(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
トナーが流入してくる流入口がトナー搬送の上流側から下流側に亘って複数設けられ、最も上流側に位置する流入口に対応する領域の断面積よりも最も下流側に位置する流入口に対応する領域の断面積の方が大きいトナー搬送路と、
前記トナー搬送路に設けられ、流入口から流入してくるトナーを搬送する第1及び第2の搬送スクリューと、
を備え、
前記第2の搬送スクリューは、前記第1の搬送スクリューよりも短く形成されているととともに、前記第1の搬送スクリューの下に位置するように且つ前記トナー搬送路において前記下流側に偏った位置に配置されていることを特徴とするトナー搬送装置。
トナーが流入してくる流入口がトナー搬送の上流側から下流側に亘って複数設けられ、最も上流側に位置する流入口に対応する領域の断面積よりも最も下流側に位置する流入口に対応する領域の断面積の方が大きいトナー搬送路と、
前記トナー搬送路に設けられ、流入口から流入してくるトナーを搬送する第1及び第2の搬送スクリューと、
を備え、
前記第2の搬送スクリューは、前記第1の搬送スクリューよりも短く形成されているととともに、前記第1の搬送スクリューの下に位置するように且つ前記トナー搬送路において前記下流側に偏った位置に配置されていることを特徴とする印刷装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る廃トナー搬送装置60を内部に備えるプリンタ1の外観斜視図である。
【0012】
図1に示すように、プリンタ1は、取っ手を有する前扉3を前方に備え、その下方に給紙カセット4を備えている。また、プリンタ1は、上面のほぼ全面に排紙トレー5を備え、右手前部に表示パネル6と操作部7を備えている。以下で、前扉3が設けられた側を前側と呼び、その反対側を奥側と呼ぶ。
【0013】
図2は、プリンタ1の内部構成を説明するための断面図である。
図1の前扉3側であるp方向から見た、プリンタ1の内部構成図である。プリンタ1は電子写真方式による二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置である。プリンタ1は、主たる構成として、トナーカートリッジ10、ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)、転写ベルト18を有する。
【0014】
トナーカートリッジ10は、下部に配置されたドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)にトナー補給するものである。4つのトナーカートリッジ10は、ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)に対応するマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のトナーを収容し、それぞれの下部に斜めに配置されるトナー縦搬送パイプ12により、各ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)へトナー補給する。
【0015】
ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)は、画像形成ユニットであって、同図の左から右へ4個のドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)で多段式に並設構成されている。以下ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)の各色に対応する部材には、符号に色を表すm、y、c、kを添えて示す。
【0016】
上記4個のドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)のうち上流側(図の左側)の3個のドラム現像ユニット14m、14c及び14yは、それぞれ減法混色の三原色であるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色トナーによるモノカラー画像を形成する。ドラム現像ユニット14kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。
【0017】
上記の各ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)は、トナーカートリッジ10に収納されたトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、ドラム現像ユニット14mを例にしてその構成を説明する。
【0018】
ドラム現像ユニット14mは、最上部に感光体ドラム16を備えている。この感光体ドラム16は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム16の周面に接して又は近傍を取り巻いて、帯電ローラ、光書込ヘッド、現像ローラ等が配置されている。
【0019】
トナーカートリッジ10から、トナー縦搬送パイプ12を経由して、各ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)にトナーが供給される。ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)に定量補給されたトナーは、ドラム現像ユニット14内でキャリアと混合されて、感光体ドラム16に現像される。
【0020】
転写ベルト18は、ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)によって一次転写されたトナー像を更に用紙等の被印刷媒体に転写(二次転写)すべく、トナー像を被印刷媒体への転写位置まで搬送するものである。転写ベルト18は、扁平なループ状になって延在する無端状のベルトで、本図で左右方向に移動する。
【0021】
感光体ドラム16に現像された現像層は、転写ベルト18に転写され、2次転写部分で被印刷媒体に転写され、定着プロセスにて被印刷媒体に定着され、印刷された被印刷媒体は、
図1に示す排紙トレー5に排出される。
【0022】
プリンタ1は、廃トナー処理のために、ドラムクリーニングブレード20(20m、20c、20y、20k)、ドラム廃トナー搬送スクリュー22(22m、22c、22y、22k)、本体廃トナー搬送路24、ベルトクリーニングブレード26、ベルト廃トナー搬送スクリュー28、廃トナー収納ボックス30等を有する。
【0023】
ドラムクリーニングブレード20(20m、20c、20y、20k)は、感光体ドラム16上に残った未転写トナーを掻き取り、感光体ドラム16表面を清掃するものである。ドラムクリーニングブレード20(20m、20c、20y、20k)は、各ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)の感光体ドラム16の右側に、それぞれ設けられる。
【0024】
ドラム廃トナー搬送スクリュー22(22m、22c、22y、22k)は、ドラムクリーニングブレード20(20m、20c、20y、20k)にて掻き取った廃トナーを、奥側方向(本図では紙面の表から裏に向かって垂直な方向)に搬送するものである。ドラム廃トナー搬送スクリュー22(22m、22c、22y、22k)は、各感光体ドラム16の右横に配置され、回転軸が奥側方向に平行になるように設けられる。ドラム廃トナー搬送スクリュー22(22m、22c、22y、22k)は、ドラム廃トナーを搬送するドラム廃トナー搬送路(不図示)内部に設けられる。
【0025】
ドラム廃トナー搬送スクリュー22は、図示なきモータによって回転されて、各感光体ドラム16から出た廃トナーを、ドラム廃トナー搬送路内部を奥側方向に搬送する。
【0026】
本体廃トナー搬送路24は、ドラム廃トナー搬送スクリュー22(22m、22c、22y、22k)によってプリンタ1の奥側まで搬送された4個のドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)の4色分の廃トナーを、まとめて搬送するものである。本体廃トナー搬送路24は、プリンタ1の奥側に配置され、ドラム現像ユニット14mの裏面に位置するため、2点鎖線で外形を示す。
【0027】
ベルトクリーニングブレード26は、転写ベルト18上に残った未転写トナー及びレジスト調整用のパッチの現像層を掻き取るものである。ベルトクリーニングブレード26は、最上流側のドラム現像ユニット14mの更に左側であって、転写ベルト18左端の左横に設けられる。
【0028】
ベルト廃トナー搬送スクリュー28は、ベルトクリーニングブレード26によって掻き取られた廃トナーを、奥側方向に搬送するものである。ベルト廃トナー搬送スクリュー28は、ベルト廃トナーを搬送するベルト廃トナー搬送路(不図示)の内部に設けられる。ベルト廃トナー搬送スクリュー28は、ベルトクリーニングブレード26の近傍に設けられ、回転軸が奥側方向に平行になるように設けられる。
【0029】
ベルト廃トナー搬送スクリュー28は、図示なきモータによって回転されて、感光体ドラム16から出た廃トナーを、ベルト廃トナー搬送路内部を奥側方向に搬送する。ベルト廃トナー搬送路の廃トナー排出口は、本体廃トナー搬送路24に接続されて、ベルトから発生したベルト廃トナーも本体廃トナー搬送路24に排出される。
【0030】
廃トナー収納ボックス30は、本体廃トナー搬送路24の排出口に接続され、感光体ドラム16から発生したドラム廃トナー及び転写ベルト18から発生したベルト廃トナーをまとめて、貯蔵するものである。廃トナー収納ボックス30は、プリンタ1の左端下方に配置され、溜まった廃トナーを適宜廃棄することができるよう、プリンタ1から着脱可能なように構成される。
【0031】
次に、本実施形態の特徴である
図3に示す廃トナー搬送装置60について説明する。廃トナー搬送装置60は、複数の画像形成ユニットから発生する廃トナーを、搬送路を通じて搬送するものである。
【0032】
図3は、プリンタ1内部での、ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)等に対する廃トナー搬送装置60の位置関係を示す斜視図である。
図1で、右斜め上の方向からプリンタ1の内部を見た図である。なお、本図では、説明に必要な部品のみを示し、他の部品の図示は省略する。
【0033】
4個のドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)が、左から一定間隔で、長手方向が奥側方向に平行なるように配置される。4個のドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)の上に、転写ベルト18が配置される。
【0034】
4個のドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)のうち、最も左側に位置するドラム現像ユニット14mの左横に、廃トナー収納ボックス30が設けられる。廃トナー収納ボックス30は、正面から見てL型形状の箱で、プリンタ1の奥側方向のほぼ全体に渡る長さである。
【0035】
プリンタ1の奥側に沿って廃トナー搬送装置60が設けられる。廃トナー搬送装置60の右端には、ドラム現像ユニット14kのドラム廃トナー搬送路が接続される。廃トナー搬送装置60の左端の下部(排出口)は、廃トナー収納ボックス30に繋がる。
【0036】
そして、本体廃トナー搬送路24として、水平な向きで、第1廃トナー搬送路40と第2廃トナー搬送路50の2つの搬送路が設けられる。第1廃トナー搬送路40は、右端から左端まで全体に渡った長さに設けられる。第2廃トナー搬送路50は、第1廃トナー搬送路40の途中から左端までの長さで、第1廃トナー搬送路40の下に設けられる。
【0037】
図5は、従来の廃トナー搬送装置160の要部を示す断面図である。本実施形態による廃トナー搬送装置を説明する前に、従来の廃トナー搬送装置の構造を簡単に説明する。
【0038】
図5は、
図2で示した内部構成図と同方向から見た図であるが、プリンタ1の奥側に設けられた、従来の本体廃トナー搬送路124を図示するために、ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)や転写ベルト18等を透過状態で示す。
【0039】
従来の本体廃トナー搬送路124は、細長い円形断面のパイプ状で主に形成され、上述したようにプリンタ1の奥側にほぼ水平に配置される。本体廃トナー搬送路124の内部には、廃トナーを搬送するための搬送スクリュー142が設けられる。搬送スクリュー142の長さは、本体廃トナー搬送路124のほぼ全長に渡った長さである。搬送スクリュー142は、本体廃トナー搬送路124内部の左右端に設けられた軸受け(不図示)に、回転自在に嵌合される。
【0040】
本体廃トナー搬送路124の右端の外側には、搬送スクリュー142を回転させるためのモータ144が取付けられる。モータ144の回転軸に、搬送スクリュー142の軸が、直接あるいは伝達部材を介して結合される。
【0041】
本体廃トナー搬送路124に対して、ドラム廃トナー搬送スクリュー22(22k、22y、22c、22m)が、右から左方向に順番で並ぶ。本体廃トナー搬送路124において、廃トナーは、右から左に向かって搬送されるので、以下の廃トナー搬送では、右側を上流、左側を下流と呼ぶ。
【0042】
本体廃トナー搬送路124には、各ドラム廃トナー搬送スクリュー22(22k、22y、22c、22m)によって奥側まで搬送されて落下する廃トナーを回収する回収口166(166k、166y、166c、166m)が、上流から順番に回収口166k、166y、166c、166mとして設けられる。各回収口166(166k、166y、166c、166m)は、ドラム廃トナー搬送スクリュー22(22k、22y、22c、22m)の回転軸の方向で一定の間隔で、本体廃トナー搬送路124の上部に設けられる。
【0043】
本体廃トナー搬送路124の回収口166mよりもさらに下流側には、ベルト廃トナーを回収するベルト廃トナー回収口167が設けられる。ベルト廃トナーは、ベルト廃トナー搬送スクリュー28によって奥側まで搬送されて、ベルト廃トナー回収口167に落下される。
【0044】
本体廃トナー搬送路124の下流側の左端部には、廃トナーを排出するための排出口164が下向きに設けられる。搬送スクリュー142の回転により最下流である左端まで搬送された廃トナーが、排出口164から落下して廃トナー収納ボックス30に貯蔵される。
【0045】
本体廃トナー搬送路124の下流では、各ドラム廃トナーが累積(合流)するために、廃トナーの量は、上流に比べて増加する。さらに、本体廃トナー搬送路124の最下流付近では、各ドラム廃トナーに加えてベルト廃トナーも加わるために、さらに廃トナーの全体量が増加する。
【0046】
このように、従来の廃トナー搬送装置では、下流側で廃トナー量が多くなるにも関わらず、搬送力が上流〜下流でほぼ一定であったために、下流側で廃トナーの滞留等の問題を生じていた。
【0047】
図4は、本実施形態による廃トナー搬送装置60の要部を示す断面図である。
図5と同様に
図4も、
図2で示した内部構成図と同方向の図である。また、
図4では、プリンタ1の奥側に設けられた廃トナー搬送装置60を図示するために、ドラム現像ユニット14(14m、14c、14y、14k)を透過状態で示す。
【0048】
廃トナー搬送装置60は、第1廃トナー搬送路40、第1搬送スクリュー42、第1モータ44、第2廃トナー搬送路50、第2搬送スクリュー52、第2モータ54等を有する。
【0049】
上述したように、本体廃トナー搬送路24は、第1廃トナー搬送路40と第2廃トナー搬送路50の少なくとも2つの廃トナー搬送路から形成される。第1廃トナー搬送路40は、本体廃トナー搬送路24の全長に渡って形成される廃トナー搬送路で、プリンタ1の奥側の位置に水平に配置される。第2廃トナー搬送路50は、本体廃トナー搬送路24の下流側に形成される搬送路で、第1廃トナー搬送路40の下部に設けられる。
【0050】
このように、本体廃トナー搬送路24は、上流(右端)から途中の位置までは細長い形状で、下流から以降左端までは、第2廃トナー搬送路50により下側に膨らんだ形状になっている。
【0051】
つまり、本体廃トナー搬送路24は、廃トナーの搬送方向の上流側よりも下流側で断面積が大きくなるよう形成される。そして、以下説明するように、対応する搬送スクリューも、下流側に行くに従って本数が増加するように、複数本設けられる。
【0052】
第1廃トナー搬送路40の上部には、廃トナーを回収する回収口が、上流から順番に回収口66k、66y、66c、66mとして、一定間隔で設けられる。回収口66k、66y、66c、66mは、ドラム廃トナー搬送スクリュー22(22k、22y、22c、22m)によって奥側に搬送されて落下する廃トナーを回収する回収口である。
【0053】
さらに、第1廃トナー搬送路40には、ベルト廃トナー回収口67が設けられる。ベルト廃トナー回収口67は、第1廃トナー搬送路40の左端上部から上方向に突出して、ベルト廃トナー搬送スクリュー28の直下まで伸びる筒形状で形成される。
【0054】
第1廃トナー搬送路40は、細長い中空のパイプ状で、内部が略円形断面に形成される。第1廃トナー搬送路40の内部には、廃トナーを搬送するための第1搬送スクリュー42が設けられる。第1搬送スクリュー42の長さは、第1廃トナー搬送路40内部のほぼ全長で、上流側から下流側に渡った長さである。第1搬送スクリュー42は、第1廃トナー搬送路40の左右端に設けられた軸受け(不図示)に、回転自在に支持される。
【0055】
第1廃トナー搬送路40の右端の外側には、第1搬送スクリュー42を回転させるための第1モータ44が取付けられる。第1モータ44の回転軸に、第1搬送スクリュー42の軸が、直接あるいは伝達部材を介して結合される。
【0056】
第1廃トナー搬送路40の下流側の下部に第2廃トナー搬送路50が設けられる。第2廃トナー搬送路50は、回収口66mに対応する位置を起点として、第1廃トナー搬送路40の左端位置まで、第1廃トナー搬送路40と平行に設けられる。
【0057】
第2廃トナー搬送路50も、細長い中空のパイプ状で、内部が略円形断面に形成される。第2廃トナー搬送路50の内部には、廃トナーを搬送するための第2搬送スクリュー52が設けられる。第2搬送スクリュー52の長さは、第2廃トナー搬送路50のほぼ全長に渡った長さである。第2搬送スクリュー52は、第2廃トナー搬送路50の左右端に設けられた軸受け(不図示)に、回転自在に支持される。
【0058】
第2廃トナー搬送路50の右端の外側には、第2搬送スクリュー52を回転させるための第2モータ54が取付けられる。第2モータ54の回転軸に、第2搬送スクリュー52の軸が、直接あるいは伝達部材を介して結合される。
【0059】
第2廃トナー搬送路50と第1廃トナー搬送路40の間には、適当な間隔で仕切り板62が設けられ、第2廃トナー搬送路50は、仕切り板62以外の範囲で、第1廃トナー搬送路40と上下で連通している。第2廃トナー搬送路50の終端(左端)には、下向きで排出口64が設けられる。
【0060】
第1搬送スクリュー42によって回収口66m付近まで搬送された廃トナー、及び回収口66mやベルト廃トナー回収口67から供給される廃トナーの一部は、上下の連通箇所から、適宜第2廃トナー搬送路50に落下する。
【0061】
これにより、回収口66mから排出口64までの下流域では、廃トナーは、第1廃トナー搬送路40の第1搬送スクリュー42と第2廃トナー搬送路50の第2搬送スクリュー52の両方で搬送される。そして、第1廃トナー搬送路40と第2廃トナー搬送路50でそれぞれ左端まで搬送された廃トナーが排出口64から、廃トナー収納ボックス30に落下して排出される。
【0062】
このように、本実施形態では、搬送路に、各画像形成ユニットからの廃トナーが搬送方向の上流側から下流側に沿って順次排出されて、下流側で累積的に廃トナーの量が増加するが、これに対応して、複数本の搬送スクリューを設けるようにした。
【0063】
以上説明した実施形態によれば、廃トナー量が増加する下流側において、廃トナーの搬送路の断面積を大きくし、かつ搬送スクリューを複数設けたので、下流での廃トナーの搬送力を増加させることができる。これにより、下流側での廃トナーの滞留を防止することができる。
【0064】
また、搬送スクリューが2本になることで、具体的には廃トナーの搬送力が約2倍に向上し円滑に廃トナーを搬送することができる。そして、搬送スクリューが2本になり、パイプ体積が拡大することにより、廃トナーのパイプ内の攪拌効果も見込め、トナーのパイプ壁面滞留防止、スクリューへのトナー固着防止、搬送トルク軽減を見込むことができる。
【0065】
なお、第2廃トナー搬送路50の断面形状は、第1廃トナー搬送路40の断面形状と略同一で良いが、異なる形状やサイズであってもかまわない。
【0066】
また、第2搬送スクリュー52のスクリューの羽根のピッチを第1搬送スクリュー42よりも大きくするようにしてもよい。第2廃トナー搬送スクリュー52の羽根のピッチを大きくすることで、廃トナーの増加する下流側での廃トナーの搬送力をより増加させることができる。もちろん、第2搬送スクリュー52のスクリューの羽根のピッチを第1搬送スクリュー42と同じにしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、第2廃トナー搬送路50を、4番目の回収口66mの位置から設ける例を示したが、これに限るものではない。第2廃トナー搬送路50の始点の位置を、それより前の3番目の回収口66c、あるいは逆に回収口66mより後の位置に設定するようにしても当然よい、廃トナーの実際の量に応じて、適宜選択すればよい。
【0068】
また、搬送路も2つに限らない。例えば、搬送経路の全長を3つに分けて、上流では1本、中流から2本、下流から3本になるように、搬送路を段階的に増やしながら設けるようしてもよい。また、上記実施形態では、下流側に第2廃トナー搬送路50を1本追加したが、下流側で2本の搬送路を追加するようにしてもよい。
【0069】
また、第2廃トナー搬送路50を第1廃トナー搬送路40の下部に設ける例を示したが、第2廃トナー搬送路50を第1廃トナー搬送路40の左右いずれか側部に設けるようにしてもよい。
【0070】
更に、上記実施形態では、第1搬送スクリュー42を回転させるための第1モータ44と、第2搬送スクリュー52を回転させるための第2モータ54と、を設ける例を示したが、これに限らない。例えば、第1搬送スクリュー42を回転させるためのモータと、第2搬送スクリュー52を回転させるためのモータと、が同一でも良い。
【0071】
また、上記実施形態のような第2搬送スクリュー52を設けなくても良い。例えば、
図6に示すように、最も上流側の回収口に対応する位置における断面積よりも最も下流側の回収口に対応する位置における断面積の方が大きくなるように形成された廃トナー搬送路と、廃トナー搬送路内に,廃トナーを上流側から下流側に搬送する第1搬送スクリュー42と、は上記実施形態と同様に備えているが、搬送スクリューは2本ではなく、第1搬送スクリュー42の1本だけ設け、下流側の断面積が大きな廃トナー搬送路内においては、第1搬送スクリュー42の羽根の径の大きさを大きくなるように形成しても良い。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下、本件特許出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0073】
〔付記1〕
上流側から下流側に搬送する搬送経路を持ち、廃トナーを回収する回収口が前記上流側から前記下流側に亘って複数設けられ、最も前記上流側の前記回収口に対応する位置における断面積よりも最も前記下流側の前記回収口に対応する位置における断面積の方が大きくなるように形成された廃トナー搬送路と、
前記廃トナー搬送路内に設けられ,前記廃トナーを前記上流側から前記下流側に搬送する搬送スクリューと、
を備えることを特徴とする廃トナー搬送装置。
【0074】
〔付記2〕
前記最も前記下流側の前記回収口に対応する位置における前記廃トナー搬送路内の前記搬送スクリューの数は、前記最も前記上流側の前記回収口に対応する位置における前記廃トナー搬送路内の前記搬送スクリューの数よりも多いことを特徴とする付記1に記載の廃トナー搬送装置。
【0075】
〔付記3〕
前記搬送スクリューは、回転によって前記廃トナーを前記上流側から前記下流側に搬送する羽根を有しており、
前記搬送スクリューは、前記廃トナー搬送路の上流側から下流側に渡って設けられる第1の搬送スクリューと、前記廃トナー搬送路の下流側に設けられる第2の搬送スクリューを有する
ことを特徴とする付記1または2に記載の廃トナー搬送装置。
【0076】
〔付記4〕
前記廃トナー搬送路は、前記第1の搬送スクリューを内部に備える第1廃トナー搬送路と、前記第2の搬送スクリューを内部に備える第2廃トナー搬送路を有し、前記第2廃トナー搬送路は前記第1廃トナー搬送路の下流側の下部の位置に、前記第1廃トナー搬送路と連通するように設けられる
ことを特徴とする付記2または3に記載の廃トナー搬送装置。
【0077】
〔付記5〕
前記回収口から回収される前記廃トナーは、複数の画像形成ユニットから発生された廃トナー及び/またはトナー像を被印刷媒体への転写位置まで搬送する転写ベルトから発生された廃トナーであり、
前記廃トナー搬送路には、前記複数の画像形成ユニットからの廃トナーが前記搬送方向の上流側から下流側に沿って順次排出され、
前記搬送スクリューは、前記下流側での累積的な前記廃トナーの増加に対応するように設けられる
ことを特徴とする付記1乃至4の何れか1つに記載の廃トナー搬送装置。
【0078】
〔付記6〕
前記第2の搬送スクリューの羽根のピッチは、前記第1の搬送スクリューの羽根のピッチより大きい
ことを特徴とする付記2乃至5の何れか1つに記載の廃トナー搬送装置。
【0079】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。