特許第6024497号(P6024497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 船井電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6024497-表示装置 図000002
  • 特許6024497-表示装置 図000003
  • 特許6024497-表示装置 図000004
  • 特許6024497-表示装置 図000005
  • 特許6024497-表示装置 図000006
  • 特許6024497-表示装置 図000007
  • 特許6024497-表示装置 図000008
  • 特許6024497-表示装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6024497
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20161107BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20161107BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20161107BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   G02F1/1333
   G02F1/13357
   F21S2/00 484
   G09F9/00 336F
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-20218(P2013-20218)
(22)【出願日】2013年2月5日
(65)【公開番号】特開2014-153393(P2014-153393A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】田辺 稚宝
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−322645(JP,A)
【文献】 特開2011−34042(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/67995(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/2279(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1333
G02F1/1335−1/13363
F21S2/00
G09F/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の背面側に配置され、前記表示部に光を照射する光源と、
前記光源を背面側から支持する背面側支持部材と、
前記光源からの光を前記表示部側に反射する反射シートとを備え、
前記反射シートは、前記背面側支持部材の表面上に配置される矩形状の底面部と、前記矩形状の底面部を取り囲むように配置される側面部とを含むように折り曲げられているとともに、前記反射シートの隅部には、前記側面部を第1側面部と第2側面部とに分離する分離部が形成されており、
前記第1側面部および前記第2側面部の前記分離部側の端辺には、それぞれ、前記第2側面部側および前記第1側面部側に突出して延びる第1突出部および第2突出部が形成されており、
前記第1突出部および前記第2突出部は、前記反射シートが前記底面部と前記側面部とを含むように折り曲げられた状態で、それぞれ、前記第2側面部および前記第1側面部の前記分離部側の端部近傍に対して背面側からオーバーラップするように配置されている、表示装置。
【請求項2】
前記第1突出部は、前記第1側面部の前記分離部側の端辺の中央部近傍に配置されているとともに、前記第2突出部は、前記第2側面部の前記分離部側の端辺の前記第1突出部に対応する位置以外の位置に配置されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1側面部の前記分離部側の端辺の長さAと、前記分離部の前記底面部側の端部から前記第1突出部の前記底面部とは反対側の端部までの前記端辺に沿った方向の長さBとは、下記の式(1)を満たすように設定されている、請求項2に記載の表示装置。
(1/3)×A≦B≦(2/3)×A …(1)
【請求項4】
前記長さAと前記長さBとは、下記の式(2)を満たすように設定されている、請求項3に記載の表示装置。
(1/2)×A≦B≦(2/3)×A …(2)
【請求項5】
前記底面部は、長辺および短辺を有する長方形形状を有し、
前記第1突出部を有する前記第1側面部は、前記底面部の短辺側に配置されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1突出部および前記第2突出部は、それぞれ、前記第1側面部および前記第2側面部の前記分離部側の端辺に沿った方向に延びるように形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記底面部と、前記第1突出部を有する前記第1側面部と、前記第2突出部を有する前記第2側面部とを含む前記反射シートは、平板状に展開された状態で互いにオーバーラップする部分を含まないように形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置に関し、特に、光源からの光を表示部側に反射する反射シートを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源からの光を表示部側に反射する反射シートを備えた表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、光源からの光を液晶セル(表示部)側に反射する凹形状(平面視において矩形状)のシート体(反射シート)を備えた直下型バックライト装置(表示装置)が開示されている。この表示装置では、シート体は、矩形状の底面部と、矩形状の底面部の4辺を取り囲むように配置される4つの側面部とを含むように折り曲げられている。具体的には、シート体が平板状に展開された状態で、シート体の隅部(4つの側面部の境界部分)には、スリットが形成されている。そして、このスリットを介して隣接する2つの側面部の端辺同士が接触するようにシート体が折り曲げられることにより、シート体が凹形状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−49846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された直下型バックライト装置(表示装置)では、シート体(反射シート)の隅部(4つの側面部の境界部分)にスリットが形成されているため、スリットを介して隣接する2つの側面部の端辺同士が接触するようにシート体が折り曲げられていても、その接触部分(2つの側面部の境界部分)に隙間が生じやすい。このため、光源からの光がシート体の隅部の隙間を介して漏れやすくなるとともに、シート体の隅部の隙間が広がってシート体の全体的な形状が崩れやすくなるため、光の反射効率が低下して、表示画面の輝度が低下する場合がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、表示画面の輝度が低下するのを抑制することが可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による表示装置は、表示部と、表示部の背面側に配置され、表示部に光を照射する光源と、光源を背面側から支持する背面側支持部材と、光源からの光を表示部側に反射する反射シートとを備え、反射シートは、背面側支持部材の表面上に配置される矩形状の底面部と、矩形状の底面部を取り囲むように配置される側面部とを含むように折り曲げられているとともに、反射シートの隅部には、側面部を第1側面部と第2側面部とに分離する分離部が形成されており、第1側面部および第2側面部の分離部側の端辺には、それぞれ、第2側面部側および第1側面部側に突出して延びる第1突出部および第2突出部が形成されており、第1突出部および第2突出部は、反射シートが底面部と側面部とを含むように折り曲げられた状態で、それぞれ、第2側面部および第1側面部の分離部側の端部近傍に対して背面側からオーバーラップするように配置されている。
【0008】
この発明の一の局面による表示装置では、上記のように構成することによって、第1側面部と第2側面部とが分離部により分離されていることに起因して生じる反射シートの隅部(第1側面部および第2側面部の境界部分)の隙間が、第1突出部および第2突出部によって覆われるので、反射シートの隅部に照射される光が漏れるのを抑制することができる。また、第1側面部および第2側面部の分離部側の端辺近傍が、それぞれ、第2突出部および第1突出部により背面側から支持されるので、第1側面部および第2側面部が撓むのを抑制することができる。これにより、第1側面部および第2側面部が撓むことに起因して第1側面部および第2側面部の境界部分の隙間が広がって反射シートの全体的な形状が崩れるのを抑制することができる。これらの結果、光の反射効率が低下するのを抑制することができるので、表示画面の輝度が低下するのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第1突出部は、第1側面部の分離部側の端辺の中央部近傍に配置されているとともに、第2突出部は、第2側面部の分離部側の端辺の第1突出部に対応する位置以外の位置に配置されている。このように構成すれば、第1側面部の分離部側の端辺の中央部近傍に配置された第1突出部によって、第2側面部の分離部側の端辺近傍を背面側から安定して支持することができるので、第2側面部が撓んで反射シートの全体的な形状が崩れるのをより抑制することができる。また、第2側面部の分離部側の端辺の第1突出部に対応する位置以外の位置に第2突出部を配置することによって、反射シートを折り曲げる際に第1突出部と第2突出部とが干渉するのを抑制することができるので、これによっても、反射シートの全体的な形状が崩れるのをより抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、第1側面部の分離部側の端辺の長さAと、分離部の底面部側の端部から第1突出部の底面部とは反対側の端部までの端辺に沿った方向の長さBとは、下記の式(1)を満たすように設定されている。
(1/3)×A≦B≦(2/3)×A …(1)
このように長さAと長さBとを設定すれば、第1突出部によって、第2側面部の分離部側の端辺の中央部近傍を背面側から確実に支持することができるので、第2側面部が撓んで反射シートの全体的な形状が崩れるのを確実に抑制することができる。
【0011】
上記長さAと長さBとが式(1)を満たす表示装置において、好ましくは、長さAと長さBとは、下記の式(2)を満たすように設定されている。
(1/2)×A≦B≦(2/3)×A …(2)
このように長さAと長さBとを設定すれば、第1突出部によって、第2側面部の分離部側の端辺の中央部近傍を背面側からより確実に支持することができるので、第2側面部が撓んで反射シートの全体的な形状が崩れるのをより確実に抑制することができる。
【0012】
上記第1突出部が第1側面部の分離部側の端辺の中央部近傍に配置された表示装置において、好ましくは、底面部は、長辺および短辺を有する長方形形状を有し、第1突出部を有する第1側面部は、底面部の短辺側に配置されている。このように構成すれば、第1側面部および第2側面部のうちの撓みやすい方(底面部の長辺側に配置された第2側面部)の分離部側の端辺の中央部近傍を、第1側面部および第2側面部のうちの撓みにくい方(底面部の短辺側に配置された第1側面部)に形成された第1突出部によって背面側から安定して支持することができるので、第2側面部が撓んで反射シートの全体的な形状が崩れるのを容易に抑制することができる。
【0013】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第1突出部および第2突出部は、それぞれ、第1側面部および第2側面部の分離部側の端辺に沿った方向に延びるように形成されている。このように構成すれば、第1側面部および第2側面部の分離部側の端辺に沿った方向に延びる第1突出部および第2突出部によって、第2側面部および第1側面部のそれぞれの分離部側の端辺近傍を背面側から支持する面積を大きくすることができるので、第1側面部および第2側面部が撓んで反射シートの全体的な形状が崩れるのを効果的に抑制することができる。
【0014】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、底面部と、第1突出部を有する第1側面部と、第2突出部を有する第2側面部とを含む反射シートは、平板状に展開された状態で互いにオーバーラップする部分を含まないように形成されている。このように構成すれば、光反射性を有する1枚の大きなシートを打ち抜くことによって、底面部と、第1突出部を有する第1側面部と、第2突出部を有する第2側面部とを含む反射シートを容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、表示画面の輝度が低下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の全体構成を示した斜視図である。
図2図1に示した液晶テレビジョン装置の背面図である。
図3図2の50−50線に沿った模式的な断面図である。
図4】本発明の一実施形態によるリアフレーム、ヒートシンク、LED基板、反射シートおよび拡散レンズを示した分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による反射シートが平板状に展開された状態を示した展開図である。
図6図5に示した反射シートのスリット近傍の部分を拡大して示した拡大図である。
図7】本発明の一実施形態による反射シートの長手側側面部の背面に第1突出部を押し込む前の状態を示した拡大斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による反射シートの長手側側面部の背面に第1突出部を押し込んだ後の状態を示した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
まず、図1図8を参照して、本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100の構成について説明する。なお、液晶テレビジョン装置100は、本発明の「表示装置」の一例である。
【0019】
図1および図2に示すように、液晶テレビジョン装置100は、映像が表示される液晶セルからなる表示部1と、表示部1を正面側(矢印Y1方向側)から支持する樹脂製の前部筐体2と、液晶テレビジョン装置100を下方(矢印Z2方向側)から支持する樹脂製のスタンド部材3とを備える。前部筐体2は、正面から見て(矢印Y1方向側から見て)矩形形状の外形を有する枠状に形成されている。具体的には、前部筐体2の中央部近傍には、表示部1を露出させるための矩形形状の開口部2aが設けられている。また、図3に示すように、前部筐体2は、前方(矢印Y1方向)に窪む凹形状に形成されている。
【0020】
また、図2および図3に示すように、液晶テレビジョン装置100は、表示部1を背面側(矢印Y2方向側)から支持する板金製のリアフレーム4を備える。このリアフレーム4は、前部筐体2の背面側に嵌り込む矩形形状の外形を有する。また、リアフレーム4は、後方(矢印Y2方向)に窪む凹形状に形成されている。なお、リアフレーム4は、ネジ部材(図示せず)によって前部筐体2に固定されている。また、リアフレーム4の背面側には、リアフレーム4よりも小さい矩形形状を有する樹脂製のカバー部材5が配置されている。カバー部材5は、リアフレーム4の背面に配置される電源基板や信号処理基板などの種々の基板(図示せず)を覆うように設けられている。また、カバー部材5は、ネジ部材(図示せず)によってリアフレーム4に固定されている。これらリアフレーム4およびカバー部材5によって、前部筐体2に対応する後部筐体が構成されている。なお、リアフレーム4は、本発明の「背面側支持部材」の一例である。
【0021】
図3に示すように、リアフレーム4の表面(矢印Y1方向側の面)には、左右方向(X方向)に延びる板金製のヒートシンク6が、上下方向(Z方向)に間隔を隔てて3つ配置されている。これら3つのヒートシンク6の表面には、それぞれ、表示部1に背面側(矢印Y2方向側)から光を照射する光源7が実装された3つの基板8が配置されている。なお、光源7は、LED(Light Emitting Diode)などにより構成されている。また、図4に示すように、光源7は、各基板8の表面に、各基板8の延びる方向(X方向)に沿って間隔を隔てて複数実装されている。
【0022】
また、図3および図4に示すように、基板8の複数の光源7が実装された側の表面(矢印Y1方向側の面)には、複数の光源7をそれぞれ覆う複数の拡散レンズ9が取り付けられている。この拡散レンズ9は、アクリルなどの樹脂により構成されており、光源7からの出射光を表示部1側に拡散する機能(図3の矢印付きの点線参照)を有する。なお、図3に示すように、拡散レンズ9の底面の中央部近傍(基板8の表面の光源7に対応する位置)には、凹部9aが設けられている。また、拡散レンズ9には、拡散レンズ9の底面から基板8側に延びる柱状のボス9bが設けられており、このボス9bが基板8の表面に接着されることにより、拡散レンズ9が基板8の表面の光源7に対応する位置に取り付けられている。
【0023】
また、図3および図4に示すように、基板8と拡散レンズ9との間には、光源7からの光を表示部1側に反射する反射シート10が配置されている。この反射シート10は、基板8の表面上に配置された状態で、リアフレーム4に沿った形状(矢印Y2方向側に窪む凹形状)を有する。また、反射シート10と表示部1との間には、拡散レンズ9により拡散された光を表示部1側にさらに拡散する拡散板などの種々の光学部材(図示せず)が配置されている。
【0024】
ここで、本実施形態では、図4図8に示すように、反射シート10は、光反射性を有する1枚の樹脂製のシートが折り曲げられることにより構成されている。具体的には、反射シート10は、リアフレーム4の表面(矢印Y1方向側の面)上に配置される矩形状の底面部11と、矩形状の底面部11の4辺を取り囲むように配置される4つの側面部(一対の短辺側側面部12および一対の長辺側側面部13)とを含むように折り曲げられている。なお、図4および図5に示すように、反射シート10の底面部11には、3つの基板8の表面上に実装された複数の光源7(拡散レンズ9)にそれぞれ対応する複数の穴部10aが上下方向(Z方向)および左右方向(X方向)に間隔を隔てて3行のマトリクス状に形成されている。
【0025】
図5に示すように、底面部11は、リアフレーム4の長手方向(X方向)に沿って延びる長方形形状を有する。また、一対の短辺側側面部12は、底面部11の一対の端辺(左右方向(X方向)の両側で上下方向(Z方向)に延びる一対の辺)にそれぞれ接続されるとともに、一対の長辺側側面部13は、底面部11の一対の長辺(上下方向(Z方向)の両側で左右方向(X方向)に延びる一対の辺)にそれぞれ接続されている。また、底面部11と短辺側側面部12との境界部分、および、底面部11と長辺側側面部13との境界部分には、それぞれ、形成時の開口が閉じられた光を通過させないミシン目14aが形成されている。このミシン目14aは、反射シート10を折り曲げやすくするために設けられている。
【0026】
ここで、図5および図6に示すように、短辺側側面部12と長辺側側面部13とは、反射シート10の隅部(4隅)に設けられた分離部15により反射シート10の側面部が分離されることにより構成されている。そして、短辺側側面部12および長辺側側面部13の分離部15側の端辺12aおよび13aには、それぞれ、長辺側側面部13および短辺側側面部12側に突出して延びる第1突出部12bおよび第2突出部13bが一体的に形成されている。なお、短辺側側面部12および長辺側側面部13は、それぞれ、本発明の「第1側面部」および「第2側面部」の一例である。
【0027】
図5および図6に示すように、第1突出部12bおよび第2突出部13bは、それぞれ、短辺側側面部12および長辺側側面部13の分離部15側の端辺12aおよび13aに沿った方向に延びるように形成されている。具体的には、第1突出部12bおよび第2突出部13bは、それぞれ、短辺側側面部12および長辺側側面部13の分離部15側の端辺12aおよび13aに沿った方向に延びる四角形形状を有する。第1突出部12bは、短辺側側面部12の分離部15側の端辺12aの中央部近傍に配置されている。また、第2突出部13bは、長辺側側面部13の分離部15側の端辺13aの第1突出部12bに対応する位置以外の位置(端辺13aの底面部11とは反対側の端部近傍)に配置されている。なお、第1突出部12bと短辺側側面部12との境界部分、および、第2突出部13bと長辺側側面部13との境界部分には、それぞれ、形成時の開口が閉じられた光を通過させないミシン目14bが形成されている。
【0028】
ここで、本実施形態では、図6に示すように、短辺側側面部12の分離部15側の端辺12aの長さAと、分離部15の底面部11側の端部から第1突出部12bの底面部11とは反対側の端部までの端辺12aに沿った方向の長さBとは、下記の式(1)および(2)を満たすように設定されている。なお、図6は、長さAと長さBとが、(1/2)×A<B<(2/3)×Aという関係式を満たすことによって、下記の(1)および(2)の両方を満たしている場合を示した図面である。
(1/3)×A≦B≦(2/3)×A …(1)
(1/2)×A≦B≦(2/3)×A …(2)
【0029】
また、本実施形態では、図7および図8に示すように、短辺側側面部12の第1突出部12bが長辺側側面部13の表面側(内側)に配置されるとともに、長辺側側面部13の第2突出部13bが短辺側側面部12の背面側(外側)に配置された状態(図7参照)で、反射シート10がリアフレーム4(図4参照)の表面上に配置された後に、表面側に配置された第1突出部12bが長辺側側面部13の背面側に入り込むように押し込まれることにより、第1突出部12bおよび第2突出部13bがそれぞれ長辺側側面部13および短辺側側面部12に対して背面側からオーバーラップする(図8参照)ように配置されている。すなわち、本実施形態では、図8に示すように、第1突出部12bおよび第2突出部13bは、反射シート10が底面部11と側面部(短辺側側面部12および長辺側側面部13)とを含むように折り曲げられた状態(反射シート10がリアフレーム4に沿った凹形状に形成された状態:図4参照)で、それぞれ、長辺側側面部13および短辺側側面部12の分離部15側の端辺12aおよび13a近傍に対して背面側からオーバーラップするように配置されている。
【0030】
なお、図4図8に示すように、短辺側側面部12および長辺側側面部13の各々の底面部11とは反対側の外周部には、リアフレーム4の外周部に取り付けられる耳部16が形成されている。また、耳部16と短辺側側面部12および長辺側側面部13との境界部分には、それぞれ、耳部16を短辺側側面部12および長辺側側面部13に対して外側に折り曲げるためのミシン目14cが形成されている。このミシン目14cも、上記ミシン目14aおよび14bと同様に、形成時の開口が閉じられることにより光を通過させないように構成されている。
【0031】
次に、図4図7および図8を参照して、本発明の一実施形態による反射シート10をリアフレーム4に沿った凹形状に形成する手順について説明する。
【0032】
まず、図7に示すように、反射シート10の底面部11と側面部(短辺側側面部12および長辺側側面部13)とをミシン目14aに沿って折り曲げることにより、短辺側側面部12の第1突出部12bを長辺側側面部13の表面側に配置するとともに、長辺側側面部13の第2突出部13bを短辺側側面部12の背面側に配置した状態で、短辺側側面部12の端辺12aと長辺側側面部13の端辺13aとを互いに接触させる。
【0033】
そして、上記のように折り曲げた反射シート10(図7参照)をリアフレーム4(図4参照)の表面上に配置した後に、表面側に配置された第1突出部12bを長辺側側面部13の背面に入り込むように押し込む。これにより、図8に示すように、第1突出部12bおよび第2突出部13bが、それぞれ、長辺側側面部13および短辺側側面部12に対して背面側からオーバーラップするように配置された状態で、反射シート10がリアフレーム4(図4参照)に沿った凹形状に形成される。
【0034】
本実施形態では、上記のように、短辺側側面部12および長辺側側面部13の分離部15側の端辺12aおよび13aに、それぞれ、長辺側側面部13側および短辺側側面部12側に突出して延びる第1突出部12bおよび第2突出部13bを形成し、第1突出部12bおよび第2突出部13bを、反射シート10が底面部11と側面部(短辺側側面部12および長辺側側面部13)とを含むように折り曲げられた状態(反射シート10がリアフレーム4に沿った凹形状に形成された状態:図4参照)で、それぞれ、長辺側側面部13および短辺側側面部12の分離部15側の端部近傍に対して背面側からオーバーラップするように配置する。これにより、短辺側側面部12と長辺側側面部13とが分離部15により分離されていることに起因して生じる反射シート10の隅部(短辺側側面部12および長辺側側面部13の境界部分)の隙間が、第1突出部12bおよび第2突出部13bによって覆われるので、反射シート10の隅部に照射される光が漏れるのを抑制することができる。また、短辺側側面部12および長辺側側面部13の分離部15側の端辺12aおよび13a近傍が、それぞれ、第2突出部13bおよび第1突出部12bにより背面側から支持されるので、短辺側側面部12および長辺側側面部13が撓むのを抑制することができる。これにより、短辺側側面部12および長辺側側面部13が撓むことに起因して短辺側側面部12および長辺側側面部13の境界部分の隙間が広がって反射シート10の全体的な形状が崩れるのを抑制することができる。これらの結果、光の反射効率が低下するのを抑制することができるので、表示画面の輝度が低下するのを抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態では、上記のように、第1突出部12bを、短辺側側面部12の分離部15側の端辺12aの中央部近傍に配置するとともに、第2突出部13bを、長辺側側面部13の分離部15側の端辺13aの第1突出部12bに対応する位置以外の位置(端辺13aの底面部11とは反対側の端部近傍)に配置する。これにより、短辺側側面部12の分離部15側の端辺12aの中央部近傍に配置された第1突出部12bによって、長辺側側面部13の分離部15側の端辺13a近傍を背面側から安定して支持することができるので、長辺側側面部13が撓んで反射シート10の全体的な形状が崩れるのをより抑制することができる。すなわち、短辺側側面部12および長辺側側面部13のうちの撓みやすい方(底面部11の長辺側に配置された長辺側側面部13)の分離部15側の端辺13aの中央部近傍を、短辺側側面部12および長辺側側面部13のうちの撓みにくい方(底面部11の短辺側に配置された短辺側側面部12)に形成された第1突出部12bによって背面側から安定して支持することができるので、長辺側側面部13が撓んで反射シート10の全体的な形状が崩れるのを容易に抑制することができる。また、長辺側側面部13の分離部15側の端辺13aの第1突出部12bに対応する位置以外の位置に第2突出部13bを配置することによって、反射シート10を折り曲げる際に第1突出部12bと第2突出部13bとが干渉するのを抑制することができるので、これによっても、反射シート10の全体的な形状が崩れるのを抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態では、上記のように、短辺側側面部12の分離部15側の端辺12aの長さA(図6参照)と、分離部15の底面部11側の端部から第1突出部12bの底面部11とは反対側の端部までの端辺12aに沿った方向の長さB(図6参照)とを、下記の式(1)および(2)を満たすように設定する。なお、図6は、長さAと長さBとが、(1/2)×A<B<(2/3)×Aという関係式を満たすことによって、下記の(1)および(2)の両方を満たしている場合を示した図面である。
(1/3)×A≦B≦(2/3)×A …(1)
(1/2)×A≦B≦(2/3)×A …(2)
このように長さAと長さBとを設定すれば、第1突出部12bによって、長辺側側面部13の分離部15側の端辺13aの中央部近傍を背面側から確実に支持することができるので、長辺側側面部13が撓んで反射シート10の全体的な形状が崩れるのを確実に抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態では、上記のように、第1突出部12bおよび第2突出部13bを、それぞれ、短辺側側面部12および長辺側側面部13の分離部15側の端辺12aおよび13aに沿った方向に延びるように形成する。これにより、短辺側側面部12および長辺側側面部13の分離部15側の端辺12aおよび13aに沿った方向に延びる第1突出部12bおよび第2突出部13bによって、長辺側側面部13および短辺側側面部12のそれぞれの分離部15側の端辺12aおよび13a近傍を背面側から支持する面積を大きくすることができるので、短辺側側面部12および長辺側側面部13が撓んで反射シート10の全体的な形状が崩れるのを効果的に抑制することができる。
【0038】
また、本実施形態では、上記のように、底面部11と、第1突出部12bを有する短辺側側面部12と、第2突出部13bを有する長辺側側面部13とを含む反射シート10を、平板状に展開された状態(図5参照)で互いにオーバーラップする部分を含まないように形成する。これにより、光反射性を有する1枚の大きな樹脂製のシートを打ち抜くことによって、底面部11と、第1突出部12bを有する短辺側側面部12と、第2突出部13bを有する長辺側側面部13とを含む反射シート10を容易に形成することができる。
【0039】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0040】
たとえば、上記実施形態では、本発明の表示装置の一例として液晶テレビジョン装置を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、液晶テレビジョン装置以外にも、PC(Personal Computer)用のディスプレイ装置などの一般的な表示装置に適用可能である。
【0041】
また、上記実施形態では、第1突出部および第2突出部が短辺側側面部(第1側面部)および長辺側側面部(第2側面部)にそれぞれ1つずつ形成された例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、第1突出部が短辺側側面部に2つ以上形成されていてもよいし、第2突出部が長辺側側面部に2つ以上形成されていてもよい。この場合、2つ以上の第1突出部と2つ以上の第2突出部とが互いに干渉するのを回避するために、第1側面部の端辺における第1突出部の位置と、第2側面部の端辺における第2突出部の位置とを互いに異ならせるのが好ましい。
【0042】
また、上記実施形態では、短辺側側面部(第1側面部)の分離部側の端辺の中央部近傍に第1突出部が形成されるとともに、長辺側側面部(第2側面部)の分離部側の端辺の底面部とは反対側の端部近傍に第2突出部が形成された例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、長辺側側面部の分離部側の端辺の第1突出部に対応する位置以外の位置に第2突出部が形成されていれば、長辺側側面部の分離部側の端辺の底面部側の端部近傍に第2突出部を形成してもよい。また、本発明では、第1側面部の端辺における第1突出部の位置と、第2側面部の端辺における第2突出部の位置とを、上記実施形態において示した例と入れ替えてもよい。すなわち、短辺側側面部(第1側面部)の分離部側の端辺の底面部とは反対側の端部近傍に第1突出部を形成するとともに、長辺側側面部(第2側面部)の分離部側の端辺の中央部近傍に第2突出部を形成してもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、短辺側側面部(第1側面部)の分離部側の端辺の長さAと、分離部の底面部側の端部から第1突出部の底面部とは反対側の端部までの端辺に沿った方向の長さBとが、(1/2)×A<B<(2/3)×Aという関係式を満たすことによって、長さAと長さBとが、上記の式(1)に規定された(1/3)×A≦B≦(2/3)×Aという関係式と、上記の式(2)に規定された(1/2)×A≦B≦(2/3)×Aという関係式との両方を満たす例(図6参照)を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、長さAと長さBとが、上記の式(1)および(2)の少なくとも一方を満たしていればよい。
【0044】
また、上記実施形態では、第1突出部および第2突出部が、それぞれ、短辺側側面部(第1側面部)および長辺側側面部(第2側面部)の分離部側の端辺に沿った方向に延びるように形成された例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、第1突出部および第2突出部の上記端辺に沿った方向の幅をより小さくしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 表示部
4 リアフレーム(背面側支持部材)
7 光源
10 反射シート
11 底面部
12 短辺側側面部(側面部、第1側面部)
12a 端辺
12b 第1突出部
13 長辺側側面部(側面部、第2側面部)
13a 端辺
13b 第2突出部
15 分離部
100 液晶テレビジョン装置(表示装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8