(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヒータ保持部は、前記ヒータのうち前記被当接部と当接する当接面の反対側に位置する面を少なくとも覆う覆い部と、前記ヒータから前記覆い部を介して伝達された熱を前記放熱板に伝達する伝熱部とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の脱臭機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の装置にあっては、触媒フィルタを加熱して臭気成分を分解して再生を行うヒータが触媒フィルタに比べて小さく、ヒータに対して触媒フィルタを回転させる回転機構を具備する必要があった。このため、従来の加熱再生型の触媒フィルタを用いた脱臭機は、回転機構を採用することで部品点数が多くなり、製造コストがかかるという課題があった。
【0007】
そこで、回転機構を採用せずに小さいヒータで触媒フィルタ全体を加熱しようとすると、放熱板を介してヒータからの熱を触媒フィルタ全体に伝達させる構成が考えられる。しかしながら、放熱板を用いて触媒フィルタ全体を加熱する場合は、触媒フィルタの中でヒータからの熱で直接加熱される箇所と、ヒータからの熱が放熱板を介して間接的に加熱される箇所とがあって、直接加熱される箇所が局所的に高温になるおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、小型のヒータを用いて大きな触媒フィルタを加熱する場合に、ヒータの配置された箇所が局所的に高温になりにくく、触媒フィルタ全体を均一に加熱することのできる脱臭機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の脱臭機は、臭気成分を吸着分解する触媒フィルタと、同触媒フィルタを加熱して臭気成分の分解を促進する加熱部とを備えた脱臭機であって、前記加熱部は、前記触媒フィルタを加熱するヒータと、同ヒータが当接する被当接部を備えると共に、前記触媒フィルタに面対向して同ヒータから前記被当接部を介して伝達された熱を放熱する放熱板と、前記ヒータを前記被当接部に当接した状態で保持するヒータ保持部とを備え、
前記ヒータは、前記触媒フィルタと非接触であり、前記放熱板あるいは前記ヒータ保持部のいずれか一方に、前記触媒フィルタと接触して、前記ヒータから伝達された熱を前記触媒フィルタに間接的に伝達する接触面
が設けられ、同接触面の裏面は前記ヒータと非接触
であることを特徴とする。
【0010】
また、
本発明の脱臭機は、臭気成分を吸着分解する触媒フィルタと、同触媒フィルタを加熱して臭気成分の分解を促進する加熱部とを備えた脱臭機であって、前記加熱部は、前記触媒フィルタを加熱するヒータと、同ヒータが当接する被当接部を備えると共に、前記触媒フィルタに面対向して同ヒータから前記被当接部を介して伝達された熱を放熱する放熱板と、前記ヒータを前記被当接部に当接した状態で保持するヒータ保持部とを備え、前記放熱板あるいは前記ヒータ保持部のいずれか一方に、前記触媒フィルタと接触して、前記ヒータから伝達された熱を前記触媒フィルタに間接的に伝達する接触面が設けられ、同接触面の裏面は前記ヒータと非接触であり、前記接触面と隣接し、前記触媒フィルタと接触しない非接触面
が設けられ、前記非接触面の裏面側が前記ヒータと接触して
おり、前記非接触面と前記触媒フィルタとの間を一定の距離に保つスペーサ
が配置されたことを特徴とする。
【0011】
また、このように構成された脱臭機にあって、前記触媒フィルタは、ハニカムフィルタで構成され、前記スペーサを前記非接触面上に突起状に形成すると共に、同スペーサの先端に設けられる当接面を前記ハニカムフィルタと当接させることを特徴とする。
【0012】
また、このように構成された脱臭機にあって、前記スペーサは、前記ヒータ保持部を構成する材料よりも熱伝導率の低い材料で構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、
本発明の脱臭機は、臭気成分を吸着分解する触媒フィルタと、同触媒フィルタを加熱して臭気成分の分解を促進する加熱部とを備えた脱臭機であって、前記加熱部は、前記触媒フィルタを加熱するヒータと、同ヒータが当接する被当接部を備えると共に、前記触媒フィルタに面対向して同ヒータから前記被当接部を介して伝達された熱を放熱する放熱板と、前記ヒータを前記被当接部に当接した状態で保持するヒータ保持部とを備え、前記放熱板あるいは前記ヒータ保持部のいずれか一方に、前記触媒フィルタと接触して、前記ヒータから伝達された熱を前記触媒フィルタに間接的に伝達する接触面が設けられ、同接触面の裏面は前記ヒータと非接触であり、前記ヒータ保持部に前記接触面が設けられ、前記ヒータは、前記ヒータ保持部の中央部に配置されるとともに、前記ヒータ保持部は、前記中央部を挟む両端部に前記接触面を設けるようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、このように構成された脱臭機にあって、
前記ヒータ保持部は、前記ヒータのうち前記被当接部と当接する当接面の反対側に位置する面を少なくとも覆う覆い部と、前記ヒータから前記覆い部を介して伝達された熱を前記放熱板に伝達する伝熱部とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の脱臭機によれば、触媒フィルタを加熱する加熱部は、ヒータと、ヒータが当接する被当接部を備え、触媒フィルタに面対向してヒータから被当接部を介して伝達された熱を放熱する放熱板と、ヒータを被当接部に当接した状態で保持するヒータ保持部とを備え、
ヒータは、触媒フィルタと非接触であり、放熱板あるいはヒータ保持部のいずれか一方に、触媒フィルタと接触する接触面
が設けられ、接触面の裏面側をヒータと非接触としている。これにより、ヒータからの熱は、放熱板あるいはヒータ保持部を介して間接的に触媒フィルタに伝達され、触媒フィルタに対して直接伝達される面がなくなるため、局所的に高温になりにくく、触媒フィルタ全体を均一に加熱することができる。
【0016】
また、接触面と隣接し、触媒フィルタと接触しない非接触面
が設けられ、非接触面の裏面側がヒータと接触して
おり、非接触面と触媒フィルタとの間を一定の距離に保つスペーサを配置している。これにより、触媒フィルタと接触しない非接触面の長さが長くなっても、触媒フィルタが変形するのをスペーサで抑えることで、触媒フィルタが非接触面と接触して局所的に高温になるのを防ぐことができる。
【0017】
さらに、触媒フィルタは、ハニカムフィルタで構成され、スペーサを前記非接触面上に突起状に形成すると共に、同スペーサの先端に設けられる当接面を前記ハニカムフィルタと当接させる。これにより、簡単な構成で触媒フィルタと非接触面とを非接触とすることができ、触媒フィルタが局所的に高温になるのを防ぐことができる。
【0018】
また、スペーサは、ヒータ保持部を構成する材料よりも熱伝導率の低い材料で構成されている。これにより、ヒータからの熱が非接触面を加熱しても、スペーサを介して熱が触媒フィルタに伝達されないため、触媒フィルタが局所的に高温になるのを防ぐことができる。
【0019】
また、
ヒータ保持部に接触面を設け、ヒータは、ヒータ保持部の中央部に配置され、ヒータ保持部は、中央部を挟む両端部に接触面が設けられている。これにより、ヒータ保持部の中央部は、ヒータは配置されているが触媒フィルタと接触する接触面がなく、ヒータ保持部の両端部は、ヒータは配置されていないが触媒フィルタと接触する接触面が設けられているため、ヒータからの熱で触媒フィルタが局所的に高温になるのを防ぎ、触媒フィルタを均一に加熱することができる。
【0020】
また、
ヒータ保持部は、ヒータのうち被当接部と当接する当接面の反対側に位置する面を少なくとも覆う覆い部と、ヒータから覆い部を介して伝達された熱を放熱板に伝達する伝熱部とを備えている。これにより、ヒータから放熱板に伝達される熱は、ヒータの当接面からだけでなく、当接面の反対側に位置する反対面を少なくとも覆う覆い部と、覆い部を介して伝達された熱を放熱板に伝達する伝熱部とを備えたヒータ保持部を介して伝達されるため、ヒータの熱をより効率的に放熱板に伝えることが可能となり、小さいヒータでも触媒フィルタ全体を均一に加熱できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明にかかる脱臭機の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。本実施形態では、加湿機能付脱臭機を例にあげて説明しているが、加湿機能は必ずしも必要ではなく、脱臭機能を有するものであれば実施可能である。
【0023】
まず、
図1から
図6は本発明にかかる脱臭機1の一実施形態を示している。
図1は、本発明の一実施形態を示す脱臭機を正面斜め上方から見た斜視図である。この脱臭機1は、
図1に示すように、合成樹脂パネルで成形された直方体状の筺体を有し、この筺体の前面パネル17に設けられた空気吸込口11から導入した空気を、上面に設けられた空気吹出口12から放出する間に、空気の脱臭処理と加湿処理とが行われるようになっている。空気吹出口12の上方には、回動可能なルーバ13が配置され、ルーバ13の開閉角度を変えることで空気の吹き出し方向を適宜調節することができる。
図1および
図2に示すルーバ13は、閉じた位置にあるが、この状態でも空気吹出口12が開口しているため、上方へは空気を吹き出すことができる。吹き出し方向に角度を付けたい場合は、ルーバ13を所望の角度まで引き上げることにより、ルーバ13の下面に沿って空気を吹き出すことができる。
【0024】
また、脱臭機1の筺体の上面部には、空気吹出口12の側方に位置して脱臭機1を操作する操作パネル19が設けられている。さらに、脱臭機1の筺体の側面側は、前面パネル17と辺で接する側面パネル18で覆われている。
【0025】
図2は、
図1に示す脱臭機の中央部から縦断したX−X線に沿った断面図である。脱臭機1の筺体の内部は、
図2に示すように、空気吸込口11から導入した空気を空気吹出口12まで案内する送風路10が形成され、この送風路10の途中には、送風路10内の空気を空気吸込口11から空気吹出口12に向かって流通させるための送風機50が設けられている。送風機50は、ファンモータ50aとシロッコファン50bとで構成されている。もちろん、この送風機50には、シロッコファン50bを用いることが好ましいが、これに限定されず、空気を流通させる機能を有するものであればよい。例えば、ラジアルファンや軸流ファン、もしくはそれ以外のファンを用いてもよい。
【0026】
また、空気吸込口11と送風機50との間の送風路10には、プレフィルタ20、集塵フィルタ21、脱臭ユニット30、ユニットガイド39、および加湿ユニット40などが配置されている。さらに、送風機50と空気吹出口12との間の送風路10には、オゾンを発生させて空気の殺菌と脱臭を行うオゾナイザ60が配置されている。
【0027】
本実施形態における脱臭機1の特徴的な構成は、
図2に示す脱臭ユニット30の構成にある。この脱臭ユニット30の構成については、後述する
図3〜
図5を用いて詳細に説明するが、触媒フィルタ33とそれを加熱する加熱部35に対し、風上側と風下側から挟んで断熱を行う通気性を備えた板状断熱材32、36が配置されると共に、外周面を環状に囲って断熱を行う環状断熱材34が配置されている。
【0028】
図3は、
図2に示す脱臭機の触媒フィルタを含む脱臭ユニットの分解斜視図であり、この脱臭ユニット30は、
図3に示すように、各部の組み合わせによって構成されている。脱臭ユニット30は、
図3に示すように、臭気成分を吸着して分解する触媒フィルタ33と、この触媒フィルタ33を加熱して吸着した臭気成分の分解を促進する加熱部35と、これら触媒フィルタ33および加熱部35を挟むように両側に配置された通気性を有する一対の板状断熱材32、36と、これら触媒フィルタ33と加熱部35と板状断熱材32、36の外周を囲って配置される環状断熱材34と、板状断熱材32、36および環状断熱材34の通風方向両側を覆って配置される一対の遮熱板31とにより構成されている。この遮熱板31は、多数の透孔によって通気性が確保された金属製のパンチングプレートで形成されている。
【0029】
触媒フィルタ33は、心材部分に蜂の巣(ハニカム)構造を取り入れて板状に形成した通気性を有するハニカムコアボードであり、ここではアルミ合金で構成され、その表面に、酸化マンガンなどの金属酸化物やプラチナなどの貴金属の触媒を所定の厚さに形成(触媒層)されている。なお、吸着材としては、活性炭や各種セラミックス粉末などをさらに添加することが好ましい。さらには、抗菌剤や防かび剤などが添加されることも好ましい。そして、触媒フィルタ33は、基本的に吸着した臭気成分の分解を加熱により促進できる構造(加熱再生型)であればよく、その他の加熱再生構造を有する触媒フィルタであってもよい。
【0030】
このように、脱臭ユニット30は、触媒フィルタ33と加熱部35との周囲が板状遮熱材32、36と環状断熱材34とで覆われ、さらにその外側が多数の透孔によって通気性が確保された遮熱板31で覆われているため、加熱部35による加熱時の熱が他の部材に影響を与えることを極力防止することができると共に、触媒フィルタ33全体を効率良く加熱することが可能となり、加熱再生時間を短縮することができる。
【0031】
図4は、
図3に示す脱臭ユニットの触媒フィルタを加熱する加熱部の分解斜視図であり、
図5は、
図4に示す加熱部を組み立てて中央部から縦断したY−Y線に沿った断面図である。脱臭ユニット30の加熱部35は、
図4に示すように、放熱板351と、ヒータとしてのPTCヒータ352と、ヒータ保持部353とを備えている。放熱板351は、遮熱板31と同様に多数の透孔によって通気性が確保された金属製のパンチングプレート351cで形成されている。この放熱板351は、触媒フィルタ33を加熱して触媒フィルタ33が吸着した臭気成分の分解を促進する際に、PTCヒータ352からの熱が全体に伝わり易いように、ここでは鋼板を用いているが、これ以外にも熱伝導率の高い銅やアルミなどの金属で構成しても良い。放熱板351の中央部には、PTCヒータ352が収容される凹み部351aが設けられ、この凹み部351aを被当接部としてPTCヒータ352の一側面(当接面352a)を当接させて固定する。このPTCヒータ352の固定には、ヒータ保持部353を用いている。
【0032】
本実施形態にかかる脱臭機1の特徴は、このヒータ保持部353の構成にある。ヒータ保持部353は、
図4に示すように、触媒フィルタと接触する接触面353c,353dを備えていて、その接触面353cと接触面353dとの間に段差部353gを介して接触面353c,353dよりも一段低い非接触面353aが配置されている。接触面353c,353dの裏面は、
図5に示すように、PTCヒータ352と接触していないため、触媒フィルタ33に対してPTCヒータ352からの熱は、ヒータ保持部353の厚さ方向からは直接伝わらず、段差部353gを介して伝わるためヒータ保持部353の非接触面353aを介する間接的な加熱となる。このため、接触面353c,353dと接する触媒フィルタ33は、間接的な加熱により局所的に高温になるのを防ぐことができる。
【0033】
また、ヒータ保持部353の非接触面353aは、その裏面側がPTCヒータ352の当接面352aと反対側の反対面352bに直接接しているため高温となる。しかし、非接触面353aは、接触面353c,353dよりも低く構成されており、触媒フィルタ33と直接接触していないため、非接触面353aからの輻射熱による伝熱とヒータにより加熱された空気を介した伝熱によって触媒フィルタ33が間接的に加熱されることから、局所的に高温になるのを防ぐことができる。
【0034】
なお、本実施例では、ヒータ保持部353の非接触面353aの長さ(接触面353cと353dの間の距離)は、
図5に示すように、ここではほぼPTCヒータ352の長さ(数cm)に相当し、接触面353c,353dと非接触面353aとの段差は1mm程度としている。このため、アルミ合金からなるハニカムコアボードの触媒フィルタ33は、放熱板351に組み込む際に変形すると、非接触面353aにも接触するおそれがある。そこで、本実施形態では、非接触面353aの中央部に接触面353c,353dと同じ高さのスペーサ353eを配置し、触媒フィルタ33を中間地点で支えることにより触媒フィルタ33の変形を防止し、触媒フィルタ33が非接触面353aに接触するのを防ぐことができる。なお、ここではスペーサ353eを非接触面353aの中央部に1つだけ配置した構成を例にあげたが、これに限定されず、複数のスペーサを配置しても良い。
【0035】
また、このスペーサ353eで支持する対象は、ハニカムコアボードの触媒フィルタ33であるため、六角形からなる蜂の巣状の穴が多数空いている。このため、スペーサ353eの先端に設けられる当接面353hの面積がハニカムコアボードの六角形の穴の開口面積よりも小さいと、支持するはずのスペーサ353eが穴に入り込んでしまい、スペーサの機能を果さなくなる。そこで、本実施形態にかかるスペーサ353eの当接面353hの面積は、ハニカムフィルタの各穴の開口面積よりも大きく構成している。なお、本発明はこれに限定されず、スペーサ353eが穴に入り込まない形状であれば良く、例えば当接面353hを、六角形の穴の開口の対角線よりも長い辺を持つ細長い形状としても良い。
【0036】
さらに、本実施形態にかかるヒータ保持部353は、スペーサ353eを容易に製造するため、板金をプレス加工する際に非接触面353aの一部を接触面353c,353dと同じ高さまで突起状に隆起させて一体成形している。しかし、このスペーサ353eを熱伝導率の低い、耐熱性のある材料(例えば、耐熱性樹脂など)を用いて構成しても良い。これにより、PTCヒータ352からの熱がスペーサ353eを介して触媒フィルタ33を局所的に加熱し、高温になるのを防ぐことができる。また、スペーサを熱伝導率の低い材料を用いて、例えばハニカム構造を持つ板材とし、非接触面353aと触媒フィルタ33との間に配置しても良い。このように構成しても、非接触面353aによって触媒フィルタ33を間接的に加熱しつつ、非接触面353aと触媒フィルタ33との接触を防ぐことができる。
【0037】
また、本実施形態で用いられるPTCヒータ(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)352は、温度が上がるにつれて電気抵抗値が上がる特性を利用して自己の温度を制御する素子である。このため、PTCヒータ352は、これまでヒータ温度を検出していたサーミスタが不要になることから、コストを低減することができる。このPTCヒータ352は、リード線引出面からリード線352eが引き出され、
図4に示す放熱板351の凹み部351aの上部に設けられたリード線引出孔351bから引き出され、図示しない本体制御部と接続される。そして、PTCヒータ352の当接面352aは、放熱板351の被当接部である凹み部351aに当接される。この時、放熱板351の凹み部351aの一部を切り欠いてヒータストッパ351dとなる爪部を形成し、その爪部を折曲げることでPTCヒータ352を係止する。
【0038】
放熱板351の凹み部351aに当接したPTCヒータ352は、PTCヒータ352の反対面352bと側面352cとをヒータ保持部353の覆い部により覆われ、ヒータ保持部353の伝熱部353bに設けられたビス穴353b1,353b2を使い、図示しないビスによりビス止め固定される。その際、ヒータ保持部353の非接触面353aに形成されるヒータストッパ353fは、非接触面353aの一部を切り欠いてヒータストッパ353fとなる爪部を形成し、その爪部を折曲げることでPTCヒータ352のリード線引出面352dを係止する。
【0039】
図6は、
図2に示す脱臭機内のプレフィルタから加湿ユニットまでの各部の分解斜視図である。上記のように構成された脱臭ユニット30は、
図6に示すように、集塵フィルタ21とユニットガイド39との間に配置され、脱臭機本体に組み込まれる。このため、脱臭機の前面パネル17の上下左右にそれぞれ設けられた空気吸込口11から流入した空気は(
図2の矢印A参照)、プレフィルタ20を通って集塵フィルタ21で塵埃が除かれ(
図2の矢印B参照)、脱臭ユニット30の触媒フィルタでアンモニアやメチルメルカプタン等の臭気成分や例えばホルムアルデヒド等の有害成分が取り除かれる脱臭処理が行われた後、ユニットガイド39を通って加湿ユニット40へ送られる。加湿ユニット40では、湿潤した加湿フィルタの中を空気が通過する間に水が気化することで、空気の加湿処理が行われる。
【0040】
臭気成分や有害成分が取り除かれ加湿された空気は、
図2に示すように、送風機50のシロッコファン50bにより上方の送風路10に送られる(矢印C参照)。送風路10の途中に設けられたオゾナイザ60は、脱臭処理と加湿処理が行われた後の空気にオゾンを発生させる機能を有し、空気の除菌消臭処理を行うことができる。このように、脱臭処理、加湿処理、およびオゾン生成処理された空気は、空気吹出口12から室内に放出される。
【0041】
以上述べたように、本実施形態の脱臭機1によれば、PTCヒータ352などの小型のヒータを用いて加熱再生型の触媒フィルタ33を加熱する場合であっても、ヒータ保持部353および放熱板351を介して触媒フィルタ33全体を均一に加熱することができる。特に、触媒フィルタ33を加熱する加熱部35のヒータ保持部353は、触媒フィルタ33と接触する接触面353a,353bを設け、その接触面353a,353bの裏面側をPTCヒータ352と非接触になるように構成している。このため、PTCヒータ352からの熱は、放熱板351あるいはヒータ保持部353を介して間接的に触媒フィルタ33に伝達され、触媒フィルタ33に対して直接伝達される面がないため、局所的に高温になることがなく、触媒フィルタ33全体を均一に加熱することができる。
【0042】
また、ヒータ保持部353に設けられた触媒フィルタ33と接触しない非接触面353aには、非接触面353aと触媒フィルタ33との間を一定の距離に保つスペーサ353eを配置している。このため、触媒フィルタ33と接触しない非接触面353aの長さが長くなったとしても、触媒フィルタ33の変形をスペーサ353eで抑えることが可能となり、触媒フィルタ33が非接触面353aと接触して局所的に高温になるのを防ぐことができる。
【0043】
さらに、触媒フィルタがハニカムフィルタで構成されている場合は、スペーサ353eをハニカムフィルタの各穴の径よりも大きく形成している。このため、配置したスペーサ353eがハニカムフィルタの穴に入り込まないため、触媒フィルタ33と非接触面353aとが接触することがなく、触媒フィルタ33が局所的に高温になるのを防ぐことができる。
【0044】
また、スペーサ353eを熱伝導率の低い材料で構成したことにより、PTCヒータ352からの熱が非接触面353aを加熱しても、スペーサ353eを介して熱が触媒フィルタ33に伝達されないため、触媒フィルタ33が局所的に高温になるのを防ぐことができる。
【0045】
なお、本発明の脱臭機は上述した一実施形態を例にとって説明したが、これらの実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能である。たとえば、加湿機能付脱臭機から加湿ユニットを削除したり、あるいは、本実施形態で採用したオゾナイザ60以外にもマイナスイオンを発生させるイオナイザを設けた脱臭機としても、本発明を適用することができる。