特許第6024411号(P6024411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6024411
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】表示プログラムおよび表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20161107BHJP
【FI】
   G06F17/50 612C
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-252643(P2012-252643)
(22)【出願日】2012年11月16日
(65)【公開番号】特開2014-102584(P2014-102584A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】堀田 貴史
【審査官】 松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−242631(JP,A)
【文献】 特開2011−128798(JP,A)
【文献】 特開2012−053794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
G06F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
記憶部に記憶された、解析対象物の解析結果を複数の要素毎に多次元のベクトルにより示した解析データに基づいて、前記複数の要素から代表要素を決定し、
決定した代表要素から所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各次元の正および負毎に各成分を合計し、
演算結果をそれぞれ前記代表要素に対応させて表示部に表示させる
各処理を実行させることを特徴とする表示プログラム。
【請求項2】
前記表示させる処理は、演算結果をそれぞれ前記代表要素を起点として次元毎の正および負のベクトルで表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示プログラム。
【請求項3】
前記合計する処理は、前記所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルの次元毎の正および負の成分を前記代表要素からの距離に応じて重み付けをして各次元の正および負毎に各成分を合計する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示プログラム。
【請求項4】
前記要素は、粒子法の粒子とし、
前記所定の範囲は、粒子法の影響範囲とする
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の表示プログラム。
【請求項5】
前記決定する処理は、決定済みの代表要素から一定範囲内の要素を除いて、ベクトルの絶対値が最も大きい要素を代表要素と決定する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の表示プログラム。
【請求項6】
コンピュータが、
記憶部に記憶された、解析対象物の解析結果を複数の要素毎に多次元のベクトルにより示した解析データに基づいて、前記複数の要素から所定の規則に従い代表要素を順次決定し、
決定した代表要素から所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各次元の正および負毎に各成分を合計し、
演算結果をそれぞれ前記代表要素に対応させて表示部に表示させる
各処理を実行する特徴とする表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示プログラムおよび表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
解析手法の1つとして粒子法が知られている。粒子法は、差分法や有限要素法のように解析対象物をメッシュに分割することなく解析を行うことができ、構造解析の分野への適用が期待されている。粒子法は、解析対象物を複数の粒子の集まりとして各粒子について解析を行い、解析結果として各粒子について大きさと向きをもつ多次元のベクトルが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−113467号公報
【特許文献2】特開2009−69929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粒子法は、高い解析精度を得るにはより細かな粒子の配置が必要となり、解析結果のベクトル数も多くなる。一方、粒子法は、解析結果の各粒子のベクトルを描画した場合、各粒子に対応して多数のベクトルが表示されるため、表示が煩雑となる。そこで、近接する複数の粒子のベクトルの和を求めて1つのベクトルとして描画する手法が考えられる。
【0005】
しかしながら、1つのベクトルとして描画する手法は、近接する粒子の解析結果のベクトルが逆方向を向いている場合、ベクトルの和を求めた際に互いに相殺される。このため、1つのベクトルとして描画する手法は、例えば、応力等を構造解析した解析結果に近接する粒子で互いに逆方向の大きな応力が発生した場合でも互いに相殺されてしまい、不連続性が発生したことを表現できない場合がある。これにより、不連続性が発生している部分が見落とされてしまう。
【0006】
なお、このような課題は、粒子法による解析結果に限ったものではなく、差分法や有限要素法などの解析手法により解析結果として得られた解析対象物の複数の要素毎の多次元のベクトルを簡素化して描画しようとする場合、全般に発生するものである。
【0007】
一側面では、不連続性の発生を表現できる表示プログラムおよび表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、表示プログラムは、コンピュータに、記憶部に記憶された、解析対象物の解析結果を複数の要素毎に多次元のベクトルにより示した解析データに基づいて、前記複数の要素から代表要素を決定する処理を実行させる。また、表示プログラムは、コンピュータに、決定した代表要素から所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各次元の正および負毎に各成分を合計する処理を実行させる。また、表示プログラムは、コンピュータに、演算結果をそれぞれ前記代表要素に対応させて表示部に表示させる処理を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一様態によれば、不連続性の発生を表現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、表示装置の全体構成を示す図である。
図2図2は、解析データのデータ構成の一例を示す図である。
図3図3は、代表粒子を決定する流れの一例を示す図である。
図4図4は、代表粒子を決定する流れの一例を示す図である。
図5図5は、代表粒子を決定する流れの一例を示す図である。
図6図6は、代表粒子を決定する流れの一例を示す図である。
図7図7は、代表粒子を決定する流れの一例を示す図である。
図8図8は、代表粒子を決定する流れの一例を示す図である。
図9図9は、各粒子のベクトルを各次元の正および負毎に各成分に分けて合計する一例を示す図である。
図10図10は、代表粒子を起点としてX、Y、Zの各次元毎の正および負のベクトルを表示させた一例を示す図である。
図11図11は、代表粒子の近傍の粒子のベクトルを統合して描画した一例を示す図である。
図12図12は、表示処理の手順を示すフローチャートである。
図13図13は、描画処理の手順を示すフローチャートである。
図14図14は、粒子を除外する所定距離の段階的な変化の一例を示す図である。
図15図15は、代表粒子のベクトルの絶対値に応じた粒子を除外する距離の一例を示す図である。
図16図16は、段階的な重み値の一例を示す図である。
図17図17は、距離に応じた重み値の一例を示す図である。
図18図18は、表示処理の手順を示すフローチャートである。
図19図19は、描画処理の手順を示すフローチャートである。
図20図20は、表示プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる表示プログラムおよび表示方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0012】
実施例1について説明する。図1は、表示装置の全体構成を示す図である。表示装置10は、解析対象物を解析した結果を示す解析データに基づいて、解析結果を表示する装置であり、例えば、パーソナルコンピュータやサーバコンピュータなどのコンピュータなどである。表示装置10は、1台のコンピュータとして実装してもよく、また、複数台のコンピュータによるクラウドとして実装することもできる。なお、本実施例では、表示装置10を1台のコンピュータとした場合を例として説明する。図1に示すように、表示装置10は、通信I/F(インタフェース)部20と、表示部21と、入力部22と、記憶部23と、制御部24とを有する。
【0013】
通信I/F部20は、図示しないネットワークなどのデータ伝送路を介して他の装置との通信を制御するインタフェースである。図示しないネットワークには、他の装置、例えば、解析を行う解析装置が通信可能に接続される。解析装置は、解析対象物に対して、粒子法を用いて、例えば、構造解析を行う。そして、解析装置は、解析対象物の解析の結果を複数の要素毎に多次元のベクトルにより示した解析データを表示装置10へ出力する。例えば、解析装置は、粒子法を用いて、解析対象物に衝撃を加えた場合に当該解析対象物に生じる応力の構造解析を行い、解析の結果として粒子毎に粒子に生じた応力などを多次元のベクトルにより示した解析データを表示装置10へ出力する。通信I/F部20は、ネットワークを介して解析データを受信する。受信した解析データは、記憶部23に解析データ30として記憶される。かかる通信I/F部20の一態様としては、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用できる。なお、表示装置10は、メモリカードなどの記憶媒体を介して解析データを取得してもよい。
【0014】
表示部21は、各種情報を表示する表示デバイスである。表示部21としては、Liquid Crystal Display(LCD)やCathode Ray Tube(CRT)などの表示デバイスが挙げられる。表示部21は、各種情報を表示する。例えば、表示部21は、解析データ30に基づいて、解析結果を示す各種の画面を表示する。
【0015】
入力部22は、各種の情報を入力する入力デバイスである。例えば、入力部22としては、マウスやキーボードなどの入力デバイスが挙げられる。なお、入力部22は、表示部21上に設けられた透過型のタッチセンサなどの入力デバイスとしてもよい。図1の例では、機能的な構成を示したため、表示部21と入力部22を別に分けているが、例えば、タッチパネルなど表示部21と入力部22を一体的に設けたデバイスで構成してもよい。入力部22は、ユーザからの操作入力を受け付け、受け付けた操作内容を示す操作情報を制御部24に入力する。
【0016】
記憶部23は、ハードディスク、Solid State Drive(SSD)、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部23は、Random Access Memory(RAM)、フラッシュメモリ、Non Volatile Static Random Access Memory(NVSRAM)などのデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
【0017】
記憶部23は、制御部24で実行されるOperating System(OS)や解析結果の表示に用いる各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部23は、制御部24で実行されるプログラムで用いられる各種データを記憶する。例えば、記憶部23は、解析データ30を記憶する。
【0018】
解析データ30は、解析対象物の解析の結果を複数の要素毎に多次元のベクトルにより示したデータである。例えば、粒子法により解析対象物について3次元での構造解析を行った場合、解析データ30には、解析対象物を複数の粒子の集まりとして構造解析を行った解析結果が粒子毎に3元のベクトルのデータとして記憶される。なお、解析データ30は、3次元での解析結果に限定されるものではなく、2次元での解析結果であってもよい。解析データ30は、不図示の解析装置により解析が行われ、解析装置からネットワークを介して通信I/F部20によって受信したデータであってもよい。また、解析データ30は、表示装置10によって解析が行われたデータであってもよい。また、解析データ30は、1つの項目についての解析結果を含んだものに限定されず、複数の項目の解析結果を含んでいてもよい。解析データ30は、解析結果の表示を行うために、後述の決定部41と、演算部42と、表示制御部43によって参照される。
【0019】
図2は、解析データのデータ構成の一例を示す図である。図2に示すように、解析データ30は、identification(ID)、座標、解析結果の各項目を有する。IDの項目は、粒子のID番号を記憶する領域である。粒子には、それぞれを識別するID番号が付与される。IDの項目には、各粒子に付与されたID番号が格納される。座標の項目は、各粒子の空間的な位置を記憶する領域である。解析対象物の解析を行う際に、所定の位置を基準として解析対象物を含む多次元の空間が定義される。例えば、解析対象物の設計データを元に、所定の位置を基準として3次元空間が定義される。例えば、互いに直交したX、Y、Zの3つの軸により3次元空間が定義され、粒子の位置がX、Y、Zの座標により示される。座標の項目には、各粒子の位置を示すX、Y、Zの座標の値が格納される。解析結果の項目は、粒子の解析結果を示すベクトルのデータを記憶する領域である。本実施例に係る解析データ30は、解析対象物の応力、移動速度、加速度など複数の項目を解析した結果のデータである。解析結果の項目には、応力、移動速度、加速度の項目が設けられている。応力、移動速度、加速度の各項目は、粒子による応力、移動速度、加速度の解析結果のベクトルを示すベクトルの座標を記憶する領域である。
【0020】
図2の例では、ID「0001」の粒子は、位置が(x,y,z)であり、応力のベクトルが(sx,sy,sz)であり、移動速度のベクトルが(mx,my,mz)であり、加速度のベクトルが(ax,ay,az)であることを示す。
【0021】
制御部24は、表示装置10を制御するデバイスである。制御部24としては、Central Processing Unit(CPU)、Micro Processing Unit(MPU)等の電子回路や、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Field Programmable Gate Array(FPGA)等の集積回路を採用できる。制御部24は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部24は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、制御部24は、受付部40と、決定部41と、演算部42と、表示制御部43とを有する。
【0022】
受付部40は、各種の操作情報を受け付ける。例えば、受付部40は、解析データ30に記憶された解析結果の表示の指示を受付ける。受付部40は、例えば、解析データ30に記憶された各解析結果から表示させる項目を選択する選択画面を表示部21に表示させ、選択画面から解析結果を表示する項目の指定を受け付ける。
【0023】
決定部41は、各種の決定を行う。例えば、決定部41は、解析データ30に記憶された複数の粒子から代表粒子を決定する。決定部41は、例えば、解析データ30に記憶された複数の粒子から所定の規則に従い代表粒子を順次決定する。本実施例では、所定の規則をベクトルの絶対値が大きい順とする。決定部41は、例えば、解析データ30に記憶された各粒子の表示が指定された解析結果の項目のベクトルについて、それぞれ絶対値を算出する。例えば、応力の表示が指定された場合、決定部41は、ID「0001」の粒子の応力のベクトル(sx,sy,sz)の絶対値(sx+sy+sz1/2 を算出する。そして、決定部41は、決定済みの代表粒子から所定半径の2倍以上の所定距離以内の粒子を検索の対象から除外して、ベクトルの絶対値が大きい順に代表粒子を順次決定する。本実施例では、例えば、所定半径を、粒子法での各粒子の解析に用いる影響半径とし、所定距離を影響半径の2倍とする。決定部41は、決定済みの代表粒子から影響半径の2倍の距離以内の粒子を検索の対象から除外して、ベクトルの絶対値が大きい順に代表粒子を順次決定する。
【0024】
決定部41は、代表粒子とすることが可能な粒子が無くなるまで代表粒子を順次決定する。なお、本実施例では、決定部41は、代表粒子とすることが可能な粒子が無くなるまで代表粒子を順次検索するものとするが、所定の条件により、代表粒子の検索を終了してもよい。例えば、決定部41は、代表粒子のベクトルの絶対値が所定の第1のしきい値以下となった場合、代表粒子の検索を終了してもよい。この第1のしきい値は、粒子の表示を省略しても影響が少ないとされる値を設定しておく。なお、第1のしきい値は、外部から調整可能としてもよい。
【0025】
図3図8は、代表粒子を決定する流れの一例を示す図である。図3図8の例では、粒子法の影響半径をrにより示している。また、図3図8の例では、検索対象の粒子にドットのパターンを付している。最初に、決定部41は、各粒子の表示が指定された解析結果の項目のベクトルについてそれぞれ絶対値を算出する。また、決定部41は、最初に、全ての粒子を検索対象の粒子とする。図3の例では、全ての粒子にドットのパターンが付されている。そして、決定部41は、検索対象の粒子のうち、ベクトルの絶対値が最も大きい粒子を代表粒子と決定する。図3の例では、粒子P1が代表粒子と決定される。そして、決定部41は、代表粒子である粒子P1から影響半径rの2倍の距離2r以内の粒子を検索対象から除外する。図4の例では、粒子P1から距離2r以内の検索対象から除外された粒子を白抜きで示している。そして、決定部41は、残った検索対象の粒子のうち、ベクトルの絶対値が最も大きい粒子を代表粒子と決定する。図5の例では、粒子P2が代表粒子と決定される。そして、決定部41は、代表粒子である粒子P2から影響半径rの2倍の距離2r以内の粒子を検索対象から除外する。図6の例では、粒子P2から距離2r以内の検索対象から除外された粒子を白抜きに変化させている。さらに、決定部41は、残った検索対象の粒子のうち、ベクトルの絶対値が最も大きい粒子を代表粒子と決定する。そして、決定部41は、代表粒子である粒子P1から影響半径rの2倍の距離2r以内の粒子を検索対象から除外する。図7の例では、粒子P3が代表粒子と決定され、粒子P3から距離2r以内の検索対象から除外された粒子を白抜きで示している。決定部41は、検索対象の粒子が無くなるまで代表粒子の決定および決定した代表粒子から距離2r以内の粒子を検索対象から除外することを繰り返す。図8の例は、検索対象の粒子が無くなるまで代表粒子の決定を繰り返した状態の一例を示す。図8の例では、粒子P1〜P8が代表粒子と決定されている。
【0026】
演算部42は、各種の演算を行う。例えば、演算部42は、決定部41により決定された各代表粒子について、代表粒子から距離r以内の各粒子のベクトルを代表粒子のベクトルに統合する演算を行う。例えば、演算部42は、各粒子のベクトルを代表粒子のベクトルに統合する演算として、代表粒子から距離r内の各粒子の3次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各次元の正および負毎に各成分を合計する演算を行う。演算部42は、例えば、代表粒子毎に、解析データ30に記憶された各粒子の座標のデータに基づいて、代表粒子から距離r内の各粒子を求める。そして、演算部42は、代表粒子から距離r内の各粒子の表示が指定された解析結果の項目の3次元のベクトルを、各次元の正および負毎に各成分に分けて、各次元の正および負毎に各成分毎に合計する。
【0027】
図9は、各粒子のベクトルを各次元の正および負毎に各成分に分けて合計する一例を示す図である。3次元をX、Y、Zが互いに直交した3次元空間とし、代表粒子から距離r内に、表示が指定された解析結果の項目のベクトル(X,Y,Z)として以下のベクトルの粒子A1〜A4があるものとする。なお、図9の例では、粒子A1を代表粒子とする。
【0028】
A1(5,5,5)
A2(−1,1,1)
A3(2,−5,3)
A4(3,−5,−6)
【0029】
この場合、演算部42は、以下のようにX、Y、Zの各次元ついて正と負の成分に分ける。
【0030】
X 正成分:5,2,3
X 負成分:−1
Y 正成分:5,1
Y 負成分:−5,−5
Z 正成分:5,1,3
Z 負成分:−6
【0031】
そして、演算部42は、X、Y、Zの各次元ついて正と負の成分毎に合計する。
【0032】
X 正成分の合計:5+2+3=10
X 負成分の合計:−1=−1
Y 正成分の合計:5+1=6
Y 負成分の合計:−5+(−5)=−10
Z 正成分の合計:5+1+3=9
Z 負成分の合計:−6=−6
【0033】
表示制御部43は、表示部21に情報を表示させる制御を行う。例えば、表示制御部43は、演算部42による演算結果をそれぞれ代表要素に対応させて表示部21に表示させる。例えば、表示制御部43は、各次元の正および負の成分の合計値をそれぞれ代表粒子を起点としてX、Y、Zの次元毎の正および負のベクトルで表示させる。
【0034】
図10は、代表粒子を起点としてX、Y、Zの各次元毎の正および負のベクトルを表示させた一例を示す図である。図10の例では、代表粒子RPから距離r内の各粒子の3次元のベクトルの次元毎の正および負の成分の合計値を、代表粒子RPを起点としてX、Y、Zの次元毎の正および負の6つのベクトルVxp、Vxn、Vyp、Vyn、Vzp、Vznで表示させている。また、図10の例では、代表粒子から距離r内の各粒子のベクトルの和を求めたベクトルVtを示している。
【0035】
ここで、表示装置10は、図8に示すように、代表粒子から距離rの2倍の距離2r以内の粒子を代表粒子の検索の対象から除外して、代表粒子を順次決定する。これにより、表示装置10は、代表粒子から距離r以内の各粒子のベクトルを代表粒子のベクトルに統合する場合に、決定済みの代表粒子から距離rから距離2rの間の粒子が代表粒子の検索の対象から除外されるため、代表粒子から距離rの範囲が重ならなくなる。よって、表示装置10は、統合する粒子を重複させることなく代表粒子を特定できる。
【0036】
図11は、代表粒子の近傍の粒子のベクトルを統合して描画した一例を示す図である。図11の例では、代表粒子PRから距離r内の各粒子のベクトルの和を求めて代表ベクトルPVとして描画した場合を示している。また、図11の例では、代表ベクトルPVに対して略逆方向を向いている粒子のベクトルを破線により示している。図11に示すように、代表粒子PRから距離r内の各粒子のベクトルの方向にばらつきがある場合、ベクトルの和を求めて統合する際に互いに相殺されて、不連続性が発生したことを表現できない場合がある。
【0037】
一方、表示装置10は、図10に示すように、代表粒子RPから距離r内の各粒子のベクトルの次元毎の正および負の成分を合計して表示させることにより、ベクトルが相殺されることがないため、不連続性が発生したことを表現できる。例えば、解析対象物に落下等により衝撃が加わった際の応力を解析する場合、解析対象物は、逆方向の応力が発生した箇所で亀裂等の破損が発生しやすい。そこで、表示装置10は、代表粒子RPから距離r内の各粒子の3次元のベクトルの次元毎の正および負の成分の合計値を次元毎の正および負のベクトルで表示させることにより、応力等に不連続性の発生を表現でき、破損が発生しやすい箇所を示すことができる。
【0038】
次に、本実施例に係る表示装置10が解析データに基づいて、解析結果を表示する表示処理の流れを説明する。図12は、表示処理の手順を示すフローチャートである。この表示処理は、例えば、表示装置10に表示された、表示させる項目を選択する選択画面から解析結果を表示する項目の指定を受け付けたタイミングで実行される。
【0039】
図12に示すように、決定部41は、解析データ30に記憶された各粒子の表示が指定された解析結果の項目のベクトルについて、それぞれ絶対値を算出する(S10)。決定部41は、全ての粒子を検索対象の粒子とする(S11)。決定部41は、検索対象の粒子のうち、ベクトルの絶対値が最も大きい粒子を代表粒子と決定する(S12)。決定部41は、決定された代表粒子から半径rの2倍の距離2r以内の粒子を検索対象の粒子から除外する(S13)。決定部41は、検索対象の粒子が存在するか否かを判定する(S14)。検索対象の粒子が存在する場合(S14肯定)、上記S12へ移行する。検索対象の粒子が存在しない場合(S14否定)、後述する描画処理を行い(S15)、描画処理の処理終了後、処理を終了する。
【0040】
図13は、描画処理の手順を示すフローチャートである。この描画処理は、例えば、表示処理の手順S15から実行される。
【0041】
図13に示すように、演算部42は、決定された代表粒子から、未選択の代表粒子を1つ選択する(S20)。演算部42は、解析データ30に記憶された各粒子の座標のデータに基づいて、選択した代表粒子から距離r内の粒子を特定する(S21)。演算部42は、代表粒子から距離r内の各粒子の表示が指定された解析結果の項目の3次元のベクトルをX、Y、Zの各次元の正および負毎に各成分に分ける(S22)。そして、演算部42は、X、Y、Zの各次元ついて正と負の成分毎に合計する(S23)。表示制御部43は、各次元の正および負の成分の合計値を選択された代表粒子を起点としてX、Y、Zの次元毎の正および負のベクトルで表示させる(S24)。演算部42は、決定された全ての代表粒子の選択が完了したか否かを判定する(S25)。全ての代表粒子の選択が完了していない場合(S25否定)、上記S20へ移行する。一方、全ての代表粒子の選択が完了した場合(S25肯定)、処理を終了して表示処理へ移行する。
【0042】
このように、表示装置10は、記憶部23に記憶された、解析対象物の解析結果を複数の粒子毎に多次元のベクトルにより示した解析データ30に基づいて、複数の粒子から代表粒子を決定する。そして、表示装置10は、決定した代表粒子から所定の範囲内の各粒子の多次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各次元の正および負毎に各成分を合計する。そして、表示装置10は、演算結果をそれぞれ代表粒子に対応させて表示部21に表示させる。これにより、表示装置10は、不連続性の発生を表現できる。
【0043】
また、表示装置10は、演算結果をそれぞれ代表粒子を起点として次元毎の正および負のベクトルで表示させる。これにより、表示装置10は、解析対象物の各位置での解析結果を視認しやすく表示できる。
【0044】
また、表示装置10は、決定済みの代表粒子から一定範囲内の要素を除いて、ベクトルの絶対値が最も大きい要素を代表粒子と決定する。これにより、表示装置10は、統合する粒子を重複させることなく代表粒子を特定できる。
【実施例2】
【0045】
次に、実施例2について説明する。実施例2に係る表示装置10の構成は、図1に示した実施例1に係る表示装置10と略同一であるため、主に異なる部分について説明する。
【0046】
実施例2に係る決定部41は、決定済みの代表粒子のベクトルの絶対値の大きさに応じて所定距離を変更し、変更した所定距離以内の粒子を検索の対象から除外して、代表粒子を順次決定する。例えば、決定部41は、代表粒子のベクトルの絶対値が小さいほど所定距離を大きくして、所定距離以内の粒子を検索の対象から除外して、代表粒子を順次決定する。この所定距離を変更の方式は、何れでもよい。例えば、決定部41は、代表粒子のベクトルの絶対値が小さいほど距離が大きいものとして段階的に粒子を除外する所定距離を定める。例えば、決定部41は、代表粒子のベクトルの絶対値が所定の第2のしきい値以上の場合、代表粒子から距離2r以内の粒子を検索対象から除外する。一方、決定部41は、代表粒子のベクトルの絶対値が第2のしきい値よりも小さい場合、代表粒子から距離3r以内の粒子を検索対象から除外する。この第2のしきい値は、粒子を除外する距離を変更しても影響が少ないとされる値を設定しておく。なお、第2のしきい値は、外部から調整可能としてもよい。
【0047】
図14は、粒子を除外する所定距離の段階的な変化の一例を示す図である。図14の例では、代表粒子のベクトルの絶対値が第2のしきい値以上の場合は、代表粒子から距離2r以内の粒子が検索対象から除外される。一方、代表粒子のベクトルの絶対値が第2のしきい値よりも小さい場合は、代表粒子から距離3r以内の粒子が検索対象から除外される。なお、粒子を除外する所定距離は、段階的とせずに、代表粒子のベクトルの絶対値に応じて変化させてもよい。図15は、代表粒子のベクトルの絶対値に応じた粒子を除外する距離の一例を示す図である。図15の例では、代表粒子のベクトルの絶対値が所定の第3のしきい値以上の場合、粒子を除外する距離を2rとし、代表粒子のベクトルの絶対値が第3のしきい値よりも小さい場合、代表粒子のベクトルの絶対値の低下に伴い、粒子を除外する距離を3rへ直線的に変化させている。この第3のしきい値は、粒子を除外する距離を変更しても影響が少ないとされる値を設定しておく。なお、第3のしきい値は、外部から調整可能としてもよい。この場合、決定部41は、各代表粒子について、図15の線を示す式を用いて代表粒子のベクトルの絶対値から粒子を除外する距離を求める。そして、決定部41は、代表粒子から粒子を除外する距離以内の粒子を検索の対象から除外して、代表粒子を順次決定する。
【0048】
また、実施例2に係る演算部42は、代表粒子から距離r内の各粒子の多次元のベクトルの次元毎の正および負の成分を代表粒子からの距離に応じて重み付けをして各次元の正および負毎に各成分を合計する。例えば、演算部42は、代表粒子から距離r内の各粒子の3次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分ける。そして、演算部42は、距離r内で、代表粒子からの距離が近いほど大きな重み付けをして各次元の正および負毎に各成分を合計する。この重み付けの方式は、何れでもよい。例えば、演算部42は、代表粒子からの距離が近いものほど大きいものとして段階的に重み値を定める。図16は、段階的な重み値の一例を示す図である。図16の例は、3段階で重み値が定められている。図16の例では、最も近い1段階目の領域の重み値が最も大きな値とされ、2段階目の領域の重み値が1段階目の重み値よりも小さな値とされ、3段階目の領域の重み値が2段階目の重み値よりも小さな値とされている。例えば、1段階目の領域は重み値が1とされている。2段階目の領域は重み値が0.75とされている。3段階目の領域は重み値が0.5とされている。なお、重み値は、段階的とせずに、距離に応じて変化させてもよい。図17は、距離に応じた重み値の一例を示す図である。図17の例では、代表粒子からの距離が0の場合に重み値を1とし、距離がrの場合に重み値を0となる直線が示されている。この場合、演算部42は、代表粒子から距離r内の各粒子について、図17の直線を示す式を用いて代表粒子からの距離から重み値を求める。そして、演算部42は、粒子毎に、粒子の各次元の正および負毎に各成分に対して当該粒子に応じた重み値を乗算して合計する。
【0049】
表示制御部43は、各次元の正および負の成分の合計値をそれぞれ代表粒子を起点としてX、Y、Zの次元毎の正および負のベクトルで表示させる。
【0050】
ここで、代表粒子のベクトルの絶対値が小さい領域は、応力等の解析結果が小さく、破損等の問題が発生しづらい。そこで、代表粒子のベクトルの絶対値が小さいほど所定距離を大きくして、所定距離以内の粒子を検索の対象から除外することにより、除外される粒子が多くなるため、解析結果を速やかに表示させることができる。
【0051】
また、代表粒子を起点として表示するX、Y、Zの次元毎の正および負のベクトルは、代表粒子から距離r内の各粒子のベクトルを統合したものである。このため、代表粒子の距離に応じて重み付けをして合計することにより、代表粒子に近い粒子の影響を大きくして統合することができる。
【0052】
図18は、表示処理の手順を示すフローチャートである。実施例2に係る表示処理は、図12に示した実施例1に係る表示処理と略同一であるため、同一の処理については同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0053】
図18に示すように、決定部41は、代表粒子のベクトルの絶対値の大きさに応じて所定距離を変更する(S16)。決定部41は、所定距離以内の粒子を検索対象の粒子から除外する(S17)。決定部41は、検索対象の粒子が存在するか否かを判定する(S14)。
【0054】
図19は、描画処理の手順を示すフローチャートである。実施例2に係る描画処理は、図13に示した実施例1に係る描画処理と略同一であるため、同一の処理については同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0055】
図19に示すように、演算部42は、代表粒子からの距離が近いものほど大きいものとして段階的に重み値を定める(S26)。そして、演算部42は、粒子毎に、粒子の各次元の正および負毎に各成分に対して当該粒子に応じた重み値を乗算して合計する(S27)。
【0056】
このように、表示装置10は、各粒子の多次元のベクトルの次元毎の正および負の成分を代表粒子からの距離に応じて重み付けをして各次元の正および負毎に各成分を合計する。これにより、表示装置10は、代表粒子に近い粒子の影響を大きくして統合することができる。
【実施例3】
【0057】
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、開示の技術は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0058】
例えば、上記の各実施例では、3次元の構造解析を行った解析データ30を記憶し、解析結果を示す3次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各成分毎に合計して表示させる場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、2次元の構造解析を行った解析データ30を記憶し、解析結果を示す2次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各成分毎に合計して表示させてもよい。
【0059】
また、上記の各実施例では、所定半径を、粒子法で各粒子の解析に用いる影響半径とした場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、表示装置10は、所定半径を影響半径とは異なるものとしてもよい。例えば、所定半径を管理者や解析結果を参照するユーザが設定可能としてもよい。表示装置10は、所定半径を大きな値とすることにより、粒子のベクトルを統合する領域が大きくなるため、解析結果を速やかに表示させることができる。
【0060】
また、上記の各実施例では、複数の粒子から代表粒子を決定する所定の規則をベクトルの絶対値が大きい順とした場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、表示装置10は、複数の粒子からベクトルの絶対値が小さい順に代表粒子を決定してもよい。このように絶対値が小さい順に代表粒子を決定する場合、決定部41は、代表粒子のベクトルの絶対値が小さいほど所定距離を大きくして、所定距離以内の粒子を検索の対象から除外して、代表粒子を順次決定してもよい。これにより、解析結果のベクトルで小さな値しか出現しない領域から先に、処理されるため、解析結果を速やかに表示させることができる。
【0061】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図1に示す受付部40、決定部41、演算部42および表示制御部43の各処理部が適宜統合されてもよい。また、各処理部にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、Central Processing Unit(CPU)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0062】
[表示プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。図20は、表示プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0063】
図20に示すように、コンピュータ300は、CPU310、Read Only Memory(ROM)320、Hard Disk Drive(HDD)330、Random Access Memory(RAM)340を有する。これら310〜340の各部は、バス400を介して接続される。
【0064】
ROM320には上記実施例の各処理部と同様の機能を発揮する表示プログラム320aが予め記憶される。例えば、上記実施例の受付部40、決定部41、演算部42および表示制御部43と同様の機能を発揮する表示プログラム320aを記憶させる。なお、表示プログラム320aについては、適宜分離しても良い。
【0065】
HDD330には、各種データを記憶する。例えば、HDD330は、OSや解析データなど各種データを記憶する。
【0066】
そして、CPU310が、表示プログラム320aをROM320から読み出して実行することで、実施例の各処理部と同様の動作を実行する。すなわち、表示プログラム320aは、実施例の受付部40、決定部41、演算部42および表示制御部43と同様の動作を実行する。
【0067】
なお、上記した表示プログラム320aについては、必ずしも最初からROM320に記憶させることを要しない。表示プログラム320aはHDD330に記憶させてもよい。
【0068】
例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、Compact Disk Read Only Memory(CD−ROM)、Digital Versatile Disk(DVD)、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0069】
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0070】
以上説明した実施例1〜3を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0071】
(付記1)コンピュータに、
記憶部に記憶された、解析対象物の解析結果を複数の要素毎に多次元のベクトルにより示した解析データに基づいて、前記複数の要素から代表要素を決定し、
決定した代表要素から所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各次元の正および負毎に各成分を合計し、
演算結果をそれぞれ前記代表要素に対応させて表示部に表示させる
各処理を実行させることを特徴とする表示プログラム。
【0072】
(付記2)前記表示させる処理は、演算結果をそれぞれ前記代表要素を起点として次元毎の正および負のベクトルで表示させる
ことを特徴とする付記1に記載の表示プログラム。
【0073】
(付記3)前記合計する処理は、前記所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルの次元毎の正および負の成分を前記代表要素からの距離に応じて重み付けをして各次元の正および負毎に各成分を合計する
ことを特徴とする付記1または2に記載の表示プログラム。
【0074】
(付記4)前記要素は、粒子法の粒子とし、
前記所定の範囲は、粒子法の影響範囲とする
ことを特徴とする付記1〜3の何れか1つに記載の表示プログラム。
【0075】
(付記5)前記決定する処理は、決定済みの代表要素から一定範囲内の要素を除いて、ベクトルの絶対値が最も大きい要素を代表要素と決定する
ことを特徴とする付記1〜4の何れか1つに記載の表示プログラム。
【0076】
(付記6)コンピュータが、
記憶部に記憶された、解析対象物の解析結果を複数の要素毎に多次元のベクトルにより示した解析データに基づいて、前記複数の要素から所定の規則に従い代表要素を順次決定し、
決定した代表要素から所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各次元の正および負毎に各成分を合計し、
演算結果をそれぞれ前記代表要素に対応させて表示部に表示させる
各処理を実行する特徴とする表示方法。
【0077】
(付記7)前記表示させる処理は、演算結果をそれぞれ前記代表要素を起点として次元毎の正および負のベクトルで表示させる
ことを特徴とする付記6に記載の表示方法。
【0078】
(付記8)前記合計する処理は、前記所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルの次元毎の正および負の成分を前記代表要素からの距離に応じて重み付けをして各次元の正および負毎に各成分を合計する
ことを特徴とする付記6または7に記載の表示方法。
【0079】
(付記9)前記要素は、粒子法の粒子とし、
前記所定の範囲は、粒子法の影響範囲とする
ことを特徴とする付記6〜8の何れか1つに記載の表示方法。
【0080】
(付記10)前記決定する処理は、決定済みの代表要素から一定範囲内の要素を除いて、ベクトルの絶対値が最も大きい要素を代表要素と決定する
ことを特徴とする付記6〜9の何れか1つに記載の表示方法。
【0081】
(付記11)解析対象物の解析結果を複数の要素毎に多次元のベクトルにより示した解析データを記憶する記憶部と
前記記憶部に記憶された解析データに基づいて、前記複数の要素から代表要素を決定する決定部と、
前記決定部により決定した代表要素から所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各次元の正および負毎に各成分を合計する演算を行う演算部と、
前記演算部による演算結果をそれぞれ前記代表要素に対応させて表示部に表示させる表示制御部と、
を有することを特徴とする表示装置。
【0082】
(付記12)前記表示制御部は、演算結果をそれぞれ前記代表要素を起点として次元毎の正および負のベクトルで表示させる
ことを特徴とする付記11に記載の表示装置。
【0083】
(付記13)前記演算部は、前記所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルの次元毎の正および負の成分を前記代表要素からの距離に応じて重み付けをして各次元の正および負毎に各成分を合計する
ことを特徴とする付記11または12に記載の表示装置。
【0084】
(付記14)前記要素は、粒子法の粒子とし、
前記所定の範囲は、粒子法の影響範囲とする
ことを特徴とする付記11〜13の何れか1つに記載の表示装置。
【0085】
(付記15)前記決定部は、決定済みの代表要素から一定範囲内の要素を除いて、ベクトルの絶対値が最も大きい要素を代表要素と決定する
ことを特徴とする付記11〜14の何れか1つに記載の表示装置。
【0086】
(付記16)コンピュータに、
記憶部に記憶された、解析対象物の解析結果を複数の要素毎に多次元のベクトルにより示した解析データに基づいて、前記複数の要素から代表要素を決定し、
決定した代表要素から所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルを次元毎に正および負の成分毎に分けて各次元の正および負毎に各成分を合計し、
演算結果をそれぞれ前記代表要素に対応させて表示部に表示させる
表示プログラムを格納した記憶媒体。
【0087】
(付記17)前記表示させる処理は、演算結果をそれぞれ前記代表要素を起点として次元毎の正および負のベクトルで表示させる
表示プログラムを格納した付記16に記載の記憶媒体。
【0088】
(付記18)前記合計する処理は、前記所定の範囲内の各要素の多次元のベクトルの次元毎の正および負の成分を前記代表要素からの距離に応じて重み付けをして各次元の正および負毎に各成分を合計する
表示プログラムを格納した付記16または17に記載の記憶媒体。
【0089】
(付記19)前記要素は、粒子法の粒子とし、
前記所定の範囲は、粒子法の影響範囲とする
表示プログラムを格納した付記16〜18の何れか1つに記載の記憶媒体。
【0090】
(付記20)前記決定する処理は、決定済みの代表要素から一定範囲内の要素を除いて、ベクトルの絶対値が最も大きい要素を代表要素と決定する
表示プログラムを格納した付記16〜19の何れか1つに記載の記憶媒体。
【符号の説明】
【0091】
10 表示装置
21 表示部
22 入力部
23 記憶部
24 制御部
30 解析データ
40 受付部
41 決定部
42 演算部
43 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20