【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)文部科学省、平成24年度科学技術試験研究委託事業「日本の特長を活かしたBMIの統合的研究開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記作用部は、前記被験者が印加する力を受ける面を有し、前記ロードセル部から着脱可能であり、前記面の方向は、前記作用部の脱着により、水平方向と鉛直方向とのいずれかに変更可能であり、
前記固定台は、前記ロードセル部が固定される側に、前記弾性部材を挿入可能な孔が設けられ、
前記ロードセル部は、前記弾性部材が前記孔に挿入されることにより、前記固定台に固定される、請求項1または2記載の多軸方向の力検出装置。
前記第1および第2のゲージの各々は、光ファイバからの光を第1のレンズ経由で所定角度で前記平行平板に照射し、反射光を第2のレンズ経由で受光し、前記反射光の受光状態の変化により、前記平行平板の変形量を検出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多軸方向の力検出装置。
【背景技術】
【0002】
生体の脳や全身の断面を撮像する方法として、生体中の原子、特に、水素原子の原子核に対する核磁気共鳴現象を利用した核磁気共鳴イメージング(MRI : Magnetic Resonance Imaging)法が、人間の臨床画像診断等に使用されている。
【0003】
核磁気共鳴映像法は、それを人体に適用する場合、同様の人体内断層画像法である「X線CT」に比較して、たとえば、以下のような特徴がある。
【0004】
(1)水素原子の分布と、その信号緩和時間(原子の結合の強さを反映)に対応した濃度の画像が得られる。このため、組織の性質の差異に応じた濃淡を呈し、組織の違いを観察しやすい。
【0005】
(2)磁場は、骨による吸収がない。このため、骨に囲まれた部位(頭蓋内、脊髄など)を観察しやすい。
【0006】
(3)X線のように人体に害になるということがないので、広範囲に活用できる。
【0007】
このような核磁気共鳴影像法は、人体の各細胞に最も多く含まれ、かつ最も大きな磁性を有している水素原子核(陽子)の磁気性を利用する。水素原子核の磁性を担うスピン角運動量の磁場内での運動は、古典的には、コマの歳差運動にたとえられる。
【0008】
以下、本発明の背景の説明のために、この直感的な古典的モデルで、簡単に核磁気共鳴の原理をまとめておく。
【0009】
上述したような水素原子核のスピン角運動量の方向(コマの自転軸の方向)は、磁場のない環境では、ランダムな方向を向いているものの、静磁場を印加すると、磁力線の方向を向く。
【0010】
この状態で、さらに振動磁界を重畳すると、この振動磁界の周波数が、静磁界の強さで決まる共鳴周波数f0=γB0/2π(γ:物質に固有の係数)であると、共鳴により原子核側にエネルギーが移動し、磁化ベクトルの方向が変わる(歳差運動が大きくなる)。この状態で、振動磁界を切ると、歳差運動は、傾き角度を戻しながら、静磁界における方向に復帰していく。この過程を外部からアンテナコイルにより検知することで、NMR信号を得ることができる。
【0011】
このような共鳴周波数f0は、静磁界の強度がB0(T)であるとき、水素原子では、42.6×B0(MHz)となる。
【0012】
さらに、核磁気共鳴映像法では、血流量の変化に応じて、検出される信号に変化が現れることを用いて、外部刺激等に対する脳の活動部位を視覚化することも可能である。このような核磁気共鳴映像法を、特に、fMRI(functional MRI)と呼ぶ。
【0013】
fMRIでは、装置としては通常のMRI装置に、さらに、fMRI計測に必要なハードおよびソフトを装備したものが使用される。
【0014】
ここで、血流量の変化がNMR信号強度に変化をもたらすのは、血液中の酸素化および脱酸素化ヘモグロビンは磁気的な性質が異なることを利用している。酸素化ヘモグロビンは反磁性体の性質があり、周りに存在する水の水素原子の緩和時間に影響を与えないのに対し、脱酸素化ヘモグロビンは常磁性体であり、周囲の磁場を変化させる。したがって、脳が刺激を受け、局部血流が増大し、酸素化ヘモグロビンが増加すると、その変化分をMRI信号として検出する事ができる。被験者への刺激は、たとえば、視覚による刺激や聴覚による刺激、あるいは所定の課題(タスク)の実行等が用いられる(たとえば、特許文献1)。
【0015】
ここで、脳機能研究においては、微少整脈や毛細血管における赤血球中の脱酸素化ヘモグロビンの濃度が減少する現象(BOLD効果)に対応した水素原子の核磁気共鳴信号(MRI信号)の上昇を測定することによって脳の活動の測定が行われている。
【0016】
特に、人の運動機能に関する研究では、被験者に何らかの運動を行わせつつ、上記磁気共鳴イメージング装置によって脳の活動を測定することが行われている。上記被験者が行う動作としては、物体の把持運動等が考えられ、把持力検出装置の検出部を被験者が把持することにより、この把持力検出装置に作用する力を検出しつつ、被験者が上記把持運動を行う際の脳活動を上記磁気共鳴イメージング装置により測定する。
【0017】
ただし、このような把持力検出装置では、一般には、歪ゲージなど磁性を有する金属材が使用されているため、これを上記磁気共鳴イメージング装置内に持ち込むと、種々の弊害が発生するという問題がある。このため、このような金属材料を使用しない力検出装置が提案されている(たとえば、特許文献2を参照)。もっとも、この特許文献2に開示された力検出装置では、主として1軸方向の運動が想定されている結果、2軸方向以上の自由度の運動で生じる力の大きさと方向を正確に評価することは困難である、という問題がある。
【0018】
一方で、四肢の運動に対して脳がどのように活動しているかについて、すでにいくつかの研究がある。
【0019】
たとえば、運動関連領野の神経表現は主にサルを用いた電気生理実験で明らかにされてきた(たとえば、非特許文献1を参照)。このようなサルについての研究から一次運動野は筋座標系で身体運動を表現しているという知見が得られている。
【0020】
しかし、サルの研究では、脳への侵襲的な計測を用いており、一度に計測できる箇所が限られているため、運動に関わる脳部位全てについては明らかになっていない。
【0021】
このため、ヒトが手足を動かす際に脳がどのような座標系(頭部中心、筋、関節など)で四肢の運動の情報を表現しているかは明らかになっていない、というのが現状である。
【0022】
ところで、ヒトの場合、非侵襲的な脳活動の計測が必要であり、この場合、fMRIデータから、より詳細な情報を抽出できるデコーディング技術が発達してきている(たとえば、非特許文献2を参照)。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態の多軸方向の力検出装置の構成について、図に従って説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
以下では、被験者の脳活動を計測する装置として、MRI装置を例にとって説明する。ただし、本実施の形態の多軸方向の力検出装置は、MRI装置による脳活動計測だけではなく、他の装置による脳活動計測にも使用することが可能である。特に、多軸方向の力検出装置が、非磁性材料で形成されている場合には、磁場測定により脳活動を計測するような装置において、被験者の運動の力の大きさと方向を検知することに好適である。
【0045】
図1は、MRI装置10の全体構成を示す模式図である。
【0046】
図1に示すように、MRI装置10は、被検者2の関心領域に制御された磁場を付与してRF波を照射する磁場印加機構11と、この被検者2からの応答波(NMR信号)を受信してアナログ信号を出力する受信コイル20と、この被検者2に付与される磁場を制御するとともにRF波の送受信を制御する駆動部21と、この駆動部21の制御シーケンスを設定するとともに各種データ信号を処理して画像を生成するデータ処理部32とを備える。
【0047】
なお、ここで、被検者2が載置される円筒形状のボアの中心軸をZ軸にとりZ軸と直交する水平方向にX軸及び鉛直方向にY軸を定義する。
【0048】
MRI装置10は、このような構成であるので、磁場印加機構11により印加される静磁場により、被検者2を構成する原子核の核スピンは、磁場方向(Z軸)に配向するとともに、この原子核に固有のラーモア周波数でこの磁場方向を軸とする歳差運動を行う。
【0049】
そして、このラーモア周波数と同じRFパルスを照射すると、原子は共鳴しエネルギーを吸収して励起され、核磁気共鳴現象(NMR現象;Nuclear Magnetic Resonance)が生じる。この共鳴の後に、RFパルス照射を停止すると、原子はエネルギーを放出して元の定常状態に戻る緩和過程で、ラーモア周波数と同じ周波数の電磁波(NMR信号)を出力する。
【0050】
この出力されたNMR信号を被検者2からの応答波として受信コイル20で受信し、データ処理部32において、被検者2の関心領域が画像化される。
【0051】
磁場印加機構11は、静磁場発生コイル12と、傾斜磁場発生コイル14と、RF照射部16と、被検者2をボア中に載置する寝台18とを備える。
【0052】
被験者2の脇には、寝台18に固定された多軸方向の力検出装置(以下、単に「力検出装置」と呼ぶ)100が設けられる。被験者2は、特に限定されないが、たとえば、プリズムメガネ4により、Z軸に対して垂直に設置されたディスプレイ6に表示される画面を見ることができる。このディスプレイ6の画像により、被験者2に視覚刺激が与えられる。
【0053】
なお、被験者2への視覚刺激は、被験者2の目前にプロジェクタにより画像が投影される構成であってもよい。
【0054】
駆動部21は、静磁場電源22と、傾斜磁場電源24と、信号送信部26と、信号受信部28と、寝台18をZ軸方向の任意位置に移動させる寝台駆動部30と、力検出装置100を制御し、力の検知を実行するセンサコントローラ部50とを備える。
【0055】
データ処理部32は、操作者(図示略)から各種操作や情報入力を受け付ける入力部40と、被検者2の関心領域に関する各種画像及び各種情報を画面表示する表示部38と、各種処理を実行させるプログラム・制御パラメータ・画像データ(三次元モデル像等)及びその他の電子データを記憶する記憶部36と、駆動部21を駆動させる制御シーケンスを発生させるなどの各機能部の動作を制御する制御部42と、駆動部21との間で各種信号の送受信を実行するインタフェース部44と、関心領域に由来する一群のNMR信号からなるデータを収集するデータ収集部46と、このNMR信号のデータに基づいて画像を形成する画像処理部48とを備える。
【0056】
また、データ処理部32は、専用コンピュータである場合の他、各機能部を動作させる機能を実行する汎用コンピュータであって、記憶部36にインストールされたプログラムに基づいて、指定された演算やデータ処理や制御シーケンスの発生をさせるものである場合も含まれる。
【0057】
静磁場発生コイル12は、Z軸周りに巻回される螺旋コイルに静磁場電源22から供給される電流を流して誘導磁場を発生させ、ボアにZ軸方向の静磁場を発生させるものである。このボアに形成される静磁場の均一性の高い領域に被検者2の関心領域を設定することになる。ここで、静磁場コイル12は、より詳しくは、たとえば、4個の空芯コイルから構成され、その組み合わせで内部に均一な磁界を作り、被験者2の体内の所定の原子核、より特定的には水素原子核のスピンに配向性を与える。
【0058】
傾斜磁場発生コイル14は、Xコイル、Yコイル及びZコイル(図示省略)から構成され、円筒形状を示す静磁場発生コイル12の内周面に設けられる。
これらXコイル、Yコイル及びZコイルは、それぞれX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向を順番に切り替えながら、ボア内の均一磁場に対し傾斜磁場を重畳させ、静磁場に強度勾配を付与する。Zコイルは励起時に、磁界強度をZ方向に傾斜させて共鳴面を限定し、Yコイルは、Z方向の磁界印加の直後に短時間の傾斜を加えて検出信号にY座標に比例した位相変調を加え(位相エンコーディング)、Xコイルは、続いてデータ採取時に傾斜を加えて、検出信号にX座標に比例した周波数変調を与える(周波数エンコーディング)。
【0059】
この重畳される傾斜磁場の切り替えは、制御シーケンスに従って、Xコイル、Yコイル及びZコイルにそれぞれ異なるパルス信号が送信部24から出力されることにより実現される。これにより、NMR現象が発現する被検者2の位置を特定することができ、被検者2の画像を形成するのに必要な三次元座標上の位置情報が与えられる。
【0060】
RF照射部16は、制御シーケンスに従って信号送信部33から送信される高周波信号に基づいて、被検者2の関心領域にRF(Radio Frequency)パルスを照射するものである。
なお、RF照射部16は、
図1において、磁場印加機構11に内蔵されているが、寝台18に設けられたり、あるいは、受信コイル20と一体化されていてもよい。
【0061】
受信コイル20は、被検者2からの応答波(NMR信号)を検出するものであって、このNMR信号を高感度で検出するために、被検者2に近接して配置されている。
ここで、受信コイル20には、NMR信号の電磁波がそのコイル素線を切ると電磁誘導に基づき微弱電流が生じる。この微弱電流は、信号受信部28において増幅され、さらにアナログ信号からデジタル信号に変換されデータ処理部32に送られる。
【0062】
すなわち、静磁界にZ軸傾斜磁界を加えた状態にある被験者2に、共鳴周波数の高周波電磁界を、RF照射部16を通じて印加すると、磁界の強さが共鳴条件になっている部分の所定の原子核、たとえば、水素原子核が、選択的に励起されて共鳴し始める。共鳴条件に合致した部分(たとえば、被験者2の所定の厚さの断層)にある所定の原子核が励起され、スピンがいっせいに回転する。励起パルスを止めると、受信コイル20には、今度は、回転しているスピンが放射する電磁波が信号を誘起し、しばらくの間、この信号が検出される。この信号によって、被験者2の体内の、所定の原子を含んだ組織を観察する。そして、信号の発信位置を知るために、XとYの傾斜磁界を加えて信号を検知する、という構成になっている。
【0063】
画像処理部48は、記憶部36に構築されているデータに基づき、励起信号を繰り返し与えつつ検出信号を測定し、1回目のフーリエ変換計算により、共鳴の周波数をX座標に還元し、2回目のフーリエ変換でY座標を復元して画像を得て、表示部38に対応する画像を表示する。
【0064】
図2は、MRI装置10の外部構成を示す外観図である。
【0065】
図2においては、寝台18に、力検出装置100が固定されている。このように力検出装置100を固定する方法としては、特に限定されないが、たとえば、寝台18の被験者2が仰臥する面上に樹脂製の板を固定し、この板に力検出装置100を非磁性の樹脂製のボルトナットなどの固定具により固定するという方法をとることが可能である。
【0066】
また、図中においては、力検出装置100は、寝台18において被験者2の右手側に固定されているが、この構成に限定されるものではなく、寝台18において被験者2の左手側に固定されていてもよい。
【0067】
(2軸の力検出装置100の構成)
以下では、実施の形態1として、2軸方向の力の検出が可能な力検出装置100の構成について説明する。
【0068】
図3は、このような2軸方向の力検出装置100の構成の外観図である。
【0069】
被験者2は、後に詳しく説明するように、fMRIにより頭蓋部分の測定をして脳活動を検出する際に、
図3中のX−Y平面内の所定方向へ手首を動かすとの課題を、ディスプレイ6の表示により指示される。力検出装置100は、指示された方向へ被験者2が片方の手首を動かす際に、被験者2により加えられる力の大きさと力の方向を検出する。
【0070】
力検出装置100は、固定台102と、被験者2が把持する把持部104と、固定台102に一端が固定され、長手方向であるZ方向の他端に把持部104が設けられるロードセル部110とを備える。
【0071】
ロードセル部110は、矩形の断面形状を有し、長手方向に延びる弾性部材112と、長手方向に直交するX方向に弾性部材112を貫通して開口する第1の貫通孔120の側面部分により形成される第1の平行平板部分121と、Y方向に弾性部材112を貫通して開口する第2の貫通孔122の側面部分により形成される第2の平行平板部分123と、第1の平行平板部分121の変形量を検知するための第1のゲージ130と、第2の平行平板部分123の変形量を検知するための第2のゲージ132とを含む。
【0072】
なお、固定台102、弾性部材112および把持部104の材質としては、所定の剛性を有する弾性材料を使用することができ、特に限定されないが、非磁性の材料として、いわゆる「エンジニアリングプラスチック」などの樹脂を用いることが可能である。このようなエンジニアリングプラスチックとしては、より具体的には、たとえば、ポリアセタール樹脂を用いることができる。あるいは、磁場測定に影響を与えない限り、非磁性の材料としては、このような樹脂に限らず、アルミなどの非磁性金属であってもよい。
【0073】
ここで、把持部104は、ロードセル部110から着脱可能な構成となっており、測定中は、たとえば、非磁性の材料、たとえば、樹脂製のネジ(図示せず)により、ロードセル部110に固定されている。そして、把持部104は、ロードセル部110へ挿し込む方向を変えることで、取っ手(ハンドル)の向きを、水平方向(Y方向)または垂直方向(X方向)のいずれにも変更できる構成であるものとする。
図3では、取っ手が垂直方向(X方向)となるように、把持部104がロードセル部110に挿し込まれている。
【0074】
また、
図3においては、貫通孔120と貫通孔122とは、断面が矩形形状の孔として記載されているが、必ずしも、このような形状に限定されるわけではない。起歪体である弾性部材112において、貫通孔120と貫通孔122のそれぞれの側面が、「平行平板形力量計(平行平板形ロードセル)」として使用可能であれば、孔の断面形状は、他の形状であってもよい。したがって、たとえば、平行平板部の部材の厚さも必ずしも均一である必要はない。
【0075】
図4は、
図3において、第2の貫通孔122と第2のゲージ132とを含む部分の拡大図である。
【0076】
第1の貫通孔120と第1のゲージ130とを含む部分についても、基本的に同様の構成である。
【0077】
また、
図5は、平行平板形力量計において、ひずみの生じ方を説明するための概念図である。
【0078】
以下では、
図4および
図5に従って、平行平板部123のロードセルとしての構造および動作を説明する。
【0079】
まず、
図4を参照して、第2のゲージ132は、弾性部材112から一体成型によりその断面がL字形状となるように突出した載置部124に、平行平板部123の一方側面と対向するように取り付けられる。第2のゲージ132は、自身と平行平板部123の一方側面との間の距離δの変化を検出する。
【0080】
特に、限定されないが、第2のゲージ132としては、光学式の変位センサ、たとえば、限定反射方式のLED(Light Emitting Diode)式の光ファイバ変位センサを使用できる。ここで、たとえば、限定反射方式の光ファイバ変位センサであれば、光ファイバ126からのLEDの光を第1のレンズ(投光レンズ)経由で、所定角度で平行平板123の一方側面に照射すると、反射成分の反射光は、第2のレンズ(受光レンズ)経由で受光される。距離δの変位に応じて、受光されファイバ126経由で伝達される光強度が変化するので、その受光強度の変化を検出することで対象物までの距離の変位量を知ることができる。この変位量から、ロードセルに印加された力のX方向成分を検出できることになる。このような構成であるので、第2のゲージ132部分には磁性材料を使用せずに変位量の検出が可能である。しかも、信号の伝達が光ファイバにより行われるので、MRI装置が設置される室内でも、信号にノイズが混入することがない。
【0081】
同様にして、平行平板部121と第1のゲージ130とにより、ロードセルに印加された力のY方向成分をX方向とは独立に検出できる。
【0082】
言い換えれば、平行平板部121と平行平板部123により、ロードセルに印加されたX−Y面内の力の大きさと方向を検出できることになる。
【0083】
このような光センサとしては、たとえば、送受光ファイバとレンズから構成される樹脂製ファイバユニット、例えば、KEYENCE社製FU−38を用いることができる。
【0084】
本実施の形態の光センサは、細い光ファイバを対向して設置するというような方式でないため、位置合わせに要求される精度に余裕があり、製造しやすい、との特徴も有する。
【0085】
なお、第2のゲージ132は、上述のとおり、載置部124に取り付けられており、載置部124が弾性部材112と連続する部分は、平行平板部123よりも外側(貫通孔122の開口していない部分)であるので、第2のゲージ132を取り付けたことが、平行平板部123の変形に干渉を与えることがない。
【0086】
また、一般的には、平行平板形力量計では、その変形量の計測には、ひずみゲージが使用される。しかし、一般的なひずみゲージは、「薄い絶縁体上にジグザグ形状にレイアウトされた金属の抵抗体(金属箔)が取り付けられた構造をしており、変形による電気抵抗の変化を測定することによりひずみ量に換算する」との構成を有する。このひずみゲージの金属の抵抗体は、磁性を有するため、強い磁場を用いて測定するMRI装置において、正確な測定を実施するためは、必ずしも適さない。しかし、本実施の形態では、上述のとおり、光学的に距離δの変化を検出するため、磁場中であっても、測定に影響を与えることなく、高精度に距離δの変化を検出し、ロードセルに印加されたX−Y面内の力の大きさと方向を検出することが可能である。
【0087】
図5を参照して、平行平板の幅(
図5では、画面の奥行き方向)をbとし、平行平板の厚さをtとし、平行平板の長さをIとし、加えられる力をFとし、平行平板の縦弾性係数をEとするとき、変位δは、以下のように表現される。
【0088】
δ=FI
3/(2Ebt
3)
したがって、逆に、変位δから力Fを求めることができる。
【0089】
(力検出装置100のキャリブレーション)
以下では、以上説明した力検出装置100のキャリブレーションの方法の一例について説明する。
【0090】
図6は、キャリブレーションに使用する治具200の外観を示す図である。
【0091】
図6に示すように、治具200は、力検出装置1002弾性部材112と同一の断面形状を有する弾性部材210と、弾性部材210の先端に取り付けられた支持部材220と、支持部材220に支持される滑車230とからなる。
【0092】
なお、
図6に示すように、弾性部材210は、その途中で、根本側と先端側とが平行にずれるように折れ曲がりを有している。また、支持部材220には、その背面から滑車230の上部側に向かう空隙240が設けられる。
【0093】
ここで、弾性部材210も、滑車230も、非磁性の材料で形成されていることが望ましい。
【0094】
図7は、治具200を用いたキャリブレーションを説明するための図である。
【0095】
まず、固定台102は、上面が水平となるように設置された台3上に固定される。
【0096】
また、固定台102において、弾性部材112が取り付けられる側には、弾性部材112を、ちょうど、はめ込める大きさの孔103−1〜103−9が、3×3に配列されているものとする。ただし、孔の個数は、このような9個に限定されるものではない。
【0097】
上述のような孔103−1〜103−9の配置において、ロードセル部110の弾性部材112は、真ん中の孔103−5に、把持部104の取っ手が垂直方向となるように挿入され、固定されている。
【0098】
また、治具200の弾性部材210は、ロードセル部110と同じ高さの孔103−4に挿入され、固定されている。
【0099】
この状態で、錘260をつるす紐250が、滑車230を介して、空隙を通って把持部104の取っ手に結び付けられている。ここでも、錘260自身も、紐250も、非磁性の材料で形成されていることが望ましい。
【0100】
このような構成とすれば、力検出装置100自身も、キャリブレーションに使用される治具200も、錘260も、紐250も、すべて非磁性の材料から形成した状態とすることが可能で、その場合は、NMR装置の測定に影響を与えることなく、NMR装置の設置された室内でキャリブレーションを行うことができ、キャリブレーションの精度、ひいては、測定精度の向上を図れるとともに、一連の測定を効率的に実行することが可能となる。
【0101】
錘260の重量は予めわかっているため、
図7のような構成で、把持部104の取っ手にY方向(水平方向)に所定の力を印加することにより、ロードセルのキャリブレーションを実行することができる。
【0102】
なお、把持部104のハンドルにX方向(垂直方向)に所定の力を印加するキャリブレーションの際には、たとえば、把持部104の固定具を緩めて、把持部104をロードセル部110から抜き取り、取っ手の方向を水平方向にしてはめ込み固定する。このとき、ロードセル部110は、孔103−5に挿入されたままである。その上で、治具200とは滑車の向きが90度回転した治具を、固定台102の孔103−5の垂直上方の孔103−2に挿入して固定する。その上で、把持部104の取っ手に一端が結ばれた紐250を、取っ手の鉛直上方に位置する滑車を経由して、紐250の他端に錘260をぶら下げることで、Y方向と同様にキャリブレーションを実施することが可能である。
【0103】
なお、
図6では、滑車230は、Y方向のキャリブレーションを想定して、弾性部材210の長手方向と直交する方向に回転自在となるように固定されている。特に限定されないが、滑車230は、支持部材220から着脱可能であって、X方向のキャリブレーションの際には、空隙240内に滑車230が位置し長手方向に滑車230が回転自在となるように、滑車230をはめ込むことが可能な溝が支持部220に形成されている構成であってもよい。すなわち、支持部材220を空隙240の開口する側から見たとき、この空隙240と十字を成すように、この溝が設けられていれば、その溝に滑車230を挿し込むことで、上記のような構成とすることができる。この場合は、X方向のキャリブレーションでもY方向のキャリブレーション時と、同一の治具200を使用してキャリブレーションを実行することが可能である。
【0104】
また、固定台102に、上述のような孔が異なる高さで複数個設けられ、この孔に弾性部材112が挿入されてロードセルが固定される構成であることにより、力の測定時における取っ手の高さを容易に調整することができる。また、把持部104を固定具によりロードセル部110から着脱可能に固定する構成としているので、力の測定時においても、把持部104の取っ手の方向をX方向またはY方向のいずれかに容易に変更することができる。
【0105】
(測定の手順)
図8は、被験者2に力検出装置100を用いて課題を実行させて、脳活動を計測する際の原理を説明するための概念図である。
【0106】
すなわち、以下では、四肢の運動において、脳の座標表現を調べるために、複数の方向に運動を行いそのときの脳活動を計測する場合を例にとって説明する。
【0107】
このような方法は、非特許文献1において、Kakeiらがサルに対して行ったものに相当する。
【0108】
まず、
図8(a)に示すように、運動の方向を水平方向を0°と180°として定義し、被験者2に指示される運動方向は、45°ずつの8方向とする。
【0109】
その上で、被験者2に、力検出装置100の把持部104の取っ手を回内位と回外位で把持した上で、主として、アイソメトリック運動(等尺性運動)を行ってもらう。アイソメトリック運動とするのは、運動のばらつきを抑制できるためである。
【0110】
このような状態で、被験者2に手首の伸展や屈曲などの課題を実行してもらう。
【0111】
この運動課題の最も重要な特徴は、手首運動に関する空間、関節、筋肉の3つの座標系を分離し、ニューロン活動の座標系を判別できる点にある。座標系分離の詳細については、非特許文献1に開示があるので、以下では、簡単に概略のみを説明する。
【0112】
ここで「座標系」は、運動を記述するための基準の取り方を意味する。
【0113】
例えば「上」や「下」は外部の空間に基準をおいた運動の記述であり、空間座標系とよばれる。これに対して「伸展」や「屈曲」は手首関節の構造を基準にした運動の記述であり、関節座標系とよばれる。
【0114】
そして、8方向の手首運動を、回内位、回外位という異なる姿勢で、被験者2に行ってもらう。例えば、ある脳領域が回内位で「上」への運動で最も強く活動したとする。これだけでは、その脳領域の活動が空間座標系で「上」方向を表現しているのか、関節座標系で手首の「伸展」を意味しているのか区別できない。
【0115】
そこで手首を180度回転して回外位にする。もし、その脳領域の活動が「上」を意味していれば、今度も「上」への運動で活動し(ただし手首は屈曲)、空間座標系と判別される。もし手首の「伸展」を意味するなら、今度も「伸展」運動で活動し(ただし手首は下に動く)関節座標系と判別される。さらに、手首を動かす際に動く筋肉の座標系は、「回内位」→「中間位」→「回外位」というように、運動時の手首の方向を変えることで、これらの空間座標系や関節座標系から区別されることも示されている。
【0116】
図9は、被験者2の行う課題の時間経過を説明するための図である。
【0117】
図9を参照して、被験者2には、ディスプレイ6に表示された視覚刺激に従って運動課題を行ってもらい、そのときの脳活動変化を撮像する。
【0118】
すなわち、ディスプレイ6の中央部に固視点を表示するとともに、運動方向が指示される。これに応じて、被験者2が行った運動における力の軌跡(大きさと方向の時間変化)が、表示される。
【0119】
運動課題は、上述のとおり、手首の運動であり、被験者に、複数の異なる方位(方向1、方向2、…)に手首を動かしてもらう。
【0120】
特に、限定されないが、たとえば、被験者2には、アイソトニック運動とアイソメトリック運動を行ってもらう。アイソトニック運動課題では、上肢の動きを光学式モーションキャプチャにより計測する。アイソメトリック運動課題では、運動出力(力の方向と大きさ)を力検出装置100を用いて計測する。
【0121】
さらに運動関連皮質の座標表現を調べるため、上肢の姿勢を変更して運動課題を行ってもらう。注目する身体部位(手首)ではない箇所(肘や肩)の付随的な運動を抑制するため、カフを用いることも可能である。試行ごとの被験者の運動のばらつきを抑制するため、被験者2には、運動軌道または運動出力を時間経過を認識できる軌跡としてディスプレイ6に表示することにより、視覚刺激としてフィードバックする。運動時の筋出力を筋電計で、眼球運動を眼球運動モニターで計測する。
【0122】
このようにして計測された脳活動変化の撮像情報は、運動課題の指示方向および運動出力の情報と関連付けて、制御部42により記憶部36に格納される。
【0123】
計測データの解析では、はじめに各被験者の皮質構造をその形態に従って一次運動野、運動前野、補足運動野などに区分けする。次にそれらの各領域において運動の方位のデコードを行う。さらに、ある姿勢から別の姿勢に変更して運動した場合にどのようにデコーディング結果が変更するか調べ、各領域での運動の座標表現を明らかにする。
【0124】
図10は、このようにしてfMRIにより計測された脳活動部位と、一次運動野についての座標系の検出結果を示す図である。
【0125】
図10(a)に示すように、右手首運動時に活動する脳部位がfMRIにより計測される。
【0126】
図10(b)は、予備的な実験結果を示すものであり、一次運動野からのデコーディング結果では、右手首運動では、空間座標と筋座標の2つの表現が混在している可能性があることを示している。
【0127】
以上説明したように、力検出装置100のような構成とすることで、ロードセル110で、把持部104に印加される力のX−Y平面内での大きさと方向、すなわち、言い換えると、力のX成分およびY成分が検知できる。また、このような力検出装置100が非磁性材料で構成されることで、MRI装置のように磁場計測で脳活動を計測する装置により運動時の脳活動を計測できる。
【0128】
したがって、MRI装置のような磁場の検出により、脳活動を測定する装置において、ヒトの運動についての運動野内における座標のコーディングだけでなく、ヒトの運動時の様々な他の脳活動の測定も可能となる。
[実施の形態2]
以下では、実施の形態2として、3軸方向の力の検出が可能な力検出装置300の構成について説明する。
【0129】
なお、実施の形態1の力検出装置100と同一部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
【0130】
図11は、実施の形態2の3軸方向の力検出装置300の構成の外観図である。
【0131】
被験者2は、後に詳しく説明するように、fMRIにより頭蓋部分の測定をして脳活動を検出する際に、3次元の所定方向へ手首を動かすとの課題を、ディスプレイ6の表示により指示される。力検出装置300は、指示された方向へ被験者2が片方の手首を動かす際に、被験者2により加えられる力の大きさと力の方向を検出する。
【0132】
力検出装置300は、固定台102と、被験者2が把持する把持部104と、ロードセル部310とを備える。
【0133】
ロードセル部310は、固定台102に固定されるコの字型(U字型)の第1の弾性部312を備える。第1の弾性部312は、固定台102にそれぞれの一端が固定される脚部材312aおよび312bと、脚部材312aと312bとをつなぐ支持部材312cとから一体的に構成される。第1の弾性部312の断面は矩形形状である。
【0134】
ロードセル部310は、さらに、支持部材312cの中央から突出し、長手方向(Z方向)の他端に把持部104が設けられる第2の弾性部110を備える。
【0135】
第2の弾性部110は、矩形の断面形状を有し、長手方向(Z方向)に延びる弾性部材112と、長手方向に直交するX方向に弾性部材130を貫通して開口する第1の貫通孔120の側面部分により形成される第1の平行平板部分121と、Y方向に弾性部材112を貫通して開口する第2の貫通孔122の側面部分により形成される第2の平行平板部分123と、第1の平行平板部分121の変形量を検知するための第1のゲージ130と、第2の平行平板部分123の変形量を検知するための第2のゲージ132とを含む。
【0136】
第1の弾性部312と第2の弾性部110とは、樹脂により一体に形成することができる。
【0137】
支持部312cにおいては、弾性部材112の一端と連なる中央部と脚部材312aとの間およびこの中央部と脚部材312bと連なる部分との間のそれぞれに、Y方向に支持部材312cを貫通して開口する第3の貫通孔320の側面部分により形成される第3の平行平板部分321と、Y方向に支持部材312cを貫通して開口する第4の貫通孔322の側面部分により形成される第4の平行平板部分323と、第3の平行平板部分321の変形量を検知するための第3のゲージ330と、第4の平行平板部分323の変形量を検知するための第4のゲージ332とが設けられる。
【0138】
第1〜第4のゲージ130,132,330,332の構成は、実施の形態1で説明したような光学式の変位センサを用いることができる。
【0139】
なお、特に限定されないが、固定台102、第1の弾性部312と第2の弾性部110ならびに把持部104の材質としても、いわゆる「エンジニアリングプラスチック」を用いることができ、より具体的には、たとえば、ポリアセタール樹脂を用いることができる。
【0140】
また、
図11においても、貫通孔120,貫通孔122,貫通孔320および貫通孔322は、断面が矩形形状の孔として記載されているが、必ずしも、このような形状に限定されるわけではない。起歪体である第1の弾性部312と第2の弾性部110において、貫通孔120,貫通孔122,貫通孔320および貫通孔322のそれぞれの側面が、「平行平板形力量計(平行平板形ロードセル)」として使用可能であれば、孔の断面形状は、他の形状であってもよい。
【0141】
また、実施の形態2の力検出装置300においても、キャリブレーションの治具を使えるようにするために、固定台102において弾性部材312が取り付けられる側には、弾性部材312を、ちょうど、はめ込める大きさの孔が、n×mに配列されているものとする(n,mは、それぞれ3以上の自然数)。
【0142】
上述のような孔の配置において、弾性部材312は、脚部が、それぞれ、2つの孔に把持部104の取っ手が垂直方向となるように挿入され、固定されている。固定台102に設けられる孔をn×mに配列することにより、実施の形態1と同様に、把持部104の高さを変えて、固定することが容易となる。さらに、把持部104は、実施の形態1と同様に固定具によりロードセル部310に着脱可能に固定されているので、把持部104のハンドルの向きを垂直方向から水平方向に変えて固定し、キャリブレーションしたり、あるいは、力の計測をしたりすることが容易になる。
【0143】
また、治具200の弾性部材210は、ロードセル部310とは、別の孔に挿入され、固定される。キャリブレーションの方法は、基本的に、実施の形態1と同様であるので、その詳細の説明は省略する。
【0144】
力検出装置300を上記のような構成とすることで、このような力検出装置300が、ロードセル310で、把持部104に印加される力のX−Y平面内での大きさと方向、すなわち、言い換えると、力のX成分およびY成分が検知できるだけでなく、力のZ成分についても検知できることになる。また、力検出装置300が、非磁性材料で構成されることで、MRI装置のように磁場計測で脳活動を計測する装置により運動時の脳活動を計測できる。
【0145】
したがって、実施の形態2の力検出装置は、実施の形態1の力検出装置の奏する効果に加えて、ヒトの運動時のさらに多様な他の脳活動の測定も可能とするものである。
【0146】
なお、以上の実施の形態1または実施の形態2の説明においては、被験者2に与えられる運動課題は、手首の運動であるものとしたが、本発明は、必ずしもこのような場合に限定されない。たとえば、運動は、足首の運動であってもよいし、腕の関節の運動、脚の関節の運動や、たとえば、手の指の特定の関節の運動であってもよい。したがって、以上の説明では、被験者2の手により把持される部分を「把持部」と呼び、把持部の取っ手(ハンドル)が被験者2からの力の作用を受ける面を含む構成となっているが、このように手首の運動に限らない場合は、被験者2からの力の作用を受ける面を含む部分のことを、より一般に「作用部」と呼ぶ。測定される力の大きさのレンジや、運動する箇所の大きさに合わせて、作用部の大きさや、ロードセル部の剛性や大きさを変化させることで、このように、より一般的な運動課題について、被験者からの力の大きさおよび方向を検知することが可能となる。
【0147】
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。