特許第6024790号(P6024790)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6024790
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 13/02 20060101AFI20161107BHJP
   B60C 13/00 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   B60C13/02
   B60C13/00 D
【請求項の数】12
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-125110(P2015-125110)
(22)【出願日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年8月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】鴇崎 浩
【審査官】 岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】 意匠登録第1154505(JP,S)
【文献】 意匠登録第1154504(JP,S)
【文献】 意匠登録第1487514(JP,S)
【文献】 特開平9−323513(JP,A)
【文献】 特開2001−191745(JP,A)
【文献】 特開昭54−107004(JP,A)
【文献】 特許第4947225(JP,B1)
【文献】 特開2010−179830(JP,A)
【文献】 特開2004−34860(JP,A)
【文献】 特開平9−315111(JP,A)
【文献】 特開2014−58319(JP,A)
【文献】 特開2015−24722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 13/00,13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リムに装着された状態で回転軸を中心に回転可能な空気入りタイヤであって、
所定のパターンデザインで溝が設けられるトレッド部と、
前記トレッド部のタイヤ幅方向の境界部と隣接しタイヤ最大幅位置が位置付けられる表面を有するサイドウォール部と、
前記回転軸と直交する面内においてライン状であり、端末部をそれぞれ有し、前記サイドウォール部の表面においてタイヤ周方向に間隔をあけて配置される複数のリッジを有するセレーション部と、
を備え、
前記セレーション部は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に変化する前記端末部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなる第1リッジ群と、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に変化する前記端末部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなる第2リッジ群と、を含み、
前記第1リッジ群と前記第2リッジ群とはタイヤ周方向に隣接し、
前記第1リッジ群のうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される前記第1リッジの前記端末部は前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向の内側及び外側の一方に配置され、タイヤ周方向の最も他側に配置される前記第1リッジの前記端末部は前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向の内側及び外側の他方に配置され、
前記第2リッジ群のうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される前記第2リッジの前記端末部は前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向の内側及び外側の一方に配置され、タイヤ周方向の最も他側に配置される前記第2リッジの前記端末部は前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向の内側及び外側の他方に配置される、
空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記第1リッジ群及び前記第2リッジ群からなるリッジ群がタイヤ周方向に隣接して複数設けられる、
請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
1つの前記リッジ群のうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される前記端末部と前記回転軸とを結ぶ第1放射線とタイヤ周方向の最も他側に配置される前記端末部と前記回転軸とを結ぶ第2放射線とがなす角度は、3[°]以上30[°]以下である、
請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記リッジは、前記境界部と前記リムに対する装着状態をチェックするためのリムチェックラインとの間の前記サイドウォール部の表面に配置され、
タイヤ径方向の最も内側に配置される前記端末部と最も外側に配置される前記端末部とのタイヤ径方向の距離は、前記境界部と前記リムチェックラインとのタイヤ径方向の距離の5[%]以上40[%]以下である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記第1リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第1仮想線と前記第2リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第2仮想線とがなす角度は、90[°]よりも小さい、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記第1仮想線は前記第2仮想線よりも長く、前記第1仮想線の少なくとも一部は曲線状である、
請求項5に記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記リッジは、内端部及び前記内端部よりもタイヤ径方向の外側に配置される外端部を有し、
前記リッジの前記端末部は、内端部であり、
前記リッジの外端部は、前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向の外側に配置される、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記リッジは、内端部及び前記内端部よりもタイヤ径方向の外側に配置される外端部を有し、
前記セレーション部は、前記内端部が前記リッジの前記端末部である第1セレーション部と、少なくとも一部が前記第1セレーション部よりもタイヤ径方向の内側に配置され、前記第1セレーション部のリッジの端末部と対向する端末部をそれぞれ有する複数のリッジを有する第2セレーション部と、を含む、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記第1セレーション部の前記第1リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第1仮想線と前記第1セレーション部の前記第2リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第2仮想線とがなす角度は、90[°]よりも大きく、
前記第1セレーション部の前記リッジは、内端部が外端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように前記回転軸に対する放射線に対して傾斜し、
前記第2セレーション部の前記リッジは、外端部が内端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように前記回転軸に対する放射線に対して傾斜し、
前記第1セレーション部の前記第1リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記内端部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなり、
前記第1セレーション部の前記第2リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に小さくなる前記内端部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなり、
前記第2セレーション部の前記第1リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記外端部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなり、
前記第2セレーション部の前記第2リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に小さくなる前記外端部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなり、
前記第1セレーション部の前記端末部は内端部であり、
前記第2セレーション部の前記端末部は外端部であり、
前記第1セレーション部の第1リッジ群の前記内端部と前記第2セレーション部の第1リッジ群の前記外端部とが対向し、
前記第1セレーション部の第2リッジ群の前記内端部と前記第2セレーション部の第2リッジ群の前記外端部とが対向する、
請求項8に記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記第1セレーション部の前記第1リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第1仮想線と前記第1セレーション部の前記第2リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第2仮想線とがなす角度は、90[°]よりも小さく、
前記第1セレーション部の前記リッジは、内端部が外端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように前記回転軸に対する放射線に対して傾斜し、
前記第2セレーション部の前記リッジは、外端部が内端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように前記回転軸に対する放射線に対して傾斜し、
前記第1セレーション部の前記第1リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記内端部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなり、
前記第1セレーション部の前記第2リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記内端部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなり、
前記第2セレーション部の前記第1リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記外端部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなり、
前記第2セレーション部の前記第2リッジ群は、前記第1仮想線と前記第2仮想線との間においてタイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記内端部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなり、
前記第1セレーション部の前記端末部は内端部であり、
前記第2セレーション部の第1リッジの前記端末部は外端部であり、
前記第2セレーション部の第2リッジの前記端末部は内端部であり、
前記第1セレーション部の第1リッジ群の前記内端部と前記第2セレーション部の第1リッジ群の前記外端部とが対向し、
前記第1セレーション部の第2リッジ群の前記内端部と前記第2セレーション部の第2リッジ群の前記内端部とが対向する、
請求項8に記載の空気入りタイヤ。
【請求項11】
前記第1セレーション部のリッジと前記第2セレーション部のリッジとは接触する、
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項12】
前記第1セレーション部のリッジと前記第2セレーション部のリッジとは離れている、
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤに係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、セレーションを有する空気入りタイヤが知られている。セレーションは、空気入りタイヤの外観の向上等を目的として、空気入りタイヤのサイドウォール部に設けられる。セレーションは、間隔をあけて配置される複数のリッジを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4947225号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に装着された状態において、空気入りタイヤのサイドウォール部は荷重により撓み変形する。そのため、空気入りタイヤが車両に長期間装着された場合、空気入りタイヤの走行距離が長距離に及んだ場合、及び空気入りタイヤの空気圧が低い場合において、サイドウォール部にクラックが発生する可能性がある。発生したクラックが成長すると、空気入りタイヤの耐久性が低下する。セレーションを改善することにより、クラックの発生を抑制できる効果、発生したクラックを目立たなくして外観不良を抑制できる効果、及び発生したクラックの成長を抑制できる効果が期待される。
【0005】
本発明の態様は、クラックに起因する品質の低下を抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、リムに装着された状態で回転軸を中心に回転可能な空気入りタイヤであって、所定のパターンデザインで溝が設けられるトレッド部と、前記トレッド部のタイヤ幅方向の境界部と隣接しタイヤ最大幅位置が位置付けられる表面を有するサイドウォール部と、前記回転軸と直交する面内においてライン状であり、端末部をそれぞれ有し、前記サイドウォール部の表面においてタイヤ周方向に間隔をあけて配置される複数のリッジを有するセレーション部と、を備え、前記セレーション部は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に変化する前記端末部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなる第1リッジ群と、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に変化する前記端末部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなる第2リッジ群と、を含み、前記第1リッジ群と前記第2リッジ群とはタイヤ周方向に隣接し、前記第1リッジ群のうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される前記第1リッジの前記端末部は前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向の内側及び外側の一方に配置され、タイヤ周方向の最も他側に配置される前記第1リッジの前記端末部は前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向の内側及び外側の他方に配置され、前記第2リッジ群のうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される前記第2リッジの前記端末部は前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向の内側及び外側の一方に配置され、タイヤ周方向の最も他側に配置される前記第2リッジの前記端末部は前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向の内側及び外側の他方に配置される、空気入りタイヤが提供される。
【0007】
本発明によれば、ライン状の複数のリッジを有するセレーション部がサイドウォール部に設けられることにより、サイドウォール部はセレーション部によって補強される。そのため、サイドウォール部におけるクラックの発生が抑制される。また、第1リッジ群の端末部は、タイヤ最大幅位置の内側及び外側の一方から他方に亘って回転軸との距離が徐々に変化するようにタイヤ周方向に複数配置される。第2リッジ群の端末部は、タイヤ最大幅位置の内側及び外側の一方から他方に亘って回転軸との距離が徐々に変化するようにタイヤ周方向に複数配置される。タイヤ最大幅位置の内側及び外側の一方から他方に亘ってリッジが設けられるので、空気入りタイヤの美感は向上する。タイヤ最大幅位置におけるサイドウォール部のゴムの厚みは薄く、サイドウォール部のうちタイヤ最大幅位置が位置付けられている部位は大きく撓み変形するため、クラックが発生する可能性が高い。タイヤ最大幅位置を含むサイドウォール部の表面が複数のリッジで覆われるので、サイドウォール部におけるクラックの発生が抑制される。また、サイドウォール部にクラックが発生しても、複数のリッジによってクラックは目立たなくなり、外観不良が抑制される。また、カーカスの折り返し部のような空気入りタイヤの内部構造に起因してサイドウォール部の表面に凹凸が形成されても、その凹凸はリッジでカモフラージュされるので、外観不良が抑制される。一方、リッジの端末部をタイヤ最大幅位置に集中させてしまうと、タイヤ最大幅位置で発生したクラックが、タイヤ最大幅位置に設けられた複数の端末部に沿って成長する可能性が高くなる。第1リッジ群の複数の端末部を結ぶ第1仮想線がタイヤ最大幅位置の内側及び外側の一方から他方に亘って傾斜するように第1リッジがサイドウォール部の表面に複数配置され、第2リッジ群の複数の端末部を結ぶ第2仮想線がタイヤ最大幅位置の内側及び外側の一方から他方に亘って傾斜するように第2リッジがサイドウォール部の表面に複数配置されることにより、端末部がタイヤ最大幅位置に集中することが抑制される。また、リッジは間隔をあけて配置されており、複数の端末部は分離している。端末部が分離しているので、タイヤ最大幅位置でクラックが発生しても、クラックの伝播及び成長は抑制される。外観不良及びクラックの成長が抑制されるので、クラックに起因する空気入りタイヤの品質の低下が抑制される。
【0008】
なお、ここでいう端末部とは、端末部を結ぶ仮想線の一方の端部がタイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置の内側及び外側の一方に配置され他方の端部がタイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置の内側及び外側の他方に配置される仮想線を形成可能なリッジの端部をいう。第1リッジ群の複数の端末部を結ぶ第1仮想線のタイヤ周方向の一側の端部は、タイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置の内側及び外側の一方に配置され、第1仮想線のタイヤ周方向の他側の端部は、タイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置の内側及び外側の他方に配置される。第2リッジ群の複数の端末部を結ぶ第2仮想線のタイヤ周方向の一側の端部は、タイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置の内側及び外側の一方に配置され、第2仮想線のタイヤ周方向の他側の端部は、タイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置の内側及び外側の他方に配置される。第1仮想線の延在方向と第2仮想線の延在方向とは異なり、第1仮想線と第2仮想線とによって角が形成される。
【0009】
本発明の態様において、前記第1リッジ群及び前記第2リッジ群からなるリッジ群がタイヤ周方向に隣接して複数設けられることが好ましい。
【0010】
第1リッジ群及び第2リッジ群からなるリッジ群がタイヤ周方向に隣接して設けられることにより、第1リッジ群の複数の端末部を結ぶ第1仮想線と第2リッジ群の複数の端末部を結ぶ第2仮想線とによって、ジグザグ(zigzag)状の仮想線がタイヤ周方向に形成される。端末部がタイヤ周方向にジグザグ状に配置されることにより、サイドウォール部における応力集中が抑制され、クラックの発生及び成長が抑制される。また、端末部がジグザグ状に配置されることにより、空気入りタイヤの美感は向上する。
【0011】
本発明の態様において、1つの前記リッジ群のうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される前記端末部と前記回転軸とを結ぶ第1放射線とタイヤ周方向の最も他側に配置される前記端末部と前記回転軸とを結ぶ第2放射線とがなす角度は、3[°]以上30[°]以下であることが好ましい。
【0012】
第1放射線と第2放射線とがなす角度を3[°]以上30[°]以下にすることにより、第1リッジ群の複数の端末部を結ぶ第1仮想線及び第2リッジ群の複数の端末部を結ぶ第2仮想線の大きさ及び数は適正な値となる。そのため、クラックの発生及び成長を抑制しつつ、美感を向上することができる。
【0013】
本発明の態様において、前記リッジは、前記境界部と前記リムに対する装着状態をチェックするためのリムチェックラインとの間の前記サイドウォール部の表面に配置され、タイヤ径方向の最も内側に配置される前記端末部と最も外側に配置される前記端末部とのタイヤ径方向の距離は、前記境界部と前記リムチェックラインとのタイヤ径方向の距離の5[%]以上40[%]以下であることが好ましい。
【0014】
タイヤ径方向の最も内側に配置される端末部と最も外側に配置される端末部とのタイヤ径方向の距離は、ジグザグ状に配置される端末部の振幅(ジグザグ幅)を意味する。所定のパターンデザインで溝が設けられるトレッド部とサイドウォール部との境界部は、トレッド部のパターンエンド(デザインエンド)を意味する。ジグザグ幅が境界部とリムチェックラインとのタイヤ径方向の距離の5[%]よりも小さい場合、端末部がタイヤ最大幅位置に集中することとなり、その結果、クラックの発生及び成長を十分に抑制できなくなる可能性がある。ジグザグ幅が境界部とリムチェックラインとのタイヤ径方向の距離の40[%]よりも大きい場合、美感が悪くなる可能性がある。ジグザグ幅を境界部とリムチェックラインとのタイヤ径方向の距離の5[%]以上40[%]以下とすることにより、美感を良くしつつ、クラックの発生及び成長を抑制することができる。
【0015】
本発明の態様において、前記第1リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第1仮想線と前記第2リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第2仮想線とがなす角度は、90[°]よりも小さいことが好ましい。
【0016】
第1仮想線と第2仮想線とのなす角度を鋭角にすることにより、需要者に視覚を通じて美感を起こさせることができる。
【0017】
本発明の態様において、前記第1仮想線は前記第2仮想線よりも長く、前記第1仮想線の少なくとも一部は曲線状であることが好ましい。
【0018】
第1仮想線を第2仮想線よりも長くすることにより、美感が向上する。また、第1仮想線の少なくとも一部が曲線状となるように端末部が間隔をあけて配置されることにより、クラックの伝播及び成長が抑制される。
【0019】
本発明の態様において、前記リッジは、内端部及び前記内端部よりもタイヤ径方向の外側に配置される外端部を有し、前記リッジの前記端末部は、内端部であり、前記リッジの外端部は、前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向の外側に配置されてもよい。
【0020】
これにより、セレーション部は、タイヤ最大幅位置よりも専らタイヤ径方向の外側に配置されることとなる。その結果、美感が向上し、クラックの発生及び成長が抑制される。
【0021】
本発明の態様において、前記リッジは、内端部及び前記内端部よりもタイヤ径方向の外側に配置される外端部を有し、前記セレーション部は、前記内端部が前記リッジの前記端末部である第1セレーション部と、少なくとも一部が前記第1セレーション部よりもタイヤ径方向の内側に配置され、前記第1セレーション部のリッジの端末部と対向する端末部をそれぞれ有する複数のリッジを有する第2セレーション部と、を含んでもよい。
【0022】
これにより、タイヤ最大幅位置よりも専らタイヤ径方向の外側に配置される第1セレーション部と、タイヤ最大幅位置よりも専らタイヤ径方向の内側に配置される第2セレーション部との両方が設けられることとなる。第1セレーション部のリッジの端末部と第2セレーション部のリッジの端末部とが対向するので、サイドウォール部の表面はリッジで覆われることとなる。これにより、クラックの発生及び成長が抑制される。また、タイヤ最大幅位置を含むサイドウォール部の表面が複数のリッジで覆われるので、発生したクラック又は空気入りタイヤの内部構造に起因する凹凸はカモフラージュされる。
【0023】
本発明の態様において、前記第1セレーション部の前記第1リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第1仮想線と前記第1セレーション部の前記第2リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第2仮想線とがなす角度は、90[°]よりも大きく、前記第1セレーション部の前記リッジは、内端部が外端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように前記回転軸に対する放射線に対して傾斜し、前記第2セレーション部の前記リッジは、外端部が内端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように前記回転軸に対する放射線に対して傾斜し、前記第1セレーション部の前記第1リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記内端部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなり、前記第1セレーション部の前記第2リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に小さくなる前記内端部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなり、前記第2セレーション部の前記第1リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記外端部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなり、前記第2セレーション部の前記第2リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に小さくなる前記外端部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなり、前記第1セレーション部の前記端末部は内端部であり、前記第2セレーション部の前記端末部は外端部であり、前記第1セレーション部の第1リッジ群の前記内端部と前記第2セレーション部の第1リッジ群の前記外端部とが対向し、前記第1セレーション部の第2リッジ群の前記内端部と前記第2セレーション部の第2リッジ群の前記外端部とが対向してもよい。
【0024】
第1セレーション部のリッジは、内端部が外端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように回転軸に対する放射線に対して傾斜し、第2セレーション部のリッジは、外端部が内端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように回転軸に対する放射線に対して傾斜するので、美感が向上する。また、第1セレーション部の光の反射方向と第2セレーション部の光の反射方向とが異なることとなるため、需要者に視覚を通じて美感を起こさせることができる。また、第1セレーション部の第1リッジ群の内端部と第2セレーション部の第1リッジ群の外端部とは対向し、第1セレーション部の第1リッジ群の複数の端末部を結ぶ第1仮想線と第2セレーション部の第1リッジ群の複数の端末部を結ぶ第3仮想線とは近接し実質的に平行となる。同様に、第1セレーション部の第2リッジ群の内端部と第2セレーション部の第2リッジ群の外端部とは対向し、第1セレーション部の第2リッジ群の複数の端末部を結ぶ第2仮想線と第2セレーション部の第2リッジ群の複数の端末部を結ぶ第4仮想線とは近接し実質的に平行となる。サイドウォール部の表面がリッジで覆われることとなるため、外観不良の発生、クラックの発生、及びクラックの成長が抑制される。
【0025】
本発明の態様において、前記第1セレーション部の前記第1リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第1仮想線と前記第1セレーション部の前記第2リッジ群の複数の前記端末部を結ぶ第2仮想線とがなす角度は、90[°]よりも小さく、前記第1セレーション部の前記リッジは、内端部が外端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように前記回転軸に対する放射線に対して傾斜し、前記第2セレーション部の前記リッジは、外端部が内端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように前記回転軸に対する放射線に対して傾斜し、前記第1セレーション部の前記第1リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記内端部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなり、前記第1セレーション部の前記第2リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記内端部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなり、前記第2セレーション部の前記第1リッジ群は、タイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記外端部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなり、前記第2セレーション部の前記第2リッジ群は、前記第1仮想線と前記第2仮想線との間においてタイヤ周方向に隣り合って配置され前記回転軸との距離が徐々に大きくなる前記内端部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなり、前記第1セレーション部の前記端末部は内端部であり、前記第2セレーション部の第1リッジの前記端末部は外端部であり、前記第2セレーション部の第2リッジの前記端末部は内端部であり、前記第1セレーション部の第1リッジ群の前記内端部と前記第2セレーション部の第1リッジ群の前記外端部とが対向し、前記第1セレーション部の第2リッジ群の前記内端部と前記第2セレーション部の第2リッジ群の前記内端部とが対向してもよい。
【0026】
第1仮想線と第2仮想線とのなす角度が鋭角であり、第1セレーション部のリッジは、内端部が外端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように回転軸に対する放射線に対して傾斜し、第2セレーション部のリッジは、外端部が内端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように回転軸に対する放射線に対して傾斜するので、美感が向上する。また、第1セレーション部の光の反射方向と第2セレーション部の光の反射方向とが異なることとなるため、需要者に視覚を通じて美感を起こさせることができる。また、第1セレーション部の第1リッジ群の内端部と第2セレーション部の第1リッジ群の外端部とは対向し、第1セレーション部の第1リッジ群の複数の端末部を結ぶ第1仮想線と第2セレーション部の第1リッジ群の複数の端末部を結ぶ第3仮想線とは近接し実質的に平行となる。また、第1セレーション部の第2リッジ群の内端部と第2セレーション部の第2リッジ群の内端部とは対向し、第1セレーション部の第2リッジ群の複数の端末部を結ぶ第2仮想線と第2セレーション部の第2リッジ群の複数の端末部を結ぶ第4仮想線とは近接し実質的に平行となる。サイドウォール部の表面はリッジで覆われることとなるため、外観不良の発生、クラックの発生、及びクラックの成長が抑制される。また、第2セレーション部の第2リッジ群は、鋭角をなす第1仮想線と第2仮想線との間に配置される。鋭角をなす第1仮想線と第2仮想線との間に、長さが短い第2リッジ群のリッジが配置されることにより、空気入りタイヤの製造工程のうち金型を用いる加硫工程において、第1仮想線と第2仮想線との間にガス溜まりが生成されることが抑制される。ガスが円滑に排出されつつ加硫工程が実施されるので、高品質な空気入りタイヤが製造される。
【0027】
本発明の態様において、前記第1セレーション部のリッジと前記第2セレーション部のリッジとは接触してもよい。
【0028】
第1セレーション部のリッジと第2セレーション部のリッジとを単一部材とせずに別々の部材とすることにより、第1セレーション部のリッジと第2セレーション部のリッジとの境界部における応力集中が抑制され、クラックの発生が抑制される。また、第1セレーション部のリッジと第2セレーション部のリッジとが分離しているので、クラックの伝播が抑制される。また、第1セレーション部のリッジと第2セレーション部のリッジとが接触することにより、サイドウォール部の表面は第1セレーション部のリッジと第2セレーション部のリッジとで十分に覆われることとなるため、発生したクラック又は空気入りタイヤの内部構造に起因する凹凸はカモフラージュされる。
【0029】
本発明の態様において、前記第1セレーション部のリッジと前記第2セレーション部のリッジとは離れていてもよい。
【0030】
別々の部材である第1セレーション部のリッジと第2セレーション部のリッジとが離れて配置されることにより、第1セレーション部のリッジと第2セレーション部のリッジとの境界部における応力集中が抑制され、クラックの発生が抑制される。また、第1セレーション部のリッジと第2セレーション部のリッジとが離れているので、クラックの伝播が抑制される。また、第1セレーション部のリッジ及び第2セレーション部のリッジにより、発生したクラック又は空気入りタイヤの内部構造に起因する凹凸はカモフラージュされる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の態様によれば、クラックに起因する品質の低下を抑制できる空気入りタイヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、第1実施形態に係るタイヤの一例を模式的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るタイヤの一部を模式的に示す図である。
図3図3は、図2の一部を拡大した図である。
図4図4は、第1実施形態に係るタイヤのトレッド部の一例を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係るタイヤの一例を示す側面図である。
図6図6は、図5の一部を拡大した図である。
図7図7は、図6の一部を拡大した図である。
図8図8は、図7のA−A線断面図である。
図9図9は、第1実施形態に係るタイヤ成形用の金型の一例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るタイヤの一部を模式的に示す図である。
図11図11は、第3実施形態に係るタイヤの一部を模式的に示す図である。
図12図12は、図11の一部を拡大した図である。
図13図13は、第4実施形態に係るタイヤの一部を模式的に示す図である。
図14図14は、第5実施形態に係るタイヤの一部を模式的に示す図である。
図15図15は、図14の一部を拡大した図である。
図16図16は、第6実施形態に係るタイヤの一例を示す側面図である。
図17図17は、タイヤの評価試験に使用した比較例に係るタイヤを示す図である。
図18図18は、タイヤの評価試験に使用した比較例に係るタイヤを示す図である。
図19図19は、タイヤの評価試験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0034】
<第1実施形態>
(タイヤの概要)
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るタイヤ1の一例を示す断面図である。図2は、本実施形態に係るタイヤ1の一部を示す断面図である。図3は、図2の一部を拡大した図である。タイヤ1は、空気入りタイヤである。タイヤ1は、リムに装着された状態で回転軸AXを中心に回転可能である。図1図2、及び図3は、タイヤ1の回転軸AXを通る子午断面を示す。タイヤ1の回転軸AXは、タイヤ赤道面Cと直交する。タイヤ赤道面Cは、タイヤ幅方向のタイヤ1の中心を示す。
【0035】
以下の説明においては、回転軸AXと平行な方向を適宜、タイヤ幅方向、と称し、回転軸AXに対する放射方向を適宜、タイヤ径方向、と称し、回転軸AXを中心とするタイヤ1の回転方向を適宜、タイヤ周方向、と称する。また、以下の説明においては、タイヤ赤道面Cを適宜、タイヤ中心C、と称する。
【0036】
本実施形態において、タイヤ幅方向の外側とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心Cから遠い位置又は離れる方向をいう。タイヤ幅方向の内側とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心Cに近い位置又は近付く方向をいう。タイヤ径方向の外側とは、タイヤ径方向に関して回転軸AXから遠い位置又は離れる方向をいう。タイヤ径方向の内側とは、タイヤ径方向に関して回転軸AXに近い位置又は近付く方向をいう。タイヤ周方向の一側とは、タイヤ周方向に関して指定された方向をいう。タイヤ周方向の他側とは、タイヤ周方向に関して指定された方向の逆方向をいう。
【0037】
タイヤ1は、カーカス2と、ベルト層3と、ベルトカバー4と、ビード部5と、トレッド部6と、サイドウォール部7と、サイドウォール部7に設けられたセレーション部100とを備えている。トレッド部6は、トレッドゴム8を含む。サイドウォール部7は、サイドゴム9を含む。セレーション部100は、ゴムで形成される。
【0038】
タイヤ1は、トレッド部6の接地幅を示すトレッド接地幅TW1を有する。トレッド接地幅TW1とは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、平面上に垂直に置いて、正規荷重を加えた負荷状態のときに測定される、タイヤ幅方向に関する接地幅の最大値をいう。すなわち、トレッド接地幅TW1とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心Cの一方側のトレッド部6の接地端Tと他方側のトレッド部6の接地端Tとの距離をいう。トレッド部6の接地端Tとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、平面上に垂直に置いて、正規荷重を加えた負荷状態のときにトレッド部6が接地する部分のタイヤ幅方向の端部をいう。
【0039】
また、タイヤ1は、トレッド部6の展開幅を示すトレッド展開幅TW2を有する。トレッド展開幅TW2とは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、タイヤ1のトレッド部6の展開図における両端の直線距離をいう。
【0040】
また、タイヤ1は、タイヤ1の断面幅を示すタイヤ断面幅SW1を有する。タイヤ断面幅SW1とは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、サイドウォール部7の表面から突出する構造物を除いたタイヤ幅方向に関するタイヤ1の最大の寸法をいう。本実施形態においては、サイドウォール部7の表面から突出する構造物としてセレーション部100が存在する。タイヤ断面幅SW1とは、セレーション部100を除いたときのタイヤ幅方向に関してタイヤ中心Cの一方側に配置されたサイドウォール部7の最も外側の部位を示すタイヤ最大幅位置Eと、他方側に配置されたサイドウォール部7の最も外側の部位を示すタイヤ最大幅位置Eとの距離をいう。
【0041】
なお、サイドウォール部7の表面から突出する構造物として、サイドゴム9により形成された文字、マーク、及び模様が挙げられる。なお、リムを保護するリムプロテクトバーがタイヤ1に設けられる場合がある。リムプロテクトバーは、タイヤ周方向に設けられ、タイヤ幅方向の外側に突出する。リムプロテクトバーが設けられたタイヤ1においては、タイヤ幅方向に関してリムプロテクトバーが最も外側の部位を含む。その場合、タイヤ断面幅SW1は、リムプロテクトバーを除いた寸法である。
【0042】
また、タイヤ1は、タイヤ1の総幅を示すタイヤ総幅SW2を有する。タイヤ総幅SW2とは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、タイヤ幅方向に関するタイヤ1の最大の寸法をいう。すなわち、タイヤ総幅SW2とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心Cの一方側に配置されたタイヤ1を構成する構造物の最も外側の部位と、他方側に配置されたタイヤ1を構成する構造物の最も外側の部位との距離をいう。本実施形態においては、サイドウォール部7の表面から突出するセレーション部100が設けられている。セレーション部100がタイヤ幅方向の最も外側の構造物である場合、タイヤ総幅SW2とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心Cの一方側に配置されたセレーション部100の最も外側の部位を示すセレーション部最大幅位置Fと、他方側に配置されたセレーション部100の最も外側の部位を示すセレーション部最大幅位置Fとの距離をいう。なお、タイヤ幅方向の最も外側の構造物は、セレーション部100でなくてもよく、文字又はマーク等でもよい。
【0043】
「正規リム」とは、タイヤ1が基づく規格を含む規格体系において、その規格がタイヤ1毎に定めているリムであり、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”である。但し、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、このタイヤ1が組まれる純正ホイールを用いる。
【0044】
「正規内圧」とは、タイヤ1が基づく規格を含む規格体系において、その規格がタイヤ1毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。但し、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両に表示された空気圧とする。
【0045】
「正規荷重」とは、タイヤ1が基づく規格を含む規格体系において、その規格がタイヤ1毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”である。但し、タイヤ1が乗用車である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両の車検証記載の前後軸重をそれぞれタイヤの数で除して求めた輪荷重とする。
【0046】
カーカス2は、タイヤ1の骨格を形成する強度部材である。カーカス2は、カーカスコードを含み、タイヤ1に空気が充填されたときの圧力容器として機能する。カーカス2は、有機繊維のカーカスコードと、そのカーカスコードを覆うゴムとを含む。なお、カーカス2は、ポリエステルのカーカスコードを含んでもよいし、ナイロンのカーカスコードを含んでもよいし、アラミドのカーカスコードを含んでもよいし、レーヨンのカーカスコードを含んでもよい。
【0047】
ビード部5は、カーカス2を支持する強度部材である。ビード部5は、タイヤ幅方向に関してカーカス2の両側に配置され、カーカス2の両端部を支持する。カーカス2は、ビード部5のビードコア51において折り返される。ビード部5は、タイヤ1をリムに固定させる。ビード部5は、ビードコア51と、ビードフィラー52とを有する。
【0048】
カーカス2は、カーカス本体部21と、ビードコア51で折り返されることにより形成されるカーカス折り返し部22とを有する。カーカス折り返し部22は、ビードコア51でカーカス2が折り返されることによりカーカス本体部21よりもタイヤ幅方向外側に配置された部分である。ビードコア51は、ビードワイヤがリング状に巻かれた部材である。ビードワイヤは、スチールワイヤである。ビードフィラー52は、カーカス2がビードコア51で折り返されることにより形成されたカーカス本体部21とカーカス折り返し部22との間の空間に配置されるゴム材である。
【0049】
ベルト層3は、タイヤ1の形状を保持する強度部材である。ベルト層3は、ベルトコードを含み、カーカス2とトレッドゴム8との間に配置される。ベルト層3は、金属繊維のベルトコードと、そのベルトコードを覆うゴムとを含む。なお、ベルト層3は、有機繊維のベルトコードを含んでもよい。ベルト層3は、第1ベルトプライ31と、第2ベルトプライ32とを含む。第1ベルトプライ31と第2ベルトプライ32とは、第1ベルトプライ31のベルトコードと第2ベルトプライ32のベルトコードとが交差するように積層される。
【0050】
ベルトカバー4は、ベルト層3を保護し、補強する強度部材である。ベルトカバー4は、カバーコードを含み、タイヤ1の回転軸AXに対してベルト層3の外側に配置される。ベルトカバー4は、金属繊維のカバーコードと、そのカバーコードを覆うゴムとを含む。なお、ベルトカバー4は、有機繊維のカバーコードを含んでもよい。
【0051】
図4は、トレッド部6の一部を示す平面図である。図2図3、及び図4に示すように、トレッド部6は、トレッドゴム8を含み、所定のパターンデザインで設けられた溝10を有する。溝10は、トレッドゴム8に設けられる。トレッドゴム8は、カーカス2を保護する。トレッド部6は、溝10の間に配置される陸部を含み、陸部は、路面と接触する接地面(踏面)を有する。溝10は、タイヤ周方向に配置される複数の主溝11と、少なくとも一部がタイヤ幅方向に配置されるラグ溝12とを含む。また、トレッド部6は、タイヤ中心Cを含むセンター部13と、タイヤ幅方向に関してセンター部13の両側に設けられるショルダー部14とを有する。
【0052】
サイドウォール部7は、サイドゴム9を含み、タイヤ幅方向に関してトレッド部6の両側に配置される。サイドゴム9は、カーカス2を保護する。
【0053】
サイドウォール部7は、トレッド部6のタイヤ幅方向の端部Dと隣接する。端部Dは、トレッド部6に設けられたパターンデザインのタイヤ幅方向の端部である。端部Dは、トレッド部6とサイドウォール部7との境界部である。溝10は、境界部(端部)Dよりもタイヤ幅方向の内側に形成される。すなわち、境界部Dは、トレッド部10に所定のデザインパターンで設けられた溝10のタイヤ幅方向の端部である。ラグ溝12のタイヤ幅方向の端部は、境界部Dに配置される。以下の説明において、トレッド部6のタイヤ幅方向の境界部Dを適宜、デザインエンドD、と称する。デザインエンドDは、接地端Tよりもタイヤ幅方向の外側に配置される。
【0054】
サイドウォール部7の表面は、サイドゴム9の表面である。サイドウォール部7の表面は、タイヤ中心Cに対してデザインエンドDよりもタイヤ幅方向の外側に配置される。タイヤ最大幅位置Eは、サイドウォール部7の表面に位置付けられる。サイドウォール部7の表面は、デザインエンドDとリムチェックラインRとの間のサイドゴム9の表面の領域を含む。タイヤ最大幅位置Eは、デザインエンドDとリムチェックラインRとの間に位置付けられる。タイヤ径方向に関して、デザインエンドDとリムチェックラインRとは、距離Lだけ離れている。
【0055】
リムチェックラインRとは、リムに対するタイヤ1の装着状態をチェックするためのラインである。リムチェックラインRを用いて、タイヤ1のリム組みが正常に行われているか否かが確認される。一般に、リムチェックラインRは、タイヤ径方向に関してリムフランジよりも外側のビード部5の表面において、リムフランジに沿ってタイヤ周方向に連続する環状の凸線として示される。
【0056】
セレーション部100は、サイドウォール部7の表面に設けられる。セレーション部100は、複数のリッジ200を有する。リッジ200は、山稜状の凸部である。リッジ200は、サイドウォール部7の表面からタイヤ幅方向の外側に突出するように、サイドウォール部7の表面に設けられる。リッジ200は、デザインエンドDとリムチェックラインRとの間のサイドウォール部7の表面に配置される。
【0057】
(セレーション部)
図5は、タイヤ1のサイドウォール部7を模式的に示す図である。図6は、図5の一部を拡大した図である。図7は、セレーション部100を拡大した図である。図8は、セレーション部100の断面図であって図7のA−A線矢視図に相当する。
【0058】
図5図6図7、及び図8に示すように、サイドウォール部7の表面に、複数のリッジ200を有するセレーション部100が設けられる。複数のリッジ200は、サイドウォール部7の表面において、タイヤ周方向に間隔をあけて配置される。
【0059】
リッジ200は、ゴム製である。回転軸AXと直交する面内において、リッジ200はライン状である。リッジ200は、直線部210と、端末部220とを有する。端末部220は、直線部210の一方の端部である第1端末部221と、直線部210の他方の端部である第2端末部222とを含む。第2端末部222は、第1端末部221よりもタイヤ径方向の外側に配置される。以下の説明においては、第1端末部221を適宜、内端部221、と称し、第2端末部222を適宜、外端部222、と称する。
【0060】
内端部221は、1つのリッジ200のうちタイヤ径方向に関して最も内側に配置される部位である。外端部222は、1つのリッジ200のうちタイヤ径方向に関して最も外側に配置される部位である。
【0061】
リッジ200は、内端部221が外端部222よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように回転軸AXに対する放射線Hに対して傾斜する。図7に示すように、回転軸AXに対する放射線Hとリッジ200とがなす角度θは、45[°]である。
【0062】
複数のリッジ200は、タイヤ周方向に等間隔に配置される。隣り合うリッジ200の距離Pは、均一である。距離Pは、リッジ200の内端部221と、そのリッジ200の隣のリッジ200の内端部221との距離である。
【0063】
図6に示すように、セレーション部100は、タイヤ周方向に隣り合って配置され、回転軸AXとの距離が徐々に変化する内端部221をそれぞれ有する複数のリッジ200からなる第1リッジ群101と、タイヤ周方向に隣り合って配置され、回転軸AXとの距離が徐々に変化する内端部221をそれぞれ有する複数のリッジ200からなる第2リッジ群102と、を含む。第1リッジ群101と第2リッジ群102とは、タイヤ周方向に隣接する。
【0064】
以下の説明において、第1リッジ群101のリッジ200を適宜、第1リッジ201、と称し、第2リッジ群102のリッジ200を適宜、第2リッジ202、と称する。
【0065】
第1リッジ群101の複数の第1リッジ201のうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される第1リッジ201の内端部221は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の内側に配置され、タイヤ周方向の最も他側に配置される第1リッジ201の内端部221は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側に配置される。
【0066】
第2リッジ群102の複数の第2リッジ202のうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される第2リッジ202の内端部221は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側に配置され、タイヤ周方向の最も他側に配置される第2リッジ202の内端部221は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の内側に配置される。
【0067】
第1リッジ群101の複数の内端部221は、タイヤ周方向の一側から他側に向かって、回転軸AXとの距離が徐々に大きくなるように配置される。第2リッジ群102の複数の内端部221は、タイヤ周方向の一側から他側に向かって、回転軸AXとの距離が徐々に小さくなるように配置される。
【0068】
第1リッジ群101の複数の内端部221を結ぶ第1仮想線J1が、タイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置Eの内側から外側に亘って設けられる。第1仮想線J1のタイヤ周方向の一側の端部は、タイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置Eの内側に配置され、第1仮想線J1のタイヤ周方向の他側の端部は、タイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置Eの外側に配置される。第1仮想線J1は、第1仮想線J1のタイヤ径方向の内端部が第1仮想線J1のタイヤ径方向の外端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように、回転軸AXに対する放射線に対して傾斜する。
【0069】
第2リッジ群102の複数の内端部221を結ぶ第2仮想線J2が、タイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置Eの外側から内側に亘って設けられる。第2仮想線J2のタイヤ周方向の一側の端部は、タイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置Eの外側に配置され、第2仮想線J2のタイヤ周方向の他側の端部は、タイヤ径方向に関してタイヤ最大幅位置Eの内側に配置される。第2仮想線J2は、第2仮想線J2のタイヤ径方向の外端部が第2仮想線J2のタイヤ径方向の内端部よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように、回転軸AXに対する放射線に対して傾斜する。
【0070】
本実施形態において、第1リッジ群101の複数の内端部221を結ぶ第1仮想線J1と、第2リッジ群102の複数の内端部221を結ぶ第2仮想線J2とがなす角度αは、90[°]よりも大きい。角度αは、110[°]以上170[°]以下である。
【0071】
第1リッジ群101及び第2リッジ群102からなるリッジ群103は、タイヤ周方向に隣接して複数設けられる。すなわち、第1リッジ群101の複数の内端部221を結ぶ第1仮想線J1と第2リッジ群102の複数の内端部222を結ぶ第2仮想線J2とによって、タイヤ最大幅位置Eに沿うように、ジグザグ(zigzag)状の内側仮想線Jがタイヤ周方向に形成される。回転軸AXと直交する面内においてジグザグ状の仮想線Jは、デザインエンドDとリムチェックラインRとの間において、タイヤ最大幅位置Eを跨ぐように配置される。
【0072】
第1仮想線J1は、直線状であり、第2仮想線J2は、直線状である。第1仮想線J1の長さと第2仮想線J2の長さとは、等しい。また、複数のリッジ群103それぞれの角度αは、等しい。均一なジグザグ状の内側仮想線Jがタイヤ周方向に形成される。
【0073】
第1リッジ201及び第2リッジ202を含むリッジ200の外端部222は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側に配置される。複数のリッジ200の外端部222を結ぶ外側仮想線Kは、回転軸AXと直交する面内において円形状である。外側仮想線Kは、デザインエンドDとリムチェックラインRとの間において、回転軸AXを囲むように配置される。複数の外端部222のそれぞれと回転軸AXとの距離は等しい。
【0074】
セレーション部100は、サイドウォール部7の表面のうち、内側仮想線Jと外側仮想線Kの間のセレーション領域1000に設けられる。
【0075】
図6に示すように、1つのリッジ群103の複数の内端部221のうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される内端部221と回転軸AXとを結ぶ第1放射線H1と、タイヤ周方向の最も他側に配置される内端部221と回転軸AXとを結ぶ第2放射線H2とがなす角度βは、3[°]以上30[°]以下である、すなわち、本実施形態において、タイヤ1に設けられるリッジ群103の数は、12以上120以下である。本実施形態において、タイヤ周方向の最も一側に配置される内端部221は、第1リッジ群101の複数の第1リッジ201のうちタイヤ周方向の最も一側に配置される第1リッジ201の内端部221である。タイヤ周方向の最も他側に配置される内端部221は、第2リッジ群102の複数の第2リッジ202うちタイヤ周方向の最も他側に配置される第2リッジ202の内端部221である。
【0076】
複数のリッジ200の内端部221のうち、タイヤ径方向の最も内側に配置される内端部221と、最も外側に配置される内端部221とのタイヤ径方向の距離Mは、デザインエンドDとリムチェックラインRとのタイヤ径方向の距離Lの5[%]以上40[%]以下である。
【0077】
複数のリッジ200の内端部221のうち、タイヤ径方向の最も内側に配置される内端部221とタイヤ最大幅位置Eとのタイヤ径方向の距離Maと、タイヤ径方向の最も外側に配置される内端部221とタイヤ最大幅位置Eとのタイヤ径方向の距離Mbとは、等しい。すなわち、内側仮想線Jは、タイヤ最大幅位置Eを振幅中心としてジグザグ状に配置される。
【0078】
図8に示すように、リッジ200は、サイドウォール部7の表面からタイヤ幅方向の外側に突出する。リッジ200の断面は、台形状である。リッジ200は、タイヤ幅方向の最も外側に配置される外面2001と、サイドウォール部7の表面と外面2001とを結ぶ斜面2002及び斜面2003とを有する。サイドウォール部7の表面からのリッジ200の突出量(高さ)Nは、0.3[mm]である。リッジ200の外面2001の幅Qは、0.3[mm]である。外面2001と斜面2002とがなす角度γ1は、30[°]である。外面2001と斜面2003とがなす角度γ2は、30[°]である。隣り合うリッジ200の距離Pは、1[mm]である。
【0079】
図2及び図3に示したように、カーカス折り返し部22のタイヤ径方向の外端部は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側に配置される。タイヤ径方向に関して、セレーション部100の内端部は、カーカス折り返し部22の外端部よりも内側に配置され、セレーション部100の外端部は、カーカス折り返し部22の外端部よりも外側に配置される。
【0080】
(タイヤの製造方法)
次に、タイヤ1の製造方法の一例について説明する。図9は、タイヤ1の製造システムの一部であるタイヤ成形用の金型500を模式的に示す断面図である。金型500は、加硫用の金型である。生タイヤ(グリーンタイヤ)が金型500の内側に配置される。生タイヤは、金型500に支持された状態で加硫される。
【0081】
金型500は、タイヤ周方向に配置され、タイヤ1のトレッド部6を成形するための複数のセクターモールド501と、タイヤ1のサイドウォール部7を成形するためのサイドモールド502とを備えている。
【0082】
セクターモールド501は、円環状モールドをタイヤ周方向に分割した部材である。セクターモールド501は、タイヤ周方向に複数配置される。複数のセクターモールド501のそれぞれは、タイヤ径方向に移動可能である。セクターモールド501は、タイヤ径方向の内側に移動することによって、タイヤ1のトレッド部6と接触する。セクターモールド501は、タイヤ径方向の外側に移動することによって、タイヤ1のトレッド部6から離れる。複数のセクターモールド501は、タイヤ径方向の内側に移動することによって一体化され、円環状モールドを形成する。複数のセクターモールド501は、タイヤ径方向の外側に移動することによって分割される。
【0083】
トレッド部6は、セクターモールド501によって成形される。セクターモールド501は、トレッド部6と対向するセクターモールド501の内面からタイヤ径方向の内側に突出するように突出部を有する。セクターモールド501の突出部により、溝10を含むパターンデザインがトレッドゴム8に形成される。
【0084】
サイドモールド502は、上側サイドモールド502Aと、下側サイドモールド502Bとを含む。タイヤ1は、上側サイドモールド502Aと下側サイドモールド502Bとの間に配置される。上側サイドモールド502Aは、上方向に移動することによって、タイヤ1のサイドウォール部7から離れる。上側サイドモールド502Aは、下方向に移動することによって、タイヤ1のサイドウォール部7と接触する。下側サイドモールド502Bは、下方向に移動することによって、タイヤ1のサイドウォール部7から離れる。下側サイドモールド502Bは、上方向に移動することによって、タイヤ1のサイドウォール部7と接触する。
【0085】
サイドウォール部7は、サイドモールド502によって成形される。サイドモールド502は、サイドウォール部7と対向するサイドモールド502の内面に設けられた凹凸部を有する。サイドモールド502の凹凸部により、セレーション部100がサイドゴム9に形成される。
【0086】
デザインエンドDは、セクターモールド501とサイドモールド502との境界部に一致する。
【0087】
(作用及び効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、ライン状の複数のリッジ200を有するセレーション部100がサイドウォール部7に設けられるので、サイドウォール部7は、セレーション部100によって補強される。そのため、サイドウォール部7におけるクラックの発生が抑制される。
【0088】
また、第1リッジ群101の内端部221は、タイヤ最大幅位置Eの内側から外側に亘って回転軸AXとの距離が徐々に大きくなるようにタイヤ周方向に複数配置される。第2リッジ群102の内端部221は、タイヤ最大幅位置Eの外側から内側に亘って回転軸AXとの距離が徐々に小さくなるようにタイヤ周方向に複数配置される。タイヤ最大幅位置Eの内側及び外側の一方から他方に亘ってリッジ200が設けられるので、タイヤ1の美感は向上する。
【0089】
また、タイヤ最大幅位置Eにおけるサイドウォール部7のサイドゴム9の厚みは薄く、サイドウォール部7のうちタイヤ最大幅位置Eが位置付けられている部位は大きく撓み変形する。そのため、サイドウォール部7のタイヤ最大幅位置Eが位置付けられている部位において、クラックが発生する可能性が高い。タイヤ最大幅位置Eを含むサイドウォール部7の表面の少なくとも一部が複数のリッジ200で覆われるので、クラックの発生が抑制される。また、サイドウォール部7にクラックが発生しても、複数のリッジ200によってクラックは目立たなくなり、タイヤ1の外観不良が抑制される。
【0090】
また、カーカス折り返し部22のようなタイヤ1の内部構造に起因してサイドウォール部7の表面に凹凸が形成されても、その凹凸はリッジ200でカモフラージュされる。そのため、タイヤ1の外観不良が抑制される。
【0091】
リッジ200の内端部221をタイヤ最大幅位置Eに集中させた場合、タイヤ最大幅位置Eで発生したクラックが、タイヤ最大幅位置Eに設けられた複数の内端部221に沿って成長する可能性が高くなる。本実施形態においては、第1リッジ群101の複数の内端部221を結ぶ第1仮想線J1がタイヤ最大幅位置Eの内側から外側に亘って傾斜するように第1リッジ201がサイドウォール部7の表面に複数配置され、第2リッジ群102の複数の内端部221を結ぶ第2仮想線J2がタイヤ最大幅位置Eの外側から内側に亘って傾斜するように第2リッジ202がサイドウォール部7の表面に複数配置される。これにより、内端部221がタイヤ最大幅位置Eに集中することが抑制される。また、リッジ200は間隔をあけて配置されており、複数の内端部221は分離している。内端部221が分離しているので、タイヤ最大幅位置Eでクラックが発生しても、クラックの伝播及び成長は抑制される。タイヤ1の外観不良及びクラックの成長が抑制されるので、クラックに起因するタイヤ1の品質の低下が抑制される。
【0092】
また、本実施形態においては、第1リッジ群101及び第2リッジ群102からなるリッジ群103がタイヤ周方向に隣接して複数設けられており、第1リッジ群101の複数の内端部221を結ぶ第1仮想線J1と第2リッジ群102の複数の内端部221を結ぶ第2仮想線J2とによって、ジグザグ状の内側仮想線Jがタイヤ周方向に形成される。内端部221がタイヤ周方向にジグザグ状に配置されることにより、サイドウォール部7における応力集中が抑制され、クラックの発生及び成長が抑制される。また、内端部221がジグザグ状に配置されることにより、タイヤ1の美感は向上する。
【0093】
また、本実施形態においては、1つのリッジ群103において、第1リッジ群101のうちタイヤ周方向の最も一側に配置される第1リッジ201の内端部221と回転軸AXとを結ぶ第1放射線H1と第2リッジ群102のうちタイヤ周方向の最も他側に配置される第2リッジ202の内端部221と回転軸AXとを結ぶ第2放射線H2とがなす角度βは、3[°]以上30[°]以下に定められる。リッジ群103の大きさ及び数(ジグザグの大きさ及び数)が適正値に定められるので、クラックの発生及び成長を抑制しつつ、タイヤ1の美感を向上することができる。
【0094】
また、本実施形態においては、リッジ200は、デザインエンドDとリムチェックラインRとの間のサイドウォール部7の表面に配置される。タイヤ径方向の最も内側に配置される内端部221と最も外側に配置される内端部221とのタイヤ径方向の距離Mは、デザインエンドDとリムチェックラインRとのタイヤ径方向の距離Lの5[%]以上40[%]以下に定められる。タイヤ径方向の最も内側に配置される内端部221と最も外側に配置される内端部221とのタイヤ径方向の距離Mは、ジグザグ状に配置される内端部221の振幅(ジグザグ幅)を意味する。ジグザグ幅MがデザインエンドDとリムチェックラインRとのタイヤ径方向の距離Lの5[%]よりも小さい場合、内端部221がタイヤ最大幅位置Eに集中することとなり、その結果、クラックの発生及び成長を十分に抑制できなくなる可能性がある。ジグザグ幅MがデザインエンドDとリムチェックラインRとのタイヤ径方向の距離Lの40[%]よりも大きい場合、タイヤ1の美感が悪くなる可能性がある。ジグザグ幅MをデザインエンドDとリムチェックラインRとのタイヤ径方向の距離Lの5[%]以上40[%]以下とすることにより、美感を良くしつつ、クラックの発生及び成長を抑制することができる。
【0095】
また、本実施形態においては、リッジ200の複数の内端部221によってジグザグ状の内側仮想線Jが形成され、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側に配置されたリッジ200の複数の外端部222によって、円形状の外側仮想線Kが形成される。セレーション部100が設けられるセレーション領域1000は、タイヤ最大幅位置Eよりも専らタイヤ径方向の外側に設けられることとなる。そのため、タイヤ1の美感は向上し、クラックの発生及び成長が抑制される。
【0096】
なお、本実施形態においては、放射線Hとリッジ200とがなす角度θは、45[°]であることとした。角度θは、20[°]以上60[°]以下の任意の値でもよい。角度θは、0[°]でもよい。すなわち、放射線Hとリッジ200とが平行でもよい。以下の実施形態においても同様である。
【0097】
なお、本実施形態においては、リッジ200は、タイヤ周方向に等間隔で配置されることとした。リッジ200は、タイヤ周方向に不等間隔に配置されてもよい。例えば、セレーション部100は、隣り合うリッジ200の距離Pが第1距離のリッジ200のグループと、隣り合うリッジ200の距離Pが第1距離よりも長い第2距離のリッジ200のグループとを含んでもよい。換言すれば、リッジ200が密に配置されるリッジ200のグループと、リッジ200が疎に配置されるリッジ200のグループとが設けられてもよい。以下の実施形態においても同様である。
【0098】
なお、本実施形態においては、距離Maと距離Mbとは等しいこととした。距離Maと距離Mbとは異なってもよい。以下の実施形態においても同様である。
【0099】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0100】
図10は、本実施形態に係るセレーション部100Aの一例を示す図である。第2実施形態に係るセレーション部100Aは、第1実施形態で説明したセレーション部100の変形例である。図10に示すように、セレーション部100Aは、タイヤ周方向に隣り合って配置され回転軸AXとの距離が徐々に変化する外端部222をそれぞれ有する複数の第1リッジ201Aからなる第1リッジ群101Aと、タイヤ周方向に隣り合って配置され回転軸AXとの距離が徐々に変化する外端部222をそれぞれ有する複数の第2リッジ202Aからなる第2リッジ群102Aとを含む。第1リッジ群101Aと第2リッジ群102Aとはタイヤ周方向に隣接する。
【0101】
第1リッジ群101Aのうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される第1リッジ201Aの外端部222は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の内側に配置される。第1リッジ群101Aのうち、タイヤ周方向の最も他側に配置される第1リッジ201Aの外端部222は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側に配置される。
【0102】
第2リッジ群102Aのうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される第2リッジ202Aの外端部222は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側に配置される。第2リッジ群102Aのうち、タイヤ周方向の最も他側に配置される第2リッジ202Aの外端部222は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の内側に配置される。
【0103】
第1リッジ群101A及び第2リッジ群102Aからなるリッジ群103Aがタイヤ周方向に隣接して複数設けられる。
【0104】
すなわち、図10に示す例では、第1リッジ群101A及び第2リッジ群102Aの複数の外端部222を結ぶ外側仮想線Kが、タイヤ最大幅位置Eを振幅中心としてジグザグ状に設けられる。第1リッジ群101A及び第2リッジ群102Aの複数の内端部221を結ぶ内側仮想線Jは、円形状である。内側仮想線Jは、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の内側に配置される。
【0105】
以上説明したように、セレーション部100Aが設けられるセレーション領域1000Aが、タイヤ最大幅位置Eよりも専らタイヤ径方向の内側に設けられてもよい。
【0106】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0107】
図11は、本実施形態に係るセレーション部3000の一例を示す図である。図12は、図11の一部を拡大した図である。図11及び図12に示すように、本実施形態に係るセレーション部3000は、第1実施形態で説明したセレーション部100と、第2実施形態で説明したセレーション部100Aとを組み合わせたものである。すなわち、セレーション部3000は、ジグザグ状の内側仮想線Jを形成する複数の内端部221を有する第1のセレーション部100と、少なくとも一部が第1のセレーション部100よりもタイヤ径方向の内側に配置され、第1のセレーション部100のリッジ200の内端部221と対向する外端部222をそれぞれ有する複数のリッジ222を有する第2のセレーション部100Aと、を含む。
【0108】
第1のセレーション部100のリッジ200は、内端部221が外端部222よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように、回転軸AXに対する放射線Hに対して傾斜する。
【0109】
第2のセレーション部100Aのリッジ200は、外端部222が内端部221よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように、回転軸AXに対する放射線Hに対して傾斜する。
【0110】
第1のセレーション部100の第1リッジ群101は、タイヤ周方向に隣り合って配置され、タイヤ周方向の一側から他側に向かって、回転軸AXとの距離が徐々に大きくなる内端部221をそれぞれ有する複数の第1リッジ201からなる。
【0111】
第1のセレーション部100の第2リッジ群102は、タイヤ周方向に隣り合って配置され、タイヤ周方向の一側から他側に向かって、回転軸AXとの距離が徐々に小さくなる内端部221をそれぞれ有する複数の第2リッジ202からなる。
【0112】
第2のセレーション部100Aの第1リッジ群101Aは、タイヤ周方向に隣り合って配置され、タイヤ周方向の一側から他側に向かって、回転軸AXとの距離が徐々に大きくなる外端部222をそれぞれ有する複数の第1リッジ201Aからなる。
【0113】
第2のセレーション部100Aの第2リッジ群102Aは、タイヤ周方向に隣り合って配置され、タイヤ周方向の一側から他側に向かって、回転軸AXとの距離が徐々に小さくなる外端部222をそれぞれ有する複数の第2リッジ202Aからなる。
【0114】
第1のセレーション部100の複数の内端部221により、ジグザグ状の内側仮想線Jが形成される。第1のセレーション部100の複数の外端部222により、円形状の外側仮想線Kが形成される。
【0115】
第2のセレーション部100Aの複数の外端部222により、ジグザグ状の外側仮想線Kが形成される。第2のセレーション部100Aの複数の内端部221により、円形状の内側仮想線Jが形成される。
【0116】
第1のセレーション部100の第1リッジ群101の内端部221と、第2のセレーション部100Aの第1リッジ群101Aの外端部222とが対向する。
【0117】
第1のセレーション部100の第2リッジ群102の内端部221と、第2のセレーション部100Aの第2リッジ群102Aの外端部222とが対向する。
【0118】
第2のセレーション部100Aの第1リッジ群101Aの複数の外端部222を結ぶ第3仮想線K1は、第1仮想線J1と平行である。第2のセレーション部100Aの第2リッジ群102Aの複数の外端部222を結ぶ第4仮想線K2は、第2仮想線J2と平行である。
【0119】
第1のセレーション部100の第1リッジ群101の複数の内端部221を結ぶ第1仮想線J1と第1のセレーション部100の第2リッジ群102の複数の内端部221を結ぶ第2仮想線J2とがなす角度αは、90[°]よりも大きい。
【0120】
図12に示すように、第1のセレーション部100のリッジ200と、第2のセレーション部100Aのリッジ200とは離れている。
【0121】
以上説明したように、本実施形態によれば、タイヤ最大幅位置Eよりも専らタイヤ径方向の外側に配置される第1のセレーション部100と、タイヤ最大幅位置Eよりも専らタイヤ径方向の内側に配置される第2のセレーション部100Aとの両方が設けられ、第1のセレーション部100のリッジ200の内端部221と第2のセレーション部100Aのリッジ200の外端部222とが対向する。サイドウォール部7の表面は、リッジ200で覆われることとなるので、クラックの発生及び成長が抑制される。また、タイヤ最大幅位置Eを含むサイドウォール部7の表面が複数のリッジ200で覆われることにより、発生したクラック又はタイヤ1の内部構造に起因する凹凸はカモフラージュされる。
【0122】
また、本実施形態によれば、第1のセレーション部100のリッジ200は、内端部221が外端部222よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように回転軸AXに対する放射線Hに対して傾斜し、第2のセレーション部100Aのリッジ200は、外端部222が内端部221よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように回転軸AXに対する放射線Hに対して傾斜するので、美感が向上する。また、第1のセレーション部100の光の反射方向と第2のセレーション部100Aの光の反射方向とが異なることとなるため、需要者に視覚を通じて美感を起こさせることができる。
【0123】
また、第1のセレーション部100の第1リッジ群101の内端部221と第2のセレーション部100Aの第1リッジ群101Aの外端部222とは対向し、第1のセレーション部100の第1リッジ群101の複数の内端部221を結ぶ第1仮想線J1と第2のセレーション部100Aの第1リッジ群101Aの複数の外端部222を結ぶ第3仮想線K1とは近接し実質的に平行となる。同様に、第1のセレーション部100の第2リッジ群102の内端部221と第2のセレーション部100Aの第2リッジ群102Aの外端部222とは対向し、第1のセレーション部100の第2リッジ群102の複数の内端部221を結ぶ第2仮想線J2と第2のセレーション部100Aの第2リッジ群102Aの複数の外端部222を結ぶ第4仮想線K2とは近接し実質的に平行となる。そのため、外観不良の発生、クラックの発生、及びクラックの成長が抑制される。
【0124】
また、本実施形態においては、図12に示すように、第1のセレーション部100のリッジ200と、第2のセレーション部100Aのリッジ200とは離れている。別々の部材である第1のセレーション部100のリッジ200と第2のセレーション部100Aのリッジ200とが離れて配置されることにより、第1のセレーション部100のリッジ200と第2のセレーション部100Aのリッジ200との境界部における応力集中が抑制され、クラックの発生が抑制される。また、第1のセレーション部100のリッジ200と第2のセレーション部100Aのリッジ200とが離れているので、クラックの伝播が抑制される。また、第1のセレーション部100のリッジ200及び第2のセレーション部100Aのリッジ200により、発生したクラック又はタイヤ1の内部構造に起因する凹凸はカモフラージュされる。
【0125】
なお、本実施形態において、第1のセレーション部100のリッジ200と第2のセレーション部100Aのリッジ200とは接触してもよい。第1のセレーション部100のリッジ200と第2のセレーション部100Aのリッジ200とが接触しても、第1のセレーション部100のリッジ200と第2のセレーション部100Aのリッジ200とは別々の部材なので、第1のセレーション部100のリッジ200と第2のセレーション部100Aのリッジ200との境界部における応力集中が抑制され、クラックの発生が抑制される。また、第1のセレーション部100のリッジ200と第2のセレーション部100Aのリッジ200とが分離していることにより、クラックの伝播が抑制される。
【0126】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0127】
図13は、本実施形態に係るセレーション部100Bの一例を示す図である。図13に示すように、セレーション部100Bは、タイヤ周方向に隣り合って配置され回転軸AXとの距離が徐々に変化する内端部221をそれぞれ有する複数の第1リッジ201Bからなる第1リッジ群101Bと、タイヤ周方向に隣り合って配置され回転軸AXとの距離が徐々に変化する内端部221をそれぞれ有する複数の第2リッジ202Bからなる第2リッジ群102Bと、を含む。第1リッジ群101Bと第2リッジ群102Bとはタイヤ周方向に隣接する。
【0128】
第1リッジ群101Bのうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される第1リッジ201Bの内端部221は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の内側に配置される。第1リッジ群101Bのうち、タイヤ周方向の最も他側に配置される第1リッジ201Bの内端部221は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側に配置される。
【0129】
第2リッジ群102Bのうち、タイヤ周方向の最も一側に配置される第2リッジ202Bの内端部221は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の内側に配置される。第2リッジ群102Bのうち、タイヤ周方向の最も他側に配置される第2リッジ202Bの内端部221は、タイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側に配置される。
【0130】
第1リッジ群101B及び第2リッジ群102Bからなるリッジ群103Bは、タイヤ周方向に隣接して複数設けられる。
【0131】
本実施形態において、第1リッジ群101Bの複数の内端部221を結ぶ第1仮想線J1と第2リッジ群102Bの複数の内端部221を結ぶ第2仮想線J2とがなす角度αは、90[°]よりも小さい。
【0132】
また、本実施形態においては、第1仮想線J1は第2仮想線J2よりも長く、第1仮想線J1の少なくとも一部は曲線状である。
【0133】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1仮想線J1と第2仮想線J2とのなす角度αを鋭角にすることにより、タイヤ1の美感は向上する。
【0134】
また、第1仮想線J1を第2仮想線J2よりも長くすることにより、美感が向上する。また、第1仮想線J1の少なくとも一部が曲線状となるように内端部221が間隔をあけて配置されることにより、クラックの伝播及び成長が抑制される。
【0135】
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0136】
図14は、本実施形態に係るセレーション部4000の一例を示す図である。図15は、図14の一部を拡大した図である。第4実施形態に係るセレーション部4000は、第4実施形態で説明したセレーション部100Bのタイヤ径方向の内側にセレーション部100Cを付加したものである。すなわち、セレーション部4000は、ジグザグ状の内側仮想線Jを形成する複数の内端部221を有する第1のセレーション部100Bと、少なくとも一部が第1のセレーション部100Bよりもタイヤ径方向の内側に配置され、第1のセレーション部100Bのリッジ200の内端部221と対向する外端部222をそれぞれ有する複数のリッジ200を有する第2のセレーション部100Cと、を含む。
【0137】
第1のセレーション部100Bの第1リッジ群101Bの複数の内端部221を結ぶ第1仮想線J1と第1のセレーション部100Bの第2リッジ群102Bの複数の内端部221を結ぶ第2仮想線J2とがなす角度αは、90[°]よりも小さい。
【0138】
第1のセレーション部100Bのリッジ200は、内端部221が外端部222よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように、回転軸AXに対する放射線Hに対して傾斜する。
【0139】
第2のセレーション部100Cのリッジ200は、外端部222が内端部221よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように、回転軸AXに対する放射線Hに対して傾斜する。
【0140】
第1のセレーション部100Bの第1リッジ群101Bは、タイヤ周方向に隣り合って配置され、タイヤ周方向の一側から他側に向かって、回転軸AXとの距離が徐々に大きくなる内端部221をそれぞれ有する複数の第1リッジ201Bからなる。
【0141】
第1のセレーション部100Bの第2リッジ群102Bは、タイヤ周方向に隣り合って配置され、タイヤ周方向の一側から他側に向かって、回転軸AXとの距離が徐々に小さくなる内端部221をそれぞれ有する複数の第2リッジ202Bからなる。
【0142】
第2のセレーション部100Cの第1リッジ群101Cは、タイヤ周方向に隣り合って配置され、タイヤ周方向の一側から他側に向かって、回転軸AXとの距離が徐々に大きくなる外端部222をそれぞれ有する複数の第1リッジ201Cからなる。
【0143】
第2のセレーション部100Cの第2リッジ群102Cは、第1仮想線J1と第2仮想線J2との間においてタイヤ周方向に隣り合って配置され、タイヤ周方向の一側から他側に向かって、回転軸AXとの距離が徐々に大きくなる内端部221をそれぞれ有する複数の第2リッジ202Cからなる。
【0144】
第1のセレーション部100Bの複数の内端部221により、ジグザグ状の内側仮想線Jが形成される。第1のセレーション部100Bの複数の外端部222により、円形状の外側仮想線Kが形成される。
【0145】
第2のセレーション部100Cの第1リッジ201Cの複数の外端部222を結ぶ第3仮想線K1と、第2のセレーション部100Cの第2リッジ202Cの複数の内端部221を結ぶ第4仮想線K2とにより、ジグザグ状の外側仮想線Kが形成される。第2のセレーション部100Bの複数の内端部221により、円形状の内側仮想線Jが形成される。
【0146】
第1のセレーション部100Bの第1リッジ群101Bの内端部221と、第2のセレーション部100Cの第1リッジ群101Cの外端部222とが対向する。
【0147】
第1のセレーション部100Bの第2リッジ群102Bの内端部221と、第2のセレーション部100Cの第2リッジ群102Cの内端部221とが対向する。
【0148】
第2のセレーション部100Cの第1リッジ群101Cの複数の外端部222を結ぶ第3仮想線K1は、第1仮想線J1と平行である。第2のセレーション部100Cの第2リッジ群102Cの複数の内端部221を結ぶ第4仮想線K2は、第2仮想線J2と平行である。
【0149】
図15に示すように、第1のセレーション部100Bのリッジ200と、第2のセレーション部100Cのリッジ200とは離れている。
【0150】
なお、第1のセレーション部100Bのリッジ200と、第2のセレーション部100Cのリッジ200とは接触してもよい。
【0151】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1仮想線J1と第2仮想線J2とのなす角度が鋭角であり、第1のセレーション部100Bのリッジ200は、内端部221が外端部222よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように回転軸AXに対する放射線に対して傾斜し、第2のセレーション部100Cのリッジ200は、外端部222が内端部221よりもタイヤ周方向の一側に配置されるように回転軸AXに対する放射線に対して傾斜する。これにより、第1のセレーション部100Bの光の反射方向と第2のセレーション部100Cの光の反射方向とが異なることとなるため、需要者に視覚を通じて美感を起こさせることができる。また、第1のセレーション部100Bの第1リッジ群101Bの内端部221と第2のセレーション部100Cの第1リッジ群101Cの外端部222とは対向し、第1のセレーション部100Bの第1リッジ群101Cの複数の内端部221を結ぶ第1仮想線J1と、第2のセレーション部100Cの第1リッジ群101Cの複数の外端部222を結ぶ第3仮想線K1とは近接し実質的に平行となる。また、第1のセレーション部100Bの第2リッジ群102Bの内端部221と第2のセレーション部100Cの第2リッジ群102Cの内端部221とは対向し、第1のセレーション部100Bの第2リッジ群102Cの複数の内端部221を結ぶ第2仮想線J2と、第2セレーション部100Cの第2リッジ群102Cの複数の内端部221を結ぶ第4仮想線K2とは近接し実質的に平行となる。これにより、サイドウォール部7の表面はリッジ200で覆われることとなるため、外観不良の発生、クラックの発生、及びクラックの成長が抑制される。
【0152】
また、本実施形態によれば、第2のセレーション部100Cの第2リッジ群102Cは、鋭角をなす第1仮想線J1と第2仮想線J2との間に配置される。鋭角をなす第1仮想線J1と第2仮想線J2との間に、長さが短い第2リッジ群102Cのリッジ200が配置されることにより、タイヤ1の製造工程のうち金型500を用いる加硫工程において、第1仮想線J1と第2仮想線J2との間にガス溜まりが生成されることが抑制される。ガスが円滑に排出されつつ加硫工程が実施されるので、高品質なタイヤ1が製造される。
【0153】
なお、本実施形態において、第2のセレーション部100Cが設けられ、第1のセレーション部100Bが省略されてもよい。
【0154】
<第6実施形態>
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0155】
図16は、本実施形態に係るタイヤ1の一例を示す図である。図16に示すタイヤ1は、第4実施形態で説明したセレーション部100Bと、第5実施形態で説明したセレーション部4000とを有する。セレーション部100Bは、タイヤ周方向に関してサイドウォール部7の表面の一部の領域に設けられる。セレーション部4000も、タイヤ周方向に関してサイドウォール部7の表面の一部の領域に設けられる。図16に示す例では、タイヤ周方向に関して、セレーション部100Bとセレーション部4000とが交互に設けられる。また、セレーション部4000には、「ABCDEFGHI J/K」、「PQRSTUVW」のような文字又は模様が設けられる。また、セレーション部100Bのタイヤ径方向の内側のサイドウォール部7の表面には、「LMNO」のような文字又は模様が設けられる。文字又は模様は、タイヤ1のブランド名又は商品名を示す。
【0156】
本実施形態によれば、セレーション部100B及びセレーション部4000が、ジグザグ状の仮想線(境界線)を有するため、タイヤ1側面に対する注視力が向上し、ブランド識別力に貢献することができる。
【0157】
<実施例>
次に、本発明に係るタイヤ1について実施した評価試験の結果について説明する。評価試験では、タイヤサイズが205/55R16 91V、リムサイズが16×6.5JJの空気入りタイヤを用いた。
【0158】
評価対象のタイヤとして、比較例に係るタイヤと、本発明に係るタイヤ1とを用意した。比較例に係るタイヤとして、図17に示す比較例1に係るタイヤと、図18に示す比較例2に係るタイヤを用意した。比較例1に係るタイヤは、セレーション部がタイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側に設けられているタイヤである。比較例2に係るタイヤは、セレーション部がタイヤ最大幅位置Eよりもタイヤ径方向の外側及び内側の両方に設けられているタイヤである。比較例1及び比較例2の両方とも、リッジの端末部がタイヤ最大幅位置Eに沿って配置されている。
【0159】
本発明に係るタイヤとして、上述の第1実施形態に係るタイヤ1(図6等参照)と、上述の第3実施形態に係るタイヤ1(図11等参照)と、上述の第4実施形態に係るタイヤ1(図13等参照)と、上述の第5実施形態に係るタイヤ1(図14等参照)とを用意した。以下の説明においては、第1実施形態(図6等参照)に係るタイヤ1を、実施例1に係るタイヤ1とし、第3実施形態(図11等参照)に係るタイヤ1を、実施例2に係るタイヤ1とし、第4実施形態(図13等参照)に係るタイヤ1を、実施例3に係るタイヤ1とし、第5実施形態(図14等参照)に係るタイヤ1を、実施例4に係るタイヤ1として説明する。
【0160】
評価試験の評価項目は、(1)耐久性、(2)外観、(3)ブランドの視認性、とした。
【0161】
耐久性とは、タイヤ最大幅位置Eを含むサイドウォール部7のクラックの発生し難さを意味する。耐久性の評価試験では、タイヤの周上の4ヶ所(等間隔)におけるリッジ間の凹部に、それぞれ深さ1.5[mm]、長さ5.0[mm]の切込みを形成した。このように切り込みを形成したタイヤに空気圧120[kPa]で空気を充填し、室内ドラム試験機により、タイヤ最大負荷能力の88[%]に相当する荷重を負荷させて、速度81[km/h]で62[時間]にわたり連続走行させ、走行後の各タイヤについて、それぞれ切込みの成長率を測定し評価した。評価結果は、比較例1及び比較例2のタイヤを100とした指数値で算出した。数字が大きいほど耐久性が優れている、具体的にはクラック成長をより抑制できていることを示す。なお、これらの性能試験では、評価が104以上あれば優位性ありと判断され、評価が97〜103の範囲では同等と判断される。
【0162】
外観とは、タイヤの内部構造に起因するサイドウォール部7の凹凸の目立ち難さを意味する。カーカス折り返し部22により、サイドウォール部7の表面に凹凸が形成される。外観の評価試験では、カーカス折り返し部22に起因してサイドウォール部7の表面に形成された凹凸がどの程度目立つかを目視によって評価した。評価結果は、比較例1及び比較例2に係るタイヤを100とした指数値で算出した。数字が大きいほどサイドウォール部7の外観が優れていることを示す。
【0163】
ブランドの視認性とは、サイドウォール部7に設けられたブランドを示す文字又は模様(図16参照)の視認のし易さを意味する。ブランドの視認性の評価試験では、サイドウォール部7に設けられたブランドを示す文字又は模様がどの程度目立つかを目視によって評価した。評価結果は、比較例1及び比較例2に係るタイヤを100とした指数値で算出した。数字が大きいほどブランドの視認性が優れていることを示す。
【0164】
上述の3つの評価項目について評価試験した結果を図19に示す。図19に示すように、比較例よりも実施例の方が、(1)耐久性、(2)外観、(3)ブランドの視認性、の全ての項目について、評価が高いことが分かる。以上より、本発明に係るタイヤ1は、高い品質を有することが分かる。
【符号の説明】
【0165】
1 タイヤ
2 カーカス
3 ベルト層
4 ベルトカバー
5 ビード部
6 トレッド部
7 サイドウォール部
8 トレッドゴム
9 サイドゴム
10 溝
11 主溝
12 ラグ溝
13 センター部
14 ショルダー部
21 カーカス本体部
22 カーカス折り返し部
31 第1ベルトプライ
32 第2ベルトプライ
51 ビードコア
52 ビードフィラー
100 セレーション部
100A セレーション部
100B セレーション部
100C セレーション部
101 第1リッジ群
101A 第1リッジ群
101B 第1リッジ群
101C 第1リッジ群
102 第2リッジ群
102A 第2リッジ群
102B 第2リッジ群
102C 第2リッジ群
103 リッジ群
103A リッジ群
103B リッジ群
103C リッジ群
200 リッジ
201 第1リッジ
201A 第1リッジ
201B 第1リッジ
201C 第1リッジ
202 第2リッジ
202A 第2リッジ
202B 第2リッジ
202C 第2リッジ
210 直線部
220 端末部
221 内端部(第1端末部)
222 外端部(第2端末部)
500 金型
501 セクターモールド
502 サイドモールド
1000 セレーション領域
1000A セレーション領域
2001 外面
2002 斜面
2003 斜面
3000 セレーション部
4000 セレーション部
AX 回転軸
C タイヤ中心(タイヤ赤道面)
D 境界部(デザインエンド)
E タイヤ最大幅位置
F セレーション部最大幅位置
H 放射線
J 内側仮想線
J1 第1仮想線
J2 第2仮想線
K 外側仮想線
K1 第3仮想線
K2 第4仮想線
L 距離
M 距離
Ma 距離
Mb 距離
N 突出量
P 距離
Q 幅
R リムチェックライン
SW1 タイヤ断面幅
SW2 タイヤ総幅
T 接地端
TW1 トレッド接地端
TW2 トレッド展開幅
α 角度
β 角度
γ1 角度
γ2 角度
θ 角度
【要約】
【課題】クラックに起因する品質の低下を抑制できる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤは、所定のパターンデザインで溝が設けられるトレッド部と、タイヤ最大幅位置が位置付けられる表面を有するサイドウォール部と、サイドウォール部の表面においてタイヤ周方向に間隔をあけて配置される複数のリッジを有するセレーション部と、を備える。セレーション部は、タイヤ周方向に隣り合って配置され回転軸との距離が徐々に変化する端末部をそれぞれ有する複数の第1リッジからなる第1リッジ群と、タイヤ周方向に隣り合って配置され回転軸との距離が徐々に変化する端末部をそれぞれ有する複数の第2リッジからなる第2リッジ群と、を含む。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19