(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
尺の長いシート状の印刷媒体であり、印刷時に長尺な方向に沿って搬送され、印刷面において搬送方向に沿って所定間隔ごとに設定される印刷領域に印刷が行われる印刷媒体であって、
前記印刷媒体上に、前記印刷領域の前記搬送方向における先端位置を設定するための情報である先端情報と、前記印刷媒体の種類を識別する情報である識別情報とを一組とし、前記搬送方向に沿って断続的に印刷された識別マークを備え、
所定の複数の前記印刷領域が前記搬送方向に配置されてなる印刷領域組ごとに一組の前記識別マークが印刷されており、
且つ、前記搬送方向の長さが等しい前記印刷領域が前記搬送方向に並べて配置されている場合、前記搬送方向において、前記識別マークの印刷位置の配置間隔は、前記印刷領域の前記先端位置の配置間隔の整数倍の間隔であり、
且つ、前記識別マークの前記先端情報は、前記搬送方向と直交する幅方向に沿って帯状に延びる識別子である先端識別子と、前記搬送方向の下流側で前記先端識別子に接続し、識別子が配置されずに前記識別情報以上の長さを有する領域である静領域とからなり、
当該静領域の前記搬送方向の長さは、前記識別情報の前記搬送方向の長さ以上であり、
更に、複数の異なる大きさのラベルを含む前記印刷領域で、前記印刷領域組が構成された場合に、前記印刷領域組は同じ構成のものが繰り返して配置されていること
を特徴とする印刷媒体。
前記搬送方向において、前記識別マークの印刷位置の配置間隔は、前記印刷領域組の最下流に位置する前記印刷領域の前記先端位置の配置間隔に等しい間隔であることを特徴とする請求項1に記載の印刷媒体。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図示された装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、その形態のみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0010】
図1、
図2を参照し、本発明に係る印刷媒体および印刷装置の一例であるシート100およびラベルプリンタ1の概略構成について説明する。以下の説明では、
図1の右上側、左下側、右下側、左上側、上側、下側を、それぞれラベルプリンタ1の後側、前側、右側、左側、上側、下側とする。なお、
図2は、カバー5が閉じられた状態にあるラベルプリンタ1の縦断面図を示すが、カバー5の図示は省略されている。
【0011】
図1に示すように、ラベルプリンタ1は、尺の長いラベルシート(以下、単に「シート」という)100に種々のキャラクタ(文字、数字、記号、および図形等)を印刷する装置である。ラベルプリンタ1は、カバー5の上面が弧状に丸みをおびた直方体形状を有する。ラベルプリンタ1は、ラベルプリンタ1の本体をなす筐体2と、筐体2後部に回動可能に軸支され、筐体2の上面の一部を被覆可能なカバー5を備える。筐体2は、前面に、左右方向に移動可能なカットレバー9を備える。カットレバー9はカッターユニット8(
図2参照)に連結されている。ユーザがカットレバー9を左右方向に移動させると、カッターユニット8が左右に移動し、印刷後のシート100が切断される。
【0012】
筐体2の前端部上面には、FEEDキー71、電源キー72等の種々の入力ボタンを含む操作部7が設けられている。操作部7の後側には、板状の透明樹脂製のトレー6が立設されている。トレー6の後側には、カバー5が閉じられると、カバー5の前端部51と筐体2とによって左右方向に長い排出口21(
図2参照)が形成される。トレー6は、排出口21から排出される印刷後のシート100を受ける。
【0013】
筐体2は、背面部の一方の側面寄りに、電源コード10(
図2参照)が接続されるコネクタ(図示略)を備える。図示しないが、筐体2は、背面部に、USB(Universal Serial Bus)ケーブルが接続されるUSBコネクタおよびLAN(Local Area Network)ケーブルが接続されるLANコネクタを備える。ラベルプリンタ1は、USBコネクタまたはLANコネクタを介し、パーソナルコンピュータ(図示略、以下PCという)等の外部機器と接続可能である。
【0014】
筐体2内部の後部には、収納部4が設けられている。収納部4は、側面視で円弧状に下方に凹んでいる(
図2参照)。収納部4には、スプール35(
図2参照)にロール状に巻回されたシート100を保持するホルダ3が、着脱可能に収納される。シート100は、例えば、自己発色性を有する長尺状の感熱シート(いわゆる、サーマルペーパー)や、感熱シートの片面に粘着剤を介して剥離紙が貼り合わされた長尺状の印字テープ等で構成される。本実施形態のシート100は、上記の剥離紙と貼り合わせた感熱シートに所定の大きさのプレート状の切り込みを等間隔に設けることで、印刷面(表面110)に複数のラベル150(
図4参照)を並べて配置したラベルシートである。
【0015】
ホルダ3は、シート100を巻回すスプール35と、スプール35の一端側に配置される保持部材36と、スプール35の他端側に配置されるガイド部材37から構成される。シート100は、印刷面を内側にしてスプール35に巻回されている。保持部材36とガイド部材37は、シート100を巻回したスプール35を回転可能に保持する。保持部材36は、ラベルプリンタ1の収納部4にホルダ3を収納する際に、ホルダ3の収納部4内での位置決めと保持を担う。ガイド部材37は、ロール状に巻回されたシート100の側面に当接し、シート100の幅方向の位置ずれを防止する。
【0016】
ホルダ3は、カバー5が開位置にある状態で収納部4に着脱可能である。ホルダ3は、スプール35の軸線をラベルプリンタ1の左右方向に向け、保持部材36を右側に、ガイド部材37を左側に配置した状態で、収納部4に収納される。収納部4は、右側の端部に、上方へ向けて直立し、先端が二股に分かれた支持部41を有する。ホルダ3の保持部材36は支持部41に挟まれて、ホルダ3を収納部4内に位置決めし、保持する。ラベルプリンタ1は、スプール35の長さをシート100の幅に合わせて変更することで、様々な幅のシート100を扱うことができる。巻回されたシート100の外側の面(裏面120)には、シート100の幅方向に帯状に延びる複数の識別子を一群とする識別マーク160が、所定の間隔ごとに断続的に印刷されている。識別マーク160は、後述する光学センサ95(
図3参照)によって読み取られる。識別マーク160の詳細については後述する。
【0017】
筐体2において、収納部4の左前方には、レバー11が設けられている。レバー11の右側には、左右方向に長いローラホルダ25が設けられている。
図2に示すように、ローラホルダ25は、プラテンローラ26、接続ローラ27、および搬送ローラ28を、左右方向を軸方向として回転可能に保持する。ローラホルダ25の下方には、プラテンローラ26および搬送ローラ28に対向して、板状のサーマルヘッド31が配置される。ローラホルダ25は、レバー11の上下方向への回動に連動して、後端の支点を中心に上下方向に移動する。
【0018】
レバー11は、図示しない巻きバネによって常に上方に付勢されるが、カバー5が閉じられると、レバー11が巻きバネの付勢力に抗って下方に回動する。その結果、ローラホルダ25が下方に移動し、プラテンローラ26と搬送ローラ28が、シート100をサーマルヘッド31に向けて押圧する。この場合、ラベルプリンタ1は印刷可能な状態になる。一方、カバー5が開けられると、レバー11が上方に回動する。その結果、ローラホルダ25が上方に移動し、プラテンローラ26と搬送ローラ28が、サーマルヘッド31およびシート100から離間する。この場合、ラベルプリンタ1は、印刷不能な状態になる。
【0019】
収納部4の前側(
図2の左側)には、前方斜め下方向(
図2の左斜め下方向)へ向けて延び、さらに折曲して前方へ向けて延びるシート100の搬送経路22が設けられている。搬送経路22は、搬送ローラ28とサーマルヘッド31の間、およびプラテンローラ26とサーマルヘッド31の間を通り、ラベルプリンタ1の上面に設けられた排出口21へ向けて延びる。なお、前述したように、排出口21は、カバー5の前端部51と筐体2によって形成されるが、
図2では、カバー5の図示を省略しているため、筐体2において排出口21が形成される部位を図示している。
【0020】
本実施形態では、シート100が搬送経路22に沿って収納部4から排出口21に搬送されながら印刷が行われる。以下の説明では、搬送経路22に沿ってシート100が搬送される方向をシート100の搬送方向という。搬送経路22において収納部4側を搬送方向の上流側といい、排出口21側を搬送方向の下流側という。通常、印刷実行時には、シート100は上流側から下流側に向かって搬送される。
【0021】
図2に示すように、プラテンローラ26、搬送ローラ28、接続ローラ27、およびサーマルヘッド31は、搬送経路22の前後方向略中央に位置する。サーマルヘッド31は、プラテンローラ26に対向する位置に、搬送方向に対して直交する方向に一列に配列された複数の発熱素子(図示略)を備える。サーマルヘッド31は、発熱素子によって、プラテンローラ26と発熱素子との間に挟まれたシート100に印刷を行う。なお、以下では、シート100に印刷が行われるプラテンローラ26と発熱素子との間の位置を、印刷位置という。プラテンローラ26は、サーマルヘッド31に向かって付勢される。プラテンローラ26は、図示しないギアを介して搬送モータ210(
図3参照)と接続されており、搬送モータ210の駆動に伴い、正回転および逆回転する。プラテンローラ26の正回転は、シート100を下流側へ搬送する向き(
図2においては時計回り)への回転であり、逆回転は、シート100を上流側へ搬送する向き(
図2においては反時計回り)への回転である。
【0022】
プラテンローラ26の後側には、プラテンローラ26から僅かに離間して、搬送ローラ28が配置されている。プラテンローラ26と搬送ローラ28の間には、接続ローラ27が配置されている。接続ローラ27の外周面は、プラテンローラ26の外周面および搬送ローラ28の外周面に接触している。接続ローラ27は、プラテンローラ26からの動力を搬送ローラ28に伝達する。搬送ローラ28は、接続ローラ27を介してプラテンローラ26から伝達される動力により、プラテンローラ26と同一方向に従動回転する。
【0023】
プラテンローラ26および搬送ローラ28は、シート100の同じ側の面(
図2の上側の面)に接触し、サーマルヘッド31との間でシート100を挟む。プラテンローラ26および搬送ローラ28は、サーマルヘッド31との間にシート100を挟んで同一の方向に回転することで、シート100を搬送方向(上流側から下流側に向かう順方向、または下流側から上流側に向かう逆方向)に搬送する。シート100への印刷は、サーマルヘッド31において搬送方向に直交する方向に配列された一列の発熱素子に対応する1ライン毎に行われる。
【0024】
接続ローラ27および搬送ローラ28の後方斜め上方には、光学センサ95が設けられている。本実施形態の光学センサ95は、反射型のセンサである。光学センサ95は、発光部から出射した光がシート100に反射した反射光を、フォトトランジスタ等を用いた受光部で受光し、反射光の強度に応じた検出値を出力する。光学センサ95に接続されたCPU201(
図3参照)は、光学センサ95の検出値に基づき、シート100に印刷された識別マーク160(
図4参照)に含まれる情報を読み取ることができる。なお、搬送経路22を挟み、光学センサ95に対向する位置に、反射板97が設けられている。シート100が搬送経路22に配置されていない場合、光学センサ95の出射光は反射板97に反射され、受光部で受信される。このときの光学センサ95の検出値は、識別マーク160を検出した際の検出値と異なり、CPU201は、搬送経路22にシート100が配置されていないことを検出できる。
【0025】
プラテンローラ26と排出口21との間には、固定刃および可動刃を有するカッターユニット8が設けられている。ユーザがカットレバー9を左右方向に移動させると、固定刃と可動刃との間でシート100が挟まれて切断される。
【0026】
図3を参照し、ラベルプリンタ1の電気的構成について説明する。
図3に示すように、ラベルプリンタ1は、CPU201、ROM202、RAM203、およびフラッシュROM204を備える。これらは相互にバス205で接続されている。CPU201は、ラベルプリンタ1全体の制御を司る。ROM202には、後述する印刷制御プログラム等、ラベルプリンタ1の制御に必要な各種のプログラムと、これらのプログラムに必要な制御データ等が記憶されている。CPU201は、ROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の演算、制御処理を行う。また、ROM202には、多数のキャラクタフォント等も記憶されている。
【0027】
RAM203には、CPU201による各種の演算結果等が一時的に記憶される。図示はしないが、RAM203には、例えば、外部機器から受信した印刷データを記憶する受信データ記憶領域や、印刷を実行する際に印刷用ドットパターンデータを記憶する印刷バッファ、ワーク領域等の記憶領域が設けられる。ドットパターンデータは、外部機器から受信した印刷データとROM202に記憶されたキャラクタフォントに基づいて、印刷バッファに展開される。フラッシュROM204は、不揮発性メモリであり、各種の情報が記憶される。
【0028】
バス205には入出力インタフェイス206が接続されている。入出力インタフェイス206には、FEEDキー71、電源キー72を含む操作部7、駆動回路207,208,209、LANインタフェイス211、およびUSBインタフェイス212が接続されている。FEEDキー71は、シート100を頭出しし、印刷開始位置に送る場合に操作されるキーである。電源キー72は、ラベルプリンタ1の電源のオンオフを行うスイッチである。駆動回路207には、シート100への印刷を行うサーマルヘッド31(より詳細には、発熱素子)が接続されている。駆動回路207は、CPU201からの制御信号に基づき、サーマルヘッド31の各発熱素子の通電の有無を制御することで、サーマルヘッド31全体の発熱態様を制御する。駆動回路208には、シート100を搬送するプラテンローラ26(
図2参照)を回転させるための搬送モータ210が接続されている。駆動回路208は、CPU201からの制御信号に基づいて搬送モータ210を駆動制御する。搬送モータ210にはステッピングモータやサーボモータが用いられ、駆動回路208は、搬送モータ210の回転向き(正回転、逆回転)および回転量を制御する。駆動回路209には、光学センサ95の発光部が接続されている。駆動回路209は、CPU201からの制御信号に従い、光学センサ95の発光部から光を出射する。また、光学センサ95の受光部は入出力インタフェイス206に接続され、受光部で受光した反射光の強度に応じた検出値をCPU201に出力する。
【0029】
LANインタフェイス211には、LANコネクタ(図示略)が接続されている。USBインタフェイス212には、USBコネクタ(図示略)が接続されている。LANインタフェイス211およびUSBインタフェイス212は、それぞれ、これらのコネクタを介して接続された外部機器との間のデータの送受信を行う。CPU201は、LANインタフェイス211およびUSBインタフェイス212を介して外部機器から受信した印刷データに従って、印刷を制御する。
【0030】
図4、
図5を参照し、シート100,105の識別マーク160,168について説明する。なお、
図4、
図5では、左右方向をラベルプリンタ1におけるシート100,105の搬送方向とし、紙面右手側を上流側、左手側を下流側とする。また、シート100,105は、対比のため、搬送方向における表面110と裏面120の位置を合わせた状態で、紙面の上下に並べて図示している。シート100は、1つの識別マーク160に対して複数の印刷領域170が対応する例を示すものであり、シート105は、1つの識別マーク168に対して1つの印刷領域176が対応する例を示すものである。
【0031】
図4に示すように、シート100は、印刷が行われる感熱シートの印刷面を表面110とし、感熱シートに張り合わされた剥離紙の表面を裏面120とする。シート100の表面110には、所定の大きさの複数のラベル150が搬送方向に沿って等間隔に並べて配置されている。シート100の幅方向両端と各ラベル150間には、余白部分が設けられている。シート100の表面110には、個々のラベル150に対応する印刷領域170が設定されている。1つの印刷領域170は、1つのラベル150と、そのラベル150の下流側に位置する余白部分を含む領域である。詳細は後述するが、本実施形態のシート100は、隣り合う3つの印刷領域170が印刷領域組175として1つの組を構成し、1つの識別マーク160に対応する。よって便宜上、印刷領域組175を構成する3つの印刷領域170について、搬送方向下流側の印刷領域170から順に、第一印刷領域171、第二印刷領域172、第三印刷領域173と呼ぶこととする。また、ラベル150についても同様に、第一印刷領域171、第二印刷領域172、第三印刷領域173に含まれるラベル150を、それぞれ、第一ラベル151、第二ラベル152、第三ラベル153と呼ぶこととする。
【0032】
シート100の裏面120には、複数の識別子を組み合わせた識別マーク160が搬送方向に沿って等間隔に並べて印刷されている。本実施形態において、識別子は、所定の太さ(例えば5mm)でシート100の幅方向に延びる黒い帯状の線分で示される。識別マーク160は、先端情報161と、先端情報161の上流側に配置される識別情報164との2つの情報からなる。先端情報161は、印刷領域170の搬送方向における先端位置を設定するための情報である。先端情報161は、さらに、静領域162と、静領域162の上流側に配置される先端識別子163とから構成される。静領域162は、識別子が配置されない領域であり、剥離紙の下地の色が現れる無着色の帯である。搬送方向における静領域162の長さDは、識別情報164の長さB以上となるように設定されている。本実施形態では、静領域162の長さDは、例えば25mmに設定されている。識別情報164を構成する識別子の組み合わせがすべて無着色の帯であった場合、識別情報164を静領域162として誤認識するおそれがある。静領域162の長さDが識別情報164の長さBと同じ場合、識別子の組み合わせがすべて無着色の帯であった場合を無効とすれば、他の組み合わせの識別子は判別することが可能である。静領域162の長さDが識別情報164の長さBより大きければ、識別情報164を静領域162として誤認識するおそれは、より軽減される。
【0033】
先端識別子163は、1本の黒い帯状の線分からなる識別子と、識別子の上流側に配置される1本の無着色(無地)で帯状の線分との組み合わせによって示される。搬送方向における先端識別子163の長さAは、例えば10mmに設定されており、1本の黒帯の太さは5mmに設定されている。後述する印刷制御プログラムの処理では、光学センサ95によって、静領域162の長さD以上の長さで識別子の配置されていない領域が検出された後、1本の黒帯による識別子が検出された場合に、先端識別子163に対応付けられた印刷領域170の先端位置が検出される。
【0034】
識別情報164は、複数の識別子(本実施形態では5本)を配置することが可能な長さBの領域に配置した識別子の組み合わせをもって、シート100の種類を識別することのできる情報である。ラベルプリンタ1は、シートの幅と、ラベルの大きさ(搬送方向および幅方向の大きさ)が異なる複数種類のシートに対し、それぞれの種類に応じた印刷(各種類のシートが有するラベルに合わせた印刷)を行うことが可能である。よって、シートの種類と、識別情報164における識別子の組み合わせ(認識ID)とが予め決められており、ROM202にテーブルが記憶されている。例えば、
図4のシート100の場合、識別情報164は、下流側から順に識別子がなし(無地)、なし(無地)、あり(黒帯)、あり(黒帯)、あり(黒帯)という組み合わせで、識別子が配置されている。すなわち、識別情報164は、二進数で「00111」の認識IDとして取得される。認識ID「00111」は、例えば、シート100の有するラベル150のサイズ(幅×長さ)が、30×20mmであることを記す情報と対応付けられている。すなわち、5本分の識別子を配置可能な本実施形態の識別情報164は、識別子の組み合わせに応じて最大32種類のシートを対応付けることができる。もっとも、識別情報164が先端情報161の上流に配置されるため、先端情報161の無地の部分と合わせて静領域162を誤認識するおそれのある2種類の組み合わせを省き、最大30種類のシートが対応付けられる。
【0035】
識別マーク160の先端識別子163は、印刷領域組175の第一印刷領域171の先端位置に対応付けられている。すなわち、識別マーク160は、シート100の搬送方向において、印刷領域組175ごとに繰り返し設けられている。ゆえに、識別マーク160間には、識別子の配置されない、調節領域165が設けられている。識別マーク160の先端位置が繰り返し配置される配置間隔をEとすると、配置間隔Eは、調節領域165の長さCと、識別マーク160の長さ(A+B+D)とを合計した長さに相当する。この配置間隔Eは、調節領域165の長さCが調節されることによって、印刷領域組175の長さGと等しくなるように調節されている。印刷領域組175の長さGは、言い換えると、印刷領域組175の最も下流側に位置する第一印刷領域171の先端位置(第一印刷領域171における最も下流側の位置)の配置間隔である。なお、1つの印刷領域170の長さをFとする。この場合、3つの印刷領域170からなる印刷領域組175の長さGは、3Fに相当する。
【0036】
識別マーク160の配置間隔Eと、印刷領域組175の長さG、換言すると、印刷領域組175の最も下流側に位置する第一印刷領域171の先端位置の配置間隔とが等しい間隔であれば、印刷領域組の先端位置を印刷開始位置に精確にセットすることができる。また、印刷領域組に含まれる各印刷領域の先端位置も、識別マーク160の先端位置を基準に特定すれば、印刷開始位置に精確にセットすることができる。また、大きさが等しい印刷領域170が搬送方向に並んで配置されるので、印刷領域組175ごとに1つずつ対応付けられる識別マーク160は、印刷領域組175を構成する印刷領域170の数を任意とした場合、印刷領域170の整数倍の数あたりに1つの識別マーク160が設けられることになる。個々の印刷領域170の大きさが等しければ、1つの印刷領域170の先端位置を基準に印刷開始位置をセットすれば、他の印刷領域170の印刷開始位置は、搬送方向における印刷領域170の長さF分を加減するだけで容易に、それぞれの先端位置を印刷開始位置にセットすることができる。また、調節領域165を有することにより、印刷領域組175の長さGに、識別マーク160の配置間隔Eが等しくなるように調節することを容易に行うことができる。
【0037】
このように、シート100は、1つの印刷領域170の長さFよりも識別マーク160の長さ(A+B+D)が短い場合、複数の印刷領域170を組にした印刷領域組175が設定される。そして、シート100において、識別マーク160は、印刷領域組175と位置合わせした状態で、1つの印刷領域組175に対して1つずつ繰り返して設けられる。
【0038】
一方、
図5に示すように、1つの印刷領域176の長さFが、識別マーク168の長さ(A+B+D)以上である場合、印刷領域組は設定されず、1つの印刷領域176に対して1つの識別マーク168が設けられる。この印刷領域176には、1つのラベル156が含まれ、そのサイズ(幅×長さ)は、例えば、30×50mmである。
図5のシート105の場合、静領域162と先端識別子163とから構成される先端情報161は、シート100(
図4参照)と同じであるが、識別情報166は、ラベル156を示す情報となっている。具体的に、識別情報166は、下流側から順に識別子がなし(無地)、あり(黒帯)、なし(無地)なし(無地)、なし(無地)という組み合わせで、識別子が配置されている。すなわち、識別情報164は、二進数で「01000」の認識IDとして取得される。また、調節領域167は、印刷領域176の長さFが、識別マーク168の先端位置が繰り返し配置される配置間隔Eと等しくなるように調節されている。このように、識別マークの長さ(A+B+D)は、シートの種類に関わらず一定であり、調節領域167によって、印刷領域の先端位置と、識別マークの先端位置が一致するように調節される。本実施形態のラベルプリンタ1は、印刷領域176の長さFが、識別マーク168の長さ(A+B+D)よりも大きいシート105と、印刷領域170の長さFが、識別マーク160の長さ(A+B+D)よりも短いシート100の双方を利用することができる。より多くのタイプのシートに対応できるようにするには、識別情報164で扱う識別子の本数を増やせばよいが、識別マーク160の長さ(A+B+D)がより大きくなるため、本実施形態のように、印刷領域170の長さFが、識別マーク160の長さ(A+B+D)よりも短いシート100を扱えれば、様々なラベル150に対応することができる。
【0039】
図6〜
図8を参照し、本実施形態のラベルプリンタ1で実行される印刷制御プログラムについて説明する。CPU201は印刷制御プログラムを実行し、外部機器から受信する印刷データに基づいてシート100のラベル150に対する印刷を行う。印刷制御プログラムは、LANインタフェイス211またはUSBインタフェイス212を介して接続されたいずれかの外部機器から送信された印刷データが受信されると開始され、ROM202に記憶されたプログラムに従って、CPU201によって実行される。
【0040】
図6に示すように、ユーザが電源キー72を操作してラベルプリンタ1を起動させ、印刷制御プログラムのメインルーチンが開始されると、プログラム実行時の初期処理が行われる(S11)。CPU201は、RAM203の記憶領域の確保を行い、プログラムで使用する各種フラグや変数の初期値をROM202またはフラッシュROM204から読み込み、RAM203に記憶して初期化を行う。また、搬送モータ210、サーマルヘッド31、光学センサ95等の動作確認を行う。次いで用紙(シート)の基準位置を初期化する処理が行われる(S13)。基準位置は、ラベルプリンタ1の1回の使用において、シート100を搬送したときに、識別マーク160に基づいて、搬送方向の最も下流側において検出された印刷領域170の先端位置である。シート100のラベル150への印刷は、基準位置をもとにシート100を搬送し、サーマルヘッド31に対し、個々のラベル150の位置を合わせて行う。ラベルプリンタ1の起動時には、前回のラベルプリンタ1の駆動時に検出された基準位置がフラッシュROM204に設定された状態となっており、CPU201は、基準位置を初期化して未設定の状態に設定する。また、媒体(シート)の認識IDが初期化される(S15)。前回のラベルプリンタ1の使用時に使用されたシートの認識IDがフラッシュROM204に記憶された状態となっており、CPU201は認識IDを初期化して未認識の状態に設定する。
【0041】
CPU201は、操作部7のFEEDキー71が操作されたか、あるいは、カバー5が閉じられたか確認する(S17)。ユーザがFEEDキー71の操作を行わず、また、ユーザがカバー5の閉鎖を行わなければ(S17:NO)、S21に進む。ラベルプリンタ1にシート100がすでにセットしてあり、ユーザがFEEDキー71を操作し、シート100の頭出しを行った場合(S17:YES)、CPU201はS19へ進む。また、ユーザがラベルプリンタ1に新規あるいは交換でシート100をセットし、カバー5を閉じた場合も、CPU201はS19へ進む。S19では、用紙頭出し処理(
図7参照)のサブルーチンがコールされる。用紙頭出し処理については後述するが、この処理によって、シート100がまず基準位置にセットされてから、印刷領域170の先端位置が、サーマルヘッド31による印刷の開始位置に対応する位置にセットされる。用紙頭出し処理が終わったら、CPU201はS21に進む。
【0042】
CPU201は、外部機器から印刷データが送信された場合、印刷データの受信が完了したか否か確認する(S21)。印刷データが送信されていない場合、あるいは印刷データの受信中である場合、CPU201はS25に進む。外部機器から印刷データが送信され、その印刷データの受信が完了した場合(S21:YES)、CPU201はS23に進む。S23では、印刷処理(
図8参照)のサブルーチンがコールされる。印刷処理についても後述する。印刷処理が終わったら、CPU201はS25に進む。
【0043】
ユーザが電源キー72を操作してラベルプリンタ1の動作を終了した場合(S25:YES)、CPU201は、印刷制御プログラムの終了時の処理を行い(S27)、RAM203の記憶領域を開放してプログラムを終了する。ユーザが電源キー72を操作しなければ(S25:NO)、S17に戻り、以降、S17〜S25が繰り返し実行される。
【0044】
次に、S19のサブルーチンである用紙頭出し処理について説明する。
図7に示すように、用紙頭出し処理が実行されると、CPU201は、搬送モータ210の駆動回路208に指示を送り、プラテンローラ26等を回転させて、用紙(シート100)の搬送を開始する(S31)。CPU201は、駆動回路209に指示を送って光学センサ95を駆動させ、光学センサ95からの検出値を読み込んで用紙の検出を行う。CPU201は、用紙の検出がなされなくとも予め設定された所定時間(例えば5秒)が経過しないうちは(S33:NO,S35:NO)、S33に戻り、待機する。シート100を保持するホルダ3が収納部4に正しくセットされなかったり、紙詰まり等が発生するなどして所定時間が経過しても、搬送経路22にシート100が配置されなければ(S33:YES)、CPU201はタイムアウト(1)が生じたとしてS37へ進む。CPU201は、タイムアウト(1)が生じた場合に行う、用紙がなかったとするエラー処理を行う(S37)。CPU201は、搬送モータ210や光学センサ95の駆動を停止し、印刷データ送信元の外部機器に用紙なしエラーのエラーコードを送信した後、用紙頭出し処理を終了してメインルーチン(
図6参照)に戻る。
【0045】
S33で、所定時間内に搬送経路22にシート100が配置され、タイムアウト(1)が発生しなければ(S33:NO,S35:YES)、CPU201はS39に進む。CPU201は、光学センサ95の検出値に基づき、静領域162の検出を行う。プラテンローラ26によるシート100の搬送速度は一定であり、シート100が、搬送方向における静領域162の長さD分搬送されるのにかかる時間は予め分かっている。CPU201は、光学センサ95の検出値で、識別子が配置されておらず、剥離紙の下地の色が検出された場合の値が、少なくとも、静領域162の長さD分、搬送されるのにかかる時間以上継続して検出されたか、すなわち静領域162が検出されたか確認する(S77)。
【0046】
CPU201は、静領域162の検出がなされなくとも、予め設定された所定時間(例えば2秒)が経過しないうちは(S39:NO,S43:NO)、S39に戻り、待機する。静領域162が検出されることがないまま所定時間が経過してしまった場合(S39:NO)、CPU201はタイムアウト(2)が生じたとしてS41へ進む。CPU201は、タイムアウト(2)が生じた場合に行う、識別マークがなかったとするエラー処理を行う(S41)。CPU201は、搬送モータ210や光学センサ95の駆動を停止し、印刷データ送信元の外部機器に識別マークなしエラーのエラーコードを送信した後、用紙頭出し処理を終了してメインルーチン(
図6参照)に戻る。
【0047】
S39で、所定時間内に静領域162が検出され、タイムアウト(2)が発生しなければ(S39:NO,S43:YES)、CPU201はS45に進む。CPU201は、光学センサ95の検出値に基づき、先端識別子163の検出を行う。CPU201は、先端識別子163を検出できるまで待機し(S45:NO)、検出したら(S45:YES)、現在のシート100の搬送位置を印刷の基準位置として確定し、フラッシュROM204に設定する(S47)。CPU201は、さらにシート100を搬送し、光学センサ95の検出値に基づき、認識IDの検出を行う(S49)。CPU201は、シート100の裏面120において先端識別子163の上流側に配置された識別情報164(認識ID)を読み取る。CPU201は、ROM202のテーブルを参照してラベル150のサイズの情報を得たら、フラッシュROM204に記憶する。光学センサ95で先端識別子163を検出し、基準位置を定めることで、先端識別子163と直接の対応関係のない個々の印刷領域170であっても確実に先端位置を特定することができる。
【0048】
CPU201が、基準位置として、光学センサ95で先端識別子163を検出した位置と、個々の印刷領域170との関係は、ラベル150の種類ごとに予め確認されており、上記テーブルに記憶されている。例えば、シート100を基準位置にセットした場合、その位置からシート100を、例えばXmm下流側に送ると、第一印刷領域171の先端位置が、サーマルヘッド31による印刷の開始位置に対応する位置にセットされる。なお、Xmmは、搬送経路22におけるサーマルヘッド31の印刷開始位置と光学センサ95の位置関係に応じた距離である。第一印刷領域171と第二印刷領域172との先端位置に対応する位置からシート100を下流側に印刷領域170の長さF分ずつ送ると、第二印刷領域172、第三印刷領域173それぞれの先端位置が、サーマルヘッド31による印刷開始位置に対応する位置にセットされる。このような情報に基づき、CPU201は、基準位置をもとに、個々の印刷領域170の印刷開始位置へのシート100の搬送量を求め、サーマルヘッド31が位置するように、シート100の搬送を行う。
【0049】
ここで、搬送方向における個々の印刷領域170の長さGが識別マーク160の長さ(A+B+D)よりも短い場合、光学センサ95で識別情報164を読み取る際に、一部の印刷領域170(例えば第一印刷領域171)がサーマルヘッド31による印刷開始位置よりも下流側へ搬送されてしまう場合がある。本実施形態では、上記の基準位置を求めた後は、シート100の搬送時に、基準位置を原点とする現在のシート100の位置を求め、個々の印刷領域170の先端位置を印刷開始位置に合わせる際に、差分に基づき搬送量を求めている。よって、搬送量が正の値となれば、搬送モータ210を正回転させ、シート100を上流側から下流側に搬送し、搬送量が負の値となれば、搬送モータ210を逆回転させ、シート100を下流側から上流側に搬送する。
【0050】
S51において、ラベル150への印刷が初回の場合、CPU201は、シート100を基準位置から、上記求めた規定量搬送する(S51:NO)。CPU201は、シート100の規定量の搬送が完了し、第一印刷領域171の先端位置を、サーマルヘッド31による印刷開始位置にセットしたら(S51:YES)、用紙頭出し処理を終了してメインルーチン(
図6参照)に戻る。
【0051】
次に、
図6のS23のサブルーチンである印刷処理について説明する。
図8に示すように、印刷処理が実行されると、CPU201は、搬送モータ210の駆動回路208に指示を送り、プラテンローラ26等を回転させて、用紙(シート100)の搬送を開始する(S61)。CPU201は、外部機器からの受信が完了した印刷データを印刷バッファに展開し、ドットパターンデータを作成する。CPU201は、印刷バッファに展開した印刷データに基づいて印刷を開始する(S63)。印刷開始前の光学センサ95は先端識別子163を検出している状態にあるので、CPU201は、印刷の開始とともに識別情報164を読み込んで、シート100の識別情報164(認識ID)を取得する(S65)。そして、印刷対象のシート100の個々の印刷領域170の長さFを求める。
【0052】
識別マーク168の長さ(A+B+D)が印刷領域176の長さF以下であるシート105の場合(S67:NO)、印刷領域176のラベル156に印刷した後に、印刷前の状態を基準に長さF分搬送すれば、次の印刷領域176の先端位置が印刷開始位置にセットされ、且つ、識別マーク168の先端識別子163も、印刷領域176に応じた位置に配置される。ゆえに、上記場合(S67:NO)は印刷の都度の識別マーク168の検出は行わない。CPU201は、印刷バッファに展開した印刷データに印刷を行い(S69:NO)、印刷が完了したら(S69:YES)、シート100を、印刷開始位置から印刷領域176の長さF分、搬送する(S71:NO)。搬送が完了したら(S71:YES)、CPU201は、印刷処理を終了してメインルーチン(
図6参照)に戻る。
【0053】
一方、識別マーク160の長さ(A+B+D)が印刷領域170の長さFより大きいシート100の場合(S67:YES)、用紙頭出し処理(
図7参照)と同様に、次回の印刷の頭出しの基準となる基準位置の設定を行う。CPU201は、光学センサ95からの検出値に基づくシート100の検出を行う(S75:NO,S77:NO,S75)。タイムアウト(1)した場合(S75:YES)、CPU201は、用紙(シート)がなかったとするエラー処理を行って(S79)、印刷処理を終了してメインルーチン(
図6参照)に戻る。タイムアウト(1)前にシート100を検出できれば(S75:NO,S77:YES)、CPU201はS81に進む。
【0054】
CPU201は、光学センサ95の検出値に基づき、静領域162の検出を行う(S81:NO,S83:NO,S81)。タイムアウト(2)した場合(S81:YES)、CPU201は、識別マークがなかったとするエラー処理を行って(S85)、印刷処理を終了してメインルーチン(
図6参照)に戻る。タイムアウト(2)前に静領域162を検出できれば(S81:NO,S83:YES)、CPU201はS87に進む。CPU201は、光学センサ95の検出値に基づき、先端識別子163の検出を行う(S87:NO)。CPU201は、先端識別子163を検出したら(S87:YES)、現在のシート100の搬送位置を印刷の基準位置として確定し、フラッシュROM204に設定する(S89)。
【0055】
CPU201は、シート100への印刷が継続していたら待機し(S91:NO)、印刷が完了したら(S91:YES)、シート100を基準位置から、規定量搬送する(S93:NO)。例えば第一ラベル151への印刷が完了した場合、次のラベル15印刷のため、第1ラベル151を含む印刷領域171が基準位置を基準にセットされた状態から、印刷領域170の長さF分が規定量として、シート100が搬送される。CPU201は、シート100の規定量の搬送が完了し、印刷領域170の先端位置をサーマルヘッド31による印刷開始位置にセットしたら(S93:YES)、印刷処理を終了してメインルーチン(
図6参照)に戻る。印刷完了後にシート100の規定量の搬送を行うことで、次回に印刷する対象の印刷領域170の先端位置を、印刷開始位置にセットすることができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることが可能である。識別マーク160を構成するラインはシート100を幅方向に横切って幅全体に設けたが、幅方向の端部に配置してもよい。識別マーク160はシート100の裏面120に設けたが、ラベル150と共に表面110(例えば余白部分)に設けてもよい。識別マーク160は黒のラインにして光学センサ95では白黒の濃淡を検出したが、光学センサ95によってシート100の下地の色と区別が付けられる色であればなんでもよい。また、識別マーク160は、例えばUV塗料など不可視の塗料で形成し、それらの塗料を識別可能なセンサを用いて検出してもよい。ラベルプリンタ1は、シート100に感熱シートを用い加熱発色による印刷を行ったが、感熱シートに限らず一般的な印刷用紙や転写用紙等を用い、インクジェット方式、レーザー方式、転写リボン方式、ドットインパクト方式等、公知の他の方式による印刷を行なってもよい。シート100は、スプール35に巻回したロールシートとして供給したが、所定長さごとにミシン目等による折り目がつけられて折りたたまれた長尺なシートを用いてもよい。
【0057】
シート100の個々のラベル150はいずれも同じ大きさであり、印刷領域170は、搬送方向に等間隔に設けることができた。これに限らず、異なる大きさのラベルが搬送方向において複数配置されてもよい。この場合、複数の異なる大きさのラベルを含む印刷領域で、印刷領域組が構成された場合に、印刷領域組は同じ構成のものが繰り返して配置されると望ましい。
【0058】
なお、本実施の形態においては、シート100,105が「印刷媒体」に相当する。光学センサ95が「読取手段」に相当する。サーマルヘッド31が「印刷手段」に相当する。ラベルプリンタ1が「印刷装置」に相当する。S47またはS89で、先端識別子163を検出して基準位置を定め、印刷領域170の先端位置を特定するCPU201が「特定手段」に相当する。S93で、印刷完了後にシート100を基準位置から規定量搬送し、次の印刷のために印刷領域170の先端位置を印刷開始位置にセットするCPU201が「停止制御手段」に相当する。