(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0032】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.紙幣処理装置の外観構成]
まず第1の実施の形態について説明する。
図1に、紙幣処理装置1の外観構成を示す。この紙幣処理装置1は、金融機関の職員(例えば受付窓口員)または金融機関を利用する顧客が操作する職員・顧客操作型端末であり、職員や顧客の操作に基づいて紙幣の入出金処理を行うようになっている。
【0033】
尚、ここでは、紙幣処理装置1の背面から正面(職員または顧客と対峙する面)へ向かう方向を前方向、その逆方向を後方向と定義すると共に、職員または顧客から見て右側から左側へ向かう方向を左方向、その逆方向を右方向と定義する。
【0034】
この紙幣処理装置1は、筐体2の上端部に、入金部3(
図2参照)の投入口3A、出金部4(
図2参照)の排出口4A、表示部5、及び操作部6が設けられている。
【0035】
入金部3は、職員により投入口3Aから入金紙幣が投入されると、これを1枚ずつ分離して紙幣処理装置1内に取り込んでいくようになっている。
【0036】
出金部4は、出金紙幣を集積して、これを排出口4Aから職員に取り出させるようになっている。またこの出金部4には、排出口4Aを開閉するシャッタ(図示せず)が設けられている。このシャッタは、紙幣の排出時に開くようになっている。
【0037】
表示部5は、例えば液晶ディスプレイでなり、メニュー画面、各種処理の結果画面などを表示する。操作部6は、例えばボタンでなり、紙幣処理装置1に対する操作を受け付ける。
【0038】
尚、紙幣処理装置1では、表示部5と操作部6とを別々に設けているが、例えばタッチパネル付き液晶ディスプレイなどを利用して、表示部5と操作部6とを一体に設けるようにしてもよい。
【0039】
さらにこの紙幣処理装置1は、図示していないが、ネットワークを介して金融機関の他の端末やホストコンピュータと通信でき、他の端末やホストコンピュータとの間で各種情報を送受したり、他の端末側から操作したりできるようにもなっている。
【0040】
[1−2.紙幣処理装置の内部構成]
次に、
図2を用いて、紙幣処理装置1の内部構成について説明する。
【0041】
紙幣処理装置1の筐体2内には、上述した入金部3、出金部4にくわえて、鑑別部10、一時保留部11、紙幣カセット12A〜12D、リジェクト庫付き紙幣カセット13及び搬送路14が設けられて入る。
【0042】
具体的には、筐体2内の上部に、入金部3が後側、出金部4が前側となるように、これら入金部3と出金部4とが前後方向に並べて設けられている。
【0043】
また、出金部4の前方ななめ下には、一時保留部11が設けられ、この一時保留部11より後方で、入金部3の後方ななめ下には、鑑別部10が設けられている。
【0044】
さらに、筐体2内の下部には、紙幣カセット12A〜12Dとリジェクト庫付き紙幣カセット13とが前後方向に並べて設けられている。
【0045】
尚、この紙幣処理装置1では、リジェクト庫付き紙幣カセット13が最も前側で、その後ろに、紙幣カセット12A、12B、12C、12Dの順で、紙幣カセット12A〜12Dが並べて設けられるようになっている。
【0046】
さらに、筐体2内には、これら入金部3、出金部4、鑑別部10、一時保留部11、紙幣カセット12A〜12D及びリジェクト庫付き紙幣カセット13の各部を繋ぐ搬送路14が設けられている。
【0047】
入金部3は、上面が開口している箱型の収容部3Bを有していて、この収容部3Bの開口が上述した投入口3Aとなっている。この入金部3は、入金取引時に、投入口3Aから収容部3B内に投入された入金紙幣を1枚ずつ分離して紙幣処理装置1内に取り込んでいくようになっている。
【0048】
出金部4は、上面が開口している箱型の集積部4Bを有している。この集積部4Bの開口が上述した排出口4Aとなる。この出金部4は、出金取引時に、紙幣カセット12A〜12Dなどから搬送されてくる出金紙幣を集積部4Bに集積するようになっている。
【0049】
さらにこの出金部4には、排出口4Aを開閉するシャッタ(図示せず)が設けられている。このシャッタは、出金紙幣が集積部4Bに集積された後に開くようになっていて、このシャッタが開くことで、職員が集積部4Bに集積されている出金紙幣を排出口4Aから取り出すことができるようになっている。
【0050】
これら入金部3及び出金部4は、下端部より上端部が前方に位置するよう前方に傾いた状態で固定されている。尚、これら入金部3及び出金部4については、このような固定式に限らず、例えば、前後方向の傾きを調整可能な可動式であってもよい。
【0051】
鑑別部10は、搬送路14を介して1枚ずつ搬送されてくる紙幣の金種、真偽、正損、走行状態などを鑑別するようになっている。そして、この鑑別部10は、その鑑別結果に基づいて、紙幣ごとに、取り扱うことのできる正常紙幣か取り扱うことのできないリジェクト紙幣かを判定するようになっている。
【0052】
一時保留部11は、入金部3から取り込まれて鑑別部10により正常紙幣と判定された紙幣を一時的に集積する。このようにして一時保留部11に集積された紙幣は、取引成立後に、一時保留部11から繰り出されて鑑別部10に搬送され、鑑別部10により金種が特定された後、紙幣カセット12A〜12Dに搬送され収納される。
【0053】
尚、一時保留部11は、紙幣を順次重ねて集積する集積式であってもよいし、紙幣をドラムにテープと共に巻き付けて収納するドラム式であってもよい。
【0054】
紙幣カセット12A〜12Dは、それぞれ、紙幣を金種ごとに収納可能な縦長の紙幣収納庫15A〜15Dを有し、搬送路14を介して搬送されてくる紙幣を、この紙幣収納庫15A〜15D内に上下方向に重ねて集積するようになっている。また紙幣カセット12A〜12Dは、紙幣を収納するだけでなく、紙幣収納庫15A〜15D内に集積されている紙幣を1枚ずつ搬送路14に繰り出すことができるようにもなっている。
【0055】
さらに紙幣カセット12A〜12Dは、それぞれ個別に紙幣処理装置1から着脱可能な着脱式となっている。
【0056】
尚、これら紙幣カセット12A〜12Dについて、ここでは着脱式としたが、着脱不可能な固定式であってもよい。
【0057】
リジェクト庫付き紙幣カセット13は、上側に紙幣収納庫13A、下側にリジェクト庫13Bを有している。このリジェクト庫付き紙幣カセット13も、紙幣処理装置1から着脱可能な着脱式となっている。
【0058】
このリジェクト庫付き紙幣カセット13では、例えば、紙幣回収時に、紙幣カセット12A〜12Dから繰り出された紙幣を紙幣収納庫13Aに収納する。その後、職員が、このリジェクト庫付き紙幣カセット13を紙幣処理装置1から取り外すことで紙幣を回収するようになっている。
【0059】
また紙幣補充時には、紙幣収納庫13Aに補充紙幣を収納したリジェクト庫付き紙幣カセット13を、職員が、紙幣処理装置1にセットする。その後、紙幣収納庫13Aに収納されている補充紙幣は、リジェクト庫付き紙幣カセット13から繰り出されて、鑑別部10を経由して紙幣カセット12A〜12Dに搬送され補充される。紙幣処理装置1では、このようにして紙幣の補充を行うようになっている。
【0060】
このように、リジェクト庫付き紙幣カセット13の紙幣収納庫13Aは、複数の用途に利用できるようになっている。
【0061】
またリジェクト庫付き紙幣カセットのリジェクト庫13Bは、鑑別部10によってリジェクト紙幣と判定された紙幣を集積するようになっている。
【0062】
またこの紙幣処理装置1の筐体2内には、所定箇所に、全体を制御する制御部(図示せず)が設けられている。
【0063】
紙幣処理装置1は、以上の構成でなり、制御部が、鑑別部10による紙幣の鑑別結果などをもとに各部及び搬送機構(後述する)を制御して、紙幣の入金処理及び出金処理を行うようになっている。
【0064】
すなわち、紙幣処理装置1は、入金取引時、職員により、操作部6を介して取引項目(この場合、入金)などが入力され、さらに投入口3Aから入金部3に紙幣が投入されると、投入された紙幣を1枚ずつ鑑別部10に搬送する。
【0065】
ここで、紙幣処理装置1は、鑑別部10により正常紙幣と判定された紙幣については一時保留部11に搬送して一時的に収納する。一方で、入金に適さない入金リジェクト紙幣と判定された紙幣については出金部4へ戻して、シャッタを開くことで職員に返却する。
【0066】
その後、職員により入金金額が確定されると、一時保留部11に収納している紙幣を鑑別部10に搬送して金種を鑑別し、その金種に応じて、各紙幣カセット12A〜12Dへ搬送して保管するようになっている。
【0067】
一方、出金取引時、紙幣処理装置1は、職員により操作部6を介して、取引項目(この場合、出金)、出金金額などが入力されると、要求金額に応じて必要な金種毎の紙幣枚数を認識し、この金種毎の紙幣枚数に応じて各紙幣カセット12A〜12Dから紙幣を1枚ずつ繰り出して、鑑別部10に搬送する。
【0068】
ここで、紙幣処理装置1は、鑑別部10により正常紙幣と判定された紙幣については出金部4に搬送する一方で、出金に適さない出金リジェクト紙幣と判定された紙幣については一時保留部11に搬送して一時的に収納する。
【0069】
そして、要求金額分の紙幣が出金部4へ集積されると、紙幣処理装置1は、シャッタを開ける。これにより出金部4内に集積されている紙幣の受け取りが可能な状態となり、職員がこの紙幣を受け取る。
【0070】
その後、紙幣処理装置1は、一時保留部11に収納している出金リジェクト紙幣を、リジェクト庫付き紙幣カセット13のリジェクト庫13Bへと搬送して保管する。
【0071】
このようにして、紙幣処理装置1は、紙幣の入金処理及び出金処理を行うようになっている。
【0072】
[1−3.入金部の構成]
次に、入金部3の構成について、
図3乃至
図6を用いて詳しく説明する。
【0073】
図3に示すように、入金部3は、上面が開口している箱型の収容部3Bを有している。尚、ここでは、説明を簡単にするために、収容部3Bを傾けていないが、実際には、
図2に示したように前方に傾けられている。
【0074】
この収容部3Bは、左側壁面の一部分及び右側壁面の一部分と底面を形成するベースフレーム20と、後側壁面を形成するプールガイド21と、左側壁面の残りの部分及び右側壁面の残り部分を形成する左サイドガイド22及び右サイドガイド23と、前側壁面を形成するビルプレス24とで構成される。
【0075】
ベースフレーム20は、左側壁面の一部分を形成する左フレーム20Aと、右側壁面の一部分を形成する右フレーム20Bと、底面を形成する下フレーム20Cとで構成されている。
【0076】
左フレーム20Aは、前後方向に延在する板状の下端部30と、この下端部30の前端から上方に延びる柱状の前端部31と、下端部30の後端から上方に延びる柱状の後端部32とで、全体として上側が開いたコの字型の形状をなしている。
【0077】
右フレーム20Bも同様に、前後方向に延在する板状の下端部30と、この下端部30の前端から上方に延びる柱状の前端部31と、下端部30の下端から上方に延びる柱状の後端部32とで、全体として上側が開いたコの字型の形状をなしている。
【0078】
下フレーム20は、左フレーム20Aの下端部30と右フレーム20Bの下端部30との間を繋ぐ板状の部材であり、その上面が、左フレーム20Aの下端部30の上面及び右フレーム20Bの下端部30の上面と同一平面上に位置している。
【0079】
この下フレーム20には、
図4に示すように、後端側に、左右方向に長い孔33が設けられていて、この孔33が、紙幣の取込口33となっている。
【0080】
プールガイド21は、左フレーム20Aの後端部32と右フレーム20Bの後端部32との間を塞ぐようにして下フレーム20Cの後端から上方に延びる板状の部材であり、ベースフレーム20に固定されている。
【0081】
このプールガイド21は、上面が、左フレーム20Aの上面及び右フレーム20Bの上面とほぼ同じ高さとなるように、上下方向の長さが決められている。
【0082】
また、このプールガイド21は、
図4に示すように、その前面であるガイド面21Aが、左フレーム20Aの後端部32の前面32A及び右フレーム20Bの後端部32の前面32Aとほぼ同一平面上となっていて、またこのガイド面21Aの下方に、下フレーム20の取込口33が位置するようになっている。
【0083】
左サイドガイド22は、
図5に示すように、左フレーム20Aの前端部31と後端部32との間にほぼ隙間無く収まるようにして、左フレーム20Aの下端部30の上面から、前端部31及び後端部32の上面とほぼ同じ高さまで延在する板状の部材であり、左フレーム20Aに固定されている。
【0084】
またこの左サイドガイド22には、上下方向の中央部分に厚さ方向に貫通する孔34が設けられている。この孔34は、左サイドガイド22の前端近傍から後端近傍まで延在する前後方向に長い孔34であり、詳しくは後述するが、ビルプレス24の前後方向の移動をガイドする孔34である。ゆえに、ここでは、この孔34を、ガイド孔34と呼ぶ。
【0085】
尚、この左サイドガイド22は、詳しくは後述するが、左フレーム20Aとの固定を解除して、左右方向の位置を変更できるようにもなっている。
【0086】
一方、右サイドガイド23は、
図3に示すように、右フレーム20Bの前端部31と後端部32との間にほぼ隙間無く収まるようにして、右フレーム20Bの下端部30の上面から、前端部31及び後端部32の上面とほぼ同じ高さまで延在する板状の部材であり、右フレーム20Bに固定されている。
【0087】
この右サイドガイド23にも、上下方向の中央部分に厚さ方向に貫通するガイド孔24が設けられている。
【0088】
この右サイドガイド23も、詳しくは後述するが、右フレーム20Bとの固定を解除して、左右方向の位置を変更できるようになっている。
【0089】
このように、収容部3Bは、左サイドガイド22と右サイドガイド23の左右方向の位置を変更できるようになっていて、これにより、両サイドガイド22、23の間隔を調整して、大きさの異なる紙幣に対応できるようになっている。尚、調整の手順について、詳しくは後述する。
【0090】
ビルプレス24は、
図3及び
図4に示すように、左サイドガイド22と右サイドガイド23との間にほぼ隙間無く収まるようにして、下フレーム20Cの上面から、左サイドガイド22及び右サイドガイド23の上面とほぼ同じ高さまで延在する板状の部材であり、プールガイド21と平行な状態で、前後方向に移動できるようになっている。
【0091】
このビルプレス24には、左側面24Aの上下方向の中央部分と、右側面24Bの上下方向の中央部分とに、それぞれ外側に突出する柱状の突起部35が設けられている。
【0092】
ビルプレス24の左側面24Aに設けられた突起部35は、左サイドガイド22のガイド孔34に嵌入され、右側面24Bに設けられた突起部35は、右サイドガイド23のガイド孔34に嵌入されるようになっている。
【0093】
そして、ビルプレス24は、左右の突起部35が両サイドガイド22、23のガイド孔34にガイドされるようにして、前後方向に移動できるようになっている。
【0094】
また、ビルプレス24は、左右の突起部35の前後方向の移動範囲が、両サイドガイド22、23のガイド孔3
4の前端から後端までに制限されていることにより、全体としての前後方向の移動範囲が、両サイドガイド22、23の前端から後端までに制限されている。
【0095】
尚、このビルプレス24は、詳しくは後述するが、両サイドガイド22、23の間隔を調整するのに合わせて、左右方向の幅を調整できるようにもなっている。
【0096】
入金部3は、このような構成を有していて、
図3に示すように、収容部3Bのプールガイド21、両サイドガイド22、23及びビルプレス24のそれぞれの上面により形成される開口が、紙幣の投入口3Aとなっている。
【0097】
また入金部3は、
図4に示すように、収容部3Bの下フレーム20C、プールガイド21、両サイドガイド22、23及びビルプレス24によって囲まれている領域Ar1が、投入口3Aから投入される紙幣を収容する紙幣収容領域Ar1となっている。
【0098】
ここで、実際に、紙幣を入金するときの入金部3の動作について簡単に説明する。入金部3は、紙幣投入時には、
図4に示すように、ビルプレス24が両サイドガイド22、23の前端側に位置している。このときのビルプレス24の位置を初期位置とも呼ぶ。
【0099】
このとき、収容部3Bは、ビルプレス24とプールガイド21との間隔が最大となっている。
【0100】
ここで、例えば職員により投入口3Aから紙幣BLが投入されると、この紙幣BLが、紙幣収容領域Ar1内に収容される。このとき、紙幣BLは、長辺を左右方向、短辺を上下方向に向けた姿勢で投入され、紙幣収容領域Ar1内に起立した状態で収容されるようになっている。
【0101】
すると、入金部3は、
図6に示すように、ビルプレス24をプールガイド21へと近づけるようにスライドさせる。これにより、入金部3は、紙幣BLをプールガイド21に押し付けるようにしてプールガイド21とビルプレス24との間で挟持する。
【0102】
ここで、プールガイド21は、ガイド面21Aから、図示しないピックアップローラの一部が突出するようになっている。そして、プールガイド21に押し付けられた紙幣BLは、このピックアップローラが回転することにより、1枚ずつ分離させられて下方の取込口33へと繰り出される。
【0103】
さらに、この取込口33へと繰り出された紙幣は、取込口33の下方に配置された図示しないフィードローラとゲートローラにより取込口33から紙幣処理装置1の内部へと取り込まれる。
【0104】
このようにして、入金部3は、入金される紙幣を1枚ずつ取り込んでいくようになっている。
【0105】
次に、両サイドガイド22及び23の間隔の調整について詳しく説明する。左サイドガイド22及び右サイドガイド23は、それぞれ左フレーム20A及び右フレーム20Bに固定されているが、この固定を解除して、左右方向の位置を変更することで、互いの間隔を調整できるようになっている。
【0106】
すなわち、左フレーム20A及び右フレーム20Bと、左サイドガイド22及び右サイドガイド23には、それぞれ左サイドガイド22と右サイドガイド23の間隔を調整するためのサイドガイド調整機構が設けられていて、以下、このサイドガイド調整機構について説明する。
【0107】
図7乃至
図9に示すように、左フレーム20Aの前端部31には、後面(後端部32と対向する面)31Aの上端部に、後方に突出する突起部40が形成されている。
【0108】
この突起部40は、
図9に示すように、前端部31の上面より下方に位置すると共にこの上面と平行な板状の下側突起40Aと、この下側突起40Aと直交する板状の上側突起40Bとでなり、全体として断面逆T字型の形状をなしている。
【0109】
下側突起40Aは、前端部31の後面31Aの左端から右端まで延在している。一方、上側突起40Bは、左右方向の幅が前端部31の左右方向の幅より十分薄く、下側突起40Aの上面から前端部31の上面とほぼ同じ高さまで延在している。
【0110】
この突起部40は、
図7に示すように、左フレーム20Aの後端部32の前面(前端部31と対向する面)32Aの上端部にも形成されている。
【0111】
また、この突起部40は、左フレーム20Aと同様にして右フレーム20Bにも形成されている。
【0112】
一方で、
図10に示すように、左サイドガイド22の前面(左フレーム20Aの前端部31と対向する面)22Aの上端部には、左フレーム20Aの前端部31に設けられた上側突起40Bを嵌合するための上下方向に延びる溝41が、左右方向に所定の間隔を隔てて2本形成されている。
【0113】
尚、ここでは、内側の溝41を、内側溝41Aと呼び、外側の溝41Bを、外側溝41Bと呼ぶことにする。
【0114】
これら、内側溝41A及び外側溝41Bは、左フレーム20Aの上側突起40Bに合わせた大きさでなり、その幅が、上側突起40Bの幅とほぼ等しく、その長さが、上側突起40Bの長さとほぼ等しくなっている。
【0115】
さらに、これら内側溝41A及び外側溝41Bが設けられている上端部の下には、右端近傍から左端に架けて断面コの字型の凹部42が形成されている。この凹部42は、左サイドガイド22の左側面である背面22Cまで達していて、
図8に示すように、この凹部42により背面22Cの一部がコの字型に切り欠かれている。
【0116】
さらに、左サイドガイド22には、
図10に示すように、凹部42内にアーム43が形成されている。このアーム43は、L字型の板状でなり、凹部42と直交する付根部分43Aと、凹部42と平行なアーム部分43Bとで形成されている。
【0117】
このアーム43は、付根部分43Aが凹部42の右端近傍から延びていて、この付根部分43Aに続くアーム部分43Bが凹部42の右端近傍から左方向へと延びている。そして、このアーム部分43Bの先端が、左サイドガイド22の背面22Cより外方に突出している。
【0118】
またこのアーム43は、
図10(B)に示すように、アーム部分43Bの外側面が、左サイドガイド22の前面22Aより内側に位置するように形成されている。
【0119】
さらにこのアーム43は、アーム部分43Bの所定箇所に、外側に突出する爪部43Cが形成されている。この爪部43Cは、凹部42の上面との間に一定の隙間が空くようにして形成されている。
【0120】
尚、アーム部分43Bの爪部43Cと、凹部42の上面との間の隙間は、左フレーム20Aに形成されている下側突起40Aの厚さとほぼ等しくなっている。この理由については後述する。
【0121】
くわえて、このアーム43は、弾性を有し、
図11に示すように、例えばアーム部分43Bを手で内側に押すことにより内側に曲げることができ、さらにこの手を放すことにより元の形状に戻ることができるようになっている。
【0122】
左サイドガイド22の後面22Bも、前面22Aと同様であり、その上端部に内側溝41A及び外側溝41Bが形成され、その下に凹部42とアーム43が形成されている。
【0123】
そして、この左サイドガイド22は、
図7及び
図8に示すように、左フレーム20Aの前端部31及び後端部32に設けられた下側突起40Aを、前面22A及び後面22Bに形成されたアーム43の爪部43Cと凹部42の上面との間に挟み込み、さらに左フレーム20Aの前端部31及び後端部32に設けられた上側突起40Bを、前面22A及び後面22Bに形成された内側溝41A及び外側溝41Bのどちらか一方に嵌合することで、左フレーム20Aに固定される。
【0124】
すなわち、この左サイドガイド22は、左フレーム20Aの下側突起40Aを、アーム43の爪部43Cと、その上方に位置する凹部42の上面とで挟持することで、上下方向の位置が固定されるようになっている。
【0125】
また、この左サイドガイド22は、左フレーム20Aの上側突起40Bを、内側溝41A及び外側溝41Bのどちらか一方に嵌合することで、左右方向の位置が固定されるようになっている。
【0126】
さらに、この左サイドガイド22は、上下方向の位置及び左右方向の位置の固定を自由に解除できるようになっている。
【0127】
実際、固定を解除するためには、まず、作業者が左サイドガイド22の前面22A及び後面22Bのそれぞれに形成されたアーム43の先端を手で内側に押して曲げる。
【0128】
すると、
図11に示したように、左フレーム20Aの下側突起40Aの下に位置しているアーム43の爪部43Cが、下側突起40Aの下から外れるように内側に移動することにより、左サイドガイド22の上下方向の位置の固定が解除され、左サイドガイド22が上方に移動できるようになる。
【0129】
ところで、左サイドガイド22は、
図5に示したように、ガイド孔34にビルプレス24の突起部35が挿入されている。ここで、このガイド孔34の上下方向の長さが、突起部35の上下方向の長さと同じだと、左サイドガイド22を上方に移動させようとしても、突起部35の下面がガイド孔34の下面に当接して移動できない。
【0130】
そこで、入金部3では、突起部35の下面とガイド孔34の下面との間に隙間ができるように、ガイド孔34の上下方向の長さが、突起部35の上下方向の長さより長くなっている。
【0131】
これにより、入金部3では、左サイドガイド22のガイド孔34にビルプレス24の突起部35を挿入したまま、突起部35の下面とガイド孔34の下面との間の隙間の分だけ、左サイドガイド22を上方に移動させることができるようになっている。
【0132】
そして、実際、
図12に示すように、アーム43を内側に曲げた状態で左サイドガイド22を上方に移動させると、左サイドガイド22の前面22A及び後面22Bのそれぞれに形成されている内側溝41A及び外側溝41Bが、左フレーム20Aの上側突起40Bから外れる。
【0133】
これにより、左サイドガイド22は、左右方向の位置の固定も解除され、左右方向に移動できるようになる。
【0134】
このとき、左サイドガイド22は、上下方向の位置及び左右方向の位置の固定が解除され、左右方向の位置を変更できる状態となる。
【0135】
ここで、左フレーム20Aの上側突起40Bの上方に、左サイドガイド22の内側溝41A又は外側溝41Bのどちらかが位置するように左サイドガイド22を左右方向に移動させる。
【0136】
このとき、左サイドガイド22と右サイドガイド23の間隔を広くするためには、
図7に示すように、左フレーム20Aの上側突起40Bに、左サイドガイド22の内側溝41Aを合わせるように、左サイドガイド22を移動させればよい。
【0137】
一方で、左サイドガイド22と右サイドガイド23の間隔を狭くするには、左フレーム20Aの上側突起40Bに、左サイドガイド22の外側溝41Bを合わせるように、左サイドガイド22を移動させればよい。
【0138】
このようにして、左サイドガイド22の位置を変更したら、左サイドガイド22を下方に降ろす。すると、左フレーム20Aの上側突起40Bが、左サイドガイド22の内側溝41A又は外側溝41Bに嵌合することで、左サイドガイド22の左右方向の位置が再び固定される。
【0139】
そして、最後に、内側に曲げていたアーム43を元の形状に戻すことで、左サイドガイド22の上下方向の位置も再び固定される。
【0140】
このようにして、左サイドガイド22は、左右方向の位置を変更できるようになっている。
【0141】
右サイドガイド23も、左サイドガイドと同様であり、前面23Aと後面23Bに、それぞれ内側溝41A及び外側溝41Bと、凹部42及びアーム43が形成されている。
【0142】
そして、左サイドガイド22と同様の手順で、左右方向の位置を変更できるようになっている。
【0143】
このように、入金部3では、両サイドガイド22、23の左右方向の位置を変更して、両サイドガイド22、23の間隔を調整することができるようになっている。
【0144】
そして実際、この入金部3では、
図13(A)に示すように、左フレーム20A及び右フレーム20Bに設けられた上側突起40Bを、左サイドガイド22及び右サイドガイド23の内側溝41Aに嵌合することで、左サイドガイド22と右サイドガイド23の間隔を広くすることができる。
【0145】
一方で、
図13(B)に示すように、左フレーム20A及び右フレーム20Bの上側突起40Bを、左サイドガイド22及び右サイドガイド23の外側溝41Bに嵌合すれば、左サイドガイド22と右サイドガイド23の間隔を狭くすることができる。
【0146】
このようにして、入金部3は、紙幣収容領域Ar1の横幅の長さを変更することができ、これにより大きさの異なる紙幣(すなわち長辺の長さが異なる紙幣)に対応できるようになっている。
【0147】
次に、ビルプレス24の左右の幅の調整について詳しく説明する。ビルプレス24は、左サイドガイド22と右サイドガイド23との間に位置していて、これらの間隔が調整されることに合わせて、幅を調整できるようになっている。
【0148】
すなわち、ビルプレス24には、幅を調整するための幅調整機構が設けられていて、以下、この幅調整機構について説明する。
【0149】
ビルプレス24には、
図3にくわえて、
図14に示すように、左側面24Aの上下方向の中央部分に外側に突出する柱状の突起部35が設けられていて、この突起部35が、左サイドガイド22のガイド孔34に挿入されている。
【0150】
さらに、このビルプレス24には、左端の内部に、ビルプレス24より一回り小さい板状の幅調整部50が、一部がビルプレス24の左側面24Aから突出するようにして設けられている。
【0151】
この幅調整部50は、ビルプレス24の押圧面24A側の面(すなわち後面)50Aの中央部分に、左右方向に延在する断面コの字型の溝50Bが形成されていて、この溝50Bに、突起部35が嵌入されている。
【0152】
また、この幅調整部50は、ビルプレス24に対して左右方向にスライド自在に取り付けられていて、突起部35に沿って左右方向にスライドすることにより、左側面24Aからの突出量を変更できるようになっている。
【0153】
さらに、この幅調整部50の溝50Bの上面には、その所定位置に、下方に突出する断面三角形状の爪部50Cが形成されている。
【0154】
一方で、幅調整部50の溝50Bの上面と対向する、突起部35の上面には、爪部50Cを嵌合するための凹部51が、左右方向に所定の間隔を隔てて2個形成されている。
【0155】
尚、ここでは、内側の凹部51を、内側凹部51Aと呼び、外側の凹部51を、外側凹部51Bと呼ぶことにする。
【0156】
幅調整部50は、爪部
50Cを、内側凹部51A又は外側凹部51Bに嵌合することで、ビルプレス24の左側面24Aからの突出量を固定できるようになっている。
【0157】
尚、左側面24Aからの突出量を小さくする場合には、爪部50Cを内側凹部51Aに嵌合し、突出量を大きくする場合には、外側凹部51Bに嵌合すればよい。
【0158】
また、この幅調整部50は、
図14に示すように、爪部50Cを外側凹部51Bに嵌合して突出量を大きくしたときには、右サイドガイド23との間隔を広くした状態の左サイドガイド22との隙間がほぼなくなるようになっている。
【0159】
一方で、爪部50Cを内側凹部51Aに嵌合して突出量を小さくしたときには、右サイドガイド23との間隔を狭くした状態の左サイドガイド22との隙間がほぼなくなるようになっている。
【0160】
さらに、この幅調整部50は、ビルプレス24の右側にも設けられていて、左側と同様に右側面24Bからの突出量を変更できるようになっている。
【0161】
このように、ビルプレス24は、左右に設けられている幅調整部50の左側面24A及び右側面24Bからの突出量を変更することができ、これにより左右の幅を調整できるようになっている。
【0162】
そして、実際、入金部3では、
図13(A)に示したように、左サイドガイド22と右サイドガイド23の間隔を広くするときには、これに合わせて、ビルプレス24の左右に設けられている幅調整部50の突出量を大きくしてビルプレス24の幅を広くする。
【0163】
また一方で、
図13(B)に示したように、左サイドガイド22と右サイドガイド23の間隔を狭くするときには、これに合わせて、ビルプレス24の左右に設けられている幅調整部50の突出量を小さくしてビルプレス24の幅を狭くする。
【0164】
このように、入金部3は、左サイドガイド22と右サイドガイド23の間隔を調整することに合わせて、ビルプレス24の幅も調整することができ、これにより、ビルプレス24と、左サイドガイド22及び右サイドガイド23との間に紙幣が入り込んでしまうことを防ぐようになっている。
【0165】
[1−4.効果]
以上の構成において、紙幣処理装置1では、両サイドガイド22、23の間隔を調整する場合、作業者が、まず左サイドガイド22の前面22A及び後面22Bに形成されたアーム43の先端を手で内側に押して曲げることで、左サイドガイド22の上下方向の固定が解除される。
【0166】
このとき、紙幣処理装置1は、左サイドガイド22の内側溝41A及び外側溝41Bを左フレーム20Aの上側突起40Bから外して左サイドガイド22の左右方向の位置の固定を解除できる状態となる。
【0167】
つまり、アーム43をまげて、左サイドガイド22の上下方向の固定を解除することは、左サイドガイド22の内側溝41A及び外側溝41Bを左フレーム20Aの上側突起40Bから外して左サイドガイド22の左右方向の位置の固定を解除できる状態とすることを意味する。
【0168】
ここで、実際に、作業者が、左サイドガイド22を上方に移動させ、左サイドガイド22の内側溝41A及び外側溝41bを、左フレーム20Aの上側突起40Bから外すと、左サイドガイド22の左右方向の位置の固定が解除される。
【0169】
さらに、作業者が、左フレーム20Aの上側突起40Bの上方に、左サイドガイド22の内側溝41A又は外側溝41Bのどちらかが位置するように左サイドガイド22を左右方向に移動させることで、左サイドガイド22の左右方向の位置が変更される。
【0170】
その後、左サイドガイド22を下方に降ろして、左フレーム20Aの上側突起40Bを、左サイドガイド22の内側溝41A又は外側溝41Bに嵌合することで、左サイドガイド22の左右方向の位置が再び固定される。
【0171】
そして、最後に、作業者がアーム43から手を放してアーム43を元の形状に戻すことで、左サイドガイド22の上下方向の位置が再び固定される。すなわち、アーム43は、元の形状に戻ると、左サイドガイド22の内側溝41A及び外側溝41Bが左フレーム20Aの上側突起40Bから外れないように維持するようになっている。
【0172】
紙幣処理装置1では、このようにして左サイドガイド22の左右方向の位置を変更でき、同様に、右サイドガイド23の左右方向の位置も変更することで、左サイドガイド22及び右サイドガイド23の間隔を調整できるようにした。
【0173】
このように、紙幣処理装置1では、左サイドガイド22と右サイドガイド23のアーム43を内側に曲げるだけで、これらの上下方向の固定を解除することができ、さらにこれらを上方に持ち上げて左右方向の位置を変更することでこれらの間隔を調整した後、これらを下方に降ろしてアームを元の形状に戻すだけで、これらを再び固定することができる。
【0174】
かくして、紙幣処理装置1では、別途ネジなどの固定具を必要とせず、簡易な作業で、左サイドガイド22及び右サイドガイド23の間隔を調整できると共に、これらの位置を固定できる。
【0175】
またこの紙幣処理装置1では、例えば、左サイドガイド22の前面22Aと後面22Bに設けられた2個のアーム43を内側に曲げるときに、例えば、前面22Aのアーム43を人差し指で触ると共に、後面22Bのアーム43を親指で触り、人差し指と親指を近づけるように力をくわえるだけで、両方のアーム43を一度に内側に曲げることができる。
【0176】
このように、紙幣処理装置1では、片手で簡単に左サイドガイド22の前側と後側に設けられた2個のアーム43を内側に曲げることができるようにもなっている。右サイドガイド23のアーム43についても同様にして、片手で簡単に内側に曲げることができるようになっている。
【0177】
以上の構成によれば、紙幣処理装置1は、従来と比して一段と容易に両サイドガイド22、23の位置を変更して、互い間隔を調整することができる。
【0178】
くわえて、紙幣処理装置1では、左サイドガイド22と右サイドガイド23の間に位置するビルプレス24の幅を調整する場合、作業者が、ビルプレス24の左右両端から突出する幅調整部50を左右方向に移動させることで、この幅調整部50のビルプレス24からの突出量を変更する。
【0179】
こうすることで、紙幣処理装置1では、左サイドガイド22及び右サイドガイド23の間隔を調整することに合わせて、これらとビルプレス24との間に大きな隙間ができないようにビルプレス24の幅も調整することができる。
【0180】
因みに、従来の入金部では、
図15に示すように、ビルプレス100の左右両端部分100A、100Bが切り離し可能となっていて、この左右両端部分100A、100Bを、ビルプレス100から切り離すことにより、ビルプレス100の幅を短くできるようになっていた。
【0181】
しかしながら、この場合、一度切り離してしまったら、ビルプレス100の幅を元の幅に戻すことはできず、幅を広げるには、新品のビルプレス100と交換するしかなかった。
【0182】
これに対して、本実施の形態の入金部3では、ビルプレス24の一部を切り離したりすることなく、ビルプレス24の幅を自由に調整することができるので、従来と比して、使い勝手がよく、幅の調整の自由度が高くなっている。
【0183】
[2.第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、入金部のサイドガイドとフレームの構成が第1の実施の形態とは異なる実施の形態である。ゆえに、ここでは、これらの構成についてのみ説明することとする。
【0184】
[2−1.サイドガイド及びフレームの構成]
図16及び
図17に、第2の実施の形態の左サイドガイド60と左フレーム61を示す。尚、この
図16及び
図17は、第1の実施の形態の左サイドガイド22及び左フレーム20Aと同一の部分については、同一符号を付してある。
【0185】
この第2の実施の形態の左サイドガイド60は、その前面(左フレーム61の前端部62と対向する面)60Aの上端部が、左端から右端に架けて断面L字型に切り欠かれている。
【0186】
さらに、左サイドガイド60には、この切り欠かれた部分(これを切欠部と呼ぶ)63にアーム64が形成されている。このアーム64は、L字型の板状でなり、切欠部63と直交する付根部分64Aと、この切欠部63と平行なアーム部分64Bとで形成されている。
【0187】
このアーム64は、付根部分64Aが切欠部63の右端に形成されていて、さらにこの付根部分64Aに続くアーム部分64Bが切欠部63の右端から左方向へと延びていて、アーム部分64Bの先端が、左サイドガイド60の背面60Bより外方に突出している。
【0188】
またこのアーム64は、アーム部分64Bの外側面が、左サイドガイド60の前面60Aとほぼ同一平面上となるように形成されている。
【0189】
さらにこのアーム64は、アーム部分64Bの所定箇所に、外側に突出する突起部64Cが形成されている。
【0190】
くわえて、このアーム64は、弾性を有し、
図18に示すように、アーム部分64Bを手で内側に押すことで内側に曲げることができ、さらにこの手を放すことにより元の形状に戻ることができるようになっている。
【0191】
左サイドガイド60の後面60C(
図16)も、前面60Aと同様であり、その上端部にアーム64が形成されている。
【0192】
右サイドガイド(図示せず)も、左サイドガイド60と同様であり、前面と後面の上端部に、それぞれアーム64が形成されている。
【0193】
一方、左フレーム61の前端部62には、後面62A(後端部65と対向する面)の上端部に、左サイドガイド60の前面60Aに設けられたアーム64の突起部64Cを嵌合するための上下方向に延びる溝66が、左右方向に所定の間隔を隔てて2本形成されている。
【0194】
尚、ここでは、内側の溝66を、内側溝66Aと呼び、外側の溝66を、外側溝66Bと呼ぶことにする。
【0195】
これら、内側溝66A及び外側溝66Bは、アーム64の突起部64Cに合わせた大きさでなり、その幅が、突起部64Cの幅とほぼ等しく、その長さが、突起部64Cの長さとほぼ等しくなっている。
【0196】
これら内側溝66A及び外側溝66Bは、左フレーム61の後端部65の前面(前端部62と対向する面)65A(
図16)の上端部にも設けられている。
【0197】
また、これら内側溝66A及び外側溝66Bは、左フレーム61と同様にして右フレーム(図示せず)にも設けられている。
【0198】
そして、この第2の実施の形態では、左サイドガイド60の前面60A及び後面60Cに形成されたアーム64の突起部64Cを、左フレーム61の前端部62及び後端部65に形成された内側溝66A及び外側溝66Bのどちらか一方に嵌合することで、左サイドガイド60を左フレーム61に固定するようになっている。
【0199】
また、右サイドガイド(図示せず)も、左サイドガイド60と同様にして右フレーム(図示せず)に固定するようになっている。
【0200】
さらに、この第2の実施の形態では、
図18に示すように、左サイドガイド60の前面60A及び後面60Cのそれぞれに形成されたアーム64の先端を手で内側に押して曲げることで、左サイドガイド60の左右方向の固定を解除できるようになっている。
【0201】
実際、左サイドガイド60の前面60A及び後面60Cのそれぞれに形成されたアーム64が内側に曲げられると、アーム64の突起部64Cが、左フレーム61の内側溝66A又は外側溝66Bから外れる。
【0202】
これにより、左サイドガイド60は、左右方向の固定が解除され、左右方向に移動できるようになる。
【0203】
そして、アーム64の突起部64Cが、左フレーム61の内側溝66A又は外側溝66Bのどちらかの横に位置するように左サイドガイドを左右方向に移動させて位置を変更したら、内側に曲げていたアーム64を元の形状に戻す。
【0204】
これにより、アーム64の突起部64Cが、左フレーム61の内側溝66A又は外側溝66Bに再び嵌合されて、左サイドガイド60の左右方向の位置が再び固定される。
【0205】
このようにして、左サイドガイド60は、左右方向の位置を変更できるようになっている。
【0206】
右サイドガイドも、左サイドガイド60と同様の手順で、左右方向の位置を変更できるようになっている。
【0207】
この第2の実施の形態では、このようにして左サイドガイド60及び右サイドガイドの左右方向の位置を変更し、左サイドガイド60と右サイドガイドの間隔を調整することができるようになっている。
【0208】
このように、この第2の実施の形態では、第1の実施の形態とは異なり、左サイドガイド60及び右サイドガイドを上方に移動させることなく、左サイドガイド60と右サイドガイドの間隔を調整できるようになっている。
【0209】
すなわち、この第2の実施の形態では、左サイドガイド60と右サイドガイドのアーム64を内側に曲げるだけで、これらの左右方向の固定を解除することができ、さらにこれらを左右方向に移動させて間隔を調整した後、アーム64を元の形状に戻すだけで、これらを再び固定することができる。
【0210】
かくして、この第2の実施の形態でも、別途ネジなどの固定具を必要とせず、簡易な作業で、左サイドガイド60及び右サイドガイドの位置を変更して固定できる。
【0211】
また、この第2の実施の形態の場合、左右方向の固定を解除するだけでよいので、第1の実施の形態と比して、一段と簡易な作業で、左サイドガイド60及び右サイドガイドの間隔を調整できるとも言える。
【0212】
尚、左サイドガイド60及び右サイドガイドは、第1の実施の形態と同様、
図16に示すように、ガイド孔34に、ビルプレス24の突起部35が挿入されている。
【0213】
ただし、この第2の実施の形態では、左サイドガイド60及び右サイドガイドを上方に移動させる必要がないため、ビルプレス24の突起部35の下面と、左サイドガイド60及び右サイドガイドのガイド孔34の下面との間に隙間を設けなくてよく、その分、ビルプレス24が、左サイドガイド60及び右サイドガイドに対して上下方向にぐらつくことなく、スムーズに前後方向に移動できるようになっている。
【0214】
[3.他の実施の形態]
[3−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1の実施の形態では、ベースフレーム20とプールガイド21を別体としたが、ベースフレーム20とプールガイド21を一体としてもよい。
【0215】
また、
図19に示すように、左サイドガイド22の後面22Bに断面略三角形状の突起部70を設けると共に、この後面22Bに対向する左フレーム20Aの後端部32の前面32Aと、プールガイド21のガイド面21(
図19では後端部32の奥側に存在するので省略)の左端部とに、この突起部70に合わせた形状の凹部71を形成するようにして、左サイドガイド22と、左フレーム20Aの後端部32及びプールガイド21の左端部とを入れ子構造としてもよい。
【0216】
この場合、同様にして、右サイドガイド23と、右フレーム20Bの後端部32及びプールガイド21の右端部も入れ子構造とする。
【0217】
尚、左フレーム20A及び右フレーム20Bとプールガイド21に形成される凹部71は、左右方向に延在するようになっていて、これにより、左サイドガイド22及び右サイドガイド23の左右方向の位置を変更するときに、これらと干渉しないようになっている。
【0218】
またこの凹部71は、左サイドガイド22及び右サイドガイド23の突起部70の下端と、凹部71の下端との間に一定の隙間が設けられるように、突起部70よりも上下方向の長さが長くなるように形成されている。
【0219】
これは、左サイドガイド22及び右サイドガイド23を上方に移動させるときに、これらと干渉しないようにするためである。
【0220】
またこれら突起部70と凹部71は、上下方向に複数設けるようにしてもよい。また両サイドガイド22、23側に凹部71を設け、右フレーム20Bの後端部32及びプールガイド21の右端部に突起部70を設けるようにして、互いの入れ子の関係を逆にしてもよい。
【0221】
また、ここでは、両サイドガイド22、23と、左フレーム20A及び右フレーム20Bの後端部32とを入れ子構造としたが、同様にして両サイドガイド22、23と左フレーム20A及び右フレーム20Bの前端部31とを入れ子構造としてもよい。
【0222】
[3−2.他の実施の形態2]
また、上述した第1の実施の形態では、左フレーム20Aの前端部31及び後端部32に、左サイドガイド22の左右方向の位置を固定するための溝41(内側溝41A及び外側溝41B)を左右方向に2個設けるようにした。
【0223】
これに限らず、この溝41を左右方向に3個以上設けるようにしてもよい。このように、溝41の数を多くすれば、その分、左サイドガイド22の調整を一段と細かく行うことができるようになる。
【0224】
同様にして、左フレーム20Aの前端部31及び後端部32に設けられた溝41についても、3個以上設けるようにしてもよい。
【0225】
さらに、第2の実施の形態についても同様であり、左フレーム61及び右フレームの前端部62及び後端部65に設けられた溝66を、2個ではなく3個以上設けるようにしてもよい。
【0226】
[3−3.他の実施の形態3]
さらに、上述した第1の実施の形態では、両サイドガイド22、23に、内側溝41A及び外側溝41を設け、左フレーム20A及び右フレーム20Bに、これら内側溝41A及び外側溝41と嵌合する上側突起40Bを設けるようにした。
【0227】
これに限らず、左フレーム20A及び右フレーム20Bに、内側溝41A及び外側溝41を設け、両サイドガイド22、23に、これら内側溝41A及び外側溝41と嵌合する上側突起40Bを設けるようにしてもよい。
【0228】
[3−4.他の実施の形態4]
さらに、上述した第1の実施の形態では、両サイドガイド22、23の位置を変更することで、両サイドガイド22、23の間隔を調整するようにした。
【0229】
これに限らず、例えば、両サイドガイド22、23のうちの例えば左サイドガイド22のみを、位置の変更が可能なサイドガイドとし、左サイドガイド22の位置のみを変更することで、両サイドガイド22、23の間隔を調整するなどしてもよい。
【0230】
[3−5.他の実施の形態5]
さらに、上述した第1及び第2の実施の形態では、弾性変形可能な係合部の具体的な例として、アーム43及び63を用いるようにしたが、これらと同様に機能するものであれば、これらアーム43及び63とは異なる構成のものを係合部として用いるようにしてもよい。
【0231】
さらに、上述した第1の実施の形態では、左フレーム20A及び右フレーム20Bと係合することで両サイドガイド22、23の左右方向の位置を固定する第1の係合部の具体的な例として、内側溝41A及び外側溝41を用いるようにしたが、これらと同様に機能するものであれば、内側溝41A及び外側溝41とは異なる構成のものを第1の係合部として用いるようにしてもよい。
【0232】
さらに、上述した第1の実施の形態では、左フレーム20A及び右フレーム20Bと係合することでこれらと両サイドガイド22、23との係合を維持する第2の係合部の具体的な例として、アーム43を用いるようにしたが、同様に機能するものであれば、アーム43とは異なる構成のものを第2の係合部として用いるようにしてもよい。
【0233】
さらに、上述した第1の実施の形態では、媒体を押圧する媒体プレス部の具体的な例として、ビルプレス24を用いるようにしたが、同様に機能するものであれば、ビルプレス24とは異なる構成のものを媒体プレス部として用いるようにしてもよい。
【0234】
さらに、上述した第1の実施の形態では、一端側のガイド及び他端側のガイドの具体的な例として、左サイドガイド22及び右サイドガイド23を用いるようにしたが、これに限らず、これらと同様に機能するものであれば、これら左サイドガイド22及び右サイドガイド23とは異なる構成のものを一端側のガイド及び他端側のガイドとして用いるようにしてもよい。
【0235】
[3−6.他の実施の形態6]
さらに、上述した第1の実施の形態では、ビルプレス24の幅を調整するための機構として、ビルプレス24の左側面24A及び右側面24Bから突出すると共に突出量を調整可能な幅調整部50を用いるようにした。
【0236】
これに限らず、ビルプレス24の幅を調整できる機構であれば、幅調整部50とは異なる機構を用いるようにしてもよい。
【0237】
[3−7.他の実施の形態7]
さらに、上述した実施の形態では、本発明を、職員が操作する職員操作型端末としての紙幣処理装置1に適用したが、本発明は、これに限らず、入金部3のように、媒体を収容する収容部(収容部3B)とガイド(サイドガイド22、23)を有する装置であれば、例えば、ATMなど、種々の装置に適用することができる。
【0238】
また、上述した実施の形態では、本発明を、紙幣を扱う紙幣処理装置1に適用したが、これに限らず、紙、切符など、紙幣以外の媒体を処理する媒体処理装置であっても、入金部3と同様に機能する機構を有する媒体処理装置であれば、適用することができる。
【0239】
[3−8.他の実施の形態8]
さらに、本発明は、上述した実施の形態と、上述した他の実施の形態とに限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と上述した他の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。