し、インナーワイヤ462の進行状態を保持する。この状態時において、排水口41が開栓状態となるので、槽体1内に排水が発生しても、排水トラップ45を介して下水管へと排水を排水することができる。
また、この状態から使用者が操作部47を押動すると、操作部47のロック機構が解除され、インナーワイヤ462の進行が解除され、リターンスプリングの力によりインナーワイヤ462が元の場所すなわち操作部47側へ退行する。そうすると、インナーワイヤ462によって押し上げられていた排水口内の弁体42が、その自重により下降し排水口41を閉栓することとなる。この状態時では、排水口41が閉栓されているため槽体1内に排水を貯水することができる。
この操作部47の押動操作により、弁体42は上下動し、排水口41の開栓/閉栓を遠隔的に操作することができるものである。
【0021】
上記のように構成された遠隔操作式排水栓装置4及びレリースワイヤ挿通固定具5は、以下のように施工される。
予め工場等でワイヤー受け48を排水管44に組み付けておき、更に工場等でレリースワイヤ46にブッシュ部材52をレリースワイヤ挿入口6から挿通させておく。
その後、
図2Aのように施工現場にて、排水栓43を洗面台2の排水口41に取り付け、排水管44に、予めレリースワイヤ46を挿通管部51に挿通させておき、排水栓43下端に排水管44を接続する。そして、
図2Bのようにレリースワイヤ46に外装されたブッシュ部材52を挿通管部51に水密的に挿入し、ブッシュ部材52のフランジ部521が挿通管部51端部に当接するまで差し込む。そして、レリースワイヤ46の側面から固定部材53の切り欠き溝531を差し込み、切り欠き溝531が切りこまれている固定部材53の中心部までレリースワイヤ46に差し込む。そうすることで、固定部材53のレリースワイヤ挿入口6までレリースワイヤ46は差し込まれることとなる。そして、固定部材53を
図2Cのようにレリースワイヤ46を軸として取っ手532を操作しつつ挿通管部51へ差し込み、固定部材53の凸部54と挿通管部51の凹部55を係合させる。そうすることによって、ブッシュ部材52のフランジ部521を挿通管部51と固定部材53によって狭持することができ、挿通管部51から排水管44内部の排水が漏れ出すことなく水密的にシールすることができる。なお、レリースワイヤ46外周はブッシュ部材52のレリースワイヤ挿入口6内周面によって水密的にシールでき、挿通管部51内周はブッシュ部材52外周とフランジ部521によって水密的にシールすることができる。
その後、槽体1の天面等に操作部47を取り付け、挿通管部51から延出されているレリースワイヤ46を操作部47に接続する。
そして、排水管44に排水トラップ45及び下水管を接続し、排水口41内に弁体42を設置することで遠隔操作式排水栓装置4とレリースワイヤ挿通固定具5の施工が完了する。
また、メンテナンス等で遠隔操作式排水栓装置4を分解したい際は、操作部47のレリースワイヤ46を取り外し、その後固定部材53の取っ手532をレリースワイヤ46を軸として引っ張ることで、固定部材53の凸部54が挿通管部51の凹部55の係合が解除される。従って、収納部21内等の狭くて暗い箇所でも簡単なワンタッチ操作によって固定部材53を脱着することができるものである。
【実施例2】
【0022】
第二実施例のレリースワイヤ挿通固定具5は、
図4に示すように、浴室3に用いられており、当該浴室3は、槽体1と、浴槽パン31と、洗い場パン32と、から構成される。
槽体1は、浴槽であって、排水用の排水口41を開口した内部に水を貯水できる箱体である。
浴槽パン31は、浴槽を載置する防水パンであって、底部に浴槽パン31上の排水と浴槽内の排水を下水へと排水するための排水用の開口を備え、後述するエルボ部材33が取り付けられる。
洗い場パン32は、浴槽パン31の横に設置される洗い場を形成する防水パンであって、底部に洗い場パン32上に発生した排水を下水へと排水するための排水用の開口を備え、該開口には後述する排水トラップ45が取り付けられる。
また、遠隔操作式排水栓装置4は、排水口41、弁体42、排水栓43、排水管44、排水トラップ45、レリースワイヤ46、操作部47、ワイヤー受け48、レリースワイヤ挿通固定具5、から構成される。
排水口41は、前記槽体1の底面に構成されている排水用の開口である。後記する弁体42を備える。
弁体42は、排水口41を開閉する栓体であって、遠隔的に操作されて上下動し、弁体42が上昇した際は排水口41を開栓して槽体1内の排水を下水へと排水し、弁体42が下降した際には槽体1の排水口が閉栓するように構成されている。
排水栓43は、排水口に接続される管体であって、その下端は後記排水管44が接続される。
排水管44は、前記排水口41に接続される管体であって、その下端に浴槽パン31の開口を介してエルボ部材33が接続されている。本実施例では排水管44周壁に後述する挿通管部51が構成される。尚、排水管44は、前記した浴槽と浴槽パン31の極小な隙間内に配置構成される。
また、エルボ部材33は排水トラップ45へと接続されているので、槽体1内の排水は排水管44とエルボ部材33を介して排水トラップ45へと排水する。
排水トラップ45は、洗い場パン32に備えられる防臭筒を備えたワントラップであって、内部に封水が貯水されるようになっている。当該排水トラップ45内の封水により、下水からの害虫や異臭が室内側へ逆流することを防止するものである。また、トラップ枝管には前記排水管44からのエルボ部材33が接続され、排水トラップ45下流は下水管へと接続される。
レリースワイヤ46は、内部が中空の管体であって可撓性を有したアウターチューブ461、該アウターチューブ461内で進退自在に配置される金属線材から成るインナーワイヤ462により構成される。該レリースワイヤ46のアウターチューブ461は、槽体1裏面側の操作部47から、挿通管部51、排水管44内部を介して前記ワイヤー受け48に接続されて排水管44中央に配置固定され、その端部は排水口41に設置される弁体42に直結して配置されている。尚、インナーワイヤ462はアウターチューブ461内を操作部47の操作によって進退するように構成される。
操作部47は、槽体1の天面に構成される押しボタンであり、当該操作部47を使用者が操作することによって、排水口41の弁体42が上下動し、結果的に排水口41の開栓/閉栓をコントロールすることとなる。この操作部47には、後述するレリースワイヤ46のインナーワイヤ462の進退を保持するロック機構を構成して成る。
ワイヤー受け48は、排水栓43の中心部にレリースワイヤ46を接続するために構成される脱着自在のリング状部材である。当該ワイヤー受け48によって、レリースワイヤ46を排水管44中心部へと配置することができ、結果的に弁体42の直下位置にレリースワイヤ46を配置することができる。
レリースワイヤ挿通固定具5は、
図5乃至
図6に示したように以下のように構成される。
レリースワイヤ挿通固定具5は、挿通管部51、ブッシュ部材52、固定部材53、から構成される。
挿通管部51は、排水管44の周壁に連通して構成される枝管であって、後述するレリースワイヤ46が内部を挿通する構成となっている。また、挿通管部51の端部外周面には固定部材53の爪部56が係合する係合部57が刻設されている。係合部57は、挿通管部51端部外周に構成されるリブであって、爪部56が係合しやすいよう傾斜面を備えている。
ブッシュ部材52は、挿通管部51内に水密的に挿入されるゴム材等から成る円筒状のシール部材であって、軸方向中心部にレリースワイヤ挿入口6が貫通して開口されている。また、ブッシュ部材52の外周面にはリブが凸設され、挿通管部51内周面に水密的に当接するように構成されている。また、ブッシュ部材52の一方の端部には、外側方向へ向けて鍔状に凸出して構成されるフランジ部521が構成される。
固定部材53は、
図7および
図8に詳細に示すように、アセタールなどの硬質樹脂から成る部材であり、軸方向中心部にレリースワイヤ挿入口6を開口した円盤状の天面533から成り、円盤状の天面533から前記挿通管部51の係合部57に着脱自在に弾性係合する爪部56を二本足状に垂下して構成する。又固定部材53には、天面から軸方向上方に向かって延出して構成される取っ手532が構成される。この取っ手532は、固定部材53の円盤状の天面533の上面視(軸方向視)、外側面より外側方向へ飛び出さないように構成した。このように取っ手532を構成しているので、狭い浴槽パン31の空間で施工者の手や工具がぶつかっても先に固定部材53の外側面にぶつかり取っ手532には干渉しないので固定部材53が脱落しにくい形状になった。固定部材53には、レリースワイヤ46が側面方向から固定部材53のレリースワイヤ挿入口6に差し込まれる為の切り欠き溝531が切り欠いて構成される。当該切り欠き溝531は、固定部材53の側面視上下方向に貫通して切り溝状に切り込まれており、切り込みの深さは固定部材53の軸方向視、中心軸まで切り込まれている。この切り欠き溝531により、レリースワイヤ挿入口6を構成する。
当該固定部材53は、予めブッシュ部材52をレリースワイヤ46外周に挿通しておき、レリースワイヤ46を挿通管部51内に挿通させてから、ブッシュ部材52を挿通管部51内に嵌め込み、ブッシュ部材52のフランジ部521を挿通管部51の端部に当接するまで押し込む。そして固定部材53の切り欠き溝531をレリースワイヤ46の側面から差し込み、レリースワイヤ46に外装する。そして、そのまま固定部材53の取っ手532を操作してレリースワイヤ46を軸として挿通管部51に差し込み、固定部材53の取っ手532を更に押し込むことによって挿通管部51の係合部57に固定部材53の爪部56を弾性係合させる。爪部56が係合部57に弾性係合する際は、係合部57に構成された傾斜面により円滑に弾性係合することができる。このとき挿通管部51の端部と固定部材53の端部によってブッシュ部材52を挟持して接続する。このように接続することで、レリースワイヤ46と挿通管部51は水密的に接続されることとなる。なお、固定部材53がレリースワイヤ46に差し込まれるタイミングは、予めレリースワイヤ46に差し込んでおいても良いし、施工時にレリースワイヤ46に差し込んでもかまわないものである。
また固定部材53の施工は、予めブッシュ部材52をレリースワイヤ46外周に挿通しておき、レリースワイヤ46を挿通管部51内に挿通させてから、ブッシュ部材52を挿通管部51内に嵌め込み、ブッシュ部材52のフランジ部521を挿通管部51の端部に当接するまで押し込む。そして固定部材53の切り欠き溝531をレリースワイヤ46の側面から差し込み、レリースワイヤ46に外装する。そして、そのまま固定部材53の取っ手532を操作してレリースワイヤ46を軸として挿通管部51に差し込み、固定部材53の取っ手532を更に押し込むことによって挿通管部51の凹部55に固定部材53の凸部54を係合させる。このとき挿通管部51の端部と固定部材53の端部によってブッシュ部材52を挟持して接続する。このように接続することで、レリースワイヤ46と挿通管部51は水密的に接続されることとなる。なお、固定部材53がレリースワイヤ46に差し込まれるタイミングは、予めレリースワイヤ46に差し込んでおいても良いし、施工時にレリースワイヤ46に差し込んでもかまわないものである。
【0023】
上記した遠隔操作式排水栓装置4は以下のように作動する。弁体42が下降し排水口41を閉口している際に使用者が操作部47を操作することによりレリースワイヤ46のインナーワイヤ462が排水口41側へ進行し、弁体42の下端に当接し、弁体42を押し上げる。そうするとインナーワイヤ462が進行した分だけ排水口41から弁体42が上昇し、排水口41が開栓する。そうすると操作部47に設けられたロック機構が作動し、インナーワイヤ462の進行状態を保持する。この状態時において、排水口41が開栓状態となるので、槽体1内に排水が発生しても、排水トラップ45を介して下水管へと排水を排水することができる。
また、この状態から使用者が操作部47を押動すると、操作部47のロック機構が解除され、インナーワイヤ462の進行が解除され、リターンスプリングの力によりインナーワイヤ462が元の場所すなわち操作部47側へ退行する。そうすると、インナーワイヤ462によって押し上げられていた排水口41内の弁体42が、インナーワイヤ462の退行に併せて下降し排水口41を閉栓することとなる。この状態時では、排水口41が閉栓されているため槽体1内に排水を貯水することができる。
この操作部47の押動操作により、弁体42は上下動し、排水口41の開栓/閉栓を遠隔的に操作することができるものである。
【0024】
上記のように構成された遠隔操作式排水栓装置4及びレリースワイヤ挿通固定具5は、以下のように施工される。
エルボ部材33及び排水トラップ45を配管終了した浴槽パン31及び洗い場パン32を浴室3に設置する。その後、施工現場において浴槽の排水口41に排水栓43と排水管44を接続し、
図6Aのように予めブッシュ部材52のレリースワイヤ挿入口6からブッシュ部材52をレリースワイヤ46に挿入外装しておいたレリースワイヤ46を挿通管部51から挿入し、浴槽上の排水口41からレリースワイヤ46をペンチなどで引き上げ、ワイヤー受け48に接続し、ワイヤー受け48ごと排水栓43に取り付ける。その後、レリースワイヤ46に外装されたブッシュ部材52を
図6Bのように挿通管部51に水密的に挿入し、ブッシュ部材52のフランジ部521が挿通管部51端部に当接するまで差し込む。そして、
図6Bのようにレリースワイヤ46の側面から固定部材53の切り欠き溝531を差し込み、切り欠き溝531が切りこまれている固定部材53の中心部までレリースワイヤ46に差し込む。そうすることで、固定部材53のレリースワイヤ挿入口6までレリースワイヤ46は差し込まれることとなる。そして、
図6Cのように固定部材53をレリースワイヤ46を軸として取っ手532を操作しつつ挿通管部51へ差し込み、固定部材53の爪部56と挿通管部51の係合部57を弾性係合させる。そうすることによって、ブッシュ部材52のフランジ部521を挿通管部51と固定部材53によって狭持することができ、挿通管部51から排水管44内部の排水が漏れ出すことなく水密的にシールすることができる。なお、レリースワイヤ46外周はブッシュ部材52のレリースワイヤ挿入口6内周面によって水密的にシールでき、挿通管部51内周はブッシュ部材52外周とフランジ部521によって水密的にシールすることができる。
その後、挿通管部51から延出されるレリースワイヤ46を操作部47に取り付け、レリースワイヤ挿通固定具5の取付は終了する。
そして、浴槽の排水口41が浴槽パン31の排水用の開口の直上となるように載置し、浴槽パン31と洗い場パン32の境界にエプロンを取りつけ、施工は完了する。
また、メンテナンス等で遠隔操作式排水栓装置4を分解したい際は、エプロンを取り外してから、操作部47のレリースワイヤ46を取り外し、その後固定部材53の取っ手532をレリースワイヤ46を軸として引っ張ることで、固定部材53の爪部56が挿通管部51の係合部57の弾性係合が解除される。従って、浴槽パン31内の、特に浴槽底部と浴槽パン31の狭くて暗い箇所でも施工者の簡単なワンタッチ操作によって固定部材53を脱着することができ、メンテナンスが非常に楽となる。
【0025】
前記した実施例では、使用者の押動操作のみで排水口41の弁体42が開栓/閉栓するワンウエイ式ポップアップが取り付けられているが、この実施例に限定されるものではなく、例えば、ロック機構を設けずに、使用者の押し引き操作によって排水口41の弁体42が開栓/閉栓する、ツーウェイ式のポップアップを使用してもかまわない。
また、前記実施例では排水口41に排水栓43を接続し、その下端に挿通管部51が構成された排水管44が接続されているが、この実施例に限定されるものではなく、例えば、排水栓43と排水管44を一体的に構成してもかまわない。
また、前記した実施例の他に、例えば
図9示したように浴室3に用いられるレリースワイヤ挿通固定具5において、排水管44の構成をエルボ状に構成してもかまわない。このとき、挿通管部51が床面に接していても、取っ手532の形状が固定部材53の軸方向視外周面より飛び出して形成されないので、防水パンなどの載置面ラインに取っ手532が干渉することがないので、誤干渉等で脱落してしまうおそれがない。
また、前記した実施例の他に、例えば
図10に示したように、固定部材53の取付を軸方向以外から取り付けるようにしてもかまわない。この取付は、固定部材53を、挿通管部51の端部とレリースワイヤ46を共同して抱持する一対の分割体とし、該一対の分割体がヒンジ機構により互いに揺動自在に連結して形成し、前記固定部材53の分割体同士を係合により着脱可能に連結して構成すると共に、固定部材53の分割体を着脱自在に係合させて、固定部材53を挿通管部51に取り付けるレリースワイヤ挿通固定具5である。
また、このほかにも
図11に示すように、挿通管端部及びレリースワイヤ46の(軸方向に対し)側面方向から固定部材53の切り欠き溝531を差し込むようにしてもよい。尚、この差し込み時には、挿通管部51の端部及びブッシュ部材52、レリースワイヤ46を同時に抱持するようにして取り付けることとなる。このとき、直線動作のみの動作で固定部材53は挿通管部51に取り付けられる。
また、このほかにも
図12に示すように、固定部材53をC字リングとし、挿通管部51の途中位置に切り欠いて構成された係合部57に、C字リングである固定部材53を軸方向以外の方向である側面方向から差し込むように取り付けてもかまわない。この時の固定部材53による固定は、C字リングの弾性による係合が利用される事となる。このとき、直線動作のみの動作で固定部材53挿通管部51に取り付けられる。
また、このほかにも、固定部材53をクイックファスナーとし、挿通管部51の端部とレリースワイヤ46の外周面に凸出させた鍔とを狭持するように、固定部材53を軸方向以外の側面方向から差し込むように取り付けてもかまわない。この時の固定部材53による固定は、クイックファスナーの弾性による係合が利用される事となる。このとき、直線動作のみの動作で固定部材53は挿通管部51に取り付けられる。
また、前記した実施例の他に、例えば
図13に示したように、ピンチ状の取っ手532を構成し、当該取っ手532の先端を爪部56とし、弾性係合時及び弾性係合解除時には取っ手532部分を手でつかんで爪部56を開き、係合部57に弾性係合/弾性係合の解除をすることができるような形状としてもかまわない。
また、前記実施例の他、
図9に示すように挿通管部51に凸部54、固定部材53に凹部55を構成しても良い。
また、前記実施例の他、挿通管部51に爪部56、固定部材53に係合部57を構成してもかまわない。
また、前記実施例の他、
図14に示すように、固定部材53と挿通管部51の接続をネジ螺合としても、切り欠き溝531を固定部材53の側面に切り欠き溝531を構成してもかまわない。この場合においては、レリースワイヤ46への取り付けが現場施工時に組み付けられるので、工場生産性が向上するし、更に現場でレリースワイヤ46に固定部材53が挿入されていないので邪魔に成らず施工しやすくなった。
また、取っ手532の構成は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、固定部材53側面から側面方向へ延出するような取っ手532の構成でもかまわない。
また、前記ブッシュ部材52と固定部材53は別構成として構成しているが、両者を一体的に構成してもかまわない。この場合においては、固定部材53にブッシュ部材52としてのシール部材をインサート成形したり、固定部材53とブッシュ部材52を一体的にゴムなどの軟質部材で形成してもかまわない。