(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれの選択ボタンに対してコラム番号及び飲料レシピが関連付けられることで、いずれかの選択ボタンが有効化された状態で操作された場合に該選択ボタンに関連付けられた飲料レシピに従って調理した飲料を容器に投入して提供することが可能な自動販売機と、
前記自動販売機の各種設定を可能にするアプリケーションソフトが記憶された携帯端末機器と
を備えた自動販売機の設定システムであって、
前記携帯端末機器は、前記アプリケーションソフトが起動された状態で所定の選択ボタンに関連付ける飲料名及び容器サイズが選択された場合に、サーバにアクセスして該サーバが記憶する該飲料名及び該容器サイズに対応したコラム番号及び飲料レシピを該サーバから取得し、かつ前記自動販売機の該所定の選択ボタンに対して取得したコラム番号及び飲料レシピを関連付ける制御手段を備えたことを特徴とする自動販売機の設定システム。
前記制御手段は、前記自動販売機より飲料レシピの変更データが与えられた場合、該当するコラム番号に関連付けて前記変更データを前記サーバに送出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の設定システム。
【背景技術】
【0002】
従来、粉末原料を湯で希釈したホット飲料等の飲料を内部で調理し、カップ等の容器に投入して販売するカップ式飲料自動販売機が知られている。このようなカップ式飲料自動販売機は、粉末原料を種類毎に収納したキャニスタ、湯を貯留する湯タンク等を備えている。
【0003】
また、カップ式飲料自動販売機は、販売する飲料に関連付けて該飲料のレシピ(飲料を構成する原料及びその原料の量等)を記憶するレシピ記憶手段と、選択ボタンが押下操作されることで飲料が選択された場合にレシピ記憶手段に記憶された飲料レシピに従ってキャニスタ及び湯タンク等を制御することにより、飲料を調理するレシピ実行手段とを備えている。
【0004】
更に、カップ式飲料自動販売機は、レシピ設定入力手段を備えており、レシピ設定入力手段から入力された飲料レシピは、それぞれの選択ボタンに関連付けられてレシピ記憶手段に記憶されることになる。
【0005】
このようなカップ式飲料自動販売機は、レシピ設定入力手段から飲料レシピを入力することで、飲料レシピを設定若しくは変更するものであった。
【0006】
そのため、このカップ式飲料自動販売機において飲料のレシピを設定若しくは変更する場合には、レシピ設定入力手段を通じて飲料のレシピを個々に入力する必要があり、飲料レシピの設定・変更に長時間を要したり、飲料レシピの誤入力が発生したりする虞れがあった。
【0007】
そこで、設定若しくは変更対象となる飲料レシピが記憶された外部装置がカップ式飲料自動販売機に接続された場合に、該カップ式飲料自動販売機が外部装置から新たな飲料レシピを取得し、レシピ記憶手段に取得した飲料レシピを設定、あるいはレシピ記憶手段に記憶する飲料レシピを取得した飲料レシピに変更することで、飲料レシピの設定・変更に要する時間の短縮化を図りつつ、飲料レシピの誤入力を防止するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、飲料レシピの設定作業若しくは飲料レシピの変更作業においては、選択ボタンと、飲料の提供種類毎に定められたコラム番号との割り付けを設定若しくは変更することが行われるのが一般的である。
【0010】
上述した特許文献1に提案されているものでは、飲料レシピの設定・変更に要する時間の短縮化を図りつつ飲料レシピの誤入力を防止する点で非常に有用であるものの、選択ボタンとコラム番号との割り付けは、従来と同様に所定の入力手段を通じて個々に行わなければならず、結果的に、飲料レシピの設定・変更の作業が煩雑なものとなる虞れがあった。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みて、飲料レシピの設定・変更の作業を簡易なものとすることができる自動販売機の設定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機の設定システムは、それぞれの選択ボタンに対してコラム番号及び飲料レシピが関連付けられることで、いずれかの選択ボタンが有効化された状態で操作された場合に該選択ボタンに関連付けられた飲料レシピに従って調理した飲料を容器に投入して提供することが可能な自動販売機と、前記自動販売機の各種設定を可能にするアプリケーションソフトが記憶された携帯端末機器とを備えた自動販売機の設定システムであって、前記携帯端末機器は、前記アプリケーションソフトが起動された状態で所定の選択ボタンに関連付ける飲料名及び容器サイズが選択された場合に、サーバにアクセスして該サーバが記憶する該飲料名及び該容器サイズに対応したコラム番号及び飲料レシピを該サーバから取得し、かつ前記自動販売機の該所定の選択ボタンに対して取得したコラム番号及び飲料レシピを関連付ける制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る自動販売機の設定システムは、上述した請求項1において、前記携帯端末機器は、前記アプリケーションソフトを前記サーバからダウンロードして記憶することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る自動販売機の設定システムは、上述した請求項1又は請求項2において、前記制御手段は、前記自動販売機より飲料レシピの変更データが与えられた場合、該当するコラム番号に関連付けて前記変更データを前記サーバに送出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の自動販売機の設定システムによれば、携帯端末機器の制御手段が、アプリケーションソフトが起動された状態で所定の選択ボタンに関連付ける飲料名及び容器サイズが選択された場合に、サーバにアクセスして該サーバが記憶する該飲料名及び該容器サイズに対応したコラム番号及び飲料レシピを該サーバから取得し、かつ自動販売機の該所定の選択ボタンに対して取得したコラム番号及び飲料レシピを関連付けるので、作業者が飲料レシピ設定の専門知識等を有していなくても選択ボタンとコラム番号との割り付けを行いつつ選択ボタン毎に飲料レシピの設定・変更を行うことができ、レシピデータの誤設定を防止しつつ飲料レシピの設定・変更の作業を簡易なものとすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の設定システムの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態である自動販売機の設定システムの特徴的な構成を模式的に示す模式図である。ここに例示する自動販売機の設定システムは、自動販売機10、携帯端末機器20及びサーバ30を備えて構成されている。
【0019】
自動販売機10は、カップ式飲料自動販売機と称されるものであり、自販機制御部11、選択ボタン12、調理ユニット13、金銭処理部14及び設定入力部15を備えて構成されている。
【0020】
自販機制御部11は、自販機メモリ16に格納されたプログラムやデータに従って、自動販売機10の動作を統括的に制御するものである。選択ボタン12は、利用者が所望の商品を選択するための選択手段である。この選択ボタン12は、
図2に示すように、商品見本Sに対応して設けられており、押下操作されることで選択信号を自販機制御部11に与えるものである。尚、
図2においては、後述する説明の便宜上、選択ボタン12に「No.1」、「No.2」、「No.3」、「No.4」・・・の番号を付している。
【0021】
調理ユニット13は、商品である飲料を調理するのに必要な機器の総称であり、湯タンクから湯を供給するための供給バルブ、水リザーバから水を送出するための水ポンプ、容器であるカップを搬送するカップ搬送機構、原料を収容する原料キャニスタから原料を繰り出す原料モータ等々を含むものである。かかる調理ユニット13の構成要素は従来のカップ式飲料自動販売機を構成するものであるから、ここではその詳細な説明を割愛する。
【0022】
金銭処理部14は、図示せぬ硬貨処理装置及び紙幣処理装置の総称である。硬貨処理装置は、硬貨投入口を通じて投入された硬貨の真偽と金種とを識別し、金種毎に硬貨を収容する金銭処理を行うものである。紙幣処理装置は、紙幣挿入口を通じて挿入された紙幣の真偽と金種とを識別し、金種毎に紙幣を収容するものである。この紙幣処理装置は、挿入された紙幣の金種等を識別できなかった場合、識別できなかった紙幣を返却するものである。
【0023】
上記金銭処理部14は、硬貨投入口若しくは紙幣挿入口を通じて所望の金銭が投入され、硬貨処理装置若しくは紙幣処理装置で適正に処理されると、その旨を自販機制御部11に出力するものである。
【0024】
設定入力部15は、例えばキーボードやリモコン等を含むものであり、作業者が設定入力するための入力手段である。
【0025】
携帯端末機器20は、例えば携帯電話やスマートフォン、タブレット型コンピュータ等の総称であり、端末制御部(制御手段)21と表示部22とを備えて構成されている。端末制御部21は、端末メモリ23に格納されたプログラムやデータに従って、携帯端末機器20の動作を統括的に制御するものであり、通信制御部211及び表示制御部212を備えている。
【0026】
通信制御部211は、自動販売機10やサーバ30と無線、あるいは有線にてデータや信号等の送受信等の通信を制御するものである。表示制御部212は、表示部22への表示内容の制御を行うものである。
【0027】
表示部22は、いわゆるタッチパネル式の表示画面であり、表示制御部212から与えられる指令に応じて所定情報を表示する表示手段である。また、表示部22は、表示画面の所定個所が指先で押圧されると、押圧個所に対応した入力信号を端末制御部21に与える入力手段としての機能を有している。
【0028】
サーバ30は、管理制御部31を備えて構成されている。管理制御部31は、管理メモリ32に格納されたプログラムやデータに従って、サーバ30の動作を統括的に制御するものである。この管理メモリ32には、自動販売機10の各種設定を可能にするアプリケーションソフトが、自動販売機10の種類毎に格納されている。また、管理メモリ32には、
図3に示すような飲料レシピ情報が自動販売機10の種類毎に格納されている。ここで飲料レシピ情報は、飲料名、カップサイズ(oz:オンス)、コラム番号、レシピデータに関するものである。
【0029】
図4は、本発明の実施の形態である設定システムが実施する選択ボタン設定処理の処理内容を示すシーケンス図である。以下、この
図4を参照しながら、本発明の実施の形態である設定システムの動作について説明する。
【0030】
携帯端末機器20の端末制御部21は、通信制御部211を通じてサーバ30の管理制御部31に対し、設定処理の処理対象となる自動販売機10に対応したアプリケーションソフトを要求する(SQ101)。
【0031】
そして、管理制御部31が要求したアプリケーションソフトを送信すると(SQ102)、端末制御部21は、通信制御部211を通じて該アプリケーションソフトをダウンロードして取得し、端末メモリ23に記憶させる(SQ103)。
【0032】
その後、作業者が携帯端末機器20の表示部22をタッチすることで入力信号を与えられた端末制御部21は、端末メモリ23に記憶させたアプリケーションソフトを起動させ(SQ103)、通信制御部211を通じて対象となる自動販売機10の自販機制御部11に通信接続要求を行い(SQ104)、該自販機制御部11と相互認証処理を行う(SQ105)。
【0033】
かかる相互認証が成立した後、端末制御部21が表示制御部212を通じて表示部22に選択ボタン12の設定モードの入力画面を表示させる。作業者がかかる入力画面をタッチすることで選択ボタン12の設定モードの入力信号が与えられると(SQ107)、端末制御部21は、表示制御部212を通じて表示部22に、
図5に示すような設定可能な飲料名及びカップサイズを表示させる(SQ108)。ここで表示部22に表示される飲料名及びカップサイズは、
図3の一点鎖線に相当する部分である。
【0034】
作業者が
図5における二点鎖線で囲んだ領域のいずれかをタッチすることで、
図2に示す「No.1」の選択ボタン12(以下、「No.1選択ボタン12」とも称する)に割り付ける飲料名及びカップサイズが選択され(SQ109)、表示制御部212を通じてかかる選択の入力信号を入力した端末制御部21は、「カップサイズが9オンスの乳酸飲料A」が選択されたものとして、選択飲料名(「乳酸飲料A」)及び選択カップサイズ(9オンス)を管理制御部31に通信制御部211を通じて送信する(SQ110)。
【0035】
端末制御部21より選択飲料名及び選択カップサイズが送信された管理制御部31は、管理メモリ32に格納されている飲料レシピ情報よりコラム番号(「100」)を読み出して、そのコラム番号を端末制御部21に送信する(SQ111)。
【0036】
通信制御部211を通じて管理制御部31より送信されたコラム番号を入力することで、端末制御部21は、コラム番号を取得し(SQ112)、通信制御部211を通じて、自販機制御部11にコラム番号を送信するとともに管理制御部31にレシピデータを要求する(SQ113,SQ114)。
【0037】
端末制御部21よりレシピデータの要求が送信された管理制御部31は、管理メモリ32に格納されている飲料レシピ情報よりレシピデータを読み出して、そのレシピデータを端末制御部21に送信する(SQ115)。
【0038】
その一方、端末制御部21よりコラム番号(「100」)が送信された自販機制御部11は、No.1選択ボタン12のコラム番号が「100」であると設定し(SQ116)、端末制御部21に対してコラム設定応答を送信する(SQ117)。
【0039】
通信制御部211を通じて自販機制御部11より送信されたコラム設定応答を入力した端末制御部21は、通信制御部211を通じて自販機制御部11にレシピデータを送信する(SQ118)。
【0040】
このようにして端末制御部21よりレシピデータが送信された自販機制御部11は、No.1選択ボタン12の飲料レシピを設定し(SQ119)、端末制御部21に対して飲料レシピ設定応答を送信する(SQ120)。
【0041】
上記SQ109〜SQ120の処理を繰り返すことで、すべての選択ボタン12、あるいは変更対象となるすべての選択ボタン12に対してコラム番号及び飲料レシピの設定を行うようにする。
【0042】
その後、作業者が自動販売機10の設定入力部15を適宜操作して、飲料レシピが設定された飲料のレシピデータを変更して味調整(味見)を行うことで、自販機制御部11は、該飲料の味を調整する後処理調整を行う(SQ121,SQ122)。かかる後処理調整を行って変更するレシピデータが確定すると、自販機制御部11は、端末制御部21に対して後処理レシピデータを送信する(SQ123)。
【0043】
通信制御部211を通じて自販機制御部11より送信された後処理レシピデータを入力した端末制御部21は、通信制御部211を通じて管理制御部31に後処理レシピデータを送信する(SQ124)。この後処理レシピデータを入力した管理制御部31は、かかる後処理レシピデータを飲料レシピ情報に上書き等して飲料レシピ変更を行う(SQ125)。
【0044】
このような処理が行われた後、作業者が表示部22にタッチすることで、表示制御部212を通じてアプリケーションソフトの終了指令が与えられた端末制御部21は、アプリケーションソフトを終了するとともに(SQ126)、自販機制御部11及び管理制御部31に対して通信制御部211を通じて通信解除指令を与えて(SQ127,SQ128)、今回の処理を終了する。
【0045】
以上説明したように、本発明の実施の形態である設定システムによれば、携帯端末機器20の端末制御部21が、アプリケーションソフトが起動された状態で所定の選択ボタン12に関連付ける飲料名及びカップサイズが選択された場合に、サーバ30にアクセスして該サーバ30が記憶する該飲料名及び該カップサイズに対応したコラム番号及び飲料レシピを該サーバ30から取得し、かつ自動販売機10の該所定の選択ボタン12に対して取得したコラム番号及び飲料レシピを関連付けるので、作業者が飲料レシピ設定の専門知識等を有していなくても選択ボタン12とコラム番号との割り付けを行いつつ選択ボタン12毎に飲料レシピの設定・変更を行うことができ、レシピデータの誤設定を防止しつつ飲料レシピの設定・変更の作業を簡易なものとすることができる。
【0046】
特に作業者は、携帯端末機器20を介して飲料名及びカップサイズを選択するだけでよいので、サンプルカップを見ながら選択ボタン12に割り付ける飲料のイメージがしやすく、これにより選択ボタン12の割り付けの誤設定を防止することができる。また、端末制御部21は、設定に必要なレシピデータだけをサーバ30(管理制御部31)より入力して自動販売機10(自販機制御部11)に与えるので、すべてのレシピデータを記憶するような記憶手段を必要とせず、比較的安価なものを用いることができる。
【0047】
上記設定システムによれば、携帯端末機器20がアプリケーションソフトをサーバ30からダウンロードして記憶するので、サーバ30に各自動販売機10に対応したアプリケーションソフトを用意することで、1つの携帯端末機器20を用いて飲料レシピの設定等の各種作業を容易に行うことができる。
【0048】
上記設定システムによれば、端末制御部21が、自販機制御部11(自動販売機10)より飲料レシピの後処理レシピデータが与えられた場合、該当するコラム番号に関連付けて後処理レシピデータを管理制御部31(サーバ30)に送出して飲料レシピ変更を行わせるので、実際に味を確認したレシピデータを構築することができるとともに、味見後のレシピデータを他の自動販売機10への共有を図ることができる。
【0049】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0050】
上述した実施の形態では、後処理調整を行っていたが、本発明においては、後処理調整は必ずしも行う必要がない。
【0051】
上述した実施の形態では、サーバ30よりコラム番号を取得した後にレシピデータを取得していたが、本発明においては、制御手段は、サーバよりコラム番号及びレシピデータを同時に取得しても良い。